JP3714517B2 - プラズマトーチ、プラズマトーチ用電極及びその製造方法 - Google Patents
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【発明が属する技術分野】
本発明は、プラズマアークを用いた切断又は溶接などのプラズマ加工に用いられるプラズマトーチに関し、特にトーチのサイズを小型化するための構造上の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマトーチの構造は基本的に、電極、ノズル、ノズル保護キャップなどのいずれも筒形の複数の部品が多重に同軸で組み合わされたものであり、これら筒形の部品と部品の間には冷却水通路や作動ガスやアシストガスなどの各種ガスの通路などが存在する。これらの部品のサイズによってトーチ全体のサイズが決まるが、それを左右する最も大きな要因の一つが、必要とされる冷却能力の大きさである。定格アーク電流の大きいトーチほど、必要な冷却能力は大きくなり、よってサイズが大きくなる。例えば、40A程度の小電流のトーチでは、電極だけを水冷し、ノズルやその外側のキャップ類はアシストガスなどによる空冷で済ませることができ、しかも、電極内の冷却水路も細くて済む。これに対し、例えば、300A程度の大電流のトーチは、冷却水路が太いことは勿論、それに加え、電極だけでなくノズルやキャップ類も水冷するためにそれらの部品全てに冷却水路を備えるというように、構造面でも複雑化し、サイズは各段に大きい。また、例えば120A程度の中電流のトーチは、例えば、電極とノズルは水冷し、キャップ類は空冷するというような中間的な構造を有し、サイズも中程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のプラズマトーチは、その定格電流値に応じて、必要となる冷却能力の違いから、それぞれ独自の構造を有し、そして、電流値が大きいほど、構造は複雑になり、サイズは大きくなる。
【0004】
しかし、トーチのサイズはできるだけ小さいほうが、加工作業のし易さ、トーチ移動制御のし易さ、及び、消耗品であるノズルや電極が小さくなることにより製造コストが低くなってランニングコストが低くなるなどの様々な面で有利である。そのため、特に大電流のトーチのサイズをもっと小型化したいという要求がある。また、1種類のトーチで、種々の電流値について汎用に利用できた方が有利である。例えば、従来の中電流トーチに匹敵するサイズのトーチで、中電流だけでなく大電流にも使うことができれば、設備投資やメンテナンスなどの様々な面で有利である。このような要求に応えようとする上で最大の問題は、小さいサイズのトーチにおいて高い冷却能力をいかに確保するかという点である。すなわち、冷却能力は冷却水量に依存し、冷却水を大量に流せばその分、冷却量力は向上する。冷却水量を増やす安易な方法は、冷却水を圧送するためのポンプの吐出圧を高めることである。しかしながら、水回路の抵抗(圧損)は水量の二乗に比例するため、ポンプ吐出圧を多少上げても、満足できる水量増加の効果は期待できない。そのため、トーチの構造面から、水回路の圧損を小さくする工夫が必要となる。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記の要求に応えるために、小さいサイズであっても水回路の圧損が小さく、よって大きい冷却能力が発揮できるプラズマトーチを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点に従うプラズマトーチは、プラズマアークの発生点となる耐熱インサートが取りつけられた閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、この電極の外側を包囲し、電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、冷却水を出す水出口をもった先端部を有し、水出口が電極の先端部の近傍まで到達するように電極の内部に挿入されている導水管とを備える。導水管は、水出口から所定の長さにわたる先端側部分と、この先端側部分よりも基端側に位置する基端側部分とを有する。そして、導水管の太さは、先端側部分にて基端側部分よりも細くなっている。
【0007】
このプラズマトーチでは、電極内部に挿入される導水管が、先端側部分にて基端側部分より細くなっているため、それに合わせて、電極の先端側部分も細くすることができる。電極の先端側部分には、その外側にノズルなどの諸部品が被さるので、電極の先端側部分を細くすることができることにより、トーチ全体も細く小型化することができる。
【0008】
好適な実施形態では、電極内の耐熱インサートが電極内部の冷却水通路の露出していて、冷却水に直接晒される。これにより、耐熱インサートの冷却効率が向上するので、電極の先端側部分の冷却水路を細くして小型化することが一層容易になる。
【0009】
本発明の第2の観点に従うプラズマトーチは、プラズマアークの発生点となる閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、電極の外側を包囲し、電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、冷却水を出す水出口をもった先端部を有し、水出口が前記電極の先端部の近傍まで到達するように電極の内部に挿入されている導水管と、導水管の内部に形成され、導水管の水出口まで冷却水を導く第1の冷却水通路と、導水管と電極との間に形成され、水出口から出た冷却水を電極の内周面に沿って流す第2の冷却水通路とを備える。そして、第1と第2の冷却水路の断面積がほぼ同等になっている。
【0010】
このプラズマトーチによれば、限られた電極内側のスペースは、往復の第1と第2の冷却水路に振り分けられ、冷却水は第1の冷却水路を流れた後に第2の冷却水路を流れる。このとき、第1と第2の冷却水路の断面積がほぼ同等であるため、第1から第2へと繋がる冷却水路の抵抗(圧損)が最小になって、最大の冷却水量つまり最大の冷却能力が得られる。
【0011】
本発明の第3の観点に従うプラズマトーチは、プラズマアークの発生点となる閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、電極の外側を包囲し、電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、プラズマトーチの中心軸から外れた位置で中心軸にほぼ平行な方向に走っている、ノズルの冷却のための冷却水が通る冷却水通路とを備える。そして、冷却水通路の断面形状が、トーチ中心軸を中心とした円周の方向の寸法が半径の方向の寸法より長い扁平な形状である。
【0012】
このプラズマトーチによれば、冷却水路が半径方向に短い代わりに周方向には長い扁平形状であるため、必要な冷却水路の断面積を確保しつつ、トーチの径を細くすることができる。好適な実施形態では、冷却水通路の断面形状が、半径方向に短径をもつ、単純な長円又は円周に沿って湾曲した長円である。
【0013】
本発明の第3の観点に従うプラズマトーチは、プラズマアークの発生点となる閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、電極の外側を包囲し、電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、プラズマトーチの中心軸から外れた位置でトーチ中心軸にほぼ平行な方向に走っている、ノズルの冷却のための冷却水が通る冷却水通路とを備える。そして、冷却水通路が複数本の副通路に分かれている。
【0014】
このトーチにおいても、必要な冷却水路の断面積を確保しつつ、トーチの径を細くすることができる。トーチ径を細くする目的から、複数本の副通路は周方向に配列するのが好ましい。
【0015】
本発明の第4の観点に従うプラズマトーチは、プラズマアークの発生点となる閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、電極の外側を包囲し、電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、ノズルの外側を包囲し、プラズマトーチの外殻として機能するキャップと、ノズルの外周面とキャップの内周面との間に形成され、ノズルとキャップを同時に冷却する冷却水通路と、キャップに形成されたアシストガス(例えば、2次ガス又は3次ガスなど)通路とを備える。
【0016】
このトーチでは、同じ冷却水通路を流れる冷却水でノズルとキャップを同時に冷却できるので、ノズル用の冷却水通路とキャップ用の冷却水通路を別に設ける必要が無く、よって、トーチが小型化できる。
【0017】
以上のような本発明に従うプラズマトーチは、従来のトーチと同じ冷却能力を維持しつつ、従来のトーチより小型化できる。また、本発明に従うプラズマトーチは、従来のトーチと同じサイズで、より大きい冷却能力が発揮できるので、従来より大きい電流でも使用できより汎用的である。また、より大きな冷却能力により、電極やノズルの耐久性が向上する。更に、同じ水量で冷却水を流す場合においても、本発明によれば水回路の圧損が小さくすることができるので、水ポンプの吐出圧を低く設定でき、よって、水ポンプの耐久性が向上する(一般に、水ポンプは吐出圧が高くなるほど耐久性が低下する)。
【0018】
本発明の第5の観点に従うプラズマトーチ用電極は、閉じた先端部をもち内側に冷却水通路をもつ筒形の電極本体と、この電極本体の先端部に埋め込まれ、その前面にてアーク発生点を提供する耐熱インサートとを備え、耐熱インサートが電極本体に冶金的に結合されており、且つ、耐熱インサートの背面が電極本体の内側の冷却水通路に露出している。
【0019】
このプラズマトーチ用電極では、耐熱インサートの背面が冷却水通路に露出して直接水冷されるので、冷却効率が高い。それに加え、耐熱インサートが電極本体に蝋接などの方法で冶金的に結合されているため、耐熱インサートと電極本体との機械的、電気的及び熱的な結合状態は極めて良好であり、そのため、例えば圧入などの方法で耐熱インサートを電極本体に埋め込んだ場合に比較して、耐熱インサートの電極への埋め込み深さを浅くすることができる(つまり、耐熱インサートの長さは短くて良い)。その結果、耐熱インサートを十分に短くして、その水冷される背面を、前面のアーク発生点に近接させることができ、よって、優れた冷却能力を発揮できる。更に、冷却能力が高いために、電極の寿命も長い。
【0020】
好適な実施形態では、冷却水との接触面積を広くするために、耐熱インサートの背面が膨らんだ形状を有していいる。
【0021】
本発明の第6の観点に従がうプラスマトーチ用電極の製造方法は、閉じた先端部をもち内側に冷却水通路をもつ筒形の電極本体を用意するステップと、電極本体の先端部に耐熱インサートを埋め込み、電極本体と耐熱インサートとを冶金的に結合するステップと、耐熱インサートが埋め込まれた電極の先端部の、冷却水通路に臨む部分を切除することにより、耐熱インサートの背面を冷却水通路に露出させるステップとを有する。
【0022】
この製造方法によれば、上述した新規な構造のプラスマトーチ用電極を製造することができる。
【0023】
好適な実施形態では、電極本体と耐熱インサートを冶金的に結合するために、次のような方法を行う。まず、電極本体の先端部の前面側に形成された凹部内に、蝋材片がより奥に位置するようにして、蝋材片と耐熱インサートとを挿入する。次に、蝋材片と耐熱インサートが凹部に挿入された状態の電極本体を加熱して蝋材片を溶融させると同時に、耐熱インサートを凹部の奥へ押し込むことにより、凹部内で溶融した蝋材を耐熱インサートの周囲に回り込ませる。次に、凹部内で溶融した蝋材が耐熱インサートの周囲に回り込んだ状態で電極本体を冷却することにより、耐熱インサートの外面と凹部の内面の蝋接を完成させる。
【0024】
この蝋接方法は、簡単で高い生産効率をもつため、電極の製造コストを下げることができる。従って、冷却能力が高く、よって寿命の長い電極を、低いコストで製造することおができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態にかかる切断用のプラズマトーチの中心軸に沿った断面を示す。
【0026】
プラズマトーチ1は、トーチ移動機構(図示せず)に固定されている部分(以下、「トーチ本体」という)と、このトーチ本体に着脱自在に取りつけられている部分とに大別できる。着脱自在な部分とは、トーチ軸心から外側に向かって順に、電極3、絶縁筒5、ノズル7、絶縁リング9、ノズル保護キャップ11及び保持キャップ13であり、これらは消耗品であり随時に交換される。
【0027】
トーチ1の中心軸位置に、電極3内部へ冷却水を導入するための断面円形の導水管15が配置されている。導水管15の基端部分の外周に、これと同軸の位置関係で、円筒形のインナースリーブ17が嵌められている。インナースリーブ17の先端部の内側に、円筒形の電極3の基端部が嵌め込まれる。この電極3は閉じた先端部3Aをもち、この先端部3Aの中央のアーク発生点となる部分には、ハフニウム製などの耐熱インサート4が取りつけられている。耐熱インサート4の背面は、電極3内部の冷却水が流れる空間に露出している。
【0028】
導水管15は、インナースリーブ17の先端面より前方へ突出して電極3の内部に奥深く入り込み、導水管15の水出口15Aは電極3の先端部3Aの耐熱インサート4の直ぐ背後の位置まで達している。導水管15は、その径の太さに着目すると、インナースリーブ17内に入っている太い大径部15Bと、電極3内に入っている先端の水出口15Aから所定長にわたる細い小径部15Dと、大径部15Bと小径部15Dとを繋ぐテーパしたテーパ部15Cとから構成される。このような導水管15の太さの変化に合わせて、電極3の太さも同様に変化している。すなわち、電極3は、導水管大径部15Bが入っている基端側部分3Bにて太く、導水管テーパ部15Cが入っている部分3Cにて内径がテーパし、そして、導水管小径部15Dが入っている先端側部分3Dにて細い。そして、電極3の細い先端側部分3Dの外側にノズル7が被せられる。そのため、この電極3の細い先端側部分3Dはトーチ1の全体の太さを細くするのに寄与する。この理由から導水管15の小径部15Dの外径はできるだけ細い方が好ましいが、一方、導水管15の内径(つまり、冷却水通路19の断面積)は小径部15Dと大径部15B間に大きな差がないほうが望ましい。この要求を満たすために、導水管15の壁の厚みを、小径部15Dでは大径部15よりも薄くしている。
【0029】
導水管15は、その内部に冷却水通路19を有する。電極3の内周面と導水管15の外周面との間に、冷却水路21が形成されている。インナースリーブ17の内周面と導水管15の外周面との間に、冷却水路23が形成されている。インナースリーブ17の周壁を貫通して、冷却水路25が形成されている。これらの冷却水路19、21、23、25はこの順序で連通している。電極3内の冷却水路19及び21はほぼ同等の断面積をもつように設計されており、それにより、限られた電極内側のスペースを振り分けた往復の冷却水路19及び21の抵抗(圧損)は最小になる。その下流の冷却水路23及び25は、その圧損を最小にすべく、構造上の可能な範囲で、最大の断面積を有するように設計されている。
【0030】
インナースリーブ17の先端部分の外周には、電極3の耐熱インサート4におけるアーク発生点を回転移動させるためのリングマグネット27が嵌められている。インナースリーブ17の基端部分の外周には、円筒形のアウタースリーブ29が嵌められている。アウタースリーブ29の先端部には、短円筒状のノズル台座31が固定され、このノズル台座31の先端部に、先端に向かってテーパした概略円錐筒形のノズル7が取りつけられている。ノズル7は、電極3と同軸の位置関係で、電極3の前述した細い部分3Dの外側に被さっており、耐熱インサート4の正面となるノズル先端部の中心軸位置に、プラズマアークを細く絞って前方へ噴出させるためのノズルオリフィス7Aを有している。
【0031】
ノズル7と電極3との間には、両者を電気的に絶縁するための円筒形の絶縁筒5が嵌め込まれている。ノズル7と絶縁筒5との間に、作動ガス通路33が形成されており、この作動ガス通路33には、図示しない作動ガス供給路(これは、アウタースリーブ29とノズル台座31の内部を通っている)から作動ガスが流入する。ノズル7と電極3の先端部3Aとの間には、ノズルオリフィス7Aに連通する作動ガス通路35が形成されている。また、絶縁筒5には、作動ガス通路33と作動ガス通路35を連通するように、周方向に一定間隔で、半径方向に対して周方向に若干角度傾斜して穿たれた、複数の作動ガススワラ穴5Aを有している。作動ガスは、作動ガス通路33から作動ガススワラ穴5Aに入り、作動ガススワラ穴5Aから旋回流となって作動ガス通路35へ噴出する。この作動ガス旋回流は、作動ガス通路35を流れて、耐熱インサート4の正面でアークのエネルギーによりプラズマ化され、プラズマ旋回流となってノズルオリフィス7Aから噴出する。
【0032】
ノズル7の先端部に、図示しないワークやワークから吹き上がる溶融金属などからノズル7を保護するための短円筒形のノズル保護キャップ11が被せられている。ノズル7とノズル保護キャップ11との間には、両者を電気的に絶縁する絶縁リング9が嵌め込まれている。この構造の外側に、先端へ向かってテーパした円筒形の保持キャップ13が被せられている。また、アウタースリーブ29の基端部の外周に円筒形の固定リング37が嵌められおり、この固定リング37の外周に円筒形の回転リング39が嵌められている。固定リング37の外周の雄螺子37Aと回転リング39の内周の雌螺子39Aが噛み合っており、それにより、回転リング39はトーチ中心軸を中心にして回転自在であり、かつその回転に伴ってトーチ中心軸と平行方向に進退する。そして、回転リング19の先端部にある環状爪19Bと保持キャップ13の基端部の外周にあるフランジ13Aとが係合した状態で、回転リング19が最も後退した位置まで回転させられ、それにより、回転リング19が保持キャップ13をトーチ本体に引き付けて固定している。また、保持キャップ13の先端部にある環状爪13Bが、ノズル保護キャップ11の基端部にあるフランジ11Aに係合しており、それにより、保持キャップ13が、ノズル保護キャップ11、絶縁リング9、ノズル7、絶縁筒5及び電極3のセットをトーチ本体に引き付けて固定している。保持キャップ13は、このような内部の諸部品の保持機能の他に、トーチ1の先端側部分にけるトーチ1の外殻としての機能も併せもつ。
【0033】
アウタースリーブ29は、半径方向に走る冷却水通路41と、トーチ中心軸に平行な方向へ走る冷却水通路43と、この冷却水通路43から離れた場所で同じくトーチ中心軸に平行な方向へ走る別の冷却水通路47とを有する。また、ノズル7の外周面と保持キャップ13の内周面とノズル保護キャップ11の基端面の間に、ノズル7の外側を包囲する冷却水通路45が形成されている。インナースリーブ17内の冷却水通路25と、アウタースリーブ29内の冷却水通路41及び43と、ノズル3を包囲する冷却水通路45と、アウタースリーブ29内のもう一つの冷却水通路47は、この順序で連通している。冷却水通路47は、また、図示しない冷却水排出路に連通している。アウタースリーブ29内の冷却水路41、43、47はいずれも、冷却水による圧損を最小にすべく、構造上可能な範囲で、最大の断面積を有するように設計されている。
【0034】
冷却水は、矢印で示すように、まず、導水管15内の冷却水路19を通って水出口15Aから出て、電極3の先端部3Aの最も高温の耐熱インサート4の背面に当たり、耐熱インサート4を冷却する。耐熱インサート4は冷却水に直接晒されて効果的に冷却される。また、耐熱インサート4の前面は平らであるが、その背面は図示のように中心で高く周囲で低い湾曲した形状をしており、それにより、背面の面積つまり冷却水との接触面積が広く確保されている。また、この湾曲形状は、水出口15Aから出た冷却水をスムーズに折り返させて冷却水通路21へ導く役目ももつ。導水管15の水出口15Aの周囲には、1個又は2個以上のスリット15Eが設けられている。冷却水路19を流れる冷却水のうちある程度の割合の部分は、耐熱インサート4には触れずに、スリット15Eを抜けて冷却水通路21へ入り、ノズル7の冷却の方に有効に寄与する。冷却水通路21に導かれた冷却水は、電極3の内周面に沿って冷却水通路21を流れる間に電極3を冷却し、次に、冷却水路23、25、41、53を順に通りぬけて、ノズル7を包囲する冷却水通路45に入る。この冷却水路45に入った冷却水は、冷却水路45を流れる間に、ノズル7を冷却すると共に、ノズル保護キャップ11と保持キャップ13も冷却する。このように、ノズル7とノズル保護キャップ11と保持キャップ13というノズル周りの冷却を要する部品全てが、1つの同じ冷却水路45内に露出していて、そこを流れる冷却水により同時に冷却されることは、必要な冷却水路の数を最小にして(特に、保持キャップ内などに冷却水通路を設ける必要を無くして)、トーチのサイズを小型化するのに寄与する。冷却水路45を通りぬけた冷却水は冷却水路47を通ってトーチ1外へ排出される。
【0035】
保持キャップ13の基端部とアウタースリーブ29との間に、環状の2次ガス通路51が形成されている。また、保持キャップ13の外周面に、周方向へ一定間隔で、保持キャップ13の基端部から先端部へと走る多数本の溝13Cが形成されており、各溝13Cの外側の開口は細長い蓋13Dで完全に覆われ、この蓋13Dで覆われた溝13C内の空間が2次ガス通路53となっている。保持キャップ13内の多数本の2次ガス通路53の各々は、その基端にて、保持キャップ13の基端部に形成された多数の2次ガス導入穴13Eを通じて、保持キャップ13とアウタースリーブ29間の環状の2次ガス通路51に連通している。また、保持キャップ13内の多数本の2次ガス通路51の各々は、その先端にて、保持キャップ13の先端部に形成された多数の2次ガス噴出穴13Fを通じて、保持キャップ13とノズル保護キャップ11との間に形成された環状の2次ガス通路55に連通している。この環状の2次ガス通路55は、ノズル保護キャップ11に、周方向へ一定間隔で、半径方向に対して周方向へ若干角度傾斜して穿たれた、複数個の2次ガススワラ穴11Cに連通している。それらの2次ガススワラ穴11Cは、ノズル保護キャップ11とノズル7の先端部との間に形成された2次ガス通路57に連通し、この2次ガス通路57は、ノズル保護キャップ11の先端に形成された、ノズルオリフィス7Aより大きい径をもつ2次ガス噴出口11Bに連通する。
【0036】
2次ガスは、アウタースリーブ29内に形成されている図示しない2次ガス供給路から2次ガス通路51に流入し、続いて、保持キャップ13内の多数本の2次ガス通路53を通って、保持キャップ13先端部とノズル保護キャップ11との間の2次ガス通路55に至り、更に、ノズル保護キャップ11を外側から内側へ貫通する複数の2次ガススワラ穴11Cを通り、旋回流となってノズル保護キャップ11内側の2次ガス通路57に噴出する。この2次ガス旋回流は2次ガス通路57を通り、2次ガス噴出口11Bから、ノズルオリフィス7Aから噴出するプラズマアークの周囲に噴出する。2次ガススワラ穴11Cが作る2次ガス旋回流の旋回方向と、作動ガススワラ穴5Aが作るプラズマアーク(作動ガス)旋回流の旋回方向とは同一である。
【0037】
固定リング37には、3次ガスを供給する3次ガス通路61が形成されている。この3次ガス通路61は、固定リング37と回転リング39との間に形成された環状の3次ガス通路63に連通する。また、保持キャップ13は、前述した2次ガス通路53の他に、これと同様に溝13Gと蓋13Hで構成された、基端部から先端部へ走る多数本の3次ガス通路65も有しており、各3次ガス通路6と各2次ガス通路53は交互に配置されている。これら多数本の3次ガス通路65は、その基端にて、保持キャップ13の基端部に形成された多数の2次ガス導入穴13Iを通じて、固定リング37と回転リング39間の環状の3次ガス通路63に連通する。また、これら多数本の3次ガス通路65は、その先端にて、保持キャップ13の先端部に穿たれた多数の3次ガススワラ穴13Jに連通する。これら3次ガススワラ穴13Jも、3次ガスを2次ガスと同方向へ旋回するように、周方向に一定間隔で、半径方向に対して周方向へ若干角度傾斜しており、その出口はノズル保護キャップ11を先端部を囲む環状の3次ガス通路67に開いている。
【0038】
3次ガスは、固定リング37内の3次ガス通路61から、固定リング37と回転リング39間の3次ガス通路63に流入し、続いて、保持キャップ13内の多数本の3次ガス通路65を通って、保持キャップ13先端部の3次ガススワラ穴13Jに至り、3次ガススワラ穴13Jから旋回流となって2次ガス旋回流の周囲に噴出する。
【0039】
上述したように、保持キャップ13の内部に2次ガス通路53と3次ガス通路65を形成しているため、保持キャップ13とノズル7との間に2次ガスや3次ガスの通路を設ける必要がない。このことのために、ノズル7と保持キャップ13との間の空間を全て冷却水路45として利用することができ、その結果として、上述したように、1つの同じ冷却水路45でノズル7、保持キャップ13及びノズル保護キャップ11を同時に冷却でき、余計な冷却水路が不用で小型化できるというメリットが得られる。
【0040】
図2は、図1のA−A線に沿ったプラズマトーチ1の横断面図である(アウタースリーブ29より外側の部品は図示省略してある)。
【0041】
図2に示すように、アウタースリーブ29内のトーチ中心軸と平行に走る冷却水通路43及び47の断面の形状は、円周方向に長く半径方向に短い扁平な長円形である。このように冷却水通路43及び47の断面形状が半径方向に短い扁平形状であるために、断面が真円形の冷却水通路をもった従来のトーチに比較して、冷却水路の断面積を必要十分なだけ確保しつつ、トーチの太さをより細くすることができる。なお、図2に示した例では、冷却水通路43、47の断面形状は、円周に合わせて弧状に湾曲した長円形であるが、必ずしもそのように湾曲する必要はなく、湾曲しない単純な長円形や長方形でも良い。
【0042】
また、上記の1本の冷却水通路43又は47を、上記のように扁平な断面形状にする代わりに、複数本の副通路に分けて、それら複数本の副通路を周方向に配列してもよい。この場合、個々の副通路の径は上述した1本の冷却水通路43又は77よりも小さいが、複数の副通路の断面積の合計が上述した1本の冷却水通路43又は77とほぼ同等になるようにする。細い副通路を周方向に並べてあるので、上述した扁平断面の1本の冷却水通路を用いる場合と同様に、トーチを細くすることができる。このように本来1本でよい冷却水通路を複数本の細い副通路に分散させる方法は、ガス通路や他の部品との配置の関係で十分大きい断面積をもった1本の冷却水通路が確保し難い場合に有効である。
【0043】
なお、図2中の参照番号71及び73は、図1では図示しなかった作動ガス供給路を指し、参照番号75及び77は、図1には図示しなかった2次ガス供給路を指す。ガス供給路71〜75は、冷却水通43、47に比べるとそれほど大きい断面積を必要としないので、図示のように断面形状が真円形でもよいが、勿論、冷却水路と同様に断面を扁平形にしたり、より細い複数本の副通路に分けたりしてもよい。
【0044】
図3及び図4は、図1に示したトーチ1で用いられる電極を製造する工程の一例を示す。
【0045】
図3(A)に示すような例えば銅製又は銅を主成分とする合金製の円筒形の電極本体81を用意し、その先端部の耐熱インサート挿入用の円柱形凹部81Aに、図3(B)に示すように、まず蝋材、例えば銀蝋の小片83を入れ、次に、凹部81より僅かに径の小さい円柱形の例えばハフニウム製やジルコニウム製の耐熱インサート85を挿入する。次に、このように準備した電極本体81を、その先端部を上に向けた姿勢に保持して、図3(C)に示すように、耐熱インサート85の上に錘87を載せ、これを真空炉又は不活性ガス炉89に入れて、銀蝋83による蝋接けに適した温度で所定時間加熱する。すると、電極本体81の凹部81A内の銀蝋83が溶融し、それに伴って、錘87の荷重で耐熱インサート85が凹部81A内により深く沈下していき、その圧力や表面張力などにより、溶融した銀蝋83が耐熱インサート85の周囲の全域に回り込む。
【0046】
その後、炉89から出して冷却することで、図4(A)に示すように、耐熱インサート85が電極本体81の凹部81Aに完全に埋め込まれ、そして、その耐熱インサート85の外面が凹部81Aの内面に銀蝋83によって蝋接された(つまり、拡散結合により冶金的に接合された)ものが出来上がる。
【0047】
次に、図4(B)に示すように、電極本体81の先端部とそこに埋め込まれた耐熱インサート85の前面部分87を切削又は研磨して平坦化する。更に、電極本体81の先端部と耐熱インサート85の背部85を切削により除去して、耐熱インサート85の背面85Aを電極81の内部の空間(冷却水通路)へ露出させる。
【0048】
切削後の耐熱インサート85は、冷却水との接触面積を大きくするために、図示のように膨らんだ形状の背面85Aを有している。それに加え、冷却効果をできるだけ大きくするために、図3(F)に示すように、切削により作られた水冷面(耐熱インサート背面)85Aを、耐熱インサート85前面の最も高温になるアーク発生点85Bに対し可能な限り近接させている。
【0049】
従来、電極内側の冷却水通路に耐熱インサートを露出させた電極構造は、耐熱インサートを電極本体に圧入して機械的に結合させた電極では知られている(特開昭60−247491号、特開昭61−92796号)が、耐熱インサートを電極本体に蝋接(拡散結合)などで冶金的に結合した電極では知られていない。耐熱インサートを電極本体に圧入したものでは、機械的な接合強度や水のシール性を確保するために、電極本体と耐熱インサートとの接合面(円筒面)の深さ(つまり、耐熱インサートの挿入深さ)がかなり必要であり、通常、耐熱インサートの直径の3倍以上は必要である。そのため、耐熱インサートの背面を冷却水路に露出させても、冷却面とアーク発生点とが遠く離れているために、冷却効果はそれほど高くはない。これに対し、図3及び図4の方法で製造した電極では、耐熱インサートが電極本体に蝋接されているため、耐熱インサートの挿入深さはそれ程長くは必要なく、よって、冷却面をアーク発生点に十分に近接させることができるため、従来のものよりずっと高い冷却効果を得ることが出来る。
【0050】
一方、従来の耐熱インサートを電極本体に蝋接した電極には、耐熱インサートを電極内冷却水通路に露出させたものは無い。その理由として、耐熱インサートの蝋接作業にかなりの手間がかかるため、それに加えて耐熱インサートを電極内冷却水通路に露出させるための切削加工を行うとなると、製造コストが高くなるという問題が挙げられる。これに対し、図3及び図4に示した製造方法によれば、電極本体の凹部に蝋材小片と耐熱インサートを単に入れてその上に錘を載せて炉に入れる、という非常に簡単な方法で蝋接ができる。しかも、1回の炉内処理で大量の電極を一挙に蝋接するバッチ処理が可能である。そのため、耐熱インサートを露出させるための切削工程をその後に行っても、高い生産効率を得ることができ、よって、製造コストをある程度低く抑えらることができる。
【0051】
このように、図3及び図4に示した製造方法によれば、従来よりも冷却能力が高い電極を低コストで製造することができる。更に、冷却能力が高いので電極の寿命も長くなり、電極交換の頻度が減りランニングコストが低くなる。
【0052】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これらの実施形態はあくまで本発明の説明のための例示であり、本発明をこれら実施形態にのみ限定する趣旨ではない。従って、本発明は、その要旨を逸脱することなしに、上記実施形態以外の様々な形態でも実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる切断用のプラズマトーチの中心軸に沿った縦断面図。
【図2】図1のA−A線に沿ったプラズマトーチ1の横断面図(アウタースリーブ29より外側の部品は図示省略してある)。
【図3】図1に示した電極の製造工程の前半部分を示す断面図。
【図4】図1に示した電極の製造工程の後半部分を示す断面図。
【符号の説明】
1 プラズマトーチ
3 電極
4 耐熱インサート
3D 電極の細い部分
5 絶縁筒
7 ノズル
9 絶縁リング
11 ノズル保護キャップ
13 保持キャップ
15 導水管
15B 導水管の大径部
15C 導水管のテーパ部
15D 導水管の小径部
17 インナースリーブ
19、21、23、25、41、43、45、47 冷却水通路
29 アウタースリーブ
53 保持キャップ内の2次ガス通路
65 保持キャップ内の3次ガス通路
Claims (12)
- プラズマアークを噴出するプラズマトーチにおいて、
前記プラズマアークの発生点となる耐熱インサートが取りつけられた閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、
前記電極の外側を包囲し、前記電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、
冷却水を出す水出口をもった先端部を有し、前記水出口が前記電極の先端部の近傍まで到達するように前記電極の内部に挿入されている導水管とを備え、
前記導水管は、前記水出口から所定の長さにわたる先端側部分と、この先端側部分よりも基端側に位置する基端側部分とを有し、前記導水管の太さが前記先端側部分にて前記基端側部分よりも細くなっているプラズマトーチ。 - 前記電極が、前記導水管の先端側部分が内部に挿入されている先端側部分と、この先端側部分より基端側に位置する基端側部分とを有し、前記電極の太さが前記先端側部分にて前記基端側部分よりも細くなっている請求項1記載のプラズマトーチ。
- 前記電極の先端側部分が前記ノズルにより包囲され、前記電極の基端側部分は前記ノズルの外へ出ている請求項2記載のプラズマトーチ。
- 前記耐熱インサートが前記電極内部の冷却水に直接晒される請求項1記載のプラズマトーチ。
- プラズマアークを噴出するプラズマトーチにおいて、
前記プラズマアークの発生点となる閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、
前記電極の外側を包囲し、前記電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、
冷却水を出す水出口をもった先端部を有し、前記水出口が前記電極の先端部の近傍まで到達するように前記電極の内部に挿入されている導水管と、
前記導水管の内部に形成され、前記導水管の水出口まで冷却水を導く第1の冷却水通路と、
前記導水管と前記電極との間に形成され、前記水出口から出た冷却水を前記電極の内周面に沿って流す第2の冷却水通路とを備え、
前記第1と第2の冷却水路の断面積がほぼ同等であるプラズマトーチ。 - プラズマアークを噴出するプラズマトーチにおいて、
前記プラズマアークの発生点となる閉じた先端部を有する概略円筒形の電極と、
前記電極の外側を包囲し、前記電極の先端部で発生したプラズマアークを噴出するノズルオリフィスを有するノズルと、
前記ノズルの先端部に装着された、前記ノズルの先端部を保護するためのノズル保護キャップと、
前記トーチの外殻を構成し、前記ノズルの外周を覆い、前記ノズル保護キャップを保持することで前記ノズル保護キャップ及び前記ノズルを前記トーチ本体に固定する筒状の保持キャップと、
前記ノズル、前記ノズル保護キャップ及び前記保持キャップの間に形成され、前記ノズル、前記ノズル保護キャップ及び前記保持キャップを同時に冷却するための第1の冷却水通路と、
前記第1の冷却水通路へ冷却水を供給する第2の冷却水通路と、
前記第1の冷却水通路から冷却水を排出する第3の冷却水通路と、を備え、
前記第2及び第3の冷却水通路は、プラズマトーチの中心軸から外れた位置で前記中心軸にほぼ平行な方向に走っていて、かつ、前記冷却水通路の断面形状が、前記中心軸を中心とした円周の方向の寸法が半径の方向の寸法より長い扁平な形状であるプラズマトーチ。 - 前記冷却水通路の断面形状が、前記半径の方向に短径をもった、単純な長円又は円周に沿って湾曲した長円である請求項6記載のプラズマトーチ。
- 前記冷却水通路が、複数本の副通路に分かれている請求項6記載のプラズマトーチ。
- 閉じた先端部をもち、内側に冷却水通路をもつ筒形の電極本体と、前記電極本体の先端部に埋め込まれ、その前面にてアーク発生点を提供する耐熱インサートとを備え、前記耐熱インサートが前記電極本体に冶金的に結合されており、且つ、前記耐熱インサートの背面が前記電極本体の内側の前記冷却水通路に露出している、プラズマトーチ用電極。
- 前記耐熱インサートの背面が膨らんだ形状を有している請求項9記載の電極。
- 閉じた先端部をもち、内側に冷却水通路をもつ筒形の電極本体を用意するステップと、前記電極本体の先端部に耐熱インサートを埋め込み、前記電極本体と前記耐熱インサートとを冶金的に結合するステップと、前記耐熱インサートが埋め込まれた前記電極の先端部の、前記冷却水通路に臨む部分を切除することにより、前記耐熱インサートの背面を前記冷却水通路に露出させるステップとを有したプラスマトーチ用電極の製造方法。
- 前記耐熱インサートを冶金的に結合するステップが、前記電極本体の先端部の前面側に形成された凹部内に、蝋材片がより奥に位置するようにして、前記蝋材片と前記耐熱インサートとを挿入するステップと、前記蝋材片と前記耐熱インサートが前記凹部に挿入された状態の前記電極本体を加熱して前記蝋材片を溶融させると同時に、前記耐熱インサートを前記凹部の奥へ押し込むことにより、前記凹部内で溶融した蝋材を前記耐熱インサートの周囲に回り込ませるステップと、前記凹部内で前記溶融した蝋材が前記耐熱インサートの周囲に回り込んだ状態の前記電極本体を冷却することにより、前記耐熱インサートの外面と前記凹部の内面の蝋接を完成させるステップとを有する請求項11記載の製造方法。
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