JP3717273B2 - 階段構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅に設けられる階段構造に係わり、特に、折り返し階段に好適な手摺壁を有する階段構造に関する。
【0002】
【背景の技術】
壁、床、屋根等を木製の壁パネル、床パネル、屋根パネル等を組み付けることにより構築してプレハブ家屋を建築する木質パネル工法においては、家屋の階段部分も予め工場等で作成されたユニット状のものとされ、複数のサブユニットを現場で組み付けることにより階段を構築することができるようにしている。
例えば、上述のようなプレハブ家屋に、途中に踊り場を有して階段の昇降方向が階段の上部と下部とで180度曲がる折り返し階段を設ける場合には、階段の下側を構成する下階段ユニットと、該下階段ユニットに対して折り返した状態で下階段ユニットの上側に配置される上階段ユニットと、下階段ユニットと上階段ユニットとの間で踊り場を構成する踊り場ユニットと、一方の側面の下部に下階段ユニットが接合され、他方の側面の上部に上階段ユニットが接合され、階段の下部と該階段の下部に対して折り返した状態に配置された階段の上部とを仕切る手摺壁パネル(ユニット)と、その他のユニットとを階段設置位置で組み付けている。
【0003】
階段がこのような構造となっていれば、上述の各サブユニットを組み付けるだけで階段が構築されるので、現場における階段の構築の省力化や施工期間の短縮を図ることができる。
なお、上記手摺壁パネルは、住宅の壁であり、木製パネル工法において、基本的に他の壁パネルと同様の構成を有するものである。従って、手摺壁パネルは、壁パネルと略同様に、枠体と、該枠体内に必要に応じて縦横に配置された棧材と、枠体の両側面にそれぞれ貼設された面板とからなるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、二階建て以上の住宅においては、階段が必要となるが、床面積が限られた住宅においては、階段に大きなスペースを取ることが難しく、階段の左右幅等が制限されることになるが、階段の左右幅をあまり狭くしてしまうと、大きな荷物等を階段を使って昇降する際などに、使い勝手が悪いものとなってしまう。そこで、階段の設置スペースが限られていても、できるだけ階段の実際に有効に利用可能な幅を広くする必要がある。
しかし、一般的な階段は、その一方の側面が壁に接合された状態とされ、他方の側面に手摺壁が配置された状態となっており、たとえば、上述のような折り返し階段では、中央に手摺壁(仕切壁)が配置された状態となっているので、手摺壁の厚みだけ、階段の左右幅が狭められてしまう。
【0005】
そこで、手摺壁を薄くすることができれば、手摺壁が薄くなった分だけ階段の有効な左右幅を広くできる。しかし、例えば、三階建て住宅の折り返し階段においては、手摺壁が一階から三階まで上下に連続することになり、手摺壁が上下に長いものとなるので、階段の各ユニットを組み立てている間は、手摺壁、特に薄くされた手摺壁が不安定な状態となる可能性があり、階段の施工が終了するまで仮支持する必要が生じる可能性がある。
【0006】
また、上下に長い手摺壁は、そのままでは、搬送や搬入が困難ので、手摺壁を複数のサブユニットからなるものとし、これらサブユニットを現場で上下に接合することにより手摺壁を構築するようにした場合には、これら分割体同士の接合部分を補強するように仮支持する必要が生じる可能性がある。
このように、手摺壁を仮支持するようにした場合には、手摺壁を仮支持する部材を接合する工程や、仮支持する部材を撤去する工程等が必要となり、工程数が増加してしまう。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、三階建て住宅にも対応することができ、かつ、現場で容易に施工することができる階段構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の階段構造は、例えば、図1に示すように、下階と上階とをつなぐ階段の少なくとも一方の側面に手摺壁が接合された階段構造であって、
上記手摺壁23が、上下に接合される複数の手摺壁ユニット11、12、14、15として、住宅の下階部分に配置される下階用手摺壁ユニット11と、住宅の上階部分に配置される上階用手摺壁ユニット14と、これら下階用手摺壁ユニット11と上階用手摺壁ユニット14の間で、かつ、下階の天井面から上階の床面まで配置される中間手摺壁ユニット12とを備えるとともに、上下に接合された手摺壁ユニット11、12、14、15の少なくとも一方の側縁部側にこれら手摺壁ユニット11、12、14、15に渡って接合される支持部材13、16を備えていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、手摺壁23が上下に接合される複数の手摺壁ユニット11、12、14、15からなる場合に、上下に接合された手摺壁ユニット11、12、14、15の少なくとも一方の側縁部側に上下に接合された手摺壁ユニット11、12、14、15に渡って支持部材13、16が接合されていることにより、手摺壁ユニット11、12、14、15の接合部が支持部材13、16により補強されることになり、階段を施工中に、手摺壁ユニット11、12、14、15同士の接合部を必ずしも補強しなくとも良い。
また、支持部材13、16は、そのまま手摺壁23の一部となるので、手摺壁23に階段が接合されて安定した構造となった後に、支持部材を撤去する必要がない。
【0010】
従って、手摺壁23を上下に接合される複数の手摺壁ユニット11、12、14、15からなるものとしても、支持部材13、16により手摺壁ユニット11、12、14、15同士の接合部が補強されるので、手摺壁ユニット11、12、14、15の接合部を仮支持部材により仮支持する必要がなく、また、手摺壁13の施工に際して仮支持部材が用いられていないので、仮支持部材を撤去する必要がなく、階段の施工を省力化することができる。
【0011】
なお、上記手摺壁ユニット11、12、14、15は、手摺壁23を上下に複数に分割した形状となったものであり、各手摺壁ユニット11、12、14、15が搬送や搬入が容易なサイズとなっていれば良い。
また、上記支持部材13、16は、上下に接合される複数の手摺壁ユニット11、12、14、15に渡って配置されるので、手摺壁ユニット11、12、14、15より上下長さが長くなる可能性があるが、例えば、支持部材13、16を棒状の部材とすれば、手摺壁ユニット11、12、14、15より長くても、搬送や搬入が可能であり、支持部材13、16は、棒状もしくは左右幅の狭い板状となっていることが好ましい。また、支持部材13、16は、上下の手摺壁ユニット11、12、14、15同士の接合部の補強材としての強度を有する必要がある。
【0013】
そして、上記手摺壁23が、下階用手摺壁ユニット11、上階用手摺壁ユニット14及び中間手摺壁ユニット12とを有し、上下に分割されているので、容易に搬送及び搬入が行える。また、階段が配置される部分は、基本的に上階の床が設けられず吹き抜けの状態となるが、内装等の施工に際して、中間手摺壁ユニット12の上下位置が下階の天面から上階の床面までとなっているので、階段の吹き抜けの部分でも、上記天井面の高さや床面の高さを容易に認識することができ、施工性が向上する。
【0014】
本発明の請求項2記載の階段構造は、上記手摺壁23が、上記下階用手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階用手摺壁ユニット14と、上記上階用手摺壁ユニット14の上に配置される最上階手摺壁ユニット15とを備え、上記手摺壁が三階建て住宅用となっていることを特徴とする。
上記構成によれば、手摺壁が三階建ての住宅用となり、手摺壁が上下に長いものとなっていることにより、階段の施工中に手摺壁ユニット11、12、14、15同士の接合部に比較的大きな負荷がかかる可能性があるが、上述の支持部材13、16により手摺壁ユニット11、12、14、15同士の接合部が補強されているので、手摺壁ユニット11、12、14、15の接合部を補強したり仮支持したりする必要がない。
【0015】
また、三階建て住宅の手摺壁23が、上記下階用手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階用手摺壁ユニット14と、最上階手摺壁ユニット14との四つに分割されており、階段の施工に対応して順次下側の手摺壁ユニット11、12、14、15の上に上側の手摺壁ユニット11、12、14、15を接合するようにすることで、階段と一体に接合されて安定している部分からあまり高く、手摺壁23が上方に延出しないように施工することができる。
【0016】
例えば、階段の下部を施工した後に下階用手摺壁ユニット11を建て込んで下階用手摺壁ユニット11が階段の下部に支持された状態とし、次いで、階段の中間部分を施工するとともに、下階用手摺壁ユニット11の上に中間手摺壁ユニット12や上階用手摺壁ユニット14を接合することにより、中間手摺壁ユニット12や上階用手摺壁ユニット14が階段の中間部分に支持された状態とすることができ、このように手摺壁23の施工を進めていけば、上下に長い手摺壁23が単独で自立した状態となることがなく、手摺壁23を仮支持しなくとも階段の施工を行うことができる。
【0017】
本発明の請求項3記載の階段構造は、上記手摺壁23が、複数の縦棧材17及び横棧材18から格子状に形成され、かつ、格子状の手摺壁23の他の部材と接合された部分を除く部分に内装材が貼設されて格子状の手摺壁23の開口部が覆われ、
さらに、手摺壁23の側縁部に配置され、かつ、住宅の壁体と接合される縦棧材17aの左右幅が上記壁体の厚みより広くなっていることを特徴とする。
【0018】
上記構成によれば、手摺壁23が格子状とされるとともに、格子状の手摺壁23の表面に石膏ボードやクロス(壁紙)等の内装材が貼設されることにより、手摺壁23の壁面が構成されることになる。なお、格子状の手摺壁23の側面に面材を貼設せずに、格子状の手摺壁23に直接内装材を貼設するようにすることで、上記面材の分だけ手摺壁23を薄くすることができる。
【0019】
そして、手摺壁23の階段の反対側には、間仕切り壁等の壁体が接合される場合がある。この際に、手摺壁23の側縁部に配置された縦棧材17aに、壁体を接合し、格子状の手摺壁23の壁体が接合されていない部分に内装材を貼設するものとした場合に、壁体が接合される縦棧材17aの表面の全面に壁体の端面が接合されてしまうと、手摺壁23の側縁部に配置された縦棧材17aに内装材が貼設できなくなってしまう。
すなわち、手摺壁23の側縁部に配置された縦棧材17aが壁体との接合に使われてしまった状態では、この縦棧材17aに内装材を後から貼設することができず、内装材の側縁部が手摺壁23側に固定されない状態となる。
【0020】
そこで、手摺壁23の側縁部に配置された縦棧材17aの幅を壁体の厚みより広くすれば、この縦棧材17aに壁体を接合しても縦棧材17aの一部が壁体より突出した状態となるので、この部分に内装材の側縁部を貼設することができる。
なお、上記壁体は、例えば、階段に隣接して設けられる収納スペースの前面を構成するものや、階段に隣接する部屋の前面を構成するものなどである。
【0021】
本発明の請求項4記載の階段構造は、上記階段が、上下に略連続して配置される複数の階段ユニット31、32、41、42からなり、かつ、これら階段ユニット31、32、41、42が、手摺壁23の一方の側面側と他方の側面側とに交互に配設されて、折り返し階段となっていることを特徴とする。
上記構成によれば、階段が折り返し階段となっているので、手摺壁23は、比較的狭い幅で上方に延出する形状となるが、この場合にも上記支持部材13、16により手摺壁ユニット11、12、14、15同士の接合部が補強され、請求項1記載の構成と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例の階段構造を説明する。
図1はこの一例の階段構造を用いた階段ユニット1を示すものであり、図2及び図3はこの階段構造の上記階段ユニット1を構成する構成部品となる各サブユニットを示すものであり、図4はこの階段構造の階段ユニット1に使用されるサブユニットの一つである手摺壁パネル10を示すものであり、図5から図11は階段ユニット1の組立工程を示すものである。
【0023】
図1に示すように、この一例の階段構造を用いた階段ユニット1は、住宅の第一の壁21と、この第一の壁21に互いに間隔を開けて直角に接合される第二の壁22及び第三の壁(階段ユニット1が見やすいように図示を省略)とから構成される平面視してコ字状の凹部に配置されるものであり、階段ユニット1の複数箇所が第一、第二及び第三の壁21、22に接合されて支持されるようになっているとともに、階段が手摺壁パネル10からなる手摺壁23の左右に交互に配置された折り返し階段となっている。
【0024】
また、第一、第二及び第三の壁21、22は、一階から三階まで設けられるとともに、それぞれ、矩形枠状の枠体(図示略)と、枠体内部に必要に応じて配置された縦横の棧材(図示略)と、枠体の左右両側面に貼設された面材(図示略)とからなる壁パネルを左右に連接することで形成されている。また、これら第一、第二及び第三の壁21、22の一階部分と二階部分との間及び二階部分と三階部分との間には、各階の床を構成する床パネルの棧材と胴差とが上下の壁パネルに挟まれた状態となっている。
【0025】
そして、図1、図2及び図3に示すように、上記階段ユニット1は、以下に示す各サブユニットを建設現場で組み立てることにより階段となるものである。
そして、階段ユニット1の一階から二階に至る部分は、図1及び図2に示すように、手摺壁パネル10の一階から二階に至る部分を構成する下階用手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び下支持部材13と、一階から二階に至る階段の下部となる一階下階段ユニット31と、この下階段ユニット31に対して昇降方向が180度異なるとともに一階から二階に至る階段の上部となる一階上階段ユニット32と、一階と二階との間で二段にされた階段踊り場のうちの下側の階段踊り場となる一階下踊り場ユニット33と、上側の階段踊り場となる一階上踊り場ユニット34と、一階下階段ユニット31の上端部を受ける一階下階段受けパネル35と、一階上階段ユニット32の下端部及び一階上踊り場ユニット34の側縁部を受ける一階上階段受けパネル36と、後述する二階下階段ユニット41の下端部を受ける埋め込みパネル37とからなるものである。
【0026】
また、階段ユニット1の二階から三階に至る部分は、図1及び図3に示すように、手摺壁パネル10の二階から三階に至る部分を構成する上階用手摺壁ユニット14、最上階手摺壁ユニット15及び上支持部材16と、二階階から三階に至る階段の下部となる二階下階段ユニット41と、この二階下階段ユニット41に対して昇降方向が180度異なるとともに二階から三階に至る階段の上部となる二階上階段ユニット42と、二階と三階との間で二段にされた階段踊り場のうちの下側の階段踊り場となる二階下踊り場ユニット43と、上側の階段踊り場となる二階上踊り場ユニット44と、二階下階段ユニット41の上端部を受ける二階下階段受け材45と、三階の床の二階下階段ユニット41に臨む側縁部に配置される三階手摺壁パネル46とからなるものである。
【0027】
上記手摺壁パネル10は、図4に示すように、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12、上階手摺壁ユニット14、最上階手摺壁ユニット15、下支持部材13及び上支持部材16からなるものであり、例えば、こられ手摺壁パネル10を構成するサブユニットを建築現場で接合するようになっている。
そして、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12、上階手摺壁ユニット14、最上階手摺壁ユニット15は、下から順に上下に接合されるものである。
【0028】
また、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12、上階手摺壁ユニット14、最上階手摺壁ユニット15は、基本的に複数の縦棧材17…と、これら縦棧材17…の下端部間に架け渡された状態で縦棧材17…の下端部に接合される下横框材18a…と、縦棧材17…の上端部間に架け渡された状態で縦棧材17…の上端部に接合される上横框材18bと、縦棧材17…同士の間で左右両端部を縦棧材17…にそれぞれ接合された状態で配置される複数の横棧材18…と、縦棧材18…同士の間で左右両端部を縦棧材17…にそれぞれ接合された状態で後述する手摺50の取付部51に対応して配置される手摺取り付け用の埋木19とを備えたものである。
すなわち、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12、上階手摺壁ユニット14、最上階手摺壁ユニット15は、縦棧材17と、横棧材18(上横框材18a、下横框材18b)とから格子状に形成されている。
【0029】
なお、中間手摺壁ユニット12は、上下長さが下階手摺壁ユニット11や上階手摺下部ユニット14に比較して短いものであり、横棧材18が備えられていない構成となっている。
また、上記上横框材18a及び下横框材18bは、横棧材の一種であり、上横框材18a及び下横框材18bを横棧材とすれば、中間手摺壁ユニット12も横棧材を有するものである。
【0030】
また、下階手摺壁ユニット11の上下長さは、下階手摺壁ユニットを設置した際にその上端が一階の天井面と略一致するような長さとされ、中間手摺壁ユニット12の上下長さは、該中間手摺壁ユニット12を一階の天井面と略一致する下階手摺壁ユニット11の上端に載せた状態で、中間手摺壁ユニット12の上端が二階の床面と一致するような長さとされている。
すなわち、中間手摺壁ユニット12の上下長さは、一階の天井面から二階の床面までの長さとされている。
【0031】
また、上記最上階手摺壁ユニット15は、その上辺が階段の傾斜に対応して斜めとなっており、その上辺部分に上横框材18aに代えて上斜め框材18cが配置されている。
また、下階手摺壁ユニット11の一階もしくは二階において階段の登り口側となる側縁部に配置された縦棧材17aは、他の縦棧材17より左右幅が広くされている。また、下階手摺壁ユニット11の縦棧材17aには、一階上階段ユニット32の下側に設けられる収納スペースの前面を構成する壁体(図示略)が直角に接合されるようになっているが、縦棧材17aの左右幅がこの壁体の厚みより広くなっている。
【0032】
これにより、壁体の前面を下階手摺壁ユニット11の側縁に合わせて、上記縦棧材17aに壁体を接合した場合には、縦棧材17aの一部が壁体の後方側に突出した状態となり、後述するように下階手摺壁ユニット11に仕上げ材を貼設する際に、縦棧材17aの壁体の裏側に突出した部分に仕上げ材を貼設できるようになっている。
【0033】
そして、手摺壁パネル10は、基本的に縦棧材17と、横棧材18(横下框材18a、横上框材18b)とから格子状に構成され、上述の壁パネルと異なり、左右の両側面に面材が貼設されていない構造となっている。そして、上述のように格子状の手摺壁パネル10に直に上述の各階段ユニットとが左右に交互に接合されるようになっており、手摺壁パネル10は、折り返し階段の中央部の仕切壁となっている。
また、格子状の手摺壁パネル10の開口部は、各階段ユニットとの接合部と、手摺下地材(図示略)との接合部等を除いた部分に石膏ボード(図示略)が貼設され、手摺壁下地材及び石膏ボードの上にクロス(図示略)が貼設されて、閉塞されるようになっている。
【0034】
また、手摺壁パネル10を形成する縦棧材17…と、横棧材18…と、上斜め框材18cとは、手摺壁パネル10の側面方向に沿った幅が、手摺壁パネル10の側面方向に直交する方向(厚み方向)に沿った幅(厚み)より広くなっている。
すなわち、縦棧材17…と、横棧材18…と、上斜め框材18cとは、断面矩形状の木材であり、手摺壁パネル10の側面方向に沿った幅が広く、手摺壁パネル10の厚み方向に沿った幅(厚み)が薄くなっている。
【0035】
また、手摺壁パネル10には、図4に示すように、手摺50が取り付けられるようになっている。そして、手摺50は、折り返し階段に対応して、手摺壁パネル10の一方の側面から他方の側面に交互に回り込むように配置されている。
また、手摺50の取付部51…は、上述の手摺壁パネル10の埋木19と、該埋木19に対応して手摺壁パネル10の左右側面に取り付けられた手摺下地(図示略)とに支持されるようになっており、例えば、取付部51…を手摺壁パネル10に接合するビスが、手摺下地を貫通して、埋木19に打ち込まれた状態となっている。
【0036】
また、手摺壁パネル10の下支持部材13は、上下に接合された下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階手摺壁ユニット14の一方の側縁部に接着剤、釘等の接合部材により接合される棒状の部材である。
また、下支持部材13の長さは、上下に接合された下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階手摺壁ユニット14の下端から上階手摺壁ユニット14の下部までとなっており、下支持部材13は、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階手摺壁ユニット14の三つのサブユニットに渡って配置されている。
【0037】
従って、下支持部材13は、下支持部材13は、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階手摺壁ユニット14の各サブユニット同士の接合部を補強するようになっており、施工中の階段ユニット1において、手摺壁パネル10に負荷がかかっても、上記下支持部材13は、下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12及び上階手摺壁ユニット14の各ユニット同士の接合部が外れることがないようになっている。
【0038】
また、下支持部材13は、二階下階段受け材45の一端部を支持するようになっており、下支持部材13を設置した際の上端の高さが、二階下階段受け材45の配置高さと等しくされている。
また、手摺壁パネル10の上支持部材16は、上下に接合された上階手摺壁ユニット14及び最上階手摺壁ユニット15の一方の側縁部に接着剤、釘等の接合部材により接合される棒状の部材である。
また、上支持部材16の長さは、上下に接合された上階手摺壁ユニット14の中央部から最上階手摺壁ユニット15の下部までとなっており、下支持部材13は、上階手摺壁ユニット14及び最上階手摺壁ユニット15の二つのサブユニットに渡って配置されている。
【0039】
従って、上支持部材16は、上階手摺壁ユニット14と最上階手摺壁ユニット15との接合部を補強するようになっており、施工中の階段ユニット1において、手摺壁パネル10に負荷がかかっても、上階手摺壁ユニット14と最上階手摺壁ユニット15との接合部が外れることがないようになっている。
なお、下支持部材13と上支持部材16とは、二階下階段受け材45を介して上下に配置されるようになっている。
【0040】
上記一階下階段ユニット31、一階上階段ユニット32、二階下階段ユニット41及び二階上階段ユニット42は、基本的に、図2もしくは図3に示すように、側板をなす左右のささら桁61、61と、これらささら桁61、61間に、段階的に設けられ踏み板となる段板62…と、これら段板62…間に設けられた蹴込板63…と、二つのささら桁61、61の外側面にそれぞれ設けられ、かつ、第二の壁22、第三の壁もしくは手摺壁パネル10に接合される壁調整材64、64とからなるものである。
【0041】
上記一階下踊り場ユニット33、一階上踊り場ユニット34、二階下踊り場ユニット43及び二階上踊り場ユニット44は、図2もしくは図3に示すように、四角枠状の枠体71と、この枠体71上に貼設され踊り場の床面となる面材72と、枠体71の一つの側面に取り付けられ、一階下階段ユニット31、二階下階段ユニット41、一階下踊り場ユニット33もしくは二階下踊り場ユニット43との接合部となる蹴込板73と、枠体71の周囲に設けられ、第一の壁21、第二の壁22、第三の壁、一階上踊り場ユニット34、二階上踊り場ユニット44、一階上階段ユニット32、二階上階段ユニット42のいずれかと接合される接合部材74…とからなるものである。
なお、枠体71内部には、複数本の図示しない棧材(根太)が配置されている。
【0042】
上記一階下階段受けパネル35は、図2に示すように、矩形枠状の枠体35aと、枠体35a内に上下に配置された棧材35bとからなる格子状のパネルである。
そして、一階下階段受けパネル35は、一階の床面に立設された状態で、その下端部が床面に接合されるとともに、その上端部が一階下階段ユニット31と一階下踊り場ユニット33との接合部分に接合され、一階下階段ユニット31の上端部を支持するように受けた状態で配置される。
【0043】
なお、一階下階段ユニット31は、その左右両側面がそれぞれ第二の壁22と手摺壁パネル10とに接合さ、一階下踊り場ユニット33は、その隣り合う側面がそれぞれ第一及び第二の壁11、12に接合され、さらに、一階下階段ユニット31の上端部が一階下踊り場ユニット33に接合されているので、一階下階段ユニット31及び一階下踊り場ユニット33を一階下階段受けパネル35が単独で支持しているものではない。
【0044】
上記一階上階段受けパネル36は、図2に示すように、矩形枠状の枠体36aと、枠体36a内に上下に配置された棧材36bとからなる格子状のパネルである。
そして、一階上階段受けパネル36は、一階の床面に立設された状態で、その下端部が床面に接合されるとともに、その上端部が一階上踊り場ユニット34と一階上階段ユニット32との接合部分に接合され、上記接合部分を支持するように受けた状態で配置される。
なお、一階上踊り場ユニット34と一階上階段ユニット32とは、その側面が周囲の壁に接合され支持されているので、一階上踊り場ユニット34と一階上階段ユニット32とを一階上階段受けパネル36が単独で支持しているものではない。
【0045】
埋め込みパネル37は、階段部分で吹き抜けとなった二階の床の側縁部の二階下階段ユニット41の下端部が配置される部分に二階の床の側縁部から延出するように配置されるものであり、枠体37aと、枠体37aの上面に貼設された面材37bとからなるものである。
上記二階下階段受け材45は、図3に示すように、棒状の部材であり、一端部が第二の壁22に接合され、他端部が下支持部材13の上端部に接合されるようになっている。そして、この状態で二階下階段受け材45は、二階下階段ユニット41の上端部を受けるようになっている。
【0046】
なお、二階下階段ユニット41は、その下端部が埋め込みパネルに接合され、その左右側面がそれぞれ第二の壁22と、手摺壁23とに接合されて支持されるものであり、二階下階段受け材45は、二階下階段ユニット41の設置に際して二階下階段ユニット41の水平出しや位置決めのために用いられるとともに、二階下階段ユニット41の各接合作業が終了するまで、二階階段ユニット41を仮支持するものである。
【0047】
また、二階下階段受け材45の第二の壁22側に接合される一方の端部には、一つの段差が設けられ、下支持部材13の上端部に接合される他方の端部には、二つの段差が設けられている。
そして、二階下階段受け材45の一方の端部の段差と他方の端部の内側の段差には、二階下階段ユニット41の左右のささら桁61、61の上側の側縁部が係合するようになっている。
また、二階下階段受け材45の他方の端部の外側の段差には、手摺壁パネル10の上階手摺壁ユニット14の側縁部が係合するようになっている。
【0048】
上記三階手摺壁パネル46は、図3に示すように、矩形枠状の枠体46aと、枠体46a内に上下に配置された棧材46bと、一方の側縁部に二階の手摺壁パネル46の厚み方向に突出して設けられた接合板46cとからなるものである。上記三階手摺壁パネル46は、図1に示すようにその下端部が二階の床に接合され、左右側縁部のうちの一方の側縁部が手摺壁パネル10の上部の一方の側縁部に接合され、他方の側縁部が接合板46cにより第二の壁22に接合されている。
【0049】
次に、上述のような階段ユニット1を用いた階段の施工方法を説明する。
まず、図5に示すように、第一の壁21から所定の間隔を開けて第一の壁21パネルと平行となるとともに、一方の側縁が第二の壁22に当接するように一階下階段受けパネル35を配置し、一階下階段受けパネル35の下端部7を一階の床に接合するとともに、一階下階段受けパネル35の一方の側縁部を第二の壁22に接合する。
なお、この例においては、各部材の接合は、例えば、接着材とスクリュー釘やビス等の接合部材とにより行われる。
【0050】
次に、一階下階段ユニット31の上端部が一階下階段受けパネル35上に載置され、かつ、一階下階段ユニット31の一方の側面が第二の壁22に当接するように一階下階段ユニット31を配置し、一階下階段ユニット31の一方の側面(壁調整材64)と第二の壁22とを接合するとともに、一階下階段ユニット31の上端部と一階下階段受けパネル35の上端部とを接合する。
【0051】
次に、上記一階下踊り場ユニット33を一階下階段ユニット31上に配置し、一階下踊り場ユニット33の蹴込板73の下端部を一階下階段ユニット31の上端部と一階下階段受けパネル35の上端部とに接合し、さらに一階下踊り場ユニット33の二つの側面をそれぞれ第一及び第二の壁21、22に接合する。
次に、一階下踊り場ユニット33に隣接して一階上踊り場ユニット34を配置し、一階上踊り場ユニット34の蹴込板73を一階下踊り場ユニット33に接合するとともに、一階上踊り場ユニット34の二つの側縁部をそれぞれ第一の壁21と図示しない第三の壁に接合する。
【0052】
次に、図6に示すように、手摺壁パネル10の下支持部材13が接合された状態の下階手摺壁ユニット11を一階下階段ユニット31の他方の側面に当接するように配置し、下階手摺壁ユニット11の下端部を一階の床に接合するとともに、下階手摺壁ユニット11の一方の側縁部に接合された下支持部材13を一階上階段受けパネル36の側縁部に接合し、さらに、一階下階段ユニット31の他方の側面と手摺壁パネル10とを接合する。
【0053】
次に、下階手摺壁ユニット11上に中間手摺壁ユニット12を接合する。この際には、下階手摺壁ユニット11の一方の側縁部に下支持部材13が接合され、下支持部材12の上部が下階手摺壁ユニット11より上方に延出した状態となっているので、中間手摺壁ユニット12の下端部を下階手摺壁ユニット11の上端部に接合するとともに、中間手摺壁ユニット12の一方の側縁部を下支持部材13に接合する。これにより、下支持部材13により下階手摺壁ユニット11と中間手摺壁ユニット12との接合部が補強された状態となる。
【0054】
次に、第二の壁22と中間手摺壁ユニット12との間で、二階の床の階段用に設けられた吹き抜け部分に臨む二階の床の側縁の部分に埋め込みパネル37を設置する。
次に、図7に示すように、一階上踊り場ユニット34の上に一階上階段ユニット32を配置し、一階上階段ユニット32の下端部を一階上踊り場ユニット34に接合し、一階上階段ユニット32の上端部を図示しない二階の床(一部を床13として図示)と接合し、一階上階段ユニット32の一方の側面を手摺壁パネル10に接合し、他方の側面を図示しない第三の壁に接合する。
【0055】
次に、一階上階段ユニット32と一階上踊り場ユニット34との下に、一階上階段受けパネル36を配置し、一階上階段受けパネル36の下端部を一階床に接合し、上端部を一階上階段ユニット32と一階上踊り場ユニット34との接合部分に接合し、一方の側縁部を下階手摺壁ユニット11に接合された下支持部材及び一階下階段受けパネル35に接合し、他方の側縁部を図示しない第三の壁に接合する。
【0056】
次に、図8に示すように、二階下階段受け材45の一方の端部を下支持部材13の上端部に載せた状態に配置し、二階下階段受け材45の他方の端部を第二の壁22に接合するとともに、一方の端部を下支持部材13に接合する。
なお、下支持部材13の上下長さは、予め、下支持部材13を設置した際に、その上端が二階下階段受け材45の設置高さとなるようになっている。
【0057】
従って、下支持部材13の上に二階下階段受け材45の一方の端部を載せるだけで、容易に二階下階段受け材45の位置決めを行うことができる。さらに、二階下階段受け材45の配置位置は、二階下階段ユニット41の上端部の設置位置となっており、二階下階段ユニット41の位置決めも容易に行えるようになっている。
次に、図9に示すように、二階下階段ユニット41の下端部を埋め込みパネル37上に載せ、上端部を二階下階段受け材45に載せた状態に二階下階段ユニット41を配置し、二階下階段ユニット41の一方の側面を第二の壁22に接合し、下端部を埋め込みパネルに接合し、上端部を二階下階段受け材45に接合する。
【0058】
次に、上記二階下踊り場ユニット43を二階下階段ユニット41上に配置し、二階下踊り場ユニット33の蹴込板73の下端部を二階下階段ユニット41の上端部と二階下階段受け材45とに接合し、さらに二階下踊り場ユニット33の二つの側面をそれぞれ第一及び第二の壁21、22に接合する。
次に、図10に示すように、二階下踊り場ユニット43に隣接して二階上踊り場ユニット44を配置し、二階上踊り場ユニット44の蹴込板73を二階下踊り場ユニット43に接合するとともに、二階上踊り場ユニット44の二つの側縁部をそれぞれ第一の壁21と図示しない第三の壁に接合する。
【0059】
次に、手摺壁パネル10の上支持部材16が一方の側縁部の上部に接合された状態の上階手摺壁ユニット14を二階下階段ユニット41の他方の側面に当接するように配置し、上階手摺壁ユニット14の下端部を中間手摺壁ユニット12の上端部に接合するとともに、上階手摺壁ユニット14の一方の側縁部の下部(上支持部材16が接合された部分より下の部分)に下支持部材13を接合する。
これにより、上階手摺壁ユニット14と中間手摺壁ユニット12との接合部が下支持部材13により補強される。
【0060】
次に、上階手摺壁ユニット14上に最上階手摺壁ユニット15を接合する。この際には、上階手摺壁ユニット14の一方の側縁部に上支持部材16が接合され、上支持部材16の上部が上階手摺壁ユニット14より上方に延出した状態となっているので、最上階手摺壁ユニット15の下端部を上階手摺壁ユニット14の上端部に接合するとともに、最上階手摺壁ユニット15の一方の側縁部を上支持部材16に接合する。これにより、上支持部材16により上階手摺壁ユニット14と最上階手摺壁ユニット15との接合部が補強された状態となる。
【0061】
次に、図11に示すように、二階上踊り場ユニット44の上に二階上階段ユニット42を配置し、二階上階段ユニット42の下端部を二階上踊り場ユニット44に接合し、二階上階段ユニット42の上端部を図示しない三階の床と接合し、二階上階段ユニット42の一方の側面を手摺壁パネル10に接合し、他方の側面を図示しない第三の壁に接合する。
【0062】
次に、三階の床上の第二の壁22と最上階手摺壁ユニット15との間に三階手摺壁パネル46を配置し、その下端部を三階の床に接合し、一方の側縁部を最上階手摺壁ユニット15に接合し、他方の側縁部を第二の壁に接合する。
以上の工程により、階段ユニット1を構成する各サブユニットの組立を終了し、図1に示す状態となる。
次に、必要に応じて一階上階段ユニット32の下に収納スペース等のための間仕切り壁等の壁体を配置する。
【0063】
この際には、下階手摺壁ユニット11の一方の側縁部の縦棧材17aの幅が壁体より広くなっているので、縦棧材17aに壁体を直角に接合しても縦棧材17aの側面に内装材を貼設する際の糊代となる部分が残ることになる。
次いで、手摺壁パネル10及び三階手摺壁パネル46の両側面の各階段ユニットや上記壁体や手摺下地等が接合されていない部分に石膏ボードを貼設し、さらにその上にクロス等を貼設する。すなわち、手摺壁パネル10及び三階手摺壁パネル46の側面に内装材を貼設し、格子状の手摺壁パネル10及び三階手摺壁パネル46の開口を閉塞する。
また、各壁面等にも内装材を貼設し、住宅の階段部分の施工を終了する。
【0064】
上述のような階段ユニット1による階段構造によれば、手摺壁パネル10が木製パネル工法の壁パネルや2×4工法の壁と異なり、その両面に面材が施されていないので、その分だけ手摺壁を薄くすることができる。
さらに、手摺壁パネル10を形成する縦棧材17と、横棧材18とは、手摺壁パネル10の側面方向に沿った幅が、手摺壁パネル10の側面方向に直交する方向(厚み方向)に沿った幅(厚み)より広くなっているので、各棧材の手摺壁パネル10の側面に沿った方向の幅を広くすることで強度を高めた状態で、手摺壁パネル10の厚みに沿った方向の幅を狭くすることで、手摺壁パネル10に所定の強度を持たせた状態で、手摺壁パネル10を薄くすることができる。
【0065】
そして、上述のように手摺壁パネル10を薄くすることで、限られた空間に設けられた階段において、階段の有効な左右幅を拡げることができるので、階段の使い勝手を向上することができる。
また、三階建て住宅用の上下に長い手摺壁パネル10を複数のサブユニットからなるものとしたので、搬送や搬入を容易に行うことができる。
さらに、上下に接合される下階手摺壁ユニット11、中間手摺壁ユニット12、上階手摺壁ユニット14、最上階手摺壁ユニット15の各接合部を手摺壁パネル10の一方の側縁部側に接合される下支持部材13及び上支持部材16により補強することができる。
【0066】
すなわち、階段ユニット1は、各サブユニットが組み立てられた段階で周囲の壁と一体となって十分な強度を有するものとなっているが、各サブユニットが組み立てられるまでの間、上下に長く、薄く、複数のユニットを上下に接合してなる手摺壁パネル10を下支持部材13及び上支持部材15が補強することになり、階段ユニット1の施工中に、手摺壁パネルを仮支持する必要がないようになっている。
【0067】
また、下階手摺壁ユニット11の上端の位置が、一階天井面の高さとされ、中間手摺壁ユニット12の下端の位置が同じく一階天井面の高さとされ、中間手摺壁ユニット12の上端の位置が二階床面の高さとされているので、階段を設けるために、吹き抜けとなった二階床の階段部分において、容易に一階の天井面の高さと二階床面の高さを認知することができる。
従って、天井面の高さや床面の高さを基準とする作業を容易なものとすることができる。
特に、一階の天井面の高さを一階の天井を設ける前に認知できるので、野縁等を設置する作業を容易に行うことができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の階段構造によれば、手摺壁が上下に接合される複数の手摺壁ユニットからなる場合に、上下に接合された手摺壁ユニットの少なくとも一方の側縁部側に上下に接合された手摺壁ユニットに渡って支持部材が接合されていることにより、手摺壁ユニットの接合部が支持部材により補強されることになり、階段を施工中に、手摺壁ユニット同士の接合部を必ずしも補強しなくとも良い。
また、支持部材は、そのまま手摺壁の一部となるので、手摺壁に階段が接合されて安定した構造となった後に、支持部材を撤去する必要がない。
【0069】
従って、手摺壁を上下に接合される複数の手摺壁ユニットからなるものとしても、支持部材により手摺壁ユニット同士の接合部が補強されるので、手摺壁ユニットの接合部を仮支持部材により仮支持する必要がなく、また、手摺壁の施工に際して仮支持部材が用いられていないので、仮支持部材を撤去する必要がなく、階段の施工を省力化することができる。
【0070】
そして、上記手摺壁が、下階用手摺壁ユニット、上階用手摺壁ユニット及び中間手摺壁ユニットとを有し、上下に分割されているので、容易に搬送及び搬入が行える。また、階段が配置される部分は、基本的に上階の床が設けられず吹き抜けの状態となるが、内装等の施工に際して、中間手摺壁ユニットの上下位置が下階の天面から上階の床面までとなっているので、階段の吹き抜けの部分でも、上記天井面の高さや床面の高さを容易に認識することができ、施工性が向上する。
【0071】
本発明の請求項2記載の階段構造によれば、手摺壁が三階建ての住宅用となり、手摺壁が上下に長いものとなっていることにより、階段の施工中に手摺壁ユニット同士の接合部に比較的大きな負荷がかかる可能性があるが、上述の支持部材により手摺壁ユニット同士の接合部が補強されているので、手摺壁ユニットの接合部を補強したり仮支持したりする必要がない。
【0072】
また、三階建て住宅の手摺壁が、上記下階用手摺壁ユニット、中間手摺壁ユニット及び上階用手摺壁ユニットと、上階用手摺壁ユニットの上に配置される最上階手摺壁ユニットとの四つに分割されており、階段の施工に対応して順次下側の手摺壁ユニットの上に上側の手摺壁ユニットを接合するようにすることで、手摺壁の階段と一体に接合されて安定している部分からあまり高く、手摺壁が上方に延出しないように施工することができる。
【0073】
本発明の請求項3記載の階段構造によれば、手摺壁が格子状とされるとともに、格子状の手摺壁の表面に石膏ボードやクロス(壁紙)等の内装材が貼設されることにより、手摺壁の壁面が構成されることになる。なお、手摺壁の両側面に面材を貼設せずに、格子状とされ、格子状の手摺壁に直接内装材を貼設することにより、上記面材の分だけ手摺壁を薄くすることができる。
【0074】
そして、手摺壁の階段の反対側には、間仕切り壁等の壁等が接合される場合がある。この際に、手摺壁の側縁部に配置された縦棧材に、壁体を接合し、格子状の手摺壁の間仕切り壁が接合されていない部分に内装材を貼設するものとした場合に、壁体が接合される縦棧材の全面に壁体の端面側が接合されてしまうと、手摺壁の側縁部に配置された縦棧材に内装材が貼設できなくなってしまう。
すなわち、手摺壁の側縁部に配置された縦棧材が壁体との接合に使われてしまった状態では、この縦棧材に内装材を後から貼設することができず、内装材の側縁部が手摺壁側に固定されない状態となる。
そこで、手摺壁の側縁部に配置された縦棧材の幅を壁体の厚みより広くすれば、この縦棧材に壁体を接合しても縦棧材の幅の一部が残るので、この部分に内装材の側縁部を貼設することができる。
【0075】
本発明の請求項4記載の階段構造によれば、階段が折り返し階段となっているので、手摺壁は、比較的狭い幅で上方に延出する形状となるが、この場合にも上記支持部材により手摺壁ユニット同士の接合部が補強され、請求項1記載の構成と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の階段構造を用いた階段ユニットを示す斜視図である。
【図2】上記例の階段ユニットを構成する各サブユニットを示す斜視図である。
【図3】上記例の階段ユニットを構成する各サブユニットを示す斜視図である。
【図4】上記例の階段ユニットの手摺壁パネルを示す側面図である。
【図5】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【図6】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【図7】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【図8】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【図9】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【図10】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【図11】上記例の階段ユニットの施工工程を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 階段ユニット
10 手摺壁パネル
11 下階手摺壁ユニット
12 中間手摺壁ユニット
13 下支持部材
14 上階手摺壁ユニット
15 最上階手摺壁ユニット
16 上支持部材
17 手摺壁パネルの縦棧材
17a 手摺壁パネルの側縁部の縦棧材
31 一階下階段ユニット
32 一階上階段ユニット
41 二階下階段ユニット
42 二階上階段ユニット
Claims (4)
- 下階と上階とをつなぐ階段の少なくとも一方の側面に手摺壁が接合された階段構造であって、
上記手摺壁が、上下に接合される複数の手摺壁ユニットとして、住宅の下階部分に配置される下階用手摺壁ユニットと、住宅の上階部分に配置される上階用手摺壁ユニットと、これら下階用手摺壁ユニットと上階用手摺壁ユニットの間で、かつ、下階の天井面から上階の床面まで配置される中間手摺壁ユニットとを備えるとともに、上下に接合された手摺壁ユニットの少なくとも一方の側縁部側にこれら手摺壁ユニットに渡って接合される支持部材を備えていることを特徴とする階段構造。 - 上記手摺壁が、上記下階用手摺壁ユニット、中間手摺壁ユニット及び上階用手摺壁ユニットと、上記上階用手摺壁ユニットの上に配置される最上階手摺壁ユニットとを備え、上記手摺壁が三階建て住宅用となっていることを特徴とする請求項1記載の階段構造。
- 上記手摺壁が、複数の縦棧材及び横棧材から格子状に形成され、かつ、格子状の手摺壁の他の部材と接合された部分を除く部分に内装材が貼設されて格子状の手摺壁の開口部が覆われ、
さらに、手摺壁の側縁部に配置され、かつ、住宅の壁体と接合される縦棧材の左右幅が上記壁体の厚みより広くなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の階段構造。 - 上記階段が、上下に略連続して配置される複数の階段ユニットからなり、かつ、これら階段ユニットが、手摺壁の一方の側面側と他方の側面側とに交互に配設されて、折り返し階段となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の階段構造。
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