JP3717767B2 - 循環流発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体を微細化して液体に混合、分散させ、液体に効率良く溶解させることと、液体の上層、下層を広範囲で強制循環させることができる循環流発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ダム、湖沼、内海等の閉鎖水域の浄化には、塩基養分の除去、紫外線殺菌、あるいは噴水式、水中曝気式等の方法が利用されており、いずれの方法も大型の設備に加え膨大なエネルギーを必要とする。
【0003】
このような従来の設備では、浄化が、必ずしも成功しているとは言えなかった。その原因は、従来の水中曝気式について言えば、閉鎖水域での浄化には、単に溶存酸素上昇だけで解決に至る例は非常に少なく、強力な攪拌効果によって発生するイオン活性化や上昇流によって表層水温を低下させることが必要であるが、これらの対策が不十分であったことにある。
【0004】
ダム、湖沼、閉鎖性海域の汚染が、ますます深刻な状況になっている事実が、従来の浄化設備の不備を表しているとも言える。すなわち、従来の浄化設備の多くは、その場しのぎの対策を目的としたもので、抜本的、恒久的な対策とはなっていない。
【0005】
そこで、他の浄化方法として、パイプの中に捻りを入れた螺旋板を配置し、この螺旋板によって、中を流れる水に旋回運動を与えて、吹き込んだ空気と水を混合する方法が考えられた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この螺旋板を用いた方法は、従来の曝気式に比べて、気液混合に関しては効果があったが、以下のような問題があり、実用に至らなかった。
【0007】
(1)螺旋板の存在が一種の邪魔板になり、ここに液体の中の浮遊物が溜まり、液体の流れ(循環流の発生)を妨害する。ここに最大の問題があった。
【0008】
(2)酸素溶解効率が、0.5%〜2%程度と極めて低いことと、空気注入量を多く必要とする構造であるために、最大水深5m程度の範囲以内でしか使用できない。
【0009】
以上のような点に鑑みて、本発明は、少ないエネルギーで、酸素を液体に効率よく溶解し、安定した循環流を発生でき、効果的に液体の浄化を行える循環流発生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の循環流発生装置では、液体中に設置され、気体と液体とを混合する気液混合手段と、気液混合手段に、気体を吹き込む気体吹き込み手段とを具備し、気液混合手段は、円筒状の壁面によって包囲され、気体吹き込み手段から気体が吹き込まる流路と、流路の一端に設けられる液体放出口と、壁面に、流路に気体を吹き込むための気体吹き込み穴を複数開設し、液体放出口は、末拡がりとなるように設けられ、気体吹き込み穴は、垂直断面においては、流路における液体の進行方向に対して鋭角に斜向するように、かつ、水平断面においては、流路を包囲する壁面の接線方向を向くように形成され、気体吹き込み穴は壁面に沿って開口し、かつ、気体は、少なくとも酸素を含む。
【0011】
この構成により、少ないエネルギーで、酸素を液体に効率よく溶解し、安定した循環流を発生でき、効果的に液体の浄化を行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の循環流発生装置は、気液混合手段と、気体吹き込み手段とを具備する。気液混合手段は、液体中に設置され、気体と液体とを混合する。気体吹き込み手段は、気液混合手段に、気体を吹き込む。そして、この気体は、少なくとも酸素を含む。また、壁面に、流路に気体を吹き込むための気体吹き込み穴を複数開設し、液体放出口は、末拡がりとなるように設けられ、気体吹き込み穴は、垂直断面においては、流路における液体の進行方向に対して鋭角に斜向するように、かつ、水平断面においては、流路を包囲する壁面の接線方向を向くように形成され、気体吹き込み穴は壁面に沿って開口する。
【0013】
この気液混合手段は、流路と、液体放出口と、気体吹き込み穴とを含む。流路は、円筒状の壁面によって包囲され、気体吹き込み手段から酸素を含む気体が吹き込まる。液体放出口は、流路の一端に設けられる。気体吹き込み穴は、流路に酸素を含む気体を吹き込むためのものである。
【0014】
この液体放出口は、末拡がりとなるように設けられる。気体吹き込み穴は、垂直断面においては、流路における液体の進行方向に対して鋭角に斜向するように、かつ、水平断面においては、流路を包囲する壁面の接線方向の成分を持つように設けられる。
【0015】
以上のように、本発明では、気体吹き込み穴を、流路における液体の進行方向に対して鋭角に斜向するように、かつ、流路を包囲する壁面の接線方向の成分を持つように設け、この気体吹き込み穴を通じて、流路に気体を吹き込むことで、流路内に旋回流を発生させて、循環流の発生と、気液混合とを同時に行う。
【0016】
このように、液体に気体を混合する機構と、循環流を発生させる機構とを、別々に設けるのではなく、液体に気体を混合する機構が同時に、循環流を発生させる機構にもなっている。このため、少ないエネルギーで、気液混合と、循環流発生とを同時に実現できる。さらに、流路には、従来のように螺旋板など、何も設けていないため、安定した循環流を発生できる。
【0017】
このような効果に加えさらに、末拡がりとなるように液体放出口を設けることで、剪断力により、気体の液体への溶解を促進する。
【0018】
したがって、本発明では、安定した循環流を発生することと、酸素を液体に効率良く溶解することとを、少ないエネルギーで同時に実現している。このため、少ないエネルギーで、効果的に液体の浄化を行うことができる。
【0019】
請求項2記載の循環流発生装置では、液体放出口の開き角を、50度以上70度以下としている。このようにすることで、より強力な剪断力を発生させることができ、酸素の液体への溶解をより促進できる。
【0020】
請求項3記載の循環流発生装置では、気体吹き込み穴は、流路における液体の進行方向に対して、10度以上80度以下の角度で斜向するように設けられる。このようにすることで、より強力な旋回流を発生させることができるため、より強力な循環流を発生できる。
【0021】
請求項4記載の循環流発生装置では、気体吹き込み穴は、流路を包囲する壁面の接線方向に設けられる。このようにすることで、より強力な旋回流を発生させることができるため、より強力な循環流を発生できる。
【0022】
請求項5記載の循環流発生装置では、気体吹き込み穴は、複数設けられ、かつ、流路を包囲する壁面に沿って、一循する向きに気体を吹き込むように設けられる。このようにすることで、より強力な旋回流を発生させることができるため、より強力な循環流を発生できる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図1および図2を用いて、本発明の実施の形態における循環流発生装置の特徴部分を説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態における循環流発生装置の特徴部分の垂直断面図、図2は、同水平断面図である。なお、図1および図2において、同一の部分については、同一の符号を付している。
【0025】
図1および図2に示すように、この循環流発生装置の特徴部分であるパイプ1には、円筒状の壁面11によって包囲される流路3が形成される。そして、流路3の一端には、液体放出口7が、末拡がりとなるように(円錐台形状に)設けられ、他端は、液体吸い込み口9となっている。
【0026】
また、パイプ1には、4個の気体吹き込み穴5が、形成される。具体的には、気体吹き込み穴5は、パイプ1の垂直断面においては、図1に示すように、流路3における液体の進行方向(矢印a方向)に対して、鋭角に(角度θ1で)斜向するように設けられる。そして、さらに気体吹き込み穴5は、パイプ1の水平断面においては、図2に示すように、壁面11の接線方向に形成される。
【0027】
なお、パイプ1の外面には、後述するように、「おねじ」が形成されるが、図1および図2では省略している。また、パイプ1は、気液混合手段に相当する。
【0028】
次に、本実施の形態における循環流発生装置の原理について説明する。まず、パイプ1を液体中(例えば、水中)に設置する。この場合、パイプ1の液体放出口7が、液体の表面側を向くように(パイプ1の液体吸い込み口9が、液体の底側を向くように)、設置する。
【0029】
本装置を以上のように設置した後、酸素を含む高圧気体が、矢印bに示すように、気体吹き込み穴5を通じて、流路3に吹き込まれると、液体吸い込み口9から流入した液体は、流路3を流れ、気体吹き込み穴5から吹込まれた気体と混合されて、液体放出口7から上方に放出される。その結果、矢印cに示すような気液混合循環流が発生し、液体の浄化が行われる。
【0030】
以下、このような気液混合循環流の発生の仕組みについて詳しく説明する。気体吹き込み穴5から流路3に吹き込まれた高圧気体は、気泡となって、パイプ1の壁面11に沿って、旋回しながら上昇する。液体は、このような気泡の旋回流に巻き込まれ、エジェクタ効果によって、液体吸込み口9から吸込まれて、旋回流と混合して上昇する。
【0031】
この過程において、吹き込まれた気体と液体とが、激しく混じり合い、気体(酸素)が液体に溶解する。その結果、流路3に矢印a方向の流れが形成され、矢印cで示すような大きな気液混合循環流が形成される。
【0032】
このように、本実施の形態では、液体に気体を混合する機構(液体に酸素を溶解させる機構)と、循環流を発生させる機構とを、別々に設けるのではなく、液体に気体を混合する機構が同時に、循環流を発生させる機構にもなっている。このため、少ないエネルギーで、気液混合(酸素の液体への溶解)と、循環流発生とを同時に実現できる。
【0033】
さらに、流路3には、従来のように螺旋板など、何も設けていないため、安定した循環流を発生できる。
【0034】
さて、液体吸い込み口9から液体放出口7に至るまでの流路3は、一定半径を持つ円筒状になっているが、流路3に連続する液体放出口7は、図1に示すように、末拡がりの形状をしている。
【0035】
そのため、流路3を高エネルギー状態で流れてきた液体の圧力が急激に低下し、強力な剪断力が発生することで、液体に含まれていた気泡は、剪断力により分断され、液体と気泡の接触面積が爆発的に拡大し、吹き込まれた気体(酸素)の溶解が一気に加速されることとなる。しかも、この効果を得るために、外部からの動力を必要としない。その結果、少ないエネルギーで、かつ、高い溶解効率で、酸素を液体に溶解できる。
【0036】
以上のように、本発明では、安定した循環流を発生することと、酸素を液体に効率良く溶解することとを、少ないエネルギーで同時に実現している。このため、少ないエネルギーで、効果的に液体の浄化を行うことができる。
【0037】
なお、循環流の発生、および、気液混合(酸素の液体への溶解)は、共に、アオコ発生の抑制、濁水浄化、大型廃水処理にとって、必要不可欠であると言える。
【0038】
一方、従来は、液体に旋回流を与えるために、パイプの中に螺旋板を配置しており、これが吸込み口にゴミが詰まる原因になっていた。
【0039】
しかし、上述のように本発明では、パイプ1は真直ぐの直管で、流路3には、障害物はない。そして、気体吹き込み穴5を、角度θ1で、かつ、パイプ1の壁面11の接線方向に、開口させるだけで、液体が激しく旋回する機構を実現している。このため、従来のように、ゴミのつまりは皆無で、ゴミも液体と一緒に旋回させて液体放出口7から放出する。その結果、メンテナンスのための労力を極力軽減できる。
【0040】
次に、気体吹き込み穴5の詳細を説明する。気体吹き込み穴5は、パイプ1の垂直断面においては、図1に示すように、流路3における液体の進行方向(矢印a方向)に対して、角度θ1で斜向するように設けられる。この角度θ1は、10度以上80度以下の範囲に設定する。この範囲で旋回流が最も激しくなり、10度より小さい角度、または、80度より大きい角度では、いずれも旋回流が不十分だからである。なお、θ2=90−θ1である。
【0041】
また、気体吹き込み穴5は、パイプ1の水平断面においては、図2に示すように、壁面11の接線方向に形成される。このように、壁面11の接線方向に形成した場合が、最も強力な旋回流を発生させることができる。なお、気体吹き込み穴5は、水平断面において、少なくとも、壁面11の接線方向の成分を持つように開口されていることが必要である。
【0042】
また、気体吹き込み穴5の数は、3〜8個程度とするが、必要に応じて適宜増減してよい。
【0043】
以上のようにして形成された気体吹き込み穴5から吹き込まれた高圧気体は、気泡となって、パイプ1の壁面11に沿って旋回しながら上昇し、液体吸い込み口9から液体を吸込む。吸込まれた液体は、旋回しながら気泡と混合されて上昇し、末拡がりとなるように設けられた液体放出口7に到達したところで、強力な剪断応力がおこり、気泡が、より微細な気泡に分断されることとなる。
【0044】
ここで、気体吹き込み穴5から流路3へ吹き込む高圧気体の圧力は、概ね0.1〜10kgf/c平方メートルの範囲が適切である。また、高圧気体は、空気、酸素等、少なくとも酸素を含む気体であればよい。
【0045】
次に、液体放出口7の詳細について説明する。図3は、図1のパイプ1の液体放出口7の詳細を示す垂直断面図である。なお、図3において、図1と同一の部分については、同一の符号を付している。
【0046】
図3に示すように、流路3と液体放出口7との接続点Aにおいて、液体放出口7の曲面に接する接線dが形成する角度λを、液体放出口7の開き角とする。液体放出口7の開き角λは、50度以上70度以下が最も好ましい。そうでない場合でも、開き角λは、30度以上が好ましい。なぜなら、30度未満では、吹き込まれた高圧気体によって生じた気泡を微細化できなくなるからである。また、開き角λは、90度より大きくなっても好ましくない。この場合も、気泡を微細化できなくなるからである。
【0047】
上述では、パイプ1の液体放出口7が、液体の表面側を向くように(パイプ1の液体吸い込み口9が、液体の底側を向くように)、パイプ1を液体中に立設して使用した。このように設置するのが最も好ましいが、必要に応じて、横に寝かせて(パイプ1の長さ方向が、液体表面に平行になるように設置して)使用することもできる。また、本発明の循環流発生装置による浄化の対象となる液体は、水、その他の液体でもよい。
【0048】
次に、図4から図6を用いて、本発明の実施の形態における循環流発生装置の全体構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態における循環流発生装置の垂直断面図である。図4に示すように、この循環流発生装置は、パイプ1、ホルダ15、ホース口21およびコンプレッサ23を具備する。なお、コンプレッサ23は、気体吹き込み手段に相当する。
【0049】
ここで、図5は、図4に示したパイプ1を示す図、図6は、図4に示したホルダ15を示す図である。なお、図4から図6において、図1と同様の部分については、同一の符号を付している。
【0050】
図5に示すように、パイプ1において、液体放出口7は、開き角λが60度となるように形成される。気体吹き込み穴5は、垂直断面においては、角度θ1が60度となるように、かつ、水平断面においては、壁面11の接線方向に(図2参照)、形成される。
【0051】
このような条件の気体吹き込み穴5を8個形成する。また、パイプ1の下端外面には、ホルダ15と接続するためのおねじ13が形成される。なお、このパイプ1が、図1に示したパイプ1と異なるのは、気体吹き込み穴5の数、および、おねじ13を形成した点である。
【0052】
図6に示すように、ホルダ15は、垂直断面においては、矩形状になっており、その内部には、空洞25が形成される。そして、ホルダ15の上部には、パイプ1の外形に即した開口部が形成され、その開口部には、パイプ1と接続するためのめねじ17が形成される。
【0053】
また、ホルダ15の下部内面には、パイプ1の外形に即した穴が形成され、その穴の周りには、パイプ1と接続するためのめねじ17が形成される。さらに、その穴からホルダ15の外部まで貫通するように、液体吸い込み口19が形成される。また、ホルダ15の側部には、コンプレッサ23から空洞25へ高圧空気を吹き込むためのホース口21が設けられる。
【0054】
そして、このようなホルダ15のめねじ17に、図5のパイプ1のおねじ13をねじ込むことにより、パイプ1とホルダ15とを、すきまなく接続することによって、図4に示した循環流発生装置を組み立てる。なお、液体吸い込み口19から液体放出口7までは貫通している。
【0055】
次に、図4を用いて、動作について説明する。ホルダ15に保持されたパイプ1を水中に立設する。ホルダ15に設けられたホース口21は、図示しないホースを介してコンプレッサ23に接続される。そして、コンプレッサ23が発生した高圧空気は、ホースロ21から空洞25へ送られ、さらに、気体吹き込み穴5を通じて、流路3へ吹き込まれる。
【0056】
吹き込まれた高圧空気は、気泡となって、液体吸い込み口9、19から水を吸い上げながらパイプ1の壁面11を旋回しながら上昇する。この際に、水と吹き込まれた空気とが混合される。
【0057】
このような空気と水との気液混合液は、開き角λが60度の液体放出口7で剪断流れを発生させ、超微細気泡が発生することになる。
【0058】
発生した超微細気泡は旋回運動をして、径を拡大しながら波及し、気泡の広がる範囲はパイプ1の内径の概ね十数万倍にも及ぶ。
【0059】
水の表面層の高速流動に伴って、低層の水が流動して上昇して低層⇒表層⇒低層の流れの循環運動が誘起され、表層、下層の、水の循環浄化が行われる。
【0060】
上記装置を使ってダムの濁水浄化実験を行ったので、以下に、その結果を示す。
【0061】
(実験1)
実験1では、パイプ1の長さが270mm、パイプ1の外径が120mmとした。また、パイプ1の内径を40mm、気体吹き込み穴5の数を8個、気体吹き込み穴5の角度θ1を45度、液体放出口7の開き角λを60度、空気圧力を5kgf/c平方メートル、設置台数を1台とした。
【0062】
この結果は次のとおりである。消費電力3kwで、水深33.5m×50平方メートルの範囲で、開始前濁度70度が運転開始後168時間で、濁度2度(水道水濁度基準1度)にまで回復した。この実験1の結果により、表面温度は、開始前26℃が運転開始と同時に18℃まで低下したことで、アオコ発生抑制にも有効であることが確認された。また、本装置によれば、低電力にて、大量の水域浄化ができることが確認できた。
【0063】
(実験2)
閉鎖されたダムの浄化実験を行った。ダムの水質の状態は、次の通りである。粘土鉱物による濁度は70度であり、水深2m〜30mの間で微細な粘土鉱物による濁水が大量に滞留したままの状態であり、低層部(水深50m以下)は、無酸素状態であり、最深部では、有害なメタンガスや重金属類の溶出が検出された。
【0064】
本装置の運転の結果、水中温度成層の破壊効果と、濁水・アオコ等の浄化効果および広範囲に及ぶ溶存酸素上昇効果(4.5ppm⇒6.5ppm)が確認できたことにより、本装置を徐々に下降させることにより、最深部の無酸素域を有酸素域に改善し、ヘドロを無機化させることと、重金属類の溶出防止が可能であることが確認できた。
【0065】
なお、本装置は、ダムのほか、湖沼、閉鎖性海域、大型排水処理など、液体の浄化が必要なところに広く用いることができる。
【0066】
【発明の効果】
本発明では、気体吹き込み穴を、流路における液体の進行方向に対して鋭角に斜向するように、かつ、流路を包囲する壁面の接線方向の成分を持つように設け、この気体吹き込み穴を通じて、流路に気体を吹き込むことで、流路内に旋回流を発生させて、循環流の発生と、気液混合とを同時に行う。
【0067】
このように、液体に気体を混合する機構と、循環流を発生させる機構とを、別々に設けるのではなく、液体に気体を混合する機構が同時に、循環流を発生させる機構にもなっている。このため、少ないエネルギーで、気液混合と、循環流発生とを同時に実現できる。さらに、流路には、従来のように螺旋板など、トラブルの原因となる部材を設けていないため、安定した循環流を発生できる。
【0068】
このような効果に加えさらに、末拡がりとなるように液体放出口を設けることで、剪断力により、気体の液体への溶解を促進する。
【0069】
したがって、本発明では、安定した循環流を発生することと、酸素を液体に効率良く溶解することとを、少ないエネルギーで同時に実現している。このため、少ないエネルギーで、効果的に液体の浄化を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における循環流発生装置を構成するパイプの垂直断面図
【図2】同パイプの水平断面図
【図3】同パイプの液体放出口の説明図
【図4】本発明の実施の形態における循環流発生装置の全体構成図
【図5】図4のパイプの説明図
【図6】図4のホルダの説明図
【符号の説明】
1 パイプ
3 流路
5 気体吹き込み穴
7 液体放出口
9、19 液体吸い込み口
11 壁面
13 おねじ
15 ホルダ
17 めねじ
21 ホース口
23 コンプレッサ
25 空洞

Claims (5)

  1. 液体中に設置され、気体と液体とを混合する気液混合手段と、
    前記気液混合手段に、前記気体を吹き込む気体吹き込み手段とを具備し、
    前記気液混合手段は、
    円筒状の壁面によって包囲され、前記気体吹き込み手段から前記気体が吹き込まる流路と、
    前記流路の一端に設けられる液体放出口とを含み
    前記壁面に、前記流路に前記気体を吹き込むための気体吹き込み穴を複数開設し
    前記液体放出口は、末拡がりとなるように設けられ、
    前記気体吹き込み穴は、垂直断面においては、前記流路における前記液体の進行方向に対して鋭角に斜向するように、かつ、水平断面においては、前記流路を包囲する壁面の接線方向を向くように形成され、前記気体吹き込み穴は前記壁面に沿って開口し、かつ、前記気体は、少なくとも酸素を含むことを特徴とする循環流発生装置。
  2. 前記液体放出口の開き角は、50度以上70度以下であることを特徴とする請求項1記載の循環流発生装置。
  3. 前記気体吹き込み穴は、前記流路における前記液体の進行方向に対して、10度以上80度以下の角度で斜向するように設けられることを特徴とする請求項1または2記載の循環流発生装置。
  4. 前記気体吹き込み穴は、前記流路を包囲する壁面の接線方向に設けられること特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の循環流発生装置。
  5. 前記気体吹き込み穴は、複数設けられ、かつ、前記流路を包囲する壁面に沿って、一循する向きに前記気体を吹き込むように設けられること特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の循環流発生装置。
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