JP3716299B2 - メソ構造を有する酸化物セラミックス及びその合成方法 - Google Patents

メソ構造を有する酸化物セラミックス及びその合成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メソ構造を有する酸化物セラミックス及びその合成方法に関するものであり、更に詳しくは、センサー、吸着剤、触媒担体等として幅広い応用が期待できるメソ構造を有する材料(メソ構造材料)の新規な合成方法及び当該方法によって合成されるメソ構造を有する酸化物セラミックスに関するものである。本発明は、従来の方法では困難であった様々な複合酸化物のメソ構造の形成を可能にする、メソ構造材料の低温での直接合成技術を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、メソ構造材料の合成方法として、金属アルコキシドを用いた方法が報告されている〔J.S.Beck,US Patent 5,507,296号明細書,1991〕。この方法で直接得られるメソ構造材料は、セラミックス部分が非晶質であり、未反応の有機シラノール基が残存する。また、この方法で直接得られるメソ構造材料は、熱的に不安定である。そのため、熱的、化学的に不安定で所期の構造を形成することが困難あるため、センサーや触媒担体としては十分な機能を発揮できない。他にもメソ構造材料の合成方法として、金属塩化物の加水分解を用いた方法が報告されている〔P.Yang et al.,Nature,396,152−155(1998)〕。この方法では水系の溶媒を用いないため、鋳型となり得る有機物又はその会合体が限定される。また、金属アルコキシドや金属塩化物を用いるために、合成時、雰囲気制御が不可欠である。
【0003】
一方、沈澱剤として尿素を用いた均一沈澱法によるメソ構造を有する材料の合成法も報告されているが〔M.Yada et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,38,3506−3509(1999)〕、この方法で直接得られるセラミックスは、炭酸塩である。いずれの合成方法においても、化学的に安定で、高機能な酸化物を得るためには、600℃以上での熱処理が必要であるが〔E.Matijevic and W.P.Hsu,J.ColloidInterface Sci.,118,506−23(1987)〕、メソ構造が失われてしまうという問題がある。また、鋳型となり得る有機物又はその会合体に、光の特定波長の吸収や蛍光等の機能を有する機能性有機化合物又は官能基を組み込むことができない。鋳型となる有機物を取り除いた後に、機能性有機物をメソ構造中に組み込む方法も考えられるが、製造工程が複雑になり、製造コストの面において劣ることは否めない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記従来の合成方法における問題を確実に解消し得るメソ構造材料の新しい合成方法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、有機化合物又はその会合体からなるナノメートルサイズの鋳型の共存下において、セラミックス前駆体から均一沈澱反応を利用して酸化物セラミックスを200℃以下の低温で直接析出させることにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、かかる知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記従来の合成方法と異なり、メソ構造や有機化合物が失われない200℃以下という低温において直接合成される、メソ構造を有する酸化物セラミックス及びその作製方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、上記有機化合物又はその会合体から成るナノメートルサイズの鋳型に、光の特定波長の吸収や蛍光等の特定の機能を有する官能基又は機能性有機化合物を組み込むことにより、更なる高機能化を図ることができる、メソ構造を有する酸化物セラミックス及びその作製方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)セラミックス前駆体である金属塩又は金属錯体、有機化合物又はその会合体から成る鋳型、沈澱剤を含む水系の溶媒を用いて、メソ構造を有する酸化物セラミックスを合成する方法であって、1)鋳型となる有機化合物又はその会合体を溶媒に溶かし、所定の濃度にすることにより、それらの集合体を生成させる、2)鋳型となる有機化合物又はその会合体の構造や大きさを制御することにより、細孔の構造及び大きさを制御する、3)溶媒中でナノメートルサイズの鋳型の共存下において、上記セラミックス前駆体から均一沈澱反応を利用して酸化物セラミックスを200℃以下の所定の温度で直接析出させ、析出する酸化物セラミックスと、鋳型となる有機化合物又はその会合体の表面における相互作用により酸化物セラミックスと有機物の自己組織化を発現させる、4)得られた沈澱を分離、回収する、5)上記1)〜4)により、自己組織化した酸化物セラミックスと有機物がメソ構造を有する酸化物セラミックスを合成する、ことを特徴とするメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
(2)ナノメートルサイズの鋳型が、一種類あるいは複数種類の有機化合物又はその会合体から成る前記(1)に記載のメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
(3)鋳型として用いる有機化合物又はその会合体に、光の特定波長の吸収や蛍光、発光、発色等の光化学的な作用を示す特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことにより、それらの機能を発現させる前記(1)に記載のメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
(4)前記(1)に記載の方法で作製したメソ構造を有する酸化物セラミックスから有機物を取り除くことにより、酸化物セラミックスがメソ構造を有する酸化物セラミックスとすることを特徴とするメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
(5)鋳型として用いる有機化合物又はその会合体に、有機金属化合物を組み込み、有機化合物を除去する過程でその有機金属化合物を無機化することにより、無機化合物をメソ構造中に形成させる前記(4)に記載のメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
(6)前記(1)ないし(5)の何れか一項に記載の合成方法に由来する特定のメソ構造を有する酸化亜鉛又はセリアから成る酸化物セラミックスを有効成分とする機能性部材であって、特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むこと、又は無機化合物をメソ構造中に形成させることにより所定の機能性を付与したことを特徴とする機能性部材。
(7)機能性部材が、メソ構造中に光の特定波長の吸収、蛍光、発光、発色等の光学的な作用を示す特定の官能基又は機能性化合物が組み込まれているメソ構造を有する酸化物セラミックスを有効成分とする紫外線吸収剤又は顔料である前記(6)に記載の機能性部材。
(8)前記(7)に記載の紫外線吸収剤を構成要素として含むことを特徴とする有害紫外線遮蔽作用を有する製品。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、セラミックス前駆体である金属塩又は金属錯体、有機化合物又はその会合体から成る鋳型、沈澱剤を含む水系の溶媒を用いて、メソ構造を有する酸化物セラミックスを合成する方法であって、有機化合物又はその会合体からなるナノメートルサイズの鋳型の共存下において、上記セラミックス前駆体から均一沈澱反応を利用して酸化物セラミックスを直接析出させることにより、メソ構造を有する酸化物セラミックスを200℃以下の低温で直接合成することを最大の特徴とする、メソ構造を有する酸化物セラミックス及びその合成方法、である。
本発明において、メソ構造を有する酸化物セラミックスとは、結晶性の酸化物セラミックス又はその微粒子の凝集体がそれ自体もしくは有機物と複合した状態でメソ構造を有するものであることを意味する。
【0007】
本発明において、セラミックス前駆体である金属塩又は金属錯体としては、硝酸塩や硫酸塩等が、また、有機化合物又はその会合体から成る鋳型としては、ブロックコポリマー、界面活性剤等が、更に、沈澱剤としては、ヘキサメチレンテトラミンが、それぞれ、好適なものとして例示される。
本発明で使用される均一沈澱反応は、酸化物セラミックスが直接析出するものであれば任意に使用することができる。例えば、均一沈澱反応を用いて酸化スズ、酸化亜鉛、セリア(酸化セリウム)等の酸化物セラミックスを直接析出する方法が例示される。また、鋳型に使用される有機化合物又はその会合体は、析出するセラミックスの前駆体となる金属塩又は金属錯体、あるいは析出するセラミックスと相互作用を生じるような表面電位や官能基等を有するものを任意に使用することができる。
【0008】
本発明の方法としては、例えば、適当な界面活性剤等の親水基並びに疎水基を有する有機化合物を溶液に溶かし、特定の濃度以上にすることにより、それらを会合させてミセル等の集合体を生成させ、更に、その溶液中に共存させた金属イオンを適当な均一沈澱反応により、酸化物として直接析出させるが、その際、共存するミセルとの相互作用により析出する酸化物を自己組織化させ、メソ構造とする方法が好適なものとして例示される。これらの均一沈澱反応、沈澱剤、及び鋳型となる有機化合物又はその会合体は、制限されるものではなく、上記均一沈澱反応、沈澱剤及び鋳型となる有機化合物又はその会合体の種類は、目的製品に応じて適宜変化させることが可能であり、それらを適宜組み合わせて、それぞれ、同様の方法で実施すればよい。
【0009】
上記方法により、メソ構造を有する酸化物セラミックスを合成することができる。具体的な一例をあげると、上記鋳型となる有機化合物又はその会合体として、例えば、1−ヘキサデカン硫酸ナトリウムを用い、上記均一沈澱反応において、例えば、ヘキサメチレンテトラミンを沈澱剤として用い、硝酸セリウム溶液からセリア(酸化セリウム)が析出する反応を用い、95℃で酸化物セラミックスを合成することができる。合成したセリアセラミックスは、4nm、2nm、1.5nmのメソ構造特有の周期構造を示し、かつ、セリアの結晶による回折パターンを示す。
上記の合成法において、メソ構造を有する酸化物セラミックスが生成する理由は、セラミックスの前駆体となる金属塩又は金属錯体、あるいは析出する酸化物セラミックスと、鋳型となる有機化合物又はその会合体の表面における相互作用により酸化物セラミックスと有機物の自己組織化が発現することによるものと推定される。
【0010】
上記合成方法により得られた、酸化物セラミックスと有機物がメソ構造を有する酸化物セラミックスにおいて、鋳型として用いた有機化合物又はその会合体に、光の特定波長の吸収、蛍光発光等の機能を有する特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことができる。本発明において、光の特定波長の吸収、蛍光等の機能を有する特定の官能基又は機能性有機化合物とは、光の特定波長の吸収、蛍光、発光、発色等の光化学的な作用を示す特定の官能基又は有機化合物を意味するものとして定義されるが、具体的には、例えば、有機顔料を組み込むことによる発色、紫外線吸収剤を組み込むことによる紫外線遮蔽等が例示される。
また、上記メソ構造を有する酸化物セラミックスから有機物を取り除く方法としては、具体的には、例えば、デカンテーション、熱処理又は光酸化処理を単独であるいは組み合わせて行う方法が例示される。
また、鋳型として用いる有機化合物又はその会合体に、有機金属化合物を組み込み、有機化合物を除去する過程でその有機金属化合物を無機化する方法としては、具体的には、例えば、デカンテーション、熱処理又は光酸化処理を単独であるいは組み合わせて行う方法が例示される。
更に、鋳型として用いる有機化合物又はその会合体の構造や大きさを制御することにより、細孔の構造、細孔の大きさ等を制御することができる。
【0011】
本発明の方法は、以下のような利点を有する。
(1)高温による熱処理を必要とせず、セラミックス前駆体からメソ構造を有する酸化物セラミックスを直接合成することができる。
(2)水系の溶媒を用いるため、鋳型となり得る有機化合物又はその会合体が限定されない。
(3)200℃以下の低温で直接合成することができる。
(4)熱的、化学的に安定で高機能な酸化物セラミックスを得ることができる。
(5)メソ構造が失われてしまうという問題がない。
(6)鋳型となる有機化合物又はその会合体に、光の特定波長の吸収や蛍光発光等の機能を有する特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことができる。
(7)製造工程が簡便である。
(8)細孔の構造及び大きさを制御することができる。
(9)メソ構造中に無機化合物を形成させることができる。
【0012】
また、本発明の方法により合成されるメソ構造を有する酸化物セラミックスは、以下のような特性を有する。
(1)セラミックス部分が結晶である。
(2)熱的、化学的に安定であり、所期の構造を形成することができる。
(3)鋳型に特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことにより、更なる高機能化を図ることができる。
(4)細孔の構造及び大きさを制御することにより、分子等の吸着に対して選択性を付与することができる。
(5)メソ構造中に無機化合物を形成することにより、触媒作用等を付与することができる。
(6)細孔の構造及び大きさを制御し、かつ、メソ構造中への無機化合物を形成することにより、分子等に対する選択性を有する触媒を合成することが可能となる。
【0013】
本発明のメソ構造を有する酸化物セラミックスとしては、酸化物セラミックスと有機物がメソ構造を有するもの、有機物を取り除くことにより、酸化物セラミックスがメソ構造を有するもの、鋳型に有機金属化合物を組み込み、有機化合物を除去する過程でその有機金属化合物を無機化することにより、無機化合物をメソ構造中に形成させたもの、鋳型に特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことにより、高機能性を付与したもの、等があげられるが、これらは、それぞれ、センサー、吸着剤、触媒担体、特定波長の光の吸収剤、有害紫外線等の遮蔽剤、顔料等として有用である。
【0014】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
硝酸セリウム、1−ヘキサデカン硫酸ナトリウム、ヘキサメチレンテトラミン及び水が1:0.2:4:1000のモル比になるように調製した溶液を95℃で20時間保持し、得られた沈澱をろ過、洗浄し、凍結乾燥した。
得られたセラミックスは、X線回折測定において4.2nm、2.1nm、1.4nmのメソ構造特有の周期構造を示し、かつ、セリアの結晶による回折パターンを示す。
【0015】
実施例2
実施例1で得られたセラミックスに対してλ=172nmのUV光を用いて光酸化処理を施して有機物を取り除くことにより得られたセラミックスは、X線回折測定において4nmのメソ構造特有の周期構造を示し、かつ、セリアの結晶による回折パターンを示す。また、赤外吸収測定において、有機物による吸収帯が消失する。
【0016】
実施例3
硝酸セリウム、1−ヘキサデカン硫酸ナトリウム、フタロシアニンブルー、ヘキサメチレンテトラミン及び水が1:0.2:0.04:4:1000のモル比になるように調製した溶液を95℃で20時間保持した。フタロシアニンブルーは、水に対して難容性であり、ミセル中に取り込まれる。得られた沈澱をろ過、洗浄し、凍結乾燥した。
得られたセラミックスは、X線回折測定において4.2nm、2.1nm、1.4nmのメソ構造特有の周期構造を示し、かつ、セリアの結晶による回折パターンを示す。また、600〜750nm付近の波長の光の吸収帯を有し、青緑色を呈する。
【0017】
実施例4
実施例3で得られた酸化物セラミックスに対してλ=172nmのUV光を用いて光酸化処理を施した。フタロシアニンブルーは、銅イオンを含む有機金属化合物であり、光酸化により有機物を除去する過程で無機化される。
得られたセラミックスは、X線回折測定において4nmのメソ構造特有の周期構造を示し、セリアの結晶による回折パターンを示す。また、赤外吸収測定において、有機物による吸収帯が消失する。
【0018】
【発明の効果】
本発明は、溶媒中で有機化合物又はその会合体からなるナノメートルサイズの鋳型の共存下において、セラミックス前駆体から均一沈澱反応により酸化物セラミックスを直接析出させることを特徴とするメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法に係るものであり、本発明により、1)自己組織化した酸化物セラミックスと有機物がメソ構造を有する酸化物セラミックスを合成することができる、2)メソ構造を有する酸化物セラミックスを200℃以下の低温において直接合成することができる、3)種々のメソ構造を有する酸化物セラミックスを高温による熱処理を必要とせず、直接合成することができる、4)また、細孔の構造及び大きさ等を制御することができる、5)鋳型に特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことにより、更なる高機能性を付与することができる、6)無機化合物をメソ構造中に形成することができる、という格別の効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係わるメソ構造を有するセリアセラミックスのX線回折パターンを示す。

Claims (8)

  1. セラミックス前駆体である金属塩又は金属錯体、有機化合物又はその会合体から成る鋳型、沈澱剤を含む水系の溶媒を用いて、メソ構造を有する酸化物セラミックスを合成する方法であって、(1)鋳型となる有機化合物又はその会合体を溶媒に溶かし、所定の濃度にすることにより、それらの集合体を生成させる、(2)鋳型となる有機化合物又はその会合体の構造や大きさを制御することにより、細孔の構造及び大きさを制御する、(3)溶媒中でナノメートルサイズの鋳型の共存下において、上記セラミックス前駆体から均一沈澱反応を利用して酸化物セラミックスを200℃以下の所定の温度で直接析出させ、析出する酸化物セラミックスと、鋳型となる有機化合物又はその会合体の表面における相互作用により酸化物セラミックスと有機物の自己組織化を発現させる、(4)得られた沈澱を分離、回収する、(5)上記(1)〜(4)により、自己組織化した酸化物セラミックスと有機物がメソ構造を有する酸化物セラミックスを合成する、ことを特徴とするメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
  2. ナノメートルサイズの鋳型が、一種類あるいは複数種類の有機化合物又はその会合体から成る請求項1に記載のメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
  3. 鋳型として用いる有機化合物又はその会合体に、光の特定波長の吸収や蛍光、発光、発色等の光化学的な作用を示す特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むことにより、それらの機能を発現させる請求項1に記載のメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
  4. 請求項1に記載の方法で作製したメソ構造を有する酸化物セラミックスから有機物を取り除くことにより、酸化物セラミックスがメソ構造を有する酸化物セラミックスとすることを特徴とするメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
  5. 鋳型として用いる有機化合物又はその会合体に、有機金属化合物を組み込み、有機化合物を除去する過程でその有機金属化合物を無機化することにより、無機化合物をメソ構造中に形成させる請求項4に記載のメソ構造を有する酸化物セラミックスの合成方法。
  6. 請求項1ないし5の何れか一項に記載の合成方法に由来する特定のメソ構造を有する酸化亜鉛又はセリアから成る酸化物セラミックスを有効成分とする機能性部材であって、特定の官能基又は機能性有機化合物を組み込むこと、又は無機化合物をメソ構造中に形成させることにより所定の機能性を付与したことを特徴とする機能性部材。
  7. 機能性部材が、メソ構造中に光の特定波長の吸収、蛍光、発光、発色等の光学的な作用を示す特定の官能基又は機能性化合物が組み込まれているメソ構造を有する酸化物セラミックスを有効成分とする紫外線吸収剤又は顔料である、請求項6に記載の機能性部材。
  8. 請求項7に記載の紫外線吸収剤を構成要素として含むことを特徴とする有害紫外線遮蔽作用を有する製品。
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