JP3714522B2 - 超塑性板材のブロー成形方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所要温度に加熱された超塑性の板材を、複雑形状の型面を有するキャビティを備えた金型を用いかつ気体圧を作用させてブロー成形する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、 アルミニウム板等の超塑性の特性を有する板材を所要温度に加熱した後ブロー成形する方法が開発されている。この成形方法では、成形過程において板材の形状や厚さが変化することを考慮して、ひずみ速度の最大値を所定値以下に制御することが重要である。この制御方式として、「高橋明男等:塑性と加工(日本塑性加工学会誌)31(1990)p.1128」や「N.Suzuki et.al. : Materials ScienceForum Vols. 304-306(1999)p.777に報告」がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した従来の超塑性板材のブロー成形方法では、複雑形状の型面を有するキャビティを備えた金型を用いて特に厚い板材を成形する場合、複雑形状部分を成形する時点付近である成形末期には、1MPa以上の気体圧力が必要となる。このため、一般的な工場内の圧縮空気では対応できない状況になり、大規模な圧縮空気発生装置を備えた高価なブロー成形設備が必要になるなどの問題がある。
【0004】
本発明は上記の事情に鑑みて成されたもので、その目的は、型面の複雑形状部分を成形するに当たり、成形末期に1MPa以上の気体圧力を必要とする場合にも、1MPa以下の気体圧力でその複雑形状部分を成形可能なブロー成形方法およびその装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項の発明における超塑性板材のブロー成形方法は、所要温度に加熱された超塑性の板材を、ほぼ直角状壁面の凹みを有する複雑形状の型面を有するキャビティを備えた金型を用いかつ気体圧を作用させてブロー成形する方法であって、前記複雑形状部分を成形する時点である成形末期の直前で、前記気体圧の板材への作用を一時中断する第1工程と、前記板材付近に残留している圧縮気体を排出する第2工程と、前記板材に圧縮気体を前記複雑形状部分側に向けて噴出する第3工程と、を含むことを特徴とする
【0006】
【発明の実施の態様】
なお、本発明において用いる超塑性板材としては、アルミニウム合金板、マグネシウム合金板、チタン合金板に代表される各種のものがある。
【0008】
また、板材の加熱温度は、例えばアルミニウム板の場合、再結晶温度ないし固相線温度であって400〜550℃くらいであり、一般には材料の融点の50〜80%ぐらいである。
【0009】
【実施例】
以下、発明の一実施例について図1および図2に基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施例の概略正面図である。図1に示すように、本発明の超塑性板材のブロー成形装置は、複雑形状の型面としてほぼ直角状壁面の凹み1を有するキャビティ2および3を備えた分割式の上・下金型4・5と、圧縮気体を前記凹み1側に向けて噴射する圧縮気体噴射手段6と、前記キャビティ2・3を大気に対して開閉する開閉手段としての開閉弁7と、前記上金型4に装着され前記キャビティ2内の圧力を検知する圧力センサ8と、コントローラとしてのコンピュータ9と、で構成してある。そして、前記上金型4は図示しない昇降手段により昇降するようになっており、また前記下金型5には電気ヒータ10が内蔵してある。
【0010】
また、前記圧縮気体噴射手段6は、圧縮空気貯蔵タンク11と、圧縮空気貯蔵タンク11を導管12を介して前記上金型4の前記キャビティ3に接続する電空比例弁13とで構成してある。そして、前記開閉弁7および前記電空比例弁13は前記コンピュータ9に電気的に接続してある。また、コンピュータ9には、図2で示す気体圧力パターンのグラフが記憶してある。
【0011】
なお、この気体圧力パターンのグラフは、上述した高橋氏等の理論に基づいて算出した結果をグラフで表示したものである。すなわち、超塑性板材の特性は、数式:σ=KVm……(1)で表示される。ここで、σは相当応力、Kは応力レベルを表す定数、Vは相当ひずみ速度、mはひずみ速度感受性指数である。
【0012】
また、半球成形における力学的バランス式は、数式:P=σφt/ρ……(2)
で表示される。ここで、Pは気体圧力、σφは円周方向の応力、tは板厚、ρは曲率半径である。なお、円周方向の応力σφは、対称性を考慮すると相当応力σと同一視することができる。
【0013】
そこで、(1)式に所定の最大ひずみ速度を代入することにより最大速度の相当応力を求め、求めた最大速度の相当応力を、(2)式に円周方向の応力所定σφとして代入することにより、成形工程中において板厚tおよび曲率半径ρが時々刻々と変化する気体圧力Paを求めることができる。
【0014】
本実施例では、超塑性板材として厚さ1.5mmのアルミニウム板を用いた。また、ひずみ速度感受性指数m値は0.322、応力レベルを表す定数Kは9.23×10−7、最大ひずみ速度は10−3
[1/s]として気体圧力Paを算出し、その結果を表示すると、図2で示めすグラフのようになる。
【0015】
次に、このように構成された超塑性板材のブロー成形成形装置により厚さ1.5mmのアルミニウム板Pを成形する手順について述べる。まず、アルミニウム板Pを図1に示すように、予め所定温度に加熱された上・下金型4・5の間にこれらで挟持するようにしてセットする。次いで、コンピュータ9の管理の下に、開閉弁7が閉じられかつ電空比例弁13が適宜開かれて上金型4のキャビティ3に圧縮空気が供給され、アルミニウム板Pに気体圧が作用される。これにより、アルミニウム板Pはブロー成形される。
【0016】
この場合、図2に示すように、この気体圧パターンでは成形末期において1MPa以上の気体圧力が必要である。そこで、気体圧パターンにおいて、1MPa以下の圧力レベルで制御が必要な領域である1790秒以下では、電空比例弁13の制御によりアルミニウム板材に図2に示す気体圧が作用する。
【0017】
そして、成形末期であって1MPa以上の圧力が必要となった時点では、電空比例弁13は閉じられ、開閉弁7が開けられて、キャビティ3・2内から圧縮空気が排気される。その後、開閉弁7が再び閉じられるとともに、電空比例弁13が一気に開けられて、キャビティ3内に瞬時に圧縮空気が導入される。これにより、アルミニウム板材Pは、この際の圧縮空気の衝撃力によって1MPa以上の圧力が作用して、成形されることとなる。
【 0018】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、請求項1に記載の発明は、所要温度に加熱された超塑性の板材を、ほぼ直角状壁面の凹みを有する複雑形状の型面を有するキャビティを備えた金型を用いかつ気体圧を作用させてブロー成形する方法であって、前記複雑形状部分を成形する時点である成形末期の直前で、前記気体圧の板材への作用を一時中断する第1工程と、前記板材付近に残留している圧縮気体を排出する第2工程と、前記板材に圧縮気体を前記複雑形状部分側に向けて噴出する第3工程と、を含むから、型面の複雑形状部分を成形するに当たり、成形末期に1MPa以上の気体圧力を必要とする場合にも、1MPa以下の気体圧力でその複雑形状部分を容易かつ確実に成形することができるなどの優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概略正面図である。
【図2】ひずみ速度の最大値を所定値にするための気体圧力パターンの例を示すグラフである。
【符号の説明】
4 上金型
5 下金型
6 圧縮気体噴射手段
7 開閉弁
9 コンピュータ
Claims (2)
- 所要温度に加熱された超塑性の板材を、ほぼ直角状壁面の凹みを有する複雑形状の型面を有するキャビティを備えた金型を用いかつ気体圧を作用させてブロー成形する方法であって、
前記複雑形状部分を成形する時点である成形末期の直前で、前記気体圧の板材への作用を一時中断する第1工程と、
前記板材付近に残留している圧縮気体を排出する第2工程と、
前記板材に圧縮気体を前記複雑形状部分側に向けて噴出する第3工程と、
を含むことを特徴とする超塑性板材のブロー成形方法。 - 所要温度に加熱された超塑性の板材を、複雑形状の型面を有する金型を用いかつ気体圧を作用させてブロー成形する超塑性板材のブロー成形装置であって、
ほぼ直角状壁面の凹みを有する複雑形状の型面を有するキャビティを備えた分割式金型と、
前記板材に圧縮気体を前記複雑形状側に向けて噴射する圧縮気体噴射手段と、
前記キャビティ内を大気に対して開閉する開閉手段と、
前記圧縮気体噴射手段および前記開閉手段を制御するコントローラと、
を具備し、
これにより、前記複雑形状部分を成形する時点である成形末期の直前で前記気体圧の板材への作用を一時中断し、続いて、前記板材付近に残留している圧縮気体を排出し、その後、前記板材に圧縮気体を前記複雑形状部分側に向けて噴出するようにしたことを特徴とする超塑性板材のブロー成形装置。
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