JP3711261B2 - 差込プラグ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、先端側がコンセント等への差込となり他端側が電線コードの絶縁心線に接続された2組の栓刃と、この栓刃を平行に揃えた状態で前記絶縁心線との接続部を含む栓刃の他端側を被覆固定する樹脂成形体とからなる差込プラグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種差込プラグは、電気機器の電源用として用いられることが多く、例えば図5に示すように、差込プラグ31は、栓刃2 (2A、2B)と軟質樹脂成形体32とを主な構成部分としている。栓刃2は、その先端側2aがコンセント等 (図示せず)への差込となり、その他端側2bには、電線コード3の各絶縁心線4(4A、4B)の導体7a、7bをかしめ等で保持する保持部2hとネック部2nが形成されている。そして、軟質樹脂成形体32は、平行に揃えられた栓刃2の接続部2s(保持部2hやネック部2n)を含む他端側2bを、電線コード3の各絶縁心線4A、4B及びシース9とともに一体的に被覆固定している。
この軟質樹脂成形体32は軟質PVC等からなり、栓刃2の自由度を確保して栓刃2の差込時の曲げ応力や衝撃を吸収するようになっている。
【0003】
このような差込プラグをコンセント等に差し込むときはもちろんのこと、コンセント等から引き抜くときも樹脂成形体を手で持って、引き抜くことが好ましいが、使用者によっては、電線コードの部分をもって引き抜くこともあり、強く引き抜いた場合等に軟質樹脂成形体32が柔らかいため、栓刃の保持部2hに保持された絶縁心線4A、4Bの導体7a、7bに強い張力が作用して、導体7a、7bが断線することがある。
また、使用者がプラグを強く左右に振らせた場合等に、曲げ荷重が栓刃の深くまで及び、最も薄い部分であるネック部2nに強い曲げ応力が発生し、このネック部2nが折れるということもある。このように、通常の使い方より苛酷な使い方をされるような場合には、差込プラグの寿命が短くなるという問題点があった。
【0004】
そこで、本出願人は、先に図4に示す差込プラグ21を開発した(実用新案登録第2533907号)。この差込プラグ21は、先端側2aがコンセント等への差込となり他端側2bが電線コード3の絶縁心線4(4A、4B)に接続された2組の栓刃2 (2A、2B)と、樹脂成形体とからなる。この樹脂成形体を、各栓刃2 (2A、2B)の接続部2s(保持部2hやネック部2n)を含む他端側を個別に被覆固定する被覆固定部5A、5Bと、それらを互いに屈曲可能に接続するブリッジ5Cとからなる硬質樹脂製内部成形体5と、この内部成形体5を被覆固定する軟質樹脂製外部成形体6とで構成されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
各栓刃2A、2Bの接続部2sを含む他端側を個別に被覆固定する被覆固定部5A、5Bと、それらを互いに屈曲可能に接続するブリッジ5Cとからなる内部成形体5が硬質樹脂製であるため、使用者が電線コード3の部分をもって乱暴に引き抜くことがあっても、接続部2sでの断線は防止され、また被覆固定部5A、5Bを互いに接続するブリッジ5Cが屈曲可能であり、かつ内部成形体5を被覆固定する外部成形体6が軟質樹脂製であるため、栓刃2の自由度が確保され、寿命が改善された。しかし、まだまだ十分とはいえず、特に電線コード3の導体7a、7bの断面積が小さい場合には、満足できる寿命が得られなかった。
【0006】
すなわち、使用される電線コードの種類は多様であり、導体断面積も0.75mm2から5.5mm2までさまざまなものがあるが、後述する衝撃引張テスト等で評価される機械的強度は、導体断面積が小さいものほど当然弱くなる。一方使い方の面では、導体断面積が小さいからといって、さほど手加減されるわけではないので、差込プラグに加わる衝撃引張テストで評価されるような外力の最大値は、導体断面積に比例して小さくはならない。したがって、電気機器メーカ等では差込プラグに対する衝撃引張テストの規格値を導体断面積の如何に関わらず一定値以上とするのが普通であり、これに対し導体断面積の小さい差込プラグではこの規格値に対する余裕が小さくなり、これを改善することが求められていた。
【0007】
本発明の請求項1乃至4に記載の発明は、この問題点を解消し、栓刃の先端側と電線コードとの間に強い衝撃引張力が加わるような苛酷な使い方をされる場合でも寿命が長く、特に電線コードの導体7a、7bの断面積が小さい場合でも満足できる寿命が得られる差込プラグの提供を課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、
先端側がコンセント等への差込となり他端側が電線コードの絶縁心線の導体との接続部となった2組の栓刃と、この栓刃を平行に揃えた状態で前記絶縁心線との接続部を含む栓刃の他端側を被覆固定する樹脂成形体とからなる差込プラグにおいて、
前記樹脂成形体は、各栓刃の前記接続部を個別に被覆固定する被覆固定部とこの個別の被覆固定部を互いに屈曲可能に接続するブリッジとを有する硬質樹脂製内部成形体と、この内部成形体を被覆固定する軟質樹脂製外部成形体とで構成され、
導体上に絶縁体を被覆してなる前記絶縁心線を、前記導体と前記ブリッジとの間に少なくとも前記絶縁心線の前記絶縁体が介在するように、前記ブリッジの周りに巻き回した状態で前記内部成形体とともに前記外部成形体で被覆固定してなることを特徴とする。
ここに、「絶縁心線をブリッジの周りに巻き回した状態」とは、「絶縁心線をブリッジに接するように巻き回した状態」に限定されるものではなく、「外部成形体で被覆固定したとき、絶縁心線とブリッジとの間に外部成形体の軟質樹脂が介在するような空間を設けて巻き回した状態」を含む。
【0009】
上記のように、電線コードの絶縁心線を、導体とブリッジとの間に少なくとも絶縁心線の絶縁体が介在するように、内部成形体のブリッジの周りに巻き回した状態で内部成形体とともに外部成形体で被覆固定してあるので、栓刃と電線コードとの間に衝撃的な強い引張力や強い曲げが加わっても、ブリッジや絶縁体によってその力が緩和され、ブリッジの屈曲によって被覆固定部に加わる応力は軟質樹脂製外部成形体によって緩和されるので栓刃と絶縁心線の導体との接続部に加わる力は小さくなり全体としても応力が分散され、局部に集中することがない。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の差込プラグにおいて、
前記絶縁心線を前記ブリッジの周りに巻き回すに際し、前記絶縁心線と前記ブリッジとの間に前記外部成形体の軟質樹脂が介在するような空間を設けて巻き回した状態で、前記内部成形体とともに前記外部成形体で被覆固定してなることを特徴とする。
【0011】
上記のように、絶縁心線とブリッジとの間に空間を設けて、外部成形体の軟質樹脂がその空間に介在するようにしているので、栓刃と電線コードとの間に加わった衝撃的な強い引張力や強い曲げが、絶縁心線とブリッジとの間に介在する外部成形体によって更に緩和される。よって、栓刃と絶縁心線の導体との接続部に加わる力は小さくなり全体としても応力が分散され、局部に集中することがない。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の差込プラグにおいて、
前記ブリッジは、前記二つの被覆固定部との接続部を有する基部と、基部のほぼ中間に設けられたセパレータとからなり、前記2本の絶縁心線は、それぞれ前記セパレータの両側の基部の周りに分離して巻き回した状態で前記内部成形体とともに前記外部成形体で被覆固定してなることを特徴とする。
【0013】
上記のように、内部成形体のブリッジが、二つの被覆固定部との接続部を有する基部と、そのほぼ中間に設けられたセパレータとを有するものとし、2本の絶縁心線を、セパレータで分離して巻き回すようにすると、万一導体の素線の一部が断線して絶縁体から突き出るということがあっても、2本の絶縁心線はセパレータで隔離されているので、導体間の短絡は防止される。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか記載の差込プラグにおいて、
前記ブリッジは、前記栓刃から前記絶縁心線の導体が露出する部分に相当する位置で前記被覆固定部を接続するものであることを特徴とする。
【0015】
上記のように、ウィークポイントのひとつである栓刃の他端側から前記絶縁心線の導体が露出する部分に相当する位置でブリッジが二つの被覆固定部を接続するものとすると、その接続部が支点となるから,外力がブリッジに加わったときにこの部分に生じる応力は最小となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第1の実施の形態の説明図であり、図1(a) は平面図、図1(b)は側面図、図1(c) は正面図、図1(d) は、図1(a) のX−X断面矢視図である。図2は、第2の実施の形態の説明図であり、第1の実施の形態と異なる内部成形体の部分のみを示すものである。図2(a) は内部成形体の平面図、図2(b) は、図2(a) のY−Y断面矢視図、図2(c) は同X−X断面矢視図である。いずれも、栓刃2 (2A、2B)、電線コード3については、図4の差込プラグと同様のものであるから同じ符号で示し、説明を省略する。
【0017】
先ず、図1に基づいて第1の実施の形態について説明する。
図1において、差込プラグ1は、図4の差込プラグ21と同様、先端側がコンセント等への差込となる2組の栓刃2 (2A、2B)と,絶縁心線4 (4A、4B)の導体7a、7bが各栓刃2A、2Bに接続された電線コード3と、硬質樹脂製内部成形体5と、軟質樹脂製外部成形体6とで構成されている。
ここに、電線コード3は、例えば導体7a、7b上に絶縁体8a、8bを被覆した絶縁心線4A、4Bを撚り合わせ、その上にシース9を被覆したものであり、端部のシース9を剥いで絶縁心線4A、4Bを露出させ、さらに、導体7a、7bを露出させて、栓刃2の保持部2hに挿入して例えばかしめて接続する。
【0018】
硬質樹脂製内部成形体5は、2組の栓刃2A、2Bの他端側2b(接続部2sを含む)を被覆固定する個別の被覆固定部5A、5Bと、この個別の被覆固定部5A、5Bを互いに屈曲可能に接続するブリッジ5Cとで構成される。
被覆固定部5A,5Bは、接続部2sを構成する保持部2hやネック部2nなどを含む栓刃2の他端側2bの一部や栓刃2の他端側2bから導体7a、7bが露出する部分7nなどを含む絶縁心線4の弱い部分全体を被覆固定し、補強材として作用するようになっている。5dはネック部2nの補強をより確実とするための他の部分より径を大きくした拡径部である。つぎに、ブリッジ5Cは被覆固定部5A,5Bを連結し、ブリッジ5Cの弾力によって被覆固定部5A,5Bを屈曲自在に接続している。被覆固定部5A,5Bとブリッジ5Cは射出成形等により一体的な硬質樹脂製内部成形体5として成形されている。この硬質樹脂製内部成形体5は例えばポリプロピレンからなり、例えば軟質ポリ塩化ピニールの軟質樹脂製外部成形体6に比較して硬い樹脂である。なお、この硬質樹脂製内部成形体5は保持部2hの発熱に耐える耐熱樹脂とすることが望ましい。
【0019】
このように栓刃2と接続された導体7a、7bを有する絶縁心線4を内部成形体5によって被覆固定したのち、さらに外部成形体6で被覆固定するに際し、絶縁心線4A、4Bを、導体7a、7bとブリッジ5Cとの間に少なくとも絶縁心線4A、4Bの絶縁体8a、8bが介在するように、且つ、絶縁心線4A、4Bとブリッジ5Cとの間に外部成形体6の軟質樹脂が介在するような空間を設けて、ブリッジ5Cの周りに巻き回し、その状態で外部成形体6で被覆固定する。電線コード3は、この巻き回し分を見込んで絶縁心線4をあらかじめ長い目に露出させておく必要があることはいうまでもない。
【0020】
軟質樹脂製外部成形体6は、例えば軟質PVCの射出成形により内部成形体5、絶縁心線4A、4Bの露出部及びシース9の端部を含め一体に被覆固定する。
【0021】
上記のように構成された差込プラグ1は、電線コード3の絶縁心線4を、導体7a、7bとブリッジ5Cとの間に少なくとも絶縁心線4A、4Bの絶縁体8a、8bが介在するように、内部成形体5のブリッジ5Cの周りに巻き回した状態で内部成形体5とともに外部成形体6で被覆固定してあるので、栓刃2と電線コード3との間に衝撃的な強い引張力や強い曲げが加わっても、ブリッジ5Cや絶縁体8a、8bによってその力が緩和され、ブリッジ5Cの屈曲等によって被覆固定部5A、5Bに加わる応力は軟質樹脂製外部成形体6によって緩和されるので栓刃2と絶縁心線4の導体7a、7bとの接続部2hに加わる力は小さくなり全体としても応力が分散され、局部に集中することがない。
【0022】
また、絶縁心線4A、4Bとブリッジ5Cとの間に空間を設けて、外部成形体6の軟質樹脂がその空間に介在するようにしているので、栓刃2と電線コード3との間に加わった衝撃的な強い引張力や強い曲げが、絶縁心線4A,4Bとブリッジ5Cとの間に介在する外部成形体6によって更に緩和される。
【0023】
したがって、乱暴な使い方されるような場合でも電線コード3の導体7a、7bに断線を生じるおそれがなく、寿命が長くなる。特に、衝撃引張テストで評価される衝撃引張特性の向上が大きく、電線コードの導体7a、7bの断面積が小さい場合でも十分に満足できる寿命が得られる。
【0024】
次に、図2に基づいて、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図2は、第1の実施の形態と異なる内部成形体のみを示している。図2において、内部成形体15は被覆固定部15A、15Bと、被覆固定部15A、15Bを互いに屈曲可能に接続するブリッジ15Cとで構成され、二つの被覆固定部15A、15Bとの接続部15CA、15CBを有する基部15bと、基部15bのほぼ中間に設けられたセパレータ15sとからなる。絶縁心線4A、4Bは、図示していないが、セパレータ15sの両側の基部15b、15bの周りに分離して巻き回した状態で、内部成形体15とともに外部成形体6で被覆固定される。すなわち、図1の差込プラグ1において、内部成形体5をこの内部成形体15に置き換えたものが、第2の実施の形態である。
【0025】
このようにすると、2本の絶縁心線4A、4Bが、それぞれセパレータで分離して巻き回されているので、万一導体の素線の一部が断線して絶縁体から突き出るということがあっても、セパレータで隔離されているため、導体間の短絡は防止される。したがって、短絡に伴う他の事故や損傷を起こす心配もない。
【0026】
また、セパレータ15sは、絶縁心線4A、4Bがブリッジ15Cの基部15bに巻き回された部分を最小のスペースで隔離し得る円板状とするのが好ましいが、隔離機能を有するものであればよく、形状は限定されない。
【0027】
第1、第2の実施の形態において、ブリッジ5C又は15Cが被覆固定部5A、5B又は15A、15Bを接続する位置は、被覆固定部の先端側でも後端側でもよいが、絶縁心線4を巻き回したときに、その絶縁体8a、8bの外周が被覆固定部の先端からはみでないことが好ましく、拡径部5d、15dのあたりから後端までの間に設けるのが好ましい。特に、栓刃2から絶縁心線4の導体7a、7bが露出する部分7nに相当する位置で被覆固定部を接続するのが好ましい。そのようにすると、その接続部が支点となるから,外力がブリッジに加わったときにこの部分に生じる応力は最小となる。したがって、絶縁心線をブリッジに巻き回したことがこのウイークポイントに影響するおそれがなく、しかも栓刃の方からこのウイークポイントに曲げ荷重が加わることも防止される。
【0028】
【実施例】
次に、本発明の差込プラグと従来の差込プラグとを対比して衝撃引張特性の改善度について説明する。
テストに供した差込プラグの実施例は、図1に示す第1の実施の形態の差込プラグ1であり、従来例は、図4に示す差込プラグ21である。実施例も従来例も導体断面積が0.75mm2のものと1.25mm2のものとの2種類の試験試料5個づつを作製し、それぞれについて衝撃テストを行つた。電線コード3は2心のビニルキャブタイヤコードとし、内部成形体はポリプロピレン、外部成形体は軟質PVCとした。
【0029】
なお、衝撃引張テストの試験方法は、UL─817によった。すなわち、図3に示すように、差込プラグ1の栓刃2が斜め45°上方に向くように設けられたコンセント32に差し込み、電線コード3の下端を、支柱Hの上端に設けられたチャックCに取り付け1.1kgの錘り31を178mmの高さから落とした時の衝撃を繰り返し加えて、電線コード3の導体が断線に至るまでの回数を測定した。
【0030】
差込プラグの電線コードの絶縁心線の構造及び衝撃引張テストの各5個の試料の平均値は表1に示すとおりである。シース厚さはいずれも1.0mmである。
なお、衝撃引張試験結果が実施例1の場合300回以上、実施例2の場合500回以上とあるのは、300回又は500回で、電線コード3のシース9がチャックCで挟持した位置9cで破損したので、繰り返しテストはそれで打ち切ったが、その時点でも電線コードに異常は生じなかったことを示している。
【0031】
【表1】
【0032】
表1から明かなように、衝撃引張テストの結果を比率でみると、
イ、導体断面積が0.75mm2の場合、実施例は比較例の5.3倍以上、
ロ、導体断面積が1.25mm2の場合、実施例は比較例の1.9倍以上
に改善されていることがわかる。
しかも、導体断面積が小さい方が改善率は高く、絶対値でくらべても、実施例1(導体断面積が0.75mm2)は300回でも断線せず、比較例2(導体断面積が1.25mm2)の260回を十分上回っている。衝撃引張特性を導体断面積の如何に関わらず一定値以上とする規格に余裕を持ったものにしたいという電気機器メーカや使用者の要望に応えるものとなっている。
【0033】
【発明の効果】
以上に述べたとおり、請求項1記載の発明によれば、
電線コードの絶縁心線を、導体とブリッジとの間に少なくとも絶縁心線の絶縁体が介在するように、内部成形体のブリッジの周りに巻き回した状態で内部成形体とともに外部成形体で被覆固定してあるので、栓刃と電線コードとの間に衝撃的な強い引張力や強い曲げ荷重が加わっても、ブリッジや絶縁体によってその力が緩和され、ブリッジの屈曲によって被覆固定部に加わる応力は軟質樹脂製外部成形体によって緩和されるので栓刃と絶縁心線の導体との接続部に加わる力は小さくなり全体としても応力が分散され、局部に集中することがない。したがって、苛酷な使い方をされても、電線コード3の導体7a、7bに断線を生じるおそれがなく、寿命が長くなる。特に、衝撃引張テストで評価される衝撃引張特性の向上度が大きく、電線コードの導体7a、7bの断面積が小さい場合でも十分に満足できる寿命が得られるという効果がある。
【0034】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、
絶縁心線とブリッジとの間に空間を設けて、外部成形体の軟質樹脂がその空間に介在するようにしているので、栓刃と電線コードとの間に加わった衝撃的な強い引張力や強い曲げが、絶縁心線とブリッジとの間に介在する外部成形体によって更に緩和される。よって、栓刃と絶縁心線の導体との接続部に加わる力は小さくなり全体としても応力が分散され、局部に集中することがない。
【0035】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、
内部成形体のブリッジが、二つの被覆固定部との接続部を有する基部と、そのほぼ中間に設けられたセパレータとを有し、2本の絶縁心線が、それぞれセパレータで分離して巻き回されており、万一導体の素線の一部が断線して絶縁体から突き出るということがあっても、2本の絶縁心線はセパレータで隔離されているので、導体間の短絡は防止される。したがって、短絡に伴う他の事故や損傷を起こす心配もない。
【0036】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれか記載の発明の効果に加えて、
ウィークポイントのひとつである栓刃の他端側から前記絶縁心線の導体が露出する部分に相当する位置で二つの被覆固定部がブリッジによって接続され、その接続部が支点となるから,外力がブリッジに加わったときにこの部分に生じる応力は最小となる。したがって、絶縁心線をブリッジに巻き回したことがこのウイークポイントに影響するおそれがなく、しかも栓刃の方からこのウイークポイントに曲げ荷重が加わることも防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の差込プラグの第1の実施の形態を示す説明図である。
【図2】 本発明の差込プラグの第2の実施の形態の内部成形体の説明図である。
【図3】 差込プラグの衝撃引張テストの説明図である。
【図4】 従来の差込プラグの一例の説明図である。
【図5】 従来の差込プラグの他の例の説明図である。
【符号の説明】
1 差込プラグ
2(2A、2B) 栓刃
3 電線コード
4(4A、4B) 絶縁心線
5、15 硬質樹脂製内部成形体
5A、5B、15A、15B 被覆固定部
5C、15C ブリッジ
6 軟質樹脂製外部成形体
7a、7b 導体
8a、8b 絶縁体
9 シース
Claims (4)
- 先端側がコンセント等への差込となり他端側が電線コードの絶縁心線の導体との接続部となった2組の栓刃と、この栓刃を平行に揃えた状態で前記絶縁心線との接続部を含む栓刃の他端側を被覆固定する樹脂成形体とからなる差込プラグにおいて、
前記樹脂成形体は、各栓刃の前記接続部を個別に被覆固定する被覆固定部とこの個別の被覆固定部を互いに屈曲可能に接続するブリッジとを有する硬質樹脂製内部成形体と、この内部成形体を被覆固定する軟質樹脂製外部成形体とで構成され、
導体上に絶縁体を被覆してなる前記絶縁心線を、前記導体と前記ブリッジとの間に少なくとも前記絶縁心線の前記絶縁体が介在するように、前記ブリッジの周りに巻き回した状態で前記内部成形体とともに前記外部成形体で被覆固定してなることを特徴とする差込プラグ。 - 請求項1記載の差込プラグにおいて、
前記絶縁心線を前記ブリッジの周りに巻き回すに際し、前記絶縁心線と前記ブリッジとの間に前記外部成形体の軟質樹脂が介在するような空間を設けて巻き回した状態で、前記内部成形体とともに前記外部成形体で被覆固定してなることを特徴とする差込プラグ。 - 請求項1又は2記載の差込プラグにおいて、
前記ブリッジは、前記二つの被覆固定部との接続部を有する基部と、基部のほぼ中間に設けられたセパレータとからなり、前記2本の絶縁心線は、それぞれ前記セパレータの両側の基部の周りに分離して巻き回した状態で前記内部成形体とともに前記外部成形体で被覆固定してなることを特徴とする差込プラグ。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の差込プラグにおいて、
前記ブリッジは、前記栓刃から前記絶縁心線の導体が露出する部分に相当する位置で前記被覆固定部を接続するものであることを特徴とする差込プラグ。
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