JP3709938B2 - 車両用衝突検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時に乗員保護装置を作動させる車両用衝突検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の衝突時に乗員保護装置を作動させる車両用衝突検知装置として、たとえば特開平4−191149号公報に記載の装置が知られている。かかる車両用衝突検知装置は、加速度センサから得られる加速度に基づいて人体の移動量を予測し、この予測値が予め設定された基準値を超えたときに、乗員保護装置を作動させるための信号を出力するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用衝突検知装置では、加速度センサから得られる加速度のみを処理し、乗員保護装置を作動させるか否かを判断しているため、たとえば、荷物等をたくさん積載して車両の総重量が重い場合と、荷物等を積載せずに車両の総重量が軽い場合とでは、車両の速度が同一であっても、加速度センサから得られる加速度は異なるので、効果的な乗員保護ができない虞があった。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、車両の総重量が変化した場合でも、効果的な乗員保護を行うことが可能な車両用衝突検知装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、車両が衝突したときにその衝撃の加速度を検出する加速度検出手段と、該検出された加速度と閾値とを比較する比較手段と、該比較された結果、前記検出された加速度が前記閾値を超えたときに、乗員保護装置を作動させる乗員保護装置作動手段とを備えた車両用衝突検知装置において、車両の重量を検出する車重検出手段と、該検出された車重に応じて前記閾値を変更する閾値変更手段とを有し、前記比較手段は、該変更された閾値と前記検出された加速度とを比較することを特徴とする。
【0006】
本発明の構成に依れば、車重検出手段により車重が検出され、該検出された車重に応じて、閾値変更手段により閾値が変更されると、比較手段により、該変更された閾値と加速度検出手段により検出された衝撃の加速度とが比較され、該比較された結果、該加速度が前記変更後の閾値を超えた場合には、乗員保護装置作動手段により乗員保護装置が作動されるので、車両の総重量が変化した場合でも、効果的な乗員保護を行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0008】
図1は、本発明の実施の一形態に係る車両用衝突検知装置の概略構成を示すブロック図である。
【0009】
同図において、車両(図示せず)の路面からの高さ(車高)に応じた電圧を出力する車高センサ1および車両が衝突したときに発生する衝撃加速度(G)に応じた電圧を出力する衝撃Gセンサ2の出力側は、それぞれアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路3および4を介して制御回路5の入力側に接続され、制御回路5の出力側は作動回路6の入力側に接続されている。
【0010】
同図において、車高センサ1および衝撃Gセンサ2からの各アナログ電圧出力は、A/D変換回路3および4を介して、それぞれデジタル信号に変換され、制御回路5に供給される。
【0011】
制御回路5は、図示しないCPU、RAM、ROMおよびタイマ等から成るマイクロコンピュータを中心として構成されており、A/D変換回路3および4からのデジタル電圧出力を処理し、その処理結果に応じて作動要求信号を作動回路6に出力する。この作動要求信号が入力されると、作動回路6は、エアバッグ等の乗員保護装置(図示せず)を作動させる作動信号を出力する。
【0012】
以上のように構成された車両用衝突検知装置が実行する制御処理を、以下、図2および3を参照して説明する。
【0013】
図2は、本実施の形態の車両用衝突検知装置のCPUが実行する制御処理の手順を示すフローチャートであり、この制御処理プログラムは、たとえば前記ROMに格納される。
【0014】
同図において、まず、初期化処理を行う(ステップS1)。具体的には、本制御処理中で使用する各種変数(後述するt1,t2,tb,FP,MG1,MD1)をリセット(“0”)する。
【0015】
次に、前記RAMに確保され、衝撃G検出のサンプリング周期tsgを生成するためのソフトカウンタt1の値が、サンプリング周期tsgに一致したか否かを判別し(ステップS2)、一致するまで待機した後にステップS3に進む。ここで、ソフトカウンタt1のカウントアップは、前記タイマが所定時間経過する度に発生するタイマ割込み処理(図示せず)中で行うようにすればよい。
【0016】
ステップS3では、前記A/D変換回路4からの出力信号を読み込むことにより、サンプリング周期tsgで衝撃Gを検出し、ステップS4では、この検出された衝撃Gを次式により平均化して、前記RAMに確保され、この衝撃Gの平均値を格納する領域MG(以下、この内容を「衝撃G平均値MG」という)に格納する。
【0017】
MG = K1×MG1 + (1−K1)×G (0<K1<1)
但し、K1は平均化速度を決める重み付け定数である。
【0018】
ステップS5では、次回のループ以降で衝撃G平均値MGを算出するために、前記RAMに確保され、前回算出された衝撃G平均値MGを記憶する領域MG1に、前記ステップS4で算出された衝撃G平均値MGを記憶する。
【0019】
次に、演算時間tbが予め設定された閾値tendより小さいか否かを判別する(ステップS6)。ここで、演算時間tbとは、衝撃G平均値MGが予め設定された閾値Ga(この閾値Gaは、衝突により衝撃が加わったこと、すなわち有G(加速度)であることを判定するために用いられるので、以下、この値を「有G基準値Ga」という)より大きくなってから本制御処理(演算)を継続している時間をいい、この演算時間tbは、前記RAMに確保された領域tb(以下、この内容を「演算時間tb」という)でカウントされる(後述するステップS21)。また、閾値tendは、本制御処理(演算)を終了させる時間(すなわち、衝撃G平均値MG>有G基準値Gaとなってからの時間が異常に長いため、演算を強制的に終了させる時間)を示すもので、以下、この閾値tendを演算終了時間tendという。
【0020】
ステップS6の判別で、演算時間tb≧閾値tendのときには直ちに本制御処理を終了し、一方、演算時間tb<閾値tendのときにはステップS7に進む。
【0021】
ステップS7では、後述するステップS17の処理を行ったことを“1”で示すフラグFPの値を判別し、フラグFP=0のときにはステップS8に進み、フラグFP=1のときにはステップS18に進む。
【0022】
ステップS8では、衝撃G平均値MGが有G基準値Gaより大きいか否かを判別し、衝撃G平均値MG≦有G基準値Gaのとき、すなわち有Gと認められないときには、前記RAMに確保され、車高検出のサンプリング周期tsdを生成するためのソフトカウンタt2の値がサンプリング周期tsdに一致したか否かを判別し(ステップS9)、サンプリング周期tsdに一致しないときには、次式によりソフトカウンタt2を更新した(ステップS10)後に、後述するステップS22に進む。
【0023】
t2 = t2 + t1
一方、ステップS9の判別で、ソフトカウンタt2の値がサンプリング周期tsdに一致したときには、前記A/D変換回路3からの出力信号を読み込むことにより、サンプリング周期tsdで車高を検出し、前記RAMに確保された領域D(以下、この内容を「車高D」という)に格納する(ステップS11)。
【0024】
続くステップS12では、検出した車高Dと予め設定された車高D1およびD2とを比較し、D1≦D≦D2であるときにはステップS13に進み、前記ステップS4と同様にして、車高Dを次式により平均化して、前記RAMに確保され、車高Dの平均値を格納する領域MD(以下、この内容を「車高平均値MD」という)に格納する。
【0025】
MD = K2×MD1 + (1−K2)×D (0<K2<1)
但し、K2は平均化速度を決める重み付け定数である。
【0026】
ステップS14では、次回ループ以降で車高平均値MDを算出するために、前記RAMに確保され、前回算出された車高平均値MDを記憶する領域MD1に、ステップS14で算出された車高平均値MDを記憶する。
【0027】
続くステップS15では、車高平均値MDから車重を予測し、この予測値を、前記RAMに確保された領域M(以下、この内容を「車重予測値M」という)に格納した後に、ステップS22に進む。
【0028】
一方、前記ステップS8の判別で、衝撃G平均値MG>有G基準値Gaのとき、すなわち有Gと認められるときには、前記フラグFPをセット(“1”)し(ステップS16)、たとえば前記ROMに予め記憶されたテーブルデータ(図3参照)を検索して、トリガレベル変化量fn(t)を選択する(ステップS17)。ここで、トリガレベル変化量fn(t)とは、総トリガレベルGth中、前記車重予測値Mに応じて変化させるトリガ量をいい、好ましくは、トリガレベル変化量fn(t)は時間の関数として設定される。総トリガレベルGthは、このトリガレベル変化量fn(t)と予め設定されたトリガレベルGdとを加算したものであり、前記作動回路6に対して作動要求信号を出力するための閾値を示す。
【0029】
続くステップS18では、前記ステップS17で選択されたトリガレベル変化量fn(t)と前記トリガレベルGdとを加算して総トリガレベルGthとし、前記RAMに確保された領域Gth(以下、この内容を「総トリガレベルGth」という)に格納し、ステップS19では、衝撃G平均値MGが総トリガレベルGthより大きいか否かを判別し、衝撃G平均値MG>総トリガレベルGthのときには、作動回路6に対して作動要求信号を出力した後に、本制御処理を終了する。
【0030】
一方、ステップS19の判別で、衝撃G平均値MG≦総トリガレベルGthのときには、次式により演算時間tbを更新し(ステップS21)、ソフトカウンタt1をリセットした(ステップS22)後に、前記ステップS2に戻って前述の処理を繰り返す。
【0031】
tb = tb + t1
以上説明したように本実施の形態では、検出した車高Dから車重を予測し、その予測された車重に応じて総トリガレベルGthを変化させるように構成したので、車両の総重量が変化した場合でも、効果的な乗員保護を行うことができる。
【0032】
なお、本実施の形態では、車高センサ1として、車高に応じた電圧を出力するものを採用したが、これに限らず、車高を測定できるものであればその種類は問わない。同様に、衝撃Gセンサも、その種類は問わない。
【0033】
また、本実施の形態では、車高から車重を予測し、その予測された車重に応じて総トリガレベルGthを変更するように構成したが、これに限らず、車重を直接測定できるセンサを設け、このセンサから検出された車重に応じて総トリガレベルGthを変更するようにしてもよい。
【0034】
なお、本実施の形態では、車高の測定が正確に行われない場合、車重は過小または過大となり、図3よりfn(t)=0となり、トリガーレベルGthは予め設定された値Gdとなり、車重が考慮されない従来の衝突検知と同等となる。したがって、最悪でも従来の検知機能は確保することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に依れば、車重検出手段により車重が検出され、該検出された車重に応じて、閾値変更手段により閾値が変更されると、比較手段により、該変更された閾値と加速度検出手段により検出された衝撃の加速度とが比較され、該比較された結果、該加速度が前記変更後の閾値を超えた場合には、乗員保護装置作動手段により乗員保護装置が作動されるので、車両の総重量が変化した場合でも、効果的な乗員保護を行うことが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る車両用衝突検知装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態の車両用衝突検知装置のCPUが実行する制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】車重予測値Mからトリガーレベル変化量fn(t)を選択するためのテーブルデータの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 車高センサ(車重検出手段)
2 衝撃Gセンサ(加速度検出手段)
5 制御回路(比較手段、車重検出手段、閾値変更手段)
6 作動回路(乗員保護装置作動手段)
Claims (1)
- 車両が衝突したときにその衝撃の加速度を検出する加速度検出手段と、該検出された加速度と閾値とを比較する比較手段と、該比較された結果、前記検出された加速度が前記閾値を超えたときに、乗員保護装置を作動させる乗員保護装置作動手段とを備えた車両用衝突検知装置において、車高測定により車両の重量を検出する車重検出手段と、該検出された車重に応じて前記閾値を変更する閾値変更手段とを有し、前記比較手段は、該変更された閾値と前記検出された加速度とを比較し、前記車重検出手段により過大または過小の車重が検出されたときには前記閾値を所定値とすることを特徴とする車両用衝突検知装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP24237095A JP3709938B2 (ja) | 1995-08-29 | 1995-08-29 | 車両用衝突検知装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH0958405A JPH0958405A (ja) | 1997-03-04 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3709938B2 (ja) |
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