JP3714629B2 - 架橋重合体および当該重合体から成る医療用シート - Google Patents

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Description

本発明は、活性エネルギー線照射による架橋重合体およびこの架橋重合体から成る医療用シートに関する。より詳しくは、比較的低温で適切な粘弾性を有する活性エネルギー線照射による架橋重合体ならびにこの架橋重合体から成る放射線治療用シート、ギブス用シートおよびかつらまたは歯の型取り用シートに関する。
ポリカプロラクトンやポリイソプレン等の融点(軟化点)が40〜80℃の範囲である熱可塑性樹脂は、比較的低い温度で容易に溶融し、外力を加えると容易に変形させることができ、冷却固化すると強靭である性質を生かしてギブスやかつら、歯等の型取りシートに利用されている。
しかしながら、これらの樹脂の溶融状態における粘性は低く、弾性は無いことから、「タレ」が発生したり、過剰な外力を加えると破断したり、一旦変形すると元の形には戻らない欠点がある。
本発明者は、検討の結果、低融点熱可塑性樹脂に活性エネルギー線を照射して架橋反応を起こすことによって得られる樹脂が溶融状態におけるゴム弾性や形状記憶性を有すること、更にこの樹脂を種々の医療用シートに用いると、「タレ」やシートの破断を発生せず、自由自在にシートを型作ることができることを見い出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は融点が40〜80℃であるポリトランスイソプレン系樹脂またはエチレン系共重合樹脂に活性エネルギー線を照射して架橋反応を起こすことにより得られることを特徴とする架橋重合体を提供する。
また、本発明は上記架橋重合体から成ることを特徴とする放射線治療用シート、ギブス用シートおよびかつらまたは歯の型取り用シートを提供する。
本発明の架橋重合体は、比較的低温で溶融し、溶融時および固化時においてそれぞれ適切な粘弾性を有しているので、放射線治療用シート、ギブス用シートおよびかつらまたは歯の型取り用シートなどの材料として有用である。
本発明における融点が40〜80℃であるポリトランスイソプレン系樹脂またはエチレン系共重合樹脂としては、ポリトランスイソプレン系樹脂およびエチレン−酢酸ビニル、エチレン−塩化ビニル、エチレン−ビニルアルコール(エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物)およびエチレン−プロピレン系共重合体等の内、融点が40〜80℃の樹脂であれば、いかなる樹脂も使用できる。共重合成分が10〜40モル%の割合が、通常、融点が40〜80℃の範囲にあり、好ましい。
ポリトランスイソプレン系樹脂およびエチレン系共重合樹脂は現在商業的スケールで製造されており、好ましく使用できる。エチレン系共重合樹脂は、結晶性を有しているが、透明性に優れ、かつら型取り材等の型取りシートのうち透明性が必要とされる用途の場合に好ましく用いられる。
上記の融点が40〜80℃であるポリトランスイソプレン系樹脂またはエチレン系共重合樹脂の数平均分子量は、通常、10,000〜300,000、好ましくは40,000〜200,000、更に好ましくは60,000〜150,000の範囲である。
上記分子量が10,000未満の場合は、各種成形品を製造することが困難であり、製造されたものの機械的強度は著しく低くなる傾向があり、逆に300,000を上回る場合には溶融粘度が高すぎて、成形加工性が低減する傾向があるため好ましくない。
また融点が40〜80℃である理由としては、40℃未満のものから得られる架橋重合体では夏時期の貯蔵が困難であったり、固定用シートとして使用したとき、室温においても、なかなか固化しないため使用が困難であったりし、逆に80℃を上回るものから得られる架橋重合体の場合には、溶融した樹脂が熱いため、人体に置くことができず適当でない。
本発明の好ましい態様では、融点が40〜80℃であるポリトランスイソプレン系樹脂またはエチレン系共重合樹脂に多官能アクリル単量体および多官能アリル単量体を添加する。これらの単量体としては、特に限定はなく、多官能アクリル単量体の例としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレートおよびこれらの混合物が、多官能アリル系単量体の例としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートジアリルフタレート、ジアリルベンゼンホスフォネートおよびこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多官能アクリル単量体または多官能アリル単量体は、ポリトランスイソプレン系樹脂およびエチレン系共重合樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.3〜10重量部、更に好ましくは0.5〜5重量部の範囲で混合される。上記量が0.1重量部未満の場合は、架橋重合体の形状記憶性等が満足できるレベルではなく、逆に30重量部を上回る場合には、架橋重合体が剛直になりすぎて、靭性が低下する傾向があるため好ましくない。
活性エネルギー線としては、その波長や、エネルギー量に特に限定はないが、電子線(EB)が一般的である。これらの活性エネルギー線は、公知の装置を用いて照射できる。照射線量は、熱可塑性樹脂に架橋を生じさせるのに十分な量が適宜選択される。例えば、電子線(EB)の場合の加速電圧としては100〜300KV、吸収線量としては、0.1〜30Mradの範囲が適当である。
これらの活性エネルギー線を照射する場合、融点が40〜80℃である熱可塑性樹脂の形態については、特に限定はないが、厚さ10μm〜5mmの範囲内のフィルムまたはシートが照射効率が高いため使用し易い。特に厚さ0.5mm〜3mm程度のシートは放射線治療用シート、ギブス用シート、かつらまたは歯の型取り用シート等の医療用シートとして使用できるため好ましく用いられる。
また本発明の架橋重合体に対しては、使用用途によって任意の物質を適当な時期に混合または塗布することができる。
上記物質としては、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉末、タルク、マイカ、シリカ等の無機充填剤、顔料、各種安定剤、難燃剤、帯電防止剤、防カビ剤、可塑剤、粘性付与剤等の添加剤、熱可塑性樹脂および硬化性オリゴマー等が例示できる。
上記のようにして得られる架橋重合体の復元率は、通常80%以上である。
<実施例>
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに制限されるものではない。
なお、各物性の測定方法は下記のとおりである。
1.破断強度、500%伸び時強度および破断伸度:JIS K7113に準じる。23℃で引張強度を測定し、60℃では溶融時でのゴム強度を測定する。
2.シートの均一性:目視評価による。
3.復元率:10cm×1cm×2mmの短冊状シートを80℃の湯浴に浸し、20cmまで伸張させ、一度冷却固化させる。再び80℃の湯浴に浸し、収縮させ、復元率を算出する。
4.シートの透明性:厚さ2mmのシートを目視評価した。○:完全に透明,△:若干白濁する,×:スリガラス状に白濁する。
[実施例1および2]
市場で入手したポリトランスイソプレン系樹脂シート(30cm×20cm×3mm)を、細かく切断した。このものを、プレス成形により20cm×20cm×2mmのシートに作製し直した。
また、別にこの樹脂100重量部に対して、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリアクリレート(ダイセル−UCB製TMPEOTA)を1重量部の割合で添加し、東洋精機製ラボプラストミルミキサーを用い120℃で2分間溶融混練した混合樹脂を用い、プレス成形により20cm×20cm×2mmのシートを作製した。
これらのシートに加速電圧200kV、吸収線量5Mradの条件でシートの両面に電子線(EB)照射を行った。これらのシートの23℃および60℃における引張試験を行い、さらに、シートの均一性、複元率を評価した。結果を表−1に示す。
[比較例1]
比較のため、実施例1と同じポリトランスイソプレン系樹脂シート(20cm×20cm×2mm)の電子線(EB)照射をまったく実施しないものについて、実施例1と同様な評価を行った。結果を表−1に示す。
[実施例3〜11および比較例2および3]
表−2に示した樹脂および多官能アクリル単量体としてトリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート(TAEIC)を用い、実施例1と同様にシートを作製した。得られたシートに加速電圧5,000kVの電子線照射を行った。比較例2および3は電子線照射をしなかった。得られたシートについてシートの均一性、シート透明性、復元率および75℃での500%伸び時の強度を測定し結果を表−2に示した。

Claims (5)

  1. 融点が40〜80℃であるポリトランスイソプレン系樹脂またはエチレン系共重合樹脂に活性エネルギー線を照射して架橋反応を起こすことにより得られることを特徴とする架橋重合体。
  2. ポリトランスイソプレン系樹脂またはエチレン系共重合樹脂がそれを構成する樹脂100重量部に対して多官能アクリル単量体または多官能アリル単量体を0.1〜30重量部混合した樹脂であることを特徴とする請求項1記載の架橋重合体。
  3. 請求項1または2に記載の架橋重合体から成ることを特徴とする放射線治療用シート。
  4. 請求項1または2に記載の架橋重合体から成ることを特徴とするギブス用シート。
  5. 請求項1または2に記載の架橋重合体から成ることを特徴とするかつらまたは歯の型取り用シート。
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