JP3714249B2 - 有害物質の固定化処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重金属、化学物質、放射性物質などのような有害物質を固定化し、これら有害物質を環境中に拡散させないようにするための有害物質の固定化処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、工場等から排出される重金属やこれを含んだ廃棄物、ダイオキシンなどの化学物質で汚染された廃棄物や土壌、原子力施設から排出される放射性廃棄物などのような有害物質について、その保管や最終処分をどのようにするのかが大きな社会問題となっている。
【0003】
例えば、低レベル放射性廃棄物については、安全性などの問題から最終処分方法や処分場所が決まらず、ドラム缶に入れた状態で保管されているものが2001年現在で30万本もあると言われており、一方で保管中のドラム缶の腐食により貯蔵倉庫内が汚染されるなどの問題も生じている。また、化学物質や重金属で汚染された土壌や廃棄物は、1つの発生源からでも膨大な量が発生するため有効な最終処分方法がないのが現状であり、例えばビニールシートで内張りした大きな穴に貯留するなどの応急的な対応が採られているが、安全な保管状況とは程遠いのが実情である。
【0004】
上記のような有害物質を環境中に拡散させないように長期間保管し或いは最終処分する方法としては、例えば、(1)有害物質をコンクリートで固めた上で、地中深くに埋設する方法、(2)比較的浅い地中にコンクリート製などの堅牢な遮蔽壁(構造物)を構築し、この遮蔽壁内に有害物質を投棄する方法、などが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの方法のうち(1)の方法は、有害物質を固めたコンクリートは経時劣化により割れなどを生じるため有害物質が地中に溶出するおそれがあり、埋設する深さが浅いとコンクリートから溶出した有害物質が地下水などに拡散してしまう。このため地中のかなり深い位置に埋設する必要があり、その掘削に莫大なコストがかかる。また、有害物質で汚染された土壌や廃棄物などのように大量に発生するものは、コスト面から適用は困難である。
また、上記(2)の方法もコンクリートなどの経時劣化により遮蔽壁に割れなどが発生し、有害物質が地中に溶出するおそれがある。
【0006】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、重金属、化学物質、放射性物質などのような有害物質を、長期間にわたって環境中に拡散しないような状態に安定的に固定化することができる有害物質の固定化処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
[1]有害物質と未炭酸化カルシウムを含む粉粒物の充填層を形成し、該充填層中にCO ガス又はCO 含有ガスを吹き込んで炭酸化処理し、前記未炭酸化カルシウムの炭酸化反応によって生成した炭酸カルシウムの膜で、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子を被覆するとともに、前記炭酸カルシウムをバインダーとして粉粒物全体をブロック状に固結させることを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
【0008】
[2] 上記[1]の固定化処理方法において、粉粒物が、構成成分の一部が有害物質と未炭酸化カルシウムからなる固体粒子を含むことを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
[3] 上記[1]又は[2]の固定化処理方法において、粉粒物が、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子と、構成成分の一部又は全部が未炭酸化カルシウムからなる固体粒子を含むことを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
【0009】
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの固定化処理方法において、構成成分の一部又は全部が未炭酸化カルシウムからなる固体粒子がセメントであることを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの固定化処理方法において、有害物質が重金属、化学物質、放射性物質の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
【0010】
6 ]上記[ 1 ]〜[ 5 ]のいずれかの固定化処理方法において、充填層を構成する粉粒物の主たる固体粒子が表面付着水を有していることを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
7 上記[1]〜 6 のいずれかの固定化処理方法において、粉粒物全体をブロック状に固結させて得られた固結体を乾燥処理することを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
8 上記[1]〜 7 のいずれかの固定化処理方法において、粉粒物全体をブロック状に固結させて得られた固結体の表面を溶媒で洗浄処理することを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
【0011】
9 有害物質が発生し又は排出された設備又は場所において、上記[1]〜 8 のいずれかの固定化処理方法で粉粒物をブロック状に固結させ、この固結体を保管場所又は最終処分場まで搬送して保管又は最終処分することを特徴とする有害物質の処理方法。
10 上記 9 の処理方法において、有害物質が発生し又は有害物質が排出された設備又は場所において、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる物質を加工又は処理し、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子とすることを特徴とする有害物質の処理方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の有害物質の固定化処理方法は、有害物質と未炭酸化カルシウムを含む粉粒物(粉粒体の集合物)を炭酸化処理し、前記未炭酸化カルシウムの炭酸化反応によって生成した炭酸カルシウムの膜で、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子を被覆するとともに、前記炭酸カルシウムをバインダーとして粉粒物全体をブロック状に固結させるものである。
【0013】
このような本発明の最も基本的な特徴(第一の特徴)は、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子(以下、単に“有害物質の粒子”という)の近傍において未炭酸化カルシウムに炭酸化反応を生じさせて炭酸カルシウムを生成させ、この化学的、物理的に安定な炭酸カルシウムの膜で有害物質の粒子を包み込むことにより、有害物質の環境中への移動(拡散)を絶対的に阻止するようにした点にある。さらに第二の特徴は、上記炭酸化反応により生成した炭酸カルシウムの膜がネットワーク状に結び付き、これらをバインダーとして機能させることにより粉粒物全体をブロック状に固結させ、有害物質をブロック状の固結体の一部としてその内部に封じ込めることにより、形態の面からも有害物質の環境中への移動(拡散)を防止するようにした点にある。
【0014】
本発明法による固定化処理の対象となる有害物質に特別な制約はないが、通常、重金属(例えば、6価クロム、カドミウム、水銀等)、これら重金属の化合物、化学物質(例えば、ダイオキシン、PCB、シアン化合物等)、放射性物質(例えば、低レベル放射性廃棄物等)などであり、これらの1種以上(2種以上が混合した状態でもよい)が対象となる。
【0015】
本発明の固定化処理法は処理の対象が粉粒物、すなわち固体粒子の集合物であることが必要であり、このため有害物質そのものが固体粒子であるか、或いは有害物質が固体粒子の構成成分の一部であることが必要である。また、有害物質又は有害物質を含む物質が粉粒物ではない場合には、これを破砕処理することにより粉粒物とする。
【0016】
また、有害物質又は有害物質を含む物質自体が元々固体粒子(粉粒物)という形態を採り得ない又は採り難い場合には、その有害物質又は有害物質を含む物質を他の固体粒子に付着又は吸着させるなどして固体粒子の構成成分の一部とするとよい。
【0017】
また、有害物質又は有害物質を含む物質が微粉体であり、その粒子が細か過ぎるような場合には、これを適当な粒度を持つ粒子に成形(造粒)することが好ましい。例えば、微粉体にバインダー成分を添加して適度な粒度の粉粒体に成形した後、バインダー成分を硬化させ或いは粉粒体を焼成することなどによってペレット化又はブリケット化する。
【0018】
粉粒物を構成する固体粒子の粒径に特別な制約はないが、粒径が過剰に小さいと炭酸化処理する際に粉粉物の充填層内でのCOガス又はCO含有ガスの通気性が悪くなるおそれがあり、一方、粒径が過剰に大きいと炭酸化反応で生成する炭酸カルシウムによる有害物質の粒子の被覆性、さらには炭酸カルシウムをバインダーとする粒子どうしの接着性に問題を生じるおそれがある。したがって以上のような観点からは、粉粒物を構成する主たる固体粒子の粒径は数十μm〜数十mm程度とするのが適当である。
【0019】
また、処理の対象となる粉粒物の少なくとも一部は、構成成分の一部又は全部が未炭酸化カルシウムからなる固体粒子である必要がある。未炭酸化カルシウムの形態としてはCaOとCa(OH)があり、これら1種又は2種を含んでいればよい。但し、未炭酸化カルシウムは少なくとも固体粒子の構成成分の一部として含まれるものであればよく、したがって、鉱物としてのCaO、Ca(OH)の他に、2CaO・SiO、3CaO・SiO、ガラス等などのように組成の一部として存在するものも含まれる。
【0020】
本発明の固定化処理法では、この未炭酸化カルシウムの炭酸化反応によって生成した炭酸カルシウムの膜により有害物質の粒子を被覆するとともに、ネットワーク状に生成した炭酸カルシウムの膜をバインダーとして粉粒物全体をブロック状に固結させるものであり、したがって、粉粒物全体で含まれる未炭酸化カルシウムの量は、上記のような作用が確実に得られる程度の量であることが必要である。
【0021】
構成成分の一部又は全部が未炭酸化カルシウムからなる固体粒子(粉粒物)の種類に特別な制約はないが、代表的なものとしてはセメントがある。
また、粉粒物を構成する固体粒子は有害物質と未炭酸化カルシウムの両方を含むものであってもよい。すなわち、構成成分の一部が有害物質と未炭酸化カルシウムからなる固体粒子であってもよい。
【0022】
粉粒物を炭酸化処理するには、粉粒物を型枠などに入れて粉粒物の充填層を形成し、この充填層中にCOガス又はCO含有ガス(以下、単に“COガス”という)を吹き込む。通常、COガスは一方向から充填層内に吹き込み、吹き込まれたガスは充填層の反対側から抜けるようにする。このようなCOガスの吹き込みにより粉粒物に含まれている未炭酸化カルシウムが炭酸化反応を生じ、炭酸カルシウムが生成する。そして、この生成した炭酸カルシウムの膜により有害物質の粒子が包み込まれるとともに、ネットワーク状に生成した炭酸カルシウムの膜をバインダーとして粉粒物全体がブロック状に固結する。
【0023】
粉粒物の炭酸化処理を効率的に行うためには粉粒物の充填層が適当な水分を含んでいること、好ましくは充填層を構成する粉粒物の主たる固体粒子が表面付着水を有していることが必要である。この表面付着水とは、粉粒物の各固体粒子とともに存在する水分のうち、粒子内部に含有される水分以外の水、すなわち固体粒子の外表面に水膜状に付着した水のことである。
【0024】
固体粒子が表面付着水を有している場合、COガスと未炭酸化カルシウムとの反応は、当該固体粒子又は隣接する他の固体粒子から表面付着水中に溶出(拡散)したカルシウム成分(Caイオン)と表面付着水中に溶解した炭酸ガス成分との反応となり、このような固体粒子の表面付着水を介したカルシウム成分とCOとの反応が、効率的な炭酸化反応を生じさせるために特に有効である。
【0025】
粉粒物の充填層において、粉粒物の各固体粒子に表面付着水を存在させるために必要な含水量は粒子自体の吸水量(粒子内部に吸水される水分量)などによって異なるが、一般には粉粒物の充填層全体の含水率を3〜30%程度の範囲内で適宜調整すれば、粉粒物の主たる固体粒子が表面付着水を有する状態(したがって、表面付着水を有する固体粒子間にCOガスの通路が形成された状態)とすることができる。したがって、このような状態を得るために必要に応じて事前に粉粒物の充填層に水分を添加する。
粉粒物の充填層の充填度(嵩密度)は任意であり、充填層内部にCOガスの通り道となる貫通気孔が適切に形成される且つ得られる固結体が適当な強度を有するような充填度に適宜調整すればよい。
【0026】
粉粒物の充填層を形成する容器としては型枠などを用いるのが好ましいが、特別な制約はない。但し、この容器としては、COガスを充填層全体に流せるようにするため、底部にガス吹き込み部を有するとともに、上部にガス排気部を有し、且つガス吹き込み部から送り込まれたCOガスが実質上ガス排気口から出てくる程度の気密状態にできる容器であることが好ましい。また、このような気密状態とした容器では、COガスによって充填層中の水分が奪われても、このCOガス中の水分が容器上部の低温域で凝縮し、粉粒物の充填層に落下して戻されるため好ましい。
【0027】
粉粒物の充填層に吹き込むべきCOガスは、その温度をある程度高くすることによりCaイオンとの反応性が高まるが、粉粒物の充填層を形成する空間(以下、反応空間という)内に導入するCOガス温度が、当該反応空間内での水の沸点を超えると粉粒物の粒子に付着した水を蒸発させ、却って反応性を阻害する。このためCOガス温度は反応空間内での水の沸点以下とすることが好ましい。
【0028】
また同様の理由から、反応空間内の温度を水の沸点以下に保つこと、さらに、粉粒物の温度も反応空間内での水の沸点以下に保つことが好ましい。
さらに、同様の観点から、COガス中の水蒸気濃度は高い方が好ましく、このため予めCOガスを水中に通すことでHOを飽和させ、しかる後、粉粒物の充填層中に吹き込むことが好ましい。
【0029】
また、処理効率を上げるためには、反応空間内に供給するCOガスは加圧した状態とすることが好ましい。このガス圧力は特に限定しないが、CO分圧が高いほど粉粒物の粒子の表面付着水中へのCO溶解速度が大きくなるので、加圧した状態で粉粒物と接触させれば、大気圧での接触に較べて処理効率を効果的に向上させることができる。
なお、炭酸化処理に使用するCO含有ガスのCO濃度の特別な制限はないが、効率的な炭酸化処理を行うためには3%以上のCO濃度のCO含有ガスを用いるのが好ましい。
【0030】
COガスの供給量には特別な制限はなく、粉粒物の充填層が流動しない程度にガス吹き込みを行えばよいが、一般的な目安としては0.004〜0.5m/min・t程度のCOガス吹き込み量が確保できればよい。但し、粉粒物の炭酸固化を確実に行わせるため、粉粒物中の未炭酸化カルシウムを炭酸化できる量以上のCOガスを総量として流すことが好ましい。
【0031】
上述した炭酸化処理により得られたブロック状の固結体は、乾燥処理することが好ましい。炭酸化処理により得られた固結体は、そのままでは内部に相当量の水分を含んでおり、この水分には炭酸カルシウムが溶け込んでいる。したがって、固結体を乾燥処理して内部の水分を取り除くことにより、水分に溶け込んだ炭酸カルシウムが析出し、有害物質の粒子を被覆する炭酸カルシウムの膜の厚さをさらに厚くすることができる。
【0032】
また、炭酸化処理により得られたブロック状の固結体は、水などの溶媒で表面を洗浄処理することが好ましく、これにより固結体の表面に存在する有害物質(すなわち、炭酸カルシウムの膜で被覆できなかった固結体表面の有害物質)を溶媒で洗い流し、固結体を構成するすべての有害物質を炭酸カルシウムの膜で被覆した状態で存在させることができる。
【0033】
この洗浄処理は、上述した固結体の乾燥処理を行う場合には、乾燥処理の前又は後若しくはその両方で行うことができ、また乾燥処理を行わない場合には炭酸化処理して得られた固結体にそのまま実施すればよい。
この洗浄処理は、固結体に溶媒をスプレーしたり、或いは溶媒中に固結体を浸漬するなどの方法で行うことができる。溶媒としては水(水道水、海水、蒸留水など)を使用できるが、これ以外に例えばアルコールなどを使用してもよい。
【0034】
本発明法を実施して有害物質の長期保管又は最終処理を行う場合、有害物質をその発生又は排出時から極力環境中に拡散(移動)させないようにするために、有害物質が発生し又は排出された設備又は場所において、上述した固定化処理を行うことが好ましい。したがって、発生又は排出時において構成成分の一部又は全部が有害物質からなる物質が粉粒物を構成するような固体粒子ではない場合には、有害物質が発生し又は排出された設備又は場所において、その物質を加工又は処理して構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子とし、しかる後、上述した固定化処理を行うことが好ましい。
【0035】
上記加工又は処理の形態としては、▲1▼発生又は排出時において一部又は全部が有害物質からなる物質のサイズが大き過ぎる場合に、これを破砕処理して所定の粒度の固体粒子とする形態、▲2▼同物質のサイズが小さ過ぎる場合に、これを所定の粒度の固体粒子に成形(造粒)する形態、▲3▼同物質が元々固体粒子という形態を採り得ない又は採り難い場合に、これを他の固体粒子に付着又は吸着させるなどして固体粒子の構成成分の一部とする形態、などがある。
固定化処理により得られた固結体は、必要に応じて上述した乾燥処理及び溶媒による表面の洗浄処理を施した後、保管場所又は最終処分場まで搬送して保管又は最終処分する。
【0036】
本発明の固定化処理法で得られたブロック状の固結体は、これを構成する個々の有害物質の粒子が炭酸カルシウムの膜で被覆され、しかもこの炭酸カルシウムの膜がネットワーク状に結びついているので、炭酸カルシウムが有害物質を極めて堅牢に包み込みんだ構造となっている。そして、炭酸カルシウムの膜は気中、地中、水中のいずれにおいても長期間安定(化学的、物理的に安定)であり、しかも緻密で且つ高い硬度及び強度を有しており、このためブロック状の固結体という形態そのものによる効果と相俟って、有害物質を長期間(例えば、数十年〜数百年)にわたって固結体内部に安定的に閉じ込めることができる。このため固結体の保管場所又は最終処分場は任意であり、倉庫、廃坑、海中、土中などのいずれでもよい。
また、本発明では有害物質がブロック化された上で保管又は最終処分されるため、有害物質の管理やハンドリングも容易である。
【0037】
【実施例】
有害物質を想定した固体粒子として粒径が5mm以下のクリンカーを用いた。このクリンカー1000kgにセメントを200kg添加し、ミキサーを用いて混同した後、水分を外掛けで7%添加した。この混合物を1m×1m×1mの型枠に装入した後、振動を加えことで型枠中に混合物の充填層を形成した。型枠の上部を排気口を有する蓋体で覆った状態で、型枠底部から前記混合物の充填層中にCOを20%含む排ガスを流量150L/min/mで3日間吹き込んだ。この排ガスの吹き込み期間の途中において、型枠の蓋体の排気口から排出されるガスのCO濃度は型枠底部から導入する排ガスのCO濃度とほぼ同じになり、充填層内での炭酸化反応がほぼ終了したことが確認されたが、固体粒子の炭酸カルシウム膜による被覆を確実にするという観点からそのまま排ガスの吹き込みを続行し、全3日間にわたって排ガスの吹き込みを行った。この排ガスの吹き込みを終了した段階で、型枠内の混合物の充填層は全体がブロック状に固結した。このブロック状固結体を型枠から取り出した後、これからサンプルを切り出し、その断面における固体粒子を被覆する炭酸カルシウム膜の生成状態を顕微鏡で観察した。図1は顕微鏡で観察されたサンプル断面を示すものであり、これによれば、有害物質を想定した固体粒子は緻密な炭酸カルシウム膜で全体が覆われるとともに、この炭酸カルシウム膜がネットワーク状に結びついており、固体粒子は炭酸カルシウム膜に極めて堅牢に包み込みこまれた構造となっていることが判る。
【0038】
【発明の効果】
以上述べた本発明法によれば、重金属、化学物質、放射性物質などのような有害物質を、長期間にわたって環境中に拡散しないような状態に安定的に固定化処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られたブロック状固結体について、顕微鏡で観察された固結体断面を示す説明図

Claims (10)

  1. 有害物質と未炭酸化カルシウムを含む粉粒物の充填層を形成し、該充填層中にCO ガス又はCO 含有ガスを吹き込んで炭酸化処理し、前記未炭酸化カルシウムの炭酸化反応によって生成した炭酸カルシウムの膜で、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子を被覆するとともに、前記炭酸カルシウムをバインダーとして粉粒物全体をブロック状に固結させることを特徴とする有害物質の固定化処理方法。
  2. 粉粒物が、構成成分の一部が有害物質と未炭酸化カルシウムからなる固体粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の有害物質の固定化処理方法。
  3. 粉粒物が、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子と、構成成分の一部又は全部が未炭酸化カルシウムからなる固体粒子を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の有害物質の固定化処理方法。
  4. 構成成分の一部又は全部が未炭酸化カルシウムからなる固体粒子がセメントであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の有害物質の固定化処理方法。
  5. 有害物質が重金属、化学物質、放射性物質の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の有害物質の固定化処理方法。
  6. 充填層を構成する粉粒物の主たる固体粒子が表面付着水を有していることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の有害物質の固定化処理方法。
  7. 粉粒物全体をブロック状に固結させて得られた固結体を乾燥処理することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の有害物質の固定化処理方法。
  8. 粉粒物全体をブロック状に固結させて得られた固結体の表面を溶媒で洗浄処理することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の有害物質の固定化処理方法。
  9. 有害物質が発生し又は排出された設備又は場所において、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8に記載の方法で粉粒物をブロック状に固結させ、この固結体を保管場所又は最終処分場まで搬送して保管又は最終処分することを特徴とする有害物質の処理方法。
  10. 有害物質が発生し又は有害物質が排出された設備又は場所において、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる物質を加工又は処理し、構成成分の一部又は全部が有害物質からなる固体粒子とすることを特徴とする請求項9に記載の有害物質の処理方法。
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