JP3717815B2 - 映画上演等に際し事象又はシーンに応じて香を供給するための方法及び装置 - Google Patents

映画上演等に際し事象又はシーンに応じて香を供給するための方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特に映画館、劇場、コンサート及び講演会場において、並びにスライド上映、ビデオ、テレビ送信、ラジオドラマ等に際して視覚的及び/又は音響的上演(Darbietungen)の感覚的知覚の向上のための方法とかかる方法を実施するための装置に関する。
【0002】
本発明の対象は観客及び/又は聴衆を事件の中に本質的により強く引き込み、これにより魅惑を生じさせ、その楽しみを著しく高め、しかも装置的に、特に公けの場所において、このシステムの実現のために出来るだけ低コストですむようにしたことである。
【0003】
本発明は観客ないし聴衆に対する視覚的及び/又は音響的上演の効果は、香の感覚が感情的知覚領域に含まれるということにより更に高められ得るという認識から出発する。
【0004】
【従来の技術、及び問題点】
数百年来、例えばキリスト教、ヒンズー教、仏教の会堂で実際に行われているように大空間、会堂等に徐々に香を供給することは公知の事実である。この方法は信者の内的参加を高める方法に関する。香供給は通常は1個所又は2個所の中央の発香点等から行われ、この時びゃくだん材、香烟等の香が徐々に空間に広がり、式典終了後空間の換気が行われる迄常に香がただよっている。
【0005】
更に所謂「香による治療」(Aroma−Therapie)の過程に於て、事務所や病院で現存する空調設備を通して香気を供給することが試みられていることも公知の事実である。例えば東京の“Kajima株式会社”、又はニューヨークの“メモリアル・スローン・ケッタリング(Memorial−Sloan−Kettering病院)”ではこのことを実際に行っている。この場合、ある種の刺激ないし動機効果を達成することが重要であり、例えば爽快感と活気を伝えるために朝はレモン香を流す等が行われる。これは、視覚的及び/又は感覚的上演の感覚的知覚を高めるためのものではなく、このようなことを予測しない治療類似の措置に関する。
【0006】
更に劇場上演やミュージカル上演で僅かの香気をマニュアル操作により徐々に分布させることは公知の事実であり、例えば1969年のミュージカル“ヘアーHAIR”の上演がこの例である。この場合、前述した会堂に於て、一定の香を中心部から発生させ、徐々に非制御下に観客空間に広げるのと同様にして、視覚的及び/又は音響的上演の効果を支持していくことに関する。この香の効果はいくつかのシーンに伴って発生されるが、間もなく観客の所に達し、観客空間に留って、次のシーンの続きに対する認識可能な関連が存しなかった。
【0007】
映画「ポリエステル」(監督:John Waters)の上演では入場券と一緒に4つの通し番号をつけ摩擦により香を発する発臭カード(Rubbelカード)を観客に与えた1981年に行われた実験は公知の通りである。即ちスクリーン上の一定の場所に上演中1つの数字が現われ、この時カードの同じ数字の場所を観客が摩擦するとある種の(上演では心地よくない)香が発生したが、この香は“Lexikon des Internationalen Films”(国際フィルム事典第6巻、2973頁ハンブルク近くのReinbeck所在)によると「鼻に不快感を感ずるギャグ」であった。この方法は観客が摩擦して一定の香を発生させる必要があり、このため観客の集中力が視覚的及び/又は音響的事件から明らかに他へ向けられるという欠点があり、殊に香のカードを鼻の前にもっていかなければならないという欠点がある。更にまた観客の間にざわめきがおこり、このざわめきのため感覚的知覚を高めるのに不利になり、また上演の妨害にもなった。
【0008】
一般に、例えば視覚的な上演と組合せて、制御された量の香を講堂に供給する装置及び方法は、米国特許第3795438号により公知となっている。その場合香は第1ブロワ系を介して観客/聴衆のホールに一律に供給される。供給された香の除去は、第2のブロワ系を介して行われる。第2のブロワ系は、香物質が嗅覚の閾値以下となるまで香を観客/聴衆ホールから吸引除去する。明らかなように、この公知のシステムは、香の重畳をさけるために、新しい香を供給する前に、先の香を事実上完全に除去する必要があるため、慣性が高い(ないし鈍感であるtraege)。そのため、このシステムは、シーンに忠実に、それに所属する香の付随をフィルムに備える上には適していない。
【0009】
また、米国特許第4603030号には、少くとも1人、しかし5人を超えない人に、気体状の香を放出するシステムから少くとも2種の異なる香を順次放出する方式が記載されている。この香放出システムは、種々の香のための複数の保持装置を備えている。その他このシステムから香を送出する送出機構も示されている。ここで、ある1種の香のための1つの保持装置は、エアー流中にもたらされ、そこで開放されることによって、個別の香は、保持装置から放出され、エアー流によって観客に運ばれることができる。ある香の保持装置を信号によって閉ざし、エアー流から除くことによって、その香の供給を終了させる。次に別の香の保持装置をエアー流中にもち来たし、前記と同様の操作を行わせる。使用する気体の量についての詳細な記載は、米国特許第4603030号には見られない。しかしこのシステムが最大で5人までの非常に小さな観客室においてしか使用できないことは明らかである。このシステムが数100人までの観客を収容する通常の映画館において、事象に関連された香の付随を保証しうるとは考えられない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、各種視覚的及び/又は音響的出来事が観客または聴衆の集中力を害することなく相乗効果によりむしろ強化される、冒頭に述べた種類の方法と装置を作ることにある。即ち、事象(シーン)の変化に適時に付随(追従)して観客に香を提供・変更かつ除去できるようにすることを課題とする。
【0011】
【解決手段】
本発明の課題は、方法としては、請求項11の特徴により、装置としては、請求項11の特徴により、夫々達成される。
【0012】
本発明の第1の視点によれば、香料を富化した香・エアー混合流の形で香を供給するに際し、この混合流に、比重の低い成分としてヘリウムを富化することによって、放出される香・エアー混合物が周囲空気より軽くなるようにすることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の視点において、所定の視覚及び/又は音響的上演の感覚的知覚を向上するための装置は、種々の香を個々に受容して放出する装置と、特定の視覚的及び/又は音響的事象に依存して所定の香の放出及び供給を制御する装置とを有すると共に、香料を富化した香・エアー混合流の形で香を観客ないし聴衆に供給し、この混合流に、非常に比重の低い成分としてヘリウムを富化する手段を有し、放出される香・エアー混合物が周囲空気より軽くなるようにすることを特徴とする。
【0014】
さらに、方法及び装置を有利にするための本発明の好ましい実施態様は各従属請求項から知ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の方法ないし本発明の装置に基づき、有利に各種の香が時間的に観客ないし聴衆に対しフィルムシーン、音楽等に応じて正確に適切に知覚され、しかもこれに加えて観客ないし聴衆の協力を必要としない効果がある。この場合、各種香が事件に同期して伝達されるので有利である。この事件の暗示的で感動的な効果が異常に大きな現実との関係を含んでいて、観客ないし聴衆に感覚を一緒に体験することを可能にする。
【0016】
これに、香貯めないし貯留香から異った様々な香が発生することが帰与する。この場合供給される香はその強さが個々の事件に徐々に適合されるのが好ましい。更に時間的に感覚の減少ないし増大する強さに応じて供給される香を実際の状況に近く変更できることや、ある場合には各種香を混合したり、重畳することも可能なので有利である。例えばスクリーン上でジーン・ガビンJean Gabinが車内で最初草原を、次に海岸を行く場合、最初は草原や草の香を僅かにだし、次に海水の香をだす。又フィルムザ・シェルタリング・スカイ“The Sheltering Sky”ではジョン・アルコヴィッチJohn Malkovichがタンジールの古ぼけたホテルで女優のデブラ・ウィンジャーDebra Wingerのえりもとに口づけするならば、東方の香料、甘ったるい香水、ホテル室の流行基調の乱雑な混合が知覚できる。
【0017】
適切な香は観客ないし聴衆にグループ的か別々に供給されるが、この場合、本発明の実施例によると供給された香は上演の間及び/又は後でグループ的か別々に排除されることが好ましい。
【0018】
本発明の装置は種々の香の別々を個別に受容(Aufnahme)及び放出するための1以上の受容−放出装置及び香の放出及び供給を制御するための1以上の装置を有することが好ましい。この場合香の受容−放出装置は選択装置を用いて香を選択的に発生する数個の異なる香貯め(ないし貯留香)を備えているのが好ましい。このため貯留香は放出可能な固体又は液状で存在し、適切な気流と接触することにより香が放出される。その外、貯留香はガス状または液体ないしエアロゾル状で存在し、加圧下で放出されるものであってもよい。両方の場合に香のみの発生を目的とし、しかも迅速かつ効果的に作動することが行われる。
【0019】
貯留香の香受容のための本発明の好ましい実施態様によると少くとも1個の香制御ボックスまたは香ディスケット(Duftdiskette)が香ロールに配備され、この場合香制御ボックスは制御装置の領域か、観客ないし聴衆の領域に配置されている。香受容−放出装置は香強さ調節器(制御部)を取付けていて観客ないし聴衆に対し個々の香の感度に合致するように意図される。
【0020】
好ましい本発明の実施態様によると気流中に香を運びこむための香受容−放出装置は圧力関係を考慮し、スパイラル状で円錐形式で縮小する導管システムと流入口及び流出口の制御要素と従属するバイパス管を取り付けている。これに代る気流中に香を取り入れるための香の受容−放出装置は気流の1部に対する少くとも2つの接触面を有するものである。更に別の実施態様によると数個の香成分の混合装置からなる香の受容−放出装置が作られてもよい。これら成分は各気流により制御可能な香ロール中で作られる。
【0021】
香の受容−放出装置の前述した代りの装置は映画館、劇場、コンサートホール等では特に移動可能な(mobil)装置として香ディスケット又は混合装置との関係で取付けるのが好ましい。
【0022】
香混合機としての香水受容−放出装置作成の際、本発明の別の実施態様によると香混合ロールの接触順序は香の強さに関係し、最も強い香成分は最後に接触するように決められているが、この場合香混合装置は気流発生のための送風機(ブロアー)を取付けている。香貯めないし貯留香は香損失が生じないように開口可能な遮断装置及び/又は温度依存性香発生器により保護されている。香発生器の場合、一定温度範囲で香の放出が行われる。
【0023】
個々の香の放出と供給を制御するための本発明の重要な装置は個々の事象と同期する香制御信号検出装置を取り付けていて、この検出装置は香の種類、香組成、貯留歴(Duftvorratschalter)、貯留香使用頻度及び香供給時間の1種以上に関するコード化された情報を含んだ光学的及び/又は電気的香制御信号測定のために作製されるのが望ましい。更に香制御信号には香強さ、香供給開始、香供給中止並びに香交換の情報も含めるのが望ましい。香制御信号としてはコード化されたフィルムトラック(Filmspur)又は事象と連結する信号発出手段(Signalgeber)が好ましい。
【0024】
個々の香の放出及び供給を制御する装置は圧縮エアー源を備えていて、この圧縮エアー源は各種香のそれぞれの受容−放出装置並びにこの後にある香分配器と連結している。この場合、加圧エアー源は加圧エアー発生機ないしコンプレッサ又は加圧エアー貯槽の何れかで構成するのが有利である。香分配システム(系)は座席グループ及び/又は個別席に対し、制御可能な香出口を備えているのが好ましく、そして同期的香供給を確実にするために主分配器と中間分配器を備えるのが好ましい。
【0025】
更に本発明の好ましい実施態様によると、時間的経過と共に各種香のそれぞれの効果を高めるために香分配系には座席グループ及び/又は個別席のための香排出系が接続している。
【0026】
香分配系は厚みの薄いパイプで構成され、その長さと直径は観客ないし聴衆の空間における分布状況に合致しているのが好ましい。この場合、このパイプは席毎に香の強さを調節するために往復可能なダブルパイプ(複合管)として作製されるのが好ましい。
【0027】
更に他の実施態様によると香は香料を富化した香−エアー混合流の形で供給されるが、この混合流は非常に低い比重の成分(ヘリウム)が豊富なため排出される香−エアー混合流は周囲の空気より軽い。
【0028】
特に有利な方法として排出される香−エアー混合流は流れ方向に進む渦流運動に変換されることであり、そのため出口からの一定長さにわたり、方向の決まった流れを形成する。
【0029】
特に有利な方法としては出口領域ではらせん状に配列された要素、殊にらせん状に配置された小管を備えることが重要で、この場合出口領域ではらせん状に配列した小管により香−エアー混合渦流が生じ、この渦流は同時にらせん状で外部に放出される。
【0030】
更に有利な方法として個別の席に2つの出口開口部を配置すると、2つの回転する香−エアー混合流が互に反対の回転運動を行ない、それぞれが回転方向を維持せんとするため接線方向の香−エアー混合流を生じる。
【0031】
更に有利な実施態様として香−エアー混合流の出口開度の調節のためグループ席及び/又は個別席の香出口が方向変換可能なように位置していることである。このために球形自在接手(Kugelgelenklager)を使用することが好ましい。
【0032】
更に本発明の詳細、利点、特徴は以後の記載部分から引きだされる。この場合符号を参照して詳細に説明する。
【0033】
【実施例】
以下符号を用いて本発明の8つの実施例を詳細に記載する。
【0034】
第1、3、4、5、6、8、9、10、11図に示された本発明の実施例は第1図に示したフィルムプロジェクタ1からなり、このフィルムプロジェクタ1は投影レンズ2、フィルムロール3等の通常の構成部品以外に信号検出器4(パルススキャナ)並びに特別な信号路(ライン)(5)を取付けている。
【0035】
この際信号検出器4はフィルム12(第3図)上にある特別の制御信号(パルス)(18−22)を読取り、例えば電気信号に変換することが可能なものである。信号路5により信号検出器4は香制御ボックス7と接続する。香制御ボックス7中には多数の香担体10を有するいくつかの香ロール9及び9a並びに香ロール制御部13が存在する(第1、4、5図)。香制御ボックス7は加圧エアー導管8に接続し、この加圧エアー導管8は加圧エアー源、特に低音の電動コンプレッサから加圧エアーが供給される。加圧エアー導管8は香制御ボックス7から主分配器11に延びていて、主分配器のところで、数個の主導管35に分れ、更に中間分配器14に導く。中間分配器14で主導管35は更に小さい分配導管36に分れて末端分配器に導かれる。分配導管36は更に小さな個別導管37に分れる。
【0036】
個別導管37は最後に個別の映画座席16の香ひじかけ27に導かれ、そこで香供給口28に達する(第11図)。香映画館の概略運転経過は先ず次の方法で行なわれる。映画フィルムの上演に際して通常の視覚的及び音響的情報はフィルム材料12を介して、投影レンズ2及びフィルムプロジェクタ1の音響ヘッドに導かれ、スクリーン48上に投影されるか、拡声器に送られるが、好ましくはこの際フィルム12はプロジェクタ1の内部で、場合により導入される香に関する特別の情報を読取る信号検出器4を通って走行する。
【0037】
読取られた香制御信号18−22(第3図)は、この場合フィルムタイプにより異なるが例えば電子的、光学的等の形で、例えば音響トラック(Tonspur)、補償トラック(Ausgleichsspur)又は適切かつ特殊な特別トラック或いはフィルム構成要素上に記憶される。
【0038】
香導入に関する情報及び場合により信号18−22を介してフィルム事象の他の補足事項(Ergaenzunge)を制御するかわりに、電子的に読取り可能な特殊なフィルム−バーコード30(第3図)を介して適切な情報を記録することが可能で、この情報はフィルム材料12の上演中、図に示していない対応する電子−フィルム−バーコード走査器により読取り可能である。
【0039】
それ故フィルム−バーコード30は他のバーコードのように光学的に記録されるのでなく、知覚不能な周波数範囲の磁気的バーコードにより記録されることが好ましい。
【0040】
このようにしてコード信号が聞きとられたり音響トラックの音が何らかの妨害をうけることなく既に上演(使用)された音トラックの上に潜在(Meta)情報として追加的に収められる。
【0041】
また上記の制御信号(18−22)は既に存在するフィルム材料上に潜在情報として種々の方式で見出される。
【0042】
これにより殊に旧式のフィルム材料は大幅に変更を加えることなく、後でコード化することができ、その結果旧式プロジェクタに相当するコード装置または信号読取装置を追加して設ければよく大がかりな技術的適合を施すことは不要である。
【0043】
パルス制御命令(信号)18−22に変るものとして制御パイロット信号34(第3図)があり、これは制御命令(信号)をオン−オフ形式で与えるのではなく、制御命令(信号)が印加されている間のみ、パルス制御命令信号を有効とするものである。信号が遮断されると直ちに制御機能は終了する。このことは以下に記載する機能の若干に対し殊に有利である。
【0044】
記録された信号18−22(第3図)は信号検出器4(第1図)で読みとられ、例えば電子的信号に変換され、信号路5を通り香制御ボックス7の香ロール制御部13に導かれる(第1、4、5図)。
【0045】
香制御ボックス7は加圧エアー導管8に接続され、加圧エアー導管8は低音加圧エアー源、例えばフィルム映写キャビン内に配された低音電動コンプレッサ6により加圧エアーが供給される(第1図)。
【0046】
入力した制御信号は香ロール制御部13が信号に適応する香を(香ロール上で)制御するように作動する。これにより香ロール9は少し回転し、しかも相当する香担体10が香接続端子25の前で正確に止まるように作動する(第1、4、5、6図)。
【0047】
この香担体10は特別にプレコード信号18により制御(トリガー)され、一方信号(19−21)は以下に詳細に記載するように他の機能を制御する(第3図)。
【0048】
分岐管をもつ加圧エアー導管8の実施例(第5図)では香接続端子25は香担体10を差込み導入(Einschleusen)した後、押圧機構62で香ロール9又は香担体10に軽く押圧されると有利である。この場合香接続端子25の接触端はシール材24(第6図)が取付けてあるので閉鎖システムが構成される。
【0049】
押圧機構62で押圧中、香ロール9の回転に必要な最少空隙が香ロール9と香接続端子25の間に存在する(第4、5図)。香ロール9と香接続端子25の間の空隙は1ミリメートルであることが好ましい。
【0050】
加圧エアー導管8は適切な屈曲性を大抵の場合有する。加圧エアー導管8が非屈曲性材料から作られたり、厚い場合には加圧に必要な加圧エアー導管8の屈曲性は香接続端子前後に屈曲性の管スリーブ31をはめ込むことにより、この実施例では屈曲性を補っている(第5図)。
【0051】
香担体10が香接続端子25中に止められた後、香強さ調節器33は完全に(又は部分的に、鎖線で示す香の強さ調節器の位置参照)開口し、更に同時に気流調節器32も開口する(第6図)。
【0052】
加圧エアー導管8の気流は香担体10の流入口40へ導入される。(部分開口に関しては鎖線の香制御器33及び気流調節器32を参照すること。香強さ調節器33、32の開口後、空気の一部は香担体10に導入されるがこれについては以下詳細に記述する。)
この場合香担体には閉止フラップ43、44又はこれに相当する弁類を取付けてもよい(第6図)。これら弁類は、例えば金属ばねで閉鎖し、加圧気流で作動するものや電気的に開口するものである。閉止フラップ43、44は香接続端子に接している香担体の押圧の際、図に示していない突出部により機械的に開口するものであってもよい。これら閉止フラップ43、44は又香担体に貯蔵された香物質が使用前に揮発するのを防止することができる。
【0053】
更に香制御ボックス7ではすべての香リング中に貯蔵された香料の不快臭の寄せ集めが生じ、この不快臭は、場合により香を入れた際、気流中に入ることがあるが、これが防止されうる。
【0054】
香担体がこの閉止フラップ43、44を取付けるかどうかは根本的に香原料の貯蔵性や揮発性によって決まるのであって、不活性な貯蔵システムでは閉止フラップを取り付けなくてもよい。第12図の実施例のような不動のエアーによる鈍感な(traeg)なシステムでは閉止フラップ43、44を取り付けない。この場合加圧エアー導管8から入ってくる気流は僅かしか香担体中に導入されないであろう。むしろ流出口開口部42を通しての領域では低圧が生成するように香接続端子は構成される。これによりエアーは圧入されるのではなく香導入管(加圧エアー導管)8から吸引される。
【0055】
このシステムを採用した場合の利点は、1つは閉止フラップ43、44を取付けなくてよいことであり、又他の1つは出入口開口部は狭い網目状の所謂香格子64のみであってもよいということである(第12図) 。
【0056】
更に第12図の実施例では押圧機構62及び各香担体のシールが不要である。
【0057】
第6図で気流が流入口開口部40及び香担体の閉止フラップを通過した後渦流状導入システム即ち香スパイラル容器29に入る(第6図)。
【0058】
香スパイラル容器の内部には非常に多数の扇状(Faecher)に配列された香保持片26が存在し、香保持片26は固体状多孔性材料(例えばシリコーンスポンジ)から構成されることが好ましい(第6図)。
【0059】
扇状に配列された香保持片中26に大量の香料が乾燥状態で貯蔵され、入って来るエアーが通過する場合気流に接して放出されるようになっていることが好ましい。香スパイラル容器29中で香保持片と通過する気流の間の均一なエアー抵抗を生じるようにスパイラル容器中でスパイラルの終点迄管直径を連続的小さくなるようにし、管はスパイラル状にすると共にそれ自体僅か円錐状であることが適わしい。
【0060】
この場合香接触や香貯蔵には種々の方式が可能である。気流は各種方法では香担体又は香ロール等を通過する。例えば気流導入は香ロール内にて行われ香ロールから香担体を通って導出される、等々。
【0061】
香スパイラル容器29中のスパイラル状導管の香保持片の扇状分布及び香貯蔵部の多孔性泡状表面と組合せたことにより全体として香担体部の表面積を非常に大きくすることができる。これにより僅かのエアーの通過によっても香料の著しい放出を行なうことができる。
【0062】
この強力な香料の富化は以下に記述するように観客に送る香の導管37の直径を非常に小さくするのに重要である。
【0063】
香スパイラル容器29内の香導入部分の大なる比表面積は香料の乾燥貯蔵効果と共に香スパイラル容器の材料が香を何回も放出できる利点があり、そのため香担体、または香ロール9は何回もフィルム上演に使用できる。
【0064】
香制御ボックス7の香ロール9はいつか最後に使用された場合、それらはフィルム上演に際し新たに交換することができる。
【0065】
香制御ボックス7のユニットは全体として導管システム8及び香ロール制御装置に交換可能に連結されている。
【0066】
使用された香ロール9の再使用は最も安価で以下の事業場のような場合好ましい。即ち特殊な再使用設備のある事業場で使用済みの香担体が相当する香料の液状物質中に浸漬されて香スパイラル容器の香保持片が香物質を吸収し、乾燥後再び濃縮した形にできるような場合である。
【0067】
新らしい香料の受容を容易にし、乾燥工程を短縮するために香担体及び香スパイラル容器は中央で互に折りたたみできる(klappbar)ように作ってもよい。
【0068】
この場合香スパイラル容器29は上部と下部の部分29a(第6図)に分割すると外部から触手し易い。このような構成は製造工程のコストを大幅に低下し、簡易化するだろう。
【0069】
この新らしい映画システムの拡布により、香ロール9、香担体10、香スパイラル容器29または他の香担持系等の種々の使い捨てシステム(Einwegsysteme)が可能になる。
【0070】
加圧エアー導管8から香スパイラル容器29内のエアー中に香料がどの程度の高濃度でしかも迅速に富化されるかという問題は基本的には香強さ調節器33及び気流調節器32の位置(開口度)に左右される。
【0071】
例えば調節器32と33が最初気流を香スパイラル容器に僅かしか導入させず、エアー主流が香担体をバイパスしていく場合は出てくる香は最初は弱い(第6図、鎖線で示された香強さ調節器の位置参照)。
【0072】
先づ第1に最大値信号(Vollimpuls)19(最大香供給)ではなくて中間値信号(Teilimpuls)20(少ない香供給)が走行するフィルム材料12から信号(パルス)検出器に供給される(第1、3図)ことによって香強さ調節器はほんの僅か開口する(第6図、鎖線で表示)。この場合香強さ調節器に応じて気流調節器32の位置も制御される。
【0073】
信号検出器4は香ロール制御部13へ相当する”比較的小さな”(kleineres)信号を与える。
【0074】
香ロール制御部は調節器32及び33を制御する調節器制御部38と接続され、これに香強さ調節器用の”小さな(kleines)制御信号を更に伝達し、これに応じて調節器は僅かだけ開口する。
【0075】
その結果まづ香スパイラル容器または他のこれに相当する香担持システムからの弱い香の放出が行われる(第6図、鎖線表示)
これらの制御の可能性により中間値信号20/21の強さに応じて香の強さに微細な相異が生じる。
【0076】
香の強さを変更する香強さ調節器32の開口度及び気流調節器32の開口度は、フィルム事象の要求によって異なるが、中間値信号20または最大値信号19を介して更に制御される。
【0077】
これらの技術を通して事象により非常にゆっくりとフィルムの香強さを次第に強化していくことが可能である(例えば若い2人が町からでて草原にくる場合は先づ草木の香を弱く発散し、次第に香を強くする)。
【0078】
これら香強さ漸増技術(Einblend)は勿論逆方向にも可能である。即ち完全に開口した香強さ調節器(気流調節器32も同様)は負の中間値信号21により徐々に閉鎖することにより、香は徐々に消え失せる(フィルムの例:1人の男が典型的な港並びに海の香を有する港から出て、町へ行く時は港の香は徐々に消えるようにする)。
【0079】
連続的に香を変化させる第3の重要な方法は香の重畳ブレンドによる香の変更(Ueberblendung)である。これは香ロール9を香制御ボックス中に存在する第2の香ロール9aと一緒に使用して達成することができる(第5図)。
【0080】
この香強さ変更はある香が知覚されていて、その後短時間で第2の香が知覚される場合である(フィルムの例:一団の人々がわずかに木のくすぶった臭いがする部屋に群っている間に1人の貴婦人が1光景のなかを歩いているというような場合で、ある香水の香が併せて短時間で前にあった香より優勢になる)。
【0081】
2つの異なる香料によりこの香変更は行われる。即ち香ロール9から発生している香に加えて、第2の香ロール9aに貯蔵された香が加圧エア導管中に導入される(第5図に表示、勿論この重畳ブレンドによる香変更の場合、略図に示した香強さ調節器33と32は、香ロール9の部分にあっても香ロール9aの部分にあっても同様に開口する。第6図参照)。
【0082】
必要な場合、第1の香ロール9の香はこの香変更の間、第2の香ロール9aの香により暫らくの間打消され、次に再び強くなることが可能である。
【0083】
第2の香ロール9aの使用は同時に2つの香料を直接導入することを可能としたが、このことは1つの香ロールを使用した場合には不可能とも見受けられよ う。
【0084】
1つの香ロール9のみによる迅速な香交換は、先づエアー流を遮断し香担体が香接続端子と連結され、新らしい香担体が制御され、スイッチが入り最後に新規エアーが導入されるというように行われざるをえないだろう。このようにして導入された香が観客のところへ届く迄に若干の時間を要する場合(下記「同期化」参照)、迅速な香変更は1つだけの香ロール9だけでは非常に困難であるのは明白である。
【0085】
同一の香料がフィルム事象において短時間に何回か生じる場合は、それは、迅速な香の変更のため香ロール9と9aに交互に貯蔵しておくのが好ましい。これによって、香ロール9と9aを交代させることにより迅速な香変更装置として役立つので、所定のシーンにおいて香変更の迅速性はフィルム監督によってほとんど任意に決めることができる。
【0086】
映画芸術でのかかる完全に新しいメディアのため、時間がたつにつれて新規なフィルム表現法が発達するであろうが、これは音声フィルムの導入後のケースと同様であり、この新メディアに今後いなかる要求がなされるかを予測するのは困難な点がある。
【0087】
それ故フィルムシーンに香作用の新設備を使用した場合、急速に進行するシーンでもっと迅速な香変更が望まれるならば香制御ボックス7に第3の(図示されていない)香料を設けることができる。
【0088】
このような第3香ロールには特に広告、予告編フィルムに必要であったり、フィルムトレーラー(Filmtrailer、即ち、数シーンの長さのフィルムから成る短い支持フィルムで、一般に広告などのために用いる)のある新フィルムの宣伝に必要であったりする特別な香料が貯蔵されていてもよい。第3香ロールが不要だと分った場合は広告、予告編フィルムやフィルムトレーラー等の香料は香ロール9又は9aに貯蔵させる。
【0089】
上述した香の強化、香の弱化、香重畳変更の技術、香迅速変更の技術を使用して考えられるほとんどのフィルム事象を香技術が実質的に適合する可能性があ る。
【0090】
同じ映画館で毎日何本かの異なるフィルムが上映される場合、異なるフィルムの香は異なる香ロールまたは異なる香制御ボックス7から供給される。かくして例えば、午後にプログラム1が、夕方にプログラム2が、夜間にプログラム3が同一映画館で上映される場合には3つの香制御ボックスがフィルム映写キャビネットでは使用される(図示せず)。
【0091】
各種フィルムに対しその都度他の香制御ボックス7を香接続端子25に接続しなくてもよいようにするには、3つの並置した香制御ボックス7が3つの香接続端子のそれぞれに接続され、3つの各香接続端子は1つの加圧エア導管8に連結する。
【0092】
プログラム変更に際しては、フィルム上映技師は香接続端子25をこのフィルムに合致するものに切換える。このシステムが更に発展した場合はこのフィルムの香接続信号自体によって対応する香接続端子に接続することが可能となる。
【0093】
第7図に示した実施例は香重畳の上記技術に於いて生じうる問題を避けるためのものである。短時間での香重畳の場合に、1つの導管8(第5図)の内部で香重畳を何回も繰返す時、所謂「香伝染」(Aroma-uebertragung)の問題が生じる可能性がある。
【0094】
この場合第2香ロール9aにある強い香は香重畳の際、弱い香をもつ第1香ロール9中に導入されて(第5図参照、2つの香ロールは開口した調節器を有する)、何回ものフィルム上演後香ロール9中で第1香を完全に排除するということが起る(例。映画館に流れている僅かの固有の香を有するイタリヤの古い別荘で俳優は薄暗いところでもっとよく見えるようにマッチを燃やした。この場合家の背景的香はマッチから発生する典型的な硫黄臭によりおおいかくされた)。この場合以下のような恐れがある。
【0095】
多数回のフィルム上映後、多くのシーンに現われるべき家の香をもつ第1香ロール9の香担体10には、第2香ロール9aの香担体10から挿入された強い硫黄臭が認められるようになるであろう。
【0096】
この本来単に短時間のみ挿入されたマッチ臭は次回フィルム上映では第1香ロール9を開口した時、家の香と共に知覚され、観客に全体として家が燃えたという間違った印象を呼びおこすであろう。
【0097】
かかる不慮の問題を避けるために第7図の実施例の如く、加圧エア導管を香ロール9側と香ロール9a側の2つに分割するのがよい。
【0098】
香重畳の場合、香導入は導管系内の分割した2つの香ロール9と9aから行われるので香重畳の本来の効果は香ロール後の再び1つになった加圧エア導管の中で初めて起る(第7図)。
【0099】
このようにして香重畳の場合、香ロール9aの香料は他の香ロール9(第5図)に伝染しないように防止される(第7図)。
【0100】
約50のフィルム工場の分析によると、香重畳に関しては、大抵のフィルムでは異なる香料を使用する可能性のあるシーンの数は約20から最高35迄である。
【0101】
さらに、これと関連しているが屡々繰返される重要なシーン・場所は5〜10あり、そのため香料も何回も繰り返し用いられる(例えば、決まった部屋、住居、自動車、森のような決った地域が繰り返される)。
【0102】
主シーン・場所のうち平均してその半分には独特の香は用いないものと推定されよう。しかし残り半分は2〜12回平均7回くり返され、従って相当する香料も同様に繰り返し用いられる。
【0103】
このような理由で繰り返しの多い主シーンのための香の場合、香ロール9中でそれぞれの香をそれぞれ固有の香担体に貯蔵しないで、香料は、1つまたは2つの香担体(この場合若干大きくなる)に貯蔵されるならば、香装置全体は簡素化される。
【0104】
このような実施例では例えば固有の香料を加えうる例えば4つの主シーン対応香料があり、そのうちそれぞれ同じ香担体10を例えば平均7回用いる場合は、それぞれの香をそれぞれの香担体に貯蔵する場合に比べ約24の香担体が節約できる。
【0105】
これに応じて第4図及び第5図では2つの香ロール9と9aの夫々にいくつかの大き目の香担体が配されているのが認められる。この方法では香担体を繰り返し制御する信号はフィルム材料上に配される。
【0106】
既述の如く固有の香の強さを徐々に強くすることは調節器32及び33のその都度の位置によって行われるが、更に広範囲の興味ある応用が可能である。
【0107】
香担体について述べたように香スパイラル容器を通る香放出の強さはフィルム繰り返し上映後いつかは弱くなる。
【0108】
香ロールが完全に消耗される直前において非常に弱い香パルスになることを避けるため、一つの香ロール9で可能なフィルム上映の最後の1/3は香ロール制御装置13中に電子的強化(増幅)回路(electronssche Verstaerkungsschleife)を取りつけるが、この場合、香ロール制御装置13は制御部38を介して香強さ調節器32、33を制御するようにする。
【0109】
この強化回路は香パルスが弱化するのを防止するが、これは次の如く行う。例えば上映可能な最後の1/3にさしかかる場合、香の強さの程度は調節器32、33を介して連続的に本来の状態より強化するよう制御する。
【0110】
この場合、香強さ調節器33の開口度(及び同時に気流調節器32の開口度)は同一信号の場合、本来のケースより若干大きく制御するとよい。調整器32、33によって強くなった香が香スパイラル容器29からの弱い香放出を防止し、連続的に補償を行うのである。
【0111】
この場合最大香放出(信号)を含んでいる最大値信号19は強くなることはない。最大値信号を保持するために香担体は通常操業では香放出が弱くなる前、例えば香強さ調節器33の開口度70%に於て最大香放出(最大値信号19に対応する)するよう香担体を調整しておく。
【0112】
これにより香ロール9が最後に交換される迄香調節器33(および調節器32)は開口度100%迄の香水の強さを後調節することができる。
【0113】
どこ迄香ロール制御器13が香を後調節できるかは、この中にある計数器ないしカウンタ(Zahlwerk)を調節して行なう。
【0114】
後制御で一定の香担体の作用を迅速にする場合、香担体を特別に調節することができる。これに対応する情報は例えばフィルム12の開始点にすべて他の信号(第3図)と同様に配置され、且つ信号検出器を通り香ロール制御器13で更に与えられる。なおこの場合香ロール制御器13は調節器制御部38及び調節器33/32を通り、香強さを個別に後調節している。この計数器は新らしい香ロール9を使用した場合再び零に戻す。
【0115】
気流が香スパイラル容器29を通り調節器32、33の調節に応じて香料に富んだ(以下香富化と云う)後では、気流は香スパイラル容器の末端で閉止フラップ44を通り再び加圧エア導管に導入され、次にコンプレッサ圧力により運ばれる。
【0116】
香富化されたエアーは加圧エア導管を通り映画館の中央の主分配器11に導かれ、ここで加圧エアー導管は数個の例えば4つの主導管35に分配される(第1図)。そこから香富化されたエアーは分配導管36中の数個の中間分配器14に導かれ、そこから最終分配器17に導かれ、最後に個別導管37を通り、個人席16の香ひじかけ27の香供給口28に導入され、そこで観客に香が供される(第1図)。正確な構造及び時間との関係は以下詳細に記載する。
【0117】
以下に述べる機能と同じく上述した調節の経過を概観するために、進行中の機能を光学的に見ることができるようにしておくと有利である。
【0118】
この目的のために制御端子39を有する香制御ボックスには表示スクリーンとキーボードが取りつけられている(第4図)。
【0119】
このような制御端子39の表示スクリーンにはすべて香制御経過が記憶保持されている。そして、現在のデータ(Text)がシーンの特徴と共に組込まれ、またこのデータ(Text)以外にどの位置でどの信号や制御命令が発されるかもマークされる。更に香ロール制御部13中の既述した各香担体に関連する強化回路の調節が組込まれ、又監視される。
【0120】
万一予知できない理由で香ロール制御部13が強すぎるか弱すぎる香料を制御して加圧エア導管中に導入せしめた場合は制御端子39を介して後調節が行われる。
【0121】
かかる制御のため独自の香導管37がフィルム映写キャビネットに延びていて、このキャビネットでフィルム上映技師は香導入の強さを表示に応じて介入変更することができる。
【0122】
既述した調節技術より高い正確度の香技術的調節は所謂「臭い分析器」(Scentanalyser)を取付けると可能である。この所謂臭い分析器(図示せず)は制御端子39又は直接香ロール制御装置13に接続する。臭い分析器は許容しうるコストではある種の香を区別することはできないが、気流中の最大値信号に対する初期データに基づき最大値信号19の香の何パーセントが分配網中に供給されているかを電気的に測定することは可能である。
【0123】
測定値が予め設定したデータから非常に異なる場合は臭い分析器の後調節信号により香ロール制御部13(これは調節器33、32を介して香強さを制御する)か、または制御端子39を介して香の強さは補正される。
【0124】
映画フィルム上演の際の香導入の個別機能の経過に関する限り、その概略において示した。
【0125】
上述した技術によってしかし、完全なフィルムの全芸術作品を作製できるようにするには、映画フィルムのシーンに関係する香伝達はプロジェクタから観客に達する迄の途中で出来るだけ以下の条件を満足する必要がある。
【0126】
1)迅速な香伝送とエアー量の極端な減少(迅速性と最小化)
2)スクリーンに上映されたシーンと同時に香が観客に知覚されうること(シーンとの同期性)
3)香は1人の観客のみでなく、映画館の観客全員に対し上記条件2)を同時に満足すること(同時知覚性)
1に関して)迅速化と最小化:マイクロエアーシステム
シーンに合致する香供給をするために香は迅速正確に香担体から映画座席16または観客に運ばれることが大切である。
【0127】
そのためには、香担体10から映画座席16に香水を運ぶために必要なエアー量を可及的に少量に保つことがやはり非常にたいせつと思われる。それは、そのようにしないと、映画館内での個々の香の不快な重畳、大量の移動するエアー質量による強い騒音の発生又は観客にとって不快な空気の循環などの、明らかに重大な問題が、そのために大形のコンプレッサが必要となること以外にも発生するからである。
【0128】
観客に到達する全エアー量を最小とするには、映画館の個々の座席に至っている個々の導管(並びに対応した全部の他の配管)の内表面積は、ひと先ず、非常に小さな値に保たれる。図8に示した実施例においては、対応して最小とされた個々の導管37が、好ましい原寸大の大きさで図示されている。
【0129】
香担体10又は香スパイラル容器29中に導入されエアーは、ひと先ず全体として、香物質で広範に富化されることによって、非常に少い空気の導入量にも拘らず所望の香が感知されるようになる。
【0130】
大きなホールの場合は、空調された大量の空気が部分的に個別の座席に導かれるようになっている。特定の空調設備と比較して、この例に用いられている個々の導管37の管内面は、非常に小形化され、一例として、前記の空調設備の個々の導管の管内面積の約1/1,000まで、即ち、面積約8〜12mm2、ないし内径3〜4mmまで縮小されている。
【0131】
このようなマイクロ空気系統によって配分される空気量は、対応して少くなる。この場合、毎秒1L(リットル)より少い量、或いはわずか0.3〜0.005L/秒の空気が放出される。
【0132】
図示しない他の実施例の場合には、使用した量の空気にどれほど広範に香物質を含有させるかに従って、通常の空気分配系統の1/10,000よりも小さな値まで、管内面積を縮小させることも可能となる。この場合、管内面積が2.5mm2よりも小さいとき、わずか0.00001〜0.005L/秒の量の空気が放出されるにすぎない。
【0133】
いろいろの種類の香を通常の空気分配系統例えば空調設備によって分配しようとする(これは既に何回も試みられて失敗している)場合、1人1人の観客に約1,000〜10,000倍の量の空気をポンプ送りしなければならない。
【0134】
娯楽メディアのための香系統のための基礎としての、このような分配形式がもたらす大きな問題点、例えば、このような量の空気を技術的に正確に制御することの一般的な困難さ、映写室にいろいろの香が重なること、並びに、通常の、従ってこの例に比べて非常に大きな分配−空気吸引系統による、特別に大きなコスト、などは、マイクロシステムによって完全にさけられる。 従って、第1の問題、即ち、個々の観客まで高速に搬送し高精度で分配する問題は、エアーの搬送量を最小とし、それと同時に、香の供給を集約化することによって制御できる。なお、これによっては、導入されたいろいろの香を個々のシーンに正確に適合させて放出する必要性は、まだ完全には解決されていない。
2.)シーンの同期化
多くの場合において好ましい、個々の香の同期的な、シーンに正確な「供給」は、いろいろの仕方で達せられる。
【0135】
A.)香パルスは、上演進行中のフィルム上において、当該シーンと同時にではなく、数秒早く放出され、フィルム上の香パルスの観客における変換(反応)までに必要とされる分だけ早い時間にずらされる。
【0136】
従って、フィルム上において放出すべき香信号が変換されるまで、ないしは観客まで運ばれ、観客によって知覚されるまで、5秒間かかるとすると、対応するパルス18−21(図3)は、フィルムの上映の間に、従って走行するフィルム材12のシーンよりも5秒早く、フィルムプロジェクタ1(図1)の内部のパルススキャナ4のところで発出される。
【0137】
この実施例において、パルススキャナ4は、先行するパルス「プレコード」18をひと先ず読み、それによって、香ロール制御部13を活性化する。香(香水)ロール制御部13は、それによって、香ロール9の香(香水)担体10を制御するので、香担体10は香接続端子25の前方に位置決めされる(図4、5)。
【0138】
次に、香強さ調節器33の開度及び気流調節器32の開度が、少し少数の先行パルス19−21(図6、5)によって制御されることによって、シーンに適した香が導入される。この導入は、開放された香担体10から映画座席16の香供給口(放出口)28(図1、11)又は観客までの距離が必要とする時間前へずらされる。
【0139】
しかし、いろいろの大きさの映画館においてプロジェクタ1又は香制御ボックス7から観客までの距離がいろいろに異なりうる(図1)ので、フィルム材12上のパルスは、考えられる最大の大きさの映画館においての前ずらしが十分となるように予め設定される。
【0140】
上記の距離が比較的短い、小さな映画館の場合は、(従ってシーンに結び付いた香が知覚されるのが早すぎないよう)信号の前ずらしは、パルススキャナ4又は香ロール制御部13において対応して電子式に遅延して行われる。即ち、最大の映画館6において信号が6秒早くフィルム材12上にてずらされるとすると、4秒の先行しか必要としない小さな映画館の場合には、この信号は、パルススキャナ4から、2秒遅延後に、香ロール制御部13に送出される。
【0141】
比較的小さな映画館の比較的短い導管の貫流速度は、直径の変更、コンプレッサ6のポンプ速度を遅くすること、又は他の遅延機構によって、前記と同様の作用が得られるように対応して適合させることができる。フィルムの破断によって、香担体10を制御するための「プレコード」18を有するフィルム12の部分が欠落した場合に、別の問題が生じ得る(図3)。この場合は、後続する香パルス19−21は、正しくないプレコード18に関連づけられたものとなろう。
【0142】
この理由から、各々のプレコードは、それぞれ2回、即ち1回目は正しい先走行時点に、2回目は所属するパルスの直前に、それぞれ信号伝達される。
【0143】
そのため、シーンの香は、フィルムの破断によって欠落した個所の後に、たしかに少し遅れて伝送されるが、所属するシーンになお適正に所属されている。
【0144】
しかし、フィルムの一部が欠落した場合には、香パルス19−21も失われることがあり、その場合は、全体として順序が混乱することになりうる。そのため、フィルム上の全てのパルスは、パルススキャナ4(図1)が読みうる「数値標識」22を補助的に備える(図3)。
【0145】
この連続した数値標識22は、このシーンに所属する、対応して符号化された、香ロール9、9a上の香担体10のものと同様の識別数値(図4、5)を備えている。
【0146】
それぞれの香担体10が香ロール9内のその位置のみによって、香ロール制御部13によって位置決め(lokalisiert)される場合にも、香担体の符号化が、場合によって、脱落することがありうる。
【0147】
香ロール制御部13の配置・方向決め(Orientierung)には、その場合、フィルム始端に所属された香ロール9上の「0位置」46が用いられる(図4)。
【0148】
各々の香信号の送出の前に、香ロール9又は9a上の適正な香担体10か否かが、パルススキャナ4又は香ロール制御部13によってひと先ず比較され、標識がずれていた場合には、対応する数の香担体10を飛ばし、適正な香担体10の差込み導入が直ちに行われる(図4、5)。
【0149】
このようにして、パルスの欠落時に、ひと先ず1つのシーンが先行する香の現出なしに推移するが、次のシーンでは、数値標識のために、「正しくない」先行シーンの香が飛ばされ、再びシーンに所属する適正な香が現出される。
【0150】
香を含む空気を観客に更に送りこむことについては、主導管35、分配導管36及び個々の導管37への分岐管を備えたいろいろの駆動形態の加圧エアー導管8が考えられる。
【0151】
この実施例の場合、電動コンプレッサ6は、個々の座席16のひじかけ27の香供給口から空気を排出するに足るだけの、非常に低い過圧を発生させるに過ぎな い。
【0152】
この場合、電動コンプレッサと映画座席16との間の定常的な空気流量は保たれているが、この空気流量は、前述したように、個々の導管37の外周長が非常に小さな値に保たれているため、非常にわずかであり、香の供給がなければ、観客によってほとんど知覚されない。
【0153】
B.)図示しない別の実施例によれば、個々の香制御パルスは、走行しているフィルム材のそれぞれのシーンのわずかに前の時点において発出され、その際に、香物質がやはり加圧エアー配管8に、次いで観客の方に導かれる。
【0154】
しかしこの場合には、空気流は、最後の分配装置である末端分配器17のところで、図示しない分配弁によって、香を含む空気流がそこに到達した時直ちに阻止される。それによってある過圧(圧力上昇、この場合は例えば0.6気圧)が、全部の導管中に生成する。
【0155】
末端分配器17の分配弁の適正な終了時点は、この場合、一例として、ある予設定された時間間隔をもって入力される。この時間間隔は、香担体10から末端分配器17への香の流れ時間に対応し、各配管の取付け時において確認される(図1も参照)。
【0156】
従って、例えば香担体10から分配弁まで香が3秒間かかって流れるものとすると、パルススキャナ4(別の方法として、香ロール制御部13)は、香が入力されてから常に3秒で、分配弁に直接至っている信号配管を経て分配弁41に閉弁信号を発出する。
【0157】
分配弁の適正な閉弁時点を確認するための、別の可能性は、香担体10から分配弁までにおいて必要とされる量の空気流の貫流後に閉弁される、空気量によって制御される締切弁であろう。
【0158】
従って、この実施例では、シーンに対応する香は、シーンが現出されるずっと以前から、映画座席16の直前の、末端分配器17のところに導かれ、そこで短時間「貯留」される。
【0159】
当該シーンが現出される直前になって始めて、末端分配器17中の弁が、フィルム材に設けられる特別の弁パルス23(図3)によって開弁される。この弁パルスは、パルススキャナ4から、末端分配器17の所の分配弁に直接に至っているラインを経て更に導かれる。
【0160】
香を含む空気は、その直後に、短い距離分移動して観客に到達する。
【0161】
この実施例において観客への香の供給が行われない場合には、前記の実施例と相違して、映画座席への空気の放出は行われない。
【0162】
この技術の前提条件は、フィルムの上映の間じょう乱性の騒音がその機能によって上演室中に成立しえないように、対応する弁減衰によって緩徐に作動するように、弁を製造することである。
【0163】
C.)前記の2つの例の非常に適切な混合形式を表わしている、やはり図示しない別の実施例によれば、香パルス18−21は、時間的に、やはりシーンの前に送出される。
【0164】
この場合にはコンプレッサ6は、香エアーをやはり個々の映画座席16の少し手前まで導くが、もちろん導管内に過圧を発させることはない。
【0165】
次に、加圧エアー導管8のコンプレッサ弁63(図5、7)によって、加圧エアー導管8からのそれ以上のエアーの供給が偏向され、又は遮断される。
【0166】
香エアーは、加圧エアー導管8中のそれ以上のエアーの供給を遮断することによって、導管の全ての他の分岐部分中にも、従って、座席への出口の数m手前において、個々の導管37中にも残留される。
【0167】
その場合、座席16の方向への自動的な尚早な香の拡がりは、個別の導管37の非常に小さな管径(図8に原寸大として示す)と、導管中での非常に短い滞留時間とによって、確実に阻止される。
【0168】
この場合、コンプレッサ弁63(図5又は7)の適正な閉弁時点は、前述の最後の実施例の場合と同様に、プログラムされた時間間隔又は流量スイッチを介して達せられる。
【0169】
コンプレッサ6のエアー圧は、シーンの直前になって始めて、対応する適切な信号、例えば、コンプレッサ弁63に導かれる弁信号23、によって、加圧エアー導管8に再び導入されるので、新たに座席16のひじかけ27に向う空気流が持続され、対応する香を流出させる(図1)。
【0170】
D.)図2に示される別の実施例によれば、香担体10又は香制御ボックス7を図1のようにフィルム映写キャビン中に組込むのでなく、中央香制御ボックス11a(図2)となるよう、これまでの主分配器11の代りに映画館の中央部に組込むことによって、香担体10ないし香制御ボックス7と個々の映画座席16との間の距離を相当に減少させる。
【0171】
それに対応して、加圧エアー導管8aと信号ライン5aとは直接に上映室の中央部の中央香制御ボックス11aの方に延在される(図2)。
【0172】
そのため、映画座席16までの距離は、香パルス18−21の信号先行を場合によっては割愛でき、従って、走行するフィルム材の所属するシーンの直前に始めて香パルス18−21を送出すれば良い程度まで減少される。
【0173】
E.)別の図示しない短縮段において、香制御ボックス7は、映画座席16の方により近い位置にずらされ、これまでの中間弁14のところに設けられるので、4つの同時に作動する香制御ボックス14aとなり、対応する加圧エアー導管と信号ラインとは、同様に、これらの4個の香制御ボックス14aに導かれる。
【0174】
上述の最後の2つの実施例において、香制御ボックス11a/14aを観客室の方に配設することの前提は、言うまでもなく、香担体10へのエアーの流入過程を観客室中において非常に静かに(leise)行なうことによって、フィルム上映上のじょう乱がそれにより全く生じえないようにすることにある。
【0175】
F.)図示しない別の実施例によれば、全ての映画座席16に同様に分配系(図1、2と同様に、部材8、35、36、37)が配設されるが、前記の各々の実施例と相違して、分配系への香の導入は全く行われない。
【0176】
この場合、分配導管網ないし個々の導管37に接続された非常に小さな導入系から香プログラムが映画座席16に入力される。香プログラムのメモリとしては、例えば以下に説明する「香ディスケット」(図17)その他のような多くの可能性が考えられる。
【0177】
しかし、以上にさらに説明した香の導入・排出及び混合ブレンドの可能性において、最後に述べたシステムは、受容可能なコストで、適応性と使用の多様性は余り高くなく、従って総合芸術作品としての完全な幻想映画の目的設定のためには、限定的にしか使用できない。
【0178】
以上に述べた可能性を併用した混合方法も考えられる。
3.)同時知覚性について。
【0179】
第3の課題部分である、香エアーを全ての映画座席16に同時に放出しうるようにするために、別の図示しない実施例によれば、全ての座席への導管を同じ長さに形成する。ここで、特別の座席への導管の距離を他よりも短くする場合には、エアーの排出が同時に同じ強さで生ずるように、不足する距離を、短い導管のところのアイドル巻線ないし補償巻線によって正確に適合させる。
【0180】
更に別の図示しない実施例によれば、全ての映画座席16の香ひじかけ27のところにエアーが同時に放出されて知覚されるように、個々の導管の直径を相互に対して調和させる。
【0181】
更に別の図示しない実施例によれば、この同時性は、導管系中の特別の弁の構成によって達せられる。この場合には、香エアーは、「同期化」方法B、Cにおいて示したように、所属するシーンの前に、末端分配器17のところまで導かれる。香は、香エアーがエアー量かもしくは時間間隔かによって制御される分配弁41に到達するや否やこの弁によって阻止されることによって、そこに貯留される。
【0182】
所属するシーンがスクリーンに現出する直前に、弁パルス(図3)が分配弁に給送される。
【0183】
しかしこの場合これらの弁の開弁時点は同時ではない。
【0184】
この場合には、導入された香料が多少早目にその導管37に到達した分配弁の開弁時点は、香導管の作製の際に既に、全ての個々の導管37からの香エアーが全ての個々の導管37から最終的に同時に排出されるように、多少後にずらされる。
【0185】
フィルムの上映の間香の事象の同時性を確保する別の可能性は、個別の前記の方法の間のいろいろの混合併用形式に存する。
【0186】
従って、前述した手法によれば、次の3つの、満たされることが望ましい要件、即ち
1)香の伝達の「迅速さ」と「最小化」、
2)「シーンの同期化」従ってシーンに忠実な香の伝達、並びに、
3)香の伝達の同時知覚
が、全ての映画観客について、広範に満たされる。
【0187】
しかし、各々の観客について香の体験を完全な形で形成するためには、知覚可能な香データを個々に調節できることが、一見して好ましく、また非常にわずかな負担で達成できる。
【0188】
臭い及び香(ないし香水)の知覚は、映像、音声及び音楽の知覚に比べて、個別に異なった強さで受けいれられる事象である。
【0189】
この理由から、個々の映画観客が放出された香料(Duftnoten)を個々に調節でき、必要に応じて全く排除できることが、場合によってはたいせつである。
【0190】
従って、香の強さを対応して個々に調節しうるようにするために、例えば各々の映画座席の右側のひじかけ27に、いわゆる減香調節器(Duftdimmer)70(図11)が取付けてあり、鋭敏な鼻(臭覚)を持った観客は、香の被曝を弱めたり、全く排除したりすることができる。
【0191】
ここで、減香調節器70は、やはりひじかけ27に取付けられているが観客には見えない座席香制御器72(図9、10にほぼ原寸大のサイズによって示す)に直結されている。
【0192】
減香調節器70を小さ目に設定すると、座席香調節器72(図9)において、供給された香の対応部分は、映画座席から放出されうる前に、小さな導管調節器61を介して、戻り導管56へと直接に返送される(図9、又は、減香調節器70を完全に閉ざした場合を示す図10参照)。
【0193】
この可能性を実現するために、各々の座席には、単式の導管37ではなく、複式の導管45が配設される。この複式の導管は、図8には、大きさの関係を明らかにするために、ほぼ原寸大のサイズで示されている。
【0194】
これらの導管の取付けコストについては、取付けに際して単式の導管37とするか又は複式の導管とするかは実際には重要ではないと言える。
【0195】
導管材料(特に廉価な耐香性合成材料導管)のコストが非常に低い場合、複式の導管45は、コストについて、特別に廉価な単式の導管37と、コスト上それほど大きな差異をもたないであろう。その限りでは、個々の映画座席に適応性の香導管が、比較的わずかな付加コストによって作製できることになる。
【0196】
また、複式導管45の戻り導管56は、同時に、ある第2の機能のためにも使用しうる。
【0197】
座席への香導管37は、複数の映画の上映のために毎日利用できるが、配管部の一部が例えば非常に頻繁に生ずる特定の香を時間の経過と共に吸収していることがありうる。
【0198】
臭いを吸収しえないように導管を構成したとしても、導管中に残渣又は水滴が形成され、これが不所望な臭いを生じることも考えられる。
【0199】
既に座席に取付けられている戻り導管56の助けを借りて、座席に取付けた減香調節器70を「零」に設定する(この際に座席香制御器72は図10に示すように全閉される)ことによって例えば毎月1回香導管37を非常に簡単に清掃することができる。
【0200】
最初にエアーの代りに清掃液を、次に乾燥用の温風を、導管37によって導くと、これらは、戻り導管56を経て、ポンプ装置に戻り、その際に異物が除去される。
【0201】
清掃液をひと先ず供給し、次に再び戻り導管56からそれを取出す供給装置中に、既設の電動コンプレッサの後方のところで、加圧エアー導管8を導くことによって、前記の課題を、ポンプ装置でなく、この既設の電動コンプレッサによって解決することもできる。
【0202】
従って、導管中に長期の稼動によって形成されることのある異物を容易に除去できる。
【0203】
従って、単式の導管37と戻り導管56とから成る非常に小さく高価な複式の導管45(図8)は、香導管系の次の3つの重要な機能、即ち、a)シーンに忠実な香の供給、b)個別に強すぎると感じられる香導管の流れの切換ないし偏向(Ableitung)、並びにc)導管の清掃の必要、を既に引受けていることになる。
【0204】
このように、フィルムのシーンに香を随伴させる新しい適切な技術に対して、映画上映室の対応した改造のための非常に廉価な具体化のための手段が供与される。
【0205】
フィルムの上映に当って、個々の香(Duftnoten)が、正確でシーンに忠実であると共に、観客の個々の心象に適合しているとしても、シーンのかち合いと複数の香の重畳とをさけるために、これらの香を室内にあまり長い間浮遊させないことが、時には必要である。
【0206】
このような重畳を防止するために、一例として、シーンに対応する香を映画館の上映室の温度より例えば摂氏3−5°高い温度で、映画座席16のひじかけ27に、即ち香供給口28から放出することができる(図11)。これにより、香で富化されたエアーは、上方に流れる。これは、普通の空調設備の、映画館の天井部に備えられている吸引機構によって更に支援されうる。
【0207】
放出された香を可及的に短期間上映室内に滞留させるための、技術的に更に有効な可能性は、易揮発性の元素、例えばヘリウム、アルゴンもしくはキセノンの、特定の混合物を、シーンのための香に添加することである。そのため、非常に少量の放出エアーは、周囲エアーよりも基本的に小さい比重をもつため、放出された香付加物の急速な排出が実現される。この空気の上行は、放出された少量のエアーを、エアーの適切ならせん状の案内によって旋回運動に変える(風ホース原理)によってもたらし、又は助長することができる。
【0208】
ここに提案された、例えばヘリウムと呼吸空気との混合物は、潜水技術において水中でダイバーの呼吸を容易にするために長年使用されており、健康上のリスクなしに使用できる。
【0209】
香を過度に長い間映画座席のところに滞留させないようにする別の可能性は、映画座席のところの、好ましくは座席の背もたれの上縁などの適切な場所に、いわゆる香吸引(排出)器15(Duftresorber)(図11)をつけることである。過剰な香は、香吸引器15によって吸引されるため、長時間知覚されることはなくな る。
【0210】
この実施例によれば、香供給口28と香吸引器15との間に、非常に弱いが定常的なエアー流が形成される。このエアー流は、図11に、映画座席の1つについて図示されている。この弱いエアー流は、移動するエアーの量が特別に少いため、目や鼻を刺激しない。
【0211】
しかし、このエアー流は、映画シーンに適合させた個々の香が、観客が頭を前方又は後方に曲げることと全く係りなしに推移するようにして、香の知覚が座席の全ての可能な位置において一様になり、また同じ強さになるようにする働きをしている。
【0212】
香吸引器15は、単式の導管37よりも寸法を基本的に大きくすることが所望される吸引(排出)導管58に連結されている(図13、14、8)。
【0213】
吸引導管58を取付ける場合、敷設作業を容易にするために、単式の導管37と戻り導管56とが、吸引導管58と1つのユニットを形成する(図14)か、又は、複式の導管45(図8)として、保持溝59を介して吸引導管結合される(図13)ように、それぞれの導管を形成する。
【0214】
香を付随させたフィルム上映の新しい魅力的な具体化が娯楽の部門で十分に普及したら、この可能性を映画館以外にも多様に利用する需要が生じうる。
【0215】
この理由から、いつかは、非中央的な使用形態も有用となりうるので、次の2つの応用例は、特に適切である(図15−17)。
【0216】
本発明の別の実施例としての、図15に示したいわゆる香配合装置(コンポーザ)50は、比較的小さな空間内において、非中央的使用及び余り高価でない香供給に特に適している。香コンポーザ50は、音楽演奏の付随供給、スライド上映又はビデオもしくはテレビ放映用の放出装置として使用しうる。
【0217】
香コンポーザ50は、前述した実施例とは全く異なった原理によって動作する。
【0218】
この場合、最終的に使用される香は、図4、5、7の実施例の香ロール9、9aのように、予形成されているのではない。この場合、全ての必要な香は、複数の香混合ロール51を交互にあれこれ切換接続することによって、その使用の直前に始めて形成される。
【0219】
香コンポーザ50においては、例えば12の香基成分を各々含む例えば5つの香混合ロール51が順次切換接続する。非常に頻繁に使用される香基成分は、個々の香混合ロールに何回もの枠に存在させることができる。このようにすると、60の香基成分によって、約250,000個の異なった香、又は10の異なる強さの25,000個の異なった香が作成される。
【0220】
香コンポーザ50の内部に取付けられた小形の接線ブロワ54(全体として静しゅくなブロワ形態の通常のブロワよりも低回転数であり、従って非常に静しゅくに作動する)により、エアー導入部49からエアーが、供給ラインの内部の香基成分を経て導かれる。
【0221】
エアー導入部49を経て、5個の香混合ロール51の個々の成分を貫流したエアーは、各々の成分を貫流する間に、これらの成分の特有の香を吸収することによって、導管の末端では、この混合物に所属する香が合成される。
【0222】
図7において以上に説明した、香の可能な伝染の 契機をさけるために、接線ブロワから供給されたエアーが最初に貫流する香ロール51中に、最も弱い香基成分が、そして香コンポーザ50から排出される直前のエアーがその内部に流れる香混合ロール51中に最も強い香成分が、それぞれ配されている。
【0223】
エアー導入部49の外側にある香成分が尚早にその香を放出することをさけるために、この装置には、分離ディスク47を備えている(図15には、最初の分離ディスクは図示されていない)。
【0224】
個々の香基成分が尚早に失われることを高価な弁技術を用いることなく防止するための、他の図示しない可能性は、摂氏18−35°の通常の室温では香を全く放出しないように、香混合ロール51中に香成分を保存しておくことによって達せられる。
【0225】
接線ブロワ(Tangentialgeblaese)から供給されたエアーが香混合ロール51に導入される前に、小さな加熱コイルを経て導かれ、その際に摂氏50°のような比較的高い温度に加温されると、香混合ロール51と、加温されたエアーによって、その香を放出する。
【0226】
加温された香混合物は、香混合ロールから排出された後、小さな冷却コイルによって、再び室温まで冷却されるか、又は、観客に到達する過程において、導管の種類及び長さに依存して、自然に冷却される。
【0227】
なお、このようにして作成されるべきそれぞれの香は、5桁の制御パルスによって、信号ケーブル60を経て混合ロール制御部52に導かれる。
【0228】
従って、この形態の香の作成及び制御によって、香コンポーザ50の非中央的(分散的dezentrale)使用が可能となる。
【0229】
混合ロール制御部52に至る信号導線をビデオ機器もしくはテレビ受像機に接続しても良く、この場合には、特定のシーンに所属する制御パルスは、無線信号を介して、テレビ受像機に送出される。
【0230】
従って、この形式の香コンポーザによれば、多くの異なる場所において、最も種々のフィルム特に、例えばテレビ伝送について必要とされるであろう同一の適切な香を作成することが可能となろう。
【0231】
香コンポーザは、それぞれの香の異なる強さを作り出しうるので、香の緩徐な導入が実現可能となる。
【0232】
香混合ロール51がある程度費消されたら、これらのロールは、個別にも、また完全な1セットとしても交換することができる。
【0233】
映画館で使用される非常に正確で特別に変化のある香供与方法に比べて、香コンポーザ50は、その使用の完全性において比較的限定され、低度の要求の用途に限定される。
【0234】
更に別の、容易に実施できる実施例は、図16、17に示されている。
【0235】
この実施例も、非中央的用途に用いられる。ここでは、所望の香は香コンポーザ50において混合されるのではなく、小さな香ディスケット57に貯留される。
【0236】
香ディスケット57は、図4に示した第1実施例の小形の香ロール9と同様に、所定のフィルムについて必要とされる香を備えている。
【0237】
香は、香ディスケット57中において、図示しない小形の香担体中に貯留されている。これらの香担体は、種々の、この目的に適合した形状とすることができる。
【0238】
単に概略的に図示した香ディスケット走行機構55(図16)は、原則的には通常のコンヒュータのディスケット走行機構と同様に、ディスケット57のそれぞれの適切な香を、ディスケット57の制御突起(Ausatz)71及び制御凹み76(図17)を介して制御する。この場合、香ディスケット走行機構55は、どの香がどこに貯留されているかの方向・位置決め(Orientierung)の通報を、例えば制御凹み76の位置を介して受信する。
【0239】
香ディスケット走行機構55のハウジング中には、香コンポーザ50(図16、部材54)と同様に、低回転数で回転し、それにより非常に静しゅくに作動する接線ブロワ78が配設されている(図17)。
【0240】
この接線ブロワ78からは、対応するエアー導管80を介してエアー流がディスケット香供給部79(図15の香コンポーザの部材49と同様の部材)を経て導かれる。
【0241】
香担体(フィルム香ディスケット57の香供給部79の直前に配される)からの香物質は、次に、エアー導管80に導かれ、次に、最終的に、ハウジングから、テレビ視聴者の方に導かれる(図16)。
【0242】
このような小形のディスケット上には、比較的わずかな場所しか存在していないので、1つのフィルムに現出されるそれぞれの最も重要な香データのみが貯留されている。例えば外径が9×9×1.5cmの場合の、香ディスケットの最大容量は、約30香料である。
【0243】
このミニ香担体の可能な容量は、非常に限られているので、1つの香ディスケット57は、設計にもよるが、例えば1−3回しか使用できない。
【0244】
香ディスケット57を香ディスケット走行機構55中に押込んだ後、香ディスケット走行機構55は、香ディスケット57上の図示しないいわゆる「零点」に、ひと先ず自動的に制御する。
【0245】
この零点は、フィルムに収納された第1の香の前方にあり、専ら、香を放出しないディスケット円板の空の貫流部を成す。
【0246】
ディスケットは1つのフィルムの間に放出される各々の香の終了後に、フィルムの上映中の事象における香が終了した限りにおいて、零点に復帰する。
【0247】
そのため、余分の弁その他を必要とせずに、又はブロワ78をその都度オンオフ操作することを必要とせずに、各々の香放出の終了も、香ディスケット走行機構55によって制御することができる。
【0248】
香ディスケット走行機構55は、信号ケーブル60を介して、例えばビデオレコーダー、テレビ受像機、ラジオ、スライド上映装置その他に接続されている。
【0249】
例えば上映フィルム又はこれに適合した音楽プログラム、ミュージカル、演劇もしくはバレーの上演のための放映に際しては、フィルム−香ディスケット57の制御のために必要となる制御命令は、伝送されるテレビジョンプログラムと共に、聴取できない制御信号として、一緒に送出される。
【0250】
これらの信号は、テレビ受像機に接続しうる補助装置を介して読出し、次にこの補助装置から小さな信号ケーブル60を介して、香ディスケット走行機構55に伝送される。
【0251】
この補助装置、又は香信号の読出し装置は、香ディスケット走行機構55内に配設して、走行機構55が信号ケーブル60を介して、テレビ受像機の予め用意された端子に接続することができる。
【0252】
テレビ又はビデオフィルムの対応するシーンに適合する香データは、送出された香信号によって、エアー導管80に送出され、例えば非常に小さな短い導管を経て視聴者に供給される。
【0253】
香ディスケット57上に貯留しておくことのできる非常に少い量の香を尚早な揮発に対して長時間に亘って保護するために、未販売の香ディスケットを箔材によって封入し、この箔材が最初の利用時にテレビ視聴者によって除去されるようにする。
【0254】
これにより、テレビ放送網を通じて放映される特別の特に人気のあるフィルムの前に、それに付随する香ディスケット57を個別の販売店例えば新聞販売所を通じて発売することが、システムの対応した普及によって可能となる。
【0255】
フィルム−香ディスケット57の更に別の使用可能性は、ビデオ及びテレビ放映を香り技術によって補完する以外に、映画館について前述した香設備をそれ自身備えると採算が合わなくなるような、音楽、演劇もしくは映画の上映もしくは上演のための比較的狭小な公共の上映もしくは上演用のホールにも、フィルム−香ディスケット57を使用しうることである。
【0256】
また、香を付随させうる青空音楽コンサート又は他の青空上演設備(青空映画劇場など)にも、事情に応じて、この香ディスケットシステムを有利に備えることができる。
【0257】
この場合には、特別に用意された場所に、小形のディスケット走行機構55が設けられ、それに対して、スライドの上映、音楽の演奏もしくは青空映画の上映に適合したフィルム−香ディスケット57を差込むことができる。
【0258】
この場合、大形の設備のため、全部の香ディスケット走行機構55に独自の信号ケーブルを敷設することがコスト高をもたらす場合には、例えば無線信号を介してディスケット走行機構を制御することができる。
【0259】
【発明の効果】
本発明の各視点により、各種視覚的及び/又は音響的出来事が観客または聴衆の集中力を害することなく相乗効果により強化されるものである。即ち、香の混合流に比重の低い成分ヘリウムを富化することにより、周りの空気より軽くすることにより放出後の除去を容易にし、各シーンへの追随性を高めることができる。
各視点にそれぞれ従属する各請求項の特徴により、さらに付加的な効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は香映画館の実施例の略図。
【図2】図2は香映画館の他の実施例の略図。
【図3】図3は香信号を備えた 図1の実施例のフィルム材料。
【図4】図4は図1の実施例の香制御ボックスの部分断面図。
【図5】図5は香交換装置を備えた 図4の香制御ボックスの部分側面図。
【図6】図6は 図4、5、1の実施例の香接続端子及び香担体の縦断面図。
【図7】図7は他の実施例の分離した香交換装置の上部からみた図。
【図8】図8は 図1及び 図11の実施例の映画館の座席全部におかれたダブルパイプの図−原寸法。
【図9】図9は図1、8、11の実施例の座席−香調節器(72)の縦断面図。
【図10】図10は 図9の座席−香調節器(72)が閉鎖した場合の縦断面図。
【図11】図11は香映画館の映画座席(46)の略図。
【図12】図12は2つの香担体(10)の上面からの図及び 第2実施例の低圧香接続端子(25A)の略図。
【図13】図13は他の実施例の香吸引・排出導管(58)の図。
【図14】図14は一体複合管(integrierte Einzelleitung)(37)を有する他の実施例の香吸引・排出導管(58a)の図。
【図15】図15は他の実施例の香配合装置(コンポーザ)(50)の略図。
【図16】図16は他の実施例の香ディスケット駆動装置(55)の図。
【図17】図17は 図16の実施例のフィルム−香ディスケット(57)の図。
[部品リスト]
1 フィルムプロジェクタ
2 投影レンズ
3 フィルムロール
4 信号検出器(パルススキャナ)
5 信号路(ライン)
5a 信号路(ライン)
6 電動コンプレッサ
7 香制御ボックス
8 加圧エアー導管
8a 加圧エアー導管
9 香ロール
9a 第2香ロール
10 香担体
11 主分配器、香制御ボックス
11a 中央香制御ボックス
12 フィルム(材料)
13 香ロール制御部
14 中間分配器、中間弁
14a 香制御ボックス
15 香吸引(排出)器
16 (映画)座席
17 末端分配器
18 プレコード(制御信号、パルス)
19 最大値信号(制御信号、パルス)
20 中間値信号(制御信号、パルス)
21 負の中間値信号(制御信号、パルス)
22 数値標識 (制御信号、パルス)
23 弁パルス
24 シール材
24a 封止域
25 香接続端子
26 香保持片
27 香ひじかけ
28 香供給口
29 香スパイラル容器(Dufthelix)
30 (電子)フィルム−バーコード
31 管スリーブ
32 気流調節器
33 香強さ調節器
34 パイロット信号
35 主導管
36 分配導管
37 個別導管(単一の導管)
38 調節器制御部
39 制御端子
40 流入口(開口部)
41 分配弁
42 流出口(開口部)
43 閉止弁(フラップ)
44 閉止弁(フラップ)
45 複式導管
46 フィルム始端零位置
47 分離ディスク
48 スクリーン
49 エアー導入部
50 香配合装置(コンポーザ)
51 香混合ロール
52 混合ロール制御部
53 デイスケット収納部
54 接線ブロワ
55 香デイスケット走行機構
56 戻り導管
57 香デイスケット
58 吸引(排出)導管
58a 吸引(排出)導管
59 保持溝
60 信号ケーブル
61 導管調節器
62 押圧機構
63 コンプレッサ弁
64 香格子
65 −
66 香口
67 走行面
68 エアー供給部
69 制御ホイール
70 減香調節器(Duftdimmer)
71 制御付加部
72 座席香調節器
73 軸受
74 軸安定部
75 −
76 制御凹み
77 コンピュータ接続部
78 接線ブロワ
79 デイスケット香供給部
80 エアー導管

Claims (32)

  1. 観客ないし聴衆に対し、所定の視覚的及び/又は音響的事象もしくはシーンの上演と同期して、それに適した香を供給して、視覚的及び/又は音響的上演の感覚的知覚を向上する方法において、
    香料を富化した香・エアー混合流の形で香を観客ないし聴衆に供給するに際し、この混合流に、比重の低い成分としてヘリウムを富化することによって、放出される香・エアー混合物が周囲空気より軽くなるようにすることを特徴とする方法。
  2. 香を富化した香・エアー混合流を周囲温度よりも摂氏3−5°高い温度で放出する請求項第1に記載の方法。
  3. 供給した香を対応する上演事象の間及び/又は後に排出・除去することを特徴とする請求項第1または2項の一に記載の方法。
  4. 放出される香・エアー混合流を、流れの方向に進む回転する旋回流として、放出後の所定の長さに亘って1つの指向された流路を形成することを特徴とする請求項第1〜項の一に記載の方法。
  5. 適した各別の香を各々の観客又は聴衆に対し、グループとしてか又は個別に供給及び/又はそれから排出・除去することを特徴とする請求項第1〜項の一に記載の方法。
  6. 0.00001〜0.005 lit/秒の香・エアー混合流を放出することを特徴とする請求項第1〜の一に記載の方法。
  7. 0.005〜0.3 lit/秒の香・エアー混合流を放出することを特徴とする請求項1〜5の一に記載の方法。
  8. 前記上演は映画館、劇場、コンサート及び講演会場において、並びにスライド上映、ビデオ、テレビ送信、ラジオドラマとして行われ、供給される香の強さを個々の事象又は上演に適合させることを特徴とする請求項第1〜7項の一に記載の方法
  9. 適した各別の香を香貯めないし貯留香から少くとも1つの選択信号に基づいて個別に供給すること、供給する香を時間的に減少するか又は増大する強さをもって交換・変更することを特徴とする請求項第1〜8項の一に記載の方法。
  10. 可動ユニットから香を供給することを特徴とする請求項第1〜項の一に記載の方法。
  11. 所定の視覚及び/又は音響的上演の感覚的知覚を向上するための装置であって、
    種々の香を個々に受容して放出する装置と、
    特定の視覚的及び/又は音響的事象に依存して所定の香の放出及び供給を制御する装置とを有すると共に、
    香料を富化した香・エアー混合流の形で香を観客ないし聴衆に供給し、この混合流に、比重の低い成分としてヘリウムを富化する手段を有し、放出される香・エアー混合物が周囲空気より軽くなるようにすること、
    を特徴とする装置。
  12. 0.005〜0.3 lit/秒の香・エアー混合流を放出する手段を有することを特徴とする請求項第11項記載の装置。
  13. 0.00001〜0.005 lit/秒の香・エアー混合流を放出する手段を有することを特徴とする請求項第11項記載の装置。
  14. 香の受容−放出装置が複数の別々の香貯めを有し、これらの香貯めが選択装置を介して香の放出のために選択的に開放される請求項第10〜13項の一に記載の装置。
  15. 香受容−放出装置が香の強さの制御部を有することを特徴とする請求項第11〜14項の一に記載の装置。
  16. それぞれの香をエアー流に供給するための香受容−放出装置が、所属するバイパス配管を備えた流入−流出口制御要素を備えたらせん状の導管系を有する請求項第11〜15項の一に記載の装置。
  17. それぞれの香をエアー流に供給するための香受容−放出装置が、エアー流部分のための少くとも2つの接触面を有することを特徴とする請求項第11〜16項の一に記載の装置。
  18. 香受容−放出装置が、個々のエアー流により制御しうる香混合ロール中に配された多数の香基成分のための香ミキサとして形成されたことを特徴とする請求項第11〜17項の一に記載の装置。
  19. 香受容−放出装置が、香ディスケット(57)又は香ミキサと関連可能な可移動の装置として形成されたことを特徴とする請求項第11〜18項の一に記載の装置。
  20. 最も強い香が最後に接触されるように、香の強さに依存して、香混合ロールの接触順序を定めたことと、香ミキサがエアー流発生のためのブロワを有することを特徴とする請求項第19項に記載の装置。
  21. 個々の香放出及び供給を制御する装置が個々の事象同期香制御信号の認識装置を備えていることを特徴とする請求項第11〜20項の一に記載の装置。
  22. 前記認識装置が、光学的及び/又は電気的香制御信号を受けいれるように形成され、該制御信号が、香の種類、香の組成、香の貯留歴、香の供給期間及び貯留香の使用頻度の1種以上についての符号化された情報を含むことを特徴とする請求項第21項記載の装置。
  23. 香制御信号が、香の強さ、香の供給の開始及び終了並びに香の交換・変更についての情報を更に含むことを特徴とする請求項第22項記載の装置。
  24. 符号化フィルムトラック又は事象に結合された信号供給部が香制御信号として設けられたことを特徴とする請求項第21〜23項の一に記載の装置。
  25. 香分配系が、座席グループ及び/又は個々の座席のための制御可能な香放出口を備えていることを特徴とする請求項第24項記載の装置。
  26. 個々の座席及び/又は座席グループのための香除去・排出系が香分配系に配設されたことを特徴とする請求項第25項記載の装置。
  27. 座席個別の香の強さの制御のために、供給及び戻りのための導管を備えた複式の導管(37、56)として管系を形成したことを特徴とする請求項第26項記載の装置。
  28. 香分配系が、事象に直接従って開放するための選択された香をもって、当該事象よりも時間的に前に所定の香を放出することを制御する制御装置によって、充満されることを特徴とする請求項第24〜27項の一に記載の装置。
  29. 放出装置の放出開口のところに、放出される香・エアー混合物の1つの指向された回転渦流を形成するために、コイル状のエレメントを備えたことを特徴とする請求項第11〜28項の一に記載の装置。
  30. 放出装置中に各々2つの放出開口を形成し、2つの旋回する香・エアー混合流が互に逆相の旋回運動を行い、その旋回運動において自己支持されることにより、接線方向の1つの指向された香・エアー混合流が補助的に発生されるようにしたことを特徴とする請求項第29項記載の装置。
  31. 座席グループ及び/又は個々の座席の香の放出部が香・エアー混合流の放出装置の調節のために揺動自在に支承されたことを特徴とする請求項第11〜30項の一に記載の装置。
  32. 各観客に香を運ぶ全エアー量を最小とするために、微少化した個々の導管(37)を各観客席に対して備えることを特徴とする請求項第11〜31項の一に記載の装置。
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