JP3710174B2 - アキシャルピストンポンプ・モータ - Google Patents

アキシャルピストンポンプ・モータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は斜板式、斜軸式などのアキシャルピストンポンプ・モータの改良に関するもので、詳しくは、シリンダブロックとピストンの間に往復動方向と異なる方向の作用力が発生しないようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の斜板式のアキシャルピストンポンプとしては、例えば特開平6−129344号公報にもあるが、図31,図32のように構成されている。
【0003】
図31において、駆動軸1と一体に回転するシリンダブロック2には、駆動軸1を中心とする同一円周上に等間隔に複数のシリンダ2aが形成され、このシリンダ2aには軸方向に往復動するピストン4が収装される。ピストン4の先端にはピストン球部4aが一体に形成され、このピストン球部4aが斜板6のシュー5に設けた球状穴5aに回動自在に嵌合している。シュー5の背面はパッド5bを介して斜板6の表面に摺接しながらシリンダブロック2と同一的に回転する。斜板6は駆動軸1に対して所定の角度で傾斜した状態で図示しないハウジングに固定されていたり、あるいは可変式では斜板角度がアクチュエータを介して変化するように構成される。また、シリンダブロック2の背面は一対のポート7aをもつ弁板7に摺接する。
【0004】
駆動軸1と一体的にシリンダブロック2が回転すると、シュー5を介して斜板6と接触する各ピストン4は、シリンダブロック2の1回転を1周期としてシリンダ2a内を往復動する。ピストン4が伸び出す行程では弁板7の一方のポート7aを介して流体をシリンダ2aに吸入し、押し込まれる行程では他方のポート7aを介してシリンダ2a内の流体を吐出する。
【0005】
このようにして、アキシャルピストンポンプとしてシリンダブロック2の回転に伴い流体を吸入吐出し、また、モータとしてピストン4の伸長行程で高圧流体をシリンダ2aに供給されるときは、これに伴ってシリンダブロック2が回転し、駆動軸1を回転させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような斜板式(または斜軸式)のアキシャルピストンポンプ・モータにあっては、図32に示すように、ピストン4の往復動に伴って、ピストン4とシリンダ2aとの間に、往復動方向の作用力に加えて、これとは異なった方向の作用力が働く。
【0007】
いま、ピストン4が最も伸び出した状態から圧縮方向に動き始め、流体を吐出するときには、シリンダ2a内には吐出通路側の負荷に応じて高い流体圧力が発生する。この流体圧力によるピストン軸方向の力をF1とすると、ピストン4はこのF1によって斜板6に強く押し付けられる。すると斜板6はその摺動面に垂直な方向の反力F2をもってF1に対抗する。これによってピストン4には往復動(軸)方向とは異なる力がかかり、ピストン4を摺動させるシリンダ2aの内周面との間において、嵌合両端に摺動面と垂直な分力(横力)F3,F4を発生させる。
【0008】
これらの横力F3,F4は、ピストン4の軸方向に働くF1、ピストン4の嵌合長さ、斜板6の傾斜角度等に応じたものとなり、ピストン4の外周面とシリンダ2aの内周面との間に大きな摺動面圧を発生させるため、ポンプ.モータの運転条件によってはピストン4とシリンダブロック2との間に焼付きを発生させる原因となる。
【0009】
一般に摺動部の焼付耐久性の評価の尺度は、摺動面圧と摺動速度との積として表されるため、ピストン4とシリンダブロック2との焼付きの発生を抑えるには、ポンプ吐出圧力を下げたり、ピストン4の往復動速度、すなわちポンプ吐出量を抑える必要があり、これらはいずれもポンプ性能の低下につながる。また、ピストン4の軸方向の長さもシリンダ2aとの一定以上の嵌合長を必要とする等、小型化の妨げとなる。
【0010】
さらに、ピストン4の側面に発生する前記横力F3,F4の反力として、シリンダブロック2にF5,F6が発生し、これらF5,F6によりシリンダブロック2には回転モーメントM1が発生し、同時にF5,F6によりピストン4との摩擦力F7,F8が発生する。これらモーメントM1、摩擦力F7,F8は、シリンダブロック2を弁板7に流体圧力に基づく力F9として押し付けるが、このためにシリンダブロック2の挙動が複雑なものとなり、シリンダブロック2と弁板7との間の摺動面の潤滑状態を悪化させたりする。
【0011】
また、シリンダブロック2と弁板7との摺動面圧は、弁板7に溝7bを設けて摺動面積を調整し、静圧軸受的な機能を生じさせて適正面圧にするが、M1、F7,F8は、この溝7bの設計形状を非常に複雑にし、とくに潤滑性の少ない低粘性流体を用いた場合には、摺動面の焼付きあるいは過大な漏れの発生の原因ともなっている。
【0012】
ところで、ドイツ特許第529589号やドイツ特許第597476号によると、アキシャルピストンポンプにおいて、ピストンの先端球部を一体的に形成するのではなく、先端から球部を分割したものがある。また、同じような構造は、米国特許第3162142号にも記載されている。
【0013】
ところが、これらはいずれも、分割した球部と接触するピストン先端部を斜板の回転方向に相対変位しないように斜板に拘束し、上記と同じくシリンダブロックに収装されたピストンを経由して斜板を回転駆動するようになっている。このため、ピストン先端の球部をピストン軸心と垂直に分割しても、斜板を回転駆動するためのトルクがピストンの横力として働き、ピストンとシリンダとの摺動面に大きな面圧がかかることに変わりはない。
【0014】
本発明はこのような問題を解決するため、ピストンとシリンダブロックとの間に摺動方向と異なる横力を発生させないようにしたアキシャルピストンポンプ・モータを提供する。
【0015】
また、シリンダブロックに発生する力を軸方向成分のみとすることのできるアキシャルピストンポンプ・モータを提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、軸回りに回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブロックの回転軸の同心円上に往復動自在に収装された複数のピストンと、前記シリンダブロックの回転軸心に対して相対的に傾斜すると共に前記ピストンの先端が当接するリング部材と、前記シリンダブロックと同期回転する回転軸部材とを備えたアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記リング部材に球面接触するシューと、前記ピストンの先端に設けた軸心と直交する当接面と、この当接面と面接触する前記シューに設けた平滑面と、前記シリンダブロックと前記リング部材とを前記ピストンを介さずに同期回転させる回転伝達機構とを備え、前記当接面と前記平滑面との間に形成した静圧軸受に前記シリンダ内の流体の一部を前記ピストンに形成した貫通路を介して導き、さらに前記シューの球面と前記リング部材の間に形成した静圧軸受に前記流体の一部を前記シューに形成した貫通路を介して導く構成とした
【0017】
第2の発明は、軸回りに回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブロックの回転軸の同心円上に往復動自在に収装された複数のピストンと、前記シリンダブロックの回転軸心に対して相対的に傾斜すると共に前記ピストンの先端が当接するリング部材と、前記シリンダブロックと同軸的に連結されかつ一体的に回転する回転軸部材とを備えたアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記リング部材に球面接触するシューと、前記ピストンの先端に設けた軸心と直交する当接面と、この当接面と面接触する前記シューに設けた平滑面と、前記シリンダブロックと前記リング部材とを前記ピストンを介さずに同期回転させる回転伝達機構とを備え、前記当接面と前記平滑面との間に形成した静圧軸受に前記シリンダ内の流体の一部を前記ピストンに形成した貫通路を介して導き、さらに前記シューの球面と前記リング部材の間に形成した静圧軸受に前記流体の一部を前記シューに形成した貫通路を介して導く構成とした
【0018】
第3の発明は、軸回りに回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブロックの回転軸の同心円上に往復動自在に収装された複数のピストンと、前記シリンダブロックの回転軸心に対して相対的に傾斜すると共に前記ピストンの先端が当接するリング部材と、前記リング部材と同軸的に連結されかつシリンダブロックと同期回転する回転軸部材とを備えたアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記リング部材に球面接触するシューと、前記ピストンの先端に設けた軸心と直交する当接面と、この当接面と面接触する前記シューに設けた平滑面と、前記シリンダブロックと前記リング部材とを前記ピストンを介さずに同期回転させる回転伝達機構とを備え、前記当接面と前記平滑面との間に形成した静圧軸受に前記シリンダ内の流体の一部を前記ピストンに形成した貫通路を介して導き、さらに前記シューの球面と前記リング部材の間に形成した静圧軸受に前記流体の一部を前記シューに形成した貫通路を介して導く構成とした
【0019】
第4の発明は、第1から第3の発明において、前記ピストンを常時シューと接触すべく伸び出し方向に付勢するスプリングを設けた。
【0020】
第5の発明は、第2の発明において、前記リング部材の一面がハウジングに設けた支持台の傾斜面に摺接すると共に、ラジアル方向に拘束されている。
【0021】
第6の発明は、第5の発明において、前記支持台に取付けた軸受リングが、リング部材の外周に摺動自由に嵌合する。
【0022】
第7の発明は、第3の発明において、前記リング部材がハウジングに設けた支持部に摺接すると共に、支持部に取付けた軸受リングがリング部材の外周に摺動自由に嵌合する。
【0023】
第8の発明は、第6または第7の発明において、前記軸受リングとリング部材との嵌合面に静圧軸受が構成される。
【0024】
第9の発明は、第6または第7の発明において、前記軸受リングとリング部材との嵌合面に動圧軸受またはコロガリ軸受が構成される。
【0025】
第10の発明は、第1から第4の発明において、前記リング部材の外周面がハウジングの一部の内周面に支持され、この支持面に静圧軸受が構成され、この静圧軸受にはハウジング断面部に形成した通路を経由して作動油が導入される。
【0026】
第11の発明は、第5の発明において、前記リング部材の一部が前記支持台の内周面に軸受を介して回転自在に支持される。
【0027】
第12の発明は、第1から第4の発明において、前記リング部材の一部がハウジングの一部内周面に軸受を介して回転自在に支持される。
【0028】
第13の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを互いに直交する2軸でもって連結する自在継手を備える。
【0029】
第14の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部とを互い直交する2軸でもって連結する自在継手を備える。
【0030】
第15の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部との突合わせ端部に互いに噛合する斜歯を形成する。
【0031】
第16の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部との突き合わせ端部に互いに噛合する斜歯を形成する。
【0032】
第17の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部に形成したスプライン穴と、リング部材の回転中心部に形成したスプライン穴とに互いに噛合する両歯付軸とを備える。
【0033】
第18の発明は、第14または第16の発明において、前記リング部材の中心部を回転軸部材が非干渉状態に貫通し、回転軸部材の両端がハウジングに回転自在に支持されている。
【0034】
第19の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを連結する高剛性スプリングを備える。
【0035】
第20の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを連結する高剛性ベローズを備える。
【0036】
第21の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを連結するより線たわみ軸を備える。
【0037】
第22の発明は、第1から第12の発明において、前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを連結する円柱型たわみ軸を備える。
【0038】
第23の発明は、第5または第6の発明において、前記支持台はリング部材が摺接する傾斜面が傾動自在となるように支持軸を介してハウジングに支持されている。
【0039】
第24の発明は、第5または第6の発明において、前記支持台がリング部材が摺接する傾斜面が傾動自在となるように、支持台背面がハウジングに円筒面または球面で接触する。
【0040】
第25の発明は、第3または第7の発明において、前記シリンダブロックがリング部材に対して傾動自在に支持軸を介してハウジングに支持されている。
【0041】
第26の発明は、第3または第7の発明において、前記シリンダブロックがリング部材に対して傾動自在となるようにシリンダブロック支持体の背面がハウジングに円筒面または球面で接触する。
【0042】
第27の発明は、第1から第26までの発明において、前記シューは略半割球に形成され、その球面をリング部材に形成した半球凹部に球面接触し、かつその平滑面をピストンの当接面と面接触させている。
【0043】
第28の発明は、第27の発明において、前記シューとピストンの接触面にはピストンに形成した貫通路を介して潤滑用流体が導入される。
【0044】
第29の発明は、第28の発明において、前記シューとピストンの接触面に導入された潤滑用流体が、シューに形成した貫通路を介してシューとリング部材との球面接触面に導入される。
【0045】
第30の発明は、第29の発明において、前記シューとリング部材との球面接触面に導入された潤滑用流体が、リング部材に形成した貫通路を介して軸受リング部材との摺接面に導入される。
【0046】
【作用】
第1の発明では、ピストンの伸縮に伴って発生する軸方向の押力に対して、リング部材の傾斜面に垂直な方向の反力が、シューを介してピストンに伝達される。しかし、ピストンとシューとは、ピストンの摺動軸心と直交する面において分離し、リング部材からの反力のうちピストン軸心と直交する方向の分力は、分離面の存在により、ピストンにはほとんど伝達されない。
【0047】
一方、ピストンを収装したシリンダブロックと、ピストンがシューを介して接触するリング部材とは、回転伝達機構を介して連結され、シリンダブロックとリング部材間の回転トルク差は回転伝達機構が受ける。
【0048】
これらの結果、ピストンとシリンダブロックとの間には、ピストン往復動方向と直交する分力が発生しない。したがって、ピストンの摺動面圧が低減し、焼付きなどを回避し、あるいはピストンの軸方向の短縮化等がはかれる。また、シリンダブロックの作用力を軸方向成分のみとして、シリンダブロックと弁板との摺動面の面圧を適正化し、焼付き、流体漏れを防止する。
【0049】
第2の発明では、シリンダブロックが回転軸部材と直接的に連結し、リング部材が回転伝達機構を介して回転し、斜板式のアキシャルピストンポンプ・モータとして作動する。
【0050】
第3の発明では、リング部材が回転軸部材と直接的に連結し、シリンダブロックが回転軸機構を介してリング部材と同期回転し、斜軸式のアキシャルピストンポンプ・モータとして作動する。
【0051】
第4の発明では、ピストンを伸び出し方向に付勢するスプリングにより、ピストンに作用する流体圧力が小さいときにも、常にピストンとシューの接触を維持し、確実に作動させることができる。
【0052】
第5の発明では、リング部材がラジアル方向には移動することなく、ハウジングに設けた支持台の傾斜面に摺接しながら回転し、傾斜面の角度に応じた流量特性で作動する。
【0053】
第6の発明では、リング部材にかかるラジアル方向の荷重が軸受リングにより支持され、支持台から逸脱することなく摺接回転する。
【0054】
第7の発明では、リング部材にかかるラジアル方向の荷重が、支持部に設けた軸受リングにより支持され、支持部から逸脱することなく摺接回転する。
【0055】
第8の発明では、軸受リングとリング部材との嵌合面に構成した静圧軸受により、リング部材のラジアル方向の荷重を支持し、円滑に回転させられる。
【0056】
第9の発明では、軸受リングとリング部材との嵌合面に構成した動圧軸受またはコロガリ軸受により、リング部材のラジアル方向の荷重を支持し、円滑に回転させられる。
【0057】
第10の発明では、リング部材にかかるラジアル方向の荷重をハウジングの内周面の静圧軸受により支持し、円滑に回転させられる。
【0058】
第11の発明では、支持台の内周面の軸受によりリング部材のラジアル方向の荷重を支持し、円滑に回転させられる。また、リング部材の支持台への組付が容易に行える。
【0059】
第12の発明では、リング部材にかかるラジアル方向の荷重が、軸受を介してハウジングに直接的に支持されるので、円滑に回転させられる。
【0060】
第13の発明では、回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを連結する自在継手を備えるので、少ないスペースにコンパクトに収納することができる。
【0061】
第14の発明では、回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部とを連結する自在継手を備えるので、大きなトルクを伝達することができ、大容量のものに適用できる。
【0062】
第15の発明では、回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部で互いに噛合する斜歯を形成したので、シリンダブロックとリング部材との回転位相に回転角によるずれがなく、回転脈動の少ない運転特性となる。
【0063】
第16の発明では、回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部に互いに噛合する斜歯を形成したので、シリンダブロックとリング部材との回転位相に回転角によるずれがなく、回転脈動の少ない運転特性とすることができる一方、大きなトルクの伝達が可能となり、大容量のものに適用できる。
【0064】
第17の発明では、回転伝達機構として、シリンダブロックと、リング部材の各回転中心部に形成したスプライン穴を両歯付軸で連結したので、シリンダブロックとリング部材との回転位相に回転角によるずれがなく、回転脈動の少ない運転特性にできる一方で、少ないスペースにコンパクトに配置できる。
【0065】
第18の発明では、回転軸部材がリング部材の中心部を貫通し、かつ両端でもってハウジングに回転自在に支持されているので、両持ち支持により、回転軸部材の支持強度を高められる。
【0066】
第19の発明では、回転伝達機構としての高剛性のスプリングにより、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができる。
【0067】
第20の発明では、回転伝達機構としての高剛性のベローズにより、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができる。
【0068】
第21の発明では、回転伝達機構としてのより線たわみ軸により、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができる。
【0069】
第22の発明では、回転伝達機構としての円滑型たわみ軸により、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができる。
【0070】
第23の発明では、支持台が傾動自在で、リング部材に当接するピストンの有効ストロークを支持台の傾斜角度に応じて調整することにより、可変容量型特性にすることができる。
【0071】
第24の発明では、支持台背面がハウジングに円筒面または球面接触するので、リング部材を介して支持台が受ける反力をハウジングにより支持することができ、耐久強度が高められる。
【0072】
第25の発明では、シリンダブロックが傾動自在に支持されているので、シリンダブロックの傾斜角度に応じてピストンの有効ストロークを調整することにより、可変容量型特性にすることができる。
【0073】
第26の発明では、シリンダブロック支持体の背面がハウジングに円筒面または球面接触し、シリンダブロックがうける反力をハウジングにより支持することができ、耐久強度を高められる。
【0074】
第27の発明では、リング部材とピストンとの間に介在させるシューの形状が略半割球で、構成が簡単で、生産性も良好となる。
【0075】
第28の発明では、シューとピストンの接触面に潤滑用流体が導入され、常時良好な潤滑機能を維持できる。
【0076】
第29の発明では、シューとピストンの接触面に導入された潤滑用流体を、シューとリング部材との球面接触面に導入するので、シューとリング部材との間でも良好な潤滑性が維持される。
【0077】
第30の発明では、シューとリング部材との球面接触面に導入された潤滑用流体が、さらにリング部材と軸受リング部材との摺接面に導入されるので、これらの間においても良好な潤滑性が維持される。
【0078】
【実施の形態】
図1〜図3に示す実施の形態は、本発明を斜板式のアキシャルピストンポンプとして適応した実施の形態であり、図中11はポンプハウジングで、ハウジング11の中心を貫通する回転軸12が軸受13により回転自在に片持ち支持されている。
【0079】
回転軸12はシリンダブロック14の中心を貫通すると共に、スプライン部18を介して一体的に結合して同一回転する。シリンダブロック14には回転軸12を中心とする同一円周上に等間隔で、かつその軸線が回転軸12と平行な複数のシリンダ15が形成され、これらシリンダ15にはそれぞれピストン16が摺動自由に収装される。シリンダブロック14の底面は、ハウジング11の側壁11aに固定した弁板17と接触する。
【0080】
シリンダブロック14に対峙して、シリンダブロック14の軸心に傾斜した状態でリングプレート19が設けられ、このリングプレート19はハウジング11の側壁11bに設けた支持台20の傾斜面20aに裏面を接触し、かつその周囲に配置した円筒形の軸受リング22によりラジアル方向への移動が規制される。リングプレート19の表面には、図3にも示すように、前記ピストン16に対応して複数のシュー23が球面接触により保持され、これらシュー23を介してピストン16と接触する。
【0081】
シュー23は球体を半割にした形状で、その球面部23aがリングプレート19に形成した半球状の凹部19aに収装され、平滑面23bがピストン16に形成した当接面16aと面接触する。ピストン16の当接面16aは、ピストン16の先端にその軸心と垂直に形成された平面で、ピストン16の押力をシュー23を介してリングプレート19に伝達する。
【0082】
なお、シュー23の直径はピストン16の直径よりもやや大きく、シリンダブロック14の回転に伴いピストン16がシュー23に対してラジアル方向に相対変位したきに、ピストン16がリングプレート19の凹部19aと接触しないようになっている。
【0083】
リングプレート19の中心部と前記回転軸12の先端部とを自在継手25により連結し、回転軸12の回転によりリングプレート19を同一方向に同期回転させる。自在継手25は、回転軸12にピン26aにより結合したU字連結筒25aと、リングプレート19の中心筒部19cにピン26bにより結合したU字連結筒25bとを、互いに直交する軸部25cと25dをもつ連結軸25eにより回動自在に結合したもので、回転軸12に対して傾いているリングプレート19に円滑に回転を伝達する。
【0084】
前記シリンダ15には有底筒状のピストン16を伸び出し方向に付勢するスプリング28が設けられ、ピストン16をシュー23を介してリングプレート19に常時接触させる。またシリンダ15は弁板17に設けた一対のポート17aを介して、シリンダブロック14の回転位置に応じて、図示しない吸込通路と吐出通路に選択的に連通する。
【0085】
また、ピストン16に形成した貫通路16bを介して、シュー23の平滑面23bと当接面16aとの間の接触面に形成した静圧軸受面29aにシリンダ15内の流体の一部を導き、その接触摩擦を低減する。また、シュー23に形成した貫通路23cにより、シュー23の球面23aとリングプレート19の凹部19aとの接触面に形成した静圧軸受面29bに潤滑用に前記流体の一部を導き、さらにリングプレート19に形成した分岐する貫通路19d,19eを介して、リングプレート19の外周面と軸受リング22との間に形成した静圧軸受面29c並びに、リングプレート19の裏面と支持台20の傾斜面20aとの間に形成した静圧軸受面29dにも前記潤滑用の流体を導入するようになっている。
【0086】
以上のように構成され、次に作用について説明する。図示しない原動機により回転軸12が回転させられると、シリンダブロック14が一体に回転し、同時に自在継手25を介してリングプレート19も同期回転する。
【0087】
この回転に伴いシリンダブロック14とシュー23とが離れていく行程では、ピストン16がスプリング28に押されて伸び出していき、シリンダ15の内部に流体が一方のポート17aを介して吸入される。次いで、シリンダブロック14とシュー23が近づいていく行程では、ピストン16が圧縮され、シリンダ15内の流体を他方のポート17aから吐出する。
【0088】
このようにして、シリンダブロック14の回転に伴い各ピストン16がシュー23を介してリングプレート19と接触しながら伸縮し、シリンダ15に流体の吸入、吐出を繰り返し、アキシャルピストンポンプとして機能する。
【0089】
そしてこのとき、図4にも示すように、シリンダ15からの流体の吐出に伴い、シリンダ15内には吐出通路に接続された負荷に対応する流体圧力が発生する。この流体圧力に伴う押力F10がピストン16に作用し、これがシュー23の平滑面23bにF14として及ぶ。このシュー23にかかるF14は、リングプレート19により、その回転軸方向の力F11と、これに垂直方向の力F12として支持される。シュー23とピストン16とは、ピストン16の軸心に垂直な平滑面23bと当接面16aとに分割され、面接触しているため、シュー23からピストン16にはその軸心と垂直な方向の反力が一切かからず(接触面の摩擦力を無視した場合)、ピストン16のシリンダ15に対する摺動面の面圧が非常に低くなる。ピストン16の軸心に垂直な面で分割されていないときは、リングプレート19の傾斜角に応じた反力により、ピストン16に横力が発生し、シリンダ15との間の摺動摩擦が大きくなるが、このように軸心と垂直な面で分割されているため、軸心と垂直な方向の力は、平滑面23bと当接面16aの接触面の摩擦力として作用するのみとなる。
【0090】
ところで、図3にも示すように、リングプレート19の回転軸と垂直な方向の力F12の反作用でリングプレート19に働く力F16は、吐出行程にある全てのシリンダ15で発生し、これらの合力としてF17を生じる。このF17は半径方向の力F18と、円周方向の力F19とに分解でき、このF19によりリングプレート19に回転トルクが発生する。したがって、ポンブ作用を行うには、この回転トルクに抗してリングプレート19をシリンダブロック14と同期させて回転させる必要がある。
【0091】
この場合、ピストン16はその軸心と垂直な面でシュー23と分割されたため、シリンダブロック14の回転トルクをピストン16を介してリングプレート19に伝達することはできない。しかし、シリンダブロック14とリングプレート19とは、回転トルク伝達機構としての自在継手25によった繋がれ、リングプレート19を同期回転させることができる。このことは逆に言うと、自在継手25によってトルクの伝達が行われるため、ピストン16に回転接線方向の横力が作用するのが防止される。
【0092】
これの結果、ピストン16に働く横力が大幅にに減少し、ピストン16とシリンダ15に対する摺動面圧は大幅に低減される。このため、ピストン16とシリンダ15の摺動による焼付きの問題が解消され、ポンプの高圧化や回転速度の高速化が可能となる。また、摺動摩擦に伴う発熱量の減少に伴いピストン16とシリンダ15との摺動間隙を縮小でき、流体漏れ量を減少させて、ポンプ容積効率の改善も図れる。ピストン16にかかる横力が大幅に減少することから、ピストン16のシリンダ15との必要嵌合長を短くでき、このため、ピストン16の軸方向の短縮化によるダウンサイジングも可能となる。
【0093】
一方で、シリンダブロック14にはピストン16の横力が発生しないことから、シリンダ15内の流体圧力により弁板17を回転軸方向に押圧する作用力F13のみが発生する。このため、シリンダブロック14の挙動が単純化し、シリンダブロック14と弁板17との摺動面の流体膜に静圧軸受的な効果を持たすことにより、適正な摺動面圧の確保が容易となり、摺動面の潤滑状態を良好に保って、焼付きあるいは過大な漏れの発生を回避できる。
【0094】
なお、前記リングプレート19と軸受リング22との間の静圧軸受面29cや、リングプレート19と支持台20との間の静圧軸受面29dには、シリンダ15内から流体の一部を導き、潤滑するので、リングプレート19を円滑に回転させることができる。さらにピストン16とシュー23との間に形成した静圧軸受面29a、シュー23とリングプレート19との間の静圧軸受面29bにも作動流体を導くことで、各摺接面での円滑な摺動を保証し、焼付け、偏摩耗等を効果的に防止する。
【0095】
ただし、前記リングプレート19と軸受リング22とのラジアル荷重を支持する静圧軸受29cは、半径方向の加工精度の要求が厳しいので、動圧軸受にすることもでき、この場合には、流体の漏洩損失が少なく、加工も容易になる。もちろん、これら静圧軸受、動圧軸受に代えてコロガリ軸受により支持することもできる。
【0096】
また、シュー23は半球形に形成されるため、シュー23の製作が容易となり、これに接触するピストン16も先端に従来の球形部が無いため、構造が簡単になり、生産性も向上する。
【0097】
回転軸12からリングプレート19に回転を伝達する自在継手25は、リングプレート19の中心部において回転軸12と連結するので、自在継手25を配置するためのスペースが少なく、コンパクトにすることができる。
【0098】
次に他の実施の態様を説明すると、図5、図6に示す実施の態様は、シリンダブロック14とリングプレート19との外周部において自在継手30により、両者を同期回転させるように連結したものである。
【0099】
回転伝達機構としての自在継手30は、リングプレート19の外側に連結リング30aを配置し、この連結リング30aに対して、リングプレート19から直径方向に延ばした一対の軸30bと、シリンダブロック14の外周から直径方向に延ばした一対の軸30cとを、同一円周上で互いに直交するように連結して構成する。
【0100】
このように自在継手30を外側に配置することで、そのトルク伝達容量が大きくなり、ポンプ出力の増大が可能となる。
【0101】
図7の実施の態様は、シリンダブロック14とリングプレート19とを同期回転させる回転伝達機構として、回転軸12の先端部と、リングプレート19の中心部とに、互いに噛合する斜歯31aと31bを形成し、各斜歯31aと31bは、その回転中心が一致した状態で、互いに一部において噛合し、回転軸12の回転をリングプレート19に伝達する。
【0102】
このように互いに噛合する斜歯31a,31bにより回転を伝達すると、シリンダブロック14とリングプレート19とは回転の位相差を生じることなく、正確に同一回転する。前記した自在継手25、30により回転を伝達する場合、回転角度、回転速度の平均値は等しいが、直交する2軸で回転を伝達するため、1回転につき2周期でずれを生じる。ピストン16の往復運動は基本的には正弦波状に変化するが、このように途中で回転変動を生じると、それだけピストン16の挙動が複雑となり、正弦波の吐出脈動特性に高周波の脈動が重畳し、さらにはピストン16、シュー23、リングプレート19等に慣性により振動が発生する。
【0103】
しかし、このように斜歯31a,31bで連結した場合には、回転位相が発生せず、吐出脈動と振動の発生を抑制できる。
【0104】
図8の実施の態様は、シリンダブロック14とリングプレート19の各外周部に斜歯32a,32bを形成し、互いに一部で噛合させるようにしたものである。この場合、外周部で噛合させるので、図7の実施の態様に比べて、大きな回転トルクを伝達でき、ポンプの大容量化に対応できる。また、回転軸12がリングプレート19の中心を貫通し、ハウンジング11の側壁11a,11bとにより、軸受13a,13bを介して両持ち状態で支持されるようにしたので、回転軸12の支持剛性が高まり、大容量化が可能となる。
【0105】
図9の実施の態様は、回転伝達機構として、シリンダブロック14とリングプレート19との回転中心にそれぞれスプライン穴34a,34bを形成し、これらスプライン穴34a,34bに互いに噛合する歯33a,33bを両端にもつ両歯付軸33により、シリンダブロック14とリングプレート19とを同期回転させるようにしたものである。
【0106】
この場合には、シリンダブロック14とリングプレート19との回転中心部で互いに連結できるので、構造がコンパクトになり、また、シリンダブロック14とリングプレート19とを位相差を生じることなく同一回転させられる一方で、図7または図8の実施の態様のような、回転伝達に伴って斜歯間に発生する離間力に起因してのモーメントがシリンダブロック14にかからず、シリンダブロック14の挙動を安定させられる。また、両歯付軸33の各歯面を円弧状(樽状)に形成すると、シリンダブロック14とリングプレート19との交差する角度が変化しても、自由に追従することができるので、可変容量型のポンプにも適用できる。
【0107】
図10、図11の実施の態様は、リングプレート19の傾斜を変化させ、ポンプ吐出量を可変制御するもので、支持台20はハウンジング11から分離し、リングプレート19の直径方向に延びる一対のトラニオン軸35a,35bによりハウンジング11に対して傾動自由に支持される。
【0108】
このようにして支持台20を介してリングプレート19の傾斜角度を変化させると、シリンダブロック14とリングプレート19との回転軸心が同一延長上にきたときに、ピストン16はストロークしなくなり、吐出量はゼロとなるが、傾斜角度が大きくなるのにしたがってストローク量が大きくなり、吐出量が増える。支持台20を傾転駆動する機構については、図示を省略する。
【0109】
なお、シリンダブロック14とリングプレート19とを同期回転させる回転伝達機構としては、リングプレート19の傾斜角度変化に対応できる自在継手25を備えているが、スプライン穴34a,34bと両歯付軸33で構成することもできる。
【0110】
図12の実施の態様は、支持台20の背面20cを円筒形に形成し、ハウンジング11の側壁11bに同じく円筒面状の内周面11cを形成し、支持台20を傾動自由に支持したものである。この支持台20は図示しない駆動機構により傾斜角度が制御される。
【0111】
このクレイドル型では、リングプレート19を介して支持台20が受ける荷重を、大きな接触面積をもつハウンジング11の内周面11cで支持するので、面圧が低下し、耐久性が高められる。なお、上記円筒面に代えて球面により支持することも当然にできる。
【0112】
以上の実施の態様は、すべて斜板式のラジアルピストンポンプについてのものであるが、以下に斜軸式のラジアルピストンポンプについての実施の態様を示す。なお、斜板式でも斜軸式でも本質的な作動特性に変わりはなく、斜軸式はシリンダブロック14の回転軸心に対して回転軸12が傾斜している点において相違する。
【0113】
図13の実施の態様において、回転軸12はハウンジング11の側壁11aを貫通し、リングプレート19の中心に対してスプライン部18aにより連結し、回転軸12とリングプレート19とが一体的に回転する。他方、シリンダブロック14はハウンジング11の側壁11bから突出させた支持軸40により回転自在に支持され、リングプレート19のシリンダブロック側の中心部と、シリンダブロック14のリングプレート側先端部とが、自在継手25により互いに連結され、リングプレート19とシリンダブロック14とが同期回転するようになっている。なお、回転軸12の先端とシリンダブロック14の中心部とを自在継手25によって連結してもよい。
【0114】
前記リングプレート19は側壁11aに形成した支持部41に設けた軸受プレート42と、その外周の軸受リング22により摺動自由に支持される。
【0115】
なお、ピストン16がシュー23との接触面が、ピストン16の軸心と垂直に形成されることなど、前記各実施の態様と同じである。
【0116】
このようにして、斜軸式のアキシャルピストンポンプについても、ピストン16に横力が発生するのを防いで、摺動面圧を下げ、焼付き等を生じることなく、ポンプの高回転、高圧化を実現し、また、シリンダブロック14の挙動を安定させて、弁板17との間の作動流体の漏洩を減少させられる。
【0117】
なお、この斜軸式アキシャルピストンポンプの場合、吐出反力の回転方向分力が働くリングプレート19に比較して、シリンダブロック14の回転に必要なトルクが小さいため、斜板式よりも、回転伝達機構としての自在継手25にかかる伝達トルクが小さくなり、自在継手25の小型化、軽量化が図れる。
【0118】
図14の実施の態様は、回転伝達機構として、回転軸12の先端部と、シリンダブロック14の中心部との突き合わせ端部に、それぞれ斜歯31a,31bを設け、これらの噛合により、リングプレート19とシリンダブロック14とを同期回転させるようにしたものである。
【0119】
また、図15の実施の態様は、リングプレート19とシリンダブロック14とのそれぞれ外周部に、斜歯32a,32bを形成し、リングプレート19の回転をシリンダブロック14に伝達している。
【0120】
さらに図16の実施の態様は、リングプレート19の中心に形成したスプライン穴34aと、シリンダブロック14の中心に設けたスプライン穴34bとを、両歯付軸33により連結することにより、リングプレート19とシリンダブロック14とを同期回転させる。
【0121】
このようにして、斜歯31a,31bまたは32a,32b、あるいは両歯付軸33により回転を伝達することにより、リングプレート19とシリンダブロック14との回転が一致し、ポンプ吐出脈動や振動の低減が図れる。また、回転伝達機構が回転中心部にあるものは、設置スペースの削減による小型、軽量化が可能となる。
【0122】
図17、図18の実施の態様は、ポンプの吐出量を可変的に制御するために、リングプレート19に対するシリンダブロック14の傾斜角度を変化させられるようにしたものである。
【0123】
シリンダブロック14はハウンジング11から分離したシリンダブロック支持体50により支持される。つまり、シリンダブロック支持体50の中心部には支持軸50aが一体に突出形成され、ここにシリンダブロック14を回転自由に支持する。シリンダブロック支持体50は、シリンダブロック14の回転中心を通る一対のトラニオン軸50bによりハウンジング11に傾動自在に支持され、またシリンダブロック支持体50の内部には弁板17のポート17aと連通した吸込通路51と、吐出通路52とが貫通形成され、図示しない外部の油圧通路と連通する。
【0124】
このようにして、シリンダブロック支持体50をトラニオン軸50bを支点にして傾動させることにより、シリンダブロック14も一体的に傾動し、リングプレート19との傾斜角度が変化する。このため、ピストン16のストローク量が変化し、ポンプ吐出量を可変制御することができる。
【0125】
図19、図20の実施の態様は、前記シリンダブロック支持体50に円筒形の背面50cを形成し、この背面50cと円筒面接触する内周面11dをハウンジング11に形成し、これによりシリンダブロック14にかかる荷重をハウンジング11の内周面11dで支持する。なお、吸込通路51と吐出通路52は、シリンダブロック支持体50の摺動方向に一定の長さをもって、内周面11dに開口させておくことにより、シリンダブロック支持体50が移動しても、常時連通を維持するようにする。
【0126】
この場合も、シリンダブロック14の傾斜角度に応じて吐出量が変化する可変容量型のポンプとすることができる。
【0127】
次に図21〜図25の示す各実施の態様は、それぞれ回転伝達機構の異なった例を示すもので、まず図21は、回転軸12の回転中心を通るピン26aに一端を、他端をリングプレート19の回転中心を通るピン26bにそれぞれ支持された高剛性のコイルスプリング55により、回転軸12とリングプレート19とを連結したものである。スプリング55は曲げ剛性に比較してねじり剛性を高く設定することにより、シリンダブロック14とリングプレート19の同期回転を維持する。このように高剛性のスプリング55を用いることより、構造が簡略化され、生産コストの低減がはかれる。
【0128】
なお、リングプレート19をスプリング55により回転軸12を介してシリンダブロック14と間接的に連結するのではなく、回転軸12を短くしておき、リングプレート19とシリンダブロック14とを直接的に連結してもよいことは当然である。
【0129】
図22は、スプリング55の代わりに金属ベローズ56により、リングプレート19とシリンダブロック14とを直接または間接に連結したものであり、図21と同じような作用、効果を生じる。
【0130】
さらに図23は、より線たわみ軸57により、リングプレート19とシリンダブロック14とを直接または間接に連結したものである。多数の線材をより合わせてたわみ軸を形成したもので、曲げ剛性に比較してねじり方向には高い剛性をもつ。この場合も、図21と同じような作用、効果を生じる。
【0131】
図24、図25は、円柱型のたわみ軸58により、リングプレート19とシリンダブロック14とを直接または間接に連結したものである。
【0132】
これは、円柱体の外周面から、交互にスリット58a、58bを、多段にわたり形成し、曲げ剛性を低く、かつ所定のねじり剛性を保つようにしたものであり、図21と同じような作用、効果を生じる。
【0133】
なお、以上の各例は、斜板型のアキシャルピストンポンプに適用した場合を示すが、斜軸式のアキシャルピストンポンプについても、同様して適用できることは言うまでもない。
【0134】
次に図26から30までの実施の態様について説明すると、これらはいずれもリングプレート19に作用するラジアル方向の荷重を支持する構造についてのものであり、まず図26に示すものは、基本的には図1の斜板式アキシャルピストンポンプの構成に対応しており、リングプレート19の外周を軸受リング22によって支持する代わりに、支持台20の中心穴20cに、リングプレート19の中央の突起部19hを嵌合し、この嵌合面に軸受20bを介装し、これによりリングプレート19にかかるラジアル方向の荷重を支持している。
【0135】
なお、軸受20bとしては、滑り軸受、ころがり軸受などが用いられるが、このように突起部19hを支持台20の中心穴20cに嵌合する構成にすると、リングプレート19の支持台20への組付が容易となり、生産性が向上する。
【0136】
図27のものは、図13の斜軸式のアキシャルピストンポンプの構成に対応しており、リングプレート19の突起部19hの外周を、ハウジング11に回転軸12を支持する軸受13と同列上で、軸受20bにより回転自在に支持するようにして、リングプレート19のラジアル方向の荷重を支持するようにしたものである。
【0137】
さらに、図28のものは、回転軸12とリングプレート19とを一体的に形成し、回転軸12の軸受13により、リングプレート19にかかるラジアル方向の荷重を同時に支持する構成としてある。
【0138】
このように回転軸12とリングプレート19を同一部材で一体構成すると、部品点数の削減に加えて、これらの組み立てが簡略され、生産性が向上する。
【0139】
図29のものは、リングプレート19の外周面を静圧軸受60により支持するもので、静圧軸受60はハウジング11の内周面11fにリングプレート19の外周面を摺接させ、この摺接面に面して静圧軸受60のポケット11dを形成し、このポケット11dにはハウジング11の断面部に設けた通路11eを経由して作動油を供給する。
【0140】
この場合、図30にも示すように、リングプレート19に各ピストンシュー23を介して作用するラジアル方向の荷重に対抗するように、静圧ポケット11dの位置を決めるのであり、好ましくは、複数のピストン16のうち、下死点となるピストン16に対峙するリングプレート19の外周位置に面して形成され、各ピストン16による反力のラジアル方向の合成力と相対する静圧力を発生するように設定される。
【0141】
このようにして、ハウジング11の内周に直接的に静圧軸受60を構成すると、支持台20の外周に設けるのに比較して、作動油の供給経路などを含めて、構造が簡単となり、生産コストの低減がはかれる。
【0142】
以上の実施の態様はいずれも本発明をアキシャルピストンポンプとして適用したものを示すが、アキシャルピストンモータについても、同様に適用できることは明白である。
【0143】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ピストンを収装したシリンダブロックと、ピストンがシューを介して接触するリング部材とは、回転伝達機構を介して連結され、シリンダブロックとリング部材間の回転トルク差は回転伝達機構が受ける一方で、ピストンとシューとは、ピストンの摺動軸心と直交する面において分離し、リング部材からの反力のうちピストン軸心と直交する方向の分力は分離面の存在により、ピストンにはほとんど伝達されなくなり、これらの結果、ピストンとシリンダブロックとの間にはピストン往復動方向と直交する分力が発生せず、ピストンの摺動面圧が低減し、焼付きなどを回避でき、ポンプ・モータの高速化、高圧化、あるいはピストンの軸方向の短縮化による小型化等が図れる一方、シリンダブロックの作用力が軸方向成分のみとなるため、シリンダブロックと弁板との摺動面圧を容易に適正化でき、焼付き、流体漏れを防止する。
【0144】
第2の発明によれば、シリンダブロックが回転軸部材と直接的に連結し、リング部材が回転伝達機構を介して回転し、斜板式のアキシャルピストンポンプ・モータとして作動する。
【0145】
第3の発明によれば、リング部材が回転軸部材と直接的に連結し、シリンダブロックが回転伝達機構を介してリング部材と同期回転、斜軸式のアキシャルピストンポンプ・モータとして作動する。
【0146】
第4の発明によれば、ピストンを伸び出し方向に付勢するスプリングにより、ピストンに作用する流体圧力が小さいときにも、常にピストンとシューの接触を維持し、良好な作動性を確保できる。
【0147】
第5の発明によれば、リング部材がラジアル方向には移動することなく、ハウジングに設けた支持台の傾斜面に摺接しながら回転し、傾斜面の角度に応じた流量特性で作動する。
【0148】
第6の発明によれば、リング部材にかかるラジアル方向の荷重が軸受リングにより支持され、支持台から逸脱することなく安定して摺接回転する。
【0149】
第7の発明によれば、リング部材にかかるラジアル方向の荷重が、支持部に設けた軸受リングにより支持され、支持部から逸脱することなく安定して摺接回転する。
【0150】
第8の発明によれば、軸受リングとリング部材との嵌合面に構成した静圧軸受により、リング部材のラジアル方向の荷重を支持し、円滑に回転させられる。
【0151】
第9の発明によれば、軸受リングとリング部材との嵌合面に構成した動圧軸受またはコロガリ軸受により、リング部材のラジアル方向の荷重を支持し、円滑に回転させられる。
【0152】
第10の発明によれば、リング部材にかかるラジアル方向の荷重をハウジングの内周面の静圧軸受により支持し、円滑に回転させられる一方、静圧軸受の構成の簡略化に伴う生産コストの低減もはかれる。
【0153】
第11の発明によれば、支持台の内周面の軸受によりリング部材のラジアル方向の荷重を支持し、円滑に回転させられる。また、リング部材の支持台への組付が容易に行える。
【0154】
第12の発明によれば、リング部材にかかるラジアル方向の荷重が、軸受を介してハウジングに直接的に支持されるので、円滑に回転させられる。
【0155】
第13の発明によれば、回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを連結する自在継手を備えるので、少ないスペースにコンパクトに収納することができる。
【0156】
第14の発明によれば、回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部とを連結する自在継手を備えるので、大きなトルクを伝達することができ、大容量のものに適用できる。
【0157】
第15の発明によれば、回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部で互いに噛合する斜歯を形成したので、シリンダブロックとリング部材との回転位相に回転角によるずれがなく、回転脈動や振動の少ない運転特性となる。
【0158】
第16の発明によれば、回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部に互いに噛合する斜歯を形成したので、シリンダブロックとリング部材との回転位相に回転角によるずれがなく、回転脈動や振動の少ない運転特性にできる一方、大きなトルクの伝達が可能となり、大容量のものに適用できる。
【0159】
第17の発明によれば、回転伝達機構として、シリンダブロックと、リング部材の各回転中心部に形成したスプライン穴を両歯付軸で連結したので、シリンダブロックとリング部材との回転位相に回転角によるずれがなく、回転脈動、振動の少ない運転特性にできる一方で、小さなスペースにコンパクトに配置することができる。
【0160】
第18の発明によれば、回転軸部材がリング部材の中心部を貫通し、かつ両端でもってハウジングに回転自在に支持されているので、両持ち支持により、回転軸部材の支持強度を高められる。
【0161】
第19の発明によれば、回転伝達機構としての高剛性のスプリングにより、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができ、また構造も簡単で、生産コストの低減がはかれる。
【0162】
第20の発明によれば、回転伝達機構としての高剛性のベローズにより、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができ、構造の簡略化、生産コストの低減もはかれる。
【0163】
第21の発明によれば、回転伝達機構としてのより線たわみ軸により、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができ、構造の簡略化、生産コストの低減もはかれる。
【0164】
第22の発明によれば、回転伝達機構としての円滑型たわみ軸により、シリンダブロックとリング部材とを連結するので、シリンダブロックとリング部材の回転位相を最小限に抑制しつつ、交差する軸心について円滑に回転運動を伝達することができ、また構造の簡略化、生産コストの低減もはかれる。
【0165】
第23の発明によれば、支持台が傾動自在で、リング部材に当接するピストンの有効ストロークを支持台の傾斜角度に応じて調整することにより、可変容量型特性にすることができる。
【0166】
第24の発明によれば、支持台背面がハウジングに円筒面または球面接触するので、リング部材を介して支持台が受ける反力をハウジングにより支持することができ、耐久強度が高められる。
【0167】
第25の発明によれば、シリンダブロックが傾動自在に支持されているので、シリンダブロックの傾斜角度に応じてピストンの有効ストロークを調整することにより、可変容量型特性にすることができる。
【0168】
第26の発明によれば、シリンダブロック支持体背面がハウジングに円筒面または球面接触し、シリンダブロックがうける反力をハウジングにより支持することができ、耐久強度を高められる。
【0169】
第27の発明によれば、リング部材とピストンとの間に介在させるシューの形状が略半割球で、構成が簡単で、生産性も良好となる。
【0170】
第28の発明によれば、シューとピストンの接触面に潤滑用流体が導入され、常時良好な潤滑機能を維持できる。
【0171】
第29の発明によれば、シューとピストンの接触面に導入された潤滑用流体を、シューとリング部材との球面接触面に導入するので、シューとリング部材との間でも良好な潤滑性が維持される。
【0172】
第30の発明によれば、シューとリング部材との球面接触面に導入された潤滑用流体が、さらにリング部材と軸受リングとの摺接面に導入されるので、これらの間においても良好な潤滑性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の態様を示す縦断面図である。
【図2】同じく横断面図である。
【図3】同じくリングプレートの表面からみた説明図である。
【図4】同じくピストンにかかる作用力を示す説明図である。
【図5】第2の実施の態様を示す縦断面図である。
【図6】同じく横断面図である。
【図7】第3の実施の態様を示す縦断面図である。
【図8】第4の実施の態様を示す縦断面図である。
【図9】第5の実施の態様を示す縦断面図である。
【図10】第6の実施の態様を示す縦断面図である。
【図11】同じく横断面図である。
【図12】第7の実施の態様を示す縦断面図である。
【図13】第8の実施の態様を示す縦断面図である。
【図14】第9の実施の態様を示す縦断面図である。
【図15】第10の実施の態様を示す縦断面図である。
【図16】第11の実施の態様を示す縦断面図である。
【図17】第12の実施の態様を示す縦断面図である。
【図18】同じく横断面図である。
【図19】第13の実施の態様を示す縦断面図である。
【図20】同じく横断面図である。
【図21】第14の実施の態様を示す縦断面図である。
【図22】第15の実施の態様を示す縦断面図である。
【図23】第16の実施の態様を示す縦断面図である。
【図24】第17の実施の態様を示す縦断面図である。
【図25】同じくそのA−A線断面図である。
【図26】第18の実施の態様を示す縦断面図である。
【図27】第19の実施の態様を示す縦断面図である。
【図28】第20の実施の態様を示す縦断面図である。
【図29】第21の実施の態様を示す縦断面図である。
【図30】同じくそのリングプレートの説明図である。
【図31】従来例の縦断面図である。
【図32】同じくピストンにかかる作用力を示す説明図である。
【符号の説明】
11 ハウンジング
12 回転軸
14 シリンダブロック
15 シリンダ
16 ピストン
17 弁板
19 リングプレート
20 支持台
22 軸受リング
23 シュー
25 自在継手
29a 静圧軸受面
29b 静圧軸受面
29c 静圧軸受面
29d 静圧軸受面
30 自在継手
31a,31b 斜歯
32a,32b 斜歯
33 両歯付軸
41 支持部
50 シリンダブロック支持体
55 スプリング
56 ベローズ
57 より線たわみ軸
58 円柱型たわみ軸
60 静圧軸受

Claims (30)

  1. 軸回りに回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブロックの回転軸の同心円上に往復動自在に収装された複数のピストンと、前記シリンダブロックの回転軸心に対して相対的に傾斜すると共に前記ピストンの先端が当接するリング部材と、前記シリンダブロックと同期回転する回転軸部材とを備えたアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記リング部材に球面接触するシューと、前記ピストンの先端に設けた軸心と直交する当接面と、この当接面と面接触する前記シューに設けた平滑面と、前記シリンダブロックと前記リング部材とを前記ピストンを介さずに同期回転させる回転伝達機構とを備え、前記当接面と前記平滑面との間に形成した静圧軸受に前記シリンダ内の流体の一部を前記ピストンに形成した貫通路を介して導き、さらに前記シューの球面と前記リング部材の間に形成した静圧軸受に前記流体の一部を前記シューに形成した貫通路を介して導く構成としたことを特徴とするアキシャルピストンポンプ・モータ。
  2. 軸回りに回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブロックの回転軸の同心円上に往復動自在に収装された複数のピストンと、前記シリンダブロックの回転軸心に対して相対的に傾斜すると共に前記ピストンの先端が当接するリング部材と、前記シリンダブロックと同軸的に連結されかつ一体的に回転する回転軸部材とを備えたアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記リング部材に球面接触するシューと、前記ピストンの先端に設けた軸心と直交する当接面と、この当接面と面接触する前記シューに設けた平滑面と、前記シリンダブロックと前記リング部材とを前記ピストンを介さずに同期回転させる回転伝達機構とを備え、前記当接面と前記平滑面との間に形成した静圧軸受に前記シリンダ内の流体の一部を前記ピストンに形成した貫通路を介して導き、さらに前記シューの球面と前記リング部材の間に形成した静圧軸受に前記流体の一部を前記シューに形成した貫通路を介して導く構成としたことを特徴とするアキシャルピストンポンプ・モータ。
  3. 軸回りに回転自在に支持されたシリンダブロックと、シリンダブロックの回転軸の同心円上に往復動自在に収装された複数のピストンと、前記シリンダブロックの回転軸心に対して相対的に傾斜すると共に前記ピストンの先端が当接するリング部材と、前記リング部材と同軸的に連結されかつシリンダブロックと同期回転する回転軸部材とを備えたアキシャルピストンポンプ・モータにおいて、前記リング部材に球面接触するシューと、前記ピストンの先端に設けた軸心と直交する当接面と、この当接面と面接触する前記シューに設けた平滑面と、前記シリンダブロックと前記リング部材とを前記ピストンを介さずに同期回転させる回転伝達機構とを備え、前記当接面と前記平滑面との間に形成した静圧軸受に前記シリンダ内の流体の一部を前記ピストンに形成した貫通路を介して導き、さらに前記シューの球面と前記リング部材の間に形成した静圧軸受に前記流体の一部を前記シューに形成した貫通路を介して導く構成としたことを特徴とするアキシャルピストンポンプ・モータ。
  4. 前記ピストンを常時シューと接触すべく伸び出し方向に付勢するスプリングを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  5. 前記リング部材の一面がハウジングに設けた支持台の傾斜面に摺接すると共に、ラジアル方向に拘束されていることを特徴とする請求項2に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  6. 前記支持台に取付けた軸受リングが、リング部材の外周に摺動自由に嵌合することを特徴とする請求項5に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  7. 前記リング部材がハウジングに設けた支持部に摺接すると共に、支持部に取付けた軸受リングがリング部材の外周に摺動自由に嵌合することを特徴とする請求項3に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  8. 前記軸受リングとリング部材との嵌合面に静圧軸受が構成されることを特徴とする請求項6または7に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  9. 前記軸受リングとリング部材との嵌合面に動圧軸受またはコロガリ軸受が構成されることを特徴とする請求項6または7に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  10. 前記リング部材の外周面がハウジングの一部の内周面に支持され、この支持面に静圧軸受が構成され、この静圧軸受にはハウジング断面部に形成した通路を経由して作動油が導入されることを特徴とする請求項1〜4までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  11. 前記リング部材の一部が前記支持台の内周面に軸受を介して回転自在に支持されることを特徴とする請求項5に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  12. 前記リング部材の一部がハウジングの一部内周面に軸受を介して回転自在に支持されることを特徴とする請求項1〜4までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  13. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを互いに直交する2軸でもって連結する自在継手を備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  14. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部とを互い直交する2軸でもって連結する自在継手を備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  15. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部との突合わせ端部に互いに噛合する斜歯を形成することを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  16. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの外周部とリング部材の外周部との突き合わせ端部に互いに噛合する斜歯を形成することを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  17. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部に形成したスプライン穴と、リング部材の回転中心部に形成したスプライン穴とに互いに噛合する両歯付軸とを備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  18. 前記リング部材の中心部を回転軸部材が非干渉状態に貫通し、回転軸部材の両端がハウジングに回転自在に支持されていることを特徴とする請求項14または16に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  19. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを直接または間接に連結する高剛性スプリングを備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  20. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを直接または間接に連結する高剛性ベローズを備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  21. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを直接または間接に連結するより線たわみ軸を備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  22. 前記回転伝達機構として、シリンダブロックの回転中心部とリング部材の回転中心部とを直接または間接に連結する円筒型たわみ軸を備えることを特徴とする請求項1〜12までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  23. 前記支持台はリング部材が摺接する傾斜面が傾動自在となるように支持軸を介してハウジングに支持されていることを特徴とする請求項5または6に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  24. 前記支持台がリング部材が摺接する傾斜面が傾動自在となるように、支持台背面がハウジングに円筒面または球面で接触することを特徴とする請求項5または6に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  25. 前記シリンダブロックがリング部材に対して傾動自在に支持軸を介してハウジングに支持されていることを特徴とする請求項3または7に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  26. 前記シリンダブロックがリング部材に対して傾動自在となるようにシリンダブロック支持体の背面がハウジングに円筒面または球面で接触することを特徴とする請求項3または7に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  27. 前記シューは略半割球に形成され、その球面をリング部材に形成した半球凹部に球面接触し、かつその平滑面をピストンの当接面と面接触させていることを特徴とする請求項1〜26までのいずれか一つに記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  28. 前記シューとピストンの接触面にはピストンに形成した貫通路を介して潤滑用流体が導入されることを特徴とする請求項27に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  29. 前記シューとピストンの接触面に導入された潤滑用流体が、シューに形成した貫通路を介してシューとリング部材との球面接触面に導入されることを特徴とする請求項28に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
  30. 前記シューとリング部材との球面接触面に導入された潤滑用流体が、リング部材に形成した貫通路を介して軸受リング部材との摺接面に導入されることを特徴とする請求項29に記載のアキシャルピストンポンプ・モータ。
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