JP3716480B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどの各種表示装置や固体撮像素子に設けられ、反射率低減、色合成、色分解などのために用いられるカラーフィルタなどに使用される感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルタの着色層を形成するには種々の手段があるが、精度や製造コスト等の多くの点から、顔料分散法が広く使用されている。
この顔料分散法では、母材となる樹脂と架橋剤と光開始剤とを含有してなる感光性樹脂組成物に顔料を分散したものを基板上に塗布し、フォトリソグラフィーを利用して所定のパターン形状に、各色の着色層を形成するものである。
この製造過程においては、感光性樹脂組成物の所定位置のみに紫外線等の光を露光し、その露光部分のみにラジカル重合反応を起こすという化学反応を利用しているが、その製造時の雰囲気中に酸素があると、所謂酸素阻害が生じ、感度が低下するという問題がある。感度が低くなると、製造工程におけるスループットが悪化するなどの不都合が生じ、好ましくない。
そこで、この酸素阻害を防止する為に、PVA等からなる酸素遮断膜を設ける等の処理を施す必要があった。また、感光性樹脂組成物中には顔料(または染料)が分散される為、露光時の光が基板上に塗布された感光性樹脂組成物の底部にまで十分に到達しないことがあり、感光性樹脂組成物の底部が硬化せず、現像後にパターン形状が逆テーパ状になってしまうというおそれがあった。
そこで、これらの課題を解決するものとして、酸を発生させる光開始剤と、その酸を触媒として重合を促進する架橋剤を含有してなる化学増幅型感光性樹脂組成物が提案されるに至った。
この化学増幅型感光性樹脂組成物であると、光に対して高感度な光開始剤により酸が生じ、重合が開始すると共に、雰囲気中の酸素による影響を殆ど受けず、酸素阻害が起きないので、酸素遮断膜を不要とすることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、感光性樹脂組成物中に含有される顔料や分散剤が、触媒として機能する酸を失活させることが判明した。その為、このような化学増幅型感光性樹脂組成物においても、感度を十分に高めることができなかった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、酸素阻害を受けることなく、また、顔料や分散剤などによって感度が低下することなく高感度で、信頼性を高めることのできる感光性樹脂組成物を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、特定の架橋剤と光開始剤を用いることにより極めて感度の高い感光性樹脂組成物を実現したものである。すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、フェノール系樹脂と架橋剤と光開始剤とを含有してなる感光性樹脂組成物において、
架橋剤が下記化学式▲1▼で示される化合物であり、光開始剤が下記化学式▲2▼で示される化合物であることを特徴とするものである。
【化4】
ここで、Rは下記(A)又は(B)であり、かつ該化合物中に(A)と(B)の両方が含まれているものとする。
【化5】
【化6】
ここで、R’はアルキル基、芳香族基またはCCl3である。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明での架橋剤は上記▲1▼の化学構造式で示されるものであり、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【化7】
【化8】
このような架橋剤は、酸を触媒として架橋する化学増幅型架橋剤であると共に、ラジカル重合する機能を有している。
架橋剤は、フェノール系樹脂に対して、10〜100%配合させることが好ましい。10%よりも少ないと、重合反応および架橋反応が十分に起こらず、100%よりも多いと、解像度が低くなり好ましくない。
また、本発明での光開始剤は上記▲2▼の化学構造式で示されるものであり、例えば、以下に示すようなものが挙げられる。
【化9】
また、2,4,−トリクロロメチル−6−(4'−メトキシフェニル)トリアジン、2,4,−トリクロロメチル−6−(4'−メトキシナルチル)トリアジン、2,4,−トリクロロメチル−6−ピペロニルトリアジン、2,4,−トリクロロメチル−6−(4'−メトキシスチリル)トリアジン等も挙げられる。
このような光開始剤は、紫外線などの光が照射されることによって、ラジカルと共に酸を発生させる機能を有している。
【0006】
光開始剤は、フェノール系樹脂と架橋剤の合計量に対して、5〜30%配合させることが好ましい。5%よりも少ないと、重合反応及び架橋反応が十分に起こらず、30%よりも多いと、架橋剤による黄色のため、カラーフィルタの透過率が低下し、好ましくない。
したがって、上記本発明の感光性樹脂組成物であると、光が照射されることにより、光開始剤からラジカルと酸が共に発生し、そのラジカルと酸を受けて架橋剤が重合反応及び架橋反応を起こし、硬化する。
よって、本発明であると、化学増幅的に架橋反応が促進するので、感度が高く、しかも酸素阻害を受けることがない。さらに、顔料や分散剤によって酸が失活したとしても、ラジカル重合反応により硬化するので、感度の低下を防止できる。
尚、母材となるフェノール樹脂としては、ポリビニルフェノール及びその共重合体、具体的にはビニルフェノールと(メタ)アクリル酸との共重合体、ビニルフェノールと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、ビニルフェノールとマレイン酸とのビニルフェノールとスチレンとの共重合体、またはノボラック樹脂などが適用される。
【0007】
顔料としては、アントラキノン系、イソインドリノン系、β−ナフトール系、ピラゾロン系、モノアゾエロー系、ジスアゾエロー系、縮合アゾ系、チオインジゴ系、ペリレン系、キナクリドン系、ナフトールAS系、ピラゾロン系、ジオキサジン系顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化銅フタロシアニンブルーなどが適用される。
【0008】
また、本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、溶剤を添加する。
溶剤としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、酢酸イソアミル、酢酸nアミル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチルなどが用いられる。
これらは、他の成分によって溶解性が異なるので、単一または複数の溶剤組成の溶剤を適宜選択する。
【0009】
本発明の感光性樹脂組成物は、各種電子機器等のカラーフィルタとして用いることが好適である。
カラーフィルタに用いる場合、その基板としては、特に限定されるものではないが、通常、ガラス板が用いられる。
感光性樹脂組成物の基板上への塗布は、グラビアコーター、グラビアオフセットコーター、グラビアリバースコーター、バーコーター、リップコーター、ナイフコーター、スピンナー、シルクスクリーンあるいはロールコーター等によって行い得る。
必要に応じて、カラーフィルタ表面にアクリル樹脂を塗布し乾燥して保護膜を形成しても良い。
【0010】
【実施例】
[感光性樹脂組成物の調製]
フェノール樹脂(「マリカリンカーCMM」丸善石油化学(株)製)を10gと、分散剤を1gと、溶剤としてシクロヘキサノンを79gと、さらに、各顔料(赤色用、緑色用、青色用)をそれぞれ10g添加して、3本ロールで混練・分散して赤色、緑色、青色の各色の着色樹脂組成物を得た。
なお、赤色用顔料としてはアンスラキノン系(「CROMOPHTAL Red A2B」日本チバガイギー(株)製)、緑色用顔料としてはハロゲン化銅フタロシアニン系(「リオノールグリーン6YK」東洋インキ(株)製)、青色用顔料としては銅フタロシアニン系(「Helogen Blue」BASF社製)を用いた。また、分散剤には、赤色着色樹脂組成物には、「Solsperse22000」ZENECA社製、緑色及び青色着色樹脂組成物には、「Solsperse5000」ZENECA社製を用いた。
これら得られた各着色樹脂組成物に対して、その100gに対して、架橋剤(「ニッカラックMX−302」三和ケミカル(株)製)を5gと、光開始剤として2,4−トリクロロメチル−6−(4'−メトキシフェニル)トリアジンを0.5添加し、混合して着色感光性樹脂組成物を得た。
【0011】
[カラーフィルタの作製]
ガラス基板上に、上記調製した赤色の着色感光性樹脂組成物をスピンコートし、オーブンで70℃、20分間加熱処理して厚さ1.4μmの着色膜を形成した。そして、超高圧水銀灯(大型アライナー、オーク製作所製)を用いてプロキシミティー露光により1mJ/cm2の紫外線を照射し、ホットプレートにて90℃で1分間加熱した。次いで、0.5%炭酸ナトリウム溶液に1分間浸漬し、イオン交換水で30秒間水洗いし、さらにオーブン中で230℃で1時間のポストベーク処理し、赤色の着色パターンを形成した。同様にして、上記調製した緑色及び青色の着色感光性樹脂組成物を用いて、ガラス基板上に、赤、緑、青色の着色パターンの形成されたカラーフィルタを作製した。
このカラーフィルタの着色パターンを電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、順テーパの側壁を有しており、また1mJ/cm2の露光で十分なほど感度が高いことが示された。
【0012】
[比較例]
アクリロイル基を持たずN−メチロール基のみを有する架橋剤(「ニッカラックMW−30M」三和ケミカル(株)製)を用いたこと以外は、上記本実施例と同様にして着色感光性樹脂組成物を調製し、同様にしてカラーフィルタを作製した。
この着色感光性樹脂組成物においては、十分に露光硬化させるのに必要な露光量は50mJ/cm2であり、露光感度が低いものであった。
【0013】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物であると、ラジカル重合反応と化学増幅による反応の両方により露光部分が変性するので、酸素阻害が起きず、酸素遮断膜は不要で、顔料等の影響によって露光が不十分となることがなく、しかも、触媒となる酸の失活による感度低下を補うことができるので、製造工程におけるスループットは高く、順テーパ状とすることができ、信頼性を高めることができる。
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