JPH08282433A - 乗員保護装置の制御装置 - Google Patents

乗員保護装置の制御装置

Info

Publication number
JPH08282433A
JPH08282433A JP7113671A JP11367195A JPH08282433A JP H08282433 A JPH08282433 A JP H08282433A JP 7113671 A JP7113671 A JP 7113671A JP 11367195 A JP11367195 A JP 11367195A JP H08282433 A JPH08282433 A JP H08282433A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
value
collision
acceleration
vehicle
occupant protection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7113671A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Sugiyama
幸一 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP7113671A priority Critical patent/JPH08282433A/ja
Publication of JPH08282433A publication Critical patent/JPH08282433A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 センサの加速度信号から高周波成分を除去し
した後の出力波形の特性に基き車輌の衝突様相を判定す
る。 【構成】 加速度センサ2から得られる加速度データG
(t)をローパスフィルタ3、A/D変換器4により高
周波成分を除去した曲線データKを抽出し、かかる曲線
データKについて所定期間T1内で、曲線データKの極
小値K2を含むように特定期間T2を設定するととも
に、所定期間T1から特定期間T2を差し引いた期間T
3を特定期間T2の両側で期間T3/2として振り分
け、また、曲線データKに関して各期間T3/2につき
加算して得られた各値の和から特定期間T2につき得ら
れた値を差し引いた演算値GFORM(n)とスレッシホー
ルド値Th2との大小関係を判断することにより、高速
度斜め衝突が発生したかどうかを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度センサから発生
される加速度信号に基づいて車両の衝突状態を判定する
乗員保護装置の制御装置に関し、特に、加速度センサよ
り発生される加速度信号から高周波成分を除去した後に
おける出力波形の特性が、極大値から引き続いて極小値
をとる波形であるか否かに基づいて車両の衝突を判別す
る乗員保護装置の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の衝突時においても乗員を安
全に保護すべくエアバッグ装置、プリローダ装置等の乗
員保護装置を車両に搭載することが一般化されつつあ
る。かかるエアバッグ装置においては、その作動タイミ
ングが速すぎても、また、遅すぎても乗員の安全確保上
支障を来すことから、車両の衝突を正確に判定して如何
なるタイミングでエアバッグ装置を作動させるかは重要
なポイントとなる。
【0003】このような事情下において、エアバッグ装
置を必要な時のみ適正に作動させて乗員の安全を確保す
るため、従来より各種の乗員保護装置の制御装置が提案
されている。例えば、特開平3−253441号公報に
は、加速度計により検出される加速度波形について、所
定の値以下のピークカットを施して時間積分するととも
に、その積分値から所定関数の時間関数値を減算し、減
算された積分値と所定関数の時間関数値とを比較してエ
アバッグ等の乗員保護装置を始動させる比較手段を備え
た衝突センサ、及び、前記ピークカット、減算を行って
時間積分した後、その積分値と所定関数の時間関数値と
を比較してエアバッグ等の乗員保護装置を始動させる比
較手段を備えた衝突センサが記載されている。
【0004】前記衝突センサによれば、低速度正面衝突
時においては加速度波形エネルギの大部分がバンパー等
により吸収されて加速度波形に表れる振動成分(高周波
成分)はそれ程大きくない一方、高速度斜め衝突時にお
いては車体の座屈、振動等に伴って加速度波形に表れる
振動成分(高周波成分)が多いという事実に着目し、特
に、加速度波形に表れる谷部を除去して高速度斜め衝突
時に得られる加速度の時間積分値を大きな値とすること
により、低速度正面衝突時と高速度斜め衝突時との間で
時間積分値の差を大きくして両者を確実に識別すること
が可能となるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平3−253441号公報に記載された衝突センサで
は、加速度波形に表れる振動成分を利用してエアバッグ
を始動させるかどうかを判断しているが、かかる振動成
分は、車両の製造時におけるばらつきや衝突相手(対
象)の構成材質(必ずしも車両とは限らない)等に基づ
いてフレキシブルに変化する。従って、加速度波形に表
れる振動成分を利用して衝突の判断をし、エアバッグを
始動させる場合には、振動成分におけるばらつき等に起
因して、常に最適に衝突の判断を行うことは困難なもの
である。
【0006】本発明は前記従来の問題点を解消するため
になされたものであり、加速度センサの出力波形に谷部
があらわれるか否かに基づいて衝突判別を行うことによ
り、最適に車体の座屈等を伴う衝突を判別することがで
きる乗員保護装置の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に係る乗員保護装置の制御装置は、車両の加速
度を検出して加速度信号を発生する加速度センサと、前
記加速度センサの出力波形から所定の周波数以上の高周
波成分を除去する高周波成分除去手段と、前記高周波成
分除去後の前記加速度センサ出力波形の特性が、極大値
から引き続いて極小値をとる波形であるか否かに基づい
て衝突を判別する衝突判別手段と、前記衝突判別手段に
より車両の衝突が判別されたときに乗員保護装置を起動
する起動手段とを備えた構成とされる。
【0008】また、請求項2に係る乗員保護装置の制御
装置では、請求項1に記載の衝突判別手段が、前記高周
波成分除去後の加速度センサの出力波形における、第1
の所定期間について積分した第1の積分値と、第2の所
定期間について積分した第2の積分値とを演算し、これ
らの値に基づいて車両の衝突を判別する構成とされてい
る。
【0009】更に、請求項3に係る乗員保護装置の制御
装置では、請求項1に記載の衝突判別手段が、前記高周
波成分除去手段からの加速度信号を所定のサンプリング
周期でサンプリングするサンプリング手段と、前記サン
プリング手段によりサンプリングされた値のうち、第1
の所定期間内の値を加算した第1の加算値と、第2の所
定期間内の値を加算した第2の加算値を演算する演算手
段とを有し、前記演算手段により演算された第1の加算
値と第2の加算値とに基づいて車両の衝突を判別する構
成とされている。
【0010】また、請求項4に係る乗員保護装置の制御
装置では、請求項3に記載の衝突判別手段が、第1の加
算値から第2の加算値に応じた値を減算して減算値を演
算し、前記減算値に基づいて車両の衝突を判別する構成
とされている。
【0011】
【作用】請求項1に係る乗員保護装置の制御装置におい
ては、加速度センサの出力波形は、所定の周波数以上の
高周波成分が除去されたのち衝突判別手段に入力され
る。衝突判別手段は、入力された波形の特性が、極大値
から引き続いて極小値をとる波形であるか否かを判別
し、極大値から引き続いて極小値をとる波形である場合
は、車両に衝突が起こった状態であると判別する。これ
は、高速度斜め衝突のような車体の構成部品(サイドメ
ンバ等)が座屈あるいは曲げ変形等を伴う衝突において
は、高周波成分を除去した加速度波形中に谷部が明確に
現われることを利用している。尚、この理由は、衝突に
起因する車両に及ぼされる加速度が変化することにより
現われるものと解される。つまり、衝突初期において
は、衝突に起因する加速度が発生するが、衝突中期にお
いては、車体の座屈等により衝突初期の加速度よりも加
速度センサが検出する加速度が小さくなり、衝突後期に
おいて、座屈が終了(つまり、衝突物がエンジン等の剛
性の高い物体まで到達)した後に再び発生する加速度が
大きくなることにより谷部が現われるものである。この
谷部を検出する手段として、本発明の衝突判別手段は、
極大値から引き続いて極小値をとる波形であるか否かを
判別し、もって、高周波成分(振動成分)に依存せず、
安定した高速度斜め衝突の判別が可能となる。その後、
衝突が起こったと判別されたときは、乗員保護装置を起
動する起動手段が起動される。
【0012】また、請求項2に係る乗員保護装置の制御
装置においては、加速度センサの出力波形から所定の周
波数以上の高周波成分が除去された波形において、第1
の所定期間について積分した第1の積分値と、第2の所
定期間について積分した第2の積分値とが演算され、こ
れらの値に基づいて車両の衝突が判別される。これは前
述したように、高速度斜め衝突が起こった時の加速度セ
ンサの出力波形に谷部が現われることに基づき、第1の
積分値と第2の積分値とを比較することにより、出力波
形に谷部が含まれているか否かを判別することができ、
さらに、谷部の程度を値として検出することができる。
この値に基づいて衝突を判別するので、高速度斜め衝突
を精度良く判別することができる。
【0013】また、請求項3に係る乗員保護装置の制御
装置においては、高周波成分が除去された加速度センサ
の出力波形は、サンプリング手段によりサンプリングさ
れた値の内、第1の所定期間内の値を加算して第1の加
算値が演算され、第2の所定期間内の値を加算して第2
の加算値が演算手段により演算され、これらの値に基づ
いて車両の衝突が判別される。第1の加算値と第2の加
算値とを比較することにより、出力波形に谷部が含まれ
ているか否かを判別することができ、さらに谷部の程度
を値として検出することができる。この値に基づいて衝
突を判別するので、高速度斜め衝突を精度良く判別する
ことができる。
【0014】また、請求項4に係る乗員保護装置の制御
装置においては、衝突判別手段は、第1の加算値から第
2の加算値に応じた値を減算して、この減算値に基づい
て車両の衝突を判別することとされている。したがっ
て、第1の加算値から第2の加算値を減算することによ
り出力波形に谷部が含まれているか否かを判別すること
ができ、さらに谷部の程度を値として検出することがで
きる。この値に基づいて衝突を判別するので、高速度斜
め衝突を精度良く判別することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る乗員保護装置の制御装置
について、本発明を具体化した実施例に基づき図面を参
照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施例に係る乗員保
護装置の制御装置の全体構成について図1に基づき説明
する。図1は乗員保護装置の制御装置のブロック構成図
であり、制御装置1は、基本的に、加速度センサ2、2
つのローパスフィルタ3A及び3B、各ローパスフィル
タ3A、3Bに対応する2つのA/D変換器4A、4
B、マイクロコンピュータ5、及び、エアバッグ装置6
から構成される。
【0016】ここに、加速度センサ2は、車両の前後加
速度Gを検出し、その検出した加速度Gのデータを各ロ
ーパスフィルタ3A及び3Bに出力する。かかる加速度
センサ2から出力される加速度Gのデータは、高周波成
分(振動成分)を含むアナログデータである。
【0017】各ローパスフィルタ3A及び3Bは、加速
度センサ2から出力される高周波成分を含む加速度Gの
データ中から高周波成分を除去して、車両の加速度状態
を表すリニアな曲線データを得るためのフィルタであ
る。ここに、ローパスフィルタ3Aは、正面衝突判別用
のフィルタであり、約500Hz以上の周波数を有する
高周波成分をカットする特性を有する。また、ローパス
フィルタ3Bは、高速度斜め衝突判別用のフィルタであ
り、約100Hz以上の周波数を有する高周波成分をカ
ットする特性を有する。このように、通常の衝突判別に
使用しているローパスフィルタよりもカットオフ周波数
の低い高速度斜め衝突判別用のローパスフィルタ3Bを
設けることにより、高速度斜め衝突における加速度波形
をより簡単に特定することができる。
【0018】例えば、車両が低速度で正面衝突をした場
合には、加速度センサ2により検出された加速度Gのデ
ータは高周波成分を含んでいるが、ローパスフィルタ3
Aを経た後には、図3に示すような曲線データKが得ら
れる。このように、低速度で正面衝突の場合、比較的な
だらかな曲線データKが得られるのは、衝突時における
加速度エネルギの大部分はバンパー等に吸収されて車体
の座屈等は生じないことが多いからである。また、同様
に、車両が高速度斜め衝突をした場合には、加速度セン
サ2により検出された加速度Gのデータに含まれる高周
波成分がローパスフィルタ3Bを介してカットされるこ
とにより、図4に示すような曲線データKが得られる。
図4の曲線データKにおいて、極大値K1、極小値K
2、極大値K1が連続した曲線データKとなるのは、高
速度斜め衝突の場合には、前述したように、谷部が加速
度波形に現われるためである。尚、各図3、図4におい
て、横軸は時間tを示し、縦軸は加速度データG(t)
を示す。
【0019】各A/D変換器4A、4Bは、前記のよう
に各ローパスフィルタ3A、3Bを介して得られた曲線
データをアナログ値からデジタル値に変換する。このよ
うにA/D変換されたデジタル値がマイクロコンピュー
タ5に出力される。マイクロコンピュータ5は、後述す
るように、各種の演算処理を行い、その演算結果に基づ
き車両の衝突が生じたと判定した時には、エアバッグ装
置6に対してエアバッグ作動信号を出力するものであ
る。かかるマイクロコンピュータ5が本発明における衝
突判別手段、起動手段、サンプリング手段、及び、演算
手段をソフトウェア処理により実現する。
【0020】エアバッグ装置6は、電源7、スイッチ回
路8、インフレータ9及びエアバッグ10から構成され
ており、更に、インフレータ9内には着火装置11及び
ガス発生剤12が設けられている。かかるエアバッグ装
置6は、エアバッグ10が展開起動された時にエアバッ
グ10が乗員とステアリングとの間に介在するように配
置されている。エアバッグ装置6において、マイクロコ
ンピュータ5から作動信号が出力されるとスイッチ回路
8がオンとされ、これにより電源7からスイッチ回路8
を介して着火装置11に電流が流れることから、着火装
置11が発熱される。かかる着火装置11の発熱に基づ
きガス発生剤12が着火され、多量の窒素ガスが発生し
てエアバッグ10内に吹き込まれる。この結果、エアバ
ッグ10は、その発生した窒素ガスにより膨張展開され
るものである。
【0021】次に、乗員保護装置の制御装置1の電気制
御系について図2に基づき説明する。図2は乗員保護装
置の制御装置1の電気的構成を示す制御ブロック図であ
る。図2において、マイクロコンピュータ5は、CPU
13、ROM14、RAM15、割込タイマ16、入出
力インターフェイス回路17、及び、これらを相互に接
続する双方向のバスライン18等から構成されている。
CPU13は、後述するメイン処理プログラム、正面衝
突判別割込処理プログラム、高速度斜め衝突判別割込処
理プログラムに基づいて各種の演算を行い、その演算結
果をRAM15における各メモリに記憶させる。
【0022】ROM14は、図5乃至図7に示すメイン
処理プログラム、正面衝突判別割込処理プログラム、高
速度斜め衝突判別割込処理プログラムを記憶しており、
CPU13はこれらの各プログラムに基づいて各種の処
理を行う。また、ROM14には、高速度斜め衝突判別
プログラムにおいて使用される演算式(後述する)にお
ける各係数A、B、C、n1、n2について複数個の組
合せをテーブル化した数値テーブルが記憶されており、
更に、正面衝突及び高速度斜め衝突の判定を行う際に使
用される所定値(スレッシホールド値)Th1、Th
2、Th3が記憶されている。尚、ROM14にはその
他乗員保護装置の制御装置1の処理に必要な各種のプロ
グラムが記憶されている。
【0023】RAM15は、CPU13により演算され
た演算結果を一時的に記憶するものであり、かかるRA
M15には各種のメモリ領域が設けられている。ここ
に、割込カウンタ15Aは、所定の割込周期H(メイン
処理時に設定される)で割込処理が行われる際に割込処
理回数Eをカウントするメモリである。かかる割込カウ
ンタ15Aは、1回からN回までカウント可能であり、
カウント回数(値)EがNになると1にセットされて割
込処理が行われる毎に順次割込回数をカウントしてい
く。
【0024】また、加速度メモリ15Bは、加速度セン
サ2にて検出され、各ローパスフィルタ3A、3B、各
A/D変換器4A、4Bから入出力インターフェイス1
7に入力された加速度Gのデータ(加速度データ)をC
PU13の制御下で順次記憶していくメモリである。こ
の加速度メモリ15Bには、ローパスフィルタ3Aから
A/D変換器4Aを介して入力された加速度Gのデー
タ、及び、ローパスフィルタ3BからA/D変換器4B
を介して入力された加速度Gのデータのそれぞれについ
て、n個の加速度データを記憶する領域が存在し、n個
を越えて入力された加速度データは、最初に記憶された
加速度データに順次上書きされて記憶される。これによ
り、加速度メモリ15Bには常に最新の加速度データが
記憶されていくこととなる。尚、加速度データは、CP
U13の制御下で、所定のサンプリング周期hに従いク
ロック信号のタイミングに対応して加速度メモリ15B
に記憶されていく。
【0025】演算値メモリ15Cは、CPU13の制御
下で後述の演算数式1に従って演算された演算値が記憶
されるメモリであり、このように記憶された演算値は、
高速度斜め衝突の判定時にスレッシホールド値Th2と
比較される。また、速度メモリ15Dは、高速度斜め衝
突の判定時において車両が縁石乗り上げする場合を排除
すべく、最新(現在)の割込処理時における車両の速度
変化に応じた値を記憶するものである。ここで、車両の
速度変化に応じた値を使用するのは、縁石乗り上げの場
合、車両は一時的に加速度が出るものの、直ちに乗り上
げ前の速度に復帰し、衝突時と異なり速度変化は小さく
なることから、かかる速度変化に基づいて衝突か、又
は、縁石乗り上げかを判断するためである。更に、加算
値メモリ15Eは、正面衝突の判定時に演算される加速
度値の加算値が記憶される。また、割込タイマ16は、
前記割込周期H毎に行われる割込処理中に時間を計時
し、かかる割込タイマ16により計時される時間に基づ
いて割込処理が行われるものである。
【0026】次に、前記のように構成される乗員保護装
置の制御装置1の動作について図5乃至図7に基づき説
明する。ここに、図5はメイン処理プログラムのフロー
チャート、図6は正面衝突判別割込処理プログラムのフ
ローチャート、図7は高速度斜め衝突判別割込処理プロ
グラムのフローチャートをそれぞれ示す。
【0027】先ず、メイン処理について説明する。メイ
ン処理は、イグニションキーにより車両のエンジンを始
動するとスタートし、ステップ(以下、Sと略記する)
1にてRAM15における各メモリの初期化が行われ
る。具体的には、割込カウンタ15Aのカウント値Eが
1にセットされ、また、加速度データG(t)を記憶す
る加速度メモリ15B、演算値GFORM(n)を記憶する
演算値メモリ15C、速度変化に応じた値V(E) を記憶
する速度メモリ15D、加速度データG(t)の所定期
間内の加算値G'(t) を記憶する加算値メモリ15E
が、それぞれ0にクリアされる。
【0028】S2では割込周期Hが設定され、また、S
3では割込タイマ16がスタートされる。これにより、
正面衝突判別割込処理、及び、高速度斜め衝突判別割込
処理が同時に並行して開始されるものである。S3の後
においては、メインルーチンに従って各種の故障検出が
行われる(S4)。
【0029】続いて、正面衝突判別割込処理について、
図6に基づき説明する。このとき、加速度メモリ15B
には、前記したように割込タイマ16がスタートした時
点における最新の加速度データG(t)が記憶されてい
る。この割込処理においては、先ず、S5にて、ローパ
スフィルタ3Aにより高周波成分が除去された加速度セ
ンサ2からの検出出力をA/D変換器4Aを介してA/
D変換してなる値(加速度データG(t)として加速度
メモリ15Bに記憶されている)が加速度メモリ15B
から読み込まれる。このとき、n個の加速度データG
(t)が読み込まれる。続くS6では、n個の加速度デ
ータG(t)の全てを加算した和である加速度データの
加算値G'(t) が演算されるとともに、加算値メモリ
15Eに記憶される。
【0030】この後、S8においては、加算値メモリ1
5Eに記憶された加速度データの加算値G'(t) と所
定のスレッシホールド値Th1との大小関係が判断され
る。加算値G'(t) がスレッシホールド値Th1と等
しいか、又は、スレッシホールド値Th1よりも大きい
場合(S8:YES)には、正面衝突が発生したものと
判断し、S9にてスイッチ回路8をオンさせて電源7、
着火装置11、ガス発生剤12を介してエアバッグ10
が膨張展開される。この後、S11に移行する。
【0031】一方、S8において、加算値G'(t) が
スレッシホールド値Th1よりも小さいと判断された場
合(S8:NO)には、正面衝突は発生しておらず、従
って、エアバッグ10が膨張展開されることなく(S1
0)、S11に移行する。S11では、割込カウンタ1
5Aのカウント値Eが、カウント可能な値Nを越えたか
どうか判断され、カウント値Eが値Nを越えた場合(S
11:YES)にはカウント値Eに1がセットされて再
度カウント動作が行われる(S12)一方、カウント値
Eが値Nを越えていない場合(S11:NO)にはカウ
ント値Eを1だけインクリメントして(S13)割込処
理がリターンされる。
【0032】続いて、割込タイマ16のスタート時点か
ら前記正面衝突判別割込処理と並行して行われる高速度
斜め衝突判別割込処理について図7に基づき説明する。
このとき、前記と同様、加速度メモリ15Bには、割込
タイマ16がスタートした時点における最新の加速度デ
ータG(t)が記憶されている。
【0033】この割込処理においては、前記と同様に、
先ず、S14において、ローパスフィルタ3Bにより高
周波成分が除去された加速度センサ2からの検出出力を
A/D変換器4Bを介してA/D変換してなる値(加速
度データG(t)として加速度メモリ15Bに記憶され
ている)が加速度メモリ15Bから読み込まれる。この
とき、n個の加速度データG(t)が読み込まれる。
【0034】次のS15においては、前記S14にて読
み込んだn個の各加速度データG(t)に対してサンプ
リング周期hを掛け合わせられる。これにより、各加速
度データG(t)は速度のディメンジョンに変換され
る。ここで、加速度データG(t)にサンプリング周期
hを掛け合わせたn個のデータをG(n)で表す。そし
て、S16においては、ROM14に記憶された下記演
算数式1に基づいて演算値GFORM(n)が演算され、演
算値メモリ15Cに記憶される。
【0035】
【数1】
【0036】かかる演算数式1は、後述するように所定
期間T1内で所定期間T1よりも短い特定期間T2を設
定するとともに、所定期間T1から特定期間T2を差し
引いた期間をT3とした場合に、期間T3について加算
されたG(n)の値から特定期間T2について加算され
たG(n)の値を減算した値を演算値GFORM(n)とし
て求めるための数式である。
【0037】ここに、前記演算数式1において、各係数
A、B、C、n1、n2は、実験により経験的に求めら
れた係数であり、これらの各係数A、B、C、n1、n
2について複数個の組合せがROM14の数値テーブル
に記憶されている。各係数A、B、C、n1、n2につ
いては、ROM14の数値テーブルに記憶されている複
数個の組合せがすべて演算数式1に用いられて演算され
る。また、演算値GFORM(n)の演算は、各係数の全て
の組合せについて行われ、その求められた演算値GFORM
(n)が演算値メモリ15Eに記憶される。
【0038】ここで、演算数式1を介して行われる演算
方法について図8に基づき具体的に説明する。図8は演
算数式1による演算方法を説明するための説明図であ
る。尚、図8において、車両の衝突により加速度データ
G(t)について曲線データKが得られたものとし、あ
る時点で曲線データKにおける2つの極大値K1間に存
在する極小値K2を含むように所定期間T1が位置して
いるとともに、極小値K2がほぼ中央に含まれるように
特定期間T2が位置するような各係数A、B、C、n
1、n2が選択されているものとする。また、所定期間
T1から特定期間T2を差し引いた残余の期間T3は、
特定期間T2の両側に等分(T3/2)して位置してい
るものとする。かかる状態は、割込周期Hに従って割込
処理を行っていく間に、いずれ発生するものである。更
に、所定期間T1の間にn個の加速度データG(t)が
取得されたものとし、最初のT3/2の期間(図8中左
側に位置する)内ではn1個、特定期間T2内では(n
2−n1)個、特定期間T2に続く期間T3/2の期間
(図8中右側に位置する)内では(n−n2)個の加速
度データG(t)が得られたものとする。ここでは、便
宜的に、nは80個として、n1は20個、n2は60
個として説明する。
【0039】前記した条件の下、演算数式1における係
数Aを伴う左項が演算される。この左項の演算値は、図
8における領域S1の面積に相当する。実際には、n=
0からn1まで、即ち、20個の加速度データG(t)
のそれぞれにサンプリング周期hを掛け合わせた値の和
が演算される。同様にして、演算数式1における係数B
を伴う中間項が演算される。この中間項の演算値は、図
8における領域S2の面積に相当する。実際には、n=
n1からn2まで、即ち、(60−20)個の加速度デ
ータG(t)のそれぞれにサンプリング周期hを掛け合
わせた値の和が演算される。また、同様にして、演算数
式1における係数Cを伴う右項が演算される。この右項
の演算値は、図8における領域S3の面積に相当する。
実際には、n=n2からnまで、即ち、(80−60)
個の加速度データG(t)のそれぞれにサンプリング周
期hを掛け合わせた値の和が演算される。
【0040】尚、図8の説明においては、説明の便宜
上、G(t)にサンプリング周期hを掛け合わせた例で
説明するが、実際の実施例においてはサンプリング周期
hは掛け合わされていない。
【0041】そして、前記のように各演算値が演算され
た後、左項の演算値(領域S1の面積)と右項の演算値
(領域S3の面積)とを足した値から中間項の演算値
(領域S2の面積)を差し引いた値が演算され、かかる
演算値がGFORM(n)として演算値メモリ15Cに記憶
される。尚、前記演算は、ROM14の数値テーブルに
記憶された係数A、B、C、n1、n2の各組合せのそ
れぞれについて演算され、それ演算された各演算値G
FORM(n)が演算値メモリ15Cに記憶されるものであ
る。
【0042】図8から明かなように、演算数式1の演算
値GFORM(n)は、領域S2の面積が小さい程(極小値
K2が小さい程)大きな値となり、一方、領域S2の面
積が大きい程(極小値K2が大きい程)小さな値とな
る。このとき、図8に示す曲線データKは、2つの極大
値K1と各極大値K1間に極小値K2を有することか
ら、前記図4にて説明したように、高速度斜め衝突の場
合に得られる曲線データを示しており、また、極小値K
2は車両の座屈等に起因して発生するものであるから、
座屈等の程度が大きい程極小値K2は小さくなって領域
S2の面積が小さくなることが分かる。従って、前記の
ように演算される演算値GFORM(n)に対してスレッシ
ホールド値Th2をROM14の数値テーブルに設定し
ておき、かかるスレッシホールド値Th2と演算値G
FORM(n)とを比較することにより、高速度斜め衝突を
安定して確実に判別することが可能となるものである。
【0043】ここで、図7のフローチャートに戻って説
明を続けると、前記S16の後S17においては、現在
の割込処理時(この時、割込カウンタ15Aのカウント
値をEとする)における速度変化に応じた値V(E) が演
算される。かかる演算は、前回の割込処理時(1周期前
の割込処理時)における速度変化に応じた値V(E-1)、
及び、現在の割込処理時における加速度G(t)にサン
プリング周期hを掛け合わせた値(速度の増加分)を足
すことにより行われ、その得られた値は現在における車
両の速度変化に応じた値V(E) として速度メモリ15D
に記憶される。かかるS17の処理は、後述するよう
に、車両速度に基づき縁石乗り上げの場合を判断するた
めの処理である。
【0044】この後、S18において、前記S16にて
演算され演算値メモリ15Cに記憶された演算値GFORM
(n)が、ROM14の数値テーブルに記憶されたスレ
ッシホールド値Th2と等しいか、又は、大きいかが判
断される。この判断は、演算値メモリ15Cに記憶され
ている全ての演算値GFORM(n)について行われる。こ
のS18における判断は、高速度斜め衝突が発生したか
どうかを判断するための処理である。尚、前記したよう
に、車両が縁石乗り上げをした場合でも、その程度によ
ってはS18における判断がYESとなる場合がある。
【0045】そして、いずれか1つの演算値G
FORM(n)がスレッシホールド値Th2と等しいか又は
大きいと判断された場合(S18:YES)には、高速
度斜め衝突又は程度の大きい縁石乗り上げが発生したも
のとして、S19にて前記S17で演算され速度メモリ
15Dに記憶されている現在における車両の速度変化に
応じた値V(E) がスレッシホールド値Th3よりも大き
いかどうか判断される。かかるS19における判断は、
車両が縁石乗り上げをした程度によって前記S18の判
断がYESとなった場合においても、車両の速度変化に
応じた値がスレッシホールド値Th3よりも小さい場合
には、縁石乗り上げが発生したものとしてエアバッグ1
0の膨張展開を回避するために行われるものである。現
在における車両の速度変化に応じた値V(E) がスレッシ
ホールド値Th3よりも大きいと判断された場合(S1
9:YES)には、高速度斜め衝突が確実に発生したも
のと判断できることから、乗員を保護するためエアバッ
グ10の膨張展開が行われる(S20)。この後、S2
3に移行する。
【0046】一方、前S18にて全ての演算値G
FORM(n)がスレッシホールド値Th2よりも小さいと
判断された場合(S18:NO)には、高速度斜め衝突
及び程度の大きい縁石乗り上げのいずれも発生していな
いと判断できるので、エアバッグ10を膨張展開するこ
となく(S21)、S22に移行する。S22では、現
在における車両の速度変化に応じた値V(E) が発散して
しまうことを防止するため、現在における車両の速度変
化に応じた値V(E) に係数F(0から1の間にある値
で、適当に選択される)が掛け合わされ、このように得
られた値が車両の速度変化に応じた値V(E) として速度
メモリ15Dに記憶される。
【0047】また、S23においては、割込カウンタ1
5Aのカウント値EがNを越えたかどうか判断される。
この判断は、割込カウンタ15Aのカウント能力がN回
までしかないことから、カウント値Eを更新するために
行われるものである。カウント値EがNを越えた場合
(S23:YES)には、カウント値Eを1として(S
24)処理をリターンする。また、カウント値EがNを
越えていない場合(S23:NO)には、カウント値E
を1だけインクリメントした後(S25)、処理をリタ
ーンする。
【0048】本実施例においては、正面衝突判別ルーチ
ンに並列して、高速度斜め衝突判別ルーチンが実行され
るので、正面衝突を確実に判別することができるのみな
らず、高速度斜め衝突をも確実に判別することができ
る。また、高速度斜め衝突判別ルーチンのS16におけ
る衝突判別式において、各係数A、B、C、n1、n2
をROM内に記憶されている複数の組合せをすべて判定
式に適用することにより、高速度斜め衝突を確実に判別
することができる。つまり、加速度波形に谷間を有する
異なる衝突形態についても確実に判別することができ
る。また、上記判定式が割り込み周期毎に実行されるの
で、確実に衝突を判別することができる。
【0049】また、本実施例においては、高速度斜め衝
突を判別する例について述べたが、本実施例が判別でき
る衝突形態としては、車両の進行方向に対してずれた
(オフセット)位置に衝突物がある場合の衝突、所謂、
オフセット衝突、車両のバンパー等衝撃を吸収する部材
よりも上部位置に衝突物がある場合の所謂アンダーライ
ド衝突等が挙げられる。
【0050】また、これらの衝突が起こった場合の谷部
が現われる加速度センサの出力波形において、本実施例
の如く、所定期間T1内の特定期間T2内に谷部が含ま
れる場合には、所定期間T1と特定期間T2との間にあ
る相関関係を見いだすことができる。つまり、出力波形
に谷部が現われない衝突形態においては、特定期間T2
の加算値が本実施例に比して大きな値となるので、この
場合の相関関係が、谷部が現われる出力波形の相関関係
と異なったものとなるのは明らかである。したがって、
この相関関係を適切なものとすることで、出力波形に谷
部が現われる衝突形態を判別することができ、衝突判別
がより正確にできることとなる。
【0051】更に、本実施例に係る乗員保護装置の制御
装置1では、加速度センサ2から得られる加速度データ
G(t)をローパスフィルタ3B、A/D変換器4Bに
より高周波成分を除去した曲線データKを抽出し、かか
る曲線データKについて所定期間T1内で、曲線データ
Kの極小値K2を含むように特定期間T2を設定すると
ともに、所定期間T1から特定期間T2を差し引いた期
間T3を特定期間T2の両側で期間T3/2として振り
分け、また、曲線データKに関して各期間T3/2につ
き加算して得られた各値の和から特定期間T2につき得
られた値を差し引いた演算値GFORM(n)とスレッシホ
ールド値Th2との大小関係を判断することにより、高
速度斜め衝突が発生したかどうかを判定するように構成
したので、高速度斜め衝突時に発生する曲線データKに
おける極小値K2の程度を反映させつつ、安定して確実
に高速度斜め衝突の判定を行うことができる。これによ
り、早いタイミングでエアバッグ10の膨張展開を行っ
て乗員を安全に保護することができるものである。
【0052】また、特定期間T2が曲線データKの極小
値K2を含むように設定されていることから、演算値G
FORM(n)に基づいて高速度斜め衝突時に加速度データ
G(t)に表れる谷部を安定的に捉えることが可能とな
り、これにより、加速度データG(t)における谷部の
特徴を加味しつつ車両の高速度斜め衝突を安定して確実
に判定を行い、エアバッグ10の展開起動が可能となる
ものである。更に、極大値K1、極小値K2、極大値K
1が連続する曲線データKの場合には、特定期間T2が
極小値K2を含むように設定されていることに基づき、
特定期間T2における曲線データKに基づき高速度斜め
衝突時に加速度データG(t)に表れる谷部を確実に捉
えて極大値K1、極小値K2、極大値K1が連続する曲
線データKの場合を高速度斜め衝突として判定すること
が可能となる。
【0053】更に、演算数式1では、各期間T3/2に
ついて加算した値の和から特定期間T2につき演算した
値を減算して演算値GFORM(n)を求めているので、高
速度斜め衝突時の加速度データG(t)に表れる谷部が
演算値GFORM(n)に直接反映されることとなり、これ
より前記と同様、曲線データKの谷部の特徴を加味しつ
つ車両の高速度斜め衝突を安定して確実に判定すること
が可能となる。また、演算値GFORM(n)がスレッシホ
ールド値Th2と等しいか又は大きいと判断された場合
においても、車両の速度変化に応じた値V(E) とスレッ
シホールド値Th3との大小関係を判断するように構成
したので、車両が縁石乗り上げを起こした場合を確実に
判断して、エアバッグ10が不用意に膨張展開されるこ
とを確実に防止することができる。
【0054】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改
良、変形が可能であることは勿論である。例えば、前記
実施例では、所定期間T1内において、各期間T3/2
につき演算した値を足した値から特定期間T2につき演
算した値を差し引くことにより演算値GFORM(n)を得
るように構成したが、先ず、曲線データKに関して所定
期間T1につき時間積分して演算値を求め、その演算値
から特定期間T2につき時間積分された演算値を差し引
いた値とスレッシホールド値Th2とを比較することに
より高速度斜め衝突を判定するようにしてもよい。ま
た、曲線データKに関して所定期間T1につき時間積分
した演算値と特定期間T2につき時間積分した演算値と
の比に基づいて高速度斜め衝突を判定してもよい。更
に、曲線データKによっては特定期間T2内で明確な極
小値K2が得られない場合もあることを勘案して、特定
期間T2につき演算された演算値に適当な数値を掛け合
わせて極小値K2を拡大し、かかる拡大値と所定期間T
1につき時間積分して求めた演算値とに基づいて高速度
斜め衝突を判定するようにしてもよい。その他、各種の
判定方法が適用可能であることは勿論である。
【0055】また、前記実施例においては、衝突判別を
行う際に極大値から引続き極小値をとるか否かに基づい
て衝突を判別するようにしたが、これに限らず、衝突判
別を行うについて、極大値から極小値さらに極大値へと
引き続くか否かに基づいて衝突を判別するようにしても
よい。このようにすることにより、より精度良く高速度
斜め衝突を判別することができることとなる。
【0056】また、前記極値(極大値、極小値)は、加
速度センサ出力の高周波成分除去後のデータの変化その
ものから検出してもよい。つまり、所定時間毎に微分値
(あるいは微分値に相当する値)を、検出または演算
し、微分値が実質ゼロになったこと、及び、その前後の
微分係数(あるいは微分係数に相当する値)から、極値
(極大値、極小値)を検出し、それらが極大値から引き
続いて極小値(さらに引き続いて極大値)が現われたか
否かを検出することにより衝突を判別してもよい。
【0057】
【発明の効果】請求項1に係る乗員保護装置の制御装置
においては、高周波成分を除去された出力波形におい
て、極大値から引き続いて極小値をとるか否かを判別す
ることにより、出力波形に谷部が含まれている場合を精
度良く判別することができる。従って、高速度斜め衝突
を精度良く判別することができ、かかる衝突の際には最
適に乗員保護装置が起動されることとなる。
【0058】また、請求項2に係る乗員保護装置の制御
装置においては、高周波成分を除去された出力波形にお
いて、第1の積分値と第2の積分値とを比較することに
より、谷部の程度を値として検出することができるの
で、高速度斜め衝突を精度良く判別することができ、か
かる衝突の際には最適に乗員保護装置が起動されること
となる。
【0059】また、請求項3に係る乗員保護装置の制御
装置においては、高周波成分が除去された出力波形にお
いて、第1の加算値と第2の加算値を比較することによ
り、谷部の程度を値として検出することができるので、
高速度斜め衝突を精度良く判別することができ、かかる
衝突の際には最適に乗員保護装置が起動されることとな
る。
【0060】また、請求項4に係る乗員保護装置の制御
装置においては、高周波成分が除去された出力波形にお
いて、第1の加算値から第2の加算値に応じた値を減算
することにより、谷部の程度を値として検出することが
できるので、高速度斜め衝突を精度良く判別することが
でき、かかる衝突の際には最適に乗員保護装置が起動さ
れることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗員保護装置の制御装置のブロック構成図であ
る。
【図2】乗員保護装置の制御装置の電気的構成を示す制
御ブロック図である。
【図3】車両の正面衝突時における加速度の曲線データ
を示すグラフである。
【図4】車両の高速度斜め衝突時における加速度の曲線
データを示すグラフである。
【図5】メイン処理プログラムのフローチャートであ
る。
【図6】正面衝突判別割込処理プログラムのフローチャ
ートである。
【図7】高速度斜め衝突判別割込処理プログラムのフロ
ーチャートである。
【図8】演算数式1による演算方法を説明するための説
明図である。
【符号の説明】
1 乗員保護装置の制御装置 2 加速度センサ 3A、3B ローパスフィルタ 4A、4B A/D変換器 5 マイクロコンピュータ 6 エアバッグ装置 10 エアバッグ 13 CPU 14 ROM 15 RAM 16 割込タイマ G(t) 加速度データ GFORM(n) 演算値 K 曲線データ K1 極大値 K2 極小値 H 割込周期 h サンプリング周期 T1 所定期間 T2 特定期間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の加速度を検出して加速度信号を発
    生する加速度センサと、 前記加速度センサの出力波形から所定の周波数以上の高
    周波成分を除去する高周波成分除去手段と、 前記高周波成分除去後の前記加速度センサ出力波形の特
    性が、極大値から引き続いて極小値をとる波形であるか
    否かに基づいて衝突を判別する衝突判別手段と、 前記衝突判別手段により車両の衝突が判別されたときに
    乗員保護装置を起動する起動手段とを備えたことを特徴
    とする乗員保護装置の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の衝突判別手段は、前記
    高周波成分除去後の加速度センサの出力波形における、
    第1の所定期間について積分した第1の積分値と、第2
    の所定期間について積分した第2の積分値とを演算し、
    これらの値に基づいて車両の衝突を判別することを特徴
    とする請求項1に記載の乗員保護装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の衝突判別手段は、 前記高周波成分除去手段からの加速度信号を所定のサン
    プリング周期でサンプリングするサンプリング手段と、 前記サンプリング手段によりサンプリングされた値のう
    ち、第1の所定期間内の値を加算した第1の加算値と、
    第2の所定期間内の値を加算した第2の加算値を演算す
    る演算手段とを有し、 前記演算手段により演算された第1の加算値と第2の加
    算値とに基づいて車両の衝突を判別することを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載の乗員保護装置の制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の衝突判別手段は、第1
    の加算値から第2の加算値に応じた値を減算して減算値
    を演算し、前記減算値に基づいて車両の衝突を判別する
    ことを特徴とする請求項3に記載の乗員保護装置の制御
    装置。
JP7113671A 1995-04-13 1995-04-13 乗員保護装置の制御装置 Pending JPH08282433A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7113671A JPH08282433A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 乗員保護装置の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7113671A JPH08282433A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 乗員保護装置の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08282433A true JPH08282433A (ja) 1996-10-29

Family

ID=14618217

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7113671A Pending JPH08282433A (ja) 1995-04-13 1995-04-13 乗員保護装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08282433A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08297054A (ja) * 1995-04-26 1996-11-12 Advantest Corp 色感測定装置
JP2011079377A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Keihin Corp 電子制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08297054A (ja) * 1995-04-26 1996-11-12 Advantest Corp 色感測定装置
JP2011079377A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Keihin Corp 電子制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2543839B2 (ja) 衝突センサ
US7416042B2 (en) Method for triggering a two-stage belt tensioner
US5229943A (en) Control unit for a passenger restraint system and/or passenger protection system for vehicles
EP1637405B1 (en) Object struck discrimination system and protection system
KR100663794B1 (ko) 향상된 오용 한계를 갖는 대칭 및 비대칭 충돌 이벤트를결정하기 위한 방법 및 장치
JP2920284B2 (ja) 歩行者保護装置
US20020169534A1 (en) Passive safety system
JP2002046571A (ja) 作動可能な乗員保護装置を制御するためのシステムおよび方法
JP4334114B2 (ja) 車両の衝突判定方法及び衝突判定装置
JPH08282433A (ja) 乗員保護装置の制御装置
JPH1067295A (ja) 車両の乗員保護装置
JP2003043060A (ja) 車両用衝突判定装置
JP3965513B2 (ja) エアバッグシステムの衝突判断装置
KR100250767B1 (ko) 캡오버형 차량용 충돌센서
JP3482435B2 (ja) エアバッグ展開制御装置
JP3141701B2 (ja) エアバッグ制御装置
JPH0769171A (ja) 乗員保護装置
JP2006027290A (ja) 衝突形態判別装置および乗員保護装置
JPH0560777A (ja) 衝突検知方法
KR100362098B1 (ko) 자동차의 에어백 작동을 위한 충돌판별 방법
JPH08521B2 (ja) 車両用乗員保護装置
JP2759736B2 (ja) 車両用安全装置の点火制御装置
JP3448631B2 (ja) 一括搭載型エアバッグモジュールにおける衝突センサシステム
JP3772629B2 (ja) 悪路判定装置,悪路判定方法,乗員保護装置の起動装置および起動方法
JP3141704B2 (ja) エアバッグ制御装置