JP3713104B2 - 変倍光学装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機等で用いられる変倍光学装置に関し、より詳細には、変倍光学装置外部からの不要光を遮断するための遮光カバーを備えた変倍光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機等で用いられる変倍光学装置として、原稿の像を投影面に結像させるレンズと、レンズと投影面との間に設けられたミラーとを備え、レンズとミラーを夫々光軸方向に移動し、原稿面からレンズまでの距離及びレンズから投影面までの距離を変化させることによって、投影像の拡大倍率を可変とするものが知られている。
【0003】
図12に、複写機に用いられる変倍光学装置の基本構成の一例を示す。
走査ミラー8により読み取られた原稿Dの像は、レンズ3によって感光ドラム17上に結像される。レンズ3と感光ドラム17との間には、二枚のミラーを互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させるミラー部12が設けられ、レンズ3とミラー部12を夫々光軸方向に移動することによって、原稿面からレンズ3までの距離及びレンズ3から投影面までの距離が変化し、感光ドラム表面上に結像する投影像の拡大倍率が変化する。
【0004】
一方、原稿読み取り中の走査ミラー8とレンズ3との距離を一定に保つため、走査ミラー8とレンズ3との間には、二枚のミラーを互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させる中間ミラー部6が設けられている。この中間ミラー部6は走査ミラー8の移動に応じて移動される。
【0005】
レンズ3とミラー部12は、外部からの不要光を遮断するハウジング20の内部に収容されている。ハウジング20の上方には、原稿Dを照射するための光源(図示せず)が位置するため、ハウジング20の上部は光源からの不要光を遮断する遮光カバー21となっている。また、ハウジング20の光軸方向の一端は開口端となっており、当該開口はレンズ3を保持するレンズホルダ(図示せず)によって塞がれるよう構成されている。一方、ハウジング20の光軸方向他端は閉塞端となっている。
【0006】
しかしながら、遮光カバー21は、前記の中間ミラー部6との衝突を避けるため、レンズ3の移動範囲を覆う長さよりも短く形成される。そのため、レンズホルダが遮光カバー21の外に位置する時には、レンズホルダと遮光カバーとの間に隙間ができるという問題点があった。
そこで、従来より、レンズホルダに閉塞端側に突出した遮光板(図示せず)を固定し、レンズホルダが遮光カバー21の外に位置する時に、レンズホルダと遮光カバー21との間の隙間を遮光板で塞ぐよう構成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような変倍光学装置では、レンズホルダを閉塞端側に移動させた際に、レンズホルダに固定された遮光板がハウジングの閉塞端と干渉するため、それだけハウジングを大きくしなければならないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、変倍光学装置内への不要光の侵入を防止すると共に、装置構成を小さくすることができる変倍光学装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の変倍光学装置は、ハウジング内に収容されレンズを保持するレンズホルダと、レンズホルダを覆う遮光カバーと、レンズホルダが拡大倍率の位置まで移動した時に該レンズホルダと遮光カバーとの間に形成される隙間から侵入する不要光を遮断するために、レンズホルダあるいは遮光カバーのいずれか一方に設けられ、レンズホルダの移動に合わせてスライドするスライドカバーと、を備えて構成されたものである。
【0010】
このように構成されているため、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時には、レンズホルダと遮光カバーとの間に形成される隙間から侵入する不要光をスライドカバーによって遮断することができる。さらに、スライドカバーがレンズホルダの移動に合わせてスライドするため、レンズホルダを縮小倍率の位置まで移動させた際の、スライドカバーとハウジングの壁(閉塞端)等との干渉が防止される。即ち、ハウジングをそれだけコンパクトに構成することが可能となる。
【0011】
なお、上記のスライドカバーをレンズホルダに設け、該レンズホルダの移動方向に平行に相対移動可能とすると共に、スライドカバーを、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時にはレンズホルダから突出した状態で保持し、レンズホルダが縮小倍率の位置にある時には突出位置から押し戻された状態で保持することができる。このように構成されているため、レンズホルダを縮小倍率の位置まで移動させた際には、スライドカバーがハウジングの壁等に当接して、突出位置から元の位置に押し戻され、ハウジングの壁等との干渉が防止される。
【0012】
さらに、レンズホルダには、スライドカバーの突出方向に沿って所定量延びる延出部を形成することも可能である。このように構成することによって、スライドカバーの移動方向の長さを短くすることができる。
【0013】
また、スライドカバーには、レンズホルダが拡大倍率の位置に移動する時に、遮光カバーに設けられた被当接部に当接する当接部を形成することもできる。当接部はスライドカバーの一端部を屈曲して形成され、被当接部は遮光カバーの一端縁から当接部の移動経路に向けて突出形成される。このように構成することにより、レンズホルダの位置に応じたスライドカバーのスライドを簡単な構成で行うことができる。
【0014】
なお、上記のスライドカバーを遮光カバーに設け、該レンズホルダの移動方向に平行に相対移動可能とすると共に、スライドカバーを、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時には遮光カバーから突出した状態で保持し、レンズホルダが縮小倍率の位置にある時には突出位置から押し戻され得るよう保持することもできる。このように構成されているため、レンズホルダを縮小倍率の位置にある時には、スライドカバーが、複写機等における原稿走査用の可動部材(中間ミラー等)に当接して突出位置から元の位置に押し戻され、当該可動部材との干渉が防止される。
【0015】
さらに、スライドカバーには、レンズホルダが拡大倍率の位置に移動する時に、レンズホルダに形成された当接部が当接する被当接部を形成することも可能である。被当接部はスライドカバーの一端部を屈曲して形成され、当接部はレンズホルダの一端縁から被当接部の移動経路に向けて突出形成される。また、スライドカバーは、遮光カバーに設けられたスロット部位によってスライド可能に保持しても良い。このように構成することにより、スライドカバーのスライドを簡単な構成で行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る変倍光学装置の基本構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、変倍光学装置の基本構成を示す概略図である。
原稿を載置するための透明板である原稿台10の下方には、一方向(紙面に直交する方向)に延びる走査ミラー8が設けられている。走査ミラー8は原稿を照射する移動光源(図示せず)と共に原稿面に沿って移動する。移動光源により照射された原稿Dの像は、走査ミラーによりスリット状に順次読み取られ、結像レンズ3によって投影面である感光ドラム17の表面に結像する。そして、走査ミラー8が原稿面に沿って(図中左右方向に)移動し、それに伴って感光ドラム17が回転することにより、感光ドラム17の表面に二次元潜像が形成される。
【0017】
原稿読み取りの際には、停止しているレンズ3に対し、走査ミラー8は原稿面に沿って移動する。そのため、原稿読み取り中のレンズ3と走査ミラー8との距離を一定に保つために、走査ミラー8とレンズ3との間には、二枚のミラー5,7を互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させる中間ミラー部6が設けられている。そして、走査ミラー8の半分の移動速度で中間ミラー部6を移動させることにより、原稿読み取り時の走査ミラー8とレンズ3との距離が一定に保たれる。
【0018】
レンズ3と感光ドラム17との間には、二枚のミラー11,13を互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させるミラー部12が設けられている。ミラー部12からの光路は、ミラー15により感光ドラム17に向けて偏向される。レンズ3は固定焦点距離のレンズであり、レンズ3及びミラー部12を夫々光軸方向に移動し、原稿面からレンズ3までの距離及びレンズから投影面までの距離を変化させることによって、投影像の拡大倍率が変化する。
【0019】
なお、図1に示す基本構成においては、レンズ3及びミラー部12(ミラー11,13)が変倍光学装置を構成する要素であり、原稿台10、走査ミラー8、中間ミラー部6及び感光ドラム17は複写機を構成する要素である。
【0020】
図1に示す様に、結像レンズ3は、拡大倍率2.0倍の位置から拡大倍率0.5倍までの範囲で移動する。また、ミラー部12(ミラー11,13)は、図中実線で示す拡大倍率1.0倍の位置から、図中二点鎖線で示す拡大倍率2.0倍又は0.5倍までの範囲で移動する。このように、結像レンズ3とミラー部12を光軸方向に移動させることによって、投影像の拡大倍率を2倍から0.5倍まで変えることができる。
【0021】
結像レンズ3とミラー部12は、外部からの不要光を遮断するハウジング20に収容されている。図2に変倍光学装置におけるハウジング20を示す。ハウジング20の光軸方向の両端のうち、一端(中間ミラー部6側)は開口端22として構成され、他端は閉塞端24として構成されている。また、ハウジング20の上部を構成するパネルは、原稿を照射する移動光源からの不要光を遮断する遮光カバー21を形成している。
【0022】
また、ハウジング20の底部は支持基板23を形成しており、支持基板23上には、レンズ3を保持するレンズホルダ30及びミラー部12のミラー11,13を保持するミラーホルダ40が設けられている。
【0023】
次に、本発明の変倍光学装置の第1の実施形態について説明する。
図3は変倍光学装置の第1の実施形態を示す平面図である。なお、図3は拡大倍率1.0倍の状態を示している。
また、図3では、矢印Cで示す領域を覆う遮光カバー21(図2)を取り外して示す。また、矢印Xはレンズ3を通過する光軸を示す。
【0024】
図3に示すように、ハウジング20の支持基板23上には、レンズ3を搭載したレンズホルダ30と、レンズホルダ30を駆動するレンズ駆動機構50と、ミラー部12(ミラー11,13)を搭載したミラーホルダ40と、ミラーホルダ40を駆動するミラー駆動機構60が設けられている。レンズ3及びミラー11,13は、光軸がハウジング20の図中上下方向の中心を通り、光軸方向がハウジング20の図中左右方向と一致するように夫々配置される。
【0025】
まず、レンズホルダ30を移動させるための構成について説明する。
レンズホルダ30は、図中上下方向に長い直方体形状の本体31を持ち、本体内部にレンズ3を保持している。
また、レンズホルダ30を光軸方向(図中左右方向)に移動案内するため、支持基板23には光軸方向に延びる第1のガイドロッド58が設けられ、レンズホルダ30の長手方向の一端には第1ガイドロッド58を挿通する挿通孔を有するアーム32が形成されている。即ち、レンズホルダ30はアーム32の挿通孔と第1ガイドロッド58との摺動によって、光軸方向に移動可能となる。
【0026】
なお、レンズホルダ30が、移動中に光軸Xに対して傾斜しないよう、レンズホルダ30のアーム32と反対側の端部には、支持基板23に形成された光軸方向に延びるレール溝33(図4)に摺動可能に係合する突起34が形成されている。
【0027】
ガイドロッド58の両端近傍には、ワイヤ56が掛け渡された一対の従動プーリ59,59が設けられ、ワイヤ56の両端56a,56bはアーム32に夫々固定されている。また、支持基板23には、ワイヤ56を巻回した駆動プーリ51が設けられている。駆動プーリ51には、駆動プーリ51とほぼ同一の外径を持つギア52が同軸上に重ねられて固定されている。また、レンズホルダ30を駆動するためのレンズ駆動モータ55は支持基板23の下側に取り付けられ、支持基板23上にモータ55の出力軸を突出させている。当該出力軸にはピニオン54が固定され、ピニオン54はギア52に係合している。かくして、レンズ駆動モータ55の回転により、駆動プーリ51及びワイヤー56を介してレンズホルダ30が第1ガイドロッド58に沿って移動する。
【0028】
次に、ミラーホルダ40を移動するための機構について説明する。
ミラーホルダ40は、図中上下方向に延びる2枚のミラー11,13互いのなす角を90°として対向させ(図2)、夫々長手方向両端を側板42,42によって支持している。側板42,42は、図中上下方向に延びる平板状部材44に立設されている。
【0029】
支持基板23を上下に貫通する(図2)ミラーホルダ40の移動を可能にするため、支持基板23にはミラーホルダ40の移動範囲に亘って開口41が形成されている。また、支持基板23には、ミラーホルダ40を光軸方向に移動案内するための第2のガイドロッド68が設けられ、ミラーホルダ40には第2ガイドロッド68を挿通するブラケット部46が設けられている。そして、レンズホルダ40は、ガイドロッド68とブラケット部46の摺動により、光軸方向に移動案内される。
【0030】
支持基板23上には、ミラーホルダ40を移動させるための駆動プーリ61が設けられている。駆動プーリ61にはワイヤ66が掛け渡され、ワイヤ66の一端66aはミラーホルダ40に固定され、他端66bは支持基板23に設けられた固定プーリ48により半転した後、コイルスプリング69を介して、他端66cにおいてミラーホルダ40に固定されている。
【0031】
ミラーホルダ40を移動させるためのミラー駆動モータ65は支持基板23の下側に取り付けられ、支持基板23上に出力軸を突出させている。当該出力軸にはピニオン64が固定され、ピニオン64は中間ギア63を介して、駆動プーリ61に固定されたギア62に係合している。かくして、ミラー駆動モータ65の回転により、駆動プーリ61及びワイヤー66を介してミラーホルダ40が第2ガイドロッド68に沿って移動する。
【0032】
次に、変倍光学装置における遮光のための構成について説明する。
実施形態の複写機では、原稿が最大のA3サイズの時に、中間ミラー部6が図1に二点鎖線で示す位置まで(即ち移動範囲一杯に)移動する。そのため、図2に示すように、遮光カバー21を中間ミラー部6の移動範囲と干渉しない長さにする必要があり、遮光カバー21はレンズ3の移動範囲よりも短くなる。
【0033】
つまり、拡大倍率が1.0倍以下の時には、レンズホルダ30は遮光カバー21に覆われているが、拡大倍率が2.0倍の時には、レンズホルダ30は遮光カバー21の外に位置するため、遮光カバー21とレンズホルダ30との間には隙間ができる。なお、原稿が最大のA3サイズの時には、拡大倍率は1.0倍以下である(実施形態の複写機はA3以上の用紙に複写する構成になっていないため)ため、中間ミラー部6とレンズホルダ30とが干渉することは無い。
【0034】
なお、図3において、レンズホルダ30に対し図中上方に設けられるミラー駆動機構60のための空間からの迷光の侵入を防ぐため、支持基板23には側方カバー26が立設されている。
【0035】
図4は、拡大倍率が2.0倍の時のハウジング20の開口22とレンズホルダ30を示す斜視図である。前述のとおり、拡大倍率が2.0倍の時には、レンズホルダ30の本体31が遮光カバー21の外に位置する。
この時、レンズホルダ30の本体と遮光カバー21との隙間からの不要光の侵入を防ぐため、レンズホルダ30には光軸方向に移動可能なスライドカバー35が設けられる。
【0036】
スライドカバー35は、レンズホルダ30の上面36のほぼ2倍の面積を持つ板状部材で構成されている。また、レンズホルダ30の上面36において光軸方向に直交する方向の両端には、先端が上面36と平行に屈曲された一対の板状の小片である保持部材37が設けられ、スライドカバー35は保持部材37の屈曲部と上面36との間で光軸方向に移動可能に支持される。
【0037】
さらに、スライドカバー35の図中光軸方向奥側の端部は、上方に向けて屈曲され当接部38となっている。また、開口22の上端を規定する遮光カバー21の端縁の、当接部38に対応する箇所には、開口内に向けて突出する被当接部25が設けられている。
【0038】
図5に、拡大倍率を変化させた場合のスライドカバー35の作動を示す。
拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ30が開口22から外に移動する際に、スライドカバー35の当接部38が遮光カバーの被当接部25に当接するため、レンズホルダ30が拡大倍率2.0倍の位置まで移動するのに対し、スライドカバー35はそのままの位置に保持され、レンズホルダ30の上面36から閉塞端24に向けて突出する。突出したスライドカバー35が、レンズホルダ30と遮光カバー21との間に形成される隙間を塞ぎ、当該隙間からの不要光の侵入を遮断する。
【0039】
拡大倍率が1.0倍の時には、スライドカバー35の当接部38が他の部材と当接することがないためスライドカバー35の位置はそれ以前の状態と同じである。この場合には、ハウジング20内に位置するレンズホルダ30自体が開口22を塞ぐことによって不要光の侵入を遮断する。
【0040】
拡大倍率が0.5倍の時には、スライドカバー35の当接部38はハウジング20の閉塞端24に当接し、スライドカバー35は、突出位置からレンズホルダ30の上面36上に押し戻される。この場合も、ハウジング20内に位置するレンズホルダ30が不要光の侵入を遮断する。
【0041】
このように構成されているため、レンズホルダ30が遮光カバー21の外に位置する時にも、スライドカバー35によってハウジング20外部からの不要光の侵入を遮断することができる。さらに、レンズホルダ30をハウジング20の閉塞端24近傍まで移動させても、スライドカバー35が閉塞端24に当接することにより突出位置から元の位置に復帰する。即ち、それだけ、ハウジング20を小さくすることが可能となる。
【0042】
次に、本発明の変倍光学装置の第2の実施形態について、図6と図7を参照して説明する。
図6は、変倍光学装置の第2の実施形態を示す斜視図である。図6に示すように、レンズホルダ130の上部には、本体131に対し図中光軸方向奥側に向けて所定量突出する延長部139が形成されている。さらに、延長部139において光軸方向に直交する方向の両端には、第1の実施形態と同様の保持部材37が立設され、この保持部材37によってスライドカバー135が光軸方向に移動可能に保持される。
【0043】
第1の実施形態と同様、スライドカバー135の図中光軸方向奥側の端部は、上方に向けて屈曲され当接部138となっている。また、開口22の上端を規定する遮光カバー21の端縁の、当接部138に対応する箇所には、開口内に向けて突出する板状片である被当接部25が設けられている。
【0044】
図7に、変倍光学装置の第2の実施形態の作動を示す。図7に示すように、拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ130が開口22から外に移動する際に、スライドカバー135の当接部138が被当接部25に当接し、スライドカバー135はレンズホルダ130の上面136から閉塞端24に向けて突出した状態となるため、レンズホルダ130とハウジング20との間の隙間は、スライドカバー135と延長部139によって塞がれる。
【0045】
さらに、拡大倍率が0.5倍の時には、スライドカバー135の当接部138はハウジング20の閉塞端24に当接し、スライドカバー135は、突出位置からレンズホルダ130の上面136上に押し戻される。この場合も、ハウジング20内に位置するレンズホルダ130が不要光の侵入を遮断する。
【0046】
第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、レンズホルダ30に延長部139が形成されており、スライドカバー135と延長部139によってレンズホルダ130とハウジング20との間の隙間を塞ぐよう構成しているため、スライドカバー135自体を小さく構成することができる。
【0047】
次に、本発明の変倍光学装置の第3の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、変倍光学装置の第3の実施形態を示す斜視図である。図8に示すように、レンズホルダ230の上面236の図中光軸方向奥側の端部には、上方に突出する当接部225が形成されている。一方、遮光カバー21の下部には、スライドカバー235と、スライドカバー235を光軸方向に移動可能に保持するスロット部237が設けられている。また、スライドカバー235の図中手前側の端部は、下方に向けて屈曲され被当接部238を形成している。
【0048】
図9に変倍光学装置の第3の実施形態の作動を示す。図9に示すように、拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ230が遮光カバー21から外に移動する際に、レンズホルダ230の当接部225がスライドカバー235の被当接部238に当接し、スライドカバー235はスロット部237から引き出される。この状態で、レンズホルダ230と遮光カバー21との間の隙間は、スライドカバー235によって塞がれる。
【0049】
拡大倍率が1.0倍あるいは0.5倍の時には、当接部225は被当接部238から離れている。ここで、原稿としてA3用紙を使用した場合等、図1に示すように、中間ミラー部6がハウジング20の開口22に接近すると、中間ミラー部6がスライドカバー235に当接してこれをスロット部237に押し込む。
【0050】
つまり、第1及び第2の実施形態では、突出したスライドカバーがハウジング20の閉塞端24に当接することによって元の位置に押し戻されたが、第3の実施形態では、スライドカバー235は中間ミラー部6に当接して元の位置に押し戻される。
このように、この第3の実施の形態によると、第1及び第2の実施形態と比較して、移動するレンズホルダ230ではなく、固定されている遮光カバー21にスライドカバー235が設けられているため、構成がさらに簡単になる。
【0051】
次に、本発明の変倍光学装置の第4の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、変倍光学装置の第4の実施形態を示す斜視図である。図10に示すように、遮光カバー21の下部には第3の実施形態と同様のスロット部237が設けられ、スロット部237にはスライドカバー335が移動可能に保持されている。そして、スライドカバー335の図中手前側の端部は、下方に向けて屈曲されて被当接部338を形成している。この被当接部338の長さはレンズホルダ330の前面にかかる程度に設定されている。
【0052】
図11に変倍光学装置の第4の実施形態の作動を示す。図11に示すように、拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ330が遮光カバー21から外に移動する際に、レンズホルダ330の前面がスライドカバー335の被当接部338に当接し、スライドカバー335がスロット部237から引き出される。この状態で、レンズホルダ330と遮光カバー21との間の隙間は、スライドカバー335によって塞がれる。
【0053】
また、第3の実施の形態と同様、拡大倍率が1.0倍あるいは0.5倍の時には、スライドカバー235は中間ミラー部6に当接されることによってスロット部237に押し込まれる。
このように、この第4の実施形態によると、レンズホルダ30には特別な構成を加える必要が無いため、レンズホルダ30自体の構成が極めて簡単になる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の変倍光学装置によると、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時には、レンズホルダち遮光カバーとの間に形成される隙間からの不要光の侵入を、スライドカバーによって遮断することができる。さらに、スライドカバーがレンズホルダの移動に合わせてスライドするため、レンズホルダを縮小倍率の位置まで移動させた際の、スライドカバーとハウジングの壁等との干渉が防止される。即ち、ハウジングをそれだけコンパクトに構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変倍光学装置の基本構成を示す図である。
【図2】図1の変倍光学装置のハウジングを示す図である。
【図3】本発明の変倍光学装置の第1の実施形態の変倍光学装置の平面図である。
【図4】図3の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図5】図3の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図6】本発明の変倍光学装置の第2の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図7】図6の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図8】本発明の変倍光学装置の第3の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図9】図8の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図10】本発明の変倍光学装置の第4の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図11】図10の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図12】変倍光学装置の基本構成の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
3 レンズ
6 中間ミラー部
11,13 ミラー
12 ミラー部
20 ハウジング
21 遮光カバー
22 開口
23 支持基板
24 閉塞端
25 被当接部
30 レンズホルダ
35 スライドカバー
36 上面
37 保持部材
38 当接部
40 ミラーホルダ
50 レンズ駆動機構
60 ミラー駆動機構
130 レンズホルダ
135 スライドカバー
138 当接部
139 延長部
225 当接部
230 レンズホルダ
235 スライドカバー
237 スロット部
238 被当接部
330 レンズホルダ
335 スライドカバー
338 被当接部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機等で用いられる変倍光学装置に関し、より詳細には、変倍光学装置外部からの不要光を遮断するための遮光カバーを備えた変倍光学装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、複写機等で用いられる変倍光学装置として、原稿の像を投影面に結像させるレンズと、レンズと投影面との間に設けられたミラーとを備え、レンズとミラーを夫々光軸方向に移動し、原稿面からレンズまでの距離及びレンズから投影面までの距離を変化させることによって、投影像の拡大倍率を可変とするものが知られている。
【0003】
図12に、複写機に用いられる変倍光学装置の基本構成の一例を示す。
走査ミラー8により読み取られた原稿Dの像は、レンズ3によって感光ドラム17上に結像される。レンズ3と感光ドラム17との間には、二枚のミラーを互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させるミラー部12が設けられ、レンズ3とミラー部12を夫々光軸方向に移動することによって、原稿面からレンズ3までの距離及びレンズ3から投影面までの距離が変化し、感光ドラム表面上に結像する投影像の拡大倍率が変化する。
【0004】
一方、原稿読み取り中の走査ミラー8とレンズ3との距離を一定に保つため、走査ミラー8とレンズ3との間には、二枚のミラーを互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させる中間ミラー部6が設けられている。この中間ミラー部6は走査ミラー8の移動に応じて移動される。
【0005】
レンズ3とミラー部12は、外部からの不要光を遮断するハウジング20の内部に収容されている。ハウジング20の上方には、原稿Dを照射するための光源(図示せず)が位置するため、ハウジング20の上部は光源からの不要光を遮断する遮光カバー21となっている。また、ハウジング20の光軸方向の一端は開口端となっており、当該開口はレンズ3を保持するレンズホルダ(図示せず)によって塞がれるよう構成されている。一方、ハウジング20の光軸方向他端は閉塞端となっている。
【0006】
しかしながら、遮光カバー21は、前記の中間ミラー部6との衝突を避けるため、レンズ3の移動範囲を覆う長さよりも短く形成される。そのため、レンズホルダが遮光カバー21の外に位置する時には、レンズホルダと遮光カバーとの間に隙間ができるという問題点があった。
そこで、従来より、レンズホルダに閉塞端側に突出した遮光板(図示せず)を固定し、レンズホルダが遮光カバー21の外に位置する時に、レンズホルダと遮光カバー21との間の隙間を遮光板で塞ぐよう構成していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような変倍光学装置では、レンズホルダを閉塞端側に移動させた際に、レンズホルダに固定された遮光板がハウジングの閉塞端と干渉するため、それだけハウジングを大きくしなければならないという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑み、変倍光学装置内への不要光の侵入を防止すると共に、装置構成を小さくすることができる変倍光学装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の変倍光学装置は、ハウジング内に収容されレンズを保持するレンズホルダと、レンズホルダを覆う遮光カバーと、レンズホルダが拡大倍率の位置まで移動した時に該レンズホルダと遮光カバーとの間に形成される隙間から侵入する不要光を遮断するために、レンズホルダあるいは遮光カバーのいずれか一方に設けられ、レンズホルダの移動に合わせてスライドするスライドカバーと、を備えて構成されたものである。
【0010】
このように構成されているため、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時には、レンズホルダと遮光カバーとの間に形成される隙間から侵入する不要光をスライドカバーによって遮断することができる。さらに、スライドカバーがレンズホルダの移動に合わせてスライドするため、レンズホルダを縮小倍率の位置まで移動させた際の、スライドカバーとハウジングの壁(閉塞端)等との干渉が防止される。即ち、ハウジングをそれだけコンパクトに構成することが可能となる。
【0011】
なお、上記のスライドカバーをレンズホルダに設け、該レンズホルダの移動方向に平行に相対移動可能とすると共に、スライドカバーを、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時にはレンズホルダから突出した状態で保持し、レンズホルダが縮小倍率の位置にある時には突出位置から押し戻された状態で保持することができる。このように構成されているため、レンズホルダを縮小倍率の位置まで移動させた際には、スライドカバーがハウジングの壁等に当接して、突出位置から元の位置に押し戻され、ハウジングの壁等との干渉が防止される。
【0012】
さらに、レンズホルダには、スライドカバーの突出方向に沿って所定量延びる延出部を形成することも可能である。このように構成することによって、スライドカバーの移動方向の長さを短くすることができる。
【0013】
また、スライドカバーには、レンズホルダが拡大倍率の位置に移動する時に、遮光カバーに設けられた被当接部に当接する当接部を形成することもできる。当接部はスライドカバーの一端部を屈曲して形成され、被当接部は遮光カバーの一端縁から当接部の移動経路に向けて突出形成される。このように構成することにより、レンズホルダの位置に応じたスライドカバーのスライドを簡単な構成で行うことができる。
【0014】
なお、上記のスライドカバーを遮光カバーに設け、該レンズホルダの移動方向に平行に相対移動可能とすると共に、スライドカバーを、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時には遮光カバーから突出した状態で保持し、レンズホルダが縮小倍率の位置にある時には突出位置から押し戻され得るよう保持することもできる。このように構成されているため、レンズホルダを縮小倍率の位置にある時には、スライドカバーが、複写機等における原稿走査用の可動部材(中間ミラー等)に当接して突出位置から元の位置に押し戻され、当該可動部材との干渉が防止される。
【0015】
さらに、スライドカバーには、レンズホルダが拡大倍率の位置に移動する時に、レンズホルダに形成された当接部が当接する被当接部を形成することも可能である。被当接部はスライドカバーの一端部を屈曲して形成され、当接部はレンズホルダの一端縁から被当接部の移動経路に向けて突出形成される。また、スライドカバーは、遮光カバーに設けられたスロット部位によってスライド可能に保持しても良い。このように構成することにより、スライドカバーのスライドを簡単な構成で行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る変倍光学装置の基本構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、変倍光学装置の基本構成を示す概略図である。
原稿を載置するための透明板である原稿台10の下方には、一方向(紙面に直交する方向)に延びる走査ミラー8が設けられている。走査ミラー8は原稿を照射する移動光源(図示せず)と共に原稿面に沿って移動する。移動光源により照射された原稿Dの像は、走査ミラーによりスリット状に順次読み取られ、結像レンズ3によって投影面である感光ドラム17の表面に結像する。そして、走査ミラー8が原稿面に沿って(図中左右方向に)移動し、それに伴って感光ドラム17が回転することにより、感光ドラム17の表面に二次元潜像が形成される。
【0017】
原稿読み取りの際には、停止しているレンズ3に対し、走査ミラー8は原稿面に沿って移動する。そのため、原稿読み取り中のレンズ3と走査ミラー8との距離を一定に保つために、走査ミラー8とレンズ3との間には、二枚のミラー5,7を互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させる中間ミラー部6が設けられている。そして、走査ミラー8の半分の移動速度で中間ミラー部6を移動させることにより、原稿読み取り時の走査ミラー8とレンズ3との距離が一定に保たれる。
【0018】
レンズ3と感光ドラム17との間には、二枚のミラー11,13を互いのなす角を90°として対向配置して光路を反転させるミラー部12が設けられている。ミラー部12からの光路は、ミラー15により感光ドラム17に向けて偏向される。レンズ3は固定焦点距離のレンズであり、レンズ3及びミラー部12を夫々光軸方向に移動し、原稿面からレンズ3までの距離及びレンズから投影面までの距離を変化させることによって、投影像の拡大倍率が変化する。
【0019】
なお、図1に示す基本構成においては、レンズ3及びミラー部12(ミラー11,13)が変倍光学装置を構成する要素であり、原稿台10、走査ミラー8、中間ミラー部6及び感光ドラム17は複写機を構成する要素である。
【0020】
図1に示す様に、結像レンズ3は、拡大倍率2.0倍の位置から拡大倍率0.5倍までの範囲で移動する。また、ミラー部12(ミラー11,13)は、図中実線で示す拡大倍率1.0倍の位置から、図中二点鎖線で示す拡大倍率2.0倍又は0.5倍までの範囲で移動する。このように、結像レンズ3とミラー部12を光軸方向に移動させることによって、投影像の拡大倍率を2倍から0.5倍まで変えることができる。
【0021】
結像レンズ3とミラー部12は、外部からの不要光を遮断するハウジング20に収容されている。図2に変倍光学装置におけるハウジング20を示す。ハウジング20の光軸方向の両端のうち、一端(中間ミラー部6側)は開口端22として構成され、他端は閉塞端24として構成されている。また、ハウジング20の上部を構成するパネルは、原稿を照射する移動光源からの不要光を遮断する遮光カバー21を形成している。
【0022】
また、ハウジング20の底部は支持基板23を形成しており、支持基板23上には、レンズ3を保持するレンズホルダ30及びミラー部12のミラー11,13を保持するミラーホルダ40が設けられている。
【0023】
次に、本発明の変倍光学装置の第1の実施形態について説明する。
図3は変倍光学装置の第1の実施形態を示す平面図である。なお、図3は拡大倍率1.0倍の状態を示している。
また、図3では、矢印Cで示す領域を覆う遮光カバー21(図2)を取り外して示す。また、矢印Xはレンズ3を通過する光軸を示す。
【0024】
図3に示すように、ハウジング20の支持基板23上には、レンズ3を搭載したレンズホルダ30と、レンズホルダ30を駆動するレンズ駆動機構50と、ミラー部12(ミラー11,13)を搭載したミラーホルダ40と、ミラーホルダ40を駆動するミラー駆動機構60が設けられている。レンズ3及びミラー11,13は、光軸がハウジング20の図中上下方向の中心を通り、光軸方向がハウジング20の図中左右方向と一致するように夫々配置される。
【0025】
まず、レンズホルダ30を移動させるための構成について説明する。
レンズホルダ30は、図中上下方向に長い直方体形状の本体31を持ち、本体内部にレンズ3を保持している。
また、レンズホルダ30を光軸方向(図中左右方向)に移動案内するため、支持基板23には光軸方向に延びる第1のガイドロッド58が設けられ、レンズホルダ30の長手方向の一端には第1ガイドロッド58を挿通する挿通孔を有するアーム32が形成されている。即ち、レンズホルダ30はアーム32の挿通孔と第1ガイドロッド58との摺動によって、光軸方向に移動可能となる。
【0026】
なお、レンズホルダ30が、移動中に光軸Xに対して傾斜しないよう、レンズホルダ30のアーム32と反対側の端部には、支持基板23に形成された光軸方向に延びるレール溝33(図4)に摺動可能に係合する突起34が形成されている。
【0027】
ガイドロッド58の両端近傍には、ワイヤ56が掛け渡された一対の従動プーリ59,59が設けられ、ワイヤ56の両端56a,56bはアーム32に夫々固定されている。また、支持基板23には、ワイヤ56を巻回した駆動プーリ51が設けられている。駆動プーリ51には、駆動プーリ51とほぼ同一の外径を持つギア52が同軸上に重ねられて固定されている。また、レンズホルダ30を駆動するためのレンズ駆動モータ55は支持基板23の下側に取り付けられ、支持基板23上にモータ55の出力軸を突出させている。当該出力軸にはピニオン54が固定され、ピニオン54はギア52に係合している。かくして、レンズ駆動モータ55の回転により、駆動プーリ51及びワイヤー56を介してレンズホルダ30が第1ガイドロッド58に沿って移動する。
【0028】
次に、ミラーホルダ40を移動するための機構について説明する。
ミラーホルダ40は、図中上下方向に延びる2枚のミラー11,13互いのなす角を90°として対向させ(図2)、夫々長手方向両端を側板42,42によって支持している。側板42,42は、図中上下方向に延びる平板状部材44に立設されている。
【0029】
支持基板23を上下に貫通する(図2)ミラーホルダ40の移動を可能にするため、支持基板23にはミラーホルダ40の移動範囲に亘って開口41が形成されている。また、支持基板23には、ミラーホルダ40を光軸方向に移動案内するための第2のガイドロッド68が設けられ、ミラーホルダ40には第2ガイドロッド68を挿通するブラケット部46が設けられている。そして、レンズホルダ40は、ガイドロッド68とブラケット部46の摺動により、光軸方向に移動案内される。
【0030】
支持基板23上には、ミラーホルダ40を移動させるための駆動プーリ61が設けられている。駆動プーリ61にはワイヤ66が掛け渡され、ワイヤ66の一端66aはミラーホルダ40に固定され、他端66bは支持基板23に設けられた固定プーリ48により半転した後、コイルスプリング69を介して、他端66cにおいてミラーホルダ40に固定されている。
【0031】
ミラーホルダ40を移動させるためのミラー駆動モータ65は支持基板23の下側に取り付けられ、支持基板23上に出力軸を突出させている。当該出力軸にはピニオン64が固定され、ピニオン64は中間ギア63を介して、駆動プーリ61に固定されたギア62に係合している。かくして、ミラー駆動モータ65の回転により、駆動プーリ61及びワイヤー66を介してミラーホルダ40が第2ガイドロッド68に沿って移動する。
【0032】
次に、変倍光学装置における遮光のための構成について説明する。
実施形態の複写機では、原稿が最大のA3サイズの時に、中間ミラー部6が図1に二点鎖線で示す位置まで(即ち移動範囲一杯に)移動する。そのため、図2に示すように、遮光カバー21を中間ミラー部6の移動範囲と干渉しない長さにする必要があり、遮光カバー21はレンズ3の移動範囲よりも短くなる。
【0033】
つまり、拡大倍率が1.0倍以下の時には、レンズホルダ30は遮光カバー21に覆われているが、拡大倍率が2.0倍の時には、レンズホルダ30は遮光カバー21の外に位置するため、遮光カバー21とレンズホルダ30との間には隙間ができる。なお、原稿が最大のA3サイズの時には、拡大倍率は1.0倍以下である(実施形態の複写機はA3以上の用紙に複写する構成になっていないため)ため、中間ミラー部6とレンズホルダ30とが干渉することは無い。
【0034】
なお、図3において、レンズホルダ30に対し図中上方に設けられるミラー駆動機構60のための空間からの迷光の侵入を防ぐため、支持基板23には側方カバー26が立設されている。
【0035】
図4は、拡大倍率が2.0倍の時のハウジング20の開口22とレンズホルダ30を示す斜視図である。前述のとおり、拡大倍率が2.0倍の時には、レンズホルダ30の本体31が遮光カバー21の外に位置する。
この時、レンズホルダ30の本体と遮光カバー21との隙間からの不要光の侵入を防ぐため、レンズホルダ30には光軸方向に移動可能なスライドカバー35が設けられる。
【0036】
スライドカバー35は、レンズホルダ30の上面36のほぼ2倍の面積を持つ板状部材で構成されている。また、レンズホルダ30の上面36において光軸方向に直交する方向の両端には、先端が上面36と平行に屈曲された一対の板状の小片である保持部材37が設けられ、スライドカバー35は保持部材37の屈曲部と上面36との間で光軸方向に移動可能に支持される。
【0037】
さらに、スライドカバー35の図中光軸方向奥側の端部は、上方に向けて屈曲され当接部38となっている。また、開口22の上端を規定する遮光カバー21の端縁の、当接部38に対応する箇所には、開口内に向けて突出する被当接部25が設けられている。
【0038】
図5に、拡大倍率を変化させた場合のスライドカバー35の作動を示す。
拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ30が開口22から外に移動する際に、スライドカバー35の当接部38が遮光カバーの被当接部25に当接するため、レンズホルダ30が拡大倍率2.0倍の位置まで移動するのに対し、スライドカバー35はそのままの位置に保持され、レンズホルダ30の上面36から閉塞端24に向けて突出する。突出したスライドカバー35が、レンズホルダ30と遮光カバー21との間に形成される隙間を塞ぎ、当該隙間からの不要光の侵入を遮断する。
【0039】
拡大倍率が1.0倍の時には、スライドカバー35の当接部38が他の部材と当接することがないためスライドカバー35の位置はそれ以前の状態と同じである。この場合には、ハウジング20内に位置するレンズホルダ30自体が開口22を塞ぐことによって不要光の侵入を遮断する。
【0040】
拡大倍率が0.5倍の時には、スライドカバー35の当接部38はハウジング20の閉塞端24に当接し、スライドカバー35は、突出位置からレンズホルダ30の上面36上に押し戻される。この場合も、ハウジング20内に位置するレンズホルダ30が不要光の侵入を遮断する。
【0041】
このように構成されているため、レンズホルダ30が遮光カバー21の外に位置する時にも、スライドカバー35によってハウジング20外部からの不要光の侵入を遮断することができる。さらに、レンズホルダ30をハウジング20の閉塞端24近傍まで移動させても、スライドカバー35が閉塞端24に当接することにより突出位置から元の位置に復帰する。即ち、それだけ、ハウジング20を小さくすることが可能となる。
【0042】
次に、本発明の変倍光学装置の第2の実施形態について、図6と図7を参照して説明する。
図6は、変倍光学装置の第2の実施形態を示す斜視図である。図6に示すように、レンズホルダ130の上部には、本体131に対し図中光軸方向奥側に向けて所定量突出する延長部139が形成されている。さらに、延長部139において光軸方向に直交する方向の両端には、第1の実施形態と同様の保持部材37が立設され、この保持部材37によってスライドカバー135が光軸方向に移動可能に保持される。
【0043】
第1の実施形態と同様、スライドカバー135の図中光軸方向奥側の端部は、上方に向けて屈曲され当接部138となっている。また、開口22の上端を規定する遮光カバー21の端縁の、当接部138に対応する箇所には、開口内に向けて突出する板状片である被当接部25が設けられている。
【0044】
図7に、変倍光学装置の第2の実施形態の作動を示す。図7に示すように、拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ130が開口22から外に移動する際に、スライドカバー135の当接部138が被当接部25に当接し、スライドカバー135はレンズホルダ130の上面136から閉塞端24に向けて突出した状態となるため、レンズホルダ130とハウジング20との間の隙間は、スライドカバー135と延長部139によって塞がれる。
【0045】
さらに、拡大倍率が0.5倍の時には、スライドカバー135の当接部138はハウジング20の閉塞端24に当接し、スライドカバー135は、突出位置からレンズホルダ130の上面136上に押し戻される。この場合も、ハウジング20内に位置するレンズホルダ130が不要光の侵入を遮断する。
【0046】
第2の実施形態では、第1の実施形態と比較して、レンズホルダ30に延長部139が形成されており、スライドカバー135と延長部139によってレンズホルダ130とハウジング20との間の隙間を塞ぐよう構成しているため、スライドカバー135自体を小さく構成することができる。
【0047】
次に、本発明の変倍光学装置の第3の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、変倍光学装置の第3の実施形態を示す斜視図である。図8に示すように、レンズホルダ230の上面236の図中光軸方向奥側の端部には、上方に突出する当接部225が形成されている。一方、遮光カバー21の下部には、スライドカバー235と、スライドカバー235を光軸方向に移動可能に保持するスロット部237が設けられている。また、スライドカバー235の図中手前側の端部は、下方に向けて屈曲され被当接部238を形成している。
【0048】
図9に変倍光学装置の第3の実施形態の作動を示す。図9に示すように、拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ230が遮光カバー21から外に移動する際に、レンズホルダ230の当接部225がスライドカバー235の被当接部238に当接し、スライドカバー235はスロット部237から引き出される。この状態で、レンズホルダ230と遮光カバー21との間の隙間は、スライドカバー235によって塞がれる。
【0049】
拡大倍率が1.0倍あるいは0.5倍の時には、当接部225は被当接部238から離れている。ここで、原稿としてA3用紙を使用した場合等、図1に示すように、中間ミラー部6がハウジング20の開口22に接近すると、中間ミラー部6がスライドカバー235に当接してこれをスロット部237に押し込む。
【0050】
つまり、第1及び第2の実施形態では、突出したスライドカバーがハウジング20の閉塞端24に当接することによって元の位置に押し戻されたが、第3の実施形態では、スライドカバー235は中間ミラー部6に当接して元の位置に押し戻される。
このように、この第3の実施の形態によると、第1及び第2の実施形態と比較して、移動するレンズホルダ230ではなく、固定されている遮光カバー21にスライドカバー235が設けられているため、構成がさらに簡単になる。
【0051】
次に、本発明の変倍光学装置の第4の実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、変倍光学装置の第4の実施形態を示す斜視図である。図10に示すように、遮光カバー21の下部には第3の実施形態と同様のスロット部237が設けられ、スロット部237にはスライドカバー335が移動可能に保持されている。そして、スライドカバー335の図中手前側の端部は、下方に向けて屈曲されて被当接部338を形成している。この被当接部338の長さはレンズホルダ330の前面にかかる程度に設定されている。
【0052】
図11に変倍光学装置の第4の実施形態の作動を示す。図11に示すように、拡大倍率2.0倍の時には、レンズホルダ330が遮光カバー21から外に移動する際に、レンズホルダ330の前面がスライドカバー335の被当接部338に当接し、スライドカバー335がスロット部237から引き出される。この状態で、レンズホルダ330と遮光カバー21との間の隙間は、スライドカバー335によって塞がれる。
【0053】
また、第3の実施の形態と同様、拡大倍率が1.0倍あるいは0.5倍の時には、スライドカバー235は中間ミラー部6に当接されることによってスロット部237に押し込まれる。
このように、この第4の実施形態によると、レンズホルダ30には特別な構成を加える必要が無いため、レンズホルダ30自体の構成が極めて簡単になる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の変倍光学装置によると、レンズホルダが拡大倍率の位置にある時には、レンズホルダち遮光カバーとの間に形成される隙間からの不要光の侵入を、スライドカバーによって遮断することができる。さらに、スライドカバーがレンズホルダの移動に合わせてスライドするため、レンズホルダを縮小倍率の位置まで移動させた際の、スライドカバーとハウジングの壁等との干渉が防止される。即ち、ハウジングをそれだけコンパクトに構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る変倍光学装置の基本構成を示す図である。
【図2】図1の変倍光学装置のハウジングを示す図である。
【図3】本発明の変倍光学装置の第1の実施形態の変倍光学装置の平面図である。
【図4】図3の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図5】図3の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図6】本発明の変倍光学装置の第2の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図7】図6の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図8】本発明の変倍光学装置の第3の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図9】図8の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図10】本発明の変倍光学装置の第4の実施形態の変倍光学装置の斜視図である。
【図11】図10の実施形態の変倍光学装置の作動を示す概略図である。
【図12】変倍光学装置の基本構成の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
3 レンズ
6 中間ミラー部
11,13 ミラー
12 ミラー部
20 ハウジング
21 遮光カバー
22 開口
23 支持基板
24 閉塞端
25 被当接部
30 レンズホルダ
35 スライドカバー
36 上面
37 保持部材
38 当接部
40 ミラーホルダ
50 レンズ駆動機構
60 ミラー駆動機構
130 レンズホルダ
135 スライドカバー
138 当接部
139 延長部
225 当接部
230 レンズホルダ
235 スライドカバー
237 スロット部
238 被当接部
330 レンズホルダ
335 スライドカバー
338 被当接部
Claims (4)
- レンズと、該レンズと投影面との間に介設されたミラーとを光軸方向に移動して、原稿面からレンズまでの距離及びレンズから投影面までの距離を変化させて投影像の拡大倍率を可変とする変倍光学装置において、前記変倍光学装置のハウジング内に収容され前記レンズを保持するレンズホルダと、前記レンズホルダを覆う遮光カバーと、前記レンズホルダが拡大倍率の位置まで移動した時に該レンズホルダと前記遮光カバーとの間に形成される隙間から侵入する不要光を遮断するために、前記レンズホルダの移動に合わせてスライドするスライドカバーと、を備えて構成され、
前記レンズホルダには、前記スライドカバーのスライド方向に直交する方向の両端とレンズホルダとの間で摺動可能に保持する保持部材が設けられ、
前記スライドカバーには、前記レンズホルダが前記拡大倍率の位置に移動する時に、前記遮光カバーに形成された被当接部に当接して、スライドカバーをミラー方向へ突出させる当接部が形成され、
前記スライドカバーは、該レンズホルダの移動方向と平行な方向に相対移動可能であり、前記スライドカバーは、前記レンズホルダが前記拡大倍率の位置にある時には前記レンズホルダから前記ミラー側に向けて突出した状態で前記保持部材により保持され、前記レンズホルダが縮小倍率の位置にある時には前記突出した状態から押し戻された状態で保持されること、
を特徴とする変倍光学装置。 - 前記レンズホルダの上部には、前記ミラー方向へ所定量延びる延出部が形成されていること、を特徴とする請求項1に記載の変倍光学装置。
- 前記当接部は、前記スライドカバーの一端部を屈曲して形成されていること、を特徴とする請求項1または2に記載の変倍光学装置。
- 前記被当接部は、前記遮光カバーの一端縁から前記当接部の移動経路に向けて突出形成されていること、を特徴とする請求項3に記載の変倍光学装置。
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