JP3714059B2 - 熱交換装置および衛生洗浄装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヒータにより水を瞬間的に直接加熱する熱交換装置と、熱交換装置を用いて加熱された温水を人体局部に吐出する衛生洗浄装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人体局部洗浄用の衛生洗浄装置として、水道水を加熱して温水をノズル等から人体局部に向かって吐出させるものがよく知られている。こうした衛生洗浄装置は、貯湯式の熱交換器を用いるのが一般的であったが、貯湯式熱交換器はエネルギーロスが大きい、装置全体が大型化するといった問題があるため、瞬間式の熱交換器を用いた衛生洗浄装置が近年提案されていた。瞬間式熱交換器は、水の管路にヒータを配置することで、水を瞬間的に直接加熱することができることから、貯湯の必要性が少なく、このために、放熱によるエネルギーロスが小さく、また貯湯部分が少ない分だけ装置が小さくてすむ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、衛生洗浄装置は、かつては水道工事店がその取り付けを行なう形態が主流であったが、近年では店頭販売品を使用者が購入して持ち帰り、自らの手で取り付けを行なう形態に変化しつつあり、持ち運びをしやすくする点からも、製品の更なる小型化が要求されている。また、製品のデザイン面からも製品の小型化が要求されている。そのような要求に対して、上記の従来の技術では、近年の商品の小型化の要請から考えて、まだまだ十分に小さいものではなかった。
【0004】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、装置の小型化を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
前述した課題を解決するための手段として、以下に示す構成をとった。
【0006】
この発明の第1の熱交換装置は、
給水源から供給される水の管路を備え、該管路にヒータを配置することで、水を瞬間的に直接加熱する熱交換部と、
該熱交換部から流入される温水をフロートにより撹拌することで、該温水の温度の安定化を図るフロート収納室を有する温度安定部と
を備える熱交換装置において、
前記温度安定部の前記フロート収納室が前記熱交換部の上部に位置するよう、前記温度安定部を前記熱交換部の筐体に重ねて配置し
前記温度安定部の温水の流入通路を前記温度安定部の下半分の側壁に接続し、前記温度安定部の温水の流出通路を前記温度安定部の上半分の側壁に接続し、
前記温度安定部は、前記流出通路と前記熱交換部の間にスペースをとるよう、前記筐体に重なっていることを特徴としている。
【0007】
上記構成の第1の熱交換装置によれば、温度安定部の温水の流入通路が温度安定部の下半分の側壁に接続されていることから、熱交換部から温度安定部までの接続流路を短くすることができる。また、温度安定部の温水の流出通路が温度安定部の上半分の側壁に接続されていることから、温度安定部の流出通路の下側、すなわち、その流出通路と熱交換部との間にスペースをとることができる。このため、このスペースに他の機材を配置することにより、スペースの有効利用を図ることができる。したがって、装置を小型化することができる。さらには、温度安定部の流入通路と流出通路とは対角となることから熱安定部の温水の撹拌性にも優れている。また、フロート収納室を温度安定部として利用することができることから、スペース効率に優れ、装置を小型化することができる。
【0008】
上記第1の熱交換装置において、前記流出通路に設けられ、該流出通路の水圧が所定以上の場合に温水を流出させるバキュームブレーカと、前記バキュームブレーカの下側に設けられ、前記流出通路の水圧の過大な上昇を防ぐ圧力上昇防止機構とを備え、前記バキュームブレーカと前記圧力上昇機構とを前記熱交換部の上方に位置するように配置した構成とすることができる。
【0009】
この構成によれば、温度安定部の温水の流出通路が温度安定部の上半分の側壁に接続されていることから、流出通路に設けられたバキュームブレーカの下側に圧力上昇機構を配置することができる。したがって、バキュームブレーカの下側のスペースを有効利用することができることから、装置を小型化することができる。
【0010】
上記第1の熱交換装置において、前記流出通路の下側に、前記流出通路の水圧の過大な上昇を防ぐ圧力上昇防止機構を備え、該圧力上昇機構を前記熱交換部の上方に位置するように配置した構成とすることもできる。この構成によれば、流出通路の下側に圧力上昇機構を配置することで、流出通路の下側のスペースを有効利用することができることから、装置を小型化することができる。
【0011】
この発明の第2の熱交換装置は、
給水源から供給される水を通過もしく留める水室と、
該水室の内部に配置される筒状ヒータと、
前記水室に設けられるとともに、弁体と該弁体を閉じる方向に付勢する弾性部材とを備え、通常は前記弁体が前記弾性部材により閉じる方向に保持され、外部から前記弾性部材の付勢の力を越える圧力が前記弾性部材に作用したときに、前記弁体は前記弾性部材の付勢の方向と反する方向に移動して前記弁体が開状態となる水抜き栓と
を備える熱交換装置であって、
前記水抜き栓は、
前記弁体の移動方向が前記筒状ヒータの長手方向と一致するとともに、前記弁体の開状態時に前記弁体の一部が前記筒状ヒータの内筒部分に進入するように配置された構成であることを特徴としている。
【0012】
上記構成の第2の熱交換装置によれば、弁体の移動方向と筒状ヒータの長手方向とが一致するとともに、弁体の開状態時に弁体の一部が筒状ヒータの内筒部分に進入するように、水抜き栓の水室への配置が定められていることから、水抜き栓の開閉動作のための弁体の移動空間を予め開けておく必要がない。したがって、装置を小型化することができる。
【0013】
上記第2の熱交換装置において、前記弁体の一部は、弁体の移動をガイドするために設けられた棒状部材とすることができる。この構成によれば、その棒状部材が筒状ヒータの内筒部分に進入する。
【0014】
また、上記第2の熱交換装置において、前記水室は、水を通過させる管路であり、該管路の一方端を閉塞するとともに、該閉塞された一方端に、前記水抜き栓を設けた構成とすることができる。この構成によれば、管路を通過する間に水を加熱する構成とすることができる。
【0015】
この熱交換装置において、前記管路は、水平方向に対して前記水抜き栓側を所定の角度だけ下方に傾斜させた構成とすることができる。この構成によれば、傾斜していることから、水抜き栓を開いたときに水は排出されやすい。このために、水抜き時の残水が残りにくい。
【0016】
上記第2の熱交換装置において、前記筒状ヒータは、伝熱性と電気絶縁性とを有するセラミックにより電気発熱部を封入した筒状セラミックヒータとすることができる。
【0019】
この発明の衛生洗浄装置は、
洗浄水を吐出して人体局部を洗浄する衛生洗浄装置であって、
上述してきたいずれかに記載の熱交換装置と、
該熱交換装置により加熱された温水を前記人体局部に吐出する吐水手段と
を備えることを特徴としている。
【0020】
これまで説明してきたように上述した熱交換装置は、小型化の点で優れており、こうした熱交換装置を用いた衛生洗浄装置によれば、衛生洗浄装置全体としても小型化することができる。
【0023】
【発明の他の態様】
この発明は、以下のような他の態様も含んでいる。その第1の態様は、
洗浄水を吐出して人体局部を洗浄する衛生洗浄装置であって、
給水源から供給される水を加熱する熱交換装置と、
前記熱交換装置により加熱された温水を前記人体局部に吐出する吐水手段と
を備える衛生洗浄装置において、
前記熱交換装置の温水の流出通路に設けられ、該流出通路の水圧が所定以上の場合に温水を流出させるバキュームブレーカと、
前記バキュームブレーカの外気の導入口に対向する位置に該導入口から吐出された水を跳ね返すための板材と
を備えることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、バキュームブレーカから排出された水が不測な部分に飛び散るのを防止することができる。
【0025】
その第2の態様は、上記構成の第1の態様において、該熱交換装置により加熱された温水の流れに脈動を生じさせる脈動発生手段を設けるとともに、前記板材を、前記脈動発生手段の流出通路に設けた構成である。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して実施例について説明する。図1は本発明の実施例に係る衛生洗浄装置の便座、便蓋を取り外した状態での全体構成を示す斜視図、図2は便蓋を開いた状態での全体構成を示す斜視図、図3は便蓋、便座倒伏状態での全体構成を示す斜視図、図4は平面図、図5は正面図、図6は左側面図、図7は右側面図、図8は背面図、図9は装置本体の右側面図、そして図10、図11は装置本体30(内装機器省略)の分解斜視図である。
【0027】
(外観部品全体構成の説明)
図において、10は便蓋、20は便座、30は洗浄装置本体である。便蓋10及び便座20はヒンジブロック40及びソフト閉止ユニット50を介して、装置本体30に回動自在に支持される。
【0028】
(装置本体30の説明)
装置本体30は装置の外郭を形成する上ケース31と下ケース35と、後述する内装機器(付随機器)とからなり、上ケース31は前方に傾斜部31aを設ける。この傾斜部31aは便座20下面の傾斜部20fと便座20倒伏状態において重合するよう形成し、この傾斜角度は後述する洗浄ノズルの伸出角度と略同一とする。また、この傾斜部31aに連続して便座・便蓋支持部31bを形成する。便座・便蓋支持部31bは中央を隆起した膨出部の左右を前記傾斜部31aに連続した傾斜凹部31c、31cとして形成する。中央隆起部の側壁面31d、31dには、ヒンジブロック40と係合する係合突起32、32を設ける。この便座・便蓋支持部31bは、その頂上部に便蓋10並びに便座20の回転中心軸と同心の円弧状で且つ便蓋10倒伏位置を始点として便蓋10後端が開放した終点位置まで描く軌跡に略相似形状とした曲面部31fを備える。
【0029】
この曲面部31fには、運転状態等を表示する為の表示部用開口31g、便座20に着座した利用者を検出する為の人体検出センサ用開口31hが配置される。また、曲面部31fは中央の曲率を最も大きく、左右にいくに連れ小径とした樽形状とする。便蓋10の略開放位置部分からはその高さを維持する略フラット面31pとする。上ケース31の右側面には、操作部33aを、右後方上面にはリモコン受信部33bを設ける。そして、この樽形状の曲面部31f上を銘板34で覆うことにより、表示部用開口31g、人体検出センサ用開口30hを塞ぐ。この銘板34には、人体検出センサ用開口31hに対応する部分に半透明のスモーク板34aを一体に形成し、表示部用開口31gに対応する位置に透明部34bを一体に形成する。また裏側に熱カシメ用突起34cを4個所設け、上ケース31に設けた熱カシメ用孔31xにて熱カシメし、上ケース31に一体化する。この銘板34は二色成形により形成され、下面をパール調、上面を透明板とし、パール調下地側に文字、表示部用開口、人体検出センサ用開口を形成し、上側透明板にてその全てを覆うよう形成する。
【0030】
この表示部は、前記便座・便蓋支持部に支持された便座及び便蓋が閉じた状態及び開いた状態のいずれであっても、使用者が目視可能である位置に配置されている。すなわち、便蓋が倒伏状態に閉じているときには、表示部は便座の後端よりも後部側に露出し、便座を開放したときには、表示部は便座の下端よりも下側に、それぞれ使用者が便器に向かって立ち姿勢をとったときに楽な姿勢での視認が可能となっている。
【0031】
下ケース35の両側方部35aは底面側に向けて傾斜させており、その右傾斜部には、便座コード取出口35b、電源コード取出口35c、傾斜部から側方に突出する突出部35dを設け、左傾斜部には便器自動洗浄ユニット等のオプション機器への電力及び信号を供給する為のオプション用コード取出口35eを設ける。なお、突出部35d下方は切り欠いており、側方には給水接続口35f及び水抜き栓用開口35gを設ける。上ケース31,下ケース35の他の部位は夫々の内装部品を説明する際に合わせて説明する。
【0032】
上ケース31と下ケース35の連接構造を説明する。上ケース31前面側には、傾斜部31a前面より垂下された垂下壁31i内側に設けた係合爪31j、31j、傾斜部3a内側に設けた位置決拘束用突部31k、31kを設け、上ケース31の背面壁31lに設けた第2係合爪31m、31mを設ける。下ケース35には、前面壁35hに、係合突部35i、35i、底面には位置拘束用ボス孔35j、35jを設け、下ケース35背面壁35kに第2係合突部35l、35lを設ける。この構成により位置拘束用突部31k、31kを位置拘束用ボス孔35j、35jに合わせ、上ケース31の前部を下ケース35に押し込むと係合爪31j、31jが弾性変形しながら、係合突部35i、35iを乗り上げ、係合爪31j、31jが係合突部35i、35iに係合する。次に後部を押し込み、第2係合爪31m、31mが弾性変形しながら、第2係合突部35l、35lを乗り上げ、第2係合爪31m、31mが第2係合突部35l、35lに係合する。これにより、上ケース31と下ケース35とは一体化する。なお、本実施例では、第2係合爪31m、第2係合突部35lとの係合部分で連接を強固にするためにネジ止めを行っているが、このネジ止めは省略しても良い。
【0033】
なお、上ケース31と下ケース35との側面での合わせラインAを便座の下端が描くラインBの延長線上とし、且つ下ケース35の両側方に傾斜部35aを設けたので、下ケース35側面は影となり、取出口等は見えづらいので非常にコンパクトな印象を与える。また、突出部35dは逆に目立ち、水抜き等のメンテナンス作業部を認知させることができる。
【0034】
このようにして、上ケース31と下ケース35が連接されてなる装置本体30は、その嵩が約120mmとされ、成人であれば、片手の親指と中指とで何とか挟み持つことのできる寸法であり、局部洗浄装置の取付け工事などの際には、大変便利である。また、装置全体が薄型になったことにより、小さなサイズの梱包ですむので、持ち運びも楽であるし、梱包材も小型化できる。
【0035】
(便蓋10の説明)
便蓋10は、便器の開口部を塞ぎ上面が後部側ほど上方に反った凹形状となっている蓋部分10aを有し、その後端両側には、ヒンジブロック40、ソフト閉止ユニット50を介して前述の便座・便蓋支持部31bに回転自在に支持されるヒンジ部10bを有する。このヒンジ部10bは、蓋部分10aから下方に湾曲傾斜した連結部10cを介在させて、この蓋部分10aから延出形成する。便蓋10が倒伏状態にあるときの連結部10cの傾斜角は傾斜部31aの傾斜角と略同一であり、連結部10cの両端側壁下端部が傾斜部31a上面と所定間隔(本実施例では2mmの微小隙間)空けて略一致するよう形成する。また、ヒンジ部10bはその内側にソフト閉止ユニット50を収納する収納部10dを形成する。ヒンジ部10bの上方曲面部10eは便蓋10倒伏状態において後述する便座のヒンジ部20c及びヒンジブロック40を覆い隠すよう収納部10dよりも内方に延出形成し、上方を曲面部31fと略相似な同心円弧状で且つ曲面部31fと連続面に形成する。
【0036】
(便座20の説明)
便座20は、中央部に開口20aを備える座部分20bを有し、その後部両側には、ヒンジブロック40、ソフト閉止ユニット50を介して前述の便座・便蓋支持部31bに回転自在に支持されるヒンジ部20cを有する。このヒンジ部20cは、座部分20bから上方に湾曲傾斜した連結部20dを介在させて、この座部分20bから延出形成する。また、ヒンジ部20cはその内側にソフト閉止ユニット50を貫通収納する為の収納開口20gを有する収納部20eを設ける。ヒンジ部20cの上方曲面部20hは便座20倒伏状態においてヒンジブロック40を覆い隠すよう収納部20eよりも内方に延出形成し、上方を曲面部31f、ヒンジ部10bと略相似な同心円弧状で且つ便蓋10の略肉厚分小さい曲率で形成する。なお、便座20の連結部20dの下面には傾斜部20fを形成する。
【0037】
また、便座20の座部分20bの後部側側端部に、便蓋10の折り返し状の連結部10cを収容可能な凹部を形成して、便座20や便蓋10の倒伏状態において、便蓋10の連結部10cを、その下端縁が便蓋10の外周部下端縁と水平な一直線上に揃うように形成して水平端部をするとともにその水平端部が装置本体30の傾斜部31aの近傍まで延伸するように形成している。
【0038】
(便蓋10、便座20、装置本体30との関係の説明)
便蓋10、便座20、装置本体30は前述のような形状とされているので、便蓋10、便座20倒伏時には、装置本体30の曲面部31fと便蓋10の上方曲面部10eとが同心円弧状の連続した面を形成するので、すっきりとした印象を与える。このすっきりとした印象は便蓋10や便座20の側面が、装置本体30の側面と同一平面上に形成されていることにより、さらに印象を強めることに成功している。また、ヒンジ部20cも同心状の形状としたので便蓋10を開放状態としても、すっきりとした印象を変えることは無い。また、便座・便蓋支持部31bの左右を傾斜凹部31cとして、そこを便蓋10、便座20のヒンジ部10b、20cとの回動空間としたので、便座20の中央後端部20iを座面として利用することができる。また、便座・便蓋支持部31bの内方を収納空間としても有功利用しており、装置本体30のコンパクト化を図ることができる。
【0039】
さらに、装置本体30の最高高さ位置を、便蓋10の倒伏状態での便蓋10の最高高さ位置よりも低く、すなわち装置本体30のフラット面31pの上面を、便座20及び便蓋10のヒンジ部位置よりも低くしているので、局部洗浄装置の全体がコンパクト化され、装置の持ち運びやすさ等が向上している。
【0040】
なお、装置本体30には、便座20及び便蓋10のヒンジ部10b,20c間に、ヒンジ部10b,20cの最高高さと略同一高さとなり内部に機能部品を収納している膨出部を形成しているが、ここで言う装置本体30の最高高さ位置はこの膨出部を含まない。この膨出部はちょうど左右のヒンジ部10b,20cの間に収まりきるので、ヒンジ部10b,20cとの一体感がある。よって、便蓋10又は便座20の後方部にそれよりも高くそびえる部材がないため、この局部洗浄装置のコンパクトさを一層目立たせることに成功している。
【0041】
また、前記同心円弧の中心であり、便蓋10、便座20の回動中心をフラット面31pと略同一高さとする。こうすることで、便蓋10、便座20のヒンジ部10b、20cの回動軌跡はフラット面31pよりも後部に描かれず、傾斜凹部31cを余分に取る必要がなくなり、便蓋10倒伏状態での装置本体30との隙間を狭くすることができる。さらにまた、装置本体30の膨出部と、その枢軸方向外側にある便蓋10の一部分とで、その高さ及び曲面状の表面Rを略等しくしている。
【0042】
なお、便蓋10を閉じた状態で、便蓋10の端部と装置本体30との隙間、便座20の端部と装置本体30との隙間、及び便座20と便蓋10との隙間を、それぞれ約2mm程の略均一寸法の微小隙間として設定した。この微小隙間は、便座や便蓋を開放した状態でも、近い寸法に維持される。よって、従来の局部洗浄装置が有していた装置本体と便蓋の間の窪みなどを排除した、表面のでこぼこの少ないほぼフルフラットな表面を持ち且つ隙間レスとすることができた。よって、製品の意匠性が極めて向上するうえ、仮りに隙間に汚れが付着しても目立たない。
【0043】
(ヒンジブロック40、ソフト閉止ユニット50の説明)
図12は、装置本体30に対する便蓋10及び便座20の連接構造を示す概略断面図である。連接構造は、ヒンジブロック40とソフト閉止ユニット50とで構成され、ソフト閉止ユニット50は、便蓋10及び便座20が閉じるときに抵抗を与えて緩やかに動作するように緩衝装置(図示せず)を内蔵するヒンジ胴部51と、ヒンジ軸52とから構成され、ヒンジ軸52に対しヒンジ胴部51は回動自在とされている。なお、このヒンジ胴部51及びその周囲は便蓋10及び便座20の上面によって隠れるような構造とする。ヒンジブロック40には、ヒンジ軸52を挿入してこれらを固定支持するための支持孔40aを設ける。ヒンジブロック40の底部には、装置本体30に設けた係合突起32に対応して凹部40bを設ける。便蓋10及び便座20を装置本体30に連接するためのヒンジブロック40は、装置本体30に設けた係合突起32に凹部40bが嵌まり込んで固定される。
【0044】
収納部20eの開口20gの一部に位置決め凹部20jを、ヒンジ胴部51の一部に位置決凸部51aを設け、この凹凸により便座20の基端部に設けた収納部20eの一方をヒンジ胴部51と一体に回動するように固定し、他方の収納部20e内にヒンジ胴部51を貫通連結し回動自在に軸支させる。また、収納部10dの一部に位置決め凹部10fを、ヒンジ胴部51の一部に位置決凸部51bを設け、この凹凸により便座と固定された収納部20eとは逆側の便蓋10の基端部に設けた収納部10dをヒンジ胴部51と一体に回動するように固定し、他方の収納部10dをヒンジ胴部51に対し回動自在に軸支させる。
【0045】
図13は、ヒンジブロック40,サポートカバー41と装置本体30に設けた係合突起32との連接構造を示す斜視図である。図において、ヒンジブロック40には、樹脂等から形成されるカバー41が設けられ、支持孔40aと同心円形状に若干突出して設けた支持ガイド40gに、支持ガイド40gと略同一形状の回動孔41aを回動自在に軸支することにより、ヒンジブロック40とカバー41は一体化される。カバー41の裾部内側にはロック爪41bが設けられ、片側には把手部41cが一体に設けられている。係合突起32前壁には、ロック爪41bが係合する係止溝32aが設けられる。なお、カバー41の側壁基端部内側には第2ロック爪41dが設けられ、ヒンジブロック40の側壁には、第2ロック爪41dが弾性係合する第2係止溝40cが設けられる。ヒンジブロック40の凹部に、テーパ状の形状となっている係合突起32が挿入、嵌合する構造となっている。
【0046】
図14は、ヒンジブロック40,サポートカバー41と装置本体30の係合突起32との連接状態を示す断面図である。サポートカバー41は折り返し部41eを設け,略断面略L字の形状をなしている。図13に示したロック爪41bは、強度確保のため、折り返し部41eに一体的に形成されている。第2ロック爪41dを第2係止溝40cに案内するために、溝40dがヒンジブロック40の側壁に設けられた支持孔40aと同心円弧上に第2係止溝40cよりも浅く形成される。また、第2ロック爪41dと第2係止溝40cとのロックが確実となるよう第2係止溝40cと溝40dとの間に盛り上がり部40eを設けている。このように、第2ロック爪41dと第2係止溝40cとを弾性係合として補助ロック機構を形成しているので、ロック爪41bと係止溝32aとは弾性係合ではなく、単なる係合とすることができるので、ロック力の調整およびロック爪41bの耐久性の確保等が容易である。また、これにより設計の自由度が広がる。ヒンジブロック40の内部にはリブ40fがあり,係合突起32と嵌合する構造となっている。このリブ40fの高さ調整にて係合突起32との嵌合調整を行う。
【0047】
図15は、ヒンジブロック40,サポートカバー41と装置本体30との連接状態を示す断面図である。図より明らかなように、連接状態では、ロック爪41bが係止溝32aに係合しているので、この状態では、ヒンジブロック40と係合突起32の係合は外れない。この際、上記カバー41の第2ロック爪41dとヒンジブロック4の第2係止溝40cとにより、回動方向も規制される。係合を外したい場合は、把手部41cに指をかけて、第2ロック爪41dと第2係止溝40cとの弾性係合を解除して、カバー41を回動することにより、ロック爪41bと係止溝32aとの係合を解除し、便座20等を上方に持ち上げることでヒンジブロック40と装置本体30の係合を外すことができる。
【0048】
また、便座20等を取り付けるときは、係合突起3eにヒンジブロック40を挿入する。係合突起3eは外側先端程細くなっているため、ヒンジブロック40を挿入しやすく、便座20取付作業が容易となる。便座20の荷重等によるヒンジブロック40の支持孔40aの下向きの力は,ヒンジブロック40の下端と装置本体30との接触部により受ける構造となっている。下向きの荷重を装置本体30の表面にて受ける際には、ケーシング全体がたわみ内部部品を破損させる恐れがあるため、装置本体30の上ケース31の裏面に補強リブを配設している。
【0049】
(内装部品の構成の説明)
図16(a)は上ケース31を取り外した状態の装置本体30の斜視図、図16(b)は更に制御ユニットを取り外した斜視図、図17は各ユニットを取り外した分解斜視図である。図において、60はバルブユニット、70は熱交換ユニット、90は流調、脈動ユニット、110はノズルユニット、130は乾燥、脱臭ユニット、150は補助操作ユニット、160は第1制御ユニット、170は第2制御ユニットである。
【0050】
(バルブユニット60の説明)
図18にはバルブユニット60の分解斜視図、図19には一部断面図、図20、図21には組立てた状態での斜視図、図22、図23には下ケース35に設置する前の状態の斜視図、図24、図25には下ケース35に設置した状態での斜視図を示す。図において、61はバルブ躯体、62は給水接続管、63は水抜栓、64は温水ヒータ制御用のトライアック、64aはトライアック64の放熱板、61aは流路形成用板兼リモコン受光部取付板、65は調圧弁、65aは調圧弁用開口塞板、61bは第2流路形成用板兼リモコン受光部取付板、66は電磁弁、67は流出接続管、68は入水温サーミスタである。
【0051】
バルブ躯体61には、給水接続管62を取り付ける為の取付用開口61c、水抜き栓63にて通常閉塞される水抜き開口61d、放熱板64aを取り付ける為の取付用貫通孔61e、流路形成用板兼リモコン受光取付板61aを取り付けて流路を形成するための流路形成用溝61f、調圧弁65を取り付ける為の取付用貫通孔61g、第2流路形成用板兼リモコン受光取付板61bを取り付けて流路を形成するための第2流路形成用溝61h、電磁弁66を取り付ける為の取付用開口61i、流出接続管67を取り付ける為の取付用開口61jを設ける。
【0052】
なお、図19に示すように取付貫通孔61eには逆止弁69を設け、また、水抜き開口61dから逆止弁69を経由しないで流路形成用溝61fに連絡するバイパス路61kと水抜き開口61dから逆止弁69を経由し流路形成用溝61fに連絡する本流路61lとを設ける。従って通常使用時の水の流れは、給水接続管62→開口61c→開口61d→本流路61l→(放熱板64a)→逆止弁69(貫通孔61e)→溝61f→調圧弁65→貫通孔61g→(塞板65a)→溝61h→電磁弁66→開口61i→開口61j→流出接続管67となる。
【0053】
給水接続管62は略L字形状に形成され、一端にフレキ管が螺合接続する雄螺子部62a、他端にバルブ躯体61に回動自在に嵌合固定される嵌合挿入部62bを設ける。また、嵌合挿入部62bにはOリング(図示せず)を嵌め込む溝62c、抜け止め用フランジ62dを設ける。このような構成により、給水接続管62の嵌合挿入部62bをバルブ躯体61の開口61cに挿入した後、略U字形状の取付部材62eをネジによりバルブ躯体61に固定することにより抜け止め用フランジ62dが拘束され、バルブ躯体61に対し回動自在に固定される。なお、給水接続管62の雄螺子部62aは通常下方に向けられて設置されるが、便器幅が大きい場合、便器が干渉して取付かない。従って、そのような幅広の便器に取り付ける場合には、給水接続管62を回動し、下ケース35に設けた給水接続口35fから側方に向けて給水接続管62の雄螺旋部62aを突出させてフレキ管(図示せず)と接続する。従って、幅広の便器であっても取付かないということはない。
【0054】
水抜き栓63はつまみ63aと栓本体63bからなり、つまみ63aの中心部には栓本体63bとの接続の為の丸孔63cが開けられ、内側にはバルブ躯体61との接続の為の雌ネジが形成されている。栓本体63bは、つまみ63aへの取付部63d及びOリング溝を形成すると共にストレーナ63eの一端を支持する基端部63f、ストレーナ63eの他端を支持するフランジ部63g、先端に設けられる止水弁部63hからなる。取付部63dは丸孔63cに回動自在でかつ外れないような構造とする。基端部63fに設けられる溝にはOリングが嵌め込まれ、水抜き栓63の装着時に開口61dから水が漏れるのを防止する。同様に、止水弁部63hのOリングはバイパス路61kから開口61dへの水の浸入を防止する。このような構成により、水抜き時には、つまみ63aとバルブ躯体61との螺合を解いた後、つまみ63aを引き外すことで水抜き栓63をバルブ躯体61から取り外す。この際、つまみ63aと栓本体63bとは回動自在に構成するので、栓本体63bは回転すること無くOリングに回動力が伝わらないので、耐久性を増すことができる。水抜き栓63を取り外すと、バルブユニット60内の水は自重によりバイパス路61k、本流路61l、開口61cを夫々通って開口61dから外部に排出される。
【0055】
リモコン用受光器169は、流路形成用板兼リモコン受光取付板61a及び第2流路形成用板兼リモコン受光取付板61bに設けた孔61qと、リモコン用受光器169の両側に設けた突起169aにより、バルブユニット60に挟着固定する。
【0056】
なお、バルブユニット60の固定は、下ケース35の底面コーナー部に設けた突出部35d下方の開口35x及び側方の開口35gから夫々給水接続部62及び水抜き栓63を外側に引き出した後、バルブ躯体61に一体形成された2個所の取付部61m,61nを下ケース35に設けたボス36a、36bにネジ止め固定し、更にバルブ躯体61に一体形成された倒伏防止用フランジ61pを上ケース31と下ケース35の接続に使われたネジの先端で上から抑えつけることで行われる。
【0057】
また、下ケース35へ組み付けた状態でのバルブユニット60収納時の嵩は110乃至120mm程度とし、後述するノズルユニット110(嵩110mm程度)にチューブの可動余裕(10mm程度)を採った嵩と略同一高さとする。
【0058】
(瞬間式熱交換ユニット70(加熱機構)の説明)
図26には瞬間式熱交換ユニット70の分解斜視図、図27は断面図、図28は下ケース35に設置した状態での斜視図、図29は平面図を示す。
【0059】
瞬間式熱交換ユニット70は熱交換部7A,温度安定部7B、出湯部7Cからなる。熱交換部7Aは、円筒状セラミックヒータ71、略円筒形状の熱交躯体72、バイメタルスイッチ73、水抜き栓74、温度ヒューズ75からなる。円筒状セラミックヒータ71には、熱交躯体72の開放端の一側を閉塞するための取付フランジ71aをガラス封止等で一体に設ける。熱交躯体72は略円筒状の円筒躯体72aと、温度安定部7Bと接続される接続開放室72bとで構成される。円筒躯体72aの開放端の一側にはセラミックヒータ取付部72c、他側には水抜き栓取付部72dを設け、円筒躯体72aの側壁面には、バイメタル取付用開口72eを貫通して設ける。バイメタルスイッチ73は、伝熱板73a、押え部材73b、バイメタルスイッチ本体73cよりなり、伝熱板73aを介して押さえ部材73bにより、前記バイメタル取付用開口72eにネジ4本で取り付ける。
【0060】
セラミックヒータ取付部72cは、円筒状セラミックヒータ71をその長さ方向の途中で支持しており、円筒状セラミックヒータ71は、円筒躯体72aの内部に挿入された状態で固定される。円筒躯体72aの他方の開放端には、前述したように水抜き栓取付部72dが設けられているが、上記円筒状セラミックヒータ71は、この円筒躯体72aの水抜き栓取付部72dまで達しておらず、その水抜き栓取付部72dとの間に間隙を形成している。このため、円筒状セラミックヒータ71の内部流路71bを送られてくる水は、その間隙で折り返して、円筒状セラミックヒータ71の外周と円筒躯体72の内周との間の円筒状流路72pを通って接続開放室72bに向かって流れる。なお、円筒状セラミックヒータ71と円筒躯体72aは共に、水平方向に対して水抜き栓取付部72d側を約5度下方に傾斜して配置されている。傾斜して配置することで浮力を利用して湯水中の空気抜きを行なうことができ、この結果、流路中の空気溜まりを防止することができる。また、傾斜していることから、水抜き栓74を開いたときに水は排出されやすい。このために、水抜き時の残水が残りにくい。
【0061】
なお、この実施例において、円筒躯体72aの内面に、水の流れ方向を渦状に旋回しつつ進行する向きに規制するフィンを設ける構成とすることができる。この構成によれば、水が渦状に旋回しつつ進行することから水の円筒状セラミックヒータ71との接触面積を大きくすることができることから、熱交換部7Aの熱効率を高めることができる。
【0062】
水抜き栓取付部72dに取り付けられる水抜き栓74は、ばね受け74a、止水ばね74b、水抜き弁体74c、ゴム製弁座74d、塞ぎ蓋74eから構成され、塞ぎ蓋74eにより前記水抜き栓取付部72dにネジ3本で取り付ける。水抜き弁体74cは、円盤に棒体を通した独楽形状をしており、片側の棒体部分74c1が塞ぎ蓋74eから突出しており、他方側の棒体部分74c2がばね受け74aに設けられた孔部に挿入される。塞ぎ蓋74eから突出した棒体部分74c1を作業者が後述する水抜きレバーを操作して押し込むことにより、棒体部分74c2が孔部を摺動してガイドされながら、水抜き弁体74cはゴム製弁座74dから離間して開状態となる。
【0063】
図68は、水抜き弁体74cが開状態となったときの水抜き栓74の周辺の拡大断面図である。この図に示すように、水抜き弁体74cは、ゴム製弁座74dから離間して、ばね受け74aの突出した環状部分74a1に当接した状態で静止する。この結果、円筒躯体72aの内部の湯水は、塞ぎ蓋74eに設けられた排出口74e1から外部に排出されることになる。なお、このとき、水抜き弁体74cの摺動の際のガイドの役割を果たした棒体部分74c2は、円筒状セラミックヒータ71の内部にまで入り込んだ状態となっている。これは、水抜き弁体74cの動作方向と円筒状セラミックヒータ71の中心軸とが一致するように、水抜き栓74の円筒躯体72aへの取付位置を定めたためであり、この結果、水抜き弁体74cの動作のための空間を予め開けておく必要がなく、装置をコンパクト化することができる。
【0064】
なお、上記円筒状セラミックヒータ71と水抜き栓74との位置関係を持つ構成であれば、こうした瞬間式の熱交換装置に限るものではなく、貯湯式の熱交換装置においても採用することができる。すなわち、水を貯溜する貯溜タンク内に円筒状セラミックヒータを内蔵する構成において、水抜き栓を、この実施例と同様の円筒状セラミックヒータと水抜き栓74との位置関係でもって配置する構成としてもよい。
【0065】
温度ヒューズ75は円筒躯体72aの外郭に一体形成したヒューズ取付部(図示せず)と温度ヒューズ取付板75aに一体形成されるヒューズ取付部75bとで図示しないヒューズ本体を挟圧固定する。なお、その取付は温度ヒューズ取付板75aをネジ1本で円筒躯体72aの側壁面に取付けることで行われる。
【0066】
図69は、瞬間式熱交換ユニット70を温度ヒューズ75側から見た斜視図である。この図に示すように、円筒躯体72aに取り付けられた温度ヒューズ75の上方には、被水防止用のカサ(軒状部材)72fが円筒躯体72aと一体に設けられている。冷却吐水を行なった場合、温度ヒューズ75より上方に位置する温度安定部7B辺りに結露が生じることがあり、結露の水分が落ちた際に、温度ヒューズ75が被水することをカサ72fにより防止する。
【0067】
円筒躯体72aと接続開放室72bとの隔壁には伝熱開孔72gと連絡孔72hとを設け、伝熱開孔72gの上方には、フロートスイッチ収納室下部を形成する下部室72iを形成し、連絡孔72hの上方には、拡開室72rを形成する。図70は、円筒躯体72aを上方から見た斜視図である。この図70に示すように、拡開室72rは円筒形状をしている。なお、伝熱開孔72gは金属製の伝熱板72jで塞ぐ。また、接続開放室72bには拡開室72rと下部室72iとを連絡する連絡溝72kを形成する。また、拡開室72r、下部室72i、連絡溝72kの周囲には連結用フランジ72lを形成する。
【0068】
温度安定部7Bは、熱交換部7Aの上方に位置して、流路形成体76、出湯温を検知する湯温検知サーミスタ77、水の有無を検知するフロートスイッチ78、フロート室塞ぎ蓋79にて構成される。流路形成体76は、熱交躯体72への取付用フランジ76aと、フロートスイッチ78を収納する収納室76bとからなり、フランジ76aは、連絡孔72h、連絡溝72kの上方を覆うフランジ延出部76cを有し、このフランジ延出部76cには湯温検知サーミスタ77を挿入固定するサーミスタ取付孔76dを設ける。なお、フランジ延出部76cと、拡開室72r、連絡溝72kとで熱交換部7Aとフロート収納室76bとを連絡する連絡流路70aを形成する。こうした構成の連絡流路70aは、連絡孔72hで絞られ、その後、拡開室72rで一旦拡げられた流路となっている。このため、熱交換部7Aからの温水は、拡開室72rを含む連絡流路70aを流れる間に撹拌されることになる。この結果、湯水の温度ハンチングをなくして温水を安定した温度で供給することが可能となる。
【0069】
なお、湯温検知サーミスタ77はサーミスタ取付孔76dに取り付けられたとき、その湯温検知サーミスタ77の検知部が連絡流路70aの拡開室72rの下流に位置しており、湯温検知サーミスタ77はフロート収納室76bに送られる直前の湯温を検知する。いわば、加熱源であるヒータに近い位置で温水温度を検出できるので、ヒータ異常による温水温度を早く検出することができる。なお、湯温検知サーミスタ77の検知部に当たる連絡流路70aは、フランジ延出部76cの下部突出部76jによりその流路断面積が狭められて所定の大きさに定められている。この流路断面積がどのような大きさかは後述する。
【0070】
フロート収納室76bはフランジ76aよりも下方に垂下する垂下部76eと上方へ延出し上端を開放する円筒部76fとからなり、垂下部76eは下部室72i内に挿入され、垂下部76eの下端にて伝熱板72jを押圧固定し、伝熱開孔72gを閉塞する。なお、下部室72iの側壁に連絡流路70aが連結されている。円筒部72fの側壁上方には出湯部7Cに連絡する連絡開口76gを形成し、その連絡開口76gから接続部76hを延出形成する。円筒部76fの上端開放部にフロートスイッチ78が一体化されたフロート室塞ぎ蓋79をネジ止め固定する。
【0071】
上記構成により、フロート収納室76bの流入通路としての連絡流路70aは、フロート収納室76bの下半分側に接続され、フロート収納室76bの流出通路としての接続部76hは、フロート収納室76bの上半分側に接続されことになる。この構成によれば、フロート収納室76bの流入通路が下半分側に接続されていることから、熱交換部7Aから温度安定部7Bまでの接続流路を短くすることができる。また、フロート収納室76bの流出通路としての接続部76hが上半分側に接続されていることから、流出通路である接続部76hの下側、すなわち、その接続部76hと熱交換部7Bとの間にスペースをとることができる。このため、このスペースの利用が可能となる。さらには、連絡流路70aと接続部76hとは対角となることから熱安定部7Bの温水の撹拌性にも優れている。さらにまた、上記構成により、フロート収納室76bは温度安定部7Bとして利用されることから、スペース効率に優れている。
【0072】
出湯部7Cは、出湯形成体80、調圧弁65に異常が起きた際所定圧力以上の圧力が2次側機器に加わらないようにするための安全弁ユニット81、所定温度以上の高温となった際に円筒状セラミックヒータ71への通電を強制的に遮断するためのリミットサーミスタ82,通水が無い状態で、下流側に空気を取り入れる為のバキュームブレーカー83にて構成される。出湯形成体80は、温度安定部7Bと接続するための接続凸部80a、リミットサーミスタ取付部80b、安全弁取付部80c、バキュームブレーカー取付部80dを備える。なお、流路構成上、接続凸部80aとサーミスタ取付部80bとは略同一面上に、安全弁取付部80cとバキュームブレーカー取付部80dとは略一直線状に対向配置する。接続凸部80aは、接続部76hに挿入される挿入部と、取付用フランジとで構成する。安全弁取付部80cは、安全弁挿通部80gと、固定用ネジ部80hとで構成する。
【0073】
この構成によれば、フロート収納室76bの流出通路としての接続部76hがフロート収納室76bの上半分側に接続されていることから、その接続部76hに続くバキュームブレーカ83の下側にスペースを空けることができ、上記安全弁ユニット81の配置が可能となっている。したがって、バキュームブレーカ83の下側のスペースを有効に利用することができることから、装置をコンパクト化することができる。
【0074】
リミットサーミスタ取付部80bに取り付けられたリミットサーミスタ82の検知部は、温度安定部7Bの連絡開口76gに連結された流路80iに位置しており、出湯部7Cに送られてきた直後の湯温を検知する。ここでの湯温は、後述するノズルユニット110までの流路面積を小さく絞っているため、ノズルユニットからの吐出温度と略同じである。また、ヒータ71とリミットサーミスタ82の間にフロート収納室が介在するため、ヒータで温水となった湯がリミットサーミスタ82に達するまでには比較的時間がかかるうえ、ヒータ71の加熱により発生した熱だまりなどの影響を受けにくくなっている。なお、前述した湯温検知サーミスタ77の検知部が位置する部分の連絡流路70aの流路断面積は、この流路80iの流路断面積とほぼ同じ大きさとなっており、両サーミスタ77,82の検知部周りの流速がほぼ等しくなっている。この構成によれば、両サーミスタ77,82の検出感度を同じにすることが容易である。
【0075】
安全弁ユニット81は、安全弁体81a、圧力設定ばね81b、逃がし流路81c、固定用フランジ81d、外周にOリング溝を形成した挿入部81eを一体に有する弁体押え部材81fからなり、挿入部81eを挿通部80gに挿入し、固定用フランジ81dをネジにより固定用ネジ部80hに固定することで出湯形成体80に一体化する。なお、弁体押え部材81fには、オーバーフロー流出路81gが形成される。このような構成により、通常、弁体81aは、出湯形成体80に形成された安全弁座80kにばね81bにて押圧され止水されているが、所定圧以上の水圧が加わると、安全弁体81aは開放し、オーバーフロー流出路81gからも水が流出し始め、流出口83cから流出する水の圧力を所定圧以下に調整する。
【0076】
バキュームブレーカー83は、バキュームブレーカー弁体83a、空気取込口兼オーバーフロー口83b及び流出口83cを有するキャップ83dにて構成する。この構成によりバキュームブレーカー83は、通水していない状態では、バキュームブレーカー弁体83aは重力により、出湯形成体80に形成したバキュームブレーカー弁座80jに着座し、通水時にはキャップ83dに形成した弁座83eに着座する。なお、安全弁ユニット81のオーバーフロー流出路81g及びバキュームブレーカー83の空気取込口兼オーバーフロー口83bに接続される樹脂製チューブの他端は下ケース35の中央部前面に形成される排出用トイ36vに固定する。従って、オーバーフローした水は排出用トイ36vを伝って便器内へ排出される。
【0077】
瞬間式熱交換ユニット70の組み付けは、熱交換部7Aと温度安定部7Bとをパッキンを介してフランジ72lとフランジ76aとで螺合固定し、更に、温度安定部7Bと出湯部7CとをOリングを介して接続部76hと取付用フランジとを1本ネジにより螺合固定することで行われる。なお、瞬間式熱交換ユニット70の下ケース35への取付は円筒躯体72aの対角に設けられた取付フランジ72m、72nを下ケース35に設けたボス36c、36dにネジ止めすることにより行われる。
【0078】
上記構成により、バルブユニット60の流出接続管67から瞬間式熱交換ユニット70へ接続チューブを介して導入された水は、流水状態にて円筒状セラミックヒータ71の内部流路71b及び円筒状セラミックヒータ71の外側の円筒状流路72pで所定水温に温められ、連通孔72hから接続開放室72bの連絡流路70aを介してフロート収納室76bへと導入される。接続開放室72bは、湯水の撹拌室として機能する。また、収納室76bは、10ないし20cc程度の容量を有し、フロートスイッチ78の動作ストロークを確保すると共に、撹拌室としても機能する。これらの結果、湯水の温度ハンチングは極小となる。こうして安定化された湯は、連絡開口76gを通って出湯部7C内の流路80iを介して、バキュームブレーカ弁体83aを押し上げ、流出口83cへと導出される。なお、下ケース35へ組み付けた状態での瞬間式熱交換ユニット70の嵩は110乃至120mm程度とし、後述するノズルユニット110(嵩110mm程度)にチューブの可動余裕(10mm程度)を採った嵩と略同一高さとする。
【0079】
次に、円筒状セラミックヒータ71について詳述する。図71は、円筒状セラミックヒータ71の作成のもととなる平板状のセラミックヒータ71′の平面図である。図示するように、このセラミックヒータ71′は、伝熱性と電気絶縁性とを有するセラミックスからなる長方形状の基板200に発熱体パターン201を封入したものである。発熱体パターン201は、蛇行状に折り返すことで薄板200のほぼ全面を覆うように張り巡らされており、その両端は接続端子202,203となっている。発熱体パターン201を形成するパターン材料はタングステンとモリブデンとから構成される。
【0080】
この実施例では、発熱体パターン201の単位面積当たりの電力を約22[W/cm]に上げるように構成されており、これにより、所望の発熱量を得るのに発熱体パターン201の全長を十分に短くすることが可能となっている。また、この実施例では、発熱体パターンにモリブデンを用いることにより、パターン部分に空隙が発生するのを防止している。従来、発熱体パターンにアルミナを用いていたときには、空隙が多く発生していたが、モリブデンを用いることにより、パターン空隙の発生を抑えることが可能となり、この結果、局部発熱による割れを防止することができ、また、抵抗バラツキを低減することができる。
【0081】
図72は、瞬間式熱交換ユニット70およびその周辺の電気的な回路図である。図示するように、商用電源との接続線L1,L2に電源ヒューズ210が直列接続されて、この電源ヒューズ210を介して、この電気回路を搭載する基板211上の接続端子1,2に電源が供給される。その後、接続端子1,2から延びた接続線上に順に、前述した温度ヒューズ75、バイメタルスイッチ73およびトライアック64が接続されている。その後、その接続線は、円筒状セラミックヒータ71に接続されている。
【0082】
この実施例によれば、熱交換部7Aの円筒躯体72aの側壁面に取り付けられたバイメタルスイッチ73により円筒躯体72aの壁面温度を、温度ヒューズ75により空焚き時のヒータ71の温度を素早く検知することができることから、ヒータが空焚きしたときや温水の温度が急上昇したときにも、円筒状セラミックヒータ71への電源の供給は短時間で停止される。したがって、不安定な温度の湯水の供給を素早く停止させることができ、また異常の早期発見ができる。なお、この実施例では、バイメタルスイッチ73は50℃で遮断され、温度ヒューズ75は50℃より高い70℃で遮断されるように構成されている。このため、バイメタルスイッチ73で使用者への高温水の吐水を防止し、温度ヒューズ75にて装置自体の焼損を防止するといったことが可能となり、したがって、安定した温度の温水の供給を実現することができる。
【0083】
図72において、温度安定部7Bの直ぐ下流に設けられたリミットサーミスタ82の検出信号は、後述する制御ユニットの電子制御回路212に送られるとともに、ハードウェア回路213に送られる。電子制御回路212は、CPU、RO,RAM等を備える論理演算回路で、ROMに予め記憶されたコンピュータプログラムに従ってCPUにより制御処理を実行する。ハードウェア回路213は、コンパレータ等のディスクリートな電子回路より構成される。電子制御回路212およびハードウェア回路213は、互いに独立した、リミットサーミスタ82の検出信号に従う電磁弁66の開閉制御を行なっている。このため、電子制御回路212が例えばCPUの暴走等により誤作動したときに、ハードウェア回路213によりとりあえず電磁弁66を遮断するような制御を行なうことも可能である。したがって、電子制御回路212により安定しない温度となった温水が使用者に吐水されるのを防ぐこともできる。
【0084】
なお、この実施例では、前述したように、商用電源との接続線L1,L2が接続端子1,2に接続される前に、電源ヒューズ210と直列接続されている。これに対して、従来、商用電源から接続端子1,2に一旦接続した後、その接続端子1,2に電気的に接続された別端子から電源ヒューズ210に接続されるのが一般的であった。このため、この実施例では、別端子が不要となり接続端子の数を減少することができる。したがって、装置のコンパクト化を図ることができる。
【0085】
以上のように構成された瞬間式熱交換ユニット70によれば、温度安定部7Bは、熱交換部7Aの上部に接した状態で配置された構成となっている。このために、熱交換部7Aの熱を温度安定部7B側に逃がして熱交換部7Aの局部的な熱溜まりを低減させることができる。この結果、湯水を安定した温度で供給することができる。特にこの実施例では、熱交換部7Aと温度安定部7Bとの間を、金属製の伝熱板72jにて仕切った構成となっていることから、熱交換部7Aの熱を温度安定部7B側に容易に逃がすことができることから、より安定した温度で湯水を供給することができる。
【0086】
(流調、脈動ユニット90の説明)
図30は流調、脈動ユニット90の分解斜視図、図31は流調、脈動ユニット90の平面図、図32(a)は流調サブユニット92の断面図、図32(b)は流調サブユニット92のステータ92f、ロータ92dの平面図、図33は流調サブユニット92の各回転位置での切欠溝92mと流調溝92pとの重合状態((a)0度、(b)60度、(c)120度、(d)180度、(e)240度、(f)300度)、図34は流調サブユニット92の回転角度での切欠溝92mと流調溝92pとの重合面積、図35は脈動サブユニット94の断面図、図36は流調、脈動ユニット90の取付を説明する斜視図である。
【0087】
流調、脈動ユニット90は流調サブユニット92、脈動サブユニット94、防振プレート96からなり、流調サブユニット92に設けた取付孔92v、92wにより防振プレート96の取付ボス96a、96bにネジ止め固定する。脈動サブユニット94は略対角に設けられた取付孔94u、94vを防振ゴム95a、95bを介して防振プレート96の取付ボス96c、96dにネジ止め固定する。なお、脈動サブユニット94のもう一方の対角下端には環状溝94c、94dを、防振プレート96のそれに対応する対角上面には弧状リブ96e、96fを夫々設け、その間に防振ゴム95c、95dを嵌装する。
【0088】
(防振プレート96の説明)
防振プレート96には流調サブユニット92及び脈動サブユニット94を取り付ける載置面の周囲に外輪壁96gを設け、載置面より1段下げて排出トイ96hを設ける。この構成により流調サブユニット92及び脈動サブユニット94への結露水等を排出トイ96h、下ケース35を介して便器へ排出する。また、外輪壁96gの一コーナー部を上方に延出形成し、内壁側を流調サブユニット92と脈動サブユニット94を接続するチューブのガイド壁96iとし、そのガイド壁96i上方には略倒コ字状のコ字状リブ96jを設け、このコ字状リブ96jにより流調サブユニット92と脈動サブユニット94への電力線、制御線等の配線を一括して保持する。防振プレート96の一方の対角には取付孔96k、96lを設け、他方の対角下面には弧状凹部96m、96nを設ける。また、外輪壁96gには前方に突出する略T字形状突起96pを設け、該突起96pは流調サブユニット92からノズルユニット110へ接続されるチューブを紐等(図示無)により締結固定する際に利用される。流調、脈動ユニット90の下ケース35への取付は後述する。
【0089】
(流調サブユニット92の説明)
流調サブユニット92は、流調ボディ92a、流調モータ92b、ロータシャフト92c、ロータ92d、ロータスプリング92e、ステータ92fから主に構成される。流調ボディ92aには、流入エルボ92g、バイパスポート92h、流出ポート92i、機能部収納室92jを設け、機能部収納室92j内にロータシャフト92c、ロータ92d、ロータスプリング92e、ステータ92fが収納される。ロータシャフト92c周囲にはYパッキン92rを嵌め込み、ロータシャフト92cと機能部収納室92jとの水密性を確保し、ロータシャフトの上方には流調モータ92bの出力軸と一体連結する連結用凹部92sを設ける。また、ロータシャフト92cとロータ92dとは位置拘束ボス92kによって回動不能に一体化する。ロータスプリング92eは、ロータ92dとロータシャフト92cとの間に嵌装し、ロータ92dをステータ92f側へ押圧し、ロータ92dとステータ92fとの面の水密性を確保する。ステータ92fは、切込凹溝92qにより位置拘束し、ネジにより流調ボディ92aに回動不能にシールパッキン92t、92uを介して固定一体化する。
【0090】
ロータ92dには扇状の切欠溝92mを設け、ステータ92fにはバイパスポート92hへ水を導く為のバイパス孔92n、流出ポート92i側への流量を調整して水を導く流調溝92pを設ける。
【0091】
上記構成により、流調モータ92bの回転がロータシャフト92cを介してロータ92dに伝達され、ロータ92dの切欠溝92mとステータ92fのバイパス孔92n若しくは流調溝92pとの重合状態を変更し、図34に示すような流量調節若しくは流路切換が行われる。
【0092】
(脈動サブユニット94)
脈動サブユニット94は、入水ボディ94a、ソレノイド94b、出水ボディ94c、円筒状内筒94d、略円筒形状のポール94e、略円筒形状のプランジャー94f、緩衝ばね94g、付勢ばね94h、断面コ字状の外郭ヨーク94iで構成する。なお、付勢ばね94hの弾性力が緩衝ばね94gの弾性力よりも大きい設定とする。ソレノイド94bは、樹脂性で非磁性材の円筒ボビン94p、円筒ボビン94pに巻き付けられる銅等からなる巻線94q、円筒ボビン94pの外郭を囲む鉄等の磁性材からなる断面コ字状の内側ヨーク94rからなる。円筒ボビン94p内に内筒94dを嵌め込み、この内筒94d内にポール94e、緩衝ばね94g、プランジャー94f、付勢ばね94hを組込み、入水ボディ94aのフランジ部94j、出水ボディ94cのフランジ部94kを外郭ヨーク94iと内側ヨーク94rとで挟着一体化する。プランジャー94f内には逆止弁94lが配置される。
【0093】
上記構成により、ソレノイド94bに通電がなされると、内側ヨーク94r→ポール94e→プランジャー94f→ヨーク94iと閉磁回路が形成され、付勢ばね94hの弾性力に抗して、プランジャー94fがポール94e側へ吸引される。この時、ポール94eとプランジャー94fとの間に形成されるチャンバ94m内の水は出水ボディ94c側へと圧送され、出湯口94tから樹脂製チューブを介してノズルユニット110へ送出される。ソレノイド94bの通電を遮断すると付勢ばね94hによりプランジャー94fは押し戻される。その際、プランジャー94f内の逆止弁94lが開き、流調サブユニット92から入水ボディ94a内の水は、チャンバ94m内に流入する。本実施例においては、70Hz乃至100Hzでソレノイド94bへの通電をオンオフする。なお、プランジャー94fが押し戻される際に、一次側に衝撃波が発生するので、それを打ち消すために、入水ボディ94aにはアキュームレータ94nを設ける。
【0094】
脈動サブユニット94は70Hzないし100Hzで駆動されるため、大きな振動が発生する。これは騒音の原因ともなるので、前述した通り、脈動サブユニット94は防振プレート96へ防振ゴムを介して固定する。更に、これだけでは不十分である為、防振プレート96の取付孔96k、96lを防振ゴム(図示せず)を介して取付ボス36e、36fへネジ止め固定し、防振プレート96の環状溝96m、96nを防振ゴム(図示せず)を介して略十字ボス36g、略ト字ボス36hへ当接係止する。なお、防振プレート96の質量を増す為に、流調サブユニット92をネジ止め一体化する。このように多段防振を行うことで、下ケース35への振動伝達を極小とすることができる。
【0095】
また、脈動サブユニット94には、図示しないバキュームブレーカが取り付けられている。このような圧力変動を生じる脈動サブユニット94のような機器にバキュームブレーカーを設けている為、バキュームブレーカー97の動作が不安定になってしまう。図61はこの実施例に用いたバキュームブレーカー97を説明するための要部拡大図である。図において、出水ボディー94cには空気流入路97dが設けられ、水圧がかかった際に、この空気流入路97dを塞ぐ為にバキュームブレーカー弁体97aが設けられる。このバキュームブレーカー弁体97aの移動を規制するリング状の規制部材97eを設け、この規制部材97eを形状記憶素子製の感温バネ97b及びバイアスバネ97cにて各バネがもう一方のバネ側に付勢するように作用して、バキュームブレーカー弁体97aを間接的に付勢している。なお、感温バネ97bは図62に示すように、低温では縮み、高温では伸びる特性を有し、その変態点は20℃乃至30℃となっている。
【0096】
このような構成であるから、通水が行われない時には、バキュームブレーカー97の温度は室温程度まで下がっており、バイアスバネ97cの付勢力により、規制部材97eは図61(a)の位置に押し下げられる。この時水圧はかかっていないので、弁体97aは空気流入路97dを開放する。なお、弁体97aには連通路97fを設けているので、空気流入路97dから出湯口94tへ大気が導入され、出湯口94tより下流側の配管内滞留水は後述するノズル噴出孔113d、113e、113fから排出される。熱交ユニット70により適温にされた湯が供給されると、水圧により弁体97aは空気流入路97dを塞ぐ。なお、湯の温度により感温バネ97bの付勢力が大きくなる為、バイアスバネ97cに抗して規制部材97eを空気流入口側に押し上げる。従って、弁体97aは拘束され、出湯中に出湯口94t側に負圧が発生したとしても、空気流入路97dを開放することは無い。すなわち、この感温バネ97bが、洗浄水が所定水温以上の時にバキュームブレーカーを動作させない動作制限手段となっている。
【0097】
なお、洗浄水が所定水温より低くなると、出湯中に出湯口94t側に負圧が発生した場合、空気流入口97dが開放されることがある。こうした場合、空気流入口97dから水が吐出される。この実施例では、こうして吐出された水が飛び散らないように、その吐出先に跳ね返り板96rが形成されている。バキュームブレーカ97からの吐水は、跳ね返り板96rに当たった後、排出トイ96hを伝って便器内へ排出される。この構成によれば、バキュームブレーカ97から吐出された水が不測な部分に飛び散るのを防止することができる。
【0098】
よって、水圧変化により開閉を行うバキュームブレーカー97が洗浄水の圧力を変動する脈動サブユニット94の近傍に設けられているに関わらず、洗浄水として湯が供給されている間はバキュームブレーカー弁体97aが開閉動作を行うことはなく、異音等の発生は生じない。
【0099】
(ノズルユニット110の説明)
図37はノズルユニット110の分解斜視図、図38は流路切換ユニット100の分解斜視図、図39は流路切換ユニット100の断面図、図40はノズル本体111の断面図、図41はノズルヘッド113の断面図、図42はノズルユニットの取付説明図である。
【0100】
ノズルユニット110は流路切換ユニット100、ノズル本体111、ノズル駆動ユニット120から構成し、流路切換ユニット100はノズル本体111後端に一体化され、ノズル本体111はノズル駆動ユニット120に摺動自在に取り付けられる。
【0101】
(流路切換ユニット100の説明)
流路切換ユニット100は、切換モータ101、モータ取付板102、伝達軸103、シール材104、流入孔105aを有する流路切換ボディ105、切欠溝106aを有する切換ロータ106、お尻1流出ポート107a、お尻2流出ポート107b、ビデ流出ポート107cを有する切換ステータ107にて構成する。
【0102】
(ノズル本体111の説明)
ノズル本体111は、ノズル胴体112、ノズルヘッド113、パッキン114、流入エルボ115からなり、ノズル胴体112後端には、流路切換ユニット100を収納する収納部112aを設け、該収納部112aの一側壁には流入孔112bを設け、該流入孔112bには流入エルボ115を接着または溶着等で一体化する。収納部112aの他側壁には、ノズル駆動ユニットへの連結部112cを設ける。ノズル胴体112の内部には、上方にお尻1流路112d、下方にお尻2流路112e及びビデ流路112fを形成し、先端にはお尻1連結用突起112g、お尻2連結用突起112h、ビデ連結用突起112iを設ける。
【0103】
ノズルヘッド113の後端には、お尻1連絡流路113a、お尻2連絡流路113b、ビデ連絡流路113cを設け、突起112g、h、iと流路113a、b、cとの間にパッキン114を介装する。ノズルヘッド113先端には、奥から順にお尻1噴出孔113d、お尻2噴出孔113e、ビデ噴出孔113fを設ける。お尻1噴出孔113dと流路113aとは直線流路にて形成されるが、流出ポート107b、107c、流路112e、112f、連絡流路113b、113cは中心からずれて配置されるので、お尻2噴出孔113e、ビデ噴出孔113fとお尻2連絡流路113b、ビデ連絡流路113cとは図41(c)に示すように偏芯して形成する。
【0104】
なお、ノズル胴体112の流入エルボ115付近には、流路切換ユニット100の配線を束ね固定するための断面コ字状配線収納リブを設ける。
【0105】
(ノズル駆動ユニット120の説明)
ノズル駆動ユニット120は、ノズル本体111を摺動自在に支持するノズル支持台123、ノズル支持台123の右側後方に取り付けられるノズル駆動用モータ124、ノズル支持台123の左側後方に取り付けられ、ノズル駆動用モータ124に回動不能に固定される大プーリー125、ノズル支持台123の後端の取り付けられノズル本体111の移動を拘束するストッパ126、ノズル支持台123の前端及びストッパ126に取り付けられる2個の小プーリー127、大プーリー125及び小プーリー127及びノズル本体111の連結部112cに取り付け、ノズル本体111へモータの駆動を伝達するタイミングベルト128、ノズル支持台123に上下動自在に取り付けられタイミングベルトの弛みを調整する為のテンショナ129にて構成する。
【0106】
ノズル支持台123の先端にはノズル洗浄室121を設け、その側方には流調サブユニット92のバイパスポート92hに樹脂製チューブで接続される洗浄ポート122を形成する。
【0107】
(ノズルユニット110の取付)
ノズルユニット110の取付は、ノズルユニット110を下ケース35の左右動拘束壁36kに沿って前後方向にスライドさせ、ノズル駆動ユニット120に設けた取付フランジ123aを下ケース35に設けた上下動拘束リブ36i内に嵌め込み、取付フランジ123bを下ケース35に設けたボス36iにネジ固定することで行われる。
【0108】
上記構成により、ノズル駆動用モータ124の正転逆転がタイミングベルト128によりノズル本体111に伝達されノズル支持台123の傾斜に沿って2個の小プーリー127間を往復動可能とされる。また、ノズル本体111収納時、ノズルヘッド113はノズル洗浄室121内に有り、洗浄ポート122から供給される水によりノズルヘッド113が洗浄される。
【0109】
ノズル本体111の伸縮方向の角度は、前述したとおり上ケース31の傾斜部31aと略同一であるが、この傾斜角(水平面から30乃至40度)は、本出願人の長年の研究により得られたものであり、単一のノズル本体111からおしり及びビデを狙うのに最適な角度であり、また、座る位置、体格等のばらつきを吸収できる最適な角度でもある。
【0110】
また、本実施例においては、ノズルユニット110の嵩は110mm程度で、上ケースの略フラット面31pの嵩は120mmとして、10mm程度の余裕を持った高さを有しているのは、ノズル本体111へ水を供給するチューブがノズル本体111と共に可動する必要があるため、この可動スペースを確保するためである。この余裕代は最低限必要なもので、もし、この余裕が無い場合には、チューブが上ケース31とノズルユニット110とで圧迫され、何れチューブは破損する。また、ノズルユニット110の奥行きは160mm程度であり、これも上ケースの奥行きと略等しい。
【0111】
(乾燥、脱臭ユニット130)
図43は乾燥、脱臭ユニット130の分解斜視図、図44は乾燥流路形成上体131の斜視図、図45は乾燥流路形成下体132の斜視図、図46は脱臭流路形成下体142の斜視図、図47は組立状態での斜視図、図48は(a)背面図、(b)正面図、(c)平面図、図49は一部を切り欠いた平面図、図50は乾燥ヒータの側面図及び斜視図である。
【0112】
乾燥、脱臭ユニット130は、乾燥流路形成上体131、乾燥流路形成下体132、汚水侵入防止壁133、乾燥ヒータ134、乾燥ヒータ収納箱135、乾燥用サーミスタ136、乾燥用ファン137からなる乾燥装置139と、目詰まり防止フィルタ141、脱臭流路形成下体142、脱臭流路形成上体143、脱臭触媒144、脱臭用ファン145からなる脱臭装置140とからなる。
【0113】
(乾燥装置139(温風発生機構)の説明)
乾燥流路形成上体131は、外壁面131a、上壁面131b、内壁面131c、脱臭流路形成面131dから構成され、乾燥流路形成上体131の外壁面131a、内壁面131cには下方に突出する乾燥ヒータ134の収納用突起(図示せず)を3個所、側方に突出する乾燥用サーミスタ136の収納用突起(図示せず)を1個所、側方に突出するヒータ線取出用突起131vを1個所設ける。更に、外壁面131aには下ケース35への取付部131tを設ける。また、乾燥流路形成上体131の後端部131vよりも端は薄肉とし、乾燥用ファン挿入代を形成する。
【0114】
上壁面131bは、傾斜面131hと乾燥ヒータ収納面131iからなり、傾斜面131gには上側に突出する突出壁131jを設ける。この突出壁131jは、流調サブユニット92のバイパスポート92hとノズルユニット110の洗浄ポート122とを連結する樹脂製チューブの案内ガイドとして機能する。また、傾斜面131gと上ケース31の傾斜部31aとで樹脂製チューブを挟み、この樹脂製チューブにて脱臭用ファン145側への汚水浸入を防止する。
【0115】
内壁面131cの側方には脱臭流路形成部131dを形成する。この脱臭流路形成部131dは奥壁面131l、上壁面131bと連続形成される脱臭流路形成上面131m、脱臭吸込口132kを囲み脱臭流路形成上面131mから前部及び側部に垂下連設される周囲壁131pからなり、この周囲壁131pには乾燥流路形成下体132との係合凹部及び下ケース35への取付部131qを設ける。また、奥壁面131l後部には乾燥用モータ取付部131w及び脱臭流路形成下体取付部131zを設ける。
【0116】
なお、乾燥流路形成上体131の前面部には、汚水浸入防止壁133用ヒンジ受け131yを設け、汚水浸入防止壁133の両側にはヒンジ部133aを設ける。
【0117】
乾燥流路形成下体132は、外壁面132a、底面132b、内壁面132c、脱臭流路形成面132dから構成され、乾燥流路形成下体132の外壁面132a、内壁面132cには乾燥ヒータ134の収納用切欠132eを3個所、乾燥用サーミスタ136の収納用切欠132fを1個所、ヒータ線取出用切欠132vを1個所設け、後端には乾燥用ファン137の取付用切欠132gを設ける。なお、この取付用切欠132g付近の底面132bを先に行くに連れ薄くし、この付近の外壁面132aが弾性変形可能に形成する。更に、外壁面132aには下ケース35への取付部132tを設ける。また、乾燥流路形成下体132後端にストッパリブ132vを設け、乾燥用ファン挿入代を形成する。
【0118】
底面132bは、傾斜面132hと乾燥ヒータ設置面132iからなり、傾斜面132g裏側には下方に垂下する垂下壁132jを設け、下ケース35の開口36lとで脱臭吸込口132kを形成する。なお、垂下壁132jの側面壁には目詰まり防止フィルタ141の係止用開口132uを設ける。
【0119】
内壁面132cの側方には脱臭流路形成面132dを形成する。この脱臭流路形成面132dは奥壁面132l、底面132m、前壁132nからなり、前壁132nには、脱臭吸込口132kを囲む周囲壁132pが連設され、この周囲壁132pには乾燥流路上体131との係合爪及び下ケース35への取付部132qを設ける。また、前壁132nと周囲壁132pとの間には目詰まり防止フィルタ141の取付用開口132r、脱臭流路形成下体142を仮固定するためのフック132sを設ける。目詰まり防止フィルタ141には係止突起141aと、弾性係止片141bを設け、前記開口132uに係止突起141aを挿入し、取付用開口132rに弾性係止片141bを弾性係合させることで目詰まり防止フィルタ141を開口132kに取付ける。
【0120】
乾燥ヒータ134は、マイカ等の耐熱性を有する2個の支持板134a、134bを対称線部分に形成したスリットを相互に噛み合わせて接合し、それらの長手方向一端を固定金具134cを用いて挟持一体化して横断面X字形状となる主体134dを構成し、この主体134dの周部となる各支持板134a、134bの稜線部分に等間隔で複数の凹部134e、凹部134fを形成する。なお、凹部134eは傾斜を付けて形成する。また、この傾斜は上下の稜線で逆とする。以上のように構成してなる主体134dの外周、即ち、各支持板134a、134bの稜線部分において、該稜線上に形成した凹部134eに嵌合させて数本のコイル状電熱線134gを交互に、且つ各支持板134a,134bの一側から他側に向かって螺旋状となるように捲回する。なお、支持体134bは2枚のマイカ板からなり、温度ヒューズ134hは2枚のマイカ板に収納用切込を設けその部分に挟み込み、2枚のマイカ板間で、リード線取出部134iと電熱線134g、電熱線134gと温度ヒューズ134h、温度ヒューズ134hとリード線取出部134jとを夫々結線接続し、このように結線された乾燥ヒータ134を乾燥ヒータ収納箱135内に収納しユニット化する。なお、支持板134aに設けた3個所の取付部134kは収納箱に設けたスリット135aから外側へ突出させる。ところで、従来は支持板134b上に温度ヒューズ134hが設置され、また、結線も支持板134b上で行われていたのだが、2枚のマイカ板の間で結線を行うようにしたので、乾燥用ヒータ134を従来よりも薄くすることが可能である。また、凹部134eを傾斜して設けたので、コイル場電熱線134g捲回時、外れにくくすることができ、作業性が向上する。
【0121】
乾燥用ファン137は中央にモータ(図示無)を一体化しており、その下部を吸込口(図示無)とし、周囲の一端を吐出口137aとする。また、乾燥用ファン137の周囲に2個所の取付部137b、137cを設ける。なお、この乾燥用ファン137は脱臭用ファン145と兼用する。
【0122】
上記構成により乾燥装置139は次のように組立てられる。乾燥流路形成下体132の乾燥用サーミスタ収納用切欠132fにサーミスタ136を挿入し、乾燥ヒータ134が収容された乾燥ヒータ収納箱135の取付部134kをヒータ収納用切欠132eに嵌め込み、ヒータ線取出用切欠132vからヒータ用のリード線を取出した後、乾燥流路形成上体131の外壁面131aと乾燥流路形成下体132の外壁面132aとに設けた数箇所のスナップフィット構造(図示無)と、乾燥流路形成上体131の周囲壁131pと乾燥流路形成下体132の周囲壁132pとに設けたスナップフィット構造(図示無)とで一体化する。この際、乾燥ヒータ収納用突起(図示無)にてヒータ取付部134kが、乾燥用サーミスタ収納用突起(図示無)にてサーミスタ136が、ヒータ線取出用突起131vにてヒータ用リード線が夫々の切欠内へ拘束される。また、乾燥流路形成上体131の内壁面131cと乾燥流路形成下体132の内壁面132cとは係合し、各々の外壁面131a、132a及び内壁面131c、132cと上壁面131b、底面132bとで乾燥用送風路を形成する。その乾燥用送風路の終端開口139aに汚水浸入防止壁133をヒンジ部133a、ヒンジ受け131yによって取付け、送風が無い時には汚水侵入防止壁133で開口139aを閉塞し、送風されると風の力で汚水侵入防止壁133を押し開き開口139aを開放する。乾燥用送風路の始端139bには、乾燥流路形成上体131の後端部131vの乾燥用ファン挿入代及び乾燥流路形成下体132後端のストッパリブ132vによる乾燥用ファン挿入代を形成しており、この挿入代に乾燥用ファン137の吹出口137aを挿入する。この挿入は、乾燥用モータ取付部131w、乾燥用モータ取付部132wの間に取付部137cを嵌め込み、そこを中心に乾燥用ファン137を回して吹出口137aを開口139bに挿入する。この時、乾燥用ファン137の突部(組立ての為のスナップフィット部を兼用する)が取付用切欠132g内に弾性係合して仮固定される。その後、モータ取付部131w、取付部137c、モータ取付部132wとをネジにより固定一体化することで乾燥装置139は組立てられる。
【0123】
(脱臭装置140)
脱臭流路形成下体142は、中央に吸込開口142bを有するモータ載置面142a、開口142bから窪んで設けられる吸込ダクト形成壁142c、載置面142aから延出された脱臭流路形成上面142d、上面142d縁に突出して設けられるモータ拘束壁142e、脱臭触媒144を収納する触媒収納下部142f、触媒収納下部142fと載置面142aとを連絡する連絡流路を形成する為の側壁142gとで構成する。なお、触媒収納下部142f側壁にはスナップフィット用の拘束爪142hを左右夫々2個所設ける。また、載置面142aと上面142dの境部分裏面に垂下する垂下壁142iを、載置面142aには脱臭用モータ145固定用のボス142j、142kを、上面142dには乾燥装置139との一体化する為の取付部142lが夫々設けられる。
【0124】
脱臭流路形成下体142は、傾斜面143aと触媒収納上部143bにて構成し、傾斜面143a前端には、脱臭用モータ145の吹出口145aを挿入する為の挿入口143cを形成する。また、触媒収納上部143bの側壁にはスナップフィット用の拘束片143dを左右夫々2個所設ける。
脱臭触媒144は、従来から使用されているものと同様で、活性炭等をハニカム形状に形成したものである。
【0125】
上記構成により、脱臭装置140は次のように組立てられる。脱臭流路形成下体142の触媒収納下部142fに脱臭触媒144を挿入し、脱臭流路形成上体143をスナップフィット構造(拘束爪142hと拘束片143dの弾性係合)で脱臭流路形成下体142に一体化する。
【0126】
脱臭流路形成下体142の側壁142gと脱臭流路形成上体143の挿入口143cとで形成される脱臭用ファン挿入口に脱臭用ファン145の吹出口145aを挿入し、脱臭用モータ145を載置面142aに載置する。その際、脱臭用モータ145の取付部145b、145cは夫々固定用ボス142j、142kに、脱臭用モータ145外周はモータ拘束壁142eに、脱臭用モータ145の吸込口(図示無)は開口142bに夫々セットする。その後、取付部145b、145cを固定用ボス142j、142kにネジ固定することで一体化する。
【0127】
(乾燥装置139と脱臭装置140との組立ての説明)
上記のように組立てられた乾燥装置139と脱臭装置140は以下のように組立てられる。乾燥装置139の脱臭流路形成上面131m、脱臭流路形成面132dの夫々の縁部131m1、132d1、に脱臭装置140の吸込ダクト形成壁142c、モータ拘束壁142eの夫々の縁部142c1、142e1を挿入する。その際、乾燥装置139のフック132sに脱臭装置の垂下壁142iが弾性係合し仮固定される。その後、取付部142lを取付部131zにネジ固定することで一体化する。
【0128】
上記構成により、乾燥用送風路の下部に設けられた脱臭吸込口132kから吸込まれた悪臭は、脱臭流路形成上面131m、周囲壁131p、周囲壁132pで形成した導入ダクト140aから、脱臭流路形成面の底面132m、脱臭流路形成上面142dで形成した案内ダクト140b、吸込ダクト形成壁142c、開口142bを介して脱臭用ファン吸込口(図示無)へ吸引され、吹出口145aから脱臭触媒144へと送出され、触媒144の吸着脱臭により無臭化されて上ケース31背面に形成された吹出口32xよりトイレ室内へ排出される。
【0129】
また、下ケース35と乾燥、脱臭ユニット13との下部吸込空間140Sから乾燥用ファン137内に空気を吸引し、吸引された空気は乾燥ヒータ134で温められ終端開口139aから温風を吹出す。なお、乾燥用サーミスタ136で温風温度を検出し、所定の温度となるよう乾燥ヒータ134の通電を制御する。
【0130】
この乾燥、脱臭ユニット130の下ケース35への取付は、取付部131t、132tを下ケース35に設けた取付ボス36jに、取付部131q、132を取付ボス36kに、取付部137bを取付ボス36lにネジ固定することで行われる。
【0131】
(補助操作ユニット150)
図51には補助操作ユニット150の拡大斜視図を示す。補助操作ユニット150は、スイッチが配置されるスイッチ基板151、スイッチ基板151及びホールICからなる便蓋の倒伏状態を検知するスイッチ基板(図示無)を一体化しケースに取り付ける取付基板152及び便蓋倒伏検知スイッチ基板(図示無)にて構成する。取付基板152には、下ケース35に設けた挿入ガイド36q、36qに差し込まれる下側拘束部152a、上ケース31に設けた係止溝32aで挟み込まれる上側拘束部152b、上ケース31に設けたリブ32bにより押圧される押圧部152c、便蓋倒伏検知スイッチ基板(図示無)を挿入する挿入ガイド152d、便蓋倒伏検知スイッチ基板(図示無)を固定する固定爪152e、スイッチ基板151を固定する固定爪152f、スイッチ基板151に設けらるガイド孔151aを挿入するガイド用突起152gを設ける。また、スイッチ基板151の配線をまとめて保持する為の保持片152hを取付基板152の側周部に設ける。なお、便蓋倒伏検知スイッチ基板(図示無)は便蓋10のヒンジ部に収納された磁石10xの磁力を感知することで、便蓋の倒伏状態を検知する。
【0132】
(第1制御ユニット160)
第1制御ユニット160は、図15乃至図17に示されるように、ポッティングケース160aと制御基板(図示無)により構成され、ポッティングケース160aには、下端に下ケース35に設けたヒンジ受け36rに回動自在に支持されるヒンジ軸161、側壁に下ケース35の被水防止壁36tにネジ固定される固定孔162を有する。ポッティングケース160aの表面には主にAC負荷を制御する為の素子が配置される制御基板が配され、裏側には人体検知センサ165及び異常状態報知或いはリモコン信号受信確認音を発生するブザー167が取付けられる。また、下ケース35の中央付近に設けられた被水防止壁36tとポッティングケース160aの側壁とで制御基板への被水を防止する。ポッティングケース160aの右側壁には便座20が倒伏状態にあることを検知する為のホールIC等からなる便座倒伏検知スイッチ基板(図示無)を取付ける為の取付部168が一体に形成される。この便座倒伏検知スイッチ基板により便座20のヒンジ部内に設けた磁石20xの磁力を感知することで、倒伏状態を検知する。
【0133】
図63に人体検知センサ165の取付構造を示す。160bは内部にスプリング160fを収納する位置決めボス、160cは小径部160d及び大径部160eを有し、内部にネジ溝を形成した取付用ボスであり、ポッティングケース160aの裏面に一体に形成される。人体検知センサ165は、センサ取付台165aと、発光素子及び受光素子を搭載したセンサ基板165fからなる。センサ取付台165a下面には位置拘束杆165b、環状ボス165cを設け、環状ボス165cには、取付用孔165gを設けるが、この取付用孔165gは、ポッティングケース160aの小径部160dよりも大きく、大径部160eよりも小さい径とする。人体検知センサ165の取付は位置拘束杆165bを位置決めボス160b内に嵌挿し、環状ボス165cを取付用ボス160cに係合載置した状態で、ネジ165dをワッシャ165eを介して取付用ボス160c内に螺合固定することで行われる。従って、上方への抜けは、位置拘束杆165bと位置決めボス160bとのラップ代及びワッシャ165eとで防止されるが、取付孔165gと小径部165d、環状ボス165cと大径部165eとは余裕があるため、その分左右及び上下に移動自在に固定されている。上ケース31には補整部材としての位置拘束用リブ32dが設けられているが、この位置拘束用リブ32dは下方では人体検知センサ165の幅よりも大きな間隔を有し、上方になるに連れ人体検知センサ165の幅と略同一の間隔としている。従って、上ケース31を下ケース35に取付ける際に、上ケース31に設けた位置拘束用リブ32dで人体検知センサ165の両側部を挟み込みながらスプリング160fに抗して下向きに付勢することで人体検知センサ165の取付位置が微調整され、最終的な位置に拘束固定される。
【0134】
(第2制御ユニット170)
図64には第2制御ユニット170の概略上面図を示す。第2制御ユニット170は、クランク形状のポッティングケース170aと主にDC負荷を制御する為の素子が配置される2枚の制御基板171,172により構成され、ポッティングケース170aには、下方に延びる4本の取付脚170b、制御基板と各内装機器の配線をまとめて保持する配線保持部170c、ポッティングケース170a裏面に一体に形成するチューブ保持部170d、ポッティングケース170a側壁に一体に形成する配線受けリブ170eを設ける。また、制御基板の部品の一つであるトランス170fには表示基板175を取り付ける。ポッティングケース170aをクランク形状とし、ノズルユニット110後端部のスペースを開放する開放部170gを設けることにより、ノズルユニットに接続される樹脂製チューブの移動スペースを確保する。また、前方にはヒンジ用スペース170hを設けることで、上ケース31の左右に傾斜凹部31cを形成することができる。制御基板171と制御基板172とは、コネクタ171aとコネクタ172aとで結線され、制御基板171の外周側171bにモータ等の負荷の接続配線を接続するためのコネクタを配置することで、制御基板171のパターン形成を容易にする。また、上ケース31とのクリアランスに最も余裕がある便座・便蓋支持部31bの中央隆起部の下方に位置する基板172には、放熱部品を集中的に配置する。これにより、基板の発熱による上ケース31の変形などを防止する。
【0135】
(リモコン180)
図52にはリモコン180の正面図を示す。リモコン180には、お尻1洗浄スイッチ181、お尻2洗浄スイッチ182、ビデ洗浄スイッチ183、止スイッチ184が設けられ、投光LED185により、装置本体30の受光器169へと信号が送信される。リモコン180の表面には蓋186が設けられ、隠蔽部に設けられる脱臭入切スイッチ、ノズル洗浄用スイッチ、節電スイッチ等の比較的使用頻度の少ないスイッチ群189、液晶表示部188を隠蔽する。比較的使用頻度の少ないスイッチ群189の中でもムーブ入切スイッチ、マッサージ入切スイッチ、温度調節スイッチ、流量調節スイッチ等使用頻度が中程度のスイッチ189を蓋186隠蔽時にも操作できるように開口群187を設け、液晶表示部188のうち使用頻度が中程度のスイッチに関する表示部が露出するよう開口部188bを設ける。スモーク190の内部には発光LEDが配され、赤外線信号を装置本体30の受光器169に送信する。
【0136】
次いで、リモコンのより具体的な実施例を図53、図54により説明する。図53(c)の正面図における最上面に、便器洗浄スイッチ「流す大」と「流す小」が設けられている。このスイッチは、左側の「流す大」は大便時の便器洗浄スイッチであり、「流す小」は小用時の便器洗浄スイッチである。スイッチの前面寄りには、横長な突起が設けられていて、そこが操作スイッチであることが意匠的にわかるように配慮されている。また、この突起により、このリモコンの上面にちょっとした小物(ヘアピンなど軽いもの)を仮置きした場合には、その小物の落下防止の役目も果たす。なお、この便器洗浄スイッチを設けず、局部洗浄装置の動作のみを遠隔操作するスイッチのみを設けるようにしてもよい。
【0137】
また、同図の便器洗浄スイッチの直下に、図面左側から順に、「止スイッチ」、「おしり洗浄スイッチ(お尻1洗浄スイッチ)」、「やわらか洗浄スイッチ(お尻2洗浄スイッチ)」、「ビデ洗浄スイッチ」、「乾燥スイッチ」が並設されている。この部分は、局部洗浄装置の最もよく使用されるスイッチであるので、スイッチ釦の大きさを大きくし、わかりやすい絵文字表示としている。また、個々のスイッチ自体は四角形であり、リモコンの前面と略面一となる形態なので、操作スイッチであることが意匠的にわかるよう、各スイッチの表面に小突起(止スイッチ)やエンボス加工(その他のスイッチの丸部分)を設けている。また、これらのスイッチは、従来のリモコンのスイッチと異なり、互いに四角形の辺同士を隣接させてリモコンの端から端までを操作スイッチが連続した形態となっている。このことにより、スイッチ個々の大きさを大きくすることができるので、操作時の的が大きくなり操作がし易くなった。また、弱視者にとっても主要操作スイッチが横一列に並んだ形態であるので、意匠的なまとまりがあるうえ、指先でのタッチによりスイッチ群の個々のスイッチの識別が可能となるので、弱視者にとっても操作のしやすいものとなる。
【0138】
なお、図52の実施例の投光LEDの位置に乾燥スイッチを配置している関係上、図53の実施例では、便器洗浄スイッチの裏側に投光LEDを内蔵させて、便器洗浄スイッチの側壁投光部からLEDの投光を行っている。
【0139】
さらに、上記主要操作スイッチの直下には、蓋により隠蔽された操作面に、洗浄や乾燥の諸設定値の変更を行う設定変更スイッチ部が設けられている。多数設けられた設定変更スイッチのうち、蓋閉止時には、ムーブ洗浄の入切り、マッサージ洗浄の入切り、水勢の強弱調節、ノズルの洗浄位置の前後調節のスイッチと水勢及び洗浄位置が表示された液晶表示部が、蓋に開けられた開口群から表面側に露出して、各スイッチが操作可能になっている。また、蓋開放時には、加えて、節電機能の設定スイッチ、ノズルそうじ用スイッチ(ノズル洗浄用スイッチ)、温水温度設定スイッチ、便座温度設定スイッチ、乾燥温度設定スイッチ、脱臭入切りスイッチが設けられている。さらに中央の液晶表示部は、前述の水勢及び洗浄位置の表示に加えて、節電機構の設定条件、温水温度の数値表示、便座暖房温度の数値表示、乾燥温度(高、中、低)、脱臭の有無を表示可能としている。
【0140】
液晶表示部の表示内容を詳述する。表示部左上の「タイマー節電」の表示は節電タイマーのスイッチ入り時にのみ文字表示を行う。その下の「節電時間」では3時間、6時間、9時間の複数の設定時間から選択された時間を選択表示する。その下の「おまかせ節電」は、おまかせ節電の入り時にのみ文字表示を行う。なお、おまかせ節電とは、局部洗浄装置の使用履歴を記憶して装置自体で使用状態を推測し、その推測値により装置が自動的に人の使用状態には通電、非使用時には非通電もしくは小量通電とするものである。その下の水勢表示は、強弱スイッチの操作により使用者が選択した水勢までの棒線表示を行う。さらに、その下の洗浄位置表示は、前後調節スイッチにより選択された洗浄位置をノズル噴出絵の選択表示で示すものである。なお、水勢表示と洗浄位置表示の間に示される黒丸に4重円弧を施したマークは、各操作スイッチの操作時にのみ数秒間点滅表示するものである。スイッチ操作でこの表示が点滅すれば、リモコン側の回路は正常で、局部洗浄装置本体側の異常であることと推測でき、スイッチ操作してもこの表示が点滅しなければリモコンの回路あるいは構造面で異常があると推測でき、異常個所の特定がしやすいという利点がある。続けて、液晶表示部の右上部の温水温度表示は、設定された温水温度をデジタル表示する。その下の便座暖房温度表示は、設定された便座暖房温度をデジタル表示する。その下の乾燥温度表示は、高中低から選択された乾燥温度を選択表示する。その下の脱臭表示は、脱臭スイッチ入り時に脱臭の文字表示を行う。
【0141】
以上説明したように、洗浄や乾燥の諸設定値のうち、使用者の好みによって変更することが多い設定値のみ、蓋を開かずに変更でき、且つその変更部分のみ表示が外から見えるようになっているのである。これにより、多数の設定スイッチの多くを蓋の下部に覆っておきながら、使用者が日常使用する設定スイッチのみを外部に露出させて使い勝手を向上させている。
【0142】
また、ムーブ洗浄の入切り、マッサージ洗浄の入切り、水勢の強弱調節、ノズルの洗浄位置の前後調節のスイッチは、蓋の表面側の縦一列に並んで配設されているうえ、2つのスイッチが対になって1つの機能の切換えを行うスイッチ(水勢の強弱調節、洗浄位置調節のスイッチ)では、対になるスイッチの間をスイッチより背の低い突リブにより結んでいる。このため、意匠的なまとまりがあるうえ、指先でのタッチによりスイッチ群の個々のスイッチの識別が可能となるので、弱視者にとっても操作のしやすいものとなる。
【0143】
また、水勢調節や洗浄位置調節では、スイッチは指先で押せる程度の小さな円形スイッチの表面に「強」、「弱」の表示を施し、水勢調節スイッチあるいは洗浄位置調節スイッチであることは、液晶表示部の文字表示にて識別するようにしている。したがって、スイッチが設けられた蓋あるいは操作面自体に文字が書かれていないので、長期間使用する間に文字が擦れて消えてしまうこともないうえ、スッキリとした外観が得られている。
【0144】
なお、各設定変更スイッチのうち、蓋閉止時に蓋で隠蔽されるスイッチについては、蓋閉止時にそのスイッチの動作を禁止する機構とはなっていないため、閉じている蓋を強く押してしまうと蓋が撓んで知らぬうちにスイッチを押してしまい、使用者の意図に関わらず設定が変わってしまう可能性がある。この誤動作を防ぐために、断面図に示すごとく、蓋の裏面にスイッチ誤動作防止部を設けている。このスイッチ吸収部は、蓋をスイッチ側に押し込んだときに、スイッチが設けられた操作面に当接してそれ以上の押し込みがないようにする当接壁と該当接壁の内側を凹設させて当接壁が操作面に当接した時にスイッチの押し込みがないようにスイッチ頭部を収めるスイッチ収容部とで構成される。このスイッチ誤動作防止部を蓋閉止時に蓋で隠蔽されるスイッチに対応させて設けることにより、例えば使用者が知らぬうちに洗浄温度や便座温度が高くあるいは低くなることがなくなる等、スイッチの誤動作を防止できる。
【0145】
(オプション機器用コンセント195)
図65(a)には、オプション機器用コンセント195の概略背面図、図65(b)にはオプション機器用コンセント195の概略分解斜視図を示す。
【0146】
脱臭装置140の下部吸込空間140Sで、下ケース35の左背面コーナー部にはオプション機器用コンセント195を設ける。
【0147】
オプション機器用コンセント195は、ゴム等の弾性部材からなる防水ブッシュ196及びコンセント受体197からなる。防水ブッシュ196は、4つに分割される閉塞片196aとコンセント受体197が嵌合される嵌合部196bからなり、コンセント受体197は、電力供給の為のマイナス極197a、プラス極197b、下ケース35に取付ける為の取付部197c、第2制御ユニット170に接続するための接続線197dから構成される。このように構成されたオプション機器用コンセント195にオプション機器のコンセント198を差し込むことで、弾性部材からなる閉塞片196aが押し広げられ、コンセント198とコンセント受体197とが電気的に接続されることで、オプション機器に局部洗浄装置から電力が供給される。オプション機器を接続しない場合には、閉塞片196aにより、ケース内のゴミ等の侵入が防止される。なお、オプション機器としては、リモコン便器洗浄ユニット等(図示無)がある。
【0148】
(本体着脱検知機構、水抜機構の説明)
本実施例においても、特開平8−326130号等で提案した局部洗浄装置本体の着脱機構を備える。鉤状突起と鉤状凹部との係合による着脱機構については、特開平8−326130号の内容とまったく同様なので、本願では説明しないが、本体着脱検知機構、水抜機構においては異なるので、その点について、図66を用いて説明を行う。図において、1は便器(図示無)に固定される係合部材、2は水抜き用レバー、3は着脱検知バー、4は着脱検知スイッチである。1には突出部1aが設けてある。水抜きレバー2は、水抜栓74を付勢する水抜栓付勢部2aと下ケース35内壁面に沿って動作させる為のガイド部2bとでL字状に形成し、ガイド部2b中途には下ケース35に設けた水抜レバー用開口38から外部に突出する水抜き操作用取手2c、ガイド部2b終端裏面にはスライド溝2dを設ける。着脱検知バー3の回動軸3aにはバネ(図示無)を配置し、このバネのトーション力により常時は着脱検知バー3を着脱検知スイッチ4側に付勢する。なお、着脱検知バー3の終端上面には突起3bを設け、この突起3bは水抜きレバー2のスライド溝下端に干渉するよう配置される。着脱検知スイッチ4はマイクロスイッチなどから構成され、スイッチ杆4aが回動することでスイッチのオンオフが行われる。
【0149】
次に動作を説明する。図66(a)に示すように下ケース35を含む装置本体30を係合部材1に取付けた状態では、この突出部1aにより着脱検知バー3をバネのトーション力に抗して外側に開いた状態で保持する。この時、突起3bとスライド溝2dとは当接しているので、水抜きレバー2は動かすことができない。図66(b)に示すように装置本体30を係合部材1から取り外すと着脱検知バー3はバネのトーション力により、着脱検知スイッチ4のスイッチ杆4aを押し、スイッチオン状態とする。この時、突起3bはスライド溝2dの中程まで図上右方向に移動しているので、突起3bとスライド溝2dとには移動代が確保され、水抜きレバー2を操作することができる。この状態で図66(c)に示すように、水抜き操作用取手2cを図上右側に操作すると、水抜栓付勢部2aにより、水抜き栓74の水抜き弁体74cは押込まれ、ゴム製弁座74dから離座し、下ケース35下面に設けた水抜き孔39(図17参照)から水が排出される。水抜き操作用取手2cを戻し忘れた状態で図66(d)に示すように装置本体30を係合部材1に再度取付けると、突出部1aにより着脱検知バー3をバネのトーション力に抗して外側に開き、着脱検知スイッチ4をオフ状態にすると共に、突起3bとスライド溝2dにより、水抜きレバー2を元の位置へ押し戻す。従って、水抜き操作後水抜きレバー2を元に戻し忘れても、装置本体30を取付けることで水抜き操作は解除され、通常使用状態へと戻すことができる。
【0150】
(動作の説明)
図55には水路系ブロック図、図56にはお尻1洗浄スイッチを操作した時のタイムチャート、図57には前洗浄モードのフローチャート、図58にはノズル胴部洗浄モード1のフローチャートを示す。また、図67に、タイムチャートの変形例を示す。
【0151】
使用者が便座20へ着座すると人体検知センサ165により着座が検出される。この検出信号により、待機モードから捨水モードへと移行する。捨水モードでは、電磁弁66及び円筒状セラミックヒータ71への通電が開始と共に、流調サブユニット92をバイパスポート92h及び流出ポート92iの双方ともに開状態の位置へ移行し、お尻1噴出孔113d、お尻2噴出孔113e、ビデ噴出孔113f及び洗浄ポート122の全てのポートから水を吐出し、ノズルヘッド113の洗浄を行う。着座から所定時間(本実施例では15秒)経過若しくは所定温度(本実施例では30℃)をリミットサーミスタ82で検知すると、電磁弁66及び円筒状セラミックヒータ71への通電を停止し、捨水モードを終了し保温モードへと移行する。保温モードでは、円筒状セラミックヒータ71のワット容量1200Wのうち20乃至100W程度しか利用しない。というのも、貯湯式であれば、自然対流し易い構造を採っているのだが、本発明の瞬間式熱交換ユニット70は瞬間式である為、自然対流が起こりにくい構造であるため通水の無い状態で1200Wのフル通電を行ってしまうと、核沸騰(特定箇所のみ加熱される)を起こし、熱溜りが発生し、おしり洗浄の際にハンチング(熱湯と冷水とが不定の周期で不安定に吐出される状態)を起こす可能性があるからである。なお、貯湯量はわずか(本実施例では10〜20cc程度)なために、低ワットであっても瞬間式熱交換ユニット70内の湯は冷めることはない。
【0152】
お尻1洗浄スイッチ181を押すと、保温モードから前洗浄モードへと移行する。前洗浄モードは、流路切換ユニット100の流路をお尻1流路107aに切換え、この切換動作が完了すると流調サブユニット92をバイパス孔92n側へと移行すると同時に、電磁弁66及び円筒状セラミックヒータ71への通電を開始し、洗浄ポート122からノズルヘッド113の洗浄を行う。リミットサーミスタ82で検知する出湯温度が所定温度(本実施例では30℃〜設定温度+2.5℃)範囲内が所定時間(本実施例では1.5秒)継続するか若しくは所定時間(本実施例では5秒)経過すると前洗浄モードからノズル胴部洗浄モード1へと移行する。ノズル胴部洗浄モード1では、ノズル駆動用モータ124へ通電を開始し、ノズル本体111を所定の位置へ移動する。その際、バイパスポート92hから湯は出たままなので、ノズル本体111の胴部分を洗浄することができる。ノズル本体111を所定位置へ移動完了すると、ノズル胴部洗浄モード1からソフトスタートモードへ移行する。ソフトスタートモードでは、流調サブユニット92をバイパス孔92nから流調溝92pへとを切り替える。流調サブユニット92のロータ92dが設定流量よりも3ステップ低い位置へ移動するタイミングに合わせて、脈動サブユニット94を駆動し、お尻の洗浄を開始する。ロータ92dが設定流量の位置に移動完了するとソフトスタートモードから本洗浄モードへと移行する。なお、設定流量よりも数ステップ前の段階で脈動サブユニット94を動作させるのは、洗浄開始時点では洗浄水流路内に空気が入っているため、脈動サブユニット94を動作させると大きな音が発生してしまうので、その音を押さえ且つ設定流量よりも小流量の段階で脈動を発生させるためである。設定流量が小さく、3ステップ前から脈動サブユニット94を動作できない場合は、設定流量に達してから脈動サブユニット94を動作させる。本洗浄モードでは設定流量の洗浄を行う。
【0153】
止スイッチ184を押すと、本洗浄モードからノズル胴部洗浄モード2へ移行する。ノズル胴部洗浄モード2では流調サブユニット92を流調溝92pからバイパス孔92nへ切換え、バイパス孔92nへの移行が完了すると、ノズル駆動用モータ124へ通電し、ノズル本体111を装置本体30内に収納すると同時に、流路切換ユニット100を流路117a、117b、117c全て開放する位置へと移行しておく。この時も、バイパス孔92nから湯が出たままなので、ノズル本体111の胴部分は洗浄される。ノズル本体111の収納を完了するとノズル胴部洗浄モードから後洗浄モードへと移行する。後洗浄モードでは、流調サブユニット92をバイパス孔92nから流調溝92pへと流路を切り替え、更に脈動サブユニット94を駆動して、噴出孔113d,113e、113fから湯を噴出し、ノズルヘッド113の洗浄を行う。所定時間(本実施例では3秒)経過後、電磁弁66及び円筒状セラミックヒータ71への通電を停止して後洗浄モードから水抜/保温モードへ移行する。水抜/保温モードではまずバキュームブレーカー83が作動して、バキュームブレーカー83から流調サブユニット92までの流路内の滞留水を排出する。そして、バキュームブレーカー97付近の滞留水温度が下がって感温バネ97bの付勢力が弱まり、バキュームブレーカー97が動作し、流調サブユニット92からノズルユニット110までの滞留水が抜ける。なお本発明の局部洗浄装置においては、脈動サブユニット94などは冷めやすい樹脂材料で作製されているので、洗浄後間もなく水抜きが行われる。使用者が用を足し終え、離座すると、流調サブユニット92は初期位置であるバイパス流路のみを開放する位置へ移行する。この間、瞬間式熱交換ユニット70の制御は前述した保温モードの制御を行う。
【0154】
なお、滞留水の排出は、水圧有り(動圧時)の時に空気流入路97dを塞いでいたバキュームブレーカー弁体97aが、洗浄が終了して静圧となったときに開いて大気を配管内に導入することにより行われる、いわゆる配管内の水圧差を利用した動作である。これに代えて、洗浄水の温度により感温バネを動作させて、洗浄水が所定温度以上のときに弁体97aを閉じて洗浄水の排出を行わないようにして、洗浄水が低温となった時に弁体97aを開き、空気流入路97dから大気を導入して滞留水を排出してという水温のみによる水抜き機構とすることも可能である。しかし、洗浄水の圧力変化によるよりも温度変化による方が応答速度が遅いので得策ではなく、バキュームブレーカー97と水温による動作制限手段とを組合せる方が効果的なのである。
【0155】
なお、お尻2洗浄スイッチ182、ビデス洗浄スイッチ183を操作した際には、上記説明のお尻1流路107aをお尻2流出ポート107b、ビデ流出ポート107cに読替えた制御が行われる。
【0156】
図59は着座中の各モードでの瞬間式熱交換ユニット70の制御概念図を示す。捨水モードでは、入水温サーミスタ68によるフィードフォワード制御(以下FF1という)を行う。このFF1はできるだけ短時間で行うために、目標温度を60℃とした過剰通電を行う。この時の通電量演算式は、
W(FF1)=α1×(60−Thc)
(W:投入ワット、α1:ゲイン、Thc:入水温サーミスタ68の検出温度)
である。
【0157】
なお、湯温検知サーミスタ77により40℃を検知すると、捨水モードから保温モードへと移行する。保温モードでは、湯温検知サーミスタ77によるフィードバック制御(以下FB1という)を行う。このFB1ではヒータ通電量のマックス値を20Wとし、更に目標温度を60℃とした過剰なフィードバック制御を行う。この保温モード中にお尻1洗浄スイッチ181(若しくはお尻2洗浄スイッチ182、ビデ洗浄スイッチ183)の操作が行われると、保温モードから前洗浄モード〜後洗浄モードへ移行する。前洗浄モード〜後洗浄モードでは、当初フィードフォワード制御(以下FF2という)が行われる。このFF2では、目標温度を(設定温度+20℃)とした過剰通電を行う。この時の通電量演算式は、
W(FF2)=α2×(Tt+20−Thc)
(W:投入ワット、α2:ゲイン、Tt:設定温度、Thc:入水温サーミスタ68の検出温度)
である。
【0158】
リミットサーミスタ82で(設定温度−5℃)を検知するとフィードバック制御(以下FB2という)+フィードフォワード制御(以下FF3という)へ移行する。このFB2は目標温度=設定温度とした湯温検知サーミスタ77によるフォードバック制御であり、FF3は目標温度を設定温度としたフィードフォワード制御である。この時の通電量演算式は、
W(FB2+FF3)=α3×(Tt−Thc)+GP(Tt−Thh)+GI(Tt−Thh)+WI’+GD(Thh’−Thh)
(W:投入ワット、α3:ゲイン、Tt:設定温度、Thc:入水温サーミスタ68の検出温度、Thh:湯温検知サーミスタ77の検出温度、GP:比例ゲイン、GI:積分ゲイン、GD:微分ゲイン、WI’:前回の積分投入ワット数、Thh’:前回の湯温検知サーミスタ77の検出値)
である。
【0159】
リミットサーミスタ82で(設定温−2.5℃)を検知するとFB2とはゲインを変更したフォードバック制御(以下FB3)を行う。このときの通電量演算式は、
W(FB3+FF3)=α3×(Tt−Thc)+GP(Tt−Thh)+(GI’(Tt−Thh)+WI’)+GD’(Thh’−Thh)
(W:投入ワット、α3:ゲイン、Tt:設定温度、Thc:入水温サーミスタ68の検出温度、Thh:湯温検知サーミスタ77の検出温度、GP:比例ゲイン、GI’:積分ゲイン(GI’>GI)、GD’:微分ゲイン(GD’<GD)、WI’:前回の積分投入ワット数、Thh’:前回の湯温検知サーミスタ77の検出値)
である。
【0160】
なお、リミットサーミスタ82で設定温度〜(設定温度+1.5℃)の検知であれば、前回までの通電量を維持する。更にリミットサーミスタ82で(設定温度+1.5℃)以上を検知すると、またFB2+FF3での制御を行う。
【0161】
上記を整理すると
(設定温度−5℃)まで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・FF2
(設定温度−5℃)から(設定温度−2.5℃)・・・・・・・FF3+FB2
(設定温度−2.5℃)から設定温度まで・・・・・・・・・・・・・FF3+FB3
設定温度から(設定温度+1.5℃)・・・・・・・・・・・・・・・前回の通電量を維持
(設定温度+1.5℃)から(設定温度+2.5℃)・・・FF3+FB3
(設定温度+2.5℃)以上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・FF3+FB2
【0162】
このようにリミットサーミスタ82の検出温度によって、制御式を変更するのは、局部は非常に敏感な部分であり、オーバーシュートには敏感に反応するため、オーバーシュートを抑えるためである。また、リミットサーミスタ82が配置された部分は撹拌された後の安定した温度を検出できるからである。
【0163】
図67に示すタイムチャートの変形例では、図56のタームチャートと比べると、着座検知時には前回使用した残水の捨て水をお尻1流路107aからの噴射で行い、お尻1洗浄スイッチ181を押すとノズルの前洗浄動作をバイパスポート92hからの噴射で行う点が大きく異なる。
【0164】
なお、図60には上記制御を行った本発明の局部洗浄装置を用いて使用中に断水が起こった時の実験データを示す。
【0165】
本データから断水中には、本来必要な投入熱量の1/3程度で設定温度以上となることが分かる。このまま通電を続けてしまうと瞬間式熱交換ユニット70が焼損してしまう可能性もあることから、本来必要な投入熱量の1/3程度の状態が5秒以上続いたときには、断水と判断して、全ての制御を停止するようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の便座20、便蓋10を取り外した状態での全体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の便蓋10を開いた状態での全体構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の便蓋10、便座20の倒伏状態での全体構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の平面図である。
【図5】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の正面図である。
【図6】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の左側面図である。
【図7】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の右側面図である。
【図8】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の背面図である。
【図9】本発明の実施例に係る局部洗浄装置から便蓋、便座を外した装置本体の右側面図である。
【図10】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の装置本体30(内装機器省略)の分解斜視図である。
【図11】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の装置本体30(内装機器省略)の分解斜視図である。
【図12】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の装置本体30に対する便蓋10および便座20の連接構造を示す概略断面図である。
【図13】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のヒンジブロック40,サポートカバー41と装置本体30に設けた係合突起32との連接構造を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のヒンジブロック40,サポートカバー41と装置本体30の係合突起32との連接状態を示す断面図である。
【図15】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のヒンジブロック40,サポートカバー41と装置本体30との連接状態を示す断面図である。
【図16】装置本体30を説明するための斜視図であり、(a)は上ケース31を取り外した状態の装置本体30の斜視図、(b)は制御ユニット160、170を取り外した斜視図である。
【図17】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の各ユニットを取り外した分解斜視図である。
【図18】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60の分解斜視図である。
【図19】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60の一部断面図である。
【図20】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60を組立てた状態での斜視図である。
【図21】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60を組立てた状態での斜視図である。
【図22】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60を下ケース35に設置する前の状態の斜視図である。
【図23】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60を下ケース35に設置する前の状態の斜視図である。
【図24】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60を下ケース35に設置した状態での斜視図である。
【図25】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のバルブユニット60を下ケース35に設置した状態での斜視図である。
【図26】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の瞬間式熱交換ユニット70の分解斜視図である。
【図27】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の瞬間式熱交換ユニット70の断面図である。
【図28】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の瞬間式熱交換ユニット70の下ケース35に設置した状態での斜視図である。
【図29】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の瞬間式熱交換ユニット70の平面図である。
【図30】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の流調、脈動ユニット90の分解斜視図である。
【図31】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の流調、脈動ユニット90の平面図である。
【図32】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の要部を説明するための説明図であり、(a)は流調、脈動ユニット90拡大断面図、(b)は流調、脈動ユニット90のステータ、ロータの平面図である。
【図33】本発明の実施例に係る流調、脈動ユニット90の流調サブユニット82の各回転位置での切欠溝92mと流調溝92pとの重合状態を説明するための説明図であり、(a)は重合状態が0度、(b)は60度、(c)は120度、(d)は180度、(e)は240度、(f)は300度の状態を説明する説明図である。
【図34】本発明の実施例に係る流調、脈動ユニット90の流調サブユニット82の回転角度での切欠溝92mと流調溝92pとの重合面積を説明する説明図である。
【図35】本発明の実施例に係る流調、脈動ユニット90の脈動サブユニット94の断面図である。
【図36】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の流調、脈動ユニット90の取付を説明する斜視図である。
【図37】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のノズルユニット110の分解斜視図である。
【図38】本発明の実施例に係るノズルユニット110の流路切換ユニット100の分解斜視図である。
【図39】本発明の実施例に係るノズルユニット110の流路切換ユニット100の断面図である。
【図40】本発明の実施例に係るノズルユニット110のノズル本体111の断面図である。
【図41】本発明の実施例に係るノズルユニット110のノズルヘッド113の断面図である。
【図42】本発明の実施例に係るノズルユニット110のノズルユニットの取付説明図である。
【図43】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の乾燥、脱臭ユニット130の分解斜視図である。
【図44】図43の乾燥流路形成上体131の拡大図である。
【図45】図43の乾燥流路形成下体132の拡大図である。
【図46】図43の脱臭流路形成下体142の拡大図である。
【図47】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の乾燥、脱臭ユニット130の組立状態での斜視図である。
【図48】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の要部を説明するための説明図であり、(a)は乾燥、脱臭ユニット130の背面図、(b)は乾燥、脱臭ユニット130の正面図、(c)は乾燥、脱臭ユニット130の平面図である。
【図49】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の乾燥、脱臭ユニット130の一部を切り欠いた平面図である。
【図50】本発明の実施例に係る乾燥、脱臭ユニット130の乾燥ヒータの側面図および斜視図である。
【図51】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の補助操作ユニット150の拡大斜視図である。
【図52】本発明の実施例に係る局部洗浄装置のリモコン180の正面図である。
【図53】図52のリモコンの変形例を示す図で、(a)平面図、(b)蓋閉止状態の右側面図、(c)蓋閉止状態の正面図、(d)蓋開放状態の正面図である。
【図54】図53のリモコンのスイッチ誤動作防止部を示す断面図である。
【図55】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の水路系ブロック図である。
【図56】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の水路系タイムチャートである。
【図57】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の前洗浄モードのフローチャートである。
【図58】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の胴部洗浄モード1のフローチャートである。
【図59】本発明の実施例に係る瞬間式熱交換ユニット70の各モードでの制御概念図である。
【図60】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の断水時の実験データを説明する説明図である。
【図61】本発明に用いたバキュームブレーカー97を説明するための要部拡大図である。
【図62】本発明に用いた感温バネの特性図である。
【図63】本発明の実施例に係る人体検知センサ165と取付説明図である。
【図64】本発明の実施例に係る第2制御ユニット170の概略上面図である。
【図65】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の要部を説明するための説明図であり、(a)はオプション機器用コンセント195の概略背面図、(b)はオプション機器用コンセント195の概略分解斜視図である。
【図66】本発明の実施例に係る本体着脱検知機構、水抜機構の説明図である。
【図67】本発明の実施例に係る局部洗浄装置の水路系タイムチャートの変形例(図56の変形例)を示す説明図である。
【図68】水抜き弁体74cが開状態となったときの水抜き栓74の周辺の拡大断面図である。
【図69】瞬間式熱交換ユニット70を温度ヒューズ75側から見た斜視図である。
【図70】円筒躯体72aを上方から見た斜視図である。
【図71】円筒状セラミックヒータ71の作成のもととなる平板状のセラミックヒータ71′の平面図である。
【図72】瞬間式熱交換ユニット70およびその周辺の電気的な回路図である。
【符号の説明】
10 … 便蓋
20 … 便座
31 … 上ケース
31a … 傾斜部
31b … 便座・便蓋支持部
31c … 傾斜凹部
31f … 曲面部
31g … 表示部
31h … 人体検出センサ
32 … 係合突部(係合突起)
35 … 下ケース
40 … ヒンジブロック
50 … ソフト閉止ユニット
70 … 瞬間式熱交換ユニット
70a … 連絡流路
71 … 円筒状セラミックヒータ
71a … 取付フランジ
71b … 内部流路
72 … 熱交躯体
72a … 円筒躯体
72b … 接続開放室
72c … セラミックヒータ取付部
72d … 栓取付部
72e … バイメタル取付用開口
72f … 被水防止カサ
72g … 伝熱開孔
72h … 連絡孔
72i … 下部室
72j … 伝熱板
72l … フランジ
72m … 取付フランジ
72p … 円筒状流路
72h … 連通孔
72k … 連絡溝
72l … 連結用フランジ
72r … 拡開室
73 … バイメタルスイッチ
73a … 伝熱板
73b … 部材
73c … バイメタルスイッチ本体
74 … 水抜き栓
74c … 弁体
74d … ゴム製弁座
74e … 蓋
75 … 温度ヒューズ
75a … 温度ヒューズ取付板
75b … ヒューズ取付部
76 … 流路形成体
76a … 取付用フランジ
76b … フロート収納室
76c … フランジ延出部
76d … サーミスタ取付孔
76e … 垂下部
76f … 円筒部
76g … 連絡開口
76h … 接続部
77 … 湯温検知サーミスタ
78 … フロートスイッチ
79 … 蓋
80 … 出湯形成体
80a … 接続凸部
80e … 挿入部
80b … リミットサーミスタ取付部
80c … 安全弁取付部
80d … バキュームブレーカー取付部
80f … 取付用フランジ
80g … 安全弁挿通部
80h … 固定用ネジ部
80k … 安全弁座
80i … 流路
80j … バキュームブレーカー弁座
81 … 安全弁ユニット
81a … 安全弁体
81c … 流路
81d … 固定用フランジ
81g … オーバーフロー流出路
81e … 挿入部
81f … 部材
82 … リミットサーミスタ
83 … バキュームブレーカー
83a … バキュームブレーカー弁体
83b … 空気取込口兼オーバーフロー口
83d … キャップ
83c … 流出口
83e … 弁座
90 … 流調、脈動ユニット
110 … ノズルユニット

Claims (9)

  1. 給水源から供給される水の管路を備え、該管路にヒータを配置することで、水を瞬間的に直接加熱する熱交換部と、
    該熱交換部から流入される温水をフロートにより撹拌することで、該温水の温度の安定化を図るフロート収納室を有する温度安定部と
    を備える熱交換装置において、
    前記温度安定部の前記フロート収納室が前記熱交換部の上部に位置するよう、前記温度安定部を前記熱交換部の筐体に重ねて配置し
    前記温度安定部の温水の流入通路を前記温度安定部の下半分の側壁に接続し、前記温度安定部の温水の流出通路を前記温度安定部の上半分の側壁に接続し、
    前記温度安定部は、前記流出通路と前記熱交換部の間にスペースをとるよう、前記筐体に重なっていることを特徴とする熱交換装置。
  2. 請求項1に記載の熱交換装置であって、
    前記流出通路に設けられるバキュームブレーカと、
    前記バキュームブレーカの下側に設けられ、前記流出通路の水圧の過大な上昇を防ぐ圧力上昇防止機構とを備え、前記バキュームブレーカと前記圧力上昇機構とを前記熱交換部の上方に位置するように配置した熱交換装置。
  3. 前記流出通路の下側に、前記流出通路の水圧の過大な上昇を防ぐ圧力上昇防止機構を備え、該圧力上昇機構を前記熱交換部の上方に位置するように配置した請求項1に記載の熱交換装置。
  4. 給水源から供給される水を通過もしくは留める水室と、
    該水室の内部に配置される筒状ヒータと、
    前記水室に設けられるとともに、弁体と該弁体を閉じる方向に付勢する弾性部材とを備え、通常は前記弁体が前記弾性部材により閉じる方向に保持され、外部から前記弾性部材の付勢の力を越える圧力が前記弾性部材に作用したときに、前記弁体は前記弾性部材の付勢の方向と反する方向に移動して前記弁体が開状態となる水抜き栓と
    を備える熱交換装置であって、
    前記水抜き栓は、
    前記弁体の移動方向が前記筒状ヒータの長手方向と一致するとともに、前記弁体の開状態時に前記弁体の一部が前記筒状ヒータの内筒部分に進入するように配置された構成である熱交換装置。
  5. 前記弁体の一部は、弁体の移動をガイドするために設けられた棒状部材である請求項4に記載の熱交換装置。
  6. 前記水室は、水を通過させる管路であり、該管路の一方端を閉塞するとともに、該閉塞された一方端に、前記水抜き栓を設けた構成である請求項4または5に記載の熱交換装置。
  7. 前記管路は、水平方向に対して前記水抜き栓側を所定の角度だけ下方に傾斜させた構成である請求項5に記載の熱交換装置。
  8. 前記筒状ヒータは、伝熱性と電気絶縁性とを有するセラミックにより電気発熱部を封入した筒状セラミックヒータである請求項4ないし7のいずれかに記載の熱交換装置。
  9. 洗浄水を吐出して人体局部を洗浄する衛生洗浄装置であって、
    請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の熱交換装置と、
    該熱交換装置により加熱された温水を前記人体局部に吐出する吐水手段と
    を備える衛生洗浄装置。
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