JP3713794B2 - ヒートポンプ方式蒸発濃縮装置 - Google Patents

ヒートポンプ方式蒸発濃縮装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、写真処理廃液等の対象とする液体を熱効率良く蒸発濃縮するためのヒートポンプ方式蒸発濃縮装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真処理廃液等の対象とする液体を蒸発濃縮するためのヒートポンプ方式蒸発濃縮装置では、その蒸発濃縮釜の温度や冷却凝縮釜の温度を適温にするために、ヒートポンプ回路の放熱部の一部に排熱ファンを設け、濃縮液の温度が一定値以上になったら該ファンの作動をONにし、一定値以下になったら該ファンの作動をOFFする制御が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような制御を長期に亙って続けていると圧縮機の性能低下が起こり蒸発濃縮や蒸発蒸気の凝縮のバランスが崩れて来て効率低下が目立つようになる。
【0004】
本発明は、このような問題点を排除して、ヒートポンプやその圧縮機の性能劣化を伴うことのないようにヒートポンプ各部の温度制御が確実に行われるようにすることを課題目的にする。
【0005】
そして別の目的は稼働率向上と設置の簡易化である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的は次の技術手段(1)〜()項の何れかによって達成される。
【0007】
(1) 圧縮機、放熱部、膨脹弁又はキャピラリーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密閉したヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象とする液体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱部を該液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部の冷却手段として使用し、蒸発濃縮を対象とする液体を加熱蒸発部へ供給する手段および蒸気の冷却凝縮液を冷却凝縮部より排出する手段を有するヒートポンプ方式蒸発濃縮装置において、
圧縮機から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至る経路に、加熱蒸発部の加熱手段以外の放熱手段を有し、該放熱手段がヒートポンプ加熱配管に排熱ファンにより風を吹き付ける構造であり、下記▲1▼〜▲3▼に温度検出手段を設け、▲1▼〜▲3▼の温度により排熱ファンの稼働を制御することで熱バランスを維持することを特徴とするヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0008】
▲1▼圧縮機外装表面および圧縮機から放熱部の間のヒートポンプ配管部分
▲2▼加熱蒸発部濃縮液又は加熱蒸発部から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至るヒートポンプ配管部分
▲3▼膨脹弁またはキャピラリーチューブから冷却凝縮部の間のヒートポンプ配管部分
(2) ▲1▼〜▲3▼に排熱ファンの稼働開始温度と停止温度を設定し、▲1▼〜▲3▼の少なくとも1条件が稼働開始温度となった場合には2〜60秒の範囲で強制稼働した後に停止検出を行ない、▲1▼〜▲3▼の全てが停止条件温度になった場合には2〜60秒の範囲で強制停止させた後、稼働開始検出に戻ることを特徴とする(1)項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0009】
(3) 排熱ファンの風量を増減出来る構造とし、▲1▼〜▲3▼に設定温度を設け、▲1▼〜▲3▼の温度の全てが設定温度以下であり且つ設定温度に近い温度となる様に排熱ファンの風量を調節することを特徴とする(1)項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0010】
(4) 下記検出A〜Eの少なくとも1つにより、濃縮完了として運転停止または、蒸発濃縮を対象とする液体を加熱蒸発部へ供給することを停止又は減量させて減量高濃縮化制御に移行することを特徴とする(1)〜(3)項の何れか1項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
【0011】
A:加熱蒸発部濃縮液温度と、加熱蒸発部から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至るヒートポンプ配管部分温度の温度差が設定値以上となる
B:加熱蒸発部濃縮液温度と、冷却凝縮部から圧縮機の間のヒートポンプ配管部分温度の温度差が設定値以上となる
C:加熱蒸発部から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至る間のヒートポンプ配管部分温度と、膨脹弁またはキャピラリーチューブから圧縮機の間のヒートポンプ配管部分温度の温度差が設定値以上となる
D:膨張弁又はキャピラリーチューブ出口のヒートポンプ配管温度が設定値以下となる。
【0012】
E:冷却凝縮部から圧縮機の間のヒートポンプ配管温度が設定値以下となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を用いて以下に記述する。
【0020】
先ず本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の概要を図1の概略構成図、図2のヒートポンプの回路図、図5の外観を示す正面図及び図6の外観を示す側面図を用いて説明する。
【0021】
ヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の加熱蒸発部は廃液を収容してそれを加熱蒸発濃縮させる容器を形成したもので蒸発濃縮カラム1A,1Bといわれるものである。そして廃液の加熱手段としてヒートポンプの放熱部2A,2Bが前記加熱蒸発部としての前記蒸発濃縮カラム1A,1Bに配設されている。
【0022】
また、冷却凝縮部は前記廃液を加熱して蒸発した蒸気を冷却して凝縮させる容器を形成したもので凝縮カラム5といわれるものであり、前記蒸発濃縮カラムlA,1Bそれぞれの上部に連通して設けたものである。そして、前記蒸発蒸気の冷却手段としてヒートポンプの吸熱部8Bが前記冷却凝縮部としての凝縮カラム5に配設されている。
【0023】
減圧に耐える2つの加熱蒸発部としての蒸発濃縮カラム1A,1B内に、それぞれ前述のような現像液以外の処理液例えば定着液の廃液と現像液の廃液とに分割した写真処理廃液を注入して貯め、該蒸発濃縮カラム1A,1Bの上部の冷却凝縮部の凝縮カラム5には、減圧手段としてのアスピレーター7をそれぞれ接続して、該凝縮カラム5内を前記蒸発濃縮カラム1A,1Bと共に減圧するようにした。大気圧より低い減圧下では、通常気圧の沸騰点以下で沸騰が起こることは知られており、この装置は、この作用を利用し、減圧下で行うものである。前記蒸発濃縮カラム1A,1B内には、加熱手段としてヒートポンプの放熱部2A,2Bを設け、該放熱部2A,2Bにより減圧下での加熱蒸発を繰り返し、効率よく急速に濃縮化を行うものである。
【0024】
また、該凝縮力ラム5には蒸発した水蒸気の冷却手段としてヒートポンプの吸熱部8Bとそれによって回収される凝縮水の案内溝(図示せず)及び水受け8Eを設ける。一方、上記の蒸発濃縮を繰り返して、高濃度に固形化した成分はこの蒸発濃縮カラム1A,1Bの下部に設けた濃縮物回収容器(ドラム缶)61A,61B,61Cで受け取り回収する。蒸発濃縮カラム1A,1Bの上部に連通して設けた前記凝縮カラム5の冷却手段としてのヒートポンプの吸熱部8Bにより、下部の前記濃縮カラムより上がってきた蒸発蒸気を捕らえて冷却凝縮して、水滴として回収するようにした。これは発生蒸気によって、蒸発濃縮カラム1A,1B内の減圧バランスが崩れ、減圧装置としてのアスピレーター7(水循環ポンプ33で送水することで減圧化する)で規定の減圧状態を維持するために多大の負荷がかかるのを軽減する効果がある。即ち発生蒸気により蒸発濃縮カラム1A,1B内の圧力が上昇するところをすぐさま発生蒸気を冷却凝縮して圧力上昇を制御するのである。
【0025】
水蒸気は冷却手段としての吸熱部8Bの表面に触れて凝縮し、水滴となって、アスピレーター7を通過して水回収容器9に集められる。加熱手段の表面温度は好ましくは100℃以下で、特に、20℃〜60℃が最も好ましい。
【0026】
本実施例では前述のように上記加熱手段としての放熱部2A,2Bがヒートポンプの放熱部であり、上記冷却手段としての吸熱部8Bが吸熱部にしてある。それと共に水回収容器9内に設けた冷却手段としての吸熱部8Aもヒートポンプの吸熱部にしてあり、これにより、アスピレーター7の減圧能力を高く維持している。
【0027】
ヒートポンプ回路における加熱手段としての放熱部2A,2Bの後に配管した膨張弁26や、冷却手段としての吸熱部8A,8Bに接続し配設される熱媒体(冷媒)圧縮用の圧縮機(コンプレッサ)21及びその冷媒を空冷して前記2A,2Bの加熱以外に放熱させる空冷放熱部2C及びそのファン24とモータ23は圧縮機21と蒸発濃縮カラム1A,1Bの間に設けられ、本体の外側に置くことも出来る。また、空冷放熱部2C、ファン24、モータ23は、2A,2Bの加熱部と膨張弁26の間に設けて放熱制御することも可能である。
【0028】
そして、図5,図6のヒートポンプ排熱ユニット内には圧縮機21と空冷放熱部2C及びそのファン24とモータ23が設けられており、市販のエアコン用の室外機(好ましくはカスタム形式)をそのまま又は一部改造して使用することが出来る。
【0029】
このようにして、加熱手段としての放熱部2A,2Bを通リ膨張弁26から水回収容器9内の冷却手段としての吸熱部8Aに接続し、更に前記凝縮カラム5内の前記冷却手段としての吸熱部8Bに接続され圧縮機(コンプレッサ)21に熱媒体が循環するヒートポンプ回路が形成されている。この回路には図2のヒートポンプの回路図に示すように圧縮機21を出て放熱部(2C,2A,2B)に至る間の配管上に温度センサーTC1が、蒸発濃縮カラム1Aの濃縮液の中に温度センサーTC2が、放熱部(2C,2A,2B)を出て膨張弁26に至る配管上に温度センサーTC3が、膨張弁26を出て水回収容器9に至る配管上に温度センサーTC4が、水回収容器9を出て凝縮カラム5に至る配管上に温度センサーTC5が、凝縮カラム5を出て圧縮機21に至る配管上に温度センサーTC6が、外気の温度センサーTC7が、それぞれ設けられている。
【0030】
そして、水回収容器9内の冷水は水循環ポンプ33によって減圧装置(エジエクター、アスピレーター)7につなげられ、濃縮カラム1A、1B上部の風路11,12,13,14,15,16及び二つの洗浄塔17,18及び中間トラップ19,20で連通した凝縮カラム5の水受け8からパイプ134で引かれた水を水回収容器9に入れると共に、同時に凝縮カラム5内だけでなく蒸発濃縮カラム1A,1B内の減圧を行うようにしてある。
【0031】
又、水回収容器9からオーバーフローした水はパイプ36によって別の水槽に送られて、この凝縮液はそのまま、又は必要に応じて2次処理を行い、再利用又は下水に排水される。
【0032】
そして、蒸発濃縮カラム1A,1B内に注入貯留する処理廃液は、現像廃液以外の処理液例えば定着液の廃液と現像液の廃液とに分割された図示しない給液ストックタンクから、途中の密閉容器31A,31B及び洗浄塔17,18を経て配管された配管中の電磁弁32A,32B,32C,32Dを適時開閉制御して給送される。また、消泡剤タンク41が設けられそこから電磁弁42A,42Bを介して前記配管に接続され、電磁弁42A,42Bの開閉により、消泡剤は所定量洗浄塔17,18を経て蒸発濃縮カラム1A,1Bに供給される。また、前記中間トラップ19,20に溜まる中間凝縮液も同様に蒸発凝縮カラム1A,1Bに戻される。
【0033】
洗浄塔17,18には、シャワー吹き出し口17A,18Aが設けられ、そこから前記処理廃液や消泡剤が注入される。そして更に、例えば細いパイプを束ねてハニカム状にした気液接触体17E,17Fが設けられ、蒸発濃縮過程で発生するガスとして、アンモニア、酢酸、亜硫酸等のガスを気液接触除去方式で除去するものである。また、洗浄塔17,18の下部に溜まった前記液体はポンプ17B,18Bによって前記シャワー吹き出し口17A,18Aを経て循環されるので気液接触効果は更に促進される。1段目の洗浄塔17は定着液による除去であり、2段目の洗浄塔18は現像液による除去である。
【0034】
請求項1の実施の形態は、▲1▼圧縮機21の外装表面および圧縮機21から放熱部2Cの入り口間のヒートポンプ配管部分に設けた温度センサーTC1と、▲2▼加熱蒸発部1Aか1Bの濃縮液中に設けた温度センサーTC2又は加熱蒸発部1Bの出口から膨脹弁又はキャピラリーチューブ26の入り口に至るヒートポンプ配管部分に設けた温度センサーTC3と、▲3▼膨脹弁またはキャピラリーチューブ26の出口から冷却凝縮部8Bの入り口までの間のヒートポンプ配管部分に設けた温度センサーTC4又はTC5との検出温度により排熱ファン24の稼働を制御してヒートポンプの熱バランスを維持するようにした。
【0035】
これにより、ヒートポンプ回路の圧縮機に掛かる負荷が軽減し、圧縮機の故障発生が減少し、長期に渡り安定した処理能力が得られる。
【0036】
請求項2の実施の形態は、図3のフローチャートに示すように前記温度センサーTC1,TC2,TC3に排熱ファン24の稼働開始温度と停止温度とを設定しておき、その中の少なくとも1つの設定温度が稼働条件温度95℃,35℃,12℃になったときには2〜60秒間(図3では10秒)強制稼働させた後に、今度は停止のための検出操作に入り、温度センサーTC1,TC2,TC3の全部がそれぞれ前記設定温度になったとき排熱ファン24を2〜60秒(図3では10秒)で強制停止させて稼働開始検出に戻るようにし、それを繰り返す制御にしたものである。これは、請求項1の圧縮機負荷軽減のより好ましい方式を示したものである。
【0037】
請求項3の実施の形態は、図4のフローチャートに示すように、前記同様▲1▼〜▲3▼にTC1,TC2又はTC3(ここではTC3),TC4又はTC5(ここではTC5)の温度センサーを設け、定常運転時には、▲1▼〜▲3▼の温度センサーTC1,TC3,TC5の総ての温度が設定温度(ここではそれぞれTC1=95℃,TC3=45℃,TC5=10℃)以下になるように制御し、1つでも、設定温度以上になるときは、排熱ファン24をフル能力でONさせ30秒間稼働後に、排風ファンモータ23近傍に設けた外気温の温度センサーTC7の検出値によって、排風ファン24を所定の風量に低下させるようにコントロールさせながら、総ての温度センサーTC1,TC3,TC5が上記設定値になると、それより0〜2℃低目の範囲内におさまるように排熱ファン24の風量を引き続き制御して行くようにしたものである。
【0038】
その基本的制御の形態はPID(比例,積分,微分)制御を用いてオーバーシュートのないように制御してある。これによってヒートポンプは熱バランスよく効率的に負荷が少なく、耐久性の高い安定した運転が可能になり、請求項1の圧縮機負荷のより好ましい方式を示したものである。請求項4の実施の形態は、請求項1,2,3の何れか1つの実施の形態に加えて図2のヒートポンプの回路図に示すような各温度センサーTC1,TC2,TC3,TC4,TC5,TC6及びTC7の間で、A=TC3−TC2で示される温度差、B=TC2−TC6で示される温度差、C=TC3−TC4又はC=TC3−TC5又はC=TC3−TC6で示される温度差、D=TC4で示される温度、E=TC5又はE=TC6で示される温度を各々設定して、このA,B,C,D,Eの各条件の少なくとも1つがそれ等の設定値以上となったときは、濃縮が完了したと判断して運転停止させるか、又は、蒸発濃縮を対象とする液体、即ち、上記定着液又は現像液の廃液を加熱蒸発部としての蒸発濃縮部1A,1Bへの供給を停止又は減量させて、以後、更に濃縮の度を強めるための減量高濃縮化制御に移行させるようにしたものである。これにより、請求項1〜3の排熱ファン制御下での安定した濃縮完了検出及び高濃縮化が可能となり、効率の高い運転が出来る。
【0047】
【発明の効果】
請求項1〜3の本発明によって、写真処理廃液のような有害物質を含むような液体の濃縮が効率良く安全に行われ、ヒートポンプの圧縮機に対する負荷も軽減され、円滑な制御運転が可能になり、長期に渡り安定した処理能力が得られる。
【0048】
請求項4の本発明により、請求項1〜3の本発明の効果と同様の効果が得られるが、特に熱バランス方式を使用したときに濃縮完了が確実に検知できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の実施の形態の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置に用いるヒートポンプの回路図。
【図3】本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の制御の実施の形態の一例を示すフローチャート。
【図4】本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の制御の実施の形態で別の一例を示すフローチャート。
【図5】本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の概略正面図。
【図6】本発明のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置の概略側面図。
【符号の説明】
1A,1B 蒸発濃縮カラム(蒸発濃縮釜)
2A,2B 放熱部
2C 空冷放熱部(放熱部)
5 凝縮カラム(凝縮釜)
7 アスピレーター
8A,8B 吸熱部
9 水回収容器
11,12,13,14,15,16 連通風路
17,18 洗浄塔
17A,18A シャワー吹き出し口
17B,18B ポンプ
17E,17F 気液接触体
19,20 中間トラップ
21 圧縮機
24 ファン(排熱ファン,排風ファン)
26 膨張弁
31A,31B 密閉容器
32A,32B,32C,32D,42A,42B 電磁弁(自動開閉弁)
41 消包剤タンク
52A,52B 撹拌羽根
54A,54B デミスター
56A,56B,56C 自動開閉弁
61A,61B,61C 濃縮物回収容器
LC1,LC2,LC3,LC4 液面センサー
LC5 満杯検出センサー
TC1,TC2,TC3,TC5,TC6,TC7 温度センサー

Claims (4)

  1. 圧縮機、放熱部、膨脹弁又はキャピラリーチューブ、吸熱部を順次に接続し熱媒体を密閉したヒートポンプ回路の該放熱部を蒸発濃縮を対象とする液体の加熱蒸発部の加熱手段として使用し、該吸熱部を該液体から発生する蒸気を冷却液化するための冷却凝縮部の冷却手段として使用し、蒸発濃縮を対象とする液体を加熱蒸発部へ供給する手段および蒸気の冷却凝縮液を冷却凝縮部より排出する手段を有するヒートポンプ方式蒸発濃縮装置において、
    圧縮機から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至る経路に、加熱蒸発部の加熱手段以外の放熱手段を有し、該放熱手段がヒートポンプ加熱配管に排熱ファンにより風を吹き付ける構造であり、下記(1)〜(3)に温度検出手段を設け、(1)〜(3)の温度により排熱ファンの稼働を制御することで熱バランスを維持することを特徴とするヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
    (1)圧縮機外装表面および圧縮機から放熱部の間のヒートポンプ配管部分
    (2)加熱蒸発部濃縮液又は加熱蒸発部から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至るヒートポンプ配管部分
    (3)膨脹弁またはキャピラリーチューブから冷却凝縮部の間のヒートポンプ配管部分
  2. (1)〜(3)に排熱ファンの稼働開始温度と停止温度を設定し、(1)〜(3)の少なくとも1条件が稼働開始温度となった場合には2〜60秒の範囲で強制稼働した後に停止検出を行ない、(1)〜(3)の全てが停止条件温度になった場合には2〜60秒の範囲で強制停止させた後、稼働開始検出に戻ることを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
  3. 排熱ファンの風量を増減出来る構造とし、(1)〜(3)に設定温度を設け、(1)〜(3)の温度の全てが設定温度以下であり且つ設定温度に近い温度となる様に排熱ファンの風量を調節することを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
  4. 下記検出A〜Eの少なくとも1つにより、濃縮完了として運転停止または、蒸発濃縮を対象とする液体を加熱蒸発部へ供給することを停止又は減量させて減量高濃縮化制御に移行することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のヒートポンプ方式蒸発濃縮装置。
    A:加熱蒸発部濃縮液温度と、加熱蒸発部から膨脹弁又はキャピラリーチューブに至るヒートポンプ配管部分温度の温度差が設定値以上となる
    B:加熱蒸発部濃縮液温度と、冷却凝縮部から圧縮機の間のヒートポンプ配管部分温度の温度差が設定値以上となる
    C:加熱蒸発部から膨張弁又はキャピラリーチューブに至る間のヒートポンプ配管部分温度と、膨脹弁またはキャピラリーチューブから圧縮機の間のヒートポンプ配管部分温度の温度差が設定値以上となる
    D:膨張弁又はキャピラリーチューブ出口のヒートポンプ配管温度が設定値以下となる。
    E:冷却凝縮部から圧縮機の間のヒートポンプ配管温度が設定値以下となる。
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