JP3715669B2 - 紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体 - Google Patents

紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、排気ガス等に含まれる窒素酸化物、所謂NOx の分解触媒としてゼオライトに白金、パラジウム、ロジウム、バナジウム等を担持させたものが使用されているが、これらの触媒は高濃度NOx の低減を目的としているとともに、比較的高温でしかその性能を発揮し得ない。したがって、加熱にエネルギーが必要で使用コストが高く、さらに低濃度NOx が分解されないまま大気中に放出されてしまうと言う問題があった。
【0003】
そこで、波長領域が300〜400nmの紫外線を照射することによって触媒活性を発揮する二酸化チタン(TiO2)あるいは二酸化チタンと活性炭との混合物(以下、「光触媒」と記す)が、この低濃度NOx を吸着・分解する新たな材料として着目されている。
そして、例えば、(1)タイルに上記光触媒の粉末を釉薬と共に加熱溶融させて固化・定着させて消臭材としたり、(2)光触媒粉末をバインダーとしてのフッ素樹脂と混合し、この混合物を圧延してシート状あるいはパネル状に成形し大気浄化材(特開平06−315614号公報参照)とすることが既に提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記(1)の消臭材のように、光触媒の粉末を釉薬と共に加熱溶融させて固化・定着させると、光触媒粉末が、加熱・溶融過程において焼結されてしまうため、光触媒自体の比表面積が大きく低下し、触媒としての能力が低下すると言う問題がある。
【0005】
一方、上記(2)の大気浄化材のようにフッ素樹脂と混合して成形されたものは、不燃性が要求されるような場所で用いることができず、用途が限られてしまうという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みて、低濃度のNOx を低コストで吸着・分解できるとともに、不燃性が要求される場所にも使用可能な紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体は、このような目的を達成するために、10μm以下の粒径のフライアッシュ粉末を80重量%以上含有する粉体I、粒径10μm以下の焼成フライアッシュ粉末を80%以上含有する粉体II、フライアッシュを溶融し気体中に噴霧することによって得られる粉体III、粘土を溶融し気体中に噴霧することによって得られる粉体VI、粘土に機械的エネルギーを作用させて得られる粉体V、および、メタカオリンに0.1〜30kwh/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる粉体IV、からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応性無機質粉体100重量部と、二酸化チタン5〜500重量部と、アルカリ金属珪酸塩と、水とを配合物として含む混合物が硬化してなる構成とした。
【0007】
上記構成において、フライアッシュとはJIS A 6201に規定される、微粉炭燃焼ボイラーから集塵器で採取する微小な灰の粒子を言い、シリカを45重量%以上含み、湿分1%以下、強熱減量5%以下、比重1.95以上、比表面積2700cm2 /g以上、44μm標準篩を75%以上が通過するものである。
【0008】
そして、反応性無機質粉体中、粉体▲1▼は、上記フライアッシュを篩、比重、風力、湿式沈降等によって分級したり、ジェットミル、ロールミル、ボールミル等によって粉砕する従来公知の方法によって得ることができる。また、これらの方法は併用されてもよい。
なお、粉体▲1▼中、粒径10μm以下のフライアッシュ粉末の量が80重量%を下回ると、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低下する。
【0009】
反応性無機質粉体中、粉体▲2▼は、上記粉体▲1▼をさらに焼成することよって得ることができる。焼成温度は、400℃〜1000℃であることが好ましい。すなわち、焼成温度が400℃より低いと、得られる粉体▲2▼にフライアッシュの黒色が残り、硬化体に着色が必要な場合障害となり、焼成温度が1000℃より高いと、アルカリ金属珪酸塩との反応性が低くなる恐れがある。
【0010】
反応性無機質粉体中、粉体▲3▼および粉体▲4▼を製造するにあたり、原料粉末であるフライアッシュや粘土を溶融し、気体中に噴霧する方法としては、原料粉末を2000〜16000℃の温度で溶融し、30〜800m/秒の速度で噴霧する方法が好ましく、たとえば、プラズマ溶射法、高エネルギーガス溶射法、アーク溶射法等のセラミックコーティングに適用される溶射技術を応用することができる。
【0011】
このようにして得られる粉体▲3▼および粉体▲4▼は、その比表面積が0.1〜100m2 /g程度のものが好ましく、0.1〜60m2 /g程度のものがさらに好ましい。
反応性無機質粉体中、粉体▲5▼および粉体▲6▼を製造するために、原料粉末としての粘土およびメタカオリンに作用させる機械的エネルギーとは、圧縮力、剪断力、衝撃力等を指し、これらは単独で作用させても良いし、2種以上複合させても作用させても良い。また、このような機械的エネルギーを作用させる手段としては、特に限定されないが、例えばボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体撹拌型ミル、ローラミル、乳鉢、ジェット粉砕機等による粉砕などが挙げられる。
【0012】
作用させる機械的エネルギーの量は小さくなるとアルカリ金属珪酸塩との反応性が低下し、大きくなると粉砕装置等への負荷が大きくなり、装置の摩耗が増大して無機質粉体への不純物の混入等の問題が発生するので、0.1〜30kwh/kgに限定され、好ましくは1.0〜26kwh/kgである。
また、機械的エネルギーを作用させるに際には、必要に応じて粉砕助剤が添加されても良い。粉砕助剤とは機械的エネルギーを作用させる際に粉体の装置内部への付着や、著しい凝集を防ぐために添加されるもので、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール、トリエタノールアミン等のアルコールアミン、ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、アセトン蒸気などが挙げられる。これらは単独で使用されても良いし、2種以上併用されても良い。
【0013】
さらに、粉体▲5▼は、更に加熱すれば、アルカリ金属珪酸塩との反応性が向上し硬化体の強度を向上させることが可能である。粉体▲5▼をさらに加熱する方法としては、特に限定されるものではなく、ギアーオーブン、ロータリーキルン等従来公知の加熱装置が任意に使用できる。
なお、加熱温度は低くなると硬化体の強度を上げる効果が乏しく、高くなると無機質粉体の結晶化が促進される傾向があるので100〜750℃が好ましく、更に好ましくは200〜600℃である。加熱時間は短くなると硬化体の強度上げる効果が乏しく、長くなるとエネルギーコストが増大する傾向があるので1分〜5時間が好ましい。
【0014】
粉体▲3▼および粉体▲5▼を製造するのに使用される粘土としては、SiO2 5〜85重量%、Al2 3 90〜10重量%を化学成分として含有するものが好ましい。この様な粘土としては、カオリン鉱物(カオリナイト、ディッカナイト、ナクライト、ハロイサイト等)、雲母粘土鉱物(白雲母、イライト、フェンジャイト、海縁石、セラドナイト、パラゴナイト、ブランマライト等)、スメクタイト(モンモリロナイト、バイデイト、ノントロライト、サボナイト、ソーコナイト等)、緑泥岩、パイロフィライト、タルク、バーミキュライト、ろう岩、ばん土頁岩などが使用されるが、組成、粒度等が適当であれば、これらに限定されるものではない。
【0015】
本発明に使用される二酸化チタンとしては、活性の高さからアナターゼ型のものが好ましいが、ルチル型のものもしくは板チタン石でもよい。
二酸化チタンの量は少なくなるとNOx の分解能力が十分得られず、また、多くなると得られる無機質硬化体の強度が低下するため、上記反応性無機質粉体100重量部に対して5〜500重量部に限定され、好ましくは10〜300重量部、さらに好ましくは25〜200重量部である。
【0016】
本発明に使用されるアルカリ金属珪酸塩とはM2 O・nSiO2 (M=K,Na,Liから選ばれる1種以上の金属)で表される塩であって、nの値は小さくなると緻密な無機質硬化体が得られず、大きくなると水溶液の粘度が上昇し混合が困難になる傾向があるので、0.05〜8が好ましく、さらに好ましくは0.5〜2.5である。
【0017】
アルカリ金属珪酸塩は、水溶液の形で添加されるのが好ましく、その水溶液濃度は特に限定されないが、薄くなると上記反応性無機質粉体との反応性が低下し、濃くなると固形分が生じやすくなるので10〜60重量%が好ましい。
上記アルカリ金属珪酸塩水溶液はアルカリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解することによって作製してもよいが、アルカリ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪石粉などのSiO2 成分をnが所定の値となるように加圧、加熱下で溶解することで作製するようにしてもよい。
【0018】
上記アルカリ金属珪酸塩の配合量は、少なくなると硬化が十分になされず、多くなると得られる無機質硬化体の耐水性が低下するので、上記反応性無機質粉体100重量部に対して0.2〜450重量部が好ましく、10〜350重量部が更に好ましく、20〜250重量部が特に好ましい。
混合物中に配合される水は、アルカリ金属珪酸塩水溶液として添加されてもよいし、独立して添加されてもよい。水の添加量は少なくなると、十分に硬化せず、多くなると得られる無機質硬化体の強度が低下しやすくなるので、上記反応性無機質粉体100重量部に対して35〜1500重量部が好ましく、更に好ましくは45〜1000重量部、特に好ましくは50〜500重量部である。
【0019】
本発明において、光が照射されない場合、また屋外で使用する際の夜間および曇天時等のNOx 分解能力を補う目的で活性炭を添加してもよい。活性炭は大気との接触面積が大きくなるため比表面積の大きいものが望ましいが、特に限定されない。活性炭の量は少ないとNOx 分解を十分に補えず、多いと無機質硬化体の強度が低下する他、不燃性が低下するため上記反応性無機質粉体100重量部に対して1〜250重量部が好ましい。
【0020】
また、本発明においては、硬化性無機質組成物中に必要に応じて、無機質充填材、発泡剤、発泡助剤、補強繊維、軽量骨材等も添加するようにしてもよい。
無機質充填材は、硬化、乾燥時の収縮を抑制することができるが、特に、アルカリ金属珪酸塩水溶液に対する活性の低いものが好ましい。このような無機質充填材としては、たとえば、珪砂、ジルコンサンド、結晶質アルミナ、岩石粉末、火山灰(シラス、抗火石等)、珪灰石、炭酸カルシウム、珪石粉、けいそう土、雲母、タルク、ワラストナイト、シリカヒューム等が挙げられるが、アルカリ金属珪酸塩水溶液に対して活性が低ければこれらに限定されるものではない。なお、無機質充填材のアルカリ金属珪酸塩水溶液に対する活性の低いことが望まれる理由は、活性度が高いとアルカリ水溶液およびアルカリ金属珪酸塩水溶液のゲル化が急速に進み、混合、成形が困難となる恐れがあるためである。
【0021】
また、無機質充填材は、その配合量が多くなると、機械的強度が低下し、少なくなると乾燥収縮、熱収縮の改善ができなくなる恐れがあるため、上記反応性無機質粉体100重量部に対し、20〜800重量部が好ましく、30〜600重量部がさらに好ましい。
発泡剤としては、過酸化水素水やアルミニウム等の金属粉末等上記アルカリ金属珪酸塩水溶液と反応して気体を発生するものであれば特に限定されるものではない。
【0022】
発泡助剤は、発泡剤による発泡を均一に生じさせるものなら特に限定されず、たとえばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナ粉末等の多孔質粉体などがあげられる。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0023】
なお、発泡助剤は、その添加量が多くなると硬化性無機質組成物の粘度が上昇し、安定な発泡体が得られず破泡が発生しやすくなるので、上記反応性無機質粉体100重量部に対して10重量部以下の添加量とすることが好ましい。
補強繊維は、硬化体に付与したい性能に応じ任意のものが使用でき、たとえば、ビニロン繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、鋼繊維などが使用できる。
【0024】
上記補強繊維の繊維径および繊維長は、繊維径1〜500μm、繊維長1〜15mmが好ましい。
すなわち、繊維径が細くなり過ぎると混合時に再凝集し、交絡によりファイバーボールが形成されやすくなり、最終的に得られる無機質硬化体の強度はそれ以上改善されず、繊維径が太くなり過ぎるか繊維長が短くなり過ぎると引張強度向上などの補強効果が小さくなり、繊維長が長くなり過ぎると繊維の分散性及び配向性が低下する恐れがある。
【0025】
また、補強繊維の添加量は、特に限定されないが、反応性無機質粉体100重量部に対して、10重量部以下が好ましい。
軽量骨材は、硬化体の軽量化を図る目的で添加され、シリカバルーン、パーライト、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、ガラスバルーン、発泡焼生粘土等の無機質天然発泡体、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン等の合成樹脂の発泡体、塩化ビニリデンバルーンなどが挙げられ、これらは単独で添加されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0026】
本発明の硬化性無機質組成物は、通常、まず上記アルカリ金属珪酸塩を加圧、加熱下で水に溶解してアルカリ金属珪酸塩水溶液としたのち、この水溶液に上記反応性無機質粉体、必要に応じて水、無機質充填材、発泡剤、発泡助剤、補強繊維、軽量骨材等を混合し、ペースト状とすることで得られる。
そして、このようにして得られた硬化性無機質組成物は、一般に注型、押圧成形、押出成形など従来公知の方法により所望の形に成形し、硬化させることができる。
【0027】
硬化温度は常温でもよいが、50〜110℃で30分間〜8時間硬化させることにより、硬化反応を促進でき、機械的物性を向上することができる。
【0028】
【作用】
上記構成によれば、光触媒としての二酸化チタンに、焼結されるような熱を加えることなく製造できる。
また、可燃性成分が含まれていないため、熱が加わっても燃焼することがない。
【0029】
【実施例】
以下に、本発明を、その実施例を参照しつつ詳しく説明する。
まず、以下のようにして反応性無機質粉体▲1▼〜▲6▼および反応性無機質粉体▲7▼を作製した。
〔反応性無機質粉体▲1▼、▲7▼〕
フライアッシュ(関電化工社製、平均粒径20μm;JIS A 6201に準ずる)を分級機(日清エンジニアリング社製、型式;TC−15)により分級し、粒径が10μm以下の粉末を100重量%含有する反応性無機質粉体▲1▼と、粒径が10μmを超える粉末を100重量%含有する反応性無機質粉体▲7▼を得た。
【0030】
なお、上記粒径はレーザー回折式分布計(セイシン社製、型式;PRO700S)で測定した。
〔反応性無機質粉体▲2▼〕
上記反応性無機質粉体▲1▼を600℃の温度にて焼成し、粒径10μm以下の粉体100重量%を含有する焼成フライアッシュを、反応性無機質粉体▲2▼として得た。
【0031】
〔反応性無機質粉体▲3▼〕
原料粉としてのフライアッシュ(関電化工社製、平均粒径20μm;JIS A 6201に準ずる)を3000℃で溶融後、80m/sの速度で大気中に噴霧して反応性無機質紛体▲3▼として回収した。得られた反応性無機質紛体▲3▼は、平均粒径5μm、比表面積9.5m2 /gであった。
【0032】
〔反応性無機質粉体▲4▼〕
原料粉としてのカオリン(組成:SiO2 45.7%、Al2 3 38.3%平均粒径:8μm BET比表面積5.8m2 /g)を2500℃で溶融後、50m/sの速度で大気中に噴霧して反応性無機質紛体▲4▼として回収した。得られた反応性無機質紛体▲4▼は、組成がSiO2 49.7%、Al2 3 47.0%、平均粒径14.8μm、BET比表面積1.96m2 /gであった。
【0033】
〔反応性無機質粉体▲5▼〕
カオリン(組成:SiO2 45.7%,Al2 3 38.3%、平均粒径8μm、BET比表面積5.8m2 /g)95重量部とクォーツ(住友セメント社製商品名:ソフトシリカ)5重量部、及びトリエタノールアミン25重量%とエタノール75重量%との混合溶液0.5重量部をウルトラファインミルAT−20(三菱重工業社製、ジルコニアボール10mmφ使用、ボール充填率85体積%)に供給し、25kwh/Kgの機械的エネルギーを作用させ、反応性無機質粉体▲5▼を得た。尚、作用させた機械的エネルギーはボールミルに供給した電力を処理粉体単位重量当たりで表した。
【0034】
〔反応性無機質粉体▲6▼〕
メタカオリン(エンゲルハード社製 SATINTONE SP 33、平均粒径3.3μm 比表面積13.9m2 /g)100重量部及びトリエタノールアミン25重量%とエタノール75重量%の混合溶液0.5重量部をウルトラファインミルAT−20(三菱重工業社製、ジルコニアボール10mmφ使用、ボール充填率85体積%)に供給し10kwh/Kgの機械的エネルギーを作用させ、反応性無機質粉体▲6▼を得た。尚、作用させた機械的エネルギーはボールミルに供給した電力を処理粉体単位重量当たりで表した。
【0035】
(実施例1〜15、比較例1〜10)
SiO2 /M2 Oのモル比が1.8のアルカリ金属珪酸塩(NaとKのモル比が1:1)をオートクレーブ中において130℃の温度および7kg/cm2 の圧力下で所定量の水に溶解して得たアルカリ金属珪酸塩水溶液に、所望の反応性無機質粉体▲1▼〜▲7▼と、ビニロン繊維(クラレ社製、品番;RM182×3)と、ステアリン酸亜鉛とを表1または表2に示す配合割合で添加してハンドミキサーによって3分間混合した。得られた混合物に表1または表2に示す配合割合の二酸化チタン(石原産業社製、品番;C−2)を添加しさらに3分間混合して硬化性無機質組成物を得た。このようして得られた硬化性無機質組成物を型枠内に注型し、型枠ごと85℃のオーブン中で6時間加熱して無機質硬化体を得た。得られた無機質硬化体を脱型して85℃で4時間乾燥した。
上記実施例1〜15および比較例1〜10で得られた無機質硬化体の曲げ強度、NOx 分解効率、耐水試験後のNOx 分解効率、不燃性をそれぞれ調べ、その結果を表1または表2に併せて示した。
【0036】
(比較例11)
ポリテトラフルオロエチレン樹脂(フッ素樹脂)100重量部に二酸化チタン50重量部と活性炭20重量部とを混合し、板状に成形した。
得られた成形体の曲げ強度、NOx 分解効率、耐水試験後のNOx 分解効率、不燃性を調べ、その結果を表2に示した。
なお、曲げ強度、NOx 分解効率、耐水試験後のNOx 分解効率、不燃性は、以下のようにして調べた。
【0037】
〔曲げ強度〕
得られた無機質硬化体を材令20日をもって評価試料とした。そして、JISK 6911に従い、この評価試料から幅50mm、長さ200mm、厚さ10mmの短冊を切り出し、スパン170mmにて3点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定した。
【0038】
〔NOx の分解効率〕
NOx 分解効率を確認するに当たり図1に示すNOx 分解能測定装置を用意し、得られた無機質硬化体を50mm×50mm×10mmのタイル状に切り出し評価試料7とし、この評価試料7を2個のシャーレ形反応容器6に1枚ずつ設置した。そして、評価試料7に光化学用蛍光灯8から365nmの波長の紫外線を照射するとともに、高純度空気用高圧容器2から0.5リットル/分の流量で送り出された空気に汚染物質用高圧容器1に充填された一酸化窒素を初期濃度が1.0ppm となるように反応容器6の手前で混合したのち、反応容器6に送り込み、反応容器6から排出された空気中の一酸化窒素の濃度を化学発光式窒素酸化物計9によって測定して分解効率を求めた。なお、図1中、3は減圧弁、4は精密流量調節器、5は4方切り換え弁、10は空気ポンプ、11および12は排気口である。
【0039】
〔耐水試験後のNOx の分解効率〕
得られた無機質硬化体を90℃の水中に8時間浸漬後上記と同様にNOx 分解効率を測定した。
〔不燃性試験〕
不燃性試験は建設省告示第1828号に基づき、得られた硬化体を40×40×50mmに切り出したものを評価試料とした。
【0040】
得られた評価試料を炉内温度が2個の熱電対の各々の示度で750℃に25分間安定した状態である炉内に挿入し、上記不燃性試験に供した。
(表中では合格は○印、不合格は×印で表示。)
【0041】
【表1】
Figure 0003715669
【0042】
【表2】
Figure 0003715669
表1および表2から本発明にかかる無機質硬化体は、紫外線を照射することによって低濃度NOx も分解することができることが判る。しかも、強度的に優れ、かつ、不燃性を備えているので、不燃性が要求される場所にも使用でき、使用範囲の広いものであることが判る。
【0043】
【発明の効果】
本発明にかかる紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体は、以上のように構成されているので、紫外線の照射により低濃度のNOx を分解して大気を浄化することができるとともに、強度的に優れ、不燃性も備えており、不燃性が要求されるような建築用材料用のパネル等にも使用することができる。
【0044】
すなわち、いろいろな場所への使用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 NOx の分解能を調べるのに使用したNOx 分解能測定装置の概略図である。

Claims (1)

  1. 10μm以下の粒径のフライアッシュ粉末を80重量%以上含有する粉体I、粒径10μm以下の焼成フライアッシュ粉末を80%以上含有する粉体II、フライアッシュを溶融し気体中に噴霧することによって得られる粉体III、粘土を溶融し気体中に噴霧することによって得られる粉体IV、粘土に機械的エネルギーを作用させて得られる粉体V、および、メタカオリンに0.1〜30kwh/kgの機械的エネルギーを作用させて得られる粉体VI、からなる群より選ばれる少なくとも1種の反応性無機質粉体100重量部と、
    二酸化チタン5〜500重量部と、
    アルカリ金属珪酸塩と、
    水と
    を含む硬化性無機質組成物が硬化してなる紫外線照射下で大気の浄化に用いられる無機質硬化体。
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