JP3711381B2 - Driving method of plasma display panel - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel:PDP)の駆動方法に関する。
【0002】
PDPは、自己発光型の表示装置であるため視認性が良く、薄型で大画面表示が可能であることから、CRTに代わる次世代の表示装置として注目されている。特に面放電AC型PDPは、大画面化が可能なことから、高品位デジタル放送に対応した表示装置としての期待が高まっており、CRTを凌ぐ高画質化が要求されている。
【0003】
高画質化には、高精細化、高階調化、高輝度化、高コントラスト化等がある。高精細化は画素ピッチを細かくすることにより達成され、高階調化はフレーム内のサブフィールド数を増加させることにより達成される。また高輝度化は、一定の電力から得られる可視光の量を多くすることや、維持放電の回数を多くすることにより達成される。さらに高コントラスト化は、表示パネル表面の外来光の反射率を低減することや、表示発光に寄与しない黒表示時の発光を低減することにより達成される。
【0004】
【従来の技術】
図10は面放電型PDPの概略構成図であり、本出願人が既に出願した、全ての維持放電電極間で表示を行う方式のPDPの構成を示すものである。(特開平9−160525号公報)
PDP1は、一方の基板上に平行に配置された維持放電電極X1〜X3,Y1〜Y3と、他方の基板上に形成され、維持放電電極に交差するように形成されたアドレス電極A1〜A4と、アドレス電極と平行に配置され、放電空間を仕切るための隔壁2により形成されている。互いに隣接する維持放電電極とそれに交差するアドレス電極とで規定される領域にはそれぞれ放電セルが形成され、可視光を得るための螢光体が設けられる。また両基板間には、放電を起こすためのガスが封入される。なお本図では、簡単のため、維持放電電極を3本ずつ、アドレス電極を4本としている。
【0005】
この構成のPDPは、各々の維持放電電極がその両側の維持放電電極との間でそれぞれ維持放電を行うことができるため、全ての電極の隙間(L1〜L5)が全て表示ラインとなる。例えばX1電極とY1電極は表示ラインL1を形成し、Y1電極とX2電極は表示ラインL2を形成するわけである。
【0006】
図11は、図10のPDPのアドレス電極に沿った断面図であり、3は前面基板、4は背面基板、D1〜D3はそれぞれ電極間での放電を示している。具体的には、Y1電極とX1電極との間に電圧を加えることで、放電D1を起こすことができる。また、Y1電極とX2電極との間に電圧を加えることで放電D2を起こすことができ、同じくX2電極とY2電極とでは放電D3を起こすことができる。このように1本の電極をその両側の表示に活用することで、電極数の削減による高精細化および、それらの電極の駆動回路の削減が可能である。
【0007】
図12は、図10のPDPにおけるフレームの構成を示す図である。1フレームは、第1フィールドおよび第2フィールドの2つのフィールドにより構成される。第1フィールドでは奇数番目の表示ライン(L1、L3、L5)において表示を行うものであり、第2フィールドでは偶数行の表示ライン(L2、L4)において表示を行うことで、1画面の表示を構成している。また各フィールドは所定の輝度比を有する複数のサブフィールドによって構成されており、それらのサブフィールドを表示データに応じて選択的に発光させることで、画素ごとの輝度の違いである階調を表現している。そして各サブフィールドは、直前のサブフィールドでの表示状態によりそれぞれ異なっているセルの状態を均一にするためのリセット期間、新たな表示データを書き込むためのアドレス期間、書き込まれた表示データに基づき維持放電による発光表示を行う維持放電期間により構成される。
【0008】
図13は、図10のPDPにおける従来の駆動方法を示す波形図であり、第1フィールド内の任意のサブフィールドを示している。
【0009】
リセット期間においては、全てのX電極に放電開始電圧を越える電圧Vwからなるリセットパルスが印加され、隣接するY電極との間で放電が開始される。この結果、全表示ライン(L1〜L5)にて第1の放電(リセット放電)が行なわれることになり、放電セル内には正イオンや電子による壁電荷が形成される。次に上記リセットパルスを取り去って各電極を同電位に保持すると、電極上に形成された壁電荷自身による電位差で再度第2の放電(自己消去放電)が発生する。この時には各電極を同電位としてあるため、放電によって形成された正イオンや電子は放電空間内で再結合し、壁電荷が消滅する。この放電より、全表示セルにおける壁電荷量をほぼ均一にすることができる。(壁電荷分布の均一化)
次にアドレス期間においては、Y1電極から順次電圧−Vyからなる走査パルスが印加される。同時にアドレス電極に表示データに応じて電圧Vaからなるアドレスパルスが印加されてアドレス放電が開始される。その際、第1フィールドにおいてY1電極に対して表示を行う電極対であるX1電極には、電圧Vxからなるパルスが補助的に印加されており、アドレス電極とY1電極間で発生した放電は、X1電極とY1電極間に移行する。これにより、維持放電の開始に必要な壁電荷がX1電極およびY1電極近傍に形成される。一方表示を行なわないラインを形成する電極対であるX2電極の電圧は0Vに維持されており、X2電極側で放電が生じることを防止している。同様にして、まず奇数番目のY電極について順次アドレス放電が行われる。
【0010】
奇数番目のY電極によるアドレス放電が終了した後、Y2電極に走査パルスが印加される。この際Y2電極に対して表示を行う電極対であるX2電極には、同様に電圧Vxからなるパルスが印加され、図示しないX3電極はX1電極と同様に0Vに維持される。同様にして、偶数番目のY電極について順次アドレス放電が行われ、全画面の奇数表示行でのアドレス放電が行なわれる。
【0011】
次に維持放電期間に入り、X電極とY電極に交互に電圧Vsからなる維持パルスが印加される。この時表示を行なわないラインの電極対間の電位差が0Vとなるように維持パルスの位相を設定することで、非表示ラインで放電が生じることを防止している。例えば、第1フィールドで表示を行うX1電極とY1電極の対にはそれぞれ位相が異なった維持パルスが印加されるが、非表示ラインの電極対であるY1電極とX2電極間では上記維持パルスは同位相となる。このように1サブフィールドでの表示が行なわれる。
【0012】
なお図13において、Vsは維持放電を行うために必要な電圧であり、通常170V程度に設定される。また、Vwは放電開始電圧を越える電圧として350V程度に、走査パルスである−Vyは−150V程度に、アドレスパルスVaは60V程度に設定される。なおVaとVyの絶対値の合計は、アドレス電極とY電極間の放電開始電圧以上となるように設定される。またVxは50V程度であり、アドレス電極とY電極間の放電がX電極側に移行し十分な壁電荷を形成できる値に設定されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の駆動方法では、リセット放電を実施するために、放電セルにおける放電開始電圧を越える十分な電圧パルスVwを印加しており、強い放電が生じていた。この放電に伴って発生する発光は、本来の映像表示には無関係な背景発光であり、結果としてコントラストの低下につながっていた。
【0014】
また、特に前述の、全ての維持放電電極間を表示ラインとして用いる駆動方式の場合、リセット放電が全ての放電セルにおいて安定に生じない可能性があることが明らかになった。すなわち、全X電極に印加されるリセットパルスにより全表示ラインにおいて放電を起こすわけであるが、各放電セルの放電開始時間のばらつきにより、一部のセルで放電が生じない可能性が存在するのである。
【0015】
図11においてX2電極に着目した場合、X2電極とY1電極間の放電D2が先に生じたと仮定する。そして放電により発生した電荷が電極近傍に蓄積し始めると、壁電荷による逆バイアスがかかり放電空間に対する実効電圧が低下する。具体的には、X2電極側に電子による壁電荷が形成され、電極に印加されているVw電圧の放電空間に対する実効電圧を低下させる。この実効電圧の低下がX2電極とY2電極間の放電開始より先行した場合、X2電極とY2電極間の放電が行われないままリセット期間が終了する可能性がある。リセット放電が一部の放電セルで実施されなければ、セルの状態の均一化が図られず、当該放電セルにおけるアドレス放電を安定に起こすことができず誤表示となる。
【0016】
仮にリセット放電が全てのセルで起こせた場合でも、それに続く自己消去放電が安定に生じない可能性がある。すなわち自己消去放電は、リセット放電によって形成された壁電荷自身の電位差によって引き起こされるため、リセット放電よりも小規模になることが多い。このため個々の放電セルの特性ばらつきによっては、自己消去放電が起こらずにリセット放電によって形成された壁電荷がそのまま残留してしまう。或いはリセット放電の終了時点で十分な壁電荷が形成されておらずに、自己消去放電が生じない可能性もある。その結果、消去放電が実施されなかった放電セルにおいては、続くアドレス放電が正常に行なわれずに誤表示の原因となる。
【0017】
これらの問題を解決する方法として、リセットパルスの電圧を上げ、全セルにおいてより確実に放電を起こすことが考えられる。しかしながら、放電電圧の更なる上昇は前述の背景発光をますます増大させ、コントラストを悪化させてしまう。
【0018】
更に、上記した原因により放電セルに壁電荷が残留したままアドレス期間に移行すると、別の問題も生じる。前述したようにアドレス期間では、表示ラインを構成するX電極に電圧Vxを印加すると共に、非表示ラインを構成するX電極は0Vを保持することでアドレス放電を発生を防いでいる。しかしながら不要な壁電荷が残留していると、非表示ラインにおいても放電が生じる可能性がある。
【0019】
例えば図11において、Y1電極に電圧−Vyからなる走査パルスが印加され、アドレス電極に電圧Vaからなるアドレスパルスが印加されてアドレス放電が行なわれる。その時、X1電極には電圧Vxが印加されているためY1電極とX1電極間の放電に移行し、放電D1が行なわれる。この時Y1電極に隣接するX2電極は0Vの電圧に保持されており、本来であれば放電D2の発生は回避できるはずである。しかしながらリセット放電の不確実さによる残留電荷の偏りにより、放電D2が発生してしまう場合がある。その結果、X2電極上に負極性の壁電荷が蓄積され、次に行うアドレス放電D3が影響を受けてしまうのである。なお、この非表示電極による誤放電は、放電セルごとの放電開始電圧のばらつき等によっても生じる可能性がある。
【0020】
また、各サブフィールドでの維持放電は、維持放電電圧Vsやセル構造などにより放電が広がる場合がある。図6を参照すれば、電極X1−Y1間及び電極X2−Y2間にて維持放電を行なった場合、電極Y1−X2間にもある程度の壁電荷が蓄積される。これらは、各サブフィールドのリセット期間において消去されるが、その中の一部特にアドレス電極側に形成された壁電荷が消去されずにそのまま残留する場合がある。この壁電荷は、上記電極X1−Y1間及び電極X2−Y2間にて表示を行うフィールドでは影響を及ぼさないが、電極Y1−X2間において表示を行う次のフィールドにおいてアドレス放電を不安定にさせる原因となる。
【0021】
本発明は、リセット放電によるコントラストの低下を抑制する、或いはコントラストの低下を伴うことなく、リセット放電及び消去放電を確実に実施し、安定なアドレス放電を実現し得るプラズマディスプレイパネルの駆動方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段及びその作用】
請求項1によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、並行する第1および第2の電極が互いに隣接して複数配置されると共に、該第1および第2の電極に交差するように第3の電極が複数配置されてなり、各電極の交差領域で放電セルが規定され、リセット期間と、アドレス期間と、維持放電期間とを有するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記リセット期間において、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が増大する第1のパルスを印加すると共に前記第1の電極にパルスを印加し、前記第1および第2の電極間で第1の放電を発生させる工程と、次いで、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が減少する第2のパルスを印加し、前記第1および第2の電極間で第2の放電を発生させる工程とを含むようにする。
【0023】
請求項1に係わる本発明では、リセット放電の際に微弱放電を実施できるため発光量も少なく、リセット放電を実施しているにも係わらず、コントラストの大きな低下がない。更にその後の消去放電も、自己消去放電ではなく、時間の経過に伴って印加電圧値が変化するパルスの印加により実施しているため、放電セルの特性ばらつきや残留する壁電荷量に係わらず行うことができる。また放電が微弱であるため、発光量も少なく、コントラストの大きな低下はない。
【0024】
これらの作用は、本願明細書にて主として説明している、全ての電極間にて表示を行う方式に限らず、一対の維持放電電極間にて1本の表示ラインを構成する従来方式のPDPに適用した場合であっても得られるものである。
【0025】
請求項2によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記第2の電極に正極性の前記第1のパルスを印加すると共に前記第1の電極に負極性の前記パルスを印加し、次いで、前記第2の電極に負極性の前記第2のパルスを印加すると共に前記第1の電極に正極性のパルスを印加するようにする。
【0026】
請求項2に係わる本発明では、第1の放電にて形成された壁電荷に重畳するように第2のパルスを印加するため、壁電荷の電位を利用して確実な消去放電が実施できる。また、第1の放電時に第1の電極に負極性のパルスを印加することで、或いは第2の放電時に第2の電極に負極性の第2のパルスを印加することで、それぞれ、前サブフィールドの維持放電工程終了時にアドレス電極上に残留する壁電荷を消去することができる。
【0027】
請求項3によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記維持放電期間の終了から少なくとも1μsを越える期間をおいた後に、前記第1の放電に関わるパルスの印加を行うようにする。
【0028】
請求項3に係わる本発明では、リセット放電に先立って残留壁電荷を減少させることができる。
【0029】
請求項4によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記第1の放電において、前記第2の電極に印加する正極性の前記第1のパルスに先立って、前記第1の電極への負極性の前記パルスを印加するようにする。
【0030】
請求項4に係わる本発明では、アドレス電極上に残留する壁電荷を消去すると共に、第1の放電が強放電となることを防止することができる。
【0031】
請求項5によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記時間の経過に伴って印加電圧値が変化する第1および第2のパルスを、単位時間あたりの電圧変化量が変化する鈍りパルスとする。
【0032】
請求項6によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記時間の経過に伴って印加電圧値が変化する第1および第2のパルスを、単位時間あたりの電圧変化量が一定である三角波とする。
【0033】
請求項5に係わる本発明では、放電セルの状態により放電開始時期にばらつきが生じると、放電の強さに違いが生じる可能性があるが、比較的簡単な回路構成により実現することが可能である。
【0034】
一方請求項6に係わる本発明では,回路構成は多少複雑になるものの、全ての放電セルで確実に微弱放電を実施することが可能である。
【0035】
請求項7によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記第1のパルスの印加により第一の電位に到達した電極電位を、該第1のパルス印加前の電極電位である第二の電位に降下させる前に、前記第2のパルスを印加する。
【0036】
請求項8によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、前記第1のパルスの印加により前記第一の電位に到達した電極電位を、前記第二の電位より高電位である第三の電位まで降下させた後、前記第2のパルスを印加する。
【0037】
請求項7に係わる本発明では、第2の放電が強放電となることを防止することができる。
【0038】
更に請求項8に係わる本発明では、第2の放電に長時間を要することなく、第2の放電が強放電となることを防止することができる。
【0039】
請求項9によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、並行する第1および第2の電極が互いに隣接して複数配置されると共に、該第1および第2の電極に交差するように第3の電極が複数配置されてなり、リセット期間と、アドレス期間と、維持放電期間とを有するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記リセット期間において、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が増大する第1のパルスを印加し、第1の放電を発生させる工程と、次いで、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が減少する第2のパルスを印加し、第2の放電を発生させる工程とを含み、前記第2のパルスの印加により到達する電極電位を、前記アドレス期間における該電極の選択電位より高く、該電極の非選択電位より低くする。
【0040】
請求項9に係わる本発明では、アドレス放電に先立って、適度な量の壁電荷を残留させることができる。
【0041】
請求項10によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、並行する第1および第2の電極が互いに隣接して複数配置されると共に、該第1および第2の電極に交差するように第3の電極が複数配置されてなり、リセット期間と、アドレス期間と、維持放電期間とを有するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記リセット期間において、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が増大する第1のパルスを印加し、第1の放電を発生させる工程と、次いで、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が減少する第2のパルスを印加し、第2の放電を発生させる工程とを含み、前記第2のパルスの印加により到達する電極電位を、前記アドレス期間における該電極の選択電位に等しくする。
【0042】
請求項11によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法では、並行する第1および第2の電極が互いに隣接して複数配置されると共に、該第1および第2の電極に交差するように第3の電極が複数配置されてなり、リセット期間と、アドレス期間と、維持放電期間とを有するプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記リセット期間において、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が増大する第1のパルスを印加し、第1の放電を発生させる工程と、次いで、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が減少する第2のパルスを印加し、第2の放電を発生させる工程とを含み、前記第2のパルスの印加により到達する電極電位を、前記アドレス期間における該電極の選択電位より低くする。
【0043】
【実施例】
図1は、本発明の第1実施例を示す波形図である。図1は、奇数ラインの表示を行う第1フィールド中の任意のサブフィールドにおけるアドレス電極、X1電極、Y1電極、X2電極およびY2電極の波形を示しており、それぞれリセット期間,アドレス期間および維持放電期間とから構成される。以下の説明ではX1電極とX2電極をX電極、Y1電極とY2電極をY電極と呼び、それらを全て維持放電電極と呼ぶこととする。
【0044】
リセット期間においては、アドレス電極を0Vとした上で、維持放電電極に正極性と負極性のパルスが印加される。すなわち、X電極に電圧−Vwxからなるパルスが印加されると共に、Y電極には電圧Vwyからなるパルスが印加される。この際Y電極に印加されるパルスは、単位時間あたりの電圧変化量が変化しつつ電圧Vwyに達する鈍りパルスである。これによってX電極とY電極間には微弱な第1の放電が行なわれる。
【0045】
印加電圧として従来のような矩形波Vwを印加した場合、放電セルにおける放電開始電圧Vfとの差Vw−Vfに応じた強い放電が生じ、過剰な壁電荷が形成されて隣接する放電セルに影響を与えてしまう。しかしながら鈍りパルスを用いることにより、印加電圧が放電セルごとの放電開始電圧Vfを越えた時点で各放電セルが放電を開始するため、生じる放電は微弱なものにしかならず、形成される壁電荷の量も僅かなものとなる。この結果、ある放電セルにおけるリセット放電が先行したとしても、隣接する放電セルに影響を与えることはない。また放電が微弱なため、背景発光も小さくなる。
【0046】
続いてX電極に電圧Vexからなるパルスが印加されると共に、Y電極には電圧−Veyからなるパルスが印加される。この際Y電極に印加されるパルスは、単位時間あたりの電圧変化量が変化しつつ電圧−Veyに達する鈍りパルスである。これにより、第2の放電が起こり、直前の放電によって形成された壁電荷が消去される。
【0047】
従来のように自己消去放電を用いた場合、形成されている壁電荷の量、或いは放電セルの特性によっては放電が生じない事態が生じたが、本発明ではVex+Veyの電圧印加により強制的に放電を生じさせているため、消去放電は確実に実施される。更に印加パルスが鈍り波形であるため、放電は微弱なものとなり、コントラストを悪化させることもない。また、上記Vex+Veyを放電開始電圧Vfよりやや低い程度の電圧に設定することにより、前記第1の放電により生じた僅かな壁電荷を重畳して消去放電が実施される。
【0048】
なお、維持放電は基本的にX−Y電極間にて実施するものであるが、その間維持放電電圧Vsより低い電位に維持されているアドレス電極には、プラスの極性の壁電荷が形成される。本実施例の第1の放電では、X電極に負極性のパルスを印加しているため、アドレス電極上に残留する壁電荷に重畳する形でアドレス−X電極間にも放電が生じ、アドレス電極のX電極上方付近に残留する壁電荷が消去されるのである。また続く第2の放電では、Y電極に負極性のパルスを印加しているため、同様にアドレス電極のY電極上方付近に残留する壁電荷が消去されることになる。
【0049】
次にアドレス期間において、順次Y電極に走査パルスが印加されてアドレス放電が行なわれる。X電極に着目すると、走査パルスが印加されたY電極と対となり表示ラインを構成するX電極には、従来と同様に電圧Vxが印加されてアドレス放電が実施される。一方非表示ラインを構成するX電極には−Vuxからなる電圧が印加されており、Y電極との電位差を小さくして非表示ラインにアドレス放電が生じることを防止している。奇数番目のY電極に対して順次走査パルスを印加してアドレス放電を実施した後に、偶数番目のY電極に対して順次走査パルスを印加してアドレス放電を実施することは、従来と同様である。
【0050】
アドレス期間が終了すると、維持放電期間に入りX電極およびY電極に交互に維持パルスが印加され、アドレス期間においてアドレス放電が行なわれたセルにおいて維持放電を繰り返す。この際、従来と同様に、非表示ラインにて維持放電が生じないように、維持放電パルスの位相を設定する。
【0051】
なお図1において、リセット期間における−VwxとVwyの絶対値の和はX電極とY電極間の放電開始電圧を超える値に設定されており、例えば−Vwxは−130V、Vwyは220Vである。続く消去放電は、例えばVexが60V、−Veyが−160Vである。またアドレス期間のVaは例えば60V、走査パルスの−Vyは例えば−150V、X電極のVxは例えば50V、−Vuxは例えば−80V、さらに維持パルスのVsは例えば170Vである。またVexとVx、−Veyと−Vyは同じ電圧に設定しても良く、それにより回路を共通化し、回路規模を抑えることが可能である。
【0052】
図2は、本発明の第1実施例におけるフレームの構成を示す図である。図7に示すものとの違いは、各フィールドの開始時にフィールドリセット期間を設けている点である。フィールドリセット期間は、フィールドの切り換え時にアドレス電極側に残留する壁電荷を消去するためのものである。
【0053】
図3は、本発明の第1実施例におけるフィールドリセットを示す波形図である。時間t1において、Y1電極に−Vy、X2電極にVsからなる電圧が印加されて放電が起こり、壁電荷が形成される。その後パルスが除去されて各電極電位が同電位に保持されると、形成された壁電荷自身の電位差により自己消去放電が生じ、壁電荷の消去が行なわれる。同様にして時間t2からt4まで、4回に分けて全ての電極間にて順次リセット放電が行われ、壁電荷の確実な消去が実施される。なお本実施例では、t1にて奇数番目のY電極−偶数番目のX電極間、t2にて奇数番目のX電極−偶数番目のY電極間、t3にて奇数番目のX電極−奇数番目のY電極間、t4にて偶数番目のX電極−偶数番目のY電極間にて放電を行っているが、t1〜t4において、どの順番で放電を行うかは任意である。
【0054】
上述の第1実施例は、第1及び第2の放電の際にY電極に印加するパルスを、それぞれ単位時間当たりの電圧変化量が変化する鈍りパルスとしている。このようなパルス波形は、パルスを出力するスイッチング素子に抵抗Rを接続し、電極間に形成される静電容量Cとの組合せでRC回路を構成することにより簡単に得ることが可能である。そしてこの鈍りパルスのカーブは、RCで規定される時定数で決定される。
【0055】
しかしながら鈍りパルスを用いる場合、立ち上がり又は立ち下がりに伴って単位時間あたりの電圧変化量が変化しているため、どの時点で放電が開始されるかによって放電の強さが異なってくるという問題がある。このため、パルスが設定電圧に飽和し始めた付近で放電を開始した場合は非常に微弱な放電を実現することが可能であるが、例えば放電セルの特性ばらつきなどから放電が比較的早い段階、すなわちパルスの立ち上がり或いは立ち下がりが比較的急峻な時点で放電を開始した場合、強い放電が起こり、多量の壁電荷が形成されてしまう可能性があった。
【0056】
図4は、本発明の第2実施例を示す波形図である。本実施例は、第1及び第2の放電の際にY電極に印加するパルスを、単位時間あたりの電圧変化量が一定な三角波としたものである。本実施例によれば、三角波を作るための回路構成は第1の実施例に較べて多少複雑になるものの、パルスの傾きが一定であるため、確実に微弱な放電を起こすことが可能である。
【0057】
図5は、本発明の第3実施例を示す波形図であり、前サブフィールドにおける維持放電期間の最終パルスと次サブフィールドにおけるリセット期間とを示している。本実施例においては、第1及び第2の放電の際にY電極に印加するパルスを単位時間当たりの電圧変化量が変化する鈍りパルスとしており、この点では第1実施例と共通である。しかしながら本実施例では、前サブフィールドの維持放電期間における最終維持パルスの立ち下がりから次サブフィールドのリセット期間でのパルス印加までに十分な時間を空けるようにしている。
【0058】
維持パルスの印加により維持放電が生じると、放電の終了と共に、所定量の壁電荷が蓄積される。そして放電の終了からある程度の時間が経過すると、形成された壁電荷が放電空間に存在する空間電荷と中和を開始する。従って、最終維持パルスの印加から十分な時間を空けた後にリセット放電を行うようにすれば、維持放電期間終了時に残留していた壁電荷をある程度消去することが可能である。この結果、続くリセット放電を、残留壁電荷のより少ない状態で実施することができ、安定なリセット放電が可能となる。なお、最終維持パルスの立ち下がりから次のリセット放電の開始までの時間t1は、少なくとも1μsより長くすることが適当であり、好ましくは10μsである。
【0059】
また本実施例では、リセット期間における第1の放電の際に、X電極への負極性のパルスとY電極への正極性のパルスとをタイミングを異ならせて印加するようにしている。
【0060】
第1実施例のようにX電極への負極性パルスとY電極への正極性のパルスとを同時に印加した場合、鈍りパルスを用いているにも関わらず、強放電が生じる可能性がある。そこで本実施例では、X電極への負極性のパルスとY電極への負極性のパルスとをタイミングを異ならせて印加するようにしている。
【0061】
前述したように、第1の放電の際にX電極に印加する負極性のパルスは、アドレス電極上に残留する壁電荷を消去する効果を有しているが、この消去放電を先行させた場合、アドレス電極上の壁電荷が消去されるのに伴い、負極性パルスを印加しているX電極上には正の壁電荷が形成される。この状態でY電極に対して正極性の第2のパルスを印加すると、X−Y電極間の実効電圧が低下して、強放電を防止することができるのである。なお、単に強放電を防止するためということであれば、X電極に印加する負極性の電圧を低くするという方法もあるが、この場合はアドレス電極との間で行う消去放電を十分に行うことが困難となるので好ましくない。
【0062】
なお、X電極へのパルス印加からY電極へのパルス印加までの遅延時間t2は、少なくとも5μs程度とすることが適当である。
【0063】
図6は、本発明の第4実施例を示す波形図であり、リセット期間におけるY電極の波形のみを示している。Y電極に印加されるパルスは、単位時間当たりの電圧変化量が変化する鈍りパルスである。
【0064】
前述した第1〜第3実施例では、第1の放電に引き続いて第2の放電を行う際、Vwyに到達していたY電極の電位を一旦0Vまで一度に立ち下げた後に、第2の放電のためのパルスを印加するようにしていた。しかしながら、Y電極電位の0Vへの立ち下げと、第2の放電に伴うX電極への正極性のパルス印加及びY電極への負極性のパルス印加とが同時に行われると、電極間に一度に高電圧が印加されることから、強放電が生じる可能性がある。
【0065】
そのため本実施例における図6(a) の例では、Y電極電位を0Vまで引き下げることなく、直ちに第2の放電のためのパルスを印加するようにしている。このようにすることにより、電極間に一度に高電圧が印加されることを防止することができるため、強放電を回避することが可能である。
【0066】
しかしながら図6(a) の例では、第2の放電に要する時間が長くなってしまうという問題がある。これは、Y電極の電位をVwyから−Veyまで鈍りパルスを用いて電圧降下させているためである。仮に第2の放電に要する時間を短縮しようとすれば、単位時間当たりの電圧変化量を大きくしなければならず、第2の放電における放電規模が増大し、コントラストの低下をもたらしてしまう。
【0067】
図6(b) の例は、第1〜第3実施例と図6(a) の例との中間に相当するものである。すなわちVwyに到達しているY電極電位を0Vより高い電位(例えば20V程度)まで一旦引き下げた後に、鈍りパルスからなる負極性パルスを印加するものである。
【0068】
例えば、電極電位がVwyに到達しているY電極を、維持放電用の電源Vsに接続することにより一旦Vsまで降下させ、更にY電極に接続されている電力回収回路を利用して所定の電位までY電極電位を降下させるといった手法が容易に採用可能である。なお電力回収回路は、Y電極(又はX電極)にインダクタを接続してパネル容量と共に直列共振回路を構成し、電極に印加された維持電圧Vsを回収、再利用するものである。維持放電期間ではX−Y電極間に交互に維持電圧Vsが印加されるわけであるが、この動作はX−Y電極間にて形成されるパネル容量を充放電しているのに等価である。電力回収回路は、この充放電電流を有効利用するためのものであって、PDPの低消費電力化には欠かせない。この電力回収回路を利用することにより、新たな回路を追加することなくY電極電位を低下させることが可能である。
【0069】
そしてY電極電位を所定の電位まで降下させた後に、通常の鈍波回路に接続する。この結果、本例では、強放電を生じさせることも単位時間当たりの電圧変化量を大きくすることもなく、第2の放電に要する時間を短縮することが可能である。
【0070】
図7は、本発明の第5実施例を示す波形図である。本実施例では、第2の放電終了時にY電極が到達する電位を、走査パルスの電位である−Vyより高くしている。
【0071】
第2の放電の際にY電極に印加される鈍りパルスは負極性であるため、Y電極上には正の壁電荷が形成される。この際前述の第1〜第4実施例では、Y電極電位が走査パルスの電位である−Vyまで下げられていたため、形成される壁電荷が比較的多量となっていた。引き続いて行われるアドレス期間では、Y電極に負極性の走査パルスが印加されるわけであるが、この際に正の壁電荷が残留していると走査パルスの実効電圧を引き下げてしまい、アドレス放電の安定な実効を阻害する可能性があった。反対に第2の放電終了時におけるY電極の到達電位が高すぎる(例えばアドレス期間におけるY電極の非選択電位−Vsc)場合、Y電極上には負の壁電荷が形成されてしまう。この場合は、Y電極に負の走査パルスを印加した際に負の壁電荷が重畳されてしまい、アドレスパルスの印加されていないセルまでも放電が起きてしまう可能性がある。
【0072】
本実施例では、第2の放電終了時におけるY電極の到達電位を、アドレス期間におけるY電極の選択電位−Vyと非選択電位−Vscとの間とし、安定なアドレス放電を可能としている。或いは、従来と同程度の駆動マージンを得るのであれば、アドレスパルスの印加電圧を低下させることが可能である。なお、Y電極の到達電位は、アドレス期間におけるY電極の選択電位−Vyからの上昇分ΔVが、0<ΔV<20Vの範囲、好ましくは10V程度となるように設定することが適当である。
【0073】
図8は、本発明の第6実施例におけるフレームの構成を示す図であり、図9は同実施例を示す波形図である。本実施例は、図2にて説明したフィールドリセット期間を設けている点で第1実施例と共通するが、フィールドリセット期間に先立って、更にフィールドリセット電荷調整期間を設けている点が特徴である。
【0074】
第1フィールド又は第2フィールド終了時、各セルにおける電荷の状態は様々である。これは、セルによってフィールド毎の放電状態が異なるからである。仮にフィールドリセット期間の開始時に、フィールドリセットのための印加パルスに対して逆極性の壁電荷が残留していた場合、印加パルスの実効電圧を低下させることになり、安定なフィールドリセットが困難となる。例えば図3の例において、Y1電極上に正の壁電荷(又はX2電極上に負の壁電荷)が残留していた場合、Y1−X2電極間に印加される実効電圧が低下することになり、安定な放電が不可能となってしまう。
【0075】
本実施例では、フィールドリセット期間に先立ってフィールドリセット電荷調整期間を設け、フィールドリセット期間にて印加されるパルスに対して同極性の壁電荷を積極的に形成しようとするものである。
【0076】
図9は具体的な波形図である。フィールドリセット電荷調整期間において、まずはX1電極に負極性のパルスを、Y1電極には正極性のパルスを印加する。X1電極に印加した電圧VwxとY1電極に印加した電圧Vwyの合計は、セルの放電開始電圧を越え、全セルでの放電が開始される。この際Y1電極に印加するパルスを単位時間当たりの電圧変化量が変化する鈍りパルスとしているため、この放電はリセット期間における第1の放電同様微弱放電となり、コントラストの低下を抑えることができる。この全面放電により、Y1電極上には負の壁電荷が蓄積される。しかしながらここで蓄積された壁電荷は多量であり、そのままフィールドリセット期間に移行した場合、壁電荷の重畳により放電が大規模になりすぎるため、続けてY1電極には負極性の消去パルスを印加し、蓄積されている壁電荷の量を調整する。この負極性のパルスも、単位時間当たりの電圧変化量が変化する鈍りパルスである。
【0077】
この結果、フィールドリセット電荷調整期間の終了時には、適度な量の負の壁電荷が蓄積されていることになる。この状態でフィールドリセット期間に移行することにより、形成されている壁電荷は印加パルスに重畳されることとなり、確実にフィールドリセットを実行することが可能となる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、コントラストの低下を抑制することができると共に、全ての表示ラインで確実にリセット放電と、それに続く消去放電を実施することができる。この結果、リセット期間において全てのセルの状態を確実に均一にすることができ、安定なアドレス放電を実現し、誤表示を防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す波形図である。
【図2】本発明の第1実施例におけるフレームの構成を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例におけるフィールドリセットを示す波形図である。
【図4】本発明の第2実施例を示す波形図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す波形図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す波形図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す波形図である。
【図8】本発明の第6実施例におけるフレーム構成を示す図である。
【図9】本発明の第6実施例を示す波形図である。
【図10】面放電型PDPの概略構成図である。
【図11】図10のPDPのアドレス電極A1に沿った断面図である。
【図12】図10のPDPにおけるフレームの構成を示す図である。
【図13】図10のPDPにおける従来の駆動方法を示す波形図である。
【符号の説明】
1 PDP
2 隔壁
3 前面基板
4 背面基板
X1,X2,X3・・・,Y1,Y2,Y3・・・ 維持放電電極
A1,A2,A3・・・ アドレス電極
L1,L2,L3・・・ 表示ライン[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a method for driving a plasma display panel (PDP).
[0002]
The PDP is a self-luminous display device, has good visibility, and is thin and capable of displaying a large screen. Therefore, the PDP is attracting attention as a next-generation display device that replaces the CRT. In particular, since the surface discharge AC type PDP can have a large screen, there is an increasing expectation as a display device compatible with high-definition digital broadcasting, and a higher image quality than CRT is required.
[0003]
High image quality includes high definition, high gradation, high brightness, and high contrast. High definition is achieved by reducing the pixel pitch, and high gradation is achieved by increasing the number of subfields in the frame. Further, the increase in luminance is achieved by increasing the amount of visible light obtained from a certain power and increasing the number of sustain discharges. Further increase in contrast is achieved by reducing the reflectance of external light on the surface of the display panel and reducing light emission during black display that does not contribute to display light emission.
[0004]
[Prior art]
FIG. 10 is a schematic configuration diagram of a surface discharge type PDP, and shows a configuration of a PDP of a method for displaying between all sustain discharge electrodes already filed by the present applicant. (Japanese Patent Laid-Open No. 9-160525)
[0005]
In the PDP having this configuration, each of the sustain discharge electrodes can perform a sustain discharge between the sustain discharge electrodes on both sides thereof, and therefore all the gaps (L1 to L5) between all the electrodes become display lines. For example, the X1 electrode and the Y1 electrode form the display line L1, and the Y1 electrode and the X2 electrode form the display line L2.
[0006]
FIG. 11 is a cross-sectional view taken along the address electrode of the PDP in FIG. 10, wherein 3 is a front substrate, 4 is a back substrate, and D1 to D3 are discharges between the electrodes. Specifically, the discharge D1 can be caused by applying a voltage between the Y1 electrode and the X1 electrode. Further, a discharge D2 can be caused by applying a voltage between the Y1 electrode and the X2 electrode, and similarly, a discharge D3 can be caused by the X2 electrode and the Y2 electrode. By utilizing one electrode for display on both sides in this way, it is possible to achieve high definition by reducing the number of electrodes and to reduce the drive circuits for these electrodes.
[0007]
FIG. 12 is a diagram showing a frame configuration in the PDP of FIG. One frame is composed of two fields, a first field and a second field. In the first field, display is performed on odd-numbered display lines (L1, L3, L5), and in the second field, display is performed on even-numbered display lines (L2, L4), thereby displaying one screen. It is composed. Each field is composed of a plurality of subfields having a predetermined luminance ratio. By selectively emitting light according to the display data, the subfields express gradations that are different in luminance for each pixel. are doing. Each subfield is maintained based on a reset period for making the state of cells different depending on the display state in the immediately preceding subfield uniform, an address period for writing new display data, and the written display data. It is comprised by the sustain discharge period which performs the light emission display by discharge.
[0008]
FIG. 13 is a waveform diagram showing a conventional driving method in the PDP of FIG. 10, and shows an arbitrary subfield in the first field.
[0009]
In the reset period, a reset pulse composed of a voltage Vw exceeding the discharge start voltage is applied to all X electrodes, and discharge is started between adjacent Y electrodes. As a result, the first discharge (reset discharge) is performed in all the display lines (L1 to L5), and wall charges due to positive ions and electrons are formed in the discharge cells. Next, when the reset pulse is removed and each electrode is held at the same potential, a second discharge (self-erasing discharge) is generated again due to a potential difference caused by the wall charge itself formed on the electrode. At this time, since each electrode is at the same potential, positive ions and electrons formed by discharge are recombined in the discharge space, and wall charges disappear. By this discharge, the wall charge amount in all display cells can be made substantially uniform. (Uniform wall charge distribution)
Next, in the address period, a scan pulse having a voltage −Vy is sequentially applied from the Y1 electrode. At the same time, an address pulse consisting of a voltage Va is applied to the address electrodes in accordance with display data, and address discharge is started. At that time, a pulse composed of the voltage Vx is applied to the X1 electrode, which is an electrode pair for displaying the Y1 electrode in the first field, so that the discharge generated between the address electrode and the Y1 electrode is Transition between the X1 electrode and the Y1 electrode. Thereby, wall charges necessary for the start of the sustain discharge are formed in the vicinity of the X1 electrode and the Y1 electrode. On the other hand, the voltage of the X2 electrode, which is an electrode pair that forms a line that does not perform display, is maintained at 0 V, thereby preventing discharge from occurring on the X2 electrode side. Similarly, first, address discharge is sequentially performed on odd-numbered Y electrodes.
[0010]
After the address discharge by the odd-numbered Y electrode is completed, a scan pulse is applied to the Y2 electrode. At this time, a pulse composed of the voltage Vx is similarly applied to the X2 electrode which is an electrode pair for performing display with respect to the Y2 electrode, and the X3 electrode (not shown) is maintained at 0 V similarly to the X1 electrode. Similarly, the address discharge is sequentially performed on the even-numbered Y electrodes, and the address discharge is performed on the odd display rows of the entire screen.
[0011]
Next, in the sustain discharge period, a sustain pulse composed of the voltage Vs is alternately applied to the X electrode and the Y electrode. At this time, the phase of the sustain pulse is set so that the potential difference between the electrode pairs of the lines that are not displayed is 0 V, thereby preventing discharge from occurring on the non-display lines. For example, sustain pulses having different phases are applied to the pair of X1 electrode and Y1 electrode that perform display in the first field, but the sustain pulse is not applied between the Y1 electrode and X2 electrode that are electrode pairs of the non-display line. It becomes the same phase. In this way, display in one subfield is performed.
[0012]
In FIG. 13, Vs is a voltage necessary for sustaining discharge, and is usually set to about 170V. Further, Vw is set to about 350 V as a voltage exceeding the discharge start voltage, -Vy which is a scanning pulse is set to about -150 V, and address pulse Va is set to about 60 V. The sum of absolute values of Va and Vy is set to be equal to or higher than the discharge start voltage between the address electrode and the Y electrode. Vx is about 50 V, and is set to a value at which discharge between the address electrode and the Y electrode shifts to the X electrode side to form a sufficient wall charge.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional driving method, in order to perform the reset discharge, a sufficient voltage pulse Vw exceeding the discharge start voltage in the discharge cell is applied, and a strong discharge is generated. The light emission generated by this discharge is background light emission unrelated to the original image display, resulting in a decrease in contrast.
[0014]
In particular, in the case of the above-described driving method using all the sustain discharge electrodes as display lines, it has become clear that the reset discharge may not be stably generated in all the discharge cells. In other words, a discharge is caused in all display lines by a reset pulse applied to all X electrodes, but there is a possibility that some cells may not be discharged due to variations in the discharge start time of each discharge cell. is there.
[0015]
When attention is paid to the X2 electrode in FIG. 11, it is assumed that the discharge D2 between the X2 electrode and the Y1 electrode has occurred first. When the charge generated by the discharge starts to accumulate in the vicinity of the electrode, a reverse bias due to the wall charge is applied, and the effective voltage with respect to the discharge space decreases. Specifically, wall charges due to electrons are formed on the X2 electrode side, and the effective voltage of the Vw voltage applied to the electrode to the discharge space is lowered. When the decrease in effective voltage precedes the start of discharge between the X2 electrode and the Y2 electrode, there is a possibility that the reset period ends without discharging between the X2 electrode and the Y2 electrode. If the reset discharge is not performed in some of the discharge cells, the state of the cells cannot be made uniform, and the address discharge in the discharge cells cannot be caused stably, resulting in erroneous display.
[0016]
Even if the reset discharge can occur in all the cells, the subsequent self-erasing discharge may not be stably generated. That is, since the self-erasing discharge is caused by the potential difference between the wall charges formed by the reset discharge, it is often smaller than the reset discharge. For this reason, depending on the variation in characteristics of the individual discharge cells, the wall charge formed by the reset discharge remains as it is without self-erasing discharge. Alternatively, there is a possibility that self-erase discharge does not occur because sufficient wall charges are not formed at the end of reset discharge. As a result, in the discharge cells in which the erasing discharge is not performed, the subsequent address discharge is not normally performed, causing erroneous display.
[0017]
As a method for solving these problems, it is conceivable that the voltage of the reset pulse is increased to cause discharge more reliably in all cells. However, the further increase of the discharge voltage further increases the above-mentioned background light emission and deteriorates the contrast.
[0018]
Furthermore, when the address period is entered with the wall charges remaining in the discharge cells due to the above-described causes, another problem occurs. As described above, in the address period, the voltage Vx is applied to the X electrode constituting the display line, and the X electrode constituting the non-display line is kept at 0 V, thereby preventing the address discharge. However, if unnecessary wall charges remain, discharge may occur even in non-display lines.
[0019]
For example, in FIG. 11, a scan pulse composed of a voltage -Vy is applied to the Y1 electrode, and an address pulse composed of a voltage Va is applied to the address electrode to perform address discharge. At that time, since the voltage Vx is applied to the X1 electrode, the process proceeds to the discharge between the Y1 electrode and the X1 electrode, and the discharge D1 is performed. At this time, the X2 electrode adjacent to the Y1 electrode is maintained at a voltage of 0 V, and the occurrence of the discharge D2 should be avoided. However, there is a case where the discharge D2 is generated due to the bias of the residual charge due to the uncertainty of the reset discharge. As a result, negative wall charges are accumulated on the X2 electrode, and the next address discharge D3 is affected. Note that this erroneous discharge due to the non-display electrode may also occur due to variations in the discharge start voltage for each discharge cell.
[0020]
Further, the sustain discharge in each subfield may spread due to the sustain discharge voltage Vs or the cell structure. Referring to FIG. 6, when a sustain discharge is performed between the electrodes X1 and Y1 and between the electrodes X2 and Y2, some wall charges are accumulated between the electrodes Y1 and X2. These are erased during the reset period of each subfield, but some of the wall charges formed particularly on the address electrode side may remain without being erased. This wall charge does not affect the field displaying between the electrodes X1-Y1 and between the electrodes X2-Y2, but makes the address discharge unstable in the next field displaying between the electrodes Y1-X2. Cause.
[0021]
The present invention provides a driving method of a plasma display panel that can realize a stable address discharge by suppressing reset discharge and erasure discharge without suppressing a decrease in contrast due to reset discharge or without accompanying a decrease in contrast. The purpose is to do.
[0022]
[Means for Solving the Problem and Action]
In the driving method of the plasma display panel according to
[0023]
In the present invention according to the first aspect, since the weak discharge can be performed at the time of the reset discharge, the light emission amount is small, and the contrast is not greatly reduced even though the reset discharge is performed. Further, the subsequent erasing discharge is not self-erasing discharge, but is performed by applying a pulse whose applied voltage value changes with the passage of time. Therefore, the erasing discharge is performed regardless of variations in the characteristics of the discharge cells and the remaining wall charge. be able to. Further, since the discharge is weak, the amount of emitted light is small and the contrast is not greatly reduced.
[0024]
These actions are not limited to the method of performing display between all the electrodes, which is mainly described in the present specification, but the conventional PDP in which one display line is configured between a pair of sustain discharge electrodes. Even when applied to the above, it is obtained.
[0025]
In the driving method of the plasma display panel according to claim 2, the positive first pulse is applied to the second electrode, the negative pulse is applied to the first electrode, and then the second electrode is applied. The negative second pulse is applied to the first electrode and the positive pulse is applied to the first electrode.
[0026]
In the present invention according to claim 2, since the second pulse is applied so as to be superimposed on the wall charge formed by the first discharge, reliable erasing discharge can be performed using the potential of the wall charge. In addition, by applying a negative pulse to the first electrode during the first discharge, or applying a negative second pulse to the second electrode during the second discharge, Wall charges remaining on the address electrodes at the end of the field sustain discharge process can be erased.
[0027]
In the plasma display panel driving method according to the third aspect, the pulse relating to the first discharge is applied after a period exceeding at least 1 μs from the end of the sustain discharge period.
[0028]
In the present invention according to claim 3, the residual wall charge can be reduced prior to the reset discharge.
[0029]
5. The method of driving a plasma display panel according to
[0030]
According to the fourth aspect of the present invention, the wall charges remaining on the address electrodes can be erased, and the first discharge can be prevented from becoming a strong discharge.
[0031]
In the method for driving a plasma display panel according to claim 5, the first and second pulses whose applied voltage value changes with the passage of time are blunt pulses whose voltage change amount per unit time changes.
[0032]
In the method for driving a plasma display panel according to claim 6, the first and second pulses whose applied voltage values change as time elapses are triangular waves whose voltage change amount per unit time is constant.
[0033]
In the present invention according to claim 5, if the discharge start timing varies depending on the state of the discharge cell, there is a possibility that the intensity of the discharge may vary, but this can be realized with a relatively simple circuit configuration. is there.
[0034]
On the other hand, in the present invention according to claim 6, although the circuit configuration is somewhat complicated, it is possible to reliably perform weak discharge in all the discharge cells.
[0035]
The plasma display panel driving method according to claim 7, wherein the electrode potential that has reached the first potential by the application of the first pulse is lowered to a second potential that is the electrode potential before the application of the first pulse. Before, the second pulse is applied.
[0036]
In the method of driving a plasma display panel according to claim 8, the electrode potential that has reached the first potential by the application of the first pulse is lowered to a third potential that is higher than the second potential. Thereafter, the second pulse is applied.
[0037]
In the present invention according to claim 7, it is possible to prevent the second discharge from becoming a strong discharge.
[0038]
Furthermore, in the present invention according to claim 8, it is possible to prevent the second discharge from becoming a strong discharge without requiring a long time for the second discharge.
[0039]
In the method of driving a plasma display panel according to claim 9, a plurality of parallel first and second electrodes are arranged adjacent to each other, and the third electrode is arranged to intersect the first and second electrodes. A method of driving a plasma display panel, comprising a plurality of reset periods, an address period, and a sustain discharge period, wherein an applied voltage value is applied to the second electrode over time in the reset period. Applying a first pulse that increases to generate a first discharge, and then applying a second pulse whose applied voltage value decreases over time to the second electrode, And generating a second discharge, and an electrode potential reached by application of the second pulse is higher than a selection potential of the electrode in the address period and lower than a non-selection potential of the electrode To.
[0040]
In the present invention according to claim 9, an appropriate amount of wall charges can be left before the address discharge.
[0041]
In the method for driving a plasma display panel according to claim 10, a plurality of parallel first and second electrodes are arranged adjacent to each other, and the third electrode is arranged so as to intersect the first and second electrodes. A method of driving a plasma display panel, comprising a plurality of reset periods, an address period, and a sustain discharge period, wherein an applied voltage value is applied to the second electrode over time in the reset period. Applying a first pulse that increases to generate a first discharge, and then applying a second pulse whose applied voltage value decreases over time to the second electrode, And generating a second discharge, and the electrode potential reached by the application of the second pulse is made equal to the selection potential of the electrode in the address period.
[0042]
In the method for driving a plasma display panel according to claim 11, a plurality of parallel first and second electrodes are arranged adjacent to each other, and the third electrode is arranged so as to intersect the first and second electrodes. A method of driving a plasma display panel, comprising a plurality of reset periods, an address period, and a sustain discharge period, wherein an applied voltage value is applied to the second electrode over time in the reset period. Applying a first pulse that increases to generate a first discharge, and then applying a second pulse whose applied voltage value decreases over time to the second electrode, And generating a second discharge, and the electrode potential reached by the application of the second pulse is made lower than the selection potential of the electrode in the address period.
[0043]
【Example】
FIG. 1 is a waveform diagram showing a first embodiment of the present invention. FIG. 1 shows waveforms of an address electrode, an X1 electrode, a Y1 electrode, an X2 electrode, and a Y2 electrode in an arbitrary subfield in the first field for displaying odd lines. The reset period, the address period, and the sustain discharge, respectively. It consists of a period. In the following description, the X1 electrode and the X2 electrode are referred to as an X electrode, the Y1 electrode and the Y2 electrode are referred to as a Y electrode, and they are all referred to as a sustain discharge electrode.
[0044]
In the reset period, the address electrode is set to 0 V, and positive and negative pulses are applied to the sustain discharge electrode. That is, a pulse composed of the voltage -Vwx is applied to the X electrode, and a pulse composed of the voltage Vwy is applied to the Y electrode. At this time, the pulse applied to the Y electrode is a blunt pulse that reaches the voltage Vwy while changing the amount of voltage change per unit time. As a result, a weak first discharge is performed between the X electrode and the Y electrode.
[0045]
When the conventional rectangular wave Vw is applied as the applied voltage, a strong discharge is generated according to the difference Vw−Vf from the discharge start voltage Vf in the discharge cell, and an excessive wall charge is formed, affecting the adjacent discharge cell. Will be given. However, by using the blunt pulse, each discharge cell starts discharge when the applied voltage exceeds the discharge start voltage Vf for each discharge cell, so that the generated discharge is only weak, and the amount of wall charges formed It will be a little. As a result, even if a reset discharge in a certain discharge cell precedes, it does not affect adjacent discharge cells. Further, since the discharge is weak, the background light emission is also reduced.
[0046]
Subsequently, a pulse composed of the voltage Vex is applied to the X electrode, and a pulse composed of the voltage −Vey is applied to the Y electrode. At this time, the pulse applied to the Y electrode is a blunt pulse that reaches the voltage −Vey while the amount of voltage change per unit time changes. Thereby, the second discharge occurs, and the wall charges formed by the immediately preceding discharge are erased.
[0047]
When self-erasing discharge is used as in the prior art, there is a situation in which discharge does not occur depending on the amount of wall charge formed or the characteristics of the discharge cell. In the present invention, however, the discharge is forcibly applied by applying a voltage of Vex + Vey. Therefore, the erase discharge is surely performed. Further, since the applied pulse has a dull waveform, the discharge is weak and does not deteriorate the contrast. Further, by setting Vex + Vey to a voltage that is slightly lower than the discharge start voltage Vf, the erasure discharge is performed by superimposing slight wall charges generated by the first discharge.
[0048]
The sustain discharge is basically performed between the XY electrodes, but a positive polarity wall charge is formed on the address electrode maintained at a potential lower than the sustain discharge voltage Vs during that time. . In the first discharge of this embodiment, since a negative pulse is applied to the X electrode, a discharge is also generated between the address and the X electrode in a form superimposed on the wall charge remaining on the address electrode. The wall charges remaining in the vicinity of the upper portion of the X electrode are erased. In the subsequent second discharge, since the negative pulse is applied to the Y electrode, the wall charges remaining in the vicinity of the Y electrode above the address electrode are similarly erased.
[0049]
Next, in the address period, scan pulses are sequentially applied to the Y electrodes to perform address discharge. Paying attention to the X electrode, the voltage Vx is applied to the X electrode that forms a display line in a pair with the Y electrode to which the scanning pulse is applied, and address discharge is performed as in the conventional case. On the other hand, a voltage consisting of -Vux is applied to the X electrode constituting the non-display line, and the potential difference from the Y electrode is reduced to prevent the address discharge from occurring in the non-display line. It is the same as in the prior art to apply address discharge by sequentially applying scan pulses to even-numbered Y electrodes after applying address discharge by sequentially applying scan pulses to odd-numbered Y electrodes. .
[0050]
When the address period ends, a sustain discharge period starts and sustain pulses are alternately applied to the X electrode and the Y electrode, and the sustain discharge is repeated in the cells in which the address discharge was performed in the address period. At this time, the phase of the sustain discharge pulse is set so that the sustain discharge does not occur in the non-display line as in the conventional case.
[0051]
In FIG. 1, the sum of the absolute values of -Vwx and Vwy in the reset period is set to a value exceeding the discharge start voltage between the X electrode and the Y electrode. For example, -Vwx is -130V and Vwy is 220V. In the subsequent erasing discharge, for example, Vex is 60V and -Vey is -160V. Further, Va in the address period is, for example, 60V, -Vy in the scan pulse is, for example, -150V, Vx of the X electrode is, for example, 50V, -Vux is, for example, -80V, and Vs of the sustain pulse is, for example, 170V. Further, Vex and Vx, and -Vey and -Vy may be set to the same voltage, which makes it possible to share a circuit and reduce the circuit scale.
[0052]
FIG. 2 is a diagram showing a frame configuration in the first embodiment of the present invention. The difference from that shown in FIG. 7 is that a field reset period is provided at the start of each field. The field reset period is for erasing wall charges remaining on the address electrode side during field switching.
[0053]
FIG. 3 is a waveform diagram showing field reset in the first embodiment of the present invention. At time t1, a voltage composed of -Vy is applied to the Y1 electrode and Vs is applied to the X2 electrode, causing a discharge, and wall charges are formed. Thereafter, when the pulse is removed and the respective electrode potentials are held at the same potential, self-erasing discharge occurs due to the potential difference between the formed wall charges themselves, and the wall charges are erased. Similarly, from time t2 to t4, reset discharge is sequentially performed between all the electrodes divided into four times, and the wall charges are surely erased. In this embodiment, the odd-numbered Y electrode and the even-numbered X electrode are t1 at t1, the odd-numbered X electrode to the even-numbered Y electrode at t2, and the odd-numbered X electrode-odd-numbered at t3. The discharge is performed between the Y electrodes and between the even-numbered X electrode and the even-numbered Y electrode at t4.
[0054]
In the first embodiment described above, the pulse applied to the Y electrode during the first and second discharges is a blunt pulse in which the amount of voltage change per unit time changes. Such a pulse waveform can be easily obtained by connecting a resistor R to a switching element that outputs a pulse, and configuring an RC circuit in combination with a capacitance C formed between the electrodes. The dull pulse curve is determined by a time constant defined by RC.
[0055]
However, when using a blunt pulse, the amount of change in voltage per unit time changes with rising or falling, so there is a problem that the intensity of the discharge varies depending on when the discharge starts. . For this reason, it is possible to realize a very weak discharge when the discharge is started in the vicinity where the pulse starts to saturate the set voltage.For example, the discharge is relatively early due to variations in the characteristics of the discharge cells, That is, when the discharge is started at a time when the rise or fall of the pulse is relatively steep, a strong discharge may occur and a large amount of wall charges may be formed.
[0056]
FIG. 4 is a waveform diagram showing a second embodiment of the present invention. In the present embodiment, the pulse applied to the Y electrode during the first and second discharges is a triangular wave with a constant voltage change amount per unit time. According to the present embodiment, the circuit configuration for producing the triangular wave is somewhat complicated as compared with the first embodiment, but the pulse gradient is constant, so that a weak discharge can surely occur. .
[0057]
FIG. 5 is a waveform diagram showing the third embodiment of the present invention, and shows the last pulse of the sustain discharge period in the previous subfield and the reset period in the next subfield. In the present embodiment, the pulse applied to the Y electrode during the first and second discharges is a blunt pulse in which the amount of voltage change per unit time changes, and this point is common to the first embodiment. However, in this embodiment, a sufficient time is allowed from the falling of the last sustain pulse in the sustain discharge period of the previous subfield to the pulse application in the reset period of the next subfield.
[0058]
When a sustain discharge is generated by the application of the sustain pulse, a predetermined amount of wall charges is accumulated with the end of the discharge. When a certain amount of time elapses from the end of the discharge, the formed wall charges start to neutralize with the space charges existing in the discharge space. Therefore, if the reset discharge is performed after a sufficient time has elapsed from the application of the final sustain pulse, the wall charges remaining at the end of the sustain discharge period can be erased to some extent. As a result, the subsequent reset discharge can be carried out with less residual wall charges, and a stable reset discharge is possible. The time t1 from the last sustain pulse falling to the start of the next reset discharge is suitably at least longer than 1 μs, preferably 10 μs.
[0059]
In the present embodiment, in the first discharge in the reset period, a negative pulse to the X electrode and a positive pulse to the Y electrode are applied at different timings.
[0060]
When a negative pulse to the X electrode and a positive pulse to the Y electrode are applied simultaneously as in the first embodiment, strong discharge may occur despite the use of a blunt pulse. Therefore, in this embodiment, the negative pulse to the X electrode and the negative pulse to the Y electrode are applied at different timings.
[0061]
As described above, the negative pulse applied to the X electrode during the first discharge has the effect of erasing the wall charges remaining on the address electrode, but this erasing discharge is preceded. As the wall charges on the address electrode are erased, positive wall charges are formed on the X electrode to which the negative polarity pulse is applied. When a positive second pulse is applied to the Y electrode in this state, the effective voltage between the XY electrodes is lowered, and strong discharge can be prevented. If it is simply to prevent strong discharge, there is a method of reducing the negative voltage applied to the X electrode, but in this case, sufficient erasing discharge is performed with the address electrode. Is not preferable because it becomes difficult.
[0062]
It is appropriate that the delay time t2 from the pulse application to the X electrode to the pulse application to the Y electrode is at least about 5 μs.
[0063]
FIG. 6 is a waveform diagram showing the fourth embodiment of the present invention, and shows only the waveform of the Y electrode in the reset period. The pulse applied to the Y electrode is a dull pulse in which the amount of voltage change per unit time changes.
[0064]
In the first to third embodiments described above, when the second discharge is performed following the first discharge, the potential of the Y electrode that has reached Vwy is once lowered to 0 V at a time, and then the second discharge is performed. A pulse for discharging was applied. However, if the fall of the Y electrode potential to 0 V and the application of the positive pulse to the X electrode and the negative pulse to the Y electrode accompanying the second discharge are performed simultaneously, the electrodes are simultaneously removed between the electrodes. Since a high voltage is applied, strong discharge may occur.
[0065]
Therefore, in the example of FIG. 6A in this embodiment, the pulse for the second discharge is immediately applied without reducing the Y electrode potential to 0V. By doing so, it is possible to prevent a high voltage from being applied between the electrodes at a time, so that a strong discharge can be avoided.
[0066]
However, in the example of FIG. 6A, there is a problem that the time required for the second discharge becomes long. This is because the potential of the Y electrode is decreased from Vwy to -Vey using a blunt pulse. If the time required for the second discharge is to be shortened, the amount of voltage change per unit time must be increased, and the discharge scale in the second discharge increases, resulting in a decrease in contrast.
[0067]
The example of FIG. 6B corresponds to an intermediate between the first to third embodiments and the example of FIG. That is, the Y electrode potential reaching Vwy is once lowered to a potential higher than 0 V (for example, about 20 V), and then a negative pulse composed of a blunt pulse is applied.
[0068]
For example, the Y electrode whose electrode potential has reached Vwy is once lowered to Vs by connecting to the power source Vs for sustain discharge, and further, a predetermined potential is obtained using a power recovery circuit connected to the Y electrode. A technique of lowering the Y electrode potential can be easily adopted. In the power recovery circuit, an inductor is connected to the Y electrode (or X electrode) to form a series resonance circuit together with the panel capacitance, and the sustain voltage Vs applied to the electrode is recovered and reused. In the sustain discharge period, the sustain voltage Vs is alternately applied between the XY electrodes. This operation is equivalent to charging / discharging the panel capacitance formed between the XY electrodes. . The power recovery circuit is for effectively using the charge / discharge current, and is indispensable for reducing the power consumption of the PDP. By using this power recovery circuit, it is possible to reduce the Y electrode potential without adding a new circuit.
[0069]
Then, after the Y electrode potential is lowered to a predetermined potential, it is connected to a normal obtuse wave circuit. As a result, in this example, the time required for the second discharge can be shortened without causing a strong discharge or increasing the amount of voltage change per unit time.
[0070]
FIG. 7 is a waveform diagram showing a fifth embodiment of the present invention. In this embodiment, the potential reached by the Y electrode at the end of the second discharge is set higher than −Vy, which is the potential of the scanning pulse.
[0071]
Since the blunt pulse applied to the Y electrode during the second discharge has a negative polarity, positive wall charges are formed on the Y electrode. At this time, in the first to fourth embodiments described above, since the Y electrode potential was lowered to −Vy, which is the potential of the scanning pulse, the wall charges formed were relatively large. In the subsequent address period, a negative scan pulse is applied to the Y electrode. However, if positive wall charges remain at this time, the effective voltage of the scan pulse is lowered, and address discharge is performed. There is a possibility that the stable effectiveness of the On the contrary, when the potential reached by the Y electrode at the end of the second discharge is too high (for example, the non-selection potential −Vsc of the Y electrode in the address period), negative wall charges are formed on the Y electrode. In this case, when a negative scanning pulse is applied to the Y electrode, negative wall charges are superimposed, and there is a possibility that a cell without an address pulse is also discharged.
[0072]
In this embodiment, the arrival potential of the Y electrode at the end of the second discharge is set between the selection potential -Vy and the non-selection potential -Vsc of the Y electrode in the address period, thereby enabling stable address discharge. Alternatively, the applied voltage of the address pulse can be reduced if a drive margin comparable to that of the conventional case is obtained. The arrival potential of the Y electrode is appropriately set so that the increase ΔV from the selection potential −Vy of the Y electrode in the address period is in the range of 0 <ΔV <20V, preferably about 10V.
[0073]
FIG. 8 is a diagram showing a frame configuration in the sixth embodiment of the present invention, and FIG. 9 is a waveform diagram showing the same embodiment. This embodiment is common to the first embodiment in that the field reset period described with reference to FIG. 2 is provided, but is characterized in that a field reset charge adjustment period is further provided prior to the field reset period. is there.
[0074]
At the end of the first field or the second field, the state of charge in each cell varies. This is because the discharge state for each field differs depending on the cell. If wall charges having a polarity opposite to the applied pulse for field reset remain at the start of the field reset period, the effective voltage of the applied pulse is lowered, and stable field reset becomes difficult. . For example, in the example of FIG. 3, when positive wall charges (or negative wall charges on the X2 electrode) remain on the Y1 electrode, the effective voltage applied between the Y1 and X2 electrodes decreases. , Stable discharge becomes impossible.
[0075]
In this embodiment, a field reset charge adjustment period is provided prior to the field reset period, and wall charges having the same polarity are actively formed with respect to pulses applied in the field reset period.
[0076]
FIG. 9 is a specific waveform diagram. In the field reset charge adjustment period, first, a negative pulse is applied to the X1 electrode, and a positive pulse is applied to the Y1 electrode. The sum of the voltage Vwx applied to the X1 electrode and the voltage Vwy applied to the Y1 electrode exceeds the discharge start voltage of the cell, and discharge in all cells is started. At this time, since the pulse applied to the Y1 electrode is a dull pulse in which the amount of voltage change per unit time changes, this discharge becomes a weak discharge like the first discharge in the reset period, and the reduction in contrast can be suppressed. Due to this overall discharge, negative wall charges are accumulated on the Y1 electrode. However, the wall charge accumulated here is a large amount, and when it shifts to the field reset period as it is, the discharge becomes too large due to the superposition of the wall charge, so that a negative erase pulse is continuously applied to the Y1 electrode. Adjust the amount of accumulated wall charge. This negative pulse is also a dull pulse in which the amount of voltage change per unit time changes.
[0077]
As a result, an appropriate amount of negative wall charge is accumulated at the end of the field reset charge adjustment period. By shifting to the field reset period in this state, the formed wall charges are superimposed on the applied pulse, and the field reset can be executed reliably.
[0078]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to suppress a decrease in contrast, and it is possible to reliably perform reset discharge and subsequent erase discharge on all display lines. As a result, the state of all the cells can be made uniform uniformly in the reset period, stable address discharge can be realized, and erroneous display can be prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a waveform diagram showing a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a frame configuration in the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a waveform diagram showing field reset in the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a waveform diagram showing a second embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a waveform diagram showing a third embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a waveform diagram showing a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a waveform diagram showing a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a diagram showing a frame configuration in a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a waveform diagram showing a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a schematic configuration diagram of a surface discharge type PDP.
11 is a cross-sectional view taken along the address electrode A1 of the PDP of FIG.
12 is a diagram showing a frame configuration in the PDP of FIG.
13 is a waveform diagram showing a conventional driving method in the PDP of FIG.
[Explanation of symbols]
1 PDP
2 Bulkhead
3 Front substrate
4 Back substrate
X1, X2, X3 ..., Y1, Y2, Y3 ... Sustain discharge electrodes
A1, A2, A3 ... Address electrodes
L1, L2, L3 ... Display line
Claims (5)
前記リセット期間において、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が増大する正極性の第1のパルスを印加すると共に前記第1の電極に負極性のパルスを印加し、前記第1および第2の電極間で第1の放電を発生させる工程と、
次いで、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が減少する負極性の第2のパルスを印加すると共に前記第1の電極に正極性のパルスを印加し、前記第1および第2の電極間で第2の放電を発生させる工程とを含むことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。A plurality of parallel first and second electrodes are disposed adjacent to each other, and a plurality of third electrodes are disposed so as to intersect the first and second electrodes. A method for driving a plasma display panel, in which a discharge cell is defined, and includes a reset period, an address period, and a sustain discharge period,
In the reset period, a positive first pulse whose applied voltage value increases with time is applied to the second electrode, a negative pulse is applied to the first electrode, and the first electrode Generating a first discharge between the first and second electrodes;
Next, a negative second pulse whose applied voltage value decreases with the passage of time is applied to the second electrode, and a positive pulse is applied to the first electrode . And a step of generating a second discharge between the two electrodes. A method for driving a plasma display panel, comprising:
前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が増大する第1のパルスを印加し、第1の放電を発生させる工程と、次いで、前記第2の電極に時間の経過に伴って印加電圧値が減少する第2のパルスを印加し、第2の放電を発生させる工程とを含み、前記第2のパルスの印加により到達する電極電位は、前記アドレス期間における該電極の選択電位より高く、該電極の非選択電位より低いことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。A plurality of parallel first and second electrodes are disposed adjacent to each other, and a plurality of third electrodes are disposed so as to intersect the first and second electrodes. A reset period and an address period And a plasma display panel driving method having a sustain discharge period, in the reset period,
Applying a first pulse whose applied voltage value increases with time to the second electrode to generate a first discharge; and then applying time to the second electrode with time Applying a second pulse whose applied voltage value decreases to generate a second discharge, and the electrode potential reached by the application of the second pulse is greater than the selection potential of the electrode in the address period A driving method of a plasma display panel, which is high and lower than a non-selection potential of the electrode.
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