JP3714829B2 - 高周波ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高周波信号を処理する高周波ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高周波ユニットとしてRF(高周波)モジュレータを例にとって説明する。RFモジュレータはAV(Audio-Visual)入力の無いテレビ受信機のために、VTR(ビデオテープレコーダ)やBS(衛星放送)レシーバ等から出力される映像信号及び音声信号を、アンテナで受信されるテレビジョン放送と同じ形式の高周波信号に変換するユニットであり、簡易放送局の役目をはたすものである。RFモジュレータは当然高周波信号を処理する高周波回路を有しているが、その回路構成と動作については後述する発明の実施の形態で説明する。
【0003】
また、RFモジュレータは高周波信号を周波数変換するために局部発振回路を有している。この局部発振回路の発振により空中に放射される信号をユニットの外部に出さないようするために、また、外部からの妨害波によってRFモジュレータが影響を受けないようにするために、高周波回路を搭載した基板は金属製のシャーシアングルに収納され、少なくとも1枚の金属製のシールド蓋によって外部と遮蔽されている。
【0004】
図4はRFモジュレータのシールド蓋32の斜視図である。図5は従来のRFモジュレータのシャーシアングル31の斜視図である。図5において、25は受信した高周波信号を処理する高周波回路を搭載したチップマウント基板(図5ではその輪郭が点線で示されている)であり、プリント配線されている。
【0005】
1aは他の側面板1b、1c、1dよりも低い高さの側面板である。側面板1aが他の側面板1b、1c、1dよりも低いことに伴い、側面板1aの上方に開口部30が形成されており、この開口部30からチップマウント基板25の一部分が接続部25aとしてユニットの外部に出ている。この接続部25aには、外部からの電源の入力や比較的低周波の映像信号や音声信号や搬送波信号の入力のための配線を設けている。側面板1aは側面板1dとは側面板1dの上端部から下端部まで接している。側面板1aは側面板1bとは開口部30によって側面板1bの上端部とは接しておらず、下端部から上端部への途中までで接している。1tはシールド蓋32の爪1f(図4参照)が接合される部分である。
【0006】
5はアンテナで受信した高周波信号を入力するための入力端子であり、側面板1dに設けられている。9は高周波回路で処理された高周波信号を出力するための出力端子であり、側面板1dに設けられている。シャーシアングル31は側面板1a、1b、1c、1dでチップマウント基板25の四方を囲むことで、チップマウント基板25を収納している。
【0007】
図4において、1e〜1iは平板のシールド蓋32の端部を折り曲げ加工することにより設けられたシャーシアングル31との接合用の爪である。爪1eはシールド蓋32がシャーシアングル31にはめ込まれたときに側面板1a(図5参照)のつくる平面上に平面部分が位置するように設けられている。爪1fはシールド蓋32がシャーシアングル31にはめ込まれたときに側面板1aの部分1tに接合する位置に設けられている。
【0008】
反対側の3つの爪1gはシールド蓋32がシャーシアングル31にはめ込まれたときに側面板1c(図5参照)に接する位置に設けられている。4つの爪1hはシールド蓋32がシャーシアングル31にはめ込まれたときに側面板1b(図5参照)に接する位置に設けられている。3つの爪1iはシールド蓋32がシャーシアングル31にはめ込まれたときに側面板1d(図5参照)に接する位置に設けられている。
【0009】
図6はシールド蓋32がシャーシアングル31に取り付けられた状態を示す図である。側面板1aの部分1tに爪1fが接触し、側面板1cに爪1gが接触している。爪1f、1gによってシールド蓋32はシャーシアングル31を側面板1aと1cから挟み込んでいる。図示しないが、爪1hと爪1iによってシールド蓋32はシャーシアングル31を側面板1bと1dから挟み込んでいる。このようにシールド蓋32はシャーシアングル31と電気的及び機械的に接触している状態となる。
【0010】
図7は基板25の斜視図である。基板25はシャーシアングル31の側面板1aにシールド蓋32の爪1f(図4参照)に接合される部分1tを設けるために、幅W1である四角形から角の部分25cが四角形に切り落とされてくぼみが設けられた形状をしている。基板25の他方の角の部分25bは側面板1aにシールド蓋32の爪1e(図4参照)に接合される部分が設けられていないので、切り落とされていない。W2は基板25の接続部25aの幅であり、角の部分25cに設けられたくぼみによって幅W1より狭くなっている。
【0011】
図9は上記従来のシャーシアングル31の展開図である。シャーシアングル31は1枚のシールド板を折り曲げ加工することにより形成される。側面板1b、1cはそれぞれ矢印B、Cのように立ち上げられ、側面板1cに設けられた突起部40は側面板1bに設けられた開口部41にはめ込まれる。側面板1dは矢印Dのように立ち上げられ、側面板1cに設けられた突起部42は側面板1dに設けられた開口部43にはめ込まれる。
【0012】
側面板1aは矢印Aのように立ち上げられ、側面板1aに設けられた突起部44が側面板1bに設けられた開口部45にはめ込まれる。側面板1aに設けられた突起部46は側面板1dに設けられた開口部47にはめ込まれる。48は入力端子5(図5参照)を設けるために開けられた円形の穴である。49は出力端子9を設けるために開けられた円形の穴である。
【0013】
50、51、52はシャーシアングル31内部を4部屋に仕切るための仕切り板であり、それぞれ矢印E、F、Gのように立ち上げられる。シャーシアングル31内部において仕切り板50〜52は基板25(図5参照)にはめ込まれているので、仕切り板50〜52は各部屋から他の部屋への妨害波を遮蔽する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示す基板25の形状では、シャーシアングル31の側面板1aにシャーシ蓋32の爪1eに接合する部分を設けることができないので、基板25を図8に示すような形状とすることで爪1eに接合する部分1uを設けることが考えられる。この図8では、基板25の両方の角が切り落とされたような形状となっているので、爪1e、1fにそれぞれ接合される部分1u、1tを側面板1aに設けることができる。
【0015】
ところで、近年、RFモジュレータの小型化が進み、これにともないシャーシアングル31についても小型化が進んでいるが、図8に示す基板25の形状では、基板25の両方の角が切り落とされたようになっているので、接続部25aの幅W2が狭くなり、その結果、接続部25aに設けられる各種の入力端子の間隔が狭くなり、それらの入力端子を電気的に分離することが困難となる。
【0016】
そこで、従来では、基板25は図7に示すように、側面板1aは爪1fとは部分1tで接合されるが、爪1eとは接合されることがないようにした形状とすることで、幅W2を広くして接続部25aの各種の入力端子の間を電気的に分離することが行われていた。したがって、側面板1aに対してシールド蓋32は1つの爪1fだけで固定されているので不安定であった。
【0017】
このため、図6に示すようにシールド蓋32に外部から与えられる力Pや、爪1gによって力Pと同じ方向にシールド蓋32を引き付ける力に対して爪1fだけでは対抗できなくなり、シールド蓋32がシャーシアングル31からずれてしまう。このずれによりシールド蓋32がシャーシアングル31と電気的に接触することができなくなり、シールド蓋32とシャーシアングル31との間に電位差が生じることがある。シールド蓋32とシャーシアングル31が同電位に保たれていない場合には、RFモジュレータは性能的に不安定になるという問題があった。
【0018】
本発明は上記課題を解決するもので、シールド蓋がシャーシアングルからずれることがないようにした高周波ユニットを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、4つの側面をもち、前記側面のなかで1つの側面の高さが低くなっている四角形状のシャーシアングルと、前記シャーシアングル内に収納され高周波回路を搭載した基板と、接合用爪によって前記シャーシアングルにはめ込まれているシールド蓋とから成る高周波ユニットにおいて、前記シャーシアングルの1つの側面に隣接する他の側面の前記基板より高い位置にある一部を前記1つの側面側に切り起こして前記接合用爪と係合する係止部とし、前記1つの側面は一端に前記シールド蓋に接合される部分を有し、他端に前記他の側面からの前記係止部が設けられている。
【0020】
このような構成によると、シールド蓋の接合用爪と係合する係止部が高さの低い1つの側面に隣接する他の側面の基板より高い位置にある一部をその1つの側面側に切り起こすことによって設けられているので、シャーシアングルにはめ込まれたシールド蓋が外部からの衝撃によって機械的にずれてしまうのが防止される。これにより、シールド蓋はシャーシアングルと電気的に接続された状態に維持されるので、シールド蓋とシャーシアングルとの間に電位差が生じなくなり、高周波ユニットの性能も安定する。また、高さの低い1つの側面の一端にシールド蓋に接合される部分が設けられ、他端に他の側面からの係止部が設けられているので、シールド蓋はその1つの側面の両端で接合されるようになり、シールド蓋とシャーシアングルとの接続が安定する。
【0023】
また、本発明では、上記構成の発明において、前記シャーシアングルの1つの側面が他の側面より低いことにより前記1つの側面側に開口部が形成されており、前記開口部から前記基板の一部を外部との接続部として外部に突出させている。
【0024】
このような構成によると、開口部から基板の一部が接続部として外部に突出しているので、電源入力や信号入力等のための配線を接続部に設けることができる。
【0025】
また、本発明では、4つの側面をもつ四角形状のシャーシアングルと、高周波回路を搭載し幅が第1の幅である四角形から1つの角の部分が四角形に切り落とされてくぼみが設けられた形状を有し幅が前記第1の幅より狭い第2の幅となっている部分を外部との接続部とした基板と、接合用爪によって前記シャーシアングルにはめ込まれているシールド蓋とから成り、前記シャーシアングルの側面のうち1つの側面はその一端が他の側面の高さと同じ第1の高さになっているとともに前記一端以外は前記第1の高さより低い第2の高さになっており、前記シャーシアングル内で前記基板が前記第1の高さと前記第2の高さの間に配設されて前記くぼみが前記シャーシアングルの前記一端とかみ合い、前記接続部が前記1つの側面と前記1つの側面の端部に隣接する2つの側面との間に形成された開口部から外部に突出しており、前記一端で前記基板より高い位置に前記シールド蓋に接合される部分が設けられている高周波ユニットにおいて、前記1つの側面の第2の高さになっている部分に隣接する側面の前記基板より高い位置にある一部を前記1つの側面側に切り起こして前記接合用爪と係合する係止部としている。
【0026】
このような構成によると、基板のくぼみにシャーシアングルの1つの側面の一端がかみ合うことで、その1つの側面の一端で基板より高い位置にシールド蓋に接合される部分が設けられ、他端では第2の高さになっている部分に隣接する側面の基板より高い位置にある一部をその1つの側面側に切り起こしてシールド蓋の接合用爪と係合する係止部としているので、シャーシアングルにはめ込まれているシールド蓋が外部からの衝撃によって機械的にずれることがないようになっている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1はRFモジュレータのブロック図である。なお、テレビジョン放送の形式は各国によって様々なものがあり、RFモジュレータはその形式に合致した変調を行う必要がある。ここではRFモジュレータは映像信号をAM変調(振幅変調)し、音声信号をFM変調(周波数変調)するもので説明する。
【0028】
1はRFモジュレータである。2はテレビジョン放送受信アンテナである。3はテレビ受信機のアンテナ入力端子である。4はVTRである。RFモジュレータ1において、5はテレビジョン放送受信アンテナ2で受信した信号を入力するアンテナ入力端子である。6はアンテナ入力端子5に入力された信号から不要な低域成分を除去する高域通過フィルタである。
【0029】
7は高域通過フィルタ6を通過した信号を増幅する増幅回路である。8は増幅回路7で増幅された信号と、後述のバッファ増幅回路22で増幅された信号を混合する混合器8である。9は混合器8で混合された信号を出力するためのテレビ出力端子である。テレビ出力端子9より出力された信号はテレビ受信機のアンテナ入力端子3に送られる。
【0030】
10はVTR4から送られてくる映像信号を入力する映像信号入力端子である。11はRFモジュレータ1の動作を安定させるために映像信号入力端子10に入力される映像信号の直流レベルをRFモジュレータ1内部の直流レベルに合わせるビデオクランプ回路である。
【0031】
12はビデオクランプ回路11でクランプされた映像信号が過大な信号であるときに後段のAM変調回路13で過変調とならないようにするために、映像信号のクリップを行うホワイトクリップ回路である。なお、過変調となると、映像信号と音声信号を混合した後に、その混合された信号からテレビ受信機で音声を再生したときに、バズ音としてのノイズが混入する。AM変調回路13はホワイトクリップ回路12でクリップされた映像信号を搬送波信号入力端子18より入力される搬送波信号で振幅変調を行う。
【0032】
14はVTR4から送られてくる音声信号を入力する音声信号入力端子である。15は雑音を軽減し、音声S/Nを改善する目的で、低域に比べ高域を強調する周波数特性を音声信号にもたせるプリエンファシス回路である。テレビ受信機はプリエンファシス回路15と逆の周波数特性をもつディエンファシス回路を備えており、このディエンファシス回路で音声信号をフラットな周波数特性に戻す。
【0033】
16はプリエンファシス回路で高域が強調された音声信号を増幅する音声用増幅回路である。17は音声用増幅回路16で増幅された音声信号を搬送波信号入力端子18より入力される搬送波信号で周波数変調するFM変調回路である。搬送波信号入力端子18はVTR4から送られてくる搬送波信号を入力する。
【0034】
19はAM変調回路13で振幅変調された映像信号とFM変調回路17で周波数変調された音声信号を混合し、所定の周波数の高周波信号に周波数変換を行う周波数変換回路である。周波数変換回路19において、21は局部発振回路である。20は局部発振回路21より発振される信号と映像信号と音声信号を混合するミキサ回路である。バッファ増幅回路22は周波数変換回路19で混合され周波数変換された高周波信号を増幅する。なお、RFモジュレータ1において、高周波信号を処理する高周波回路は高域通過フィルタ6と増幅回路7と混合器8と周波数変換回路19とバッファ増幅回路22である。
【0035】
RFモジュレータ1はテレビジョン放送受信アンテナ2とテレビ受信機アンテナ入力端子3の間に介在しており、VTR4から入力される映像信号と音声信号をテレビジョン放送と同じ形式の高周波信号に変換して、混合器8でアンテナ2で受信した信号に混合してテレビ出力端子9からテレビ受信機アンテナ入力端子3に出力する。
【0036】
したがって、テレビ受信機にVTR4から出力される映像信号や音声信号を入力するAV入力が無い場合であっても、テレビ受信機はVTR4からの映像信号と音声信号を再生することができるようになる。なお、RFモジュレータ1はVTR4の他にBSレシーバ等のように映像信号と音声信号を出力する装置にも使用される。
【0037】
RFモジュレータ1のシールド蓋は上記従来のシールド蓋32(図4)と同一で、すでに説明したとおりである。図2は本実施形態のRFモジュレータ1のシャーシアングル31の斜視図である。図2において上記従来のシャーシアングル31(図5)と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。基板25は上記従来の基板25(図7)と同一で、すでに説明したとおりである。
【0038】
本実施形態では、側面板1bの基板25より高い位置にある一部を側面板1a側に切り起こすことによって係止部26が設けられているところが、上記従来のシャーシアングル31(図5)と異なる。係止部26は側面板1aのつくる平面上に平面部分をもつように形成されている。係止部26は基板25より上方に設けられている。これにより、係止部26は側面板1aがチップマウント基板25で遮られて側面板1bの上端部まで設けられていないのを補い、シールド蓋32にとって側面板1aがその箇所に存在するのと同様の役割を担っている。
【0039】
係止部26がシールド蓋32の爪1e(図4参照)と係合することになる。係止部26は爪1eと同等の大きさで形成されているので、基板25や外部と接続する配線の妨げにならない。他のシールド蓋32の爪1f〜1i(図4参照)については従来の技術で説明したようにシャーシアングル31の側面板1a〜1dにそれぞれ接触するようにシールド蓋32がシャーシアングル31に取り付けられる。
【0040】
したがって、本実施形態では図6に示したように外部から力Pがシールド蓋32に与えられても爪1eと1fの2箇所でこの力を支えることができるので、シールド蓋32がシャーシアングル31からずれてしまうことが防止できる。また、爪1gによって力Pと同じ方向にシールド蓋32を引き付ける力にも爪1e、1fで対抗できるようになり、シールド蓋32がシャーシアングル31からずれてしまうことがない。さらに、シャーシアングル31とシールド蓋32が接触しているので、シールド蓋32がシャーシアングル31と同電位に保たれるようになる。シールド蓋32とシャーシアングル31で電位差が生じることがないので電気的性能が安定する。定量的な評価については後述する表1を参照せよ。
【0041】
図3はシャーシアングル31の展開図である。シャーシアングル31は1枚のシールド板を折り曲げ加工することにより形成される。図3において図9と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。本実施形態では、上記従来技術によるシャーシアングル31(図9)に、さらに側面板1bに切り抜きにより係止部26を設け、係止部26を矢印Jのように起こしてシャーシアングル31が組み立てられる。
【0042】
このようにシャーシアングル31は1枚の板で形成されているため、シャーシアングル31の全体は電気的に接続された状態となる。そのため、シャーシアングル31全体で電位差が生じる部分がなくなる。係止部26もシャーシアングル31と同電位となる。そして、係止部26にシールド蓋32の爪1eが接触し、他の爪1f〜1iが側面板1a〜1dに接触しているのでシールド蓋32もシャーシアングル31と同電位となる。
【0043】
表1は上記従来技術によるシャーシアングル31(図5)で遮蔽したRFモジュレータ1と、本実施形態のシャーシアングル31(図2)で遮蔽したRFモジュレータ1を、映像変調度、映像出力レベル、微分利得、微分位相、音声S/N、アンテナ入力端子漏れ電圧について比較したデータである。
【0044】
【表1】
【0045】
CHは高周波回路で処理する信号のチャンネルである。周波数は映像搬送波の周波数である。映像搬送波周波数がずれるとテレビ受信機が選局できずに映像が映らなくなってしまう。映像変調度は映像入力信号に振幅変調をかける度合いを示すものである。入力が大きく過変調になると、テレビ受信機でバズ音が発生する。また、画面が白っぽくなる。
【0046】
映像出力レベルはRFモジュレータ1から出力された映像信号の大きさを示すものである。大きくすればその信号によってテレビ受信機ではきれいな画像で見ることができるが、他の信号に妨害を与えることになる。また、大きすぎるとテレビ受信機のチューナに悪影響を与え、画像が乱れる現象が生じる。
【0047】
微分利得はカラー放送において、様々な輝度レベルに振幅の等しい色副搬送波を加えた信号をRFモジュレータ1に入れ、RFモジュレータ1を通過した後に輝度レベルによって色副搬送波の振幅が変化する量を示すもので、輝度レベル0を基準にとり、各輝度レベルの色副搬送波の振幅を%で示したものである。この差が大きければ各色の強さが変わる。
【0048】
微分位相はカラー放送において、様々な輝度レベルに振幅の等しい色副搬送波を加えた信号をRFモジュレータ1に入れ、RFモジュレータ1を通過した後に輝度レベルによって色副搬送波の位相が変化する量を示すもので、カラーバースト信号の位相を基準として、各輝度レベルの色副搬送波のずれを角度で示したものである。この角度が大きいと色がずれてしまい、色が変化してしまう。
【0049】
音声S/Nは音声の検波出力とノイズ出力との比を示すものである。この比が小さいと音声ノイズが大きくなる。アンテナ入力端子漏れ電圧はRFモジュレータ1の局部発振回路21からアンテナ入力端子5に漏れてくる高周波電圧を示す。このレベルが大きいと、テレビジョン放送受信アンテナ2に高周波電圧が伝わり、テレビジョン放送受信アンテナ2から放射されるために、他の機器に妨害を与えてしまう。
【0050】
RFモジュレータ1ではスペックとして映像変調度は80±5%、映像出力レベルは73±3dBμ、微分利得0±6%、微分位相は0±6%、音声S/Nは45dB以上、アンテナ入力端子漏れ電圧は46dBμ以下であることが決められている。
【0051】
本実施形態のシャーシアングル31が用いられている場合は、従来技術のシャーシアングル31を用いた場合よりも、映像変調度、映像出力レベル、微分利得、微分位相、音声S/N、アンテナ信号入力端子漏れ電圧のいずれについても性能が向上し、しかもいずれもRFモジュレータ1のスペックで決められている基準を満たしている。
【0052】
このように本実施形態では、側面板1bの一部を切り起こして係止部26とし、シールド蓋32の接合用爪1eと係合させているので、シールド蓋32がシャーシアングル31からずれにくくなる。そのため、シールド蓋32とシャーシアングル31は電気的にも接続された状態に維持されるので、シールド蓋32とシャーシアングル31との間に電位差が生じなくなる。
【0053】
これにより、RFモジュレータ1の性能が安定する。また、係止部26を設けるために側面板1bの一部を切り抜いているが、この切り抜きによっても側面板1bは基板25に搭載された高周波回路を完全に遮蔽しているため、シールド効果が損なわれることはない。
【0054】
また、本実施形態ではRFモジュレータ1を製造する生産ラインの検査工程等でシールド蓋32が外れることがない。そのため、生産ラインにおいてシールド蓋32が外れる際に基板25上の部品が外れたり、外部のゴミ等がシャーシアングル31内に入り込んでオープン端子やショート端子ができたりする可能性がなくなる。これにより、製品の品質が向上する。
【0055】
上記従来技術では検査工程が終了した後にシールド蓋32が外れる場合があり、その場合には部品が外れたり、オープン端子やショート端子ができたりする可能性があるために、再検査を行わなければならない。従来では、これによって費用が発生する。しかし、本実施形態ではこのような事態が発生しないので製造時のコストダウンにつながる。
【0056】
また、シールド蓋32に設けられている爪1e〜1i(図4)のそれぞれについて個数や配置は任意にすることができるが、どの方向から外力が加えられてもシールド蓋32がずれてしまうことがないようにしなければならない。
【0057】
なお、RFモジュレータ1は高周波ユニットの一例であり、それ以外にも本発明はBSレシーバ等のように高周波信号を処理する高周波回路を搭載した基板をシャーシアングル31に収納し、シールド蓋32で外部からの妨害波を遮蔽する構造の高周波ユニットに適用できる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シールド蓋の接合用爪と係合する係止部が高さの低い1つの側面に隣接する側面の基板より高い位置にある一部をその1つの側面側に切り起こすことによって設けられているので、シャーシアングルにはめ込まれたシールド蓋が機械的にずれてしまうのが防止される。また、シールド蓋はシャーシアングルに電気的にも接続された状態に維持されるので、シールド蓋とシャーシアングルとの間に電位差が生じなくなり、高周波ユニットの性能も向上する。また、高さの低い1つの側面の一端にシールド蓋に接合される部分が設けられ、他端に他の側面からの係止部が設けられているので、シールド蓋はその1つの側面の両端で接合されるようになり、シールド蓋とシャーシアングルとの接合が安定する。
【0059】
なお、上述の発明の実施の形態では、図7に示すような基板25の形状を前提としていたが、第1の発明は、高さが低くなっている1つの側面の両端に隣接する2つの側面からそれぞれ基板より高い位置にある一部をその1つの側面側に切り起こして係止部を設けた構成も含み、この構成にすると基板全体の幅が接続部25aの幅W2でよいので、基板25をさらに小型化できる。したがって、高周波ユニットも小型化できる。
【0061】
また、本発明によれば、開口部から基板の一部が接続部として外部に突出しているので、電源入力や信号入力等のための配線を接続部に設けることができる。また、係止部が接続部に妨害にはならないようにすることで、接続部を大きくとることが可能である。
【0062】
また、本発明によれば、シャーシアングルの小型化によってシャーシアングルの1つの側面の一端のみにシールド蓋と接合される部分が設けられている構成であっても、その1つの側面の第2の高さになっている部分に隣接する側面の基板より高い位置にある一部をその1つの側面側に切り起こしてシールド蓋の接合用爪と係合する係止部としているので、シャーシアングルにはめ込まれたシールド蓋が外部からの衝撃によって機械的にずれることがないようになっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高周波ユニットの一実施形態であるRFモジュレータのブロック図。
【図2】 そのRFモジュレータのシャーシアングルの斜視図。
【図3】 そのシャーシアングルの展開図。
【図4】 RFモジュレータのシールド蓋の斜視図。
【図5】 従来のRFモジュレータのシャーシアングルの斜視図。
【図6】 そのシールド蓋をそのシャーシアングルにはめ込んだ状態を示す図。
【図7】 そのRFモジュレータの高周波回路が搭載される基板の斜視図。
【図8】 その基板の形状を説明するための図。
【図9】 その従来のシャーシアングルの展開図。
【符号の説明】
1 RFモジュレータ(高周波ユニット)
1a、1b、1c、1d 側面板
1e〜1i 接合用爪
2 テレビジョン放送受信アンテナ
3 テレビ受信機アンテナ入力端子
4 VTR
5 アンテナ入力端子
6 高域通過フィルタ
7 増幅回路
8 混合器
9 テレビ出力端子
10 映像信号入力端子
11 ビデオクランプ回路
12 ホワイトクリップ回路
13 AM変調回路
14 音声信号入力端子
15 プリエンファシス回路
16 音声用増幅回路
17 FM変調回路
18 搬送波信号入力端子
19 周波数変換回路
20 ミキサ回路
21 局部発振回路
22 バッファ増幅回路
25 チップマウント基板
26 係止部
30 開口部
31 シャーシアングル
32 シールド蓋
Claims (3)
- 4つの側面をもち、前記側面のなかで1つの側面の高さが低くなっている四角形状のシャーシアングルと、前記シャーシアングル内に収納され高周波回路を搭載した基板と、接合用爪によって前記シャーシアングルにはめ込まれているシールド蓋とから成る高周波ユニットにおいて、
前記シャーシアングルの1つの側面に隣接する他の側面の前記基板より高い位置にある一部を前記1つの側面側に切り起こして前記接合用爪と係合する係止部とし、
前記1つの側面は一端に前記シールド蓋に接合される部分を有し、他端に前記他の側面からの前記係止部が設けられていることを特徴とする高周波ユニット。 - 前記シャーシアングルの1つの側面が他の側面より低いことにより前記1つの側面側に開口部が形成されており、前記開口部から前記基板の一部を外部との接続部として外部に突出させたことを特徴とする請求項1に記載の高周波ユニット。
- 4つの側面をもつ四角形状のシャーシアングルと、高周波回路を搭載し幅が第1の幅である四角形から1つの角の部分が四角形に切り落とされてくぼみが設けられた形状を有し幅が前記第1の幅より狭い第2の幅となっている部分を外部との接続部とした基板と、接合用爪によって前記シャーシアングルにはめ込まれているシールド蓋とから成り、前記シャーシアングルの側面のうち1つの側面はその一端が他の側面の高さと同じ第1の高さになっているとともに前記一端以外は前記第1の高さより低い第2の高さになっており、前記シャーシアングル内で前記基板が前記第1の高さと前記第2の高さの間に配設されて前記くぼみが前記シャーシアングルの前記一端とかみ合い、前記接続部が前記1つの側面と前記1つの側面の端部に隣接する2つの側面との間に形成された開口部から外部に突出しており、前記一端で前記基板より高い位置に前記シールド蓋に接合される部分が設けられている高周波ユニットにおいて、
前記1つの側面の第2の高さになっている部分に隣接する側面の前記基板より高い位置にある一部を前記1つの側面側に切り起こして前記接合用爪と係合する係止部としたことを特徴とする高周波ユニット。
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JP24704799A JP3714829B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 高周波ユニット |
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JP24704799A JP3714829B2 (ja) | 1999-09-01 | 1999-09-01 | 高周波ユニット |
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