JP3710996B2 - 電話機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話機に関する。特に、本発明は、電話機の本体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電話機は、表面に表示部を備えるものがほとんどである。表示部は、通常は液晶表示パネルにより構成される表示パネルと、該表示パネルの外側に該表示パネルに対して間隔をもって配置された透明保護板とからなる。この表示部は、発呼時にはダイヤル入力された相手方電話番号を表示し、他の場合にはその都度、種々の表示を行う。
【0003】
一般に、表示部は、表示パネルの大きさが十分でなく、その割に表示される情報量が多いため、表示が見難くなることがしばしば経験される。特に携帯電話機の場合には、表示パネルのサイズは極めて小さく、表示される文字も小さくならざるを得ないため、表示の読み取りが困難である。
【0004】
また、最近の傾向として、携帯電話機においては、表示パネルをカラー化したり、透明保護板を着色することにより、商品性を高めるようにしたものが多くなっている。しかし、携帯電話機は、全体が小型であるため、電話機自体に装飾機能を持たせるには限界がある。さらに、携帯電話機の場合には、その置き場所が定まっていないので、特に夜間などは、見つけるのが容易でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第一の課題は、表示部を有する電話機において、表示の読み取りが困難である、という従来経験された問題を解消するか、少なくとも大幅に軽減することである。
【0006】
本発明の他の課題は、電話機に安価かつ容易に装飾を持たせることができるようにすることである。
【0007】
本発明のさらに別の課題は、携帯電話機に夜光性塗料を施して夜間でも見つけ易いようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様による電話機は、表示パネルと前記表示パネルの外側に該表示パネルに対して間隔をもって配置された透明保護板とからなる表示部を備える。そして、透明保護板は、表側が凸面の凸レンズとして形成され、表示パネルに面する裏面が凸レンズ機能を備えたフレネルレンズとして形成される。
【0009】
本発明のこの構成によれば、表示部の透明保護板が拡大レンズ機能を備えるので、表示パネルに表示される文字や記号等が拡大され、表示パネルが小さい場合でも読み取りが容易になる。読み取りのために十分な拡大倍率の凸レンズを透明保護板に形成すると、凸レンズ部の厚さが大きくなり、携帯電話機のように小型化が絶対条件となる製品では、実用上問題がある。また、凸レンズ部をフレネルレンズのみで形成すると、必要な拡大倍率を得るためには、フレネル角度が大きくなり過ぎて好ましくない。本発明の上述の構成では、凸レンズとフレネルレンズを組み合わせ、透明保護板の表面に凸レンズを形成し、裏面にフレネルレンズを形成したので、保護板の厚さを抑制しながら必要な拡大倍率を得ることが可能になる。さらに、保護板の表面が凸レンズであり、裏面がフレネルレンズであるため、保護板の表面の滑らかな感触が維持され、かつ、フレネルレンズの溝にゴミが付着することもない。
【0010】
本発明の他の態様による電話機においては、透明保護板は、表示パネルに対応する透明部と該透明部の外側の周辺部とからなり、透明部は、表側が凸面の凸レンズとして形成され、表示パネルに面する裏面が凸レンズ機能を備えたフレネルレンズとして形成され、周辺部には塗装が施されたことを特徴とする。この塗装層は、通常の塗料の塗布又はシルク印刷等によって形成できる。また、この塗装層の形成に蛍光塗料を使用することにより、周囲が暗い状態でも電話機の所在を容易に認識することができるようになり、携帯電話機の場合には非常に便利である。この態様による電話機は、表示部の透明保護板の周辺部を装飾目的に利用でき、廉価でかつ容易に装飾機能を得ることが可能になる。
【0011】
本発明の更に他の態様による電話機は、透明保護板は、表示パネルに対応する透明部と該透明部の外側の周辺部とからなり、該周辺部は透明材料により形成され、該周辺部の裏面には接着剤層の上に分散散布された色付き又は光沢性の微細片と該色付き又は光沢性の微細片の上から施された塗装層とが形成される。この場合、表示パネルに対応する保護板の透明部は、表側に凸レンズを、表示パネルに面する裏面に凸レンズ機能を備えたフレネルレンズを形成することができる。周辺部は、表側が透明保護板の表面により得られる光沢面であり、該透明保護板を通して色付き又は光沢性の微細片と塗装層が透視できるので、外側の見栄えが良くなる。さらに、この塗装は、通常の塗装と変わりはなく、光沢塗装に比べて非常に安価に形成できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図は、本発明を携帯電話機に実施した例を示すものである。図示の携帯電話機1は、ポリカーボネートやABS樹脂のようなプラスチック材料の成形により形成された裏側本体2と表側本体3とからなる電話機本体4を備える。裏側本体2には、上方に向かって伸縮自在なアンテナ2aが設けられている。表側本体3には、通常の携帯電話機におけると同様にダイヤルその他の操作ボタン5が配置されている。
【0013】
表側本体3は又、矩形形状の表示窓3aを備え、この表示窓3aに液晶表示パネル6が配置されている。表側本体3には、表示窓3aを囲む領域に凹部7が形成され、この凹部7に透明保護板8が嵌め込まれている。透明保護板8は、アクリル樹脂やポリカーボネートのようなプラスチック材料により形成することが好ましいが、他の透明材料により形成することも勿論可能である。
【0014】
図示の実施形態では、保護板8は、表側本体3の表示窓3aに配置された表示パネル6に対応する位置に、該表示パネル6とほぼ同じ大きさ及び形状の透明部8aを有し、該透明部8aの周辺に周辺部8bを有する。透明部8aは、図4に示すように、表示パネル6の面から所定の距離Dだけ離れて配置される。図示例では、この距離Dは約3mmである。
【0015】
図6に示すように、透明部8aの表側は、凸状の球面凸レンズを形成する。通常の携帯電話機の表示パネル寸法である30mm x 23mm程度の表示パネル寸法の場合、上述のプラスチック材料を使用し、かつ、携帯電話機の携帯性を考えてレンズ中心部厚さを約3mmとすると、この凸レンズは、焦点距離が約124 mmになり、上述の距離Dを3mmとした場合には、表側の凸レンズだけで約2.5 %の拡大倍率が得られる。
【0016】
保護板8の透明部8aには、裏側に球面凸レンズ機能を有する同心円フレネルレンズ8cが形成されている。フレネルレンズ8cは、光学中心が表示パネル6の図形中心にほぼ重なるように配置される。フレネルレンズ8cは、表示パネル6に表示される文字や記号等の視認性を損なわないようにするために、出来る限り小ピッチの構成にすることが望ましい。望ましいフレネルレンズのフレネルピッチは、0.2 mm以下である。このフレネルレンズ8cと表側の凸レンズとの合成作用により、全体としての拡大倍率を高めることができる。発明者の試算では、拡大倍率を約7.5 %にすることが可能である。
【0017】
透明保護板8の周辺部8bには裏面に接着剤層9が形成され、該接着剤層9の上に例えば光沢性金属箔のような微細片10が分散配布され、その上に、通常の塗料による塗装層11が形成される。周辺部8bは、表側から見たとき、該周辺部8bを構成する透明保護板8の材料が光沢性の表面を形成し、塗装層11の色やその上に分散配布された微細片10が表側から透視できるので、いわゆる光沢塗装に似た外観が得られる。そして、この塗装は、光沢塗装に比べて安価に形成でき、実用性が高い。
【0018】
透明保護板8の周辺部8bの裏面には、上述した接着剤層9と、その上に分散配布された微細片10及び塗装層11に代えて、図8に符号12で示すように、通常の塗料による塗装を施すこともできる。この場合、塗装を夜光性塗料により行うこともできる。すなわち、塗料に蓄光性材料を重量割合で5%ないし10%の範囲で含有させ、電話機本体は太陽光や蛍光灯の光の刺激を受けてエネルギを吸収し、夜間でも発光するように構成することができる。この構成を採用することにより、電話機を夜間の暗がりでも発見し易くなり、携帯電話機などの場合に便利である。
【0019】
さらに、周辺部8bの裏面にシルク印刷により着色したり、模様を施したりすることも可能である。表示の拡大機能のみを得ることが望まれる場合には、透明保護板8には、周辺部8bを設けず、レンズ機能をもった透明部8aのみで保護板8を形成してもよい。
【0020】
以上、本発明の実施形態を携帯電話機について説明したが、本発明は、表示部を備える電話機であれば、その種類を問わず適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による携帯電話機の斜視図である。
【図2】 図1に示す携帯電話機の正面図である。
【図3】 図1の携帯電話機から透明保護板を外した状態を示す斜視図である。
【図4】 図1の携帯電話機を一部断面で示す側面図である。
【図5】 図1の携帯電話機に使用される透明保護板の正面図である。
【図6】 透明保護板の断面図である。
【図7】 透明保護板の一部を拡大して示す断面図である。
【図8】 本発明の他の実施形態を示す図7と同様な断面図である。
【符号の説明】
1・・・携帯電話機、4・・・電話機本体、6・・・液晶表示パネル、
8・・・透明保護板、8a・・・透明部、8b・・・周辺部、
8c・・・フレネルレンズ、9・・・接着剤層、10・・・微細片、
11・・・塗装層、

Claims (2)

  1. 表示パネルと、該表示パネルの外側に該表示パネルに対して間隔をもって配置された透明保護板とからなる表示部を備えており、前記透明保護板は、前記表示パネルに対応する透明部と該透明部の外側の周辺部とからなり、前記透明部は、表側が凸面の凸レンズとして形成され、前記表示パネルに面する裏面が凸レンズ機能を備えたフレネルレンズとして形成されており、
    前記周辺部は透明材料により形成され、該周辺部の裏面には接着剤層の上に分散散布された色付き又は光沢性の微細片と該色付き又は光沢性の微細片の上から施された塗装層とが形成されていることを特徴とする電話機。
  2. 請求項1に記載した電話機であって、該電話機は携帯電話機であることを特徴とする電話機。
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