JP3711545B2 - Polymer electrolyte fuel cell - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電解質膜型燃料電池の電極の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は電解質を介しての酸化還元反応に基づく電力をさまざまな用途に利用しようとするものであって、このために電解質の両側に電極を配して反応ガスを供給して電力を回収できるように構成している。
燃料電池の1つの形態として固体高分子型燃料電池が知られている。固体高分子膜型燃料電池は、一般的に、水素イオン導電性の固体高分子電解膜を白金触媒を担持したカーボン電極で挟み込んで構成される発電素子すなわち固体高分子−電極接合体及び反応ガスを供給するためのガス通路溝が設けられ、発電素子を両側から支持するガス分離部材とを積層した構造を有する。そして、一方の電極に燃料ガスを供給し、他方の電極に酸化剤ガスを供給して、燃料ガスと酸素の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することによって電気エネルギーを抽出するようになっている。
固体高分子型燃料電池において、水素と酸素による電気化学反応が生じると電極間に電流が発生するとともに、カソード側に水が生成する。そして、固体高分子型燃料電池においては、他の燃料電池と比較して動作温度が約80℃と比較的低温であるために、可搬型の電源、特に電気自動車用のパワーソースに適している。
【0003】
しかし、自動車用として用いる場合には、燃料である水素ガスは、可搬型のタンク又は可搬型の改質装置等により自動車で確保する必要がある。一方、酸化剤ガスとしては、システムの軽量化、コスト面等の理由から空気が使用される。この場合、純酸素に比較して酸素分圧が約1/5と低下するので、燃料電池の反応の中で酸素還元反応速度及び物質移動の問題が生じる。
この問題に対して、一般的には、空気を圧縮して燃料電池に供給する方法が取られる。しかし、この場合、空気圧縮装置を駆動するためのエネルギーを消費するために、その分、燃料電池全体のエネルギー効率は低下することに注意すべきである。
このような事情に鑑み、低酸素分圧下でも高いエネルギー効率を達成するために、さまざまな手法が提案されている。
たとえば、触媒物質(80℃程度の低温状態で酸化還元反応に対し活性を有するのは通常は白金触媒である)を微粒化させることによって触媒活性を向上させること、耐腐食カーボン担持によって触媒物質の定着性を向上させること、アノードガス、カソードガスをイオン伝導体、触媒物質及び反応ガスとからなる三界相反応領域において触媒物質を偏在させる白金スパッタ薄膜を形成することによって触媒活性を向上させること、等が知られている。白金スパッタ薄膜を触媒層表面に形成することによって触媒の電気化学的特性を発揮する表面積が向上し、酸素還元反応活性が向上する。
【0004】
しかし、白金スパッタ薄膜を触媒層表面に形成することについては以下のような問題がある。すなわち電極の固体高分子電解質膜表面に形成した白金スパッタ薄膜が触媒層表面を覆い、これによって水分等の移動を阻害することによって燃料電池の全体の発電効率を改善することができなくなるという問題である。
特開平7−134995号公報には、カソード電極側で発生する生成水を効率的に除去することによって燃料電池の性能を向上させるようにした技術が開示されている。上記公報には、固体高分子からなる電解質膜とこの電解質膜の両側に配置した燃料極と空気極とを備えた燃料電池であって、空気極の触媒層は、表面が疎水性となった炭素粒子と該炭素粒子に担持された触媒とで構成し、燃料極の触媒層は、表面が親水性となった炭素粒子と該炭素粒子に担持された触媒とで構成したものが開示されている。
これによって空気側では生成水によるフラッディングの問題を解消し、燃料極側では、燃料極側電解質の乾燥状態を解消できるとしている。
【0005】
【解決しようとする課題】
上記特開平7−134995号に開示される燃料電池は、電極のアノード側またはカソード側の水分の供給及び排除を効果的に制御する構造を提供するものであって、いわば物質移動の面から電池性能を改善しようとするものである。この構成では、1面的には一定の効果を奏することができるものの、上記したような触媒活性及び物質移動の問題の両方の要因を総合的に勘案したものではなく、電池性能改善効果において一定の限界性を有するものである。
本発明は、以上のような事情に鑑みて構成されたもので、上記特開平7−34993号公報等に開示される公知のものとは異なる手法によって、性能を改善することができ、しかもコスト的にも有利な燃料電池の電極構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成される。すなわち、本発明は、固体高分子電解質膜の一方の側にアノード側触媒電極を設け、他方の側にカソード側触媒電極を設けた固体高分子型燃料電池において、前記カソード側触媒電極における酸素還元反応触媒層の固体高分子電解質膜界面側に、空気、プロトン、反応媒体としての水分、反応生成水等の物質を移動可能にする厚さが1μ m 以下の複合スパッタ薄膜を設け、この複合スパッタ薄膜は、白金と親水性を有するカーボン材料との複合材料を、前記酸素還元反応触媒層の前記電解質膜界側表面側に、直流スパッタリングあるいは交流スパッタリングにより所定時間スパッタリングすることで、この表面側に形成されたものであることを特徴とする。上記の「物質移動が可能な」という意味は、反応ガス、プロトンH+ 、反応媒体としての湿分、生成水分等が移動可能な媒体としての構造を有するという意味であり、金属組織からなる密な膜を意味しない。
【0007】
前記スパッタ薄膜の好ましい態様は、白金含有量は約0.03〜0.07mg/cm2 であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。前記スパッタ薄膜は触媒物質としての白金とカーボンブラック等の親水性材料を含んで直流あるいは交流特に、高周波スパッタリングによって形成された複合スパッタ薄膜から構成されているのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
燃料電池の電極反応は、電解質膜の両側の触媒層の内部で生じ、その反応が活発であるほど燃料電池から取り出すことができるエネルギーは増大する。すなわち、燃料電池の性能は向上する。しかし、上記電極反応によって生じる電流は、触媒層の厚さ方向に一様ではなく、電解質膜の界面に近い位置ほど活発であり、界面から離れるにしたがって、反応活性は低下する。
本発明はこのような燃料電池における電極反応現象の実態に着目してなされたものであって、電極反応の最も活発に生じる電解質膜界面近傍の触媒層領域においてより活発な反応を促すように構成するものである。
すなわち、触媒層の電解質膜近傍においては、電極反応が促進される環境を作るために触媒物質密度の高い物質移動可能な薄膜状態の触媒層を形成する。
好ましい態様では、これに対応して高いイオン伝導体密度を与える。
本発明の上記構成によってアノード側から電解質膜を介して移動してきたプロトンすなわちH+ とアノード電極において集電されて外部仕事をして外部回路を経由してカソード電極に供給される電子とカソード電極に供給される酸素とのカソード側における結合を最も効率的に行わせることができるものである。すなわち本発明によって酸化還元反応速度を高く維持することができるとともに、燃料電池の電解質膜及びその両側に配置される触媒層、拡散層を通じての物質移動抵抗を極力低く抑えることができるものである。
【0009】
触媒物質は、代表的には白金または白金合金(Pt/Cr,Pt/Co,Pt/Rh,Pt/Ni)等であり、塩還元法などで導電性と耐腐食性を有するカーボンブラックを担持体として上記触媒物質を担持させたものを使用する。触媒物質密度は触媒物質と担持体との重量比を変化させることによって調節する。薄膜状態の触媒層を形成するにあたっては、白金担持カーボンブラックのような白金すなわち触媒物質と親水性材料とを組み合わせた複合材料を用いるのが好ましい。このように親水性材料と白金とを組合せることによって、良好な物質移動特性を容易に確保できるという利点がある。カソード側触媒電極における触媒層、すなわち、酸素還元反応触媒層において、スパッタ薄膜の触媒層を形成するにおいて、代表的には、上記のような触媒物質−親水性材料との複合材料を使用して通常の触媒層の表面にスパッタリングによって1μm以下のスパッタ薄膜を形成する。このスパッタ薄膜における白金密度は0.01mg/cm2 以上好ましくは、0.03〜0.07mg/cm2 の範囲である。このスパッタ薄膜を1μm以下に抑えるのは、厚すぎると白金量が増大してコスト的に不利となるだけでなく、物質移動への悪影響が顕著となるからである。また、上記のイオン伝導体としてはスルホン酸基を有するフッ素樹脂などがあげられる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
(本発明の実施例にかかる固体高分子電解質膜電極接合体)
全体構造
図1には、本発明の1実施例にかかる単一の固体高分子電解質膜電極接合体からなる燃料電池の断面の概略が示されている。
本例の燃料電池1は中央に固体高分子電解質膜2を備えその一方の側に燃料としての水素が供給される酸化電極すなわちアノード電極3、他方の側に還元反応用の酸素源としての空気が供給される還元極すなわちカソード電極4を備える基本構造になっている。
アノード電極3は、カーボンクロス31、その内側に拡散層32さらにその内側に触媒層33を積層して接合することによって構成されている。そして、アノード電極3の外側には、ガスの分離及び発電した電力の集電機能を有する溝付ガス分離板30が設けられている。
溝付ガス分離板30は、内部を燃料ガスである水素ガスがプロトンH+ を電解質膜側に供給しつつ流通するアノードガス通路34を画成するための深さ約1mmの溝を備えている。
【0011】
アノード電極3と溝付ガス分離板30とでアノード側電極接合体を構成する。カーボンクロス31の拡散層32との面接触部は、水素分子から発生する電子を集電する集電部を構成する。カソード電極側も同様な構成になっており、カーボンクロス41、拡散層42、触媒層(酸素還元反応触媒層)43の積層接合構造を有する。そしてカーボンクロス41の外側には溝付ガス分離板40を備えており、酸素ガスが外部に漏れ出ないようにまた、カーボンクロス表面を屈曲しつつ延びる溝をガスがショートパスしないように分離を行なう役割をもつ。そして、溝付ガス分離板40は、電解質膜側からのプロトンH+ と接触して水を生成する酸素を流通させるカソードガス通路44を画成する溝を有している。カソード電極4と溝付ガス分離板40とでカソード側電極接合体を構成する。上記構成によって図1に概念的に示すようにアノード側から電解質膜2を介して移動してきたプロトンすなわちH+ とアノード電極3において集電されて外部仕事をして外部回路を経由してカソード電極4に供給される電子とのカソード電極側で結合される。すなわちアノード電極側では、水素分子が電子を奪われることによってプロトンH+ が発生し、カソード電極側では、電解質膜2を介して伝導されたプロトンH+ と外部負荷を有する外部回路からの電子とカソードガス通路から供給される酸素分子とが反応して水分子が生成する。
【0012】
各電極3、4の中間の電解質膜2からカソード電極4に至る積層状態の詳細が図2に示されており、電解質膜2の外側には触媒層43が設けられ、その触媒層の電解質膜側表面には、白金−カーボンブラック複合スパッタ薄膜431が形成されている。そして、触媒層43の外側に拡散層42が設けられ、さらにその外側にカーボンクロス41が接合されて構成される。
カーボンクロス
カーボンクロス31、41は、固体高分子電解質膜電極接合体において、溝付ガス分離板30、40のすぐ内側に配置される電極部分の基層を成す部分であって、基本的に上記のアノード電極反応、カソード電極反応にかかる電子の移動を担う集電部材としての役割を持つ。さらに、各電極3、4における物質移動、特にアノードガス、カソードガスをイオン伝導体、触媒物質及び反応ガスとからなる三界相反応領域に対して効果的に供給することができるようになっていること、およびカソード電極4において発生する水分の排出を効果的に行うことができるようになっていることが望ましい。
本例においては、アノード側カーボンクロス31およびカソード側カーボンクロス41はいずれもカーボン繊維を織って構成されるカーボンクロスを用いる。本例において電極として使用されるカーボンクロスは米国E−TEK社製の商品名: “A”Cloth であり、重量は、116g/m2 、厚さは、約0.35mmである。本例の電極を構成するに当たってフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEという))分散溶液(約0.2μm程度の粒径のPTFEが54〜55重量パーセント含まれており、所定量の界面活性剤とともに安定分散している(三井・デュポンフロロケミカル(株)から商品名TEFLON FEP120-Jとして提供されている))によってカーボンクロスの表面処理を行い撥水性を付与した。
このカーボンクロスの撥水化処理は、PTFEを界面活性剤とともに分散させた溶液を脱イオン水で49重量%に希釈した溶液中に上記カーボンクロスを5分間浸した後濾紙で余分な溶液を拭き取り、その後、窒素雰囲気の電気炉中で温度約340℃で1時間PTFEを焼結させた。
【0013】
拡散層
拡散層は、カーボンクロスの内側に触媒層と接触するように設けられるものであって、電極と同様に触媒層に対し、および触媒層からの物質移動が効果的に行われるように機能する必要があるとともに、触媒層と電極との間に介在する媒体として集電機能を効果的に発揮するものでなければならない。
本例では、拡散層は、カーボンブラックとPTFEとの焼結体として構成されている。両者の重量比は、6:4であり、その単位面積当たりの密度は、それぞれ2.4mg、1.6mgである。なお、カーボンブラックとしては、Cabot Corporation から提供されている商標名Vulcan XC-72( 表面積約250m2 /g)を用いた。
拡散層の製造
カーボンブラック315mgと上記市販のPTFE分散溶液389mgを40mlの純水および40mlのイソプロパノールとともに混合し、超音波洗浄器を用いて分散させた。この分散調製液を上記の電極として撥水処理したカーボンクロス上にスプレーを用いドライヤーを用いて乾燥させながら吹きつけた。上記分散溶液がカーボンクロス上に付着する率は5〜30%である。吹きつけ完了後、約50kgのローラーによって拡散層を形成したカーボンクロスを約0.2〜0.5mmの厚さに圧縮した。次に、上記の窒素雰囲気の電気炉中で約300℃〜350℃で約1時間PTFEを焼結させることによってカーボンクロス上に拡散層を形成した。
【0014】
触媒層
(カソード電極側)
本例では、カソード電極側の触媒層全体として約40μmの厚さを有する。触媒層43の電解質膜側表面には、スパッタリングによって白金担持カーボンブラックスパッタ薄膜が形成される。スパッタ薄膜自体の膜厚はほぼ1μm以下に形成される。しかし、触媒層の表面が多孔質になっているためにスパッタリングによって白金担持カーボンブラックが付着する触媒層の影響領域は、約5μmの範囲に及ぶ。従ってスパッタ薄膜領域は本例では、約5μmとなる。したがって触媒層(20%Pt/C(重量パーセント))の厚さは約35μmとなる。この触媒層における白金の平均粒径は約2.5nmである。
各触媒層の組成は、図3に示す通りである。
なお、図3において、Nafionは、デュポン社から提供される電解質膜の商品名ポリマー含有液であり、そのポリマーの構造は、図4に示すAciplex-S(1004) と同様のものである。このポリマー含有液Nafionは、水とエタノールを等量混合した溶液中に所定量のポリマーを分散させたものである。本例では、ポリマーの濃度は、5wtパーセントのものを使用している。
カソード電極側の触媒層の製造について説明する。
触媒層を形成するに当たってまず、所定量の原料を含む分散溶液を調製する。
触媒層43については、重量比20パーセントの白金を担持したカーボンブラックを160mg、重量比55%のPTFE分散溶液(TEFLON FEP120-J)を158mgとを調製し、これを純水40mlおよびイソプロパノール40mlと混合し超音波洗浄器を用いて分散させた。上記PTFE分散溶液中においては約0.2μm程度の粒径のPTFEが54〜55重量パーセント含まれており、所定量の界面活性剤とともに安定分散している。
つぎに、上記で調製した触媒層用の分散溶液をスプレーを用いて上記の拡散層を形成した半製品の拡散層の面上に吹きつけて、触媒層43を形成した。
【0015】
そして、上記拡散層形成の場合と同様に、窒素雰囲気の電気炉中でPTFEのガラス転移温度付近(約300〜350℃)でPTFEの焼結処理を約1時間かけて行った。
次に触媒層43が表面に形成された拡散層−カーボンクロス接合体に白金担持カーボン複合材料を原料とするスパッタリングを施すことによってスパッタ薄膜を形成した。スパッタリングは低圧アルゴン雰囲気中(2.7Pa)で行い、加速電圧は、1.8kV、プレート電流は、80mAであった。この場合堆積速度は0.3μg/cm2 /sであった。最終的にスパッタ薄膜中のスパッタ白金量は、0.05mg/cm2 であった。なおスパッタ薄膜中のカーボン量は白金と原子数比でほぼ同量であった。
次に上記のようにして形成したカーボンクロス41、このカーボンクロス上の拡散層42、拡散層上の触媒層43からなる固体高分子電解質膜電極接合体半製品のスパッタ薄膜の表面上から上記の高分子電解質溶液Nafionを塗布した。本例では、Nafionを適当なブラシに浸漬してNafionを含ませてスパッタ薄膜431の表面に塗布した。塗布量は約0.6mg/cm2 であった。
【0016】
(アノード電極側)
本例のアノード電極側の触媒層は触媒密度を均一とした単一層から構成されている。そして、上記のカーボンブラック(Vulcan XC-72)に白金を担持したもの(20%Pt/C、平均白金粒径2.5nm)を0.4mg/cm2 となるように触媒層を上記カソード側の触媒層を形成する手法と同じ要領で、分散液の拡散層表面への吹きつけおよびその後のPTFEの焼結処理を行なうことによって形成した。
この場合、カーボンブラックの量は、触媒層、拡散層あわせて約4.0mg/cm2 程度となるように調製した。そしてアノード側電極接合体全体として約0.35mm程度とした。
電解質膜
固体高分子電解質膜は、無孔性の高分子材料であって、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(以下PTFEという))から構成することができる。本例の電解質膜は、旭化成(株)から提供される商品名: Aciplex-S(1004) である。その厚さは、約2〜6mil(約50〜150μm)程度である。
この化学構造は、図4に示す通りである。
上記したように固体高分子型燃料電池における基本的な動作によれば、アノード電極で燃料ガスである水素から電子が奪われる反応が生じ、これによって電子と水素イオン(プロトンH+ )が発生し、電子は負荷を通り、一方プロトンH+ は、電解質膜中を伝導してカソード電極に到達する。カソード電極において、プロトンH+ は、酸素の反応することによって反応水を生成する。すなわち、電解質膜は上記の基本動作から明らかなようにプロトンH+ をカソード側に伝導する役割を果たすとともに、未反応水素ガスが分子状態でカソード側に進入することを防止する役割を持つものである。
なおプロトンH+ が電解質膜中をカソード側に向かって移動する場合には水分子を伴って移動するので、電解質膜は、このための水分子を保有する水分子保有機能も有していなければならない。また、イオン伝導体基(本例ではスルホン酸基)を有する電解質膜では単位重量当たりのスルホン酸基の重量の比すなわちスルホン酸基当量は、約500〜1500(g/eq)でことが好ましい。
電解質膜は、(1)プロトンH+ の伝導機能、(2)アノードガス通路の水素ガスとカソードガス通路の酸素ガス(空気)とを隔離するためのセパレーション機能、および(3)所定の保水機能を有する必要があるこの条件を満たすものであれば、任意のものを使用することができる。
電解質膜のアノード側にはアノード側触媒層、カソード側にはカソード側触媒層が形成される。
【0017】
電極接合体の形成
上記のようにしてアノード側電極接合体およびカソード側電極接合体を構成した後、カソード側電極接合体およびアノード側電極接合体をそれぞれ触媒層側が対面する姿勢で向き合わせ、その間に固体高分子電解質膜を挟んで接合した。そして、固体高分子電解質膜を挟んでプレス治具を用いて固定し、約155℃の温度で電極接合体の単位面積当たり約25kgf/cm2 の圧力でホットプレスすることにより固体高分子電解質膜電極接合体を製造した。
(比較例にかかる固体高分子電解質膜電極接合体)
比較例の構成では、カソード側電極もアノード側電極と同様に単一の触媒層から構成した。
触媒層を形成するために実施例と同様に分散溶液を調製した。この場合、白金担持カーボンブラック(Vulcan XC-72)は白金重量比Pt/C20パーセントを160mg、PTFE分散溶液(FEP120-J) 158mgを用いて上記と同様に分散液を調製し、スプレーによる吹きつけによって触媒層を形成した。なお、吹きつけによる分散液の付着率は吹きつけ量の15〜20%である。その後同様に焼結処理を行なった。他の構成は、実施例と同じである。
このようにして形成した実施例および比較例にかかる固体高分子電解質膜電極接合体からなる燃料電池による発電の実験を行った。
本発明の実施例にかかる燃料電池では、比較例にかかるものに比して発生電圧に関し、500mA/cm2 において約50mV程度高くなることが判明した。このことは、燃料電池の発電効率が約60%から65%に向上することを意味するものである。単一の固体高分子電解質膜電極接合体からなる燃料電池構成におけるこの実験結果によれば、多数の積層構造から成る燃料電池においては発電効率の向上は顕著なものとなる。
【0018】
なお、本例では、カソード電極側の触媒層(酸素還元反応触媒層)を触媒密度が異なる2層によって構成したが、さらに多くの密度が異なる層を積層して構成することもできる。この場合、電解質膜側の触媒密度が高くなるように積層する。また、本例では、アノード電極は単一の均一な触媒密度を有する触媒層によって形成したが、かならずしもこのようにする必要はなく、カソード電極と同様に複数の触媒密度の異なる層を積層して構成することもできる。
【0019】
【発明の効果】
上記したように、本発明では、固体高分子電解質膜燃料電池において、簡単な構成でしかも製造コストを増大させることなく、発電効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例にかかる固体高分子型燃料電池の電極接合体の概略断面図、
【図2】図1の燃料電池の各層の積層状態を示す断面図
【図3】カソード側触媒層の組成を示すグラフ、
【図4】イオン伝導体を構成するPTFEの構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
2 固体高分子電解質膜
3 アノード電極
4 カソード電極
43、33 触媒層
431 スパッタ薄膜
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to an electrode structure of an electrolyte membrane fuel cell.
[0002]
[Prior art]
A fuel cell is intended to use electric power based on an oxidation-reduction reaction via an electrolyte for various purposes. For this purpose, an electrode is arranged on both sides of the electrolyte to supply a reaction gas and recover electric power. It is configured as follows.
A solid polymer fuel cell is known as one form of the fuel cell. A solid polymer membrane fuel cell generally includes a power generation element comprising a hydrogen ion conductive solid polymer electrolyte membrane sandwiched between carbon electrodes carrying a platinum catalyst, that is, a solid polymer-electrode assembly and a reaction gas. Gas passage grooves are provided, and a gas separation member that supports the power generation element from both sides is laminated. The fuel gas is supplied to one electrode, the oxidant gas is supplied to the other electrode, and the electrical energy is extracted by directly converting the chemical energy of the fuel gas and oxygen into electrical energy. .
In a polymer electrolyte fuel cell, when an electrochemical reaction occurs between hydrogen and oxygen, current is generated between the electrodes and water is generated on the cathode side. The polymer electrolyte fuel cell has a relatively low operating temperature of about 80 ° C. compared to other fuel cells, and is therefore suitable for a portable power source, particularly a power source for an electric vehicle. .
[0003]
However, when used for automobiles, it is necessary to secure hydrogen gas, which is a fuel, in automobiles using a portable tank or a portable reformer. On the other hand, air is used as the oxidant gas for reasons such as weight reduction of the system and cost. In this case, since the oxygen partial pressure is reduced to about 1/5 as compared with pure oxygen, problems of oxygen reduction reaction rate and mass transfer occur in the fuel cell reaction.
In general, a method of compressing air and supplying the fuel cell to this problem is taken. However, in this case, it should be noted that the energy efficiency of the entire fuel cell is reduced by that amount in order to consume energy for driving the air compressor.
In view of such circumstances, various techniques have been proposed in order to achieve high energy efficiency even under a low oxygen partial pressure.
For example, catalytic activity can be improved by atomizing a catalyst material (usually a platinum catalyst that is active in the oxidation-reduction reaction at a low temperature of about 80 ° C.). Improving the fixability, improving the catalytic activity by forming a platinum sputtered thin film in which the catalytic material is unevenly distributed in the three-boundary phase reaction region comprising the anode gas and the cathode gas consisting of the ionic conductor, the catalytic material and the reactive gas; Etc. are known. By forming a platinum sputtered thin film on the surface of the catalyst layer, the surface area that exhibits the electrochemical characteristics of the catalyst is improved, and the oxygen reduction reaction activity is improved.
[0004]
However, the following problems are associated with forming a platinum sputtered thin film on the surface of the catalyst layer. That is, the platinum sputtered thin film formed on the surface of the solid polymer electrolyte membrane of the electrode covers the surface of the catalyst layer, thereby inhibiting the movement of moisture and the like, thereby making it impossible to improve the overall power generation efficiency of the fuel cell. is there.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-134995 discloses a technique for improving the performance of a fuel cell by efficiently removing generated water generated on the cathode electrode side. In the above publication, a fuel cell comprising an electrolyte membrane made of a solid polymer and a fuel electrode and an air electrode arranged on both sides of the electrolyte membrane, the catalyst layer of the air electrode has a hydrophobic surface. It is composed of carbon particles and a catalyst supported on the carbon particles, and the catalyst layer of the fuel electrode is disclosed composed of carbon particles having a hydrophilic surface and a catalyst supported on the carbon particles. Yes.
As a result, the problem of flooding due to the generated water can be solved on the air side, and the dry state of the fuel electrode side electrolyte can be solved on the fuel electrode side.
[0005]
[Problems to be solved]
The fuel cell disclosed in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-134995 provides a structure for effectively controlling the supply and removal of moisture on the anode side or cathode side of the electrode. It is intended to improve performance. Although this structure can achieve a certain effect on one side, it does not comprehensively take into account both the above-mentioned factors of the catalyst activity and the mass transfer problem. It has the limit of.
The present invention is configured in view of the above circumstances, and can improve the performance by a method different from the known one disclosed in JP-A-7-34993 and the cost. It is another object of the present invention to provide a fuel cell electrode structure that is particularly advantageous.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention is configured as follows. That is, the present invention provides a polymer electrolyte fuel cell in which an anode side catalyst electrode is provided on one side of a solid polymer electrolyte membrane and a cathode side catalyst electrode is provided on the other side. the solid polymer electrolyte membrane interface side of the catalyst layer, provided the air, protons, as the reaction medium water, the thickness of the movable substances such as reaction products water the following composite sputtered film 1 [mu] m, the composite sputtering The thin film is formed by sputtering a composite material of platinum and a hydrophilic carbon material on the surface side of the electrolyte membrane boundary of the oxygen reduction reaction catalyst layer for a predetermined time by direct current sputtering or alternating current sputtering. It is formed . The above-mentioned meaning of “mass transfer is possible” means that the reaction gas, proton H + , moisture as a reaction medium, generated moisture and the like have a structure as a medium that can move, and a dense structure composed of a metal structure. It doesn't mean a simple film.
[0007]
A preferred embodiment of the sputtered thin film is a solid polymer fuel cell, wherein the platinum content is about 0.03 to 0.07 mg / cm 2 . The sputtered thin film is preferably composed of a composite sputtered thin film formed by direct current or alternating current, particularly high frequency sputtering, containing a hydrophilic material such as platinum and carbon black as a catalytic substance.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The electrode reaction of the fuel cell occurs inside the catalyst layer on both sides of the electrolyte membrane, and the more active the reaction, the more energy that can be extracted from the fuel cell. That is, the performance of the fuel cell is improved. However, the current generated by the electrode reaction is not uniform in the thickness direction of the catalyst layer, and is more active near the interface of the electrolyte membrane, and the reaction activity decreases with increasing distance from the interface.
The present invention has been made paying attention to the actual state of the electrode reaction phenomenon in such a fuel cell, and is configured to promote a more active reaction in the catalyst layer region near the electrolyte membrane interface where the electrode reaction occurs most actively. To do.
That is, in the vicinity of the electrolyte membrane of the catalyst layer, a catalyst layer in a thin film state having a high catalyst substance density and capable of mass transfer is formed in order to create an environment in which the electrode reaction is promoted.
The preferred embodiment provides a correspondingly high ionic conductor density.
According to the above-described configuration of the present invention, protons that have moved from the anode side through the electrolyte membrane, that is, H +, and electrons collected at the anode electrode to perform external work and supplied to the cathode electrode via the external circuit and the cathode electrode The oxygen can be most efficiently combined with the oxygen supplied to the cathode. That is, according to the present invention, the oxidation-reduction reaction rate can be maintained high, and the mass transfer resistance through the electrolyte membrane of the fuel cell and the catalyst layer and diffusion layer disposed on both sides thereof can be suppressed as low as possible.
[0009]
The catalyst material is typically platinum or platinum alloy (Pt / Cr, Pt / Co, Pt / Rh, Pt / Ni), etc., and supports carbon black that has conductivity and corrosion resistance by the salt reduction method. A body carrying the above catalyst substance is used as a body. The catalyst material density is adjusted by changing the weight ratio of the catalyst material to the support. In forming the catalyst layer in a thin film state, it is preferable to use platinum, such as platinum-supported carbon black, that is, a composite material in which a catalyst substance and a hydrophilic material are combined. Thus, there exists an advantage that a favorable mass transfer characteristic can be ensured easily by combining a hydrophilic material and platinum. In forming the catalyst layer of the sputtered thin film in the catalyst layer in the cathode side catalyst electrode, that is, the oxygen reduction reaction catalyst layer, typically, a composite material of the above catalyst substance-hydrophilic material is used. A sputtered thin film of 1 μm or less is formed on the surface of a normal catalyst layer by sputtering. Platinum density in the sputtered film is 0.01 mg / cm 2 or more preferably in the range of 0.03~0.07mg / cm 2. The reason why the sputtered thin film is suppressed to 1 μm or less is that if it is too thick, the amount of platinum increases, which is disadvantageous in terms of cost, and an adverse effect on mass transfer becomes significant. Examples of the ionic conductor include a fluororesin having a sulfonic acid group.
[0010]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
(Solid polymer electrolyte membrane electrode assembly according to examples of the present invention)
Overall structure Fig. 1 shows a schematic cross section of a fuel cell comprising a single solid polymer electrolyte membrane electrode assembly according to one embodiment of the present invention.
The fuel cell 1 of this example has a solid polymer electrolyte membrane 2 in the center and an oxidation electrode, that is, an anode electrode 3 supplied with hydrogen as a fuel on one side, and air as an oxygen source for a reduction reaction on the other side. Has a basic structure including a reduction electrode, that is, a cathode electrode 4 to which is supplied.
The anode electrode 3 is configured by laminating and bonding a carbon cloth 31, a diffusion layer 32 inside thereof, and a catalyst layer 33 inside thereof. A grooved gas separation plate 30 having functions of separating gas and collecting generated power is provided outside the anode electrode 3.
The grooved gas separation plate 30 includes a groove having a depth of about 1 mm for defining an anode gas passage 34 through which hydrogen gas as a fuel gas flows while supplying proton H + to the electrolyte membrane side. .
[0011]
The anode electrode 3 and the grooved gas separation plate 30 constitute an anode side electrode assembly. The surface contact portion of the carbon cloth 31 with the diffusion layer 32 constitutes a current collector that collects electrons generated from hydrogen molecules. The cathode electrode side has the same configuration, and has a laminated joint structure of a carbon cloth 41, a diffusion layer 42, and a catalyst layer (oxygen reduction reaction catalyst layer) 43. A grooved gas separation plate 40 is provided on the outside of the carbon cloth 41 so that oxygen gas does not leak to the outside, and separation is performed so that the gas does not pass through the groove extending while bending the carbon cloth surface. Have a role to do. The grooved gas separation plate 40 has a groove defining a cathode gas passage 44 through which oxygen that generates water in contact with the proton H + from the electrolyte membrane side flows. The cathode electrode 4 and the grooved gas separation plate 40 constitute a cathode side electrode assembly. As conceptually shown in FIG. 1 , the above configuration collects protons that have moved from the anode side through the electrolyte membrane 2, that is, H +, and the anode electrode 3 to perform external work and the cathode electrode via an external circuit. 4 is coupled to the electron supplied to the cathode electrode side. That is, on the anode electrode side, protons H + are generated by depriving electrons of hydrogen molecules, and on the cathode electrode side, protons H + conducted through the electrolyte membrane 2 and electrons from an external circuit having an external load are generated. Water molecules are generated by reaction with oxygen molecules supplied from the cathode gas passage.
[0012]
The details of the laminated state from the electrolyte membrane 2 between the electrodes 3 and 4 to the cathode electrode 4 are shown in FIG. 2, and a catalyst layer 43 is provided outside the electrolyte membrane 2, and the electrolyte membrane of the catalyst layer is provided. A platinum-carbon black composite sputtered thin film 431 is formed on the side surface. A diffusion layer 42 is provided outside the catalyst layer 43, and a carbon cloth 41 is joined to the outside.
Carbon cloth The carbon cloths 31 and 41 are parts constituting the base layer of the electrode part disposed immediately inside the grooved gas separation plates 30 and 40 in the solid polymer electrolyte membrane electrode assembly. In particular, it plays a role as a current collecting member responsible for the movement of electrons in the anode electrode reaction and the cathode electrode reaction. Further, mass transfer in each of the electrodes 3 and 4, particularly anode gas and cathode gas can be effectively supplied to a three-boundary phase reaction region composed of an ion conductor, a catalyst material and a reaction gas. In addition, it is desirable that the water generated in the cathode electrode 4 can be effectively discharged.
In this example, both the anode-side carbon cloth 31 and the cathode-side carbon cloth 41 are carbon cloths formed by weaving carbon fibers. The carbon cloth used as an electrode in this example is a trade name “A” Cloth manufactured by E-TEK, USA, and has a weight of 116 g / m 2 and a thickness of about 0.35 mm. In constituting the electrode of this example, a fluororesin (polytetrafluoroethylene (hereinafter referred to as PTFE)) dispersion solution (containing about 54 to 55 weight percent of PTFE having a particle size of about 0.2 μm) is contained, and a predetermined amount of surface activity is included. The surface of the carbon cloth was surface-treated to impart water repellency by being stably dispersed together with the agent (provided by Mitsui / DuPont Fluoro Chemical Co., Ltd. as the trade name TEFLON FEP120-J).
The carbon cloth is made water-repellent by immersing the carbon cloth in a solution obtained by diluting PTFE with a surfactant to 49% by weight with deionized water for 5 minutes, and then wiping off the excess solution with filter paper. Thereafter, PTFE was sintered in an electric furnace in a nitrogen atmosphere at a temperature of about 340 ° C. for 1 hour.
[0013]
Diffusion layer The diffusion layer is provided on the inner side of the carbon cloth so as to be in contact with the catalyst layer, and mass transfer from and to the catalyst layer is effectively performed in the same manner as the electrode. In addition, the medium must intervene between the catalyst layer and the electrode so that the current collecting function can be effectively exhibited.
In this example, the diffusion layer is configured as a sintered body of carbon black and PTFE. The weight ratio between the two is 6: 4, and the density per unit area is 2.4 mg and 1.6 mg, respectively. As the carbon black, trade name Vulcan XC-72 (surface area of about 250 m 2 / g) provided by Cabot Corporation was used.
Production of Diffusion Layer 315 mg of carbon black and 389 mg of the above-mentioned commercially available PTFE dispersion solution were mixed with 40 ml of pure water and 40 ml of isopropanol and dispersed using an ultrasonic cleaner. This dispersion preparation liquid was sprayed onto the carbon cloth subjected to the water repellent treatment as the above electrode while being dried using a dryer using a sprayer. The rate at which the dispersion solution adheres to the carbon cloth is 5 to 30%. After the completion of spraying, the carbon cloth on which the diffusion layer was formed was compressed to a thickness of about 0.2 to 0.5 mm by a roller of about 50 kg. Next, a diffusion layer was formed on the carbon cloth by sintering PTFE at about 300 ° C. to 350 ° C. for about 1 hour in the above electric furnace in a nitrogen atmosphere.
[0014]
Catalyst layer (cathode electrode side)
In this example, the entire catalyst layer on the cathode electrode side has a thickness of about 40 μm. A platinum-supported carbon black sputtered thin film is formed on the surface of the catalyst layer 43 on the electrolyte membrane side by sputtering. The film thickness of the sputtered thin film itself is formed to be approximately 1 μm or less. However, since the surface of the catalyst layer is porous, the influence area of the catalyst layer to which the platinum-carrying carbon black adheres by sputtering covers a range of about 5 μm. Therefore, the sputtered thin film region is about 5 μm in this example. Therefore, the thickness of the catalyst layer (20% Pt / C (weight percent)) is about 35 μm. The average particle size of platinum in this catalyst layer is about 2.5 nm.
The composition of each catalyst layer is as shown in FIG.
In FIG. 3, Nafion is a polymer-containing liquid of an electrolyte membrane provided by DuPont, and the structure of the polymer is the same as that of Aciplex-S (1004) shown in FIG. This polymer-containing liquid Nafion is obtained by dispersing a predetermined amount of polymer in a solution in which equal amounts of water and ethanol are mixed. In this example, the polymer concentration is 5 wt percent.
The production of the catalyst layer on the cathode electrode side will be described.
In forming the catalyst layer, first, a dispersion solution containing a predetermined amount of raw material is prepared.
For the catalyst layer 43, 160 mg of carbon black supporting 20% by weight of platinum and 158 mg of PTFE dispersion (TEFLON FEP120-J) having a weight ratio of 55% were prepared, and this was prepared with 40 ml of pure water and 40 ml of isopropanol. Mix and disperse using an ultrasonic cleaner. The PTFE dispersion solution contains 54 to 55 weight percent of PTFE having a particle size of about 0.2 μm, and is stably dispersed together with a predetermined amount of surfactant.
Next, the catalyst layer 43 was formed by spraying the dispersion solution for the catalyst layer prepared above onto the surface of the diffusion layer of the semi-finished product on which the diffusion layer was formed using a spray.
[0015]
In the same manner as in the case of forming the diffusion layer, PTFE sintering was performed in the vicinity of the glass transition temperature of PTFE (about 300 to 350 ° C.) in an electric furnace in a nitrogen atmosphere over about 1 hour.
Next, a sputtering thin film was formed by subjecting the diffusion layer-carbon cloth assembly having the catalyst layer 43 formed on the surface to sputtering using a platinum-supported carbon composite material as a raw material. Sputtering was performed in a low-pressure argon atmosphere (2.7 Pa), the acceleration voltage was 1.8 kV, and the plate current was 80 mA. In this case, the deposition rate was 0.3 μg / cm 2 / s. Finally, the amount of sputtered platinum in the sputtered thin film was 0.05 mg / cm 2 . The amount of carbon in the sputtered thin film was almost the same as that of platinum in atomic ratio.
Next, from the surface of the sputtered thin film of the solid polymer electrolyte membrane electrode assembly semi-product comprising the carbon cloth 41 formed as described above, the diffusion layer 42 on the carbon cloth, and the catalyst layer 43 on the diffusion layer, A polyelectrolyte solution Nafion was applied. In this example, Nafion was immersed in a suitable brush so that Nafion was included and applied to the surface of the sputtered thin film 431. The coating amount was about 0.6 mg / cm 2 .
[0016]
(Anode electrode side)
The catalyst layer on the anode electrode side in this example is composed of a single layer having a uniform catalyst density. The catalyst layer is placed on the cathode side so that the carbon black (Vulcan XC-72) carrying platinum (20% Pt / C, average platinum particle size 2.5 nm) is 0.4 mg / cm 2. The catalyst layer was formed by spraying the dispersion onto the surface of the diffusion layer and then performing a PTFE sintering process in the same manner as the method for forming the catalyst layer.
In this case, the amount of carbon black was adjusted to about 4.0 mg / cm 2 for the catalyst layer and the diffusion layer. The entire anode side electrode assembly was about 0.35 mm.
Electrolyte membrane The solid polymer electrolyte membrane is a non-porous polymer material and can be composed of a fluororesin (polytetrafluoroethylene (hereinafter referred to as PTFE)). The electrolyte membrane of this example is trade name: Aciplex-S (1004) provided by Asahi Kasei Corporation. The thickness is about 2 to 6 mil (about 50 to 150 μm).
This chemical structure is as shown in FIG.
As described above, according to the basic operation of the polymer electrolyte fuel cell, a reaction occurs in which electrons are deprived from hydrogen as a fuel gas at the anode electrode, thereby generating electrons and hydrogen ions (proton H + ). , Electrons pass through the load, while proton H + conducts through the electrolyte membrane and reaches the cathode electrode. At the cathode electrode, proton H + generates reaction water by the reaction of oxygen. In other words, the electrolyte membrane plays a role of conducting proton H + to the cathode side as apparent from the above basic operation and preventing unreacted hydrogen gas from entering the cathode side in a molecular state. is there.
When proton H + moves in the electrolyte membrane toward the cathode side, it moves with water molecules. Therefore, the electrolyte membrane must have a water molecule holding function for holding water molecules for this purpose. Don't be. In an electrolyte membrane having an ionic conductor group (in this example, a sulfonic acid group), the ratio of the weight of the sulfonic acid group per unit weight, that is, the sulfonic acid group equivalent is preferably about 500 to 1500 (g / eq). .
The electrolyte membrane includes (1) a proton H + conduction function, (2) a separation function for isolating hydrogen gas in the anode gas passage and oxygen gas (air) in the cathode gas passage, and (3) a predetermined water retention function. Any material can be used as long as it satisfies this condition.
An anode side catalyst layer is formed on the anode side of the electrolyte membrane, and a cathode side catalyst layer is formed on the cathode side.
[0017]
Formation of the electrode assembly After the anode-side electrode assembly and the cathode-side electrode assembly are configured as described above, the cathode-side electrode assembly and the anode-side electrode assembly are respectively positioned so that the catalyst layer side faces each other. They were faced and joined with a solid polymer electrolyte membrane sandwiched between them. Then, the solid polymer electrolyte membrane is fixed by using a pressing jig and hot pressed at a temperature of about 155 ° C. at a pressure of about 25 kgf / cm 2 per unit area of the electrode assembly. An electrode assembly was produced.
(Solid polymer electrolyte membrane electrode assembly according to comparative example)
In the configuration of the comparative example, the cathode side electrode was also composed of a single catalyst layer in the same manner as the anode side electrode.
In order to form the catalyst layer, a dispersion solution was prepared in the same manner as in the examples. In this case, platinum-supported carbon black (Vulcan XC-72) was prepared in the same manner as above using 160 mg of platinum weight ratio Pt / C 20 percent and 158 mg of PTFE dispersion (FEP120-J), and sprayed by spraying. To form a catalyst layer. In addition, the adhesion rate of the dispersion liquid by spraying is 15 to 20% of the spraying amount. Thereafter, a sintering treatment was performed in the same manner. Other configurations are the same as those in the embodiment.
An experiment of power generation using a fuel cell comprising the solid polymer electrolyte membrane electrode assemblies according to Examples and Comparative Examples thus formed was performed.
In the fuel cell according to the example of the present invention, it has been found that the generated voltage is higher by about 50 mV at 500 mA / cm 2 than the voltage according to the comparative example. This means that the power generation efficiency of the fuel cell is improved from about 60% to 65%. According to the result of this experiment in the fuel cell configuration composed of a single solid polymer electrolyte membrane electrode assembly, the improvement in power generation efficiency becomes remarkable in the fuel cell composed of a large number of laminated structures.
[0018]
In the present example, the catalyst layer on the cathode electrode side (oxygen reduction reaction catalyst layer) is configured by two layers having different catalyst densities, but may be configured by stacking more layers having different densities. In this case, the layers are laminated so that the catalyst density on the electrolyte membrane side is high. Further, in this example, the anode electrode is formed by a single catalyst layer having a uniform catalyst density. However, it is not always necessary to do this, and a plurality of layers having different catalyst densities are laminated as in the cathode electrode. It can also be configured.
[0019]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the polymer electrolyte membrane fuel cell, the power generation efficiency can be improved with a simple configuration and without increasing the manufacturing cost.
[Brief description of the drawings]
1 is a schematic cross-sectional view of an electrode assembly of a polymer electrolyte fuel cell according to an embodiment of the present invention;
2 is a cross-sectional view showing a stacked state of each layer of the fuel cell of FIG. 1. FIG. 3 is a graph showing a composition of a cathode side catalyst layer.
FIG. 4 is a diagram showing an example of the structure of PTFE constituting the ionic conductor.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Fuel cell 2 Solid polymer electrolyte membrane 3 Anode electrode 4 Cathode electrodes 43 and 33 Catalyst layer 431 Sputtered thin film

Claims (2)

固体高分子電解質膜の一方の側にアノード側触媒電極を設け、他方の側にカソード側触媒電極を設けた固体高分子型燃料電池において、
前記カソード側触媒電極における酸素還元反応触媒層の固体高分子電解質膜界面側に、空気、プロトン、反応媒体としての水分、反応生成水等の物質を移動可能にする厚さが1μ m 以下の複合スパッタ薄膜を設け、この複合スパッタ薄膜は、白金と親水性を有するカーボン材料との複合材料を、前記酸素還元反応触媒層の前記電解質膜界側表面側に、直流スパッタリングあるいは交流スパッタリングにより所定時間スパッタリングすることで、この表面側に形成されたものであることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
In the polymer electrolyte fuel cell in which the anode side catalyst electrode is provided on one side of the solid polymer electrolyte membrane and the cathode side catalyst electrode is provided on the other side,
The solid polymer electrolyte membrane interface side of the oxygen reduction reaction catalyst layer in the cathode side catalyst electrode, air, proton, water as reaction medium, the composite thickness of less than 1 [mu] m to movable substances such as reaction product water A sputtered thin film is provided, and this composite sputtered thin film is obtained by sputtering a composite material of platinum and a hydrophilic carbon material on the surface of the oxygen reduction reaction catalyst layer on the electrolyte membrane boundary side by direct current sputtering or alternating current sputtering for a predetermined time. Thus, the polymer electrolyte fuel cell is formed on the surface side .
請求項1において、前記触媒層における白金含有量は0.03〜0.07mg/cm2であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。 2. The polymer electrolyte fuel cell according to claim 1, wherein the platinum content in the catalyst layer is 0.03 to 0.07 mg / cm < 2 >.
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