JP3719052B2 - 光モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、光送受信あるいは光送信を行う場合に使用される光モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、通信用の光モジュールには、光導波路を有する光学用基板と、この光学用基板上の光導波路に接続する受・発光素子および光ファイバ等の光学素子とを備えたものが知られている。
このような光モジュールにおいては、発光素子からの光ビームが光導波路,光ファイバを介して外部に伝搬され、また外部からの光ビームが光ファイバ,光導波路を介して受光素子に伝搬される。
【0003】
従来、この種の光モジュールには、特開平6−273631号公報(従来例1)および特開平9−281351号公報(従来例2)にそれぞれ「光導波路」と「高分子光導波路の製造方法」として開示されたものが提案されている。
【0004】
「従来例1」
これは、図6に示すように光学用基板61上に下方クラッド62,コア63および上方クラッド64を順次積層し、次にこの積層体の側面を覆う側方クラッドを積層することにより、断面正方形状(ストリップライン形状)の光導波路を形成してなるものである。
【0005】
「従来例2」
これは、転写型上にコアおよび第一クラッドを順次積層し、次にこの積層体から転写型を剥離させた後、コアの露呈面(第一クラッドと反対側の面)に第二クラッドを積層することにより、断面正方形状(ストリップライン形状)の光導波路を形成してなるものである。
【0006】
このような光モジュールにおいては、図7に示すように、光学用基板71上にそれぞれが互いに90°異なる光路方向をもつ光導波路72を形成する場合、二つの直線部72a,72b間に曲線部72cを介在させることが行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の光モジュールにおいて、光導波路72の光路方向を曲げるには、曲線部72cの曲率半径を光導波路72の幅方向寸法より相当大きい寸法(光導波路72の幅方向寸法の500倍以上の寸法)に設定する必要が生じ、すなわち例えば光導波路72の幅寸法を約10μmとすると、曲線部72cの曲率半径が5mm程度の寸法となり、光学用基板71上の全実装領域面積に対する光路(曲線部72c)の実装領域面積が比較的大きな割合で占められていた。
【0008】
この結果、光学用基板71の全実装領域に対する他の光学素子等の実装領域が小さくなり、部品実装密度が低下するという問題があった。
また、両直線部72a,72b間に大きい曲率半径をもつ曲線部72cが介在することは、それだけ光伝送距離が大きくなり、光伝送時に光の減衰によって光伝送損失が大きくなるという問題もあった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、各光路方向が互いに異なる二つの光導波路の接続に反射鏡を有する光結合素子を用いることにより、部品実装密度を高めることができるとともに、光伝送損失を低減することができる光モジュールの提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の光モジュールは、各光路方向が互いに異なるクラッドおよびコアからなる少なくとも二つの光導波路を有する光学用基板と、この光学用基板上に配設され、かつ前記両光導波路に接続された光結合素子とを備え、この光結合素子は、前記両光導波路のうち一方の光導波路から他方の光導波路に光路を変換するための光反射鏡、及び、前記両光導波路のコアの屈折率より小さい屈折率の薄膜を有し、前記光結合素子を前記両光導波路のコア上面に接着剤によって接着したことで、前記コアから染み出した光を前記薄膜にて光結合素子に伝送させる構成としてある。
したがって、コアから染み出した光がコアの屈折率より小さい屈折率の薄膜を介して光結合素子に伝送される。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記光反射鏡を二つの光反射鏡で構成し、光結合素子の配置方向が傾斜しても光反射鏡に入射する光の曲げ角度を一定にすることによって、光結合素子と光導波路との位置ずれ許容度を高くした構成としてある。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記コアの平面形状を、前記光結合素子近傍より放物線状とした構成としてある。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の第一実施形態に係る光モジュールを示す断面図と平面図、図3は本発明の第一実施形態に係る光モジュールにおける光結合素子の接続状態を示す平面図である。
図1〜図3において、符号1で示す光モジュールは、光学用基板2,光結合素子3,発光素子4および光ファイバ5を備えている。
【0018】
光学用基板2は、一側端縁の角部近傍に断面V字状の凹溝2aを有するシリコン基板によって形成されている。凹溝2aは、弗化水素酸,硝酸,硫酸および酢酸等の酸性水溶液によってケミカルエッチング処理を施すことにより形成されている。これにより、光学用基板2に対する光ファイバ5の取り付けが、ファイバ先端部を凹溝2a内に位置付けて行われる。
【0019】
なお、凹溝2aの深さは、ファイバ取付状態において光ファイバ5(直径125μm)のコア5aが光学用基板2の上面から30μmの高さになるような寸法、すなわちコア5aが光学用基板2上における光導波路のコア(共に後述)に合致するような寸法に設定されている。
【0020】
光学用基板2上には、それぞれが互いに平行な二つの光導波路6,8およびこれら両光導波路6,8に直角な光導波路7が形成されている。各光導波路6〜8はほぼ同一に、すなわち例えば光導波路6a,6bをそれぞれ光導波路7a,7bと光導波路8a,8bに対応させて構成されているため、光導波路6の構成についてのみ説明し、他の光導波路7,8の構成についての説明は省略する。
光導波路6は、光結合素子3に接続する光導波路6aおよび発光素子4に接続する光導波路6bからなり、上方クラッド6A,下方クラッド6Bおよびコア6Cを有している。
【0021】
光導波路6aは、図3に破線で示す放物線底部から放物線開口部までの距離を1.92mmとし、かつ開口幅を80μmとする放物線形状の輪郭(一部)を有し、光導波路6bに放物線底部から光結合素子3に向かって30μm離間する接続部において連設されている。光導波路6aの幅方向寸法は、光導波路6bとの接続部から光結合素子3に向かって90μm離間する部位において20μmの寸法に設定され、またその接続部から光結合素子3に向かって1.89mm離間する部位において80μmの寸法に設定されている。
【0022】
そして、光導波路6aは、光結合素子3の平面内であって底辺に連続する一辺近傍に幅方向寸法および光路方向寸法をそれぞれ80μmと366μmとする領域にわたってコア6Cが薄膜(後述)を介して接着されている。これにより、光結合素子3に対する光導波路6aから光束の大部分のエネルギーが導かれる。
この場合、接着剤としては、コア5Cの屈折率と同一の屈折率をもつ紫外線硬化エポキシ接着剤が用いられる。
【0023】
なお、光導波路7aは、光結合素子3の平面内であって底辺に連続する一辺近傍に幅方向寸法および光路方向寸法をそれぞれ80μmと366μmとする領域にわたってコア6Cが薄膜(後述)を介して接着されている。これにより、光導波路7aに対する光結合素子3から光束の大部分のエネルギーが導かれる。
【0024】
一方、光導波路6bは平面がストリップライン(矩形)形状とする光路からなり、コア6Cが発光素子4の出射口4aに光学的に結合されている。これにより、発光素子4の出射光が光導波路6bに導かれる。光導波路6bの幅方向寸法は、10μmの寸法に設定されている。
【0025】
上方クラッド6A,下方クラッド6Bおよびコア6Cは、液状エポキシオリゴマーを紫外線で硬化させて形成されている。両クラッド6A,6Bは、屈折率を1.49とし、厚さが30μmの寸法に設定されている。コア6Cは、屈折率を1.517とし、厚さが10μmの寸法に設定されている。
【0026】
また、光学用基板2における光導波路6,7間および光導波路7,8間の接続部近傍には、紫外線硬化エポキシ樹脂からなる側方クラッド9,10が形成されている。側方クラッド9,10の厚さは、光導波路6aの下方クラッド6Bの厚さにコア6Cの厚さを加算した40μmの寸法に設定されている。
光学用基板2の発光素子側(光ファイバ5の取付側と反対側)端縁には、各端部に端子11a,12aを有する銅等の配線パターン11,12が形成されている。
【0027】
光結合素子3は、光導波路6aのコア6C(接着層を含む)とともに方向性結合器Aを形成する二つの光結合素子(平面光学部品)3a,3bからなり、このうち光結合素子3aが両光導波路6,7のコア6Cと側方クラッド9に、また光結合素子3bが両光導波路7,8のコア6Cと側方クラッド10に接着されている。これら両光結合素子3はほぼ同一に構成されているため、一方の光結合素子3aの構成のみについて説明し、他方の光結合素子3bの構成の説明については省略する。
【0028】
光結合素子3aは、素子本体3a1および薄膜3a2を有している。
素子本体3a1は、直角二等辺三角形の底辺および二辺の一部をそれぞれ底辺(長さ903μm)と二辺(各辺の長さ366μm)とし、かつこれら二辺のつくる挟角を頂角(135°)とする平面五角形状の光路変換素子からなり、全体が紫外線硬化性エポキシ樹脂あるいはクラウンガラス(BK7)等の透明体によって形成されている。
【0029】
また、素子本体3a1は、屈折率を1.517とし、厚さが10μmの寸法に設定されている。素子本体3a1における頂角近傍の各光路方向端面には、光結合素子3aの入射方向と出射方向を直角とするような光反射鏡a,bがアルミ蒸着して形成されている。これにより、光結合素子3の配置方向が傾斜しても、入射光を90°曲げて出射光とするため、配向角度のずれ許容度が高い。また、光導波路6aを80μmの幅に広げているので、光結合素子3の位置ずれが10μm程度まで許容され、その許容度が高く、光導波路6aと光結合素子3の位置合わせが簡単になる。
【0030】
薄膜3a2は、素子本体3aに紫外線硬化性エポキシ接着剤をスピンコート法によって積層してなり、光導波路6aのコア6Cに接着されている。薄膜3bの屈折率は1.507とし、厚さが2μmの寸法に設定されている。
【0031】
方向性結合器Aは、薄膜3a2の屈折率をコア6Cの屈折率で除した比屈折率をn(n=1.507÷1.517)とするとともに、光の屈折率をλとし、かつ薄膜3a2の厚さをdとする結合器である場合、
exp[−2×π×{(1−n2)0.5}×d/λ]
程度の率で減衰して上下結合層に染み出した光(エバネッセント光)が伝送される。
【0032】
例えば、比屈折率nをn=0.9934(コア6Cおよび薄膜3a2の各屈折率が1.517と1.507)とするとともに、光の屈折率をλ=1.3μmすると、光伝送量は厚さdがd=1.3μmで半減し、d=4.2μmで1/10以下に小さくなる。
【0033】
ここで、光導波路6aから薄膜3a2を介して素子本体3a1に光が染み出すモード結合定数をκとし、コア6Cの厚さと素子本体3a1の厚さが等しい場合にその厚さをtとすると、κは
κ=(λ/t2)×exp[−2×π×{(1−n2)0.5}×d/λ]…(1)
となる。
【0034】
そして、コア6Cから素子本体3a1に移行する光束は、上下結合層における光の進行方向長さ(Z)に応じて周期的に変動する。
Z=(π/2)/κ …(2)
これにより、比屈折率n,光の波長λ,コア6C(素子本体3a1)の厚さtおよび薄膜3a2の厚さdをそれぞれn=0.9934,λ=1.3μm,t=10μm,d=2μmとすると、z=366μmが得られる。
【0035】
また、光導波路6bのコア径dをd=10μmとすると、その端面から出射する光の広がり角度(半角)は(4/π)×λ/dラジアンとなる。
例えば、光導波路6bのコア径dをd=10μmとし、光導波路6aに波長λ=1.3の光が入射すると、その光の広がり角は0.17ラジアン(9.7°)となり、光導波路6aの放物線開口位置で光束幅が321mmに広がる。
【0036】
この場合、光導波路6aの開口幅が80μmであるため、光束が光導波路6aの側面で反射する。そして、光導波路6aの開口位置において、光束の広がり角が補正され、光束幅ω0が80μmで広がり、広がり角θは0.21ラジアンとなる。
ここで、光路の距離(Z)の位置における光束幅ωは次式から導かれる。
ω=ω0{1+(θ×Z/ω0)2}0.5 …(3)
【0037】
これにより、光束が光結合素子3aに入射して出射するまでの光路は、内側および外側でそれぞれ958μmと1118μmであるため、(3)式より距離Zの位置において光束幅は80μm×1.03となって3%広がる。
この場合、光伝送損失は、光導波路6aと光結合素子3の結合部分において少なく、実用上問題がない。
【0038】
発光素子4は、スポットサイズ変換素子付きのレーザダイオードからなり、配線パターン11,12の端子11a,12aに出射口4aを光導波路6bのコア6Cに合致させて半田バンプ4b,4c(直径約26μm)を介して接続されている。
光ファイバ5は、約10μmのコア径をもつシングルモード光ファイバからなり、光学用基板2の凹溝2a内にコア5aを光導波路8bのコア6Cに合致させて取り付けられている。
【0039】
このように構成された光モジュールにおいては、発光素子4からレーザ光が出射すると、光導波路6,光結合素子3a,光導波路7,光結合素子3bおよび光導波路8を順次経て光ファイバ5に導かれる。
この場合、各光結合素子3a,3bにおいて、レーザ光が光反射鏡a,bで反射して光路方向を90°変換する。
【0040】
したがって、本実施形態においては、光導波路の光路方向を曲げる場合に従来のように大きな曲率半径をもって光路を形成する必要がないから、光学用基板2上の全実装領域面積に対する光路の実装領域面積が占める割合が小さくなり、それだけ光学用基板2の全実装領域に対する他の光学素子等の実装領域が大きくなる。
また、本実施形態において、光結合素子3a,3bの光反射鏡a,bによってレーザ光を反射させて光路方向を変換させたことは、光導波路の曲線部によって光路方向を変換させる場合と比較して光伝送距離が小さくなるから、光伝送時の光減衰を少なくすることができる。
【0041】
次に、第一実施形態における光モジュールの製造方法につき、図1,図2および図4(a)〜(l)を用いて説明する。
図4(a)〜(l)は本発明の第一実施形態に係る光モジュールの製造方法を説明するために示す断面図である。
本実施形態における光モジュールの製造は、「配線パターンと凹溝の形成」,「光導波路(下方クラッド層とコア層)の形成」,「光結合素子の接着」,「光導波路(上方クラッド層)の形成」および「発光素子と光ファイバの実装」を順次経て行われる。
【0042】
「配線パターンと凹溝の形成」
先ず、図4(a)に示す光学用基板2に弗化水素酸,硝酸,硫酸あるいは酢酸の酸性水溶液でケミカルエッチング処理を施すことにより同図(b)に示すように断面V字状の凹溝2aを形成する。
次に、同図(c)に示すように、光学用基板2の表面に銅めっき処理を施すことにより端子11a,12aを有する配線パターン11,12を形成する。
【0043】
「光導波路(下方クラッド層とコア層)の形成」
先ず、同図(d)に示すように、光学用基板2が収容された深さ可変容器V内に液状エポキシオリゴマーおよび光重合開始剤を含む溶液を充満させる。
この場合、溶液の液面が光学用基板2の表面より上方30μmの高さになるように深さ可変容器Vの側壁vが高さ調整される。
なお、溶液としては、紫外線硬化後の屈折率が1.49となるように成分調整したものが用いられる。
【0044】
次に、光学用基板2の表面より上方100μmの高さに同図(d)に二点鎖線で示す第一紫外線マスクmを設置し、この第一紫外線マスクmを介して深さ可変容器V内の溶液に光導波路6〜8のパターンで紫外線を照射することにより液状エポキシオリゴマーを硬化させて下方クラッド層41を形成する。
【0045】
そして、同図(e)に示すように、光学用基板2と第一紫外線マスクmの相対位置を固定したまま、側壁vを高さ調整して深さ可変容器V内に液状エポキシオリゴマーおよび光重合開始剤を含む溶液を充満させ、この溶液に光導波路6〜8のパターンで紫外線を照射することにより溶液の一部を硬化させてコア層42を形成する。
この場合、溶液の液面が光学用基板2の表面より上方40μm(下方クラッド層より上方10μm)の高さになるように、深さ可変容器Vの側壁vが高さ調整される。
【0046】
なお、溶液としては、紫外線硬化後の屈折率が1.517となるように成分調整したものが用いられている。
また、同図(d)および(e)において、符号41aおよび42aは下方クラッド層41とコア層42の紫外線硬化部分を示す。
【0047】
その後、同図(f)に示すように、光学用基板2と第一紫外線マスクmの相対位置を固定したまま、側壁vを高さ調整して深さ可変容器V内に液体エッチングレジストを充満させてから、この液体エッチングレジストに光導波路6〜8のパターンで紫外線を照射することによりレジストの一部を硬化させ、同図(g)に示すように現像してエッチングレジスト皮膜43を形成する。
この場合、液体エッチングレジストの液面が光学用基板2の表面より上方70μm(コア層より上方30μm)の高さになるように、深さ可変容器Vの側壁vが高さ調整される。
【0048】
そして、同図(h)に示すように、下方クラッド層41およびコア層42の紫外線未硬化部分をイソプロパノール溶液で現像除去してエッチングレジスト皮膜43,下方クラッド層41およびコア層42の紫外線硬化部分41a,42aを残し、このうちコア層42の紫外線硬化部分42aの側面を軟質ポリシャで境面研磨した後、エッチングレジスト皮膜43を溶剤によって剥離除去する。
【0049】
「光結合素子の接着」
予め、同図(i)に示すように、光導波路(下方クラッド層とコア層)の形成後における光学用基板2上に紫外線硬化エポキシ樹脂を塗布することにより側方クラッド層44を形成しておく。
この場合、側方クラッド層44の素子実装面44aが光学用基板2の表面より上方40μmの高さになるように、その層厚が設定される。
なお、紫外線硬化エポキシ樹脂としては、紫外線硬化後の屈折率が1.49となるように成分調整したものが用いられる。
【0050】
そして、同図(j)に示すように、側方クラッド層44およびコア層42(紫外線硬化部分42a)上に紫外線硬化エポキシ接着剤によって光結合素子3を接着し、80℃で20分間乾燥させる。
【0051】
「光導波路(上方クラッド層)の形成」
先ず、同図(k)に示すように、光学用基板2上に光結合素子3およびコア層42(コア)を覆うように紫外線硬化エポキシ樹脂を塗布し、80℃で20分間乾燥させることにより上方クラッド層45を形成する。
この場合、光学用基板2の表面より上方70μmの高さになるように、上方クラッド層45の層厚が設定される。
なお、紫外線硬化エポキシ樹脂としては、側方クラッド層44を形成する場合と同様に、紫外線硬化後の屈折率が1.49となるように成分調整したものが用いられる。
【0052】
次に、上方クラッド層45の上方に同図(k)に二点鎖線で示す第二紫外線マスクnを設置し、側方クラッド層44および上方クラッド層45に紫外線を照射することによりクラッド層一部を硬化させる。
この場合、紫外線の照射は、発光素子4および光ファイバ5の各実装領域を除き、光導波路6〜8のパターンに対して行われる。
【0053】
そして、同図(l)に示すように、側方クラッド44および上方クラッド層45の未硬化部分をイソプロパノール溶液で現像して除去し、150℃で30分間加熱処理を施して側方クラッド層44および上方クラッド層45の硬化部分を完全硬化させる。
【0054】
「発光素子と光ファイバの実装」
図1および図2に示すように、光学用基板2に対し、発光素子4を半田バンプ4b,4cが配線パターン11,12の端子11a,12aに位置するように実装するとともに、光ファイバ5をファイバ先端部が凹溝2a内に位置するように実装する。
この場合、発光素子4の出射口4aおよび光ファイバ5のコア5aをそれぞれ光導波路6,8のコア6Cに合致するような位置に位置付ける。また、半田バンプ4b,4cが端子11a,12aにセルフアライメント効果によって位置合わせされる。
このようにして、光モジュールを製造することができる。
【0055】
次に、本発明の第二実施形態につき、図5を用いて説明する。
図5は本発明の第二実施形態に係る光モジュールを示す平面図で、同図において図1〜4と同一または同等の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
同図において、符号51で示す光モジュールは、光学用基板52,光結合素子53,発光素子4,受光素子54および光ファイバ5を備えている。
光学用基板52は、第一実施形態に示す光学用基板2と同様に、一側端縁の角部近傍に断面V字状の凹溝52aを有するシリコン基板によって形成されている。
【0056】
光学用基板52上には、それぞれが互いに平行な二つの光導波路55,56が形成されている。
光導波路55は、発光素子4および光ファイバ5にそれぞれ接続する二つの光導波路55aと、これら各光導波路55aに連接する二つの光導波路55bとからなり、上方クラッド6A,下方クラッド6Bおよびコア6C(図5に図示せず)を有している。
【0057】
光導波路55aは、平面がストリップライン(矩形)形状とする光路からなり、各コア6Cが発光素子4の出射口4aと光ファイバ5のコア5aに光学的に結合されている。光導波路55aの幅方向寸法は、10μmの寸法に設定されている。
【0058】
一方、光導波路55bは、図5に破線で示す放物線底部から放物線開口部までの距離を3.00mmとし、かつ開口幅を100μmとする放物線形状の輪郭(一部)を有し、それぞれが互いに開口部において連設され、かつ光導波路55aに放物線底部から光結合素子53に向かって30μm離間する接続部において連設されている。
【0059】
そして、光導波路55bは、光結合素子53の平面内における片側側縁に幅方向寸法および光路方向寸法をそれぞれ100μmと183μmとする領域にわたってコア6Cが薄膜(図示せず)を介して接着されている。これにより、光結合素子3に対する光導波路55bから光束の半分のエネルギーが導かれる。
この場合、接着剤としては、コア5Cの屈折率と同一の屈折率をもつ紫外線硬化エポキシ接着剤が用いられる。
【0060】
光導波路56は、受光素子53に接続する光導波路56aと、この光導波路56aに連接する光導波56bとからなり、光導波路55と同様に、上方クラッド6A,下方クラッド6Bおよびコア6Cを有している。
【0061】
光導波路56aは、平面がストリップライン(矩形)形状とする光路からなり、各コア6Cが受光素子53の入射口53aに光学的に結合されている。光導波路56aの幅方向寸法は、10μmの寸法に設定されている。
【0062】
一方、光導波路56bは、図5に破線で示す放物線底部から放物線開口部までの距離を3.00mmとし、かつ開口幅を100μmとする放物線形状の輪郭(一部)を有し、光導波路56aに放物線底部から光結合素子53に向かって30μm離間する接続部において連設されている。
【0063】
そして、光導波路56bは、光結合素子53の平面内における片側側縁(光導波路55bの接続部と反対側側縁)に幅方向寸法および光路方向寸法をそれぞれ100μmと366μmとする領域にわたってコア6Cが薄膜を介して接着されている。これにより、光結合素子3に対する光導波路53bから光束の全エネルギーが導かれる。
【0064】
光結合素子53は、素子本体53aおよび薄膜(図示せず)を有し、光導波路55,56のコア6C(接着層を含む)とともに方向性結合器A(図5に図示せず)を形成する平面光学部品からなり、光導波路55b,56bのコア6Cに接着されている。
【0065】
素子本体53aは、入射方向光路部分および出射方向光路部分の長さがそれぞれ183μmと366μmとする二辺およびこれら二辺に45°傾斜して連接しそれぞれが互いに平行な二辺をもち、かつ入射方向および出射方向と垂直な方向の寸法が1.2mm+αとする平面七角形状の光路変換素子からなり、全体が紫外線硬化性エポキシ樹脂あるいはクラウンガラス(BK7)等の透明体によって形成されている。
【0066】
また、素子本体3aは、屈折率を1.517とし、厚さが10μmの寸法に設定されている。素子本体53aの二辺(45°傾斜する二辺)を含む光路方向端面には、それぞれが光路方向に1.1mm離間し、入射光および出射光を互いに平行とするような光反射鏡s,tが形成されている。これにより、一方の例えば光導波路55から光が光結合素子53に入射して各反射鏡s,tで反射した後、光結合素子53から入射方向と平行な方向に沿って他方の例えば光導波路56に出射する。
【0067】
一方、薄膜は、素子本体53aに紫外線硬化性エポキシ接着剤をスピンコート法によって積層してなり、各光導波路55b,56bのコア6Cに接着されている。薄膜の屈折率は1.507とし、厚さが2μmの寸法に設定されている。
【0068】
受光素子54は、受光口54aが光導波路56aのコア6Cに光学的に結合され、かつ光学用基板2上に半田バンプ(図示せず)を配線パターン13の端子13aに接続して実装されている。
【0069】
このように構成された光モジュールにおいては、発光素子4からレーザ光が図5に破線で示すように出射すると、光束エネルギーの半分が光導波路55から光結合素子53に移行し、光結合素子53の光路方向端面で反射して外部に放出され、残りが光ファイバ5に導かれる。
一方、光ファイバ5からレーザ光が出射すると、光導波路55から光結合素子53aに移行した後、光反射鏡s,tで反射して光導波路56に移行して受光素子54に導かれる。
【0070】
この場合、各光結合素子53において、レーザ光が光反射鏡s,tで反射して光路方向を90°変換する。
なお、光ファイバ5からのレーザ光が、光導波路55を介して発光素子4に到達しても、出射口4aにおいて反射するだけで通信に利用されることはない。
【0071】
したがって、本実施形態においては、第一実施形態と同様に、光導波路の光路方向を曲げる場合に従来のように大きな曲率半径をもって光路を形成する必要がないから、光学用基板2の全実装領域に対する他の光学素子等の実装領域が大きくなる。
また、本実施形態において、光結合素子53の光反射鏡s,tによってレーザ光を反射させて光路方向を変換させたから、光伝送時の光減衰を少なくできることは第一実施形態と同様である。
【0072】
なお、各実施形態においては、光学用基板としてシリコン基板からなる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、金属製の基部材を絶縁性樹脂で被覆してなるものでもよく、他にセラミック基板,ガラス基板あるいは有機樹脂基板によって形成するものでもよい。
また、各実施形態においては、光結合素子が素子本体および薄膜からなる場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、素子本体のみからなるものでも各実施形態と同様の効果を奏する。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各光路方向が互いに異なる二つの光導波路を接続する光結合素子を、コアの屈折率より小さい屈折率の薄膜を介して両光導波路のコア上面に接着しているので、コアから染み出した光が薄膜を介して光結合素子に伝送される。
したがって、光伝送損失を低減させるため、従来のように大きな曲率半径をもって光導波路の光路を曲げる必要がないから、光学用基板上の全実装領域面積に対する光路の実装領域面積が占める割合が小さくなり、それだけ光学用基板の全実装領域に対する他の光学素子等の実装領域が大きくなって部品実装密度を高めることができる。
【0074】
また、光結合素子の各光反射鏡によってレーザ光を反射させて光路方向を変換させたことは、光導波路の曲線部によって光路方向を変換させる場合と比較して光伝送距離が小さくなるから、光伝送時の光減衰を少なくすることができ、光伝送損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一実施形態に係る光モジュールを示す断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る光モジュールを示す平面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る光モジュールにおける光結合素子の接続状態を示す平面図である。
【図4】(a)〜(l)は本発明の第一実施形態に係る光モジュールの製造方法を説明するために示す断面図である。
【図5】本発明の第二実施形態に係る光モジュールを示す平面図である。
【図6】従来の光モジュールを説明するために示す断面図である。
【図7】従来の光モジュールにおける光導波路の光路方向を変換する場合について説明するために示す平面図である。
【符号の説明】
1 光モジュール
2 光学用基板
2a 凹溝
3,3a,3b 光結合素子
3a1 素子本体
3a2 薄膜
4 発光素子
4a 出射口
4b,4c 半田バンプ
5 光ファイバ
5a コア
6〜8 光導波路
6A 上方クラッド
6B 下方クラッド
6C コア
9,10 側方クラッド
11,12 配線パターン
11a,12a 端子
Claims (3)
- 各光路方向が互いに異なるクラッドおよびコアからなる少なくとも二つの光導波路を有する光学用基板と、
この光学用基板上に配設され、かつ前記両光導波路に接続された光結合素子とを備え、
この光結合素子は、前記両光導波路のうち一方の光導波路から他方の光導波路に光路を変換するための光反射鏡、及び、前記両光導波路のコアの屈折率より小さい屈折率の薄膜を有し、
前記光結合素子を前記両光導波路のコア上面に接着剤によって接着したことで、前記コアから染み出した光を前記薄膜にて光結合素子に伝送させる
ことを特徴とする光モジュール。 - 前記光反射鏡を二つの光反射鏡で構成し、光結合素子の配置方向が傾斜しても光反射鏡に入射する光の曲げ角度を一定にすることによって、光結合素子と光導波路との位置ずれ許容度を高くしたことを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
- 前記コアの平面形状を、前記光結合素子近傍より放物線状としたことを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
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