JP3711884B2 - トレースデータ採取方式 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LSI内部のレジスタ状態或いは装置内部のレジスタ状態を採取する方式に関し、特に大規模な処理機能を有するLSIの機能的な最終デバッグ評価、や性能問題を解析する為のトレースデータを採取する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、新規にLSIを開発する場合の機能的なデバッグは主にその設計段階でLSIの機能記述に対し、テストパターンを用いシミュレーションすることで遂行される。
【0003】
例えば高速のプロセッサを実現する大規模なLSI等においても、設計段階で上記基本機能の事前デバッグを行ってからLSIを試作する。しかし、この様なLSIでは、稀に発生するバグや性能上の問題を洗い出す為に実使用環境に近い最終評価を量産前に行っておくことが必要で、シミュレーションではモデル設定が膨大となり結局試作LSIに対しオペレーティングシステムや多数のアプリケーションプログラムを用いた評価を行うことになる。
【0004】
この様な評価デバッグで、動作不良や性能不足が検出された際に解析が容易に行える様にLSIにレジスタ状態を採取するトレーサを内蔵させる(特にクロック周期が極めて小さい場合には、I/O端子よりプローブを介して外部のトレーサに採取する方式では正確に採取出来ない為)。
【0005】
ところが、従来のLSI内蔵のトレーサでは、トレースデータ記憶部の容量がLSI内蔵のため限りがあるにも拘わらず、問題となるプログラムの一連の処理を実行させ、毎サイクルデータを記憶部に取り込む為しばしば溢れが生じ一連の処理の一部しかトレース出来ないこともある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のトレースデータ採取方式では、LSI内に備えた複数のレジスタのうち状態解析に必要なレジスタの出力をラップラウンドで毎サイクル記録していた為、LSIに実装可能なハードウェア量の制限によって、短時間間隔のレジスタ状態データしか採取できないと言う問題があった。
【0007】
本発明は、ハードウェア規模を大幅に増大することなくLSI内部のレジスタ状態のトレース時間を長くすることを目的とし、主に、解析に必要の無いデータを採取しない様に工夫することで長時間のレジスタ状態を採取を実現する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のトレースデータ採取方式は、ロジック部に含まれるレジスタ類の状態を、時系列的にトレースデータとして採取する方式であって、トレースデータ記憶手段とこの記憶手段へ書き込む際のアドレスを作成し保持するアドレス回路と記録間隔カウンタと制御手段とを備え、制御手段は、前記レジスタ類を機能動作上複数のレジスタ群にグループ化した場合、各レジスタ群についてそれが動作中であることを示す前記レジスタ類の一部のビットをイベントフラグとし、イベントフラグの何れかのビットがオンしたサイクルについてのみ前記レジスタ類の状態及び記録間隔カウンタ値をトレース記憶手段に書き込み、前記アドレス回路を歩進し、前記記録間隔カウンタをリセットし、前記書込みがなければ、記録間隔カウンタを毎サイクルカウントアップし、動作中のサイクルについてレジスタ類の状態を記録間隔と共に、逐次採取することを特徴とする。
【0013】
本発明の第のトレースデータ採取方式は、前記第1のトレースデータ採取方式に於いて、前記ロジック部を含むLSIの中に、前記トレースデータ記憶手段と前記アドレス回路と前記記録間隔カウンタと前記制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の第3のトレースデータ採取方式は、前記第2のトレースデータ採取方式に於いて、前記ロジック部を含むLSIの中に、前記トレースデータ記憶手段と前記アドレス回路と前記記録間隔カウンタと前記制御手段と、トレースデータ記憶手段の読出レジスタとを備え、少なくとも前記アドレス回路と読出レジスタは、通常入力の他これと排他的にシフトモードで有効となるシフトパス入力を有し、制御手段はシフトモード時のシフトインでのみ設定される読出状態フラグと、シフトモード時のシフトインで設定され、シフトモード解除後のクロック信号でリセットされる読出指示フラグを有し、読出レジスタのシフトアウト及び読出指示フラグのシフトインと、シフトモードを解除しての記憶手段の読出しとを交互に行ないトレースデータ記憶手段を読み出すことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照し説明する。図1は本実施形態のLSI内蔵のトレースデータ採取方式を示すブロック図である。
【0016】
本図を参照し、ロジック部1には多数のレジスタ類(レジスタ、カウンタ、制御用のフリップフロップ等のクロックで動作する順序回路)が存在する。これらLSIの状態解析に必要なレジスタ類を、例えばLSIにおける機能により複数のブロックに区切り、それぞれをGRP(グループ)−Aレジスタ群121、GRP−Bレジスタ群122、・・GRP−Dレジスタ群124とする。
【0017】
LSIがプロセッサであれば例えば命令キャッシュ部、命令コードデコード部、アドレス計算部、オペランドデータ準備部、レジスタオペランド準備部、ページング機構、オペランドキャッシュ、演算処理起動部、各種演算部、レジスタ更新部、インストラクションカウンタ部、プログラムステータスレジスタ部、割り込み処理部等の機能上のブロックに区切られる。各ブロックを一つのレジスタ群とする。
【0018】
そして各ブロックについて、これが動作中であることを示すイベントフラグを選定する。図1では説明を簡潔にするため各グループのイベントフラグを1ビットとしているがこれに限定するものでなく、イベントフラグの集合が、各ブロックの動作中表示をカバーしていればよい。
【0019】
本実施形態では制御手段として、OR回路2と、AND回路21と、OR回路31、41と読出状態フラグ6、読出指示フラグ61、AND回路22、62を有し、アドレス回路はアドレスカウンタ3とする。
【0020】
複数ビットで構成されたAレジスタ群のうち、採取すべきあるイベントフラグが点灯した場合、該イベントフラグの出力をOR(論理和)回路2に出力する。
【0021】
OR回路2は、各レジスタ群のイベントフラグ111〜114を受信すると受信した各イベントフラグをORし、トレースオン状態(トレース開始条件成立から終了条件迄)であればAND回路21はデータ登録指示を出力しトレースデータ、記録間隔の記憶手段8への書込を指示する。又、記録間隔カウンタ4へのリセット指示を出力する。
【0022】
アドレスカウンタ3は出力が記憶手段8のアドレスに接続され、データ登録時のアドレスを指定する。又、データ登録指示を受信すると、インクリメント動作を行い次サイクルでアドレス出力が+1される。
【0023】
記録間隔カウンタ4は、クロックに同期して毎サイクルカウントアップし、カウンタリセット指示を受信した次サイクルで該カウンタをリセットするインクリメントカウンタである。
【0024】
記憶手段8は、AND回路21からの指示信号を受信し、採取すべき各レジスタ群の出力と、記録間隔カウンタ4の出力を記録する。
【0025】
読出レジスタ9は記憶手段8に記憶されたデータ、記録間隔を読み出す際に使用されるレジスタである。例えば図示する様に、記憶手段8の上位データ、下位データと言う様に順次読み出すことでビット数を低減している。
【0026】
読出状態フラグ(RMDF)6は記憶手段8の読出モードであることを示し、シフトインでのみオン、オフされるフリップフロップであり、読出モードで記憶手段8の書込を禁止している。
【0027】
読出指示フラグ(RDF)61は記憶手段8の読み出しの1サイクルのみオンする、シフトイン可能で且つ通常入力は「0」であるフリップフロップである。
【0028】
ロジック部1の各レジスタ群、アドレスカウンタ3、記録間隔カウンタ4、読出フラグ6、読出レジスタ9を構成するフリップフロップは通常入力の他にシフトイン入力も有し、又シフトモード信号が供給されておりシフトモード時は通常入力がディスエイブルされ、シフトイン入力が有効(イネーブル)となり、クロックに同期して上記レジスタ群、カウンタ、レジスタが一つのシフトレジスタとして動作する。
【0029】
従って、読み出し動作は、アドレスカウンタ3に読出す先頭アドレスを、読出指示61に「1」をそれぞれシフトインし、通常モード(シフトモードオフ)にしクロックを供給すると最初の1サイクルのみ読出指示61がオンしているので読出レジスタ9に先頭アドレスのデータが読み出され、アドレスカウンタ3が+1される。
【0030】
そして読出レジスタ9の値をシフトアウトしデータを読み出す。以降読出指示フラグ61への「1」のシフトイン、通常モードに戻してのクロックを供給、読出レジスタ9のシフトアウトの一連の動作を繰り返すことで記憶手段8のデータを順次読み出す。この様にすることで、読み出しの為にLSIの入出力端子が増加しない様に工夫している。
【0031】
次に本実施例の具体例について図2のタイミングチャートと図3(A)の記憶手段8のイメージを用いて説明する。レジスタ群A〜Dは先頭1ビットのイベントフラグと2ビットのデータで構成されているものと仮定する(実際にはイベントフラグは1〜2ビット、データは数十ビット以上であるが説明の便宜上簡素化する)。
【0032】
先ずトレースON状態のセットサイクルでアドレスカウンタ3、記録間隔カウンタ4が共にリセットされる。この次サイクルをクロック0とするとクロック0においてレジスタ群Bのイベントフラグがセットされると、AND回路21は記憶手段8に対して登録指示を出力すると共に、記録間隔カウンタ4のリセット指示を出力する。この時、アドレスカウンタ3の示すアドレスが「00」番地であり、クロック0の時点で出力されるレジスタ群A〜Dの出力と記録間隔カウンタ4の出力「00」が記憶装置の「00」番地に登録される。
【0033】
アドレスカウンタ3は、AND回路21から登録指示を受信すると、次サイクルにおいて+1されて「01」となる。又、記録間隔カウンタ4は、登録指示を受信すると、次サイクルにおいてリセットされて「0」となる。
【0034】
以降クロック1〜3のサイクルではいずれかのレジスタ群のイベントフラグがセットされており、各サイクルの全レジスタ群のデータ、間隔カウント「0」が記憶手段8のアドレス「01」から「03」に順次書き込まれる。
【0035】
クロック4〜7のサイクルではいずれのイベントフラグもリセット状態の為、登録指示はオフでありアドレスカウンタ3は「04」に保持され、登録間隔カウンタ4は毎サイクルカウントアップする。
【0036】
クロック8において、レジスタ群Cのイベントフラグがセットされると、AND回路21は登録指示を出力し記憶手段8のアドレス「04」に同様に書き込み、アドレスカウンタ3のカウントアップ、記録間隔カウンタ4のリセット指示を出力する。クロック9〜11のサイクルではいずれかのレジスタ群のイベントフラグがセットされており、記憶手段8のアドレス「05」〜「07」へ順次書き込まれる。
【0037】
尚、図3の(B)に従来方式によるトレースイメージを示す。図示の様にクロック0〜11の各サイクルのレジスタ値が記憶手段8のアドレス「00」〜「11」に順次書き込まれる。
【0038】
従って、本実施例では、従来0〜11番地を使用していたものを0〜7番地で採取することが可能となり、従来方式より長時間のLSI内部データが採取可能となる。
【0039】
本実施例ではレジスタ群A〜Dやアドレスカウンタ3、記録間隔カウンタ4、読出状態フラグ6、読出指示フラグ61、読出レジスタ9はシフトパスを有し読出レジスタ9の出力はシフトパスによる読み出を行うとしたが他の実施例ではシフトパスや、これによる読み出しに限定するものではない。
【0040】
又、本実施形態の更に他の実施例は装置のトレースデータ採取方式であり、構成は前記と同様であるが、ロジック部1やロジック部1のレジスタ類の状態を採取する記憶手段8、アドレスカウンタ3、記録間隔カウンタ4、制御手段はLSIである必要はなく配線基板上の回路であってもよい。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照し説明する。本実施形態ではトレースモードを縮退モードに切り替えると、イベントフラグの何れかがオン状態で、イベントフラグ全体の値が変化せず連続する場合に、イベントフラグが同一値の2回目以降のサイクルを1エントリに縮退して記録する機能を追加した方式である。
【0042】
縮退時には、継続した回数(0オリジン)を記録間隔カウントの代わりに記憶手段8に格納する。従って記憶手段8への書き込みデータとして、カウントフィールドの値が記録間隔、継続カウントの何れであるかを示す1ビットのフラグを追加し、カウント値が記録間隔であればこのフラグを「0」とし、継続カウントであれば「1」として格納する。
【0043】
図4は本実施形態のLSI内蔵のトレースデータ採取方式を示すブロック図である。本実施形態では制御手段として、OR回路2と、AND回路21と、OR回路41と読出状態フラグ6、読出指示フラグ61、AND回路22、62の他、アドレスカウンタ3のカウントアップ論理回路、控えアドレスレジスタ32のストローブ論理回路、セレクタ33、42の選択論理回路を有する。
【0044】
尚、論理回路は論理式のみ図示する。論理式の#、・、+はそれぞれNOT(否定)、論理積、論理和を意味する。
【0045】
又、制御手段は、イベントフラグ全ビット値の継続を検出する手段として、前サイクルにおける各レジスタ群のイベントフラグ値を保持する控えEFレジスタ51と、これと現サイクルのイベントフラグ値の一致を検出するマッチャ52を有し、継続サイクル数のカウント手段として、マッチャ52の一致出力でカウントアップされ一致出力オフであればリセットされる継続カウンタ5を有する。
【0046】
継続カウンタ5の出力は、セレクタ42に入力され、セレクタ42にて0−記録間隔カウント(−はビット結合を示す)と1−継続カウントを切り替え、記憶手段8に書き込む。これによりカウントとして記録間隔を書き込む際には前記フラグを「0」とし、継続カウントを書き込む場合は「1」とする。
【0047】
更に制御手段は、縮退モードを指示する縮退モードフラグ(SMD)7を有する。
【0048】
アドレス回路として、アドレスカウンタ3と、イベントフラグ値が継続する2サイクル目のアドレスカンタ3の値を控える控えアドレスレジスタ32、アドレスカウンタ3の出力と控えアドレスレジスタ32出力とを切り替えるセレクタ33を有している。
【0049】
アドレスカウンタ3のカウントアップ条件は、縮退モードでなければ前記と同様の登録指示であり、縮退モードであれば、継続カウントが0(継続カウンタ5の出力が0)或いは一致出力オフで登録指示された時となる。即ち、同一のイベントフラグ値が継続する1回目、2回目のサイクルではカウントアップ指示し、以降は抑止される。
【0050】
控えアドレスレジスタ32は継続カウントが0、且つ一致(マッチャ52出力)がオンで登録指示がある時にストローブする。即ち、同一のイベントフラグ値が連続する2回目のサイクルでストローブする。
【0051】
セレクタ33では、縮退モードで継続カウントが0でなく、一致出力オンであれば控えアドレスレジスタ32を選択し記憶手段8へのアドレスとする。即ち、同一のイベントフラグ値が継続する3回目以降のサイクルでは控えアドレスレジスタ32を選択し、2回目以降同一のアドレスに書込み継続カウントを更新する。セレクタ42の選択論理もセレクタ33のそれと同様である。
【0052】
次に本実施形態の具体例について図5のタイムチャート、図6(A)の記憶手段8のイメージを用いて説明する。レジスタ群A〜Dの構成は前記と同様と仮定する。
【0053】
先ずトレースONのセットサイクルでアドレスカウンタ3、記録間隔カウンタ4が共にリセットされ、次サイクルをクロック0とするとクロック0〜3においてレジスタ群A、B、C、Dのイベントフラグが順次セットされる。従ってクロック0〜3の各サイクルではAND回路21は記憶手段8に対して登録指示、アドレスカウンタ3のインクリメント指示、記録間隔カウンタ4のリセット指示を出力する。これにより各サイクルのデータとカウント値の意味を示すフラグとしての「0」、記録間隔カウントとしての「0」が記憶手段8の「00」〜「03」番地に書き込まれる。
【0054】
クロック3〜6では、レジスタ群A〜Dのイベントフラグ値が「0011」でクロック4〜6では前サイクルのイベントフラグ値が継続しているため一致出力がオンする。この一致出力により継続カウンタ5が、クロック5〜7にかけて1、2、3とカウントアップされる。
【0055】
アドレスカウンタ3のカウントアップ指示は、クロック4ではオンとなるが、一致カウントが1以上で且つ一致出力オンのクロック5、6では抑止される。又クロック8では全イベントフラグがオフのため登録指示が出力されず抑止される。従って、アドレスカウンタ3はクロック4で「4」となり、クロック5で「5」となりクロック8で「6」にクロック10で「7」になる。
【0056】
又クロック4では、継続カウントが0で一致出力がオンであり、アドレスカウンタ3の値「4」が控えアドレスレジスタ32にストローブされる。
【0057】
継続カウントが0でない(1以上)で且つ一致出力がオンしている、クロック5、6のサイクルでは、セレクタ33に控えアドレスレジスタ32の方を選択させる。これによりクロック5、6のサイクルではクロック4のサイクルと同じ
「04」番地への書込を行う。
【0058】
同様にクロック5、6のサイクルでは、セレクタ42に前記「1−継続カウント」の方を選択させる。これによりクロック5、6のサイクルでは「04」番地のフラグのセット、継続カウントの更新を行う。
【0059】
以上の動作により、記憶手段8には図6(A)に示すデータや、フラグ、カウントが採取される。
【0060】
図6(B)に前記第1実施形態の方式によるトレースイメージを示す。本図(A)と比較すると、(B)の「04」番地〜「06」番地の記録が(A)では「04」番地に縮退し記録される。
【0061】
この様に、縮退モードでトレースすれば、少なくともイベントフラグの状態についてはより長時間に亘る採取が出来る。従って、動作不良の原因調査や、性能解析の初期段階で調査、解析対象とする処理シーケンスの全体が大規模であっても、縮退モードでトレースを行なえばその結果で処理シーケンス全体の動作のアウトラインを把握出来る。
【0062】
そして調査、解析対象の処理シーケンスを絞り込み縮退モードオフで詳細なトレースするという様にすれば、動作不良の原因調査や、性能問題の解析を効率的進めることが出来る。
【0063】
本実施形態の他の実施例ではシフトパスや、これによる読み出しに限定するものではない。又、本実施形態の更に他の実施例は装置のトレースデータ採取方式であり、構成は図4と同様であるが、ロジック部1やロジック部1のレジスタ類の状態を採取する記憶手段8、アドレスカウンタ3やその周辺回路、記録間隔カウンタ4、継続カウンタ5やその周辺回路、制御手段はLSIである必要はなく配線基板上の回路であってもよい。
【0064】
本実施形態ではイベントフラグに着目し、その値が継続するときに縮退させる様にしている為、トレースデータの書込機能のゲート数の増加が少なくて済む。又、一致検出回路等の遅延時間の増加も少なく、記憶手段8の書込周期へ極力影響しないようにしている。
【0065】
【発明の効果】
本発明のトレースデータ採取方式は、LSIや装置の多数のレジスタを複数のレジスタ群にグループ化し、各グループでイベントフラグを選定し、いずれかのイベントフラグがオンしている時のみ、レジスタ群の値を記録間隔と共に記録するので有効なデータとその発生タイミングのみが記録され、従来より長時間に亘るトレースが可能という第1の効果を有する。
【0066】
本発明のトレースデータ採取方式の第2実施形態は、上記に加え同一のイベントフラグ値が継続する場合には、継続するサイクルの記録を縮退させて記録する手段も有しているので、対象とするLSIや装置のレジスタ状態のアウトラインをより長時間に亘って採取可能という第2の効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のLSI内蔵のトレースデータ採取方式を示すブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態のトレース具体例の登録動作を説明する為のタイミングチャート。
【図3】(A)は具体例について本発明の第1実施形態の方式で記憶手段8に採取したデータのイメージ図で、(B)は従来方式で採取したデータのイメージ図。
【図4】本発明の第2実施形態のLSI内蔵のトレースデータ採取方式を示すブロック図。
【図5】本発明の第2実施形態のトレース具体例の登録動作を説明する為のタイミングチャート。
【図6】(A)は他の具体例について本発明の第2実施形態の方式で記憶手段8に採取したデータのイメージ図で、(B)は第2実施形態の方式で採取したデータのイメージ図。
【符号の説明】
1 ロジック部
3 アドレスカウンタ
4 記録間隔カウンタ
5 継続カウンタ
6 読出状態フラグ
7 縮退モードフラグ
8 記憶手段
9 読出レジスタ
32 控えアドレスレジスタ
33、42 セレクタ
51 控えEFレジスタ
52 マッチャ
61 読出指示フラグ
111〜114 イベントフラグ
121〜124 レジスタ群

Claims (3)

  1. ロジック部に含まれるレジスタ類の状態を、時系列的にトレースデータとして採取する方式であって、トレースデータ記憶手段とこの記憶手段へ書き込む際のアドレスを作成し保持するアドレス回路と記録間隔カウンタと制御手段とを備え、制御手段は、前記レジスタ類を機能動作上複数のレジスタ群にグループ化した場合、各レジスタ群についてそれが動作中であることを示す前記レジスタ類の一部のビットをイベントフラグとし、イベントフラグの何れかのビットがオンしたサイクルについてのみ前記レジスタ類の状態及び記録間隔カウンタ値をトレース記憶手段に書き込み、前記アドレス回路を歩進し、前記記録間隔カウンタをリセットし、前記書込みがなければ、記録間隔カウンタを毎サイクルカウントアップし、動作中のサイクルについてレジスタ類の状態を記録間隔と共に、逐次採取することを特徴とするトレースデータ採取方式。
  2. 前記ロジック部を含むLSIの中に、前記トレースデータ記憶手段と前記アドレス回路と前記記録間隔カウンタと前記制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載のトレースデータ採取方式。
  3. 前記ロジック部を含むLSIの中に、前記トレースデータ記憶手段と前記アドレス回路と前記記録間隔カウンタと前記制御手段と、トレースデータ記憶手段の読出レジスタとを備え、少なくとも前記アドレス回路と読出レジスタは、通常入力の他これと排他的にシフトモードで有効となるシフトパス入力を有し、制御手段はシフトモード時のシフトインでのみ設定される読出状態フラグと、シフトモード時のシフトインで設定され、シフトモード解除後のクロック信号でリセットされる読出指示フラグを有し、読出レジスタのシフトアウト及び読出指示フラグのシフトインと、シフトモードを解除しての記憶手段の読出しとを交互に行ないトレースデータ記憶手段を読み出すことを特徴とする請求項2記載のトレースデータ採取方式。
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