JP3710760B2 - 処理システム、処理装置及び再開処理方法 - Google Patents

処理システム、処理装置及び再開処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、処理装置を複数備える処理システム、その処理システムにおいて使用される処理装置、その処理システムにおいて行われる再開処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロセッサ等の所定の処理を行う処理装置を複数備える処理システムにおいて処理を再開する場合には、処理を再開するための再開処理が代表プロセッサを用いて行われていた。図5は、従来の処理システム301の構成を示すブロック図である。図5に示すように、従来の処理システム301は、通常の処理を行う複数のプロセッサ303a,303bと、処理システム301全体の再開処理を管理する代表プロセッサ302と、複数のプロセッサ303a,303bと、代表プロセッサ302とを接続するバス304とから構成されていた。
【0003】
このような処理システム301では、以下のようにして再開処理が行われていた。図6は、従来の再開処理方法の手順を示すシーケンス図である。図6においては、再開処理の発生元がプロセッサ303bである場合を例にとって説明するが、再開処理の発生元がプロセッサ303aの場合も同様の手順となる。又、図6中の斜線で示された線は、代表プロセッサ302、プロセッサ303a,303bが再開処理実行中の状態であることを表している。図6に示すように、プロセッサ303bで再開処理が起動され、再開処理が発生すると(S201)、プロセッサ303bは、代表プロセッサ302に再開発生を通知する(S202)。代表プロセッサ302は、再開発生の通知を受信することにより、プロセッサ303bで再開処理が発生したことを把握し、自らも再開処理を起動して再開処理を開始する(S203)。
【0004】
次に、代表プロセッサ302は、再開処理の初期段階においては信号が送信可能であるため、全てのプロセッサ303a,303bに対して、プロセッサ303bの再開処理の道連れとなり、再開処理を実行するよう要求する道連れ再開要求の信号を送信する(S204)。プロセッサ303aは、道連れ再開要求の信号を受信すると、再開処理を起動して再開処理を開始し(S205)、道連れ再開要求を受信したことを通知する道連れ再開応答の信号を、代表プロセッサ302に送信する(S206)。プロセッサ303bも、道連れ再開要求の信号を受信すると、すでに再開処理を実行しており再開処理中であっても、再度、再開処理を起動して、2回目となる再開処理を開始する(S207)。そして、プロセッサ303bは、道連れ再開応答の信号を代表プロセッサ302に送信する(S208)。
【0005】
その後、代表プロセッサ302自身の再開処理が完了し(S209)、各プロセッサ303a,303bの再開処理も完了し(S210,S212)、各プロセッサ303a,303bが、その再開処理が完了したことを通知する再開完了通知の信号を、代表プロセッサ302に送信する(S211,S213)。これにより、代表プロセッサ302は、代表プロセッサ302とプロセッサ303a,303bの再開処理が完了したことを把握して、処理システム301全体の再開処理が終了する。
【0006】
このように従来の処理システム301及び再開処理方法では、代表プロセッサ302が、再開処理の発生元のプロセッサ303bから再開発生の通知を受信することにより再開処理の発生を把握し、全てのプロセッサ303a,303bに再開処理を促し、全てのプロセッサ303a,303bから再開完了通知の信号を受信することにより処理システム301全体の再開処理の終了を把握することによって、処理システム301全体の再開処理を一括して管理していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の処理システム301や再開処理方法では、再開処理の発生元となったプロセッサ303bは、最初に再開処理を起動し、再開処理実行中であるにもかかわらず、代表プロセッサ302から道連れ再開要求の信号を受信すると、再度、再開処理を起動してしまい、再開処理を2回実行してしまっていた。そのため、再開処理の処理時間が長引いてしまう問題点があった。更に、いずれのプロセッサ303a,303bで再開処理が発生した場合であっても、プロセッサ303a,303bは、最初に代表プロセッサ302に再開発生の通知処理を行う必要があり、代表プロセッサ302がその通知を受けてから、再開処理をプロセッサ303a,303bに促していた。そのため、再開処理の発生元で再開処理が発生した後、直ちに他のプロセッサが再開処理を開始することができず、これも再開処理の処理時間が長引く要因の一つとなっていた。
【0008】
又、従来の処理システム301や再開処理方法では、処理システム301全体の再開処理を管理するための特別な機能を有した代表プロセッサ302を用意する必要があった。即ち、他のプロセッサ303a,303bは有していない、再開処理の発生元のプロセッサ303bから再開発生の通知を受信して、全てのプロセッサ303a,303bに再開処理を促す機能や、全てのプロセッサ303a,303bから再開完了通知の信号を受信して、処理システム301全体の再開処理の完了を把握する機能を持つ代表プロセッサ302を用意する必要があった。
【0009】
そこで、本発明は、再開処理の処理時間の短縮を実現できる処理システム、処理装置及び再開処理方法を提供することを目的とする。又、他の発明は、処理システム全体の再開処理を管理する代表プロセッサを用意する必要のない処理システム、処理装置及び再開処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る処理システムは、処理を行う処理装置を複数備える処理システムであって、処理を再開するための再開処理を実行する処理手段と、その処理手段の再開処理の実行状態を示す識別手段と、識別手段が再開処理実行中を示す場合には、再開処理を実行しないと判断し、識別手段が再開処理を実行していないことを示す場合には、再開処理を実行すると判断し、その判断結果に基づいて処理手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
このような本発明に係る処理システムによれば、識別手段が、処理手段の再開処理の実行状態を示すため、制御手段は、識別手段から処理手段の実行状態を認識することができる。そして、制御手段は、識別手段が再開処理実行中を示す場合には、再開処理を実行しないと判断し、識別手段が再開処理を実行していないことを示す場合には、再開処理を実行すると判断し、その判断結果に基づいて処理手段を制御する。よって、処理システムは、処理手段が既に再開処理を実行している場合に、重複して再開処理を実行することを回避でき、処理手段が実行する再開処理の回数を1回に抑えることができる。その結果、処理システムは、再開処理の処理時間の短縮を実現できる。
【0012】
更に、処理装置は、複数の処理装置に共通の再開処理を管理する管理手段を備えることが好ましい。これによれば、複数の処理装置の全てが、再開処理を管理する管理手段を備えることにより、処理システムは、処理システム全体の再開処理を管理する代表プロセッサを用意することなく、再開処理を実行することができる。更に、複数の処理装置全てが、複数の処理装置に共通の管理手段を備えるため、処理システムの開発効率を向上させることができる。
【0013】
管理手段は、他の処理装置に再開処理を要求する要求手段を備えることが好ましい。これによれば、ある処理装置が再開処理を起動した場合等に、要求手段が他の処理装置に直ちに再開処理を要求できる。よって、処理システムを構成する複数の処理装置は、相互に再開処理を要求し合うことができる。そのため、処理システムを構成する処理装置に再開処理を促して、処理システム全体の再開処理を管理する代表プロセッサを用意する必要がない。又、処理装置で再開処理が発生した際に、その処理装置は、要求手段によって直ちに他の処理装置に再開処理を促すことができるため、再開処理の処理時間をより一層短縮することができる。
【0014】
又、管理手段は、他の処理装置から再開処理が完了したことの通知を取得する完了通知取得手段を備えることが好ましい。これによれば、完了通知取得手段が、他の処理装置から再開完了の通知を取得することにより、各処理装置は、他の処理装置が再開処理を完了したことを認識することができる。そのため、各処理装置は、処理装置自身の処理手段及び他の処理装置の再開処理が完了したこと、即ち、再開処理を行っていた全ての処理装置の再開処理が完了したことの認識をもって、処理システム全体としての再開処理が完了したと判断することができる。
【0015】
又、識別手段は、再開処理を実行している全ての処理装置の再開処理が完了した際に、再開処理実行中であることを示す状態から再開処理を実行していないことを示す状態に切り替わることが好ましい。これによれば、識別手段は、処理手段の再開処理の実行状態だけでなく、再開処理を実行していた全ての処理装置の再開処理が完了したこと、即ち、処理システム全体としての再開処理が完了したことを示すことができる。
【0016】
更に、処理手段の再開処理のみが完了した時点で、識別手段が再開処理を実行していないことを示す状態に切り替わってしまうと、処理システム中に、再開処理に要する時間が他の処理装置と大きく異なる処理装置があった場合に、次のような問題を生じるおそれがある。例えば、ある処理装置が再開処理の発生元となり、その再開処理の発生に伴って他の処理装置が再開処理を行う一連の再開処理の中で、他の処理装置に比べて大幅に早く再開処理を完了してしまう処理装置があった場合、その処理装置の識別手段が示す実行状態は、他の処理装置がまだ再開処理実行中に、再開処理を実行していないことを示す状態になる。その結果、その処理装置が、処理システムが行う一連の再開処理の途中で他の処理装置から再開処理の要求を受けてしまうと、制御手段が識別手段に基づいて再開処理を実行すると判断してしまい、再度、再開処理が実行されてしまうおそれがある。
【0017】
そのため、再開処理を実行している全ての処理装置の再開処理が完了した際に、即ち、処理システム全体としての再開処理が完了した際に、識別手段が再開処理を実行していないことを示す状態に切り替わることにより、処理システムが行う一連の再開処理の中で、再開処理に要する時間が他の処理装置と大きく異なる処理装置があっても、確実に、再開処理の回数を1回に抑えることができる。
【0018】
識別手段としては、再開処理の実行状態に応じてオンとオフが切り替わるフラグを用いることができる。これによれば、制御手段は、フラグがオンになっているか、オフになっているかを認識するだけで、容易に実行状態を把握することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る処理システム1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、処理システム1は、複数のプロセッサ2a〜2cと、複数のプロセッサ2a〜2cをお互いに接続するバス3とから構成される。
【0020】
処理システム1は、複数のプロセッサ2a〜2cを用いて情報処理等の複数の処理を行う。例えば、処理システム1には、交換機等がある。複数のプロセッサ2a〜2cは、種々の処理を行う処理装置である。複数のプロセッサ2a〜2cは、プロセッサ2a〜2c毎に異なる処理を行ってもよく、全て又は一部のプロセッサ2a〜2cが同一の処理を行ってもよい。プロセッサ2a〜2c毎に異なる処理を行う場合には、処理システム1が行う処理の負荷を、各プロセッサ2a〜2cに分散させることができ、処理システム1が行う処理の負荷分散を図ることができる。又、全て又は一部のプロセッサ2a〜2cが同一の処理を行う場合には、一部のプロセッサに障害が発生した場合に、その障害が発生したプロセッサと同一の処理を行っているプロセッサが、処理を続行することができ、処理システム1が行う処理の危険分散を図ることができる。
【0021】
例えば、プロセッサ2a〜2cには、呼制御を行う呼制御プロセッサ、リソース管理を行うリソース管理プロセッサ、信号処理を行う信号処理プロセッサ、他のプロセッサと同一の処理を行い、障害発生時に備える待機用プロセッサ等がある。又、複数のプロセッサ2a〜2cが行う複数の処理は、全プロセッサ2a〜2cで同時に行ってもよく、時間をずらして行ってもよい。
【0022】
処理システム1のどこかに異常が発生した場合等、処理システム1が行っている処理を再開したい時に、各プロセッサ2a〜2cは、再開処理を実行する。再開処理は、各プロセッサ2a〜2cが処理を再開するために行う処理である。処理システム1は、プロセッサ2a〜2cが再開処理を行うことにより、処理システム1に発生した異常状態を解消することができる。全てのプロセッサ2a〜2cが同時に再開処理を行ってもよく、又、発生した異常等に応じて、その異常等に関連するプロセッサ群が同時に再開処理を行ってもよい。これによれば、全プロセッサ2a〜2c間、又は、関連するプロセッサ間で、リソース状態の整合性を確保することができる。
【0023】
次に、プロセッサ2a〜2cの構成を説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るプロセッサ2aの構成を示す機能ブロック図である。ここで、各プロセッサ2a〜2cは、再開処理を管理する機能については、全てのプロセッサ2a〜2cに共通の機能を有している。そのため、プロセッサ2b,2cも、図2に示され、以下に説明するプロセッサ2aと同様の再開処理を管理する構成を備えている。よって、図2及び以下の説明を、プロセッサ2b,2cについても、そのまま置き換えることができる。但し、図2及び以下の説明を、プロセッサ2bに置き換える場合には、他のプロセッサはプロセッサ2a,2cが該当し、プロセッサ2cに置き換える場合には、他のプロセッサはプロセッサ2a,2bが該当する。
【0024】
図2に示すように、プロセッサ2aは、処理部21と、検出部22と、フラグ23と、要求部24と、応答部25と、完了通知部26と、完了通知取得部27と、制御部28とから構成される。処理部21は、再開処理を実行する処理手段である。又、処理部21は、プロセッサ2aが行う通常の処理も実行する。処理部21が行う再開処理や通常の処理の内容は、プロセッサ2a〜2c毎に異なる場合もあり、同一の場合もある。処理部21は、制御部28の制御に従い、再開処理及び通常の処理を起動し、実行する。又、処理部21は、異常が発生した場合等、自動的に再開処理を起動するために予め定められた条件を満たす場合には、自動的に再開処理を起動する。この場合、そのプロセッサ2aが、再開処理の発生元となる。
【0025】
検出部22と、フラグ23と、要求部24と、応答部25と、完了通知部26と、完了通知取得部27と、制御部28とは、複数のプロセッサ2a〜2cに共通の再開処理を管理する管理手段を構成する。検出部22は、処理部21が自動的に再開処理を起動し、処理部21において再開処理が発生したことや、処理部21が再開処理を完了したことを検出する検出手段である。検出部22は、処理部21を監視し、再開処理の発生や再開処理の完了を検出すると、再開処理の発生や完了を制御部28に通知する。
【0026】
フラグ23は、処理部21が行う再開処理の実行状態を示す識別手段である。フラグ23は、再開処理の実行状態に応じて、オンとオフが切り替わることにより、再開処理の実行状態を示す。フラグ23は、処理部21が再開処理を起動し、再開処理を実行すると、再開処理実行中を示す状態に切り替わる。フラグ23がオンの状態が、再開処理実行中を示す。又、フラグ23は、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了した際に、再開処理を実行していないことを示す状態に切り替わる。フラグ23がオフの状態が、再開処理を実行していないことを示す。尚、フラグ23の初期状態は、オフに設定されている。又、本実施形態では、フラグ23は、示している実行状態、即ち、オンとオフを制御部28によって切り替えられる。但し、フラグ23は、処理部21が再開処理を起動、完了した際に、処理部21によって切り替えられたり、検出部22が再開処理の発生や完了を検出した際に、検出部22によって切り替えられたりしてもよい。又、フラグ23は、処理部21や検出部22等から再開処理の起動や完了の通知を受けたり、フラグ23が処理部21や検出部22を監視したりし、フラグ23自らが実行状態を示す状態の切り替えを行ってもよい。
【0027】
要求部24は、他のプロセッサ2b,2cに再開処理を要求する要求手段である。要求部24は、制御部28から再開処理を要求するよう指示を受けると、他の全てのプロセッサ2b,2cに対して、プロセッサ2aの再開処理の道連れとなり、再開処理を同時に実行する道連れ再開処理を行うよう要求する道連れ再開要求の信号を送信する。又、要求部24は、送信した道連れ再開要求の信号に対する他のプロセッサ2b,2cからの道連れ再開応答の信号を受信する。道連れ再開応答とは、道連れ再開要求の信号を受信した他のプロセッサ2b,2cが、道連れ再開要求の信号を受信したことを、道連れ再開要求の信号を送信してきたプロセッサ2aに通知するものである。要求部24は、送信した道連れ再開要求の信号に対する道連れ再開応答の信号を受信することにより、他のプロセッサ2b,2cが道連れ再開要求の信号を受信したことを確認できる。一方、所定時間が経過しても、他のプロセッサ2b,2cから道連れ再開応答の信号が送信されない場合には、要求部24は、そのプロセッサに対して道連れ再開要求の信号を再送する。
【0028】
応答部25は、他のプロセッサ2b,2cから再開処理の要求を取得する要求取得手段である。応答部25は、他のプロセッサ2b,2cから道連れ再開要求の信号を受信すると、制御部28に他のプロセッサ2b,2cから道連れ再開要求の信号を受信したことを通知する。応答部25は、道連れ再開要求の信号を送信してきた他のプロセッサ2b,2cに、道連れ再開応答を行うよう制御部28から指示を受けると、道連れ再開応答の信号を他のプロセッサ2b,2cに送信する。
【0029】
完了通知部26は、処理部21が再開処理を完了したこと通知する再開完了通知を、他のプロセッサ2b,2cに送信する完了通知手段である。完了通知部26は、制御部28から、他のプロセッサ2b,2cに対して再開処理完了の通知を行うよう指示を受けると、再開完了通知の信号を他のプロセッサ2b,2cに送信する。
【0030】
完了通知取得部27は、他のプロセッサ2b,2cから再開完了通知を取得する完了通知取得手段である。完了通知取得部27は、他のプロセッサ2b,2cから送信されてきた再開完了通知の信号を受信する。完了通知取得部27は、再開完了通知の信号を受信したことを、その再開完了通知の信号を送信してきた他のプロセッサ2b,2cを識別するデータと対応付けて、制御部28に通知する。
【0031】
制御部28は、処理部21を制御する制御手段である。処理部21が行う再開処理については、制御部28は、フラグ23が示す再開処理の実行状態に基づいて、処理部21を制御する。具体的には、制御部28は、フラグ23がオンであり、フラグ23が再開処理実行中を示す場合には、再度、再開処理を起動して再開処理を実行することはしないと判断する。一方、制御部28は、フラグ23がオフであり、フラグ23が再開処理を実行していないことを示す場合には、再開処理を起動し、再開処理を実行すると判断する。そして、制御部28は、その判断結果に基づいて処理部21を制御する。具体的には、再開処理を実行するという判断結果の場合には、制御部28は処理部21に再開処理を実行するよう指示する。再開処理を実行しないという判断結果の場合には、制御部28は、処理部21に対して何もしない。制御部28は、応答部25から、他のプロセッサ2b,2cから道連れ再開要求の信号を受信したことの通知を受ける。その際に、制御部28は、フラグ23が示す再開処理の実行状態を確認し、再開処理を実行するか否かを判断する。
【0032】
制御部28は、フラグ23が再開処理の実行状態を示す状態を切り替える切り替え手段としても機能する。具体的には、制御部28は、検出部22から再開処理の発生の通知を受けると、フラグ23を初期状態のオフから再開処理実行中を示すオンに切り替える。又、制御部28は、応答部25から、他のプロセッサ2b,2cから道連れ再開要求の信号を受信したことの通知を受け、フラグ23が示す再開処理の実行状態を確認した際にフラグ23がオフであり、再開処理を実行すると判断した場合には、処理部21に再開処理を起動させる。よって、このように制御部28が再開処理を実行すると判断した時にも、制御部28は、フラグ23を初期状態のオフから再開処理実行中を示すオンに切り替える。
【0033】
一方、制御部28は、再開処理を実行している全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了した際に、フラグ23を、再開処理実行中を示すオンから再開処理を実行していないことを示すオフに切り替える。具体的には、制御部28は、検出部22から再開処理が完了したことの通知を受け、かつ、完了通知取得部27から、他のプロセッサ2b,2cを識別するデータと対応付けられた再開完了通知の信号を受信したことの通知を、再開処理を行っている全てのプロセッサ2b,2cについて受け取ることにより、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したことを認識できる。制御部28は、この認識をもって、処理システム1全体としての再開処理が完了したと判断することができる。よって、この時、制御部28は、フラグ23をオンからオフに切り替える。
【0034】
又、制御部28は、上記したようにして、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したことを認識すると、処理部21に対して、通常の処理を開始するよう指示する。又、制御部28は、検出部22から再開処理の発生の通知を受けた場合や、制御部28が再開処理を実行すると判断した場合に、要求部24に、他のプロセッサ2b,2cに対して道連れ再開処理を要求するよう指示をする。そのため、処理部21が自動的に再開処理を起動した場合や、処理部21が制御部28の指示に従い再開処理を起動する場合等、処理部21が再開処理を開始した際に、要求部24は、他のプロセッサ2b,2cに道連れ再開処理を要求することができる。
【0035】
又、制御部28は、応答部25から、他のプロセッサ2b,2cから道連れ再開要求の信号を受信したことの通知を受けた際に、応答部25に、道連れ再開要求の信号を送信してきた他のプロセッサ2b,2cに道連れ再開応答を行うよう指示をする。又、制御部28は、検出部21から処理部21が再開処理を完了したことの通知を受けると、完了通知部26に、他のプロセッサ2b,2cに対して再開処理完了の通知を行うよう指示をする。
【0036】
次に、このような処理システム1を用いて行う再開処理方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る再開処理方法の手順を示すシーケンス図である。尚、図3においては、プロセッサ2cが再開処理の発生元である場合を例にとって説明するが、いずれのプロセッサ2a〜2cが再開処理の発生元となった場合でも、同様の手順で再開処理は行われる。又、図3中の斜線で示された線は、フラグ23がオンの状態を表しており、白抜きの線は、フラグ23がオフの状態を表している。
【0037】
再開処理が発生しておらず、通常の処理が行われている間は、いずれのプロセッサ2a〜2cもフラグ23がオフの初期状態となっている(S101)。処理システム1において異常が発生した場合等に、プロセッサ2cの処理部21が自動的に再開処理を起動し、再開処理が発生する(S102)。プロセッサ2cの検出部22は、プロセッサ2cの処理部21において再開処理が発生したことを検出し、プロセッサ2cの制御部28に通知する。プロセッサ2cの制御部28が、プロセッサ2cのフラグ23をオフからオンに切り替えることにより、フラグ23はオンに切り替わる(S103)。その後、プロセッサ2cの制御部28は、プロセッサ2cの要求部24に道連れ再開要求を行うよう指示をし、プロセッサ2cの要求部24は、道連れ再開要求の信号を、プロセッサ2a,2bに送信する(S104)。
【0038】
プロセッサ2a,2bの応答部25は、プロセッサ2cからの道連れ再開要求の信号を受信し、道連れ再開要求の信号を受信したことをプロセッサ2a,2bの制御部28に通知する。プロセッサ2a,2bの制御部28は、プロセッサ2a,2bのフラグ23を確認する(S105)。プロセッサ2a,2bの制御部28は、プロセッサ2a,2bのフラグ23が初期状態のオフのままであるため、再開処理を実行すると判断し、プロセッサ2a,2bのフラグ23をオフからオンに切り替える。これにより、プロセッサ2a,2bのフラグ23はオンに切り替わる。又、プロセッサ2a,2bの制御部28は、処理部21に再開処理を実行するよう指示し、プロセッサ2a,2bの処理部21が再開処理を起動する(S106)。次に、プロセッサ2a,2bの制御部28は、プロセッサ2a,2bの応答部25に道連れ再開応答を行うよう指示し、プロセッサ2a,2bの応答部25は、道連れ再開応答の信号をプロセッサ2cに送信する(S107)。プロセッサ2cの要求部24は、このプロセッサ2a,2bからの道連れ再開応答の信号を受信することにより、道連れ再開要求がプロセッサ2a,2bに受信されたことを確認できる。
【0039】
次に、プロセッサ2cから道連れ再開要求を受けて再開処理を起動したプロセッサ2bの制御部28は、プロセッサ2bの要求部24に道連れ再開要求を行うよう指示をし、プロセッサ2bの要求部24は、道連れ再開要求の信号をプロセッサ2a,2cに送信する(S108)。プロセッサ2a,2cの応答部25は、プロセッサ2bからの道連れ再開要求の信号を受信し、プロセッサ2a,2cの制御部28に通知する。プロセッサ2a,2cの制御部28は、プロセッサ2a,2cのフラグ23を確認し、フラグ23がオンであるため、再開処理を実行しないと判断する(S109)。その後、プロセッサ2a,2cの制御部28は、プロセッサ2a,2cの応答部25に道連れ再開応答を行うよう指示し、プロセッサ2a,2cの応答部25は、道連れ再開応答の信号をプロセッサ2bに送信する(S110)。
【0040】
同様に、プロセッサ2cから道連れ再開要求を受けて再開処理を起動したプロセッサ2aの制御部28は、プロセッサ2aの要求部24に道連れ再開要求を行うよう指示をし、プロセッサ2aの要求部24は、道連れ再開要求の信号を、プロセッサ2b,2cに送信する(S111)。プロセッサ2b,2cの応答部25は、プロセッサ2aからの道連れ再開要求の信号を受信し、プロセッサ2b,2cの制御部28に通知する。プロセッサ2b,2cの制御部28は、プロセッサ2b,2cのフラグ23を確認し、フラグ23がオンであるため、再開処理を実行しないと判断する(S112)。プロセッサ2b,2cの制御部28は、プロセッサ2b,2cの応答部25に道連れ再開応答を行うよう指示し、プロセッサ2b,2cの応答部25は、道連れ再開応答の信号を、プロセッサ2aに送信する(S113)。
【0041】
その後、プロセッサ2cの処理部21が再開処理を完了する(S114)。プロセッサ2cの検出部22は、処理部21の再開処理が完了したことを検出し、プロセッサ2cの制御部28に通知する。プロセッサ2cの制御部28は、プロセッサ2cの完了通知部26に再開完了通知を行うよう指示し、プロセッサ2cの完了通知部26が再開完了通知の信号をプロセッサ2a,2bに送信する(S115)。そして、プロセッサ2a,2bの完了通知取得部27は、そのプロセッサ2cからの再開完了通知の信号を受信し、再開完了通知の信号を受信したことを、プロセッサ2cを識別するデータと対応付けてプロセッサ2a,2bの制御部28に通知する。これにより、プロセッサ2a,2bの制御部28は、プロセッサ2cの再開処理が完了したことを認識できる。
【0042】
次いで、プロセッサ2bの処理部21が再開処理を完了する(S116)。プロセッサ2bの検出部22は、処理部21の再開処理が完了したことを検出し、プロセッサ2bの制御部28に通知する。プロセッサ2bの制御部28は、プロセッサ2bの完了通知部26に再開完了通知を行うよう指示し、プロセッサ2bの完了通知部26が再開完了通知の信号をプロセッサ2a,2cに送信する(S117)。そして、プロセッサ2a,2cの完了通知取得部27は、そのプロセッサ2bからの再開完了通知の信号を受信し、再開完了通知の信号を受信したことを、プロセッサ2bを識別するデータと対応付けてプロセッサ2a,2cの制御部28に通知する。これにより、プロセッサ2a,2cの制御部28は、プロセッサ2bの再開処理が完了したことを認識できる。
【0043】
最後に、プロセッサ2aの処理部21が再開処理を完了する(S118)。プロセッサ2aの検出部22は、処理部21の再開処理が完了したことを検出し、プロセッサ2aの制御部28に通知する。この時、プロセッサ2aの制御部28は、既に、ステップ(S115)、(S117)において、他のプロセッサ2b,2cを識別するデータと対応付けられた再開完了通知の信号を受信したことの通知を受け取っている。よって、プロセッサ2aの制御部28は、プロセッサ2aの検出部22からの再開処理完了の通知を受けた時点で、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したことを認識できる。よって、プロセッサ2aの制御部28は、フラグ23をオンからオフに切り替え、フラグ23はオフに切り替わる(S119)。
【0044】
次に、プロセッサ2aの制御部28は、プロセッサ2aの完了通知部26に再開完了通知を行うよう指示し、プロセッサ2aの完了通知部26が再開完了通知をプロセッサ2b,2cに送信する(S120)。プロセッサ2b,2cの完了通知取得部26は、プロセッサ2aからの再開完了通知の信号を受信し、再開完了通知の信号を受信したことを、プロセッサ2aを識別するデータと対応付けてプロセッサ2b,2cの制御部28に通知する。これにより、プロセッサ2b,2cの制御部28は、プロセッサ2aの再開処理が完了したことを認識できる。
【0045】
この時、プロセッサ2bの制御部28は、既に、ステップ(S116)においてプロセッサ2bの検出部22からの再開処理完了の通知を受け、ステップ(S115)において他のプロセッサ2cを識別するデータと対応付けられた再開完了通知の信号を受信したことの通知を受け取っている。よって、プロセッサ2bの制御部28は、プロセッサ2bの完了通知取得部26からのプロセッサ2aの再開完了通知を受信した旨の通知を受けた時点で、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したことを認識できる。よって、プロセッサ2bの制御部28は、フラグ23をオンからオフに切り替え、フラグ23はオフに切り替わる(S121)。
【0046】
同様に、プロセッサ2cの制御部28は、既に、ステップ(S114)においてプロセッサ2cの検出部22からの再開処理完了の通知を受け、ステップ(S117)において他のプロセッサ2bを識別するデータと対応付けられた再開完了通知の信号を受信したことの通知を受け取っている。よって、プロセッサ2cの制御部28は、プロセッサ2cの完了通知取得部26からのプロセッサ2aの再開完了通知を受信した旨の通知を受けた時点で、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したことを認識できる。よって、プロセッサ2cの制御部28は、フラグ23をオンからオフに切り替え、フラグ23はオフに切り替わる(S122)。以上の手順により、処理システム1全体の再開処理が完了する。プロセッサ2a〜2cの制御部28はそれぞれ、ステップ(S119)、(S121)、(S122)の後、プロセッサ2a〜2cの処理部21に通常の処理を起動するよう指示し、プロセッサ2a〜2cの処理部21が通常の処理を開始する。
【0047】
このような本実施形態に係る処理システム1、プロセッサ2a〜2c、再開処理方法によれば、フラグ23が、処理部21の実行状態を示すため、制御部28は、フラグ23から処理部21の実行状態を認識することができる。そして、制御部28は、フラグ23がオンであり、再開処理実行中を示す場合には、再開処理を実行しないと判断し、フラグ23がオフであり、再開処理を実行していないことを示す場合には、再開処理を実行すると判断し、その判断結果に基づいて処理部21を制御する。よって、処理システム1、プロセッサ2a〜2cは、処理部21が既に再開処理を実行している場合に、重複して再開処理を実行することを回避でき、全プロセッサ2a〜2cの処理部21が実行する再開処理の回数を各1回に抑えることができる。その結果、処理システム1、プロセッサ2a〜2cは、再開処理の処理時間の短縮を実現できる。
【0048】
又、プロセッサ2a〜2cは、他のプロセッサに再開処理を要求する要求部24を備える。そのため、あるプロセッサが再開処理を起動した場合に、要求部24が、他のプロセッサに直ちに再開処理を要求できる。よって、処理システム1を構成する複数のプロセッサ2a〜2cは、相互に再開処理を要求し合うことができる。そのため、各プロセッサに再開処理を促して、処理システム全体の再開処理を管理する代表プロセッサを用意する必要がない。又、再開処理が発生したプロセッサは、その際に、要求部24によって直ちに他のプロセッサに再開処理を促すことができるため、再開処理の処理時間をより一層短縮することができる。
【0049】
更に、プロセッサ2a〜2cは、要求部24に加えて応答部25を備える。そのため、例えば図3に示したように、プロセッサ2cの処理部21が自動的に再開処理を起動した場合や、プロセッサ2bの処理部21が制御部28の指示に従い再開処理を起動した場合等、プロセッサ2b,2cの処理部21が再開処理を開始した際に、要求部24が、他のプロセッサ2aに道連れ再開要求の信号を送信する。そして、その道連れ再開要求の信号を、他のプロセッサ2aの応答部25が受信し、制御部28に通知する。その際に、他のプロセッサ2aの制御部28が、フラグ23が示す再開処理の実行状態を確認し、再開処理を実行するか否かを判断して、フラグ23がオフの場合には再開処理を起動する。そして、他のプロセッサ2aが再開処理を起動したことにより、更に、そのプロセッサ2aが道連れ再開要求の信号を送信する。即ち、各プロセッサ2a〜2cが五月雨的に道連れ再開要求の信号を送信できる。
【0050】
よって、プロセッサ2a〜2cは、いずれかのプロセッサにおいて再開処理が起動されると、その道連れとなって再開処理を実行することができ、全てのプロセッサ2a〜2cは同時に再開処理を実行することができる。又、上記したように各プロセッサ2a〜2cが五月雨的に道連れ再開要求の信号を送信することにより、各プロセッサ2a〜2cは、再開処理起動後も、他のプロセッサから道連れ再開要求の信号を受信することになるが、制御部28はフラグ23により処理部21の再開処理が実行中であることを確認できる。そのため、各プロセッサ2a〜2cは、再度、再開処理を起動することなく、全プロセッサ2a〜2c各1回の再開処理で、処理システム1は道連れ再開処理を完了することができる。
【0051】
又、プロセッサ2a〜2cは、完了通知部26と完了通知取得部27とを備えるため、他のプロセッサに再開完了通知の信号を送信したり、他のプロセッサから再開完了通知の信号を受信したりすることができる。よって、各プロセッサ2a〜2cは相互に、他のプロセッサに再開処理完了を通知でき、又、他のプロセッサが再開処理を完了したことを認識できる。そのため、各プロセッサ2a〜2cは、プロセッサ自身の処理部21及び他のプロセッサの再開処理が完了したこと、即ち、再開処理を行っていた全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したことの認識をもって、処理システム1全体としての再開処理が完了したと判断することができる。
【0052】
その結果、例えば、処理システム1全体の再開処理が完了した後に、複数のプロセッサ2a〜2cが通常の処理を開始すること等ができる。よって、処理システム1全体として、各プロセッサ2a〜2cが行う処理や、各プロセッサ2a〜2cのリソースの状態の整合性を確保することができる。よって、処理システム1が行う処理の信頼性を確保することができる。
【0053】
このように、各プロセッサ2a〜2cは、検出部22、フラグ23、要求部24、応答部25、完了通知部26、完了通知取得部27、制御部28を備え、これらが再開処理を管理する管理手段として機能することにより、各プロセッサ2a〜2cそれぞれが、プロセッサ自身の再開処理を管理することができる。具体的には、検出部22が再開処理の発生を検出したり、制御部28が再開処理を起動したりすることによって、再開処理の発生を把握でき、要求部24が他のプロセッサに再開処理を促し、応答部25が他のプロセッサから再開処理の要求を取得することができ、制御部28がフラグ23により再開処理の実行状態を認識することができ、完了通知部26が他のプロセッサに、再開処理の完了を通知でき、検出部22が処理部21の再開処理の完了を検出したり、完了通知取得部27が他のプロセッサからの再開完了通知を取得したりすることによって、処理システム1の再開処理の完了を把握することができる。
【0054】
その結果、処理システム1は、全てのプロセッサ2a〜2cが、上記プロセッサ自身の再開処理を管理する管理手段、即ち、検出部22、フラグ23、要求部24、応答部25、完了通知部26、完了通知取得部27、制御部28を保持するだけで、代表プロセッサを用意することなく、再開処理を実行することができる。又、全プロセッサ2a〜2cが、全プロセッサ2a〜2cに共通の再開処理を管理する管理手段を備えれば済むことになる。よって、処理システム1の開発効率を向上させることができる。
【0055】
又、フラグ23は、再開処理を実行している全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了した際に、再開処理実行中であることを示すオンの状態から、再開処理を実行していないことを示すオフの状態に切り替わる。よって、フラグ23は、処理部21の再開処理の実行状態だけでなく、再開処理を実行していた全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了したこと、即ち、処理システム1全体としての再開処理が完了したことを示すことができる。
【0056】
更に、フラグ23が、再開処理を実行している全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了した際に、再開処理を実行していないことを示すオフの状態に切り替わらない場合には、次のような問題を生じるおそれがある。例えば、図3において、プロセッサ2cの再開処理に要する時間が非常に短く、ステップ(S111)よりも前に完了してしまった際に、そのプロセッサ2cの処理部21の再開処理のみが完了した時点で、プロセッサ2cのフラグ23が再開処理を実行していないことを示すオフに切り替わってしまった場合を考える。
【0057】
この場合、プロセッサ2cが再開処理の発生元となり、その再開処理の発生に伴って他のプロセッサ2a,2bが道連れ再開処理を行う一連の再開処理の途中で、ステップ(S111)に示したプロセッサ2cがプロセッサ2aからの道連れ再開要求を受けてしまうと、プロセッサ2cの制御部28は、フラグ23がオフであるため、再開処理を実行すると判断してしまい、再度、再開処理が実行されてしまう。
【0058】
よって、再開処理を実行している全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理が完了した際に、フラグ23が示す実行状態が再開処理を実行していないことを示すオフに切り替わることにより、処理システム1が行う一連の再開処理の中で、再開処理に要する時間が他のプロセッサと大きく異なるプロセッサがあっても、確実に、再開処理の回数を1回に抑えることができる。尚、図3に示すように、再開処理を行っている全てのプロセッサ2a〜2cの再開処理に要する時間に大きな差がなく、再開処理を完了する時間にプロセッサ2a〜2c間であまり差がない場合には、処理部21の再開処理のみが完了した時点で、フラグ23が再開処理を実行していないことを示すオフに切り替わっても構わない。
【0059】
又、フラグ23を実行状態を識別する識別手段として用いたため、制御部28は、フラグ23がオンになっているか、オフになっているかを認識するだけで、容易に実行状態を把握することができる。
【0060】
(変更例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。処理システム1は、プロセッサ2a〜2cに替えて、図4に示すプロセッサ202により構成されてもよい。図4は、本発明の変更例に係るプロセッサ202の構成を示す機能ブロック図である。図4に示すように、プロセッサ202は、処理部21と、検出部22と、フラグ23と、要求部24と、応答部25と、完了通知部26と、完了通知取得部27と、制御部228と、テーブル229とから構成される。尚、制御部228と、テーブル229以外は、上記実施形態に係るプロセッサ2a〜2cと実質的にほぼ同様である。そのため、制御部228と、テーブル229以外は、図2と同一の符号を付し、若干の相違点を除いてここでは説明を省略する。
【0061】
テーブル229は、処理部21が再開処理を実行する条件と、処理部21がその条件に該当して再開処理を実行する際に、道連れ再開要求を行って再開処理の実行を要求するプロセッサ202を識別するデータとを関連付けて保持する保持手段である。処理システム1で再開処理を実行する条件に該当する事象が発生し、あるプロセッサ202で再開処理が発生した場合に、その事象に関連し、再開処理を実行する必要があるプロセッサ202が、道連れ再開要求を行うプロセッサ202となる。
【0062】
尚、処理部21は、異常等が発生し、再開処理を実行する条件に該当した場合に、再開処理を起動して、そのプロセッサ202が再開処理の発生元となる。又、検出部22は再開処理の発生を制御部228に通知する際に、再開処理の発生の要因も通知する。同様に、要求部24は、他のプロセッサに道連れ再開要求の信号を送信する際に、その信号に再開処理を起動した要因も含める。応答部25は、他のプロセッサ202から道連れ再開要求の信号を受信すると、道連れ再開要求の信号を受信したことを制御部228に通知する際に、その信号に含まれている再開処理を起動した要因も通知する。
【0063】
制御部228は、検出部22から再開処理の発生の要因を含む再開処理の発生の通知を受けた際や、応答部25から再開処理を起動した要因を含む他のプロセッサ202から道連れ再開要求の信号を受信したことの通知を受けた際に、テーブル229を参照する。具体的には、制御部228は、処理部21で再開処理が発生した要因や、他のプロセッサ202で再開処理を起動した要因をキーとしてテーブル229を検索し、道連れ再開要求をすべきプロセッサ202がいずれであるかを判断する。制御部228は、再開処理が起動された要因に対応する道連れ再開処理を要求するプロセッサ202を識別するデータを、テーブル229から取得する。制御部228は、取得したプロセッサ202を識別するデータを要求部24に通知し、要求部24にそのプロセッサ202に道連れ再開要求を行うよう指示をする。要求部24は、制御部228の指示に従い、そのプロセッサ202のみに道連れ再開要求の信号を送信する。
【0064】
これによれば、再開処理を実行する条件、即ち、発生した事象の種類等に応じて、それに関連するプロセッサ202群が同時に再開処理を行うことができる。よって、関連するプロセッサ202間で、リソース状態の整合性を確保することができ、又、再開処理を実行する必要のないプロセッサ202が再開処理を実行することを防止できる。更に、再開処理を実行する必要のないプロセッサ202に道連れ再開要求を行い、そのプロセッサ202が道連れ再開応答をするといった手順も省略することができる。よって、処理システム1全体の再開処理の処理時間をより一層短縮でき、処理効率を向上させることができる。又、処理システム1全体の処理の負荷軽減にもつながる。
【0065】
尚、テーブル229は、処理部21が再開処理を実行する条件だけを保持してもよい。この場合、要求部24は、全てのプロセッサ202に、再開処理を起動した要因を含む道連れ再開要求の信号を送信する。そして、制御部228は、応答部25から再開処理を起動した要因を含む他のプロセッサ202からの道連れ再開要求の信号を受信したことの通知を受けた際に、テーブル229を参照する。具体的には、制御部228は、他のプロセッサ202で再開処理を起動した要因をキーとしてテーブル229を検索し、プロセッサ202自身が再開処理を実行すべきか否かを判断する。制御部228は、テーブル229に再開処理が起動された要因に該当する条件がない場合には、再開処理を実行しないと判断し、該当する条件がある場合には、再開処理を実行すると判断する。制御部228は、再開処理を実行すると判断した場合に、処理部21に再開処理を起動するよう指示をし、実行しないと判断した場合には処理部21に対して何もしない。
【0066】
この場合にも、再開処理を実行する条件、即ち、発生した事象の種類等に応じて、それに関連するプロセッサ202群が同時に再開処理を行うことができる。よって、関連するプロセッサ202間で、リソース状態の整合性を確保することができ、又、再開処理を実行する必要のないプロセッサ202が再開処理を実行することを防止できる。よって、処理システム1全体の再開処理の処理時間をより一層短縮でき、処理効率を向上させることができる。又、処理システム1全体の処理の負荷軽減にもつながる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、再開処理の処理時間の短縮を実現できる処理システム、処理装置及び再開処理方法を提供することができる。又、他の発明によれば、処理システム全体の再開処理を管理する代表プロセッサを用意する必要のない処理システム、処理装置及び再開処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る処理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るプロセッサの構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る再開処理方法の手順を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の変更例に係るプロセッサの構成を示す機能ブロック図である。
【図5】従来の処理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】従来の再開処理方法の手順を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1,301 処理システム
2a,2b,2c,202,303a,303b プロセッサ
3,304 バス
21 処理部
22 検出部
23 フラグ
24 要求部
25 応答部
26 完了通知部
27 完了通知取得部
28,228 制御部
229 テーブル
302 代表プロセッサ

Claims (12)

  1. 処理を行う処理装置を複数備える処理システムであって、
    前記処理装置は、
    前記処理を再開するための再開処理を実行する処理手段と、
    該処理手段の再開処理の起動によって状態が切り替わる識別手段と、
    前記再開処理の要求を他の処理装置から受けたときに前記識別手段を確認し、前記再開処理が起動されている場合には前記再開処理を実行しないと判断し、前記再開処理が起動されていない場合には前記再開処理を実行すると判断し、該判断結果に基づいて前記処理手段を制御する制御手段と
    前記処理手段の再開処理の起動に応じて、前記識別手段の状態を切り替える切り替え手段と
    を備えることを特徴とする処理システム。
  2. 前記処理装置は、他の処理装置に前記再開処理を要求する要求手段を備えることを特徴とする請求項に記載の処理システム。
  3. 前記処理装置は、他の処理装置から前記再開処理が完了したことの通知を取得する完了通知取得手段を備えることを特徴とする請求項又はに記載の処理システム。
  4. 前記切り替え手段は、前記再開処理を実行している全ての処理装置の再開処理が完了した際に、前記識別手段の前記再開処理を起動したことを示す状態を解除することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の処理システム。
  5. 前記識別手段は、前記再開処理の起動によってオフからオンに切り替わるフラグであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の処理システム。
  6. 処理を行う処理装置を複数備える処理システムにおいて使用される処理装置であって、
    前記処理を再開するための再開処理を実行する処理手段と、
    該処理手段の再開処理の起動によって状態が切り替わる識別手段と、
    前記再開処理の要求を他の処理装置から受けたときに前記識別手段を確認し、前記再開処理が起動されている場合には前記再開処理を実行しないと判断し、前記再開処理が起動されていない場合には前記再開処理を実行すると判断し、該判断結果に基づいて前記処理手段を制御する制御手段と
    前記処理手段の再開処理の起動に応じて、前記識別手段の状態を切り替える切り替え手段と
    を備えることを特徴とする処理装置。
  7. の処理装置に前記再開処理を要求する要求手段を備えることを特徴とする請求項に記載の処理装置。
  8. の処理装置から前記再開処理が完了したことの通知を取得する完了通知取得手段を備えることを特徴とする請求項6又は7に記載の処理装置。
  9. 前記切り替え手段は、前記再開処理を実行している全ての処理装置の再開処理が完了した際に、前記識別手段の再開処理を起動したことを示す状態を解除することを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の処理装置。
  10. 前記識別手段は、前記再開処理の起動によってオフからオンに切り替わるフラグであることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の処理装置。
  11. 処理を行う処理装置を複数備える処理システムにおいて、前記処理装置が前記処理を再開するために行う再開処理方法であって、
    前記処理装置は、該処理装置の再開処理の起動によって状態が切り替わる識別手段を、前記再開処理の要求を他の処理装置から受けたときに確認し、前記再開処理が起動されている場合には前記再開処理を実行しないと判断し、前記再開処理が起動されていない場合には前記再開処理を実行すると判断し、
    前記処理装置は、前記判断結果に基づいて前記再開処理を実行し、
    前記処理装置は、該処理装置の再開処理の起動に応じて、前記識別手段の状態を切り替えることを特徴とする再開処理方法。
  12. 前記複数の処理装置は、相互に前記再開処理を要求し合うことを特徴とする請求項11に記載の再開処理方法。
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