JP3715459B2 - 郵便物処理装置及び郵便物処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、郵便物の画像を読取り、この読取りにより得られる郵便物画像データから宛先情報を検出して宛先を認識し、宛先の認識結果に基づき郵便物を区分する郵便物処理装置及び郵便物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
郵便物処理装置としての宛名自動読取区分機は、区分機、OCR(Optical Character Reader)、及びVCS(Video Coding System)を備えている。OCRは郵便物に記録された宛先を認識し、区分機がOCRの認識結果に基づき郵便物を区分する。VCSはOCRで認識されなかった郵便物の画像を表示するとともにこの郵便物の宛先情報の入力を受け付け、区分機がVCSから入力された宛先情報に基づき郵便物を区分する。上記したVCSの処理を、ビデオコーディング処理と称し、このビデオコーディング処理によりOCRで認識されなかった郵便物の区分を補うようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記郵便物処理装置は、定型郵便物の取扱いを前提としている。そのため、上記郵便物処理装置で、定型外の大型郵便物が処理されたとき、VCSに表示される大型郵便物の画像は、自動的に縮小された画像となる。大型郵便物には、定型郵便物と同じサイズの宛名ラベルが添付されていることが多く、自動縮小により、VCSに表示される画像からは、宛先が読取りづらくなることがある。このような場合、オペレータが、VCSに表示される画像を拡大操作して対応している。このように、従来の郵便物処置装置では、大型郵便物を処理する際の操作性に問題があった。
【0004】
この発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、定型郵便物及び定型外の大型郵便物など、様々なサイズの郵便物処理に優れた郵便物処理装置及び郵便物処理方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために、この発明の郵便物処理装置及び郵便物処理方法は、以下のように構成されている。
【0006】
この発明の郵便物処理装置は、郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する識別手段と、郵便物の画像を読取る画像読取手段と、前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、前記識別手段により前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する表示手段とを備えている。
【0007】
この発明の郵便物処理装置は、郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する識別手段と、郵便物の画像を読取る画像読取手段と、前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、前記識別手段により前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する第1の表示手段と、前記宛先領域検出手段により宛先領域が複数検出された場合であって、前記識別手段により前記郵便物が第2種の郵便物に識別された場合には、前記宛先領域検出手段の検出により得られる複数の宛先領域の画像データを夫々拡大表示する第2の表示手段とを備えている。
【0008】
この発明の郵便物処理方法は、郵便物のサイズを検出する第1のステップと、前記第1のステップの検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する第2のステップと、郵便物の画像を読取る第3のステップと、前記第3のステップの読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する第4のステップと、前記第2のステップにより前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記第4のステップの検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する第5のステップとを備えている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は、この発明に係る郵便物処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように郵便物処理装置には、区分機1、郵便物サイズ検出部2、画像読取部3、OCR4、及びVCS5が設けられている。
【0012】
郵便物サイズ検出部2は、郵便物を搬送するとともに、郵便物のサイズを検出する。この郵便物サイズ検出部2に関しては、後に詳細に説明する。画像読取部3は、郵便物全体の画像を読取り、この読取りにより得られる郵便物全体の画像データをOCR4に提供する。OCR4には、宛名領域検出部4a、宛名用検出切出部4b、文字識別部4c、住所識別部4d、判断部4e、及び辞書メモリ4fなどが設けられている。OCR4に設けられた各部の機能は、後に詳しく説明する。また、このOCR4は、規定時間内に宛先が認識されなかった郵便物の画像データ(郵便物全体の画像データ)を出力する。
【0013】
VCS5には記憶部5aが設けられており、この記憶部5aにはOCR4から出力される郵便物全体の画像データが蓄積される。VCS5は、記憶部5aに蓄積された郵便物の画像データに基づき、OCR4で認識されなかった郵便物に対するビデオコーディング処理を行う。VCS5には、入力部5b及び表示部5cが設けられており、表示部5cには、OCR4で認識されなかった郵便物の画像データが表示され(表示方法については後に詳しく説明する)、この表示部5cに表示された郵便物に対する宛先情報の入力が入力部5bにより受け付けられる。入力部5bを介しての宛先情報の入力は、オペレータにより行われる。なお、このVCS5の表示部5cには、郵便物識別部5eによる郵便物の識別結果(郵便物が規定郵便物又は大型郵便物のどちらに該当するか)に基づき、表示制御部5dに制御された画像データが表示される。この表示制御については後に詳しく説明する。
【0014】
区分機1には区分制御部1aが設けられており、この区分制御部1aは区分機1全体を制御する。この区分機1は、OCR4により認識された宛先に基づき、この認識された宛先に対応する郵便物を区分するとともに、VCS5の入力部5bにより入力が受け付けられた宛先情報に基づき、この入力された宛先情報に対応する郵便物を区分する。
【0015】
上記説明した郵便物処理装置では、例えば、郵便物に対してIDコード(バーコードなど)を記録して、このIDコードにより郵便物を管理するようになっている。つまり、一つの郵便物に関する郵便物全体の画像データにはIDコードが割り振られており、記憶部5aにはIDコードとともに一つの郵便物に関する郵便物全体の画像データが蓄積される。そして、このIDコードにより、実際の郵便物との関連が保たれるようになっている。また、上記説明した郵便物処理装置では、郵便物に対してOCR4により認識された宛先を示す宛先コード(バーコードなど)、又はVCS5の入力部5bにより受け付けられた宛先を示す宛先コード(バーコードなど)を記録して、この宛先コードにより郵便物を区分するようにもなっている。
【0016】
上記した郵便物処理装置は、定形サイズの定型郵便物からA4サイズ程度の大型郵便物まで処理可能となっている。つまり、これら郵便物から宛名(宛先)情報を読み取り、その宛名情報をバーコード(以下局内バーコ−ド)に置き換えて郵便物に印字し、その後、あらかじめ決められた区分指定にしたがってその郵便物を区分する装置である。VCS5は、OCR4で認識できなかった郵便物の宛名情報の入力を受け付け、宛名情報のバーコード印字を可能にするための補助入力装置である。
【0017】
図2は、VCS5の外観を示す図である。
【0018】
図2に示すように、VCS5には、スーパーバイザ端末51a、スーパーバイザ端末(バックアップ用)51b、スーパーバイザ端末ディスプレイ51c、スーパーバイザ端末プリンタ51d、画像蓄積分配装置52a、画像分配装置制御部52b、ディスク装置52c、VCSインターフェース52d、画像分配装置ディスプレイ52e、ビデオコーディングデスク(VCD)端末53、ネツトワーク機器(ハブ等)54、及び無停電装置55が設けられている。
【0019】
スーパーバイザ端末51aは、VCS5全体の管理・データ収集・入力された住所情報を区分機1に転送する。画像蓄積分配装置52aは、VCSインターフェース52dから送られてきた郵便物の画像等の情報を蓄積し、各VCD端末53に分配するとともに、VCD端末53で入力された住所情報をスーパバイザ端末51aに送る。この画像蓄積分配装置52a及びディスク装置52cは、図1に示す記憶部5aに相当するものである。VCD端末53は、画像蓄積分配装置52aから送られてきた郵便物の画像を表示し、オペレータが入力した住所情報を画像蓄積分配装置52aに送る。このVCD端末53は、図1に示す入力部5b及び表示部5cに相当するものである。ネットワーク機器54は、各装置間でコマンド・レスポンスなどの情報を送る。
【0020】
図3は、画像読取部3により郵便物の画像を読取ってから、OCR4で郵便物の宛先が認識され、区分機1で郵便物が区分されるまでの流れを示す図である。
【0021】
ST1…画像読取部3により郵便物の宛名面の画像(郵便物全体の画像)が読取られ、この読取りにより得られる郵便物全体の画像データがOCR4に転送される。
【0022】
ST2以降は、OCR4での処理である。
【0023】
ST2…宛名領域検出部4aにより、画像読取部3から転送される郵便物全体の画像データから宛名情報が記録された宛名領域が検出される。つまり、宛名ラベル、宛名囲み枠などが検出され、これを基に宛名領域が検出される。
【0024】
ST3…宛名用検出切出部4bにより、宛名領域検出部4aで検出された宛名領域の中から宛名を構成する行および文字が検出され抽出される。
【0025】
ST4…文字認識部4cにより、宛名用検出切出部4bで抽出された宛名の文字画像と、あらかじめ辞書メモリ4fに記憶されている文字画像(辞書)とが照合され、抽出された宛名の文字が認識される。
【0026】
ST5…住所識別部4dにより、文字識別部4cで選られた文字認識結果が、辞書メモリ4fに記憶されている住所辞書と照合され、住所が識別される。
【0027】
ST6…判断部4eにより、住所識別部4dで得られた住所識別結果に対して、
あらかじめ辞書メモリ4fに記憶された区分指定テーブルを基に、区分される区分先が決定される。
【0028】
ST7…区分制御部1aには、判断部4eで決定された区分先に関する情報が送られる。
【0029】
ST8…区分機1は、区分制御部1aの制御に基づき、郵便物を区分する。
【0030】
ST4〜ST5にて、郵便物の宛名情報を完全に認識することができない場合、ST6の判断部4eによる判断で、宛名が認識されなかった郵便物には整理番号用のIDコード(バーコード)が印刷され、この宛名が認識されなかった郵便物は再供給待ちの区分先に区分される。一方、宛名が認識されなかった郵便物から読取られた郵便物の画像データは、VCS5に送信され、宛名が認識されなかった郵便物に対するビデオコーディング処理が行われることになる。
【0031】
図4は、ビデオコーディング処理を示す図である。ここでは、主として、定型外の大型郵便物のビデオコーディング処理を説明する。
【0032】
企業から発送された大型郵便物(差出人が企業の大型郵便物)に見られる特徴には、次のようなものがある。
【0033】
・郵便物の面積が広く、定型郵便物に貼られる宛名ラベルと同じサイズの宛名ラベルが貼り付けられている。つまり、郵便物の面積に対する宛名領域の面積が非常に小さい。
【0034】
・宛名情報が記載された面に、差出人(企業側)の住所が記載されている。
【0035】
大型郵便物には、上記した特徴があることを踏まえて、図4を参照して、ビデオコーディング処理について説明する。
【0036】
ディスク装置52cには、ネットワーク機器54を介して、郵便物サイズ検出部2のサイズ検出により得られたサイズデータ、画像読取部3の読取により得られた郵便物全体の画像データが送信され、蓄積される。
【0037】
VCSインターフェース52dは、ディスク装置52cに蓄積された郵便物全体の画像データの中から、OCR4により宛先が認識されなかった郵便物に関する郵便物全体の画像データを受け取る。なお、OCR4により宛先が認識されなかった郵便物に関する郵便物全体の画像データは、OCR4により宛先が認識されなかった郵便物に割り振られた(記録された)IDコードに基づき選出される。
【0038】
画像分配装置制御部52bは、郵便物サイズ検出部3のサイズ検出により得られたサイズデータに基づき、郵便物の画像データの表示方式を制御する。具体的に言うと、まずサイズデータに基づき、郵便物の種別を判定する。郵便物には、例えば、定型郵便物(第1種の郵便物)と大型郵便物(第2種の郵便物)とがある。つまり、OCR4により宛先が認識されなかった郵便物を定型郵便物と判定した場合には第1の表示方式を選択し、OCR4により宛先が認識されなかった郵便物を大型郵便物と判定した場合には第2の表示方式を選択する。
【0039】
第1の表示方式では、郵便物全体の画像データが、VCD端末53のディスプレイに表示される。第2の表示方式では、宛名領域検出部4aにより検出された宛名領域の画像データが、VCD端末53のディスプレイに拡大表示される。このとき、宛名領域の画像データの周囲にマージン領域を持たせて拡大表示するようにしてもよい。
【0040】
さらに、宛名領域検出部4aにより宛名領域が複数検出された場合、第2の表示方式では、宛名領域検出部4aの検出により得られる複数の宛名領域の画像データのうち、所定の条件を満たす宛名領域の画像データから優先的に、VCD端末53のディスプレイに拡大表示する。宛名領域が複数検出される理由としては、上記したように、宛名情報が記載された面に、差出人(企業側)の住所も記載されていることがあるからである。所定の条件とは、例えば、郵便物と宛名領域との位置関係に着目した条件である。宛名情報は、郵便物の中央に記載されていることが多く、差出人の住所情報は郵便物の端に記載されていることが多い。この点に着目して、宛名領域検出部4aにより検出された宛名領域に優先度を付け、優先度を決定する。つまり、郵便物の中央から検出された宛名領域の画像データを第1優先とし、郵便物の端から検出された宛名領域の画像データを第2優先とする。第1優先の画像と、第2優先の画像とを表示したケースを図5に示す。
【0041】
図5に示す画像1は第1優先の画像であり、画像2は第2優先の画像である。つまり、第1優先の画像と第2優先の画像とが、ディスプレイの右半分の領域の上下に拡大表示される。一方、ディスプレイの左半分には(画像3)、次のビデオコーディング処理対象の郵便物全体の画像が表示される。
【0042】
オペレータは、図5に示すようなディスプレイを目視して、該当する住所情報を入力部5bから入力する。入力された住所情報は、画像蓄積分配装置52aに送り返される。画像蓄積分配装置52aに貯えられた住所情報(入力された入力情報)は、スーパーバイザ端末51aを経由して、区分機1に送信される。区分機1は、スーパーバイザ端末51aを経由して送信された住所情報(入力された入力情報)に基づき、郵便物を区分する。このとき、IDコードにより、住所情報と、郵便物との対応が取られる。
【0043】
定型郵便物から大型郵便物まで、サイズの著しく違う郵便物を取り扱う郵便物処理装置において、ビデオコーディングを行なうとき、この発明により、以下の効果が得られる。
【0044】
・定型郵便物と大型郵便物の表示方法が自動的に切り換えられるので、拡大、縮小操作が軽減され、結果的に、郵便物処理能力の向上につながる。
【0045】
・大型郵便物には、宛名領域候補が複数存在することがあるが、複数の候補を同時に拡大表示することにより(第1、第2候補の上下同時表示)、拡大、縮小操作が軽減されるとともに、宛名領域の敵中率を高めることができ、結果的に、郵便物処理能力の向上につながる。
【0046】
続いて、図1に示した郵便物サイズ検出部2による郵便物サイズ検出について詳しく説明する。
【0047】
図6は、郵便物サイズ検出部2に設けられた郵便物検知センサP1、P2、P3の配置を説明するための図である。
【0048】
図6に示すように、郵便物検知センサP1及びP2は、郵便物の搬送基準面に対して垂直な直線上に配置される。郵便物検知センサP2は、図6に示すように、定型郵便物又は大型郵便物が搬送されるとき、両方を検知することができる位置に配置される。これに対して、郵便物検知センサP1は、定型郵便物又は大型郵便物が搬送されるとき、大型郵便物のみを検知することができる位置に配置される。郵便物検知センサP2による郵便物の検知出力をトリガとして、郵便物検知センサP1による郵便物の検知状態をチェックする。郵便物検知センサP2により郵便物が検知されているときに、郵便物検知センサP1により郵便物が検知されていれば、検知されている郵便物は大型郵便物であると判定される。郵便物検知センサP2により郵便物が検知されているときに、郵便物検知センサP1により郵便物が検知されていなければ、検知されている郵便物は定型郵便物であると判定される。
【0049】
このように、郵便物検知センサP1及びP2により、郵便物の縦方向のサイズ(郵便物の搬送方向に対する垂直方向の長さ)が検出されることになる。また、郵便物の縦方向のサイズをさらに詳しく検出するために、郵便物検知センサP1の上下、つまり、郵便物検知センサP1とP2とを結んだ直線上に、郵便物の仕様に応じて、複数の郵便物検知センサを配置し、郵便物検知センサP2をトリガとして、様々な仕様の郵便物を検知できるようにしてもよい。
【0050】
次に、郵便物の横方向のサイズ(郵便物の搬送方向の長さ)検出について説明する。郵便物の横方向のサイズ検出には、例えば、以下のような二つの方法が考えられる。
【0051】
第1の方法として、郵便物検知センサP2及びP3による郵便物の横方向のサイズ検出が考えられる。
【0052】
図6に示すように、郵便物検知センサP2及びP3は、郵便物の搬送基準面に対して平行な直線上に配置される。郵便物検知センサP2及びP3は、図6に示すように、定型郵便物又は大型郵便物が搬送されるとき、両方を検知することができる位置に配置される。また、郵便物検知センサP2及びP3の間の距離は、定型郵便物の横方向のサイズより長く、大型郵便物の横方向のサイズより短くする。郵便物検知センサP2による郵便物の検知出力をトリガとして、郵便物検知センサP3による郵便物の検知状態をチェックする。郵便物検知センサP2により郵便物が検知されているときに、郵便物検知センサP3により郵便物が検知されていれば、検知されている郵便物は大型郵便物であると判定される。郵便物検知センサP2により郵便物が検知されているときに、郵便物検知センサP3により郵便物が検知されていなければ、検知されている郵便物は定型郵便物であると判定される。
【0053】
このように、郵便物検知センサP2及びP3により、郵便物の横方向のサイズが検出されることになる。また、郵便物の横方向のサイズをさらに詳しく検出するために、郵便物検知センサP3の前後、つまり、郵便物検知センサP2とP3とを結んだ直線上に、郵便物の仕様に応じて、複数の郵便物検知センサを配置し、郵便物検知センサP2をトリガとして、様々な仕様の郵便物を検知できるようにしてもよい。
【0054】
また、第2の方法として、郵便物検知センサP2及び郵便物の搬送速度による郵便物の横方向のサイズ検出が考えられる。
【0055】
簡単に説明すると、郵便物検知センサP2により郵便物が検知されている時間T(秒)を測定し、これに郵便物の搬送速度V(mm/秒)を掛けることにより、郵便物の横方向のサイズを検出することができる。つまり、郵便物の横方向のサイズは、下記の式により算出できる。
【0056】
郵便物の横方向のサイズ=L(mm)=V(mm/秒)×T(秒)
なお、郵便物の横方向のサイズをより正確に検出するために、ロータリーエンコーダーを活用し、郵便物検知センサP2により郵便物が検知されている間に、郵便物が搬送された距離を測定するようにしてもよい。
【0057】
続いて、図7を参照して、上記説明した郵便物サイズ検出を実現する郵便物サイズ検出部2の概略構成を説明する。
【0058】
図7に示すように、郵便物サイズ検出部2には、郵便物検知センサP1、P2、P3、郵便物搬送機構21、搬送機構制御部22、及び演算処理部23が設けられている。郵便物検知センサP1、P2、P3は、上記説明したように配置されており、郵便物を検知する。郵便物搬送機構21は、上記説明したよに郵便物を搬送速度V(mm/秒)で搬送する。搬送機構制御部22は、郵便物搬送機構21の駆動を制御する。つまり、郵便物搬送機構21による郵便物の搬送速度をV(mm/秒)に保つ。演算処理部23は、郵便物検知センサP1、P2、P3からの出力を受け、この検知出力に基づき、郵便物のサイズを検出する。また、この演算処理部23には、搬送機構制御部22により制御される搬送速度V(mm/秒)を示すデータも出力され、上記した検知出力と合わせて、郵便物のサイズを検出する。
【0059】
【発明の効果】
定型郵便物及び定型外の大型郵便物など、様々なサイズの郵便物処理に優れた郵便物処理装置及び郵便物処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る郵便物処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すVCS(ビデオコーディングシステム)の外観を示す概略図である。
【図3】図1に示す画像読取部により郵便物の画像を読取ってから、図1に示すOCRで郵便物の宛先が認識され、図1に示す区分機で郵便物が区分されるまでの流れを示す図である。
【図4】図1に示すVCSによるビデオコーディング処理の概略を説明するための図である。
【図5】ビデオコーディング処理における郵便物画像の表示例を示す図である。
【図6】図1に示す郵便物サイズ検出部に設けられた郵便物検知センサの配置を示す図である。
【図7】図1に示す郵便物サイズ検出部の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…区分機
1a…区分制御部
2…郵便物サイズ検出部
3…画像読取部
4…OCR
4a…宛名領域検出部
4b…宛名用検出切出部
4c…文字識別部
4d…住所識別部
4e…判断部
4f…辞書メモリ
5…VCS
5a…記憶部
5b…入力部
5c…表示部
5d…表示制御部
5e…郵便物識別部
Claims (11)
- 郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を定型サイズ及び定型サイズ以外の郵便物に識別する識別手段と、
郵便物の画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、
前記識別手段により前記郵便物が定型サイズの郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする郵便物処理装置。 - 郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を定型サイズ及び定型サイズ以外の郵便物に識別する識別手段と、
郵便物の画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、
前記識別手段により前記郵便物が定型サイズ以外の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする郵便物処理装置。 - 郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する識別手段と、
郵便物の画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、
前記識別手段により前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする郵便物処理装置。 - 郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する識別手段と、
郵便物の画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、
前記識別手段により前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する第1の表示手段と、
前記宛先領域検出手段により宛先領域が複数検出された場合であって、前記識別手段により前記郵便物が第2種の郵便物に識別された場合には、前記宛先領域検出手段の検出により得られる複数の宛先領域の画像データを夫々拡大表示する第2の表示手段と、
を備えたことを特徴とする郵便物処理装置。 - 郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する識別手段と、
郵便物の画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、
前記識別手段により前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する第1の表示手段と、
前記宛先領域検出手段により宛先領域が複数検出された場合であって、前記識別手段により前記郵便物が第2種の郵便物に識別された場合には、前記宛先領域検出手段の検出により得られる複数の宛先領域の画像データのうち、所定の条件を満たす宛先領域の画像データから優先的に拡大表示する第2の表示手段と、
を備えたことを特徴とする郵便物処理装置。 - 郵便物のサイズを検出するサイズ検出手段と、
前記サイズ検出手段の検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する識別手段と、
郵便物の画像を読取る画像読取手段と、
前記画像読取手段の読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する宛先領域検出手段と、
前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データから、宛先情報を認識する宛先情報認識手段と、
前記宛先情報認識手段により宛先情報が認識されなかった場合であって、前記識別手段により前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記宛先領域検出手段の検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示するとともに、この表示された画像の郵便物に対応する宛先情報の入力を受け付ける表示入力手段と、
前記宛先情報認識手段により認識された宛先に基づき、この認識された宛先に対応する郵便物を区分するとともに、前記表示入力手段により入力が受け付けられた宛先情報に基づき、この入力された宛先情報に対応する郵便物を区分する区分手段と、
を備えたことを特徴とする郵便物処理装置。 - 前記サイズ検出手段は、
郵便物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される郵便物を検知するセンサと、
前記搬送手段による郵便物の搬送速度と、前記センサによる郵便物の検知時間から、前記搬送手段を搬送される郵便物の搬送方向の長さを検出する検出手段と、
を有することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、及び請求項6に記載の郵便物処理装置。 - 前記サイズ検出手段は、
前記第1種及び第2種の郵便物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される前記第1種及び第2種の郵便物を共に検知する第1のセンサと、
前記搬送手段により搬送される前記第2種の郵便物のみを検知する第2のセンサとを有し、
前記識別手段は、
前記第1及び第2のセンサの出力に基づき、前記搬送手段を搬送される郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する種別識別手段を有する、
ことを特徴とする請求項3、請求項4、請求項5、及び請求項6に記載の郵便物処理装置。 - 郵便物のサイズを検出する第1のステップと、
前記第1のステップの検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する第2のステップと、
郵便物の画像を読取る第3のステップと、
前記第3のステップの読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する第4のステップと、
前記第2のステップにより前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記第4のステップの検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する第5のステップと、
を備えたことを特徴とする郵便物処理方法。 - 郵便物のサイズを検出する第1のステップと、
前記第1のステップの検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する第2のステップと、
郵便物の画像を読取る第3のステップと、
前記第3のステップの読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する第4のステップと、
前記第2のステップにより前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記第4のステップの検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示する第5のステップと、
前記第4のステップにより宛先領域が複数検出された場合であって、前記第2のステップにより前記郵便物が第2種の郵便物に識別された場合には、前記第4のステップの検出により得られる複数の宛先領域の画像データを夫々拡大表示する第6のステップと、
を備えたことを特徴とする郵便物処理方法。 - 郵便物のサイズを検出する第1のステップと、
前記第1のステップの検出により得られる郵便物のサイズデータに基づき、前記郵便物を第1種及び第2種の郵便物に識別する第2のステップと、
郵便物の画像を読取る第3のステップと、
前記第3のステップの読取により得られる郵便物全体の画像データから宛先情報が記録された宛先領域を検出する第4のステップと、
前記第4のステップの検出により得られる宛先領域の画像データから、宛先情報を認識する第5のステップと、
前記第5のステップにより宛先情報が認識されなかった場合であって、前記第2のステップにより前記郵便物が第1種の郵便物に識別された場合には郵便物全体の画像データを表示し、第2種の郵便物に識別された場合には前記第4のステップの検出により得られる宛先領域の画像データを拡大表示するとともに、この表示された画像の郵便物に対応する宛先情報の入力を受け付ける第6のステップと、
前記第5のステップにより認識された宛先に基づき、この認識された宛先に対応する郵便物を区分するとともに、前記第6のステップにより入力が受け付けられた宛先情報に基づき、この入力された宛先情報に対応する郵便物を区分する第7のステップと、
を備えたことを特徴とする郵便物処理方法。
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