JP5599597B2 - 気液溶解タンク - Google Patents

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Description

本発明は、気液溶解タンク、特に、排水処理あるいは用水処理などで用いられる加圧浮上処理における加圧水発生装置の気液溶解タンクに関する。
排水処理や用水処理において、被処理水中の被除去物質、例えば、SS成分や油分に、微細気泡を混合し、付着させて、その浮力により浮上槽で分離する浮上分離装置が用いられる。被処理水中の被除去物質には、微細気泡を混合する前に凝集剤を添加してフロック化させることが多い。
微細気泡の発生方法としては、加圧下で空気などの気体を溶解させた加圧水などの加圧液体を水深圧に減圧することで、微細気泡を発生させる方法が用いられることが多い。このような加圧水を用いる浮上分離処理は、特に、加圧浮上処理と言われる。加圧浮上処理は、多量の微細気泡を被処理水に供給することができるため、被処理水中のフロックに多くの気泡を付着させることができ、処理水質が良好であり、また浮上槽での処理速度を高く設定することができるなどの利点があり、広く採用されている。
加圧下で空気を溶解させて微細気泡を発生させる方法は、高圧の水ほど空気を多量に溶解させることができることを利用しており、減圧して被処理水に混合する際には、その分、多量の微細気泡を発生する。
一般的に加圧水を調製する装置は、加圧水ポンプ、コンプレッサおよび気液溶解タンクなどで構成される。加圧水ポンプなどによって水を例えば0.3〜0.6MPaに加圧している状態で、系内にコンプレッサなどで空気を供給し、水への空気の溶解を図る。気液溶解タンクでは溶解しなかった空気を分離し、空気が溶解した加圧水を被処理水に供給する。
しかし、実際には、単純に高圧の水に空気を供給しても空気は十分に溶解しないので、溶解器の設置や、気液溶解タンクの内部に空気の溶解を促進するような構造を設けるなどの工夫がなされる。
なお、空気溶解の程度を評価する指標として、理論空気溶解量に対する空気溶解率(%)(以下、単に「溶解率」と呼ぶ場合がある。)があり、式1で定義される。式1中の理論空気溶解量はヘンリーの法則より算出できる。
Figure 0005599597
溶解器の例としては、ラインミキサ(例えば、図11参照)やエゼクタ(例えば、図12参照)などが挙げられる。ラインミキサは、空気などの気体と水などの液体とを混合した後に、配管中に流れに対して平行方向に旋回流を生じさせる板などを設け、気液の接触面積を増やし、空気などの気体溶解を促進させる働きをする。
エゼクタは、空気などの気体と水などの液体とを混合する部分に設置され、主流の管径を絞ることで負圧を生じさせ、そこへ空気などの気体を自給、もしくはコンプレッサなどで圧入して気液を激しく接触させて気体溶解を図るものである。
ラインミキサやエゼクタなどの溶解器を単独で用いて空気を水に溶解する場合、溶解率は空気を大量に吹き込んでも40〜50%程度が限界である。単独の溶解器の使用で溶解率が40〜50%の場合、フロックの浮上に必要な所定量の気泡を被処理水に供給するためには、被処理水に対する加圧水量の比(加圧水比)を20〜40%と大きくとる必要がある。このため、容量の大きい加圧水ポンプが必要となり、イニシャルコストや電力費を主とするランニングコストが増大してしまう。エゼクタとラインミキサを組み合わせるなど複数の溶解器を併用して溶解率は改善されるが、溶解器での圧力損失が大きくなり、その圧力損失分を見込んだ容量の加圧水ポンプが必要なため、結局これもイニシャルコストやランニングコストの増大となってしまう。
空気溶解の促進を気液溶解タンクで図る場合もある。気液溶解タンクには、空気溶解だけを行い、未溶解の空気の分離排除は別のタンクで行うものと、空気溶解と気液分離を1槽で行うものとがある。例を挙げると、前者のタイプには、非特許文献1に記載の図13のような構造の気液溶解タンク80があり、高い圧力をかけた流体が多孔板の孔を通った時に生じる乱流で気体を細分化し、気液接触面積を増やすことで空気溶解を促すものである。後者のタイプには、特許文献1に記載の図14のような構造の気液溶解タンク82があり、まずタンク入口部に設置されたノズルで気液を激しく混合、接触させ、ある程度の空気溶解をし、流路を長くすることで空気と十分に接触させ、空気溶解を促進する構造である。
気液溶解タンクを用いて空気を水に溶解する場合、何らかの内部充填構造を持たないものは所定の空気溶解の効果を得るのに水の滞留時間を長く取る(3〜5分程度)必要があり、タンク容積が大きくなるため、設置面積および製作コストが高くなる。気液溶解タンクを図13および図14に示したような構造として、空気の水への溶解を促進する方法をとると、図13のタンクが65%程度、図14のタンクが60%程度の溶解率を得ることができるが、さらに高い溶解率を得ることが求められている。
さらに、図13のような構造の気液溶解タンクの問題として、以下の2点が考えられる。1つめは、所定の溶解率を得ようとした時、多孔板を多段で設置するので大きな圧力損失を生じるため、その圧力損失を見込んだ加圧水ポンプを使用する必要があることである。2つめに、気液溶解タンクとは別に気液分離タンクの配置が必要で、結局、加圧水製造設備全体では多くの設置面積が必要となってしまうことが挙げられる。
また、図14のような構造の気液溶解タンクでは、タンク流入部のノズルで圧力損失が生じる程度で、圧力損失は小さいが、気液の接触時間を稼ぐ目的でタンク内の流路を長くしているため、タンク構造が複雑化することで、製作コストが増大する。また、溶解率も60%程度であり、加圧水ポンプの小型化を図るためには、より溶解率を向上させることが求められる。
特開2004−290803号公報
Mooyoung Han, Tschung-il Kim, Sungwon Park, Youkun Jung、「The development of a generator to produce bubbles of tailored sizes」、The 5th International Conference on Flotation in Water and Wastewater Systems 予稿集、pp.1−7(2007)
本発明の目的は、液体への気体の溶解率が高く、簡易な内部構造で小型の気液溶解タンクを提供することにある。
本発明は、気体を液体に加圧下で溶解するための気液溶解タンクであって、噴流を生じる噴流発生部材を先端に有し、気体と液体の混合物をタンク内部に下向流で導入するための内挿管と、前記噴流発生部材の噴出部が内部に位置するように設置され、上端が閉塞し下端が開口する内筒管と、を備え、前記噴流発生部材が前記内筒管内で水没されるように配置されている気液溶解タンクである。
また、前記気液溶解タンクにおいて、前記内筒管の側面に、前記噴流発生部材の噴出部の位置よりも低い位置に設けられた開孔部を有することが好ましい。
また、前記気液溶解タンクにおいて、前記内筒管の下端部の内径以上の径を有し、前記噴流の流出方向に前記内筒管の下端部と接しないように配置された阻流板を備えることが好ましい。
本発明では、噴流を生じる噴流発生部材を先端に有し、気体と液体の混合物をタンク内部に下向流で導入するための内挿管と、噴流発生部材の噴出部が内部に位置するように設置され、上端が閉塞し下端が開口する内筒管と、を備えることにより、液体への気体の溶解率が高く、簡易な内部構造で小型の気液溶解タンクを提供することができる。
本発明の実施形態に係る加圧水製造システムの一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクの一例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクにおける上端が閉塞し下端が開口する内筒管(ドラフトチューブ)の一例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクにおけるラッパ型の内筒管の一例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクの他の例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクにおける上端が閉塞し下端が開口し、開孔部を有する内筒管(ドラフトチューブ)の一例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクにおける開孔部を有するラッパ型の内筒管の一例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクの他の例の構造を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る気液溶解タンクにおける阻流板の一例の構造を示す概略図である。 本発明の実施例で用いた加圧水製造システムを示す概略構成図である。 従来のラインミキサの一例の構造を示す概略図である。 従来のエゼクタの一例の構造を示す概略図である。 従来の気液溶解タンクの一例の構造を示す概略図である。 従来の気液溶解タンクの一例の構造を示す概略図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る加圧水製造システムの一例の概略構成を図1に示す。加圧水製造システム1は、原水タンク10と、加圧水ポンプ12と、コンプレッサ14と、気液溶解タンク16とを備える。
図1の加圧水製造システム1において、原水タンク10が加圧水ポンプ12、原水流量調整バルブ18、原水流量計26を介して原水配管34などにより、気液溶解タンク16の上部に接続されている。また、コンプレッサ14が空気流量調整バルブ20、空気流量計28を介して空気配管36などにより、原水配管34の原水流量計26と気液溶解タンク16との間に接続されている。気液溶解タンク16の下部には、加圧水配管38が加圧水流量計30、減圧バルブ22を介して接続されている。気液溶解タンク16の上部には、排気配管40が排気調整バルブ24を介して接続されている。気液溶解タンク16の下部には、タンク圧力計32が設置されている。
加圧水製造システム1において、原水タンク10からの水(原水)などの液体は、原水配管34を通って加圧水ポンプ12で加圧され、原水流量調整バルブ18により流量が調整される。コンプレッサ14で加圧された空気などの気体は、空気配管36を通って空気流量調整バルブ20により流量が調整され、原水配管34において水などの液体と混合される。水と空気の混合物は、原水配管34を通って気液溶解タンク16の上部から気液溶解タンク16の内部に供給される。気液溶解タンク16の内部において、加圧下で空気が水に溶解された後、加圧水は気液溶解タンク16の下部から加圧水配管38を通って排出され、加圧浮上処理における加圧水として、凝集水に供給される。加圧水は、減圧バルブ22を通る際、水深圧に開放され、例えばマイクロメートルオーダの微細気泡が発生する。一方、未溶解の空気などの気体は、気液溶解タンク16の上部から排気配管40を通って排出される。
図2に、本実施形態に係る気液溶解タンク16の構造の一例を示す。気液溶解タンク16は、タンク本体42と、噴流を生じる噴流発生部材であるノズルまたはオリフィス44(以下、「ノズルまたはオリフィス44」のことを、単に「ノズル44」と呼ぶ場合がある。)を先端に有し、気体と液体の混合物をタンク内部に下向流で導入するための内挿管46と、ノズル44の噴出部が内部に位置するように設置され、上端が閉塞し、下端が開口する内筒管48とを備える。気液溶解タンク16は、タンク内圧と水位とを所定範囲内に保持するようタンク内の上部に滞留する未溶解空気などの排気量を調整する排気量調整機構として排気配管40および排気調整バルブ24とを備えてもよい。
気液溶解タンク16において、図1の原水配管34に接続された内挿管46は、タンク本体42の上部より略垂直下方に向かって内挿されている。内挿管46は、先端にノズル44を備え、ノズル44は、水没するように配置される。ノズル44の噴出部(先端部)を取り囲むように、内筒管48が配置されている。排気配管40は、タンク上部から内部に所定の長さで内挿されており、排気配管40には排気量を調整する排気調整バルブ24が設置されている。気液溶解タンク16の下部には加圧水配管38が接続されている。
図1の原水配管34を通って供給された水と空気の混合物は、内挿管46を通って気液溶解タンク16の上部からタンク内部に供給される。水と空気の混合物は、内挿管46の先端に設置されたノズル44の噴出部において略垂直下方向に下向流の噴流として噴出される。溶解しなかった空気は、排気調整バルブ24を有した排気配管40で調整され、タンク外へ排出される。空気が十分に溶解した水は、加圧水として、タンク下部に設けられた加圧水配管38より流出し、図1の減圧バルブ22を通り、凝集水に供給される。減圧バルブ22を通る際、水深圧に開放され、例えばマイクロメートルオーダの微細気泡が発生する。
水と空気の混合流体がノズル44を通過する際、ノズル44の噴出部付近で空気が細分化されるため、噴流中で空気と水との接触面積が増大し、空気溶解が促進される。水中に噴出された気泡の一部は、次第に粗大化して内筒管48の上部に溜まり、ノズル44付近に気相を形成する。ノズルの2次側では、流体が高速で通過するため負圧が生じており、そこに気相中の空気が引き込まれ、噴流中に巻き込まれる。噴流中にはノズル1次側で注入していた空気に加え、気相中から巻き込まれた空気が混合されるため、内筒管48内の液相では気液混合比が上昇する。そのため、空気に接触できる水の面積がさらに大きくなり、空気溶解が助長されると考えられる。水中に噴出された気泡は、次第に合一して内筒管48の内部を上昇するが、ノズル44からの噴流と衝突するため、細分化され激しく撹拌される。ノズル44からの下向きの噴流と上昇する気泡が均衡するため、この激しい混合状態によって例えば図2に示すような気泡滞留ゾーンが形成される。この気泡滞留ゾーンにおいて、気泡が破砕され、気液接触面積が増大するため、さらに空気の溶解が促進されると考えられる。なお、図2に示すような気泡滞留ゾーンの形成位置、大きさ等はあくまでも例示的なものである。
前述したラインミキサ(図11)やエゼクタ(図12)などの溶解器を用いる方法で溶解率は40〜50%程度、図13,図14のような内部構造を有する気液溶解タンクでの溶解率は50〜70%程度であるのに対し、本実施形態に係る気液溶解タンク16では75%以上の溶解率で空気を溶解させることができる。
本実施形態に係る気液溶解タンク16は、従来の気体溶解タンクよりも高い溶解率が得られることで、加圧水比を下げることができ、加圧水ポンプの容量を低く設定できるため、イニシャルコストを削減することができる。また、加圧水ポンプの容量削減により、電気代を主とするランニングコストも抑えられる。その他に、小型でタンク内部の構造が簡素であるため、製作費が削減でき、かつ加圧水製造設備に要する設置面積の中で大きな割合を占める、タンクの設置面積を縮小することができる。
また、本実施形態では、タンク上部から内部に所定の長さで内挿された排気管である排気配管40と、排気配管40に接続され排気量を調整する弁である排気調整バルブ24とを備える。これにより未溶解空気を水から分離排出できるとともに、タンク内の水位と圧力をできるだけ一定に保持することができ、空気溶解効果を安定的に得ることができる。
さらに、本実施形態に係る気液溶解タンク16は構造が簡易なために、図14のような内部構造を有する気液溶解タンクに比べて、SS分の堆積なども起こりにくく、メンテナンスが容易である。
本実施形態に係る気液溶解タンク16は、気体を液体に加圧下で溶解するとともに、未溶解の気体を液体から分離するためのものであり、気体溶解と気液分離とを1槽で行うものであるが、本実施形態に係る気液溶解タンク16を用いて気体を液体に加圧下で溶解して、別途、未溶解の気体を液体から分離するための気液分離タンクなどの分離手段を設けて気液分離を行ってもよい。
気体としては通常、空気が用いられ、液体としては通常、水が用いられる。加圧水にする水(原水)には、加圧浮上処理水などを使用してもよい。
空気などの気体と水などの液体との混合は、図1のように加圧水ポンプ12の後方経路でコンプレッサなどから空気を供給して行ってもよいし、空気を自吸するポンプにて空気を水に供給してもよい。加圧水ポンプ12としては、例えば、コンプレッサで空気を供給する場合は渦巻ポンプを使用すればよい。また、空気を自吸するポンプとして、渦流ポンプを使用してもよい。
気液溶解タンク16におけるタンク本体42は、通常、直胴部54を有する形状である。
気液溶解タンク16における水の滞留時間は、例えば、30秒〜1分間である。
噴流を生じる噴流発生部材としては、噴流を生じるものであればよく、特に制限はないが、例えば、ノズル、オリフィスなどを用いればよい。噴流を発生し微細な気泡が発生しやすいなどの点から、入口と出口との間の圧力損失が0.05MPa以上のものが好ましい。
ノズルまたはオリフィス44の配置位置は、内部容積有効利用などの点から、ノズル44の出口である噴出部が内筒管48の内部に位置すればよく、内部容積有効利用などの点から、ノズル44の先端部が、内筒管48の内挿管46が挿入された側の端部から内筒管48全体の50%以上の位置に配置されることが好ましい。
内筒管48の形状は、上端が閉塞し、下端が開口するものであればよく、特に制限はない。内筒管48の一例の構造の概略を図3に示す。図3のような円筒状(直管状)の他に、図4のような管の下端の径を上端の径よりも大きくしたラッパ形状でもよい。内筒管48としてラッパ形状のものを採用した場合、内筒管48の内部の下方向の流速が遅くなり、気泡滞留ゾーンの位置がさらに上になるため、直胴部54の長さを短くでき、タンクをよりいっそう小型化することができる。内筒管48は、例えば、支持部材により気液溶解タンク16のタンク本体42の内部に固定される。
内筒管48の長さは、内筒管の内部または下部に気泡滞留ゾーンを十分に形成させるなどの点から、タンク本体42の水深(タンク底面から水面までの距離)の30〜80%の範囲であることが好ましい。
内筒管48の内径は、内筒管の内部に十分な容積の気相を形成させるなどの点から、タンク本体42の直胴部54の内径の40〜80%の範囲であることが好ましい。
図5に、本実施形態に係る気液溶解タンク16の構造の他の例を示す。図5の気液溶解タンク16では、内筒管48の側面に、ノズル44の噴出部の位置よりも低い位置に設けられた開孔部50を有する。内筒管48の側面に開孔部50を設けると、一度、ノズル44と気泡滞留ゾーンを通過し、内筒管48の下部から流出した水の一部は、内筒管48の外側を上昇し、開孔部50において内筒管48の内側に向かって引き込まれ、内筒管48を中心とする循環流が形成される。この循環流により、水は再び気泡と接触することで空気の溶解がいっそう促進されると考えられる。なお、図5に示すような気泡滞留ゾーンの形成位置、大きさ等はあくまでも例示的なものである。
このように、図5の気液溶解タンク16のように、内筒管48の側面に開孔部50を設けると、内筒管48を中心とした循環流の発生により、溶解率はさらに向上する。このため、よりイニシャルコストおよびランニングコストが抑えられる。
開孔部50を有する内筒管48の形状は、開孔部を有し、上端が閉塞し、下端が開口するものであればよく、特に制限はない。開孔部50を有する内筒管48の一例の構造の概略を図6に示す。図6のような円筒状(直管状)の他に、図7のような管の下端の径を上端の径よりも大きくしたラッパ形状でもよい。内筒管48としてラッパ形状のものを採用した場合、内筒管48の内部の下方向の流速が遅くなり、気泡滞留ゾーンの位置がさらに上になるため、タンクをよりいっそう小型化することができる。
開孔部50の形状に特に制限はないが、大きさは内筒管48の円周部の例えば10%以上25%以下の面積が好ましい。開孔部50の位置は、ノズル44の噴出部の位置よりも低い位置に設けられればよく、特に制限はないが、ノズルにできるだけ近いことが好ましく、例えば、開孔部50の上端の位置が、ノズル44の先端から内筒管48の下端までの距離に対して、ノズル44の先端から5〜30%の位置に設けられることが好ましい。
図8に、本実施形態に係る気液溶解タンク16の構造の他の例を示す。図8の気液溶解タンク16では、ノズル44からの噴流の流出方向に、内筒管48の下端部の内径以上の径を有する阻流板52を備える。阻流板52は、内筒管48の下端部と接しないように、水没するように配置される。阻流板52を配置すると、ノズル44からの噴流が阻流され、内筒管48内部の下方流速が遅くなることで、内筒管48内部に生じる気泡滞留ゾーンの位置が上昇する。この効果により、内筒管48の長さを削減できるため、タンクを小型化できる。また、阻流板52の設置により、噴出した気泡のタンク後段への流出(ショートパス)を防止することができる。なお、図8に示すような気泡滞留ゾーンの形成位置、大きさ等はあくまでも例示的なものである。
このように、図8の気液溶解タンク16のように、阻流板52を配置すると、ノズル44からの噴流が阻流され、阻流板52に衝突した気泡の一部が反転上昇し、内筒管48内部に形成される気泡滞留ゾーンの位置が上昇するため、内筒管の長さを短くすることができ、タンクの高さおよびタンク容量を小さくすることができる。
阻流板52は、噴流が衝突することで気液の混合が生じるものであればよく、特に制限はないが、例えば、図9に示すような円板形状などのものを用いればよい。阻流板52は、例えば、支持部材56により気液溶解タンク16のタンク本体42の内部に固定される。
阻流板52の設置位置は、内筒管48の下端部と接しないように、噴流の流出方向に対してできるだけ垂直にその面を向けて、水没するように配置されればよく、特に制限はないが、例えば、内筒管48の下端から、内筒管48の内径の15%〜50%の距離である。
阻流板52の大きさは、ノズル44からの噴流の大部分が阻流板52に当たるようにするなどの点から、内筒管48の下端部の水平断面積以上、直胴部54の水平断面積の90%以下の範囲であることが好ましい。
阻流板52は、内筒管48と接しないように配置されればよいが、気泡の流出防止などの点から、内筒管48の阻流板52側の端部が、直胴部54の阻流板52側の端部から直胴部54の内径の20%以上の範囲に入るように配置されることが好ましい。
排気量調整機構としては、気液溶解タンク16の内圧と水位とを所定範囲内に保持するように、タンク内の上部に滞留する未溶解空気などの排気量を調整するものであればよく、特に制限はない。例えば、排気量調整機構は、気液溶解タンク16の上部から内部に所定の長さで内挿された排気管である排気配管40と、排気配管40に接続され排気量を調整する弁である排気調整バルブ24とを備える。この場合、タンク内の上部の水面付近に未溶解の空気が滞留すると、排気配管40から空気が排出され、ある程度空気が排出されると、水面が上がり空気の排出が停止する。これにより、タンク内の内圧と水位の変動を抑制しつつ未溶解の空気を排出することができる。気液分離面積の確保などの点から、内挿された排気配管40の下端部が、直胴部上端より下に配置されることが好ましい。排気量調整機構としては、レベルスイッチなどを利用してもよい。
本実施形態に係る気液溶解タンク16は、例えば、排水処理や用水処理などで用いられる加圧浮上処理における加圧水を調製するために用いることができる。その他、オゾン溶解などに用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜3および比較例1>
図10に示す加圧水製造システムを用いて比較実験を行った。原水タンク60からの原水に加圧水ポンプ62の後流側の原水配管64においてコンプレッサ66から空気を供給し、実施例1として図2の内部構造(図3の内筒管を備える)を有する気液溶解タンク16、実施例2として図5の内部構造(図6の内筒管を備える)を有する気液溶解タンク16、実施例3として図8の内部構造(図6の内筒管および図9の阻流板を備える)を有する気液溶解タンク16、比較例1として図14の構造の気液溶解タンク82、以上4系列を並列配置して各タンクの性能を比較検討した。なお、各タンクへの通水は、入口流路切り替えバルブ68および出口流路切り替えバルブ70を用いて1系列毎に行った。
(共通実験条件)
原水:井戸水 SS 5mg/L
原水流量:6m/hr
空気供給量:1.8m/hr(気液混合比:30%)
タンク容積:実施例1,2 75L、実施例3 60L、比較例1 100L
タンク滞留時間:実施例1,2 0.75分、実施例3 0.60分、比較例1 1.00分
タンク入口圧力:0.55MPa
水温:20℃
以上の条件で、10時間の通水を行い、各タンク内部構造における空気溶解率を比較した。タンク入口圧力は、入口流路切り替えバルブ68の前流側に設置したタンク入口圧力計72により、タンク出口圧力は、各タンク出口と出口流路切り替えバルブ70との間に設置したタンク出口圧力計74により測定した。空気溶解率は、図10に示すように、出口流路切り替えバルブ70の後流側で減圧バルブ76の前流側のサンプリングポイントで行った。
Figure 0005599597
表1は、比較実験の結果をまとめたものである。空気溶解量および理論値空気溶解量に対する空気溶解率(以下、溶解率)において比較すると、各気体溶解タンクの溶解率は、実施例1が78%、実施例2が85%、実施例3が84%、比較例1が68%であった。実施例1の溶解率は、比較例1の図14の構造よりも10%高く、タンクの容積も25%以上削減できることが確認された。また、圧力損失は実施例1の方が低かった結果から、実施例1では、より小さな容量の加圧水ポンプで、比較例1の溶解率を上回ることが確認された。
また、内筒管に開孔部を設けた実施例2では、溶解率がさらに7%向上した。実施例3は、実施例2と同等の気体溶解性能を有し、さらにタンク容積を削減できることが確認された。これらの効果によって、小型かつ簡素な気体溶解タンクで、空気が高濃度に溶解した加圧水が得られるため、既存のタンクよりもイニシャルコストおよびランニングコストが削減できることを確認した。
1 加圧水製造システム、10,60 原水タンク、12,62 加圧水ポンプ、14,66 コンプレッサ、16,80,82 気液溶解タンク、18 原水流量調整バルブ、20 空気流量調整バルブ、22,76 減圧バルブ、24 排気調整バルブ、26 原水流量計、28 空気流量計、30 加圧水流量計、32 タンク圧力計、34,64 原水配管、36 空気配管、38 加圧水配管、40 排気配管、42 タンク本体、44 ノズルまたはオリフィス、46 内挿管、48 内筒管、50 開孔部、52 阻流板、54 直胴部、56 支持部材、68 入口流路切り替えバルブ、70 出口流路切り替えバルブ、72 タンク入口圧力計、74 タンク出口圧力計。

Claims (3)

  1. 気体を液体に加圧下で溶解するための気液溶解タンクであって、
    噴流を生じる噴流発生部材を先端に有し、気体と液体の混合物をタンク内部に下向流で導入するための内挿管と、
    前記噴流発生部材の噴出部が内部に位置するように設置され、上端が閉塞し下端が開口する内筒管と、
    を備え
    前記噴流発生部材が前記内筒管内で水没されるように配置されていることを特徴とする気液溶解タンク。
  2. 請求項1に記載の気液溶解タンクであって、
    前記内筒管の側面に、前記噴流発生部材の噴出部の位置よりも低い位置に設けられた開孔部を有することを特徴とする気溶解タンク。
  3. 請求項1または2に記載の気液溶解タンクであって、
    前記内筒管の下端部の内径以上の径を有し、前記噴流の流出方向に前記内筒管の下端部と接しないように配置された阻流板を備えることを特徴とする気液溶解タンク。
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