JP3714295B2 - 電子部品のボンディングツール及び電子部品のボンディング装置 - Google Patents

電子部品のボンディングツール及び電子部品のボンディング装置 Download PDF

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  • Wire Bonding (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリップチップのようなバンプ付き電子部品などの電子部品を基板の電極などの被接合面にボンディングする電子部品のボンディングツール及び電子部品のボンディング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品を基板の電極などの被接合面にボンディングする方法として、超音波圧接を用いる方法が知られている。この方法は、電子部品を被接合面に対して押圧しながら電子部品に超音波振動を与え、接合面を微小に振動させて摩擦を生じさせることにより接合面を密着させるものである。この方法に用いられるボンディングツールは、振動発生源である超音波振動子の振動を電子部品に伝達させる細長形状の棒体であるホーンを有しており、このホーンに備えられた吸着部に電子部品を吸着し、電子部品に荷重と振動を作用させながら、電子部品を被接合面に圧着してボンディングするようになっている。
【0003】
従来、電子部品を超音波圧接するためのホーンとしては、ワイヤボンディング装置に用いられるホーンと同様のホーンが用いられている。この種のホーンは片持ち構造であって、その先端自由端部に吸着部を保持しており、この吸着部に電子部品を吸着して超音波圧接を行うようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来のホーンは片持ち構造であるため振動状態が不安定であり、安定したボンディングを行いにくいものであった。また吸着部もホーンの先端自由端部に保持されているため振動状態が不安定であった。また吸着部にはボンディング時の負荷(荷重と振動)が作用するため、その下面(電子部品の吸着面)が摩耗しやすい。この摩耗が甚しくなると吸着部はホーンに着脱して交換せねばならないが、この交換は簡単・迅速に行える必要があり、また吸着部を交換しても吸着部の振動特性が変らないことが肝要である。
【0005】
したがって本発明は、安定した振動を行わせながら安定したボンディングを行うことができる電子部品のボンディングツールを提供することを目的とする。また吸着部の交換を簡単・迅速に行うことができ、更には吸着部を交換しても吸着部の振動特性が変りにくい電子部品のボンディングツール及び電子部品のボンディング装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、荷重と振動を電子部品に作用させながらこの電子部品を被接合面に圧着する電子部品のボンディングツールであって、横長のホーンと、このホーンに振動を付与する振動子と、吸着孔に電子部品を真空吸着する吸着部と、この吸着部を中心として平面視して対称に突設され前記ホーンと一体的に設けられた装着部とを備え、前記吸着部が前記ホーンに着脱自在に装着され、且つ前記吸着部を下方へ向って階段状に先細状としたことを特徴とする電子部品のボンディングツールである。
【0007】
上記構成において、装着部をホーンの振動の定在波の節とし、吸着部を腹として、振動を電子部品の複合面へのボンディングに最も有効に利用することができる。また吸着部の下面が摩耗したならば、吸着部をホーンから取りはずしてその交換を行う。また吸着部を下方へ向って先細状とすることにより、吸着部に安定した振動を行わせながら安定したボンディングを行うことができ、また吸着部を交換しても吸着部の振動特性は変りにくいものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング装置の正面図、図2は同電子部品のボンディングツールの上下反転斜視図、図3(a)は同電子部品のボンディングツールの正面図、図3(b)は同電子部品のボンディングツールの下面図、図3(c)は同電子部品のボンディングツールの分解状態の正面図、図3(d)は同電子部品のボンディングツールの当接子の断面図、図3(e)は同電子部品のボンディングツールの部分断面図である。
【0009】
まず、図1を参照して電子部品のボンディング装置の全体構造を説明する。1は支持フレームであって、その前面には第1昇降板2と第2昇降板3が昇降自在に設けられている。第1昇降板2にはシリンダ4が装着されており、そのロッド5は第2昇降板3に結合されている。第2昇降板3にはボンディングヘッド10が装着されている。支持フレーム1の上面にはZ軸モータ6が設けられている。Z軸モータ6は垂直な送りねじ7を回転させる。送りねじ7は第1昇降板2の背面に設けられたナット8に螺合している。したがってZ軸モータ6が駆動して送りねじ7が回転すると、ナット8は送りねじ7に沿って上下動し、第1昇降板2や第2昇降板3も上下動する。
【0010】
図1において、被接合面としての基板46は基板ホルダ47上に載せられており、基板ホルダ47はテーブル48上に載せられている。テーブル48は可動テーブルであって、基板46をX方向やY方向へ水平移動させ、基板46を所定の位置に位置決めする。
【0011】
42はカメラであって、一軸テーブル43に装着されている。44はカメラ42から前方へ延出する鏡筒である。カメラ42を一軸テーブル43に沿って前進させ、鎖線で示すように鏡筒44の先端部をボンディングツール14の下面に吸着して保持された接合物としての例えばフリップチップなどのバンプ付きの電子部品40と基板46の間に位置させ、その状態で電子部品40と基板46の位置をカメラ42で観察する。そしてこの観察結果により電子部品40と基板46の相対的な位置ずれを検出する。検出された位置ずれは、テーブル48を駆動して基板46をX方向やY方向へ水平移動させることにより補正し、これにより電子部品40と基板46の位置合わせがなされる。
【0012】
図1において、50は主制御部であり、モータ駆動部51を介してZ軸モータ6を制御し、またテーブル制御部52を介してテーブル48を制御し、また認識部53を介してカメラ42に接続され、また吸引装置56が接続されている。また押圧手段としてのシリンダ4は荷重制御部54を介して主制御部50に接続されており、シリンダ4のロッド5の突出力すなわちボンディングツール14でバンプ付き電子部品40を基板46に押し付ける押圧荷重が制御される。超音波振動子から成る振動子17は、超音波振動子駆動部55を介して主制御部50に接続されており、主制御部50からの指令に従って超音波振動を行う。
【0013】
ボンディングヘッド10の本体11の下端部にはホルダ12が結合されている。ホルダ12にはブロック13が装着され、ブロック13の下面にはボンディングツール14が固定されている。ブロック13の側部の突部13aは吸引装置56に接続されている。以下、図2、図3を参照してボンディングツール14について説明する。
【0014】
図2および図3に示すように、ボンディングツール14は横長のホーン15を主体としている。ホーン15は細長形状の棒状体であり、平面視してその両側部からセンターへ向って次第に幅狭となるテーパ面15aを有している。ホーン15のセンターには吸着部30が下方へ突設されており、吸着部30から等距離隔てられた4ヶ所にリブ15bがホーン15と一体的に設けられている。ブロック13への取り付けバランスを良くするために、4個のリブ15bはホーン15のセンターの吸着部30を中心として平面視して対称に突設されている。ボンディングツール14は、リブ15bに形成された貫通孔20にねじ18を螺入することにより、ブロック13の下面に着脱自在に装着されている。すなわち、リブ15bはホーン15をブロック13に装着する装着部となっている。
【0015】
図3(c)において、吸着部30は下方へ向って次第に幅狭となる先細状であり、その両側面はテーパ面31となっている。またそのセンターには吸着孔32が形成されている。吸着部30の下面には、電子部品40を吸着する突部30a(図2)が突設されている。ホーン15の吸着部30と反対側の上面には突部33が突設されており、ホーン15の下面にはこの突部33が嵌合する凹部34が形成されている。図3(e)は突部33を凹部34に嵌合した状態を示している。この状態で、突部33は凹部34にぴったり密接して嵌合しているが、吸着部30の両側部上面とホーン15の下面の間にはわずかなすき間Cが確保されている。したがって吸着部30とホーン15の当接長は、図中Lで示される突部33を略一周する長さである。このように上記すき間Cを確保し、かつ当接長Lを極力短くすることにより、吸着部30を交換しても吸着部30の振動特性はほとんど変らず、振動特性の再現性がきわめて良いものとなる。
【0016】
図3(c)において、凹部34の両側部のホーン15の下面にはねじ山が形成された第1孔35と第2孔36が形成されている。37は当接子であって、図3(d)に示すようにその内端面37aはテーパ面31に当接するテーパ面になっている。38は当接子37の位置決め用ピンであり、第2孔36に挿入固定される。ビス39を当接子37の貫通孔37cに貫通させ、当接子37の外端面37bをピン38に当接させながら第1孔35に挿入することにより、吸着部30はホーン15の下面に着脱自在に装着される。このように吸着部30のテーパ面31に当接子37を当接させ、かつピン38で吸着部30の横方向の位置ずれを規制することにより、吸着部30をホーン15にしっかり装着できる。
【0017】
またホーン15の両側面を吸着部30へ向って次第に幅狭となるテーパ面15aとすることにより、振動子17の振動を効率よく集中的に吸着部30に付与することができ、また吸着部30を下方へ向って先細状とすることにより、吸着部30の振動を安定的なものとし、かつその下面に吸着された電子部品40に振動を集中的に強く付与できる。このように吸着部30は下方へ向って先細状とすることが電子部品40への振動付与上望ましい。吸着部30を先細状とする形状としては、テーパ面31以外にも、例えば階段状に先細状としてもよい。
【0018】
図1において、ブロック13の側面に設けられた突部13aには吸着パッド19が装着されている。図3(c)において、ホーン15には吸着部30の吸着孔32に連通する吸引孔16a,16bが形成されており、吸着パッド19はホーン15の上面の吸引孔16bに当接している。したがって吸着パッド19に接続された吸引装置56(図1)を駆動してエアを吸引することにより、吸着部30に開口した吸着孔32(図3(a),(b))から真空吸引し、この吸着部30の下面にバンプ付きの電子部品40を真空吸着して保持することができる。
【0019】
図2において、ホーン15の側端部には振動付与手段である振動子17が装着されている。振動子17を駆動することにより、ホーン15には縦振動(ホーン15の長手方向の振動)が付与され、吸着部30は水平方向a(ホーン15の長手方向)に振動する。図3(b)に示すように、ホーン15の形状は両端部からテーパ面15aを経てセンターの方向に順次幅が絞られた形状となっており、これにより、振動子17より吸着部30に伝達される経路において超音波振動の振幅は増幅され、吸着部30には振動子17が発振する振幅以上の振動が伝達される。
【0020】
次に、振動子17によってホーン15に励起される振動のモードについて説明する。図3(a)に示すように、ホーン15に励起される振動の定在波Aは、振動子17の装着面およびホーン15の中央に位置する吸着部30の位置を定在波の腹とし、ホーン15をブロック13に固定する固定部としてのリブ15bおよび吸引孔16bの位置が定在波の節となるような形となっている。すなわちホーン15各部の形状寸法、質量分布を適切に設定することにより、このような定在波をホーン15に発生させることができる。
【0021】
従って、装着部であるリブ15bは、ホーン15の振動の定在波の腹に相当する位置である吸着部30からホーン15の両端側の方向へ等距離隔てられた定在波の節に相当する位置に設けられている。これによりボンディングツール14をブロック13に固定し、シリンダ4の押圧力を定在波の節に相当する位置を介してホーン15に伝達するリブ15bの位置ではホーン15の縦振動による変位は極小となり、また電子部品40を保持する吸着部30の位置では極大の振幅を得ることとなり、超音波振動を電子部品40のボンディングに最も有効に利用することができる。
【0022】
図3(a)において、ホーン15の上面中央には突部41が突設されている。この突部41は吸着部30とは反対側のホーン15の上面にあり、ホーン15の水平な中立軸NAに対する吸着部30およびその装着手段(当接子37、ピン38、ビス39等)との質量バランスをとっている。この突部41の作用は次のとおりである。すなわち、振動子17の振動は、縦振動としてホーン15の長手方向(図2の矢印a)に伝達され、この縦振動により電子部品40を接合面に対して水平方向へ振動させて接合面との摩擦により電子部品40のボンディングを行うものである。
【0023】
ここで、仮に突部41が無いとすると、ホーン15はそのセンター付近において、その下面に突設された吸着部30のために中立軸NAに対するZ方向(上下方向)の質量バランスが崩れ、ホーン15にはZ方向の振動が発生する。このZ方向の振動は、電子部品40を被接合面である基板46の上面に叩きつける力として作用するため、上記接合を阻害するだけでなく、場合によっては電子部品40を破壊する。そこで突部41を形成することにより、中立軸NAに対する吸着部30との質量バランスを確保し、Z方向の振動を防止するようにしたものである。すなわち突部41は質量バランス手段となっている。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、装着部をホーンの振動の定在波の節とし、吸着部を腹として、振動を電子部品の複合面へのボンディングに最も有効に利用することができる。また吸着部の下面が摩耗したならば、吸着部をホーンから取りはずしてその交換を簡単に行うことができる。また吸着部を下方へ向って先細状とすることにより、吸着部に安定した振動を行わせながら安定したボンディングを行うことができ、また吸着部を交換しても吸着部の振動特性は変りにくいものとなる。また質量バランス手段を設けることにより、ホーンのZ方向の振動発生を防止し、電子部品を被接合面に確実にボンディングできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング装置の正面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品のボンディングツールの上下反転斜視図
【図3】(a)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディングツールの正面図
(b)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディングツールの下面図
(c)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディングツールの分解状態の正面図
(d)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディングツールの当接子の断面図
(e)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディングツールの部分断面図
【符号の説明】
14 ボンディングツール
15 ホーン
15a テーパ面
17 振動子
30 吸着部
31 テーパ面
37 当接子
40 電子部品
41 突部(質量バランス手段)

Claims (4)

  1. 荷重と振動を電子部品に作用させながらこの電子部品を被接合面に圧着するボンディングツールであって、横長のホーンと、このホーンに振動を付与する振動子と、吸着孔に電子部品を真空吸着する吸着部と、この吸着部を中心として平面視して対称に突設され前記ホーンと一体的に設けられた装着部とを備え、前記吸着部が前記ホーンに着脱自在に装着され、且つ前記吸着部を下方へ向って階段状に先細状としたことを特徴とする電子部品のボンディングツール。
  2. 前記先細状がテーパ状側面を有する先細状であり、このテーパ状側面に当接子を当接させ、この当接子を前記ホーンに着脱自在に固着することにより、前記吸着部を前記ホーンに着脱自在に装着することを特徴とする請求項1記載の電子部品のボンディングツール。
  3. ボンディングツールにより荷重と振動を電子部品に作用させながらこの電子部品を被接合面に圧着する電子部品のボンディング装置であって、前記ボンディングツールがブロックの下面に装着されており、且つ横長のホーンと、このホーンに振動を付与する振動子と、吸着孔に電子部品を真空吸着する下方へ向って階段状に先細状の吸着部と、この吸着部を中心として平面視して対称に突設され前記ホーンと一体的に設けられた装着部と、前記ブロックに設けられた突部に装着されて前記ホーン当接し前記吸着孔に連通する吸着パッドとを備え、前記吸着部が前記ホーンに着脱自在に装着されることを特徴とする電子部品のボンディング装置。
  4. 前記吸着部が下方へ向かって先細状のテーパ状側面を有し、このテーパ状側面に当接子を当接させ、この当接子を前記ホーンに着脱自在に固着することにより、前記吸着部を前記ホーンに着脱自在に装着することを特徴とする請求項3記載の電子部品のボンディング装置。
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