JP2759736B2 - 車両用安全装置の点火制御装置 - Google Patents
車両用安全装置の点火制御装置Info
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- JP2759736B2 JP2759736B2 JP5096457A JP9645793A JP2759736B2 JP 2759736 B2 JP2759736 B2 JP 2759736B2 JP 5096457 A JP5096457 A JP 5096457A JP 9645793 A JP9645793 A JP 9645793A JP 2759736 B2 JP2759736 B2 JP 2759736B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用安全装置の点火制
御装置に関するものであり、特に、単一の加速度センサ
の出力信号で複数の衝突モードを判別して点火回路を起
動することができる車両用安全装置の点火制御装置に関
する。
御装置に関するものであり、特に、単一の加速度センサ
の出力信号で複数の衝突モードを判別して点火回路を起
動することができる車両用安全装置の点火制御装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】衝撃を検出するセンサの出力信号に基づ
いて車両等が受けた衝撃を検出し、この検出信号から衝
突判定を行って安全装置を作動させるシステムが知られ
ている。このシステムでは、衝突判定に基づいて点火手
段(スクィブ)を点火させ、エアバッグを急速に膨張さ
せたり、シートベルトの予備張力装置を作動させたりす
る。
いて車両等が受けた衝撃を検出し、この検出信号から衝
突判定を行って安全装置を作動させるシステムが知られ
ている。このシステムでは、衝突判定に基づいて点火手
段(スクィブ)を点火させ、エアバッグを急速に膨張さ
せたり、シートベルトの予備張力装置を作動させたりす
る。
【0003】特開昭55−19627号公報や実開昭5
5−47602号公報に記載されたシステムでは、バン
パーに複数のセンサを設けると共に、車室内にもセンサ
を設けている。そして、これら複数の衝撃検出用センサ
を並列接続し、いずれかのセンサで得られた減速度が基
準値を超過したときにエアバッグを展開するための点火
信号を出力するようにしている。
5−47602号公報に記載されたシステムでは、バン
パーに複数のセンサを設けると共に、車室内にもセンサ
を設けている。そして、これら複数の衝撃検出用センサ
を並列接続し、いずれかのセンサで得られた減速度が基
準値を超過したときにエアバッグを展開するための点火
信号を出力するようにしている。
【0004】また、特開平1−229740号公報に記
載されたエアバッグの制御装置には、車体が衝撃を受け
た時の慣性力により接点がオンとなる複数のセンサ(機
械式センサ)の出力信号をコンピュータ制御によって処
理する場合に、自己診断結果によってエアバッグ装置の
作動を停止させる制御装置が記載されている。
載されたエアバッグの制御装置には、車体が衝撃を受け
た時の慣性力により接点がオンとなる複数のセンサ(機
械式センサ)の出力信号をコンピュータ制御によって処
理する場合に、自己診断結果によってエアバッグ装置の
作動を停止させる制御装置が記載されている。
【0005】ところで、衝突の際の加速度変化のパター
ン(以下、衝突モードという)は様々であり、それぞれ
の衝突モードに応じて点火信号を出力するか否かの判定
基準が異なっていた。すなわち高速衝突では衝突時から
極めて短時間(20ミリ秒程度)で衝突判定を行って点
火信号を出力する必要があるし、中速衝突および一定の
減速度が比較的長時間続く衝突(以下、ロングディレー
ション衝突という)では、それぞれ衝突開始から40ミ
リ秒、100ミリ秒程度の時間が経過した時点で衝突を
判定して点火信号を出力するのが望ましい。
ン(以下、衝突モードという)は様々であり、それぞれ
の衝突モードに応じて点火信号を出力するか否かの判定
基準が異なっていた。すなわち高速衝突では衝突時から
極めて短時間(20ミリ秒程度)で衝突判定を行って点
火信号を出力する必要があるし、中速衝突および一定の
減速度が比較的長時間続く衝突(以下、ロングディレー
ション衝突という)では、それぞれ衝突開始から40ミ
リ秒、100ミリ秒程度の時間が経過した時点で衝突を
判定して点火信号を出力するのが望ましい。
【0006】したがって、従来のシステムでは、各種衝
突モードに対応して上述の判定を行うべく、複数のセン
サを設け、これら複数のセンサの出力に基づいて制御を
行っている。
突モードに対応して上述の判定を行うべく、複数のセン
サを設け、これら複数のセンサの出力に基づいて制御を
行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の装置では様々な
衝突モードに対応するために、複数のセンサが設けられ
ており、そのためにコストが高くなるほか、複数のセン
サを用いる場合には、各センサについてその特性を考慮
した出力信号の補正手段を設けるなど、制御が複雑にな
るという問題点があった。
衝突モードに対応するために、複数のセンサが設けられ
ており、そのためにコストが高くなるほか、複数のセン
サを用いる場合には、各センサについてその特性を考慮
した出力信号の補正手段を設けるなど、制御が複雑にな
るという問題点があった。
【0008】本発明の目的は、上記の問題点を解消し、
単一の加速度センサの出力信号に基づいて衝突モードを
判定し、各衝突モードに対応した適切なタイミングで点
火信号を出力できる車両用安全装置の点火制御装置を提
供することにある。
単一の加速度センサの出力信号に基づいて衝突モードを
判定し、各衝突モードに対応した適切なタイミングで点
火信号を出力できる車両用安全装置の点火制御装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決し、目
的を達成するための本発明は、単一の加速度センサと、
前記加速度センサの出力信号に基づく単位区間での加速
度変化量の関数および単位区間での車速変化の関数の和
が高速判定しきい値以上となったときに高速衝突信号を
出力する高速判定手段と、前記加速度センサの出力信号
に基づく単位区間での車速変化量が中低速判定しきい値
以上となったときに中低速衝突信号を出力する中低速判
定手段と、前記加速度センサの出力信号からオフセット
値を差し引いた値に基づく車速変化量がロングディレー
ション判定しきい値以上となったときにロングディレー
ション衝突信号を出力するロングディレーション判定手
段と、前記高速衝突信号、中低速衝突信号およびロング
ディレーション衝突信号の少なくとも1つが出力された
ときに点火信号を出力するゲート手段とを具備した点に
第1の特徴がある。
的を達成するための本発明は、単一の加速度センサと、
前記加速度センサの出力信号に基づく単位区間での加速
度変化量の関数および単位区間での車速変化の関数の和
が高速判定しきい値以上となったときに高速衝突信号を
出力する高速判定手段と、前記加速度センサの出力信号
に基づく単位区間での車速変化量が中低速判定しきい値
以上となったときに中低速衝突信号を出力する中低速判
定手段と、前記加速度センサの出力信号からオフセット
値を差し引いた値に基づく車速変化量がロングディレー
ション判定しきい値以上となったときにロングディレー
ション衝突信号を出力するロングディレーション判定手
段と、前記高速衝突信号、中低速衝突信号およびロング
ディレーション衝突信号の少なくとも1つが出力された
ときに点火信号を出力するゲート手段とを具備した点に
第1の特徴がある。
【0010】また、本発明は、前記高速判定手段が、前
記加速度変化量の関数を出力する複数の相関値テーブル
と、前記単位区間に先行する予定区間における前記加速
度センサの出力信号に基づく車速変化量に応じ、前記複
数の関数テーブルの1つを選択するためのテーブル選択
手段とをさらに具備した点に第2の特徴がある。
記加速度変化量の関数を出力する複数の相関値テーブル
と、前記単位区間に先行する予定区間における前記加速
度センサの出力信号に基づく車速変化量に応じ、前記複
数の関数テーブルの1つを選択するためのテーブル選択
手段とをさらに具備した点に第2の特徴がある。
【0011】
【作用】上記の特徴を有する本発明では、単一の加速度
センサの出力信号が、高速判定手段、中低速判定手段、
およびロングディレーション判定手段に供給される。こ
れらの各判定手段は、各種衝突モードの加速度信号波形
に対応して最適なタイミングで点火信号を出力するため
の演算手段を具備しており、いずれかの判定手段で衝突
が判定されると点火信号が出力される。
センサの出力信号が、高速判定手段、中低速判定手段、
およびロングディレーション判定手段に供給される。こ
れらの各判定手段は、各種衝突モードの加速度信号波形
に対応して最適なタイミングで点火信号を出力するため
の演算手段を具備しており、いずれかの判定手段で衝突
が判定されると点火信号が出力される。
【0012】すなわち、高速判定手段では、加速度信号
に基づいて算出される単位区間の加速度変化量の関数お
よび車速変化量の関数の和がしきい値より大きいか否か
によって、高速衝突モードの特徴である単位区間での急
激な加速度の立上がりと急激な車速の減少を検出でき
る。
に基づいて算出される単位区間の加速度変化量の関数お
よび車速変化量の関数の和がしきい値より大きいか否か
によって、高速衝突モードの特徴である単位区間での急
激な加速度の立上がりと急激な車速の減少を検出でき
る。
【0013】また、中低速判定手段では、加速度信号に
基づいて算出される単位区間での車速変化量が、しきい
値より大きいか否かによって、中低速衝突モードの特徴
である単位区間での比較的大きい車速の減少を検出でき
る。
基づいて算出される単位区間での車速変化量が、しきい
値より大きいか否かによって、中低速衝突モードの特徴
である単位区間での比較的大きい車速の減少を検出でき
る。
【0014】さらに、ロングディレーション判定手段で
は、加速度信号に基づいて算出される車速変化量がしき
い値より大きいか否かによって、一定の減速度が比較的
長時間続くという特徴を有するロングディレーション衝
突を検出できる。なお、ここではあらかじめオフセット
値を差し引いた値に基づいて判定を行うので、比較的長
時間の観察によって衝突を判定するロングディレーショ
ン衝突モードにおいて、オフセット値以下の、衝突に起
因しない加速度信号を排除して衝突判断をできる。
は、加速度信号に基づいて算出される車速変化量がしき
い値より大きいか否かによって、一定の減速度が比較的
長時間続くという特徴を有するロングディレーション衝
突を検出できる。なお、ここではあらかじめオフセット
値を差し引いた値に基づいて判定を行うので、比較的長
時間の観察によって衝突を判定するロングディレーショ
ン衝突モードにおいて、オフセット値以下の、衝突に起
因しない加速度信号を排除して衝突判断をできる。
【0015】一方、第2の特徴を有する本発明によれ
ば、単位区間に先行する予定区間における車速変化量の
大きさを検出し、これに基づいて相関値テーブルを選択
することにより、その後に続く単位区間での前記加速度
変化量の関数の演算における重み付けを変えることがで
きる。したがって、高速判定手段における判定をより早
く行うことができる。
ば、単位区間に先行する予定区間における車速変化量の
大きさを検出し、これに基づいて相関値テーブルを選択
することにより、その後に続く単位区間での前記加速度
変化量の関数の演算における重み付けを変えることがで
きる。したがって、高速判定手段における判定をより早
く行うことができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を詳細に説明す
る。図2は本発明の一実施例に係る点火制御装置の構成
を示すブロック図である。同図において、加速度センサ
(Gセンサ)1は、例えば圧電式加速度センサや、ピエ
ゾ抵抗式半導体センサなど、周知の加速度センサであ
り、車室内前部に設けられて車体の加速度に対応した信
号を出力する。加速度センサ1の出力信号は波形整形装
置2において整形され、マイクロプロセッサ(CPU)
3に入力される。前記波形整形装置2はローパスフィル
タのようなアナログ回路で実現してもよいし、ソフトウ
ェアによってデジタル処理をすることによって実現して
もよい。また、前記マイクロプロセッサ3には、後述す
る衝突判定プログラムが設定されており、前記波形整形
装置2から供給された信号に基づいて、各衝突モードの
衝突判定を行い、点火信号を出力する。点火信号によっ
て出力段装置(半導体スイッチ)4が付勢され、起動装
置すなわちスクィブ5に点火される。
る。図2は本発明の一実施例に係る点火制御装置の構成
を示すブロック図である。同図において、加速度センサ
(Gセンサ)1は、例えば圧電式加速度センサや、ピエ
ゾ抵抗式半導体センサなど、周知の加速度センサであ
り、車室内前部に設けられて車体の加速度に対応した信
号を出力する。加速度センサ1の出力信号は波形整形装
置2において整形され、マイクロプロセッサ(CPU)
3に入力される。前記波形整形装置2はローパスフィル
タのようなアナログ回路で実現してもよいし、ソフトウ
ェアによってデジタル処理をすることによって実現して
もよい。また、前記マイクロプロセッサ3には、後述す
る衝突判定プログラムが設定されており、前記波形整形
装置2から供給された信号に基づいて、各衝突モードの
衝突判定を行い、点火信号を出力する。点火信号によっ
て出力段装置(半導体スイッチ)4が付勢され、起動装
置すなわちスクィブ5に点火される。
【0017】続いて、衝突判定のアルゴリズムについて
説明する。図3〜図6は各種衝突モードにおける衝突時
の加速度センサ1の出力信号、および衝突判定のための
後述の処理を施した後の信号の変化を示したものであ
る。まず、図3に示す高速衝突モードでは、同図(a)
に見られるように衝突開始時t0から短時間で急激に加
速度(G)が変化する。一旦加速度が増大し、その後衝
突後の車体の変形等によって加速度が小さくなるため、
時間t1で最初のピークが現れる。この時に衝突判定を
して点火信号を出力しなければならない。この判定を行
うために、本実施例では、まず各サンプリング時間毎の
加速度信号の変化量dG/dtと加速度信号Gの値を検
出する。そして、両者の単位区間での積分値、すなわち
単位区間における加速度変化量と車速変化量の和を算出
し、これがしきい値を超えたか否かによって高速衝突判
定を行う。図3(b)は高速衝突における、後述の処理
を施した後の単位区間での加速度変化量と車速変化量の
和の関数(相関値)Rを示す図である。相関値Rがしき
い値th1を超過した時点t1で衝突の判定がなされ、
点火信号が出力される。
説明する。図3〜図6は各種衝突モードにおける衝突時
の加速度センサ1の出力信号、および衝突判定のための
後述の処理を施した後の信号の変化を示したものであ
る。まず、図3に示す高速衝突モードでは、同図(a)
に見られるように衝突開始時t0から短時間で急激に加
速度(G)が変化する。一旦加速度が増大し、その後衝
突後の車体の変形等によって加速度が小さくなるため、
時間t1で最初のピークが現れる。この時に衝突判定を
して点火信号を出力しなければならない。この判定を行
うために、本実施例では、まず各サンプリング時間毎の
加速度信号の変化量dG/dtと加速度信号Gの値を検
出する。そして、両者の単位区間での積分値、すなわち
単位区間における加速度変化量と車速変化量の和を算出
し、これがしきい値を超えたか否かによって高速衝突判
定を行う。図3(b)は高速衝突における、後述の処理
を施した後の単位区間での加速度変化量と車速変化量の
和の関数(相関値)Rを示す図である。相関値Rがしき
い値th1を超過した時点t1で衝突の判定がなされ、
点火信号が出力される。
【0018】なお、加速度信号の変化量だけでなく、加
速度信号の大きさを加算しているため、次のような不具
合を改善することもできる。すなわち、砂利道など粗い
路面の走行などにより、加速度が正方向および負方向に
小刻みに変動し、加速度信号の変化量が瞬間的には衝突
時に相当するほど大きいことがある。ここで、前記加速
度の変動の周期より前記単位区間を大きく設定すること
によって正方向および負方向の変動が打ち消されるた
め、加速度信号の積分値はゼロないし極めて低い値とな
る。その結果、このような砂利道走行での加速度信号が
衝突時の加速度信号と誤認されることがない。
速度信号の大きさを加算しているため、次のような不具
合を改善することもできる。すなわち、砂利道など粗い
路面の走行などにより、加速度が正方向および負方向に
小刻みに変動し、加速度信号の変化量が瞬間的には衝突
時に相当するほど大きいことがある。ここで、前記加速
度の変動の周期より前記単位区間を大きく設定すること
によって正方向および負方向の変動が打ち消されるた
め、加速度信号の積分値はゼロないし極めて低い値とな
る。その結果、このような砂利道走行での加速度信号が
衝突時の加速度信号と誤認されることがない。
【0019】次に、図4(a)に示す中低速衝突モード
では、衝突開始時t0からやや緩やかながら比較的大き
い車速変化がある。本実施例では、単位区間での加速度
信号の積分値、すなわち車速変化量がしきい値を超えた
か否かによって中低速衝突判定を行う。図4(b)では
単位区間での車速変化量ΔV1がしきい値th2を超過
した時点t2で衝突の判定がなされ、点火信号が出力さ
れる。
では、衝突開始時t0からやや緩やかながら比較的大き
い車速変化がある。本実施例では、単位区間での加速度
信号の積分値、すなわち車速変化量がしきい値を超えた
か否かによって中低速衝突判定を行う。図4(b)では
単位区間での車速変化量ΔV1がしきい値th2を超過
した時点t2で衝突の判定がなされ、点火信号が出力さ
れる。
【0020】また、図5(a)の波形は、中低速衝突モ
ードに属する軽度の衝突の例であり、時間t3で衝突が
終了するが、図5(b)に示すように、単位区間での加
速度信号の積分値すなわち車速変化量がしきい値th2
を超えないため、エアバッグは展開されない。
ードに属する軽度の衝突の例であり、時間t3で衝突が
終了するが、図5(b)に示すように、単位区間での加
速度信号の積分値すなわち車速変化量がしきい値th2
を超えないため、エアバッグは展開されない。
【0021】さらに、図6(a)に示すロングディレー
ション衝突モードでは、一定の加速度が比較的長時間
(100ミリ秒程度)続く。この衝突モードでは、単位
区間を設定せず、加速度信号を累積積分し、その値がし
きい値を超過したときを衝突と判定する。図6(b)に
示すように車速変化量ΔV2がしきい値th3を超過し
た時点t4で衝突の判定がなされ、点火信号が出力され
る。なお、このロングディレーション衝突モードの処理
では、単位区間を設定していないので、急加速時や急減
速時等、衝突以外の加速度信号が累積される。したがっ
て、この不具合を解消するため、加速度信号から予定の
オフセット値を差し引いた後、その値を累積するように
している。
ション衝突モードでは、一定の加速度が比較的長時間
(100ミリ秒程度)続く。この衝突モードでは、単位
区間を設定せず、加速度信号を累積積分し、その値がし
きい値を超過したときを衝突と判定する。図6(b)に
示すように車速変化量ΔV2がしきい値th3を超過し
た時点t4で衝突の判定がなされ、点火信号が出力され
る。なお、このロングディレーション衝突モードの処理
では、単位区間を設定していないので、急加速時や急減
速時等、衝突以外の加速度信号が累積される。したがっ
て、この不具合を解消するため、加速度信号から予定の
オフセット値を差し引いた後、その値を累積するように
している。
【0022】次に、本実施例の点火制御装置の要部機能
を図1のブロック図を参照して説明する。同図におい
て、加速度センサ1の出力信号Gs は波形整形部2で整
形され、その出力信号Gは、高速衝突判定部6、中低速
衝突判定部7、およびロングディレーション衝突判定部
8に入力される。前記波形整形部2をデジタルフィルタ
で構成する場合の出力信号Gは次の算出式(1) で表され
る。 G=α×G0 +(1−α)×Gs ……(1) 算出式(1) において符号G0 は、前回のデジタルフィル
タの出力信号であり、符号αは係数である。
を図1のブロック図を参照して説明する。同図におい
て、加速度センサ1の出力信号Gs は波形整形部2で整
形され、その出力信号Gは、高速衝突判定部6、中低速
衝突判定部7、およびロングディレーション衝突判定部
8に入力される。前記波形整形部2をデジタルフィルタ
で構成する場合の出力信号Gは次の算出式(1) で表され
る。 G=α×G0 +(1−α)×Gs ……(1) 算出式(1) において符号G0 は、前回のデジタルフィル
タの出力信号であり、符号αは係数である。
【0023】高速衝突判定部6の変化量算出部61で
は、前回サンプリング時から今回サンプリング時までの
加速度信号Gの変化量dG/dtを算出し、その算出結
果を第1相関値変換部62に供給する。変化量dG/d
tの算出は、次の算出式(2) に従って行われる。 dG/dt={β×(dG/dt)´}+{(1−β)×(G−G0 )}…(2) 算出式(2) おいて(dG/dt)´は変化量算出部61
で前回算出された変化量であり、符号βは係数である。
は、前回サンプリング時から今回サンプリング時までの
加速度信号Gの変化量dG/dtを算出し、その算出結
果を第1相関値変換部62に供給する。変化量dG/d
tの算出は、次の算出式(2) に従って行われる。 dG/dt={β×(dG/dt)´}+{(1−β)×(G−G0 )}…(2) 算出式(2) おいて(dG/dt)´は変化量算出部61
で前回算出された変化量であり、符号βは係数である。
【0024】該第1相関値変換部62は、前記変化量d
G/dtが供給された場合にこれに対応する相関値RDG
を出力する換算テーブルである。換算テーブルの一例は
図7に示す。図7(a)に示すテーブルでは、変化量d
G/dtの増減に対して相関値RDGが直線的に変化する
ように設定されている。これに対して図7(b)に示し
たテーブルでは、変化量dG/dtが「0」の近傍で
は、相関値RDGを「0」にし、ある程度の変化量dG/
dtの領域では相関値RDGを一定値に制限し、さらに変
化量dG/dtが大きい場合には再び相関値RDGを減少
させるように設定している。図7(b)のようなテーブ
ルを使用すれば、ノイズ除去や加速度センサのばらつき
の影響ならびに極端に大きい変化量dG/dtをエラー
として排除できる。両テーブルのいずれを使用するかは
搭載車種や加速度センサの取付け位置等によって選択す
る。
G/dtが供給された場合にこれに対応する相関値RDG
を出力する換算テーブルである。換算テーブルの一例は
図7に示す。図7(a)に示すテーブルでは、変化量d
G/dtの増減に対して相関値RDGが直線的に変化する
ように設定されている。これに対して図7(b)に示し
たテーブルでは、変化量dG/dtが「0」の近傍で
は、相関値RDGを「0」にし、ある程度の変化量dG/
dtの領域では相関値RDGを一定値に制限し、さらに変
化量dG/dtが大きい場合には再び相関値RDGを減少
させるように設定している。図7(b)のようなテーブ
ルを使用すれば、ノイズ除去や加速度センサのばらつき
の影響ならびに極端に大きい変化量dG/dtをエラー
として排除できる。両テーブルのいずれを使用するかは
搭載車種や加速度センサの取付け位置等によって選択す
る。
【0025】第2相関値変換部63には、波形整形部2
の出力信号Gが入力され、この出力信号Gが相関値RG
に変換されて出力される。第2相関値変換部63の換算
テーブルの例は図8に示す。この換算テーブルについて
も図7に示したものと同様、搭載車種や加速度センサの
取付け位置等によって選択する。
の出力信号Gが入力され、この出力信号Gが相関値RG
に変換されて出力される。第2相関値変換部63の換算
テーブルの例は図8に示す。この換算テーブルについて
も図7に示したものと同様、搭載車種や加速度センサの
取付け位置等によって選択する。
【0026】第1相関値変換部62および第2相関値変
換部63から出力された相関値RDGおよびRG は、それ
ぞれ第1区間積分処理部64に供給され、単位区間の積
分処理が行われる。第1区間積分処理部64の出力信号
は、比較部65において、高速判定しきい値設定部66
から供給されるしきい値th1と比較される。しきい値
th1よりも第1区間積分処理部64の出力信号が大き
い場合、比較部65は高速衝突判定信号HCを出力す
る。
換部63から出力された相関値RDGおよびRG は、それ
ぞれ第1区間積分処理部64に供給され、単位区間の積
分処理が行われる。第1区間積分処理部64の出力信号
は、比較部65において、高速判定しきい値設定部66
から供給されるしきい値th1と比較される。しきい値
th1よりも第1区間積分処理部64の出力信号が大き
い場合、比較部65は高速衝突判定信号HCを出力す
る。
【0027】また、中低速衝突判定部7では、入力され
た加速度信号Gを波形整形部71でさらに波形整形し、
その整形後の信号G´を第2区間積分処理部72に供給
する。なお、波形整形部71も波形整形部2と同様デジ
タルフィルタで構成することができる。第2区間積分処
理部72の出力信号は、比較部73において、中低速判
定しきい値設定部74から供給されるしきい値th2と
比較される。しきい値th2よりも第2区間積分処理部
72の出力信号が大きい場合、比較部73は中低速衝突
判定信号MCを出力する。
た加速度信号Gを波形整形部71でさらに波形整形し、
その整形後の信号G´を第2区間積分処理部72に供給
する。なお、波形整形部71も波形整形部2と同様デジ
タルフィルタで構成することができる。第2区間積分処
理部72の出力信号は、比較部73において、中低速判
定しきい値設定部74から供給されるしきい値th2と
比較される。しきい値th2よりも第2区間積分処理部
72の出力信号が大きい場合、比較部73は中低速衝突
判定信号MCを出力する。
【0028】さらに、ロングディレーション衝突判定部
8に供給された加速度信号Gは.累積積分処理部81に
供給され、加速度信号Gの累積積分処理が行われる。な
お、累積積分処理によって急停止や急加速のときの加速
度が累積されるのを防止するため、加速度信号Gからオ
フセット値Goff をあらかじめ差し引いた値で積分処理
を行う。累積積分処理部81の出力信号は、比較部82
において、ロングディレーション判定しきい値設定部8
3から供給されるしきい値th3と比較される。しきい
値th3よりも前記累積積分処理部81の出力信号が大
きい場合、比較部82はロングディレーション衝突判定
信号LCを出力する。
8に供給された加速度信号Gは.累積積分処理部81に
供給され、加速度信号Gの累積積分処理が行われる。な
お、累積積分処理によって急停止や急加速のときの加速
度が累積されるのを防止するため、加速度信号Gからオ
フセット値Goff をあらかじめ差し引いた値で積分処理
を行う。累積積分処理部81の出力信号は、比較部82
において、ロングディレーション判定しきい値設定部8
3から供給されるしきい値th3と比較される。しきい
値th3よりも前記累積積分処理部81の出力信号が大
きい場合、比較部82はロングディレーション衝突判定
信号LCを出力する。
【0029】比較部65,73,82の出力はオアゲー
ト9の入力側に接続される。オアゲート9は入力信号の
いずれか1つでも“高レベル「H」”となったとき、す
なわち前記各衝突判定信号HC,MC,LCの少なくと
も1つが入力されたときに点火信号を出力する。つまり
出力信号が「H」になる。オアゲート9の点火信号は前
記出力段装置4を付勢するトリガとなる。
ト9の入力側に接続される。オアゲート9は入力信号の
いずれか1つでも“高レベル「H」”となったとき、す
なわち前記各衝突判定信号HC,MC,LCの少なくと
も1つが入力されたときに点火信号を出力する。つまり
出力信号が「H」になる。オアゲート9の点火信号は前
記出力段装置4を付勢するトリガとなる。
【0030】次に、図9を参照して前記第1区間積分処
理部64での処理を説明する。図9(a)および図9
(b)は、それぞれ相関値RDGおよび相関値RG の変化
を示す図であり、図9(c)は相関値RDGおよび相関値
RG の積分値の和を示す図である。
理部64での処理を説明する。図9(a)および図9
(b)は、それぞれ相関値RDGおよび相関値RG の変化
を示す図であり、図9(c)は相関値RDGおよび相関値
RG の積分値の和を示す図である。
【0031】図9において、ウィンドウつまり単位区間
Bは最新のデータを含む予定範囲に設定される。すなわ
ち、新たなデータ(RDGおよびRG)が入力される毎に最
新のデータを含む単位区間Bが設定され、この単位区間
Bn ,Bn+1 ,Bn+2 ……において相関値RDGおよびR
G の積分処理が行われる。相関値RDGおよびRG の積分
値の和が図9(c)に示すように変化した場合、該値が
しきい値thを超過した時点t1において点火信号が出
力される。
Bは最新のデータを含む予定範囲に設定される。すなわ
ち、新たなデータ(RDGおよびRG)が入力される毎に最
新のデータを含む単位区間Bが設定され、この単位区間
Bn ,Bn+1 ,Bn+2 ……において相関値RDGおよびR
G の積分処理が行われる。相関値RDGおよびRG の積分
値の和が図9(c)に示すように変化した場合、該値が
しきい値thを超過した時点t1において点火信号が出
力される。
【0032】第2区間積分処理部72においても、波形
整形部71から出力された信号G´に関して第1区間積
分処理部64と同様の積分処理が行われるので図示は省
略する。
整形部71から出力された信号G´に関して第1区間積
分処理部64と同様の積分処理が行われるので図示は省
略する。
【0033】次に、累積積分処理部81の処理を図10
を参照して説明する。図10(a)に示したような衝突
時の加速度信号Gが検出された場合、この加速度信号G
からオフセット値Goff を引いた値について累積積分す
る。累積積分の結果を図10(b)に示す。この累積積
分の結果がしきい値thを超過した時点t2において点
火信号が出力される。
を参照して説明する。図10(a)に示したような衝突
時の加速度信号Gが検出された場合、この加速度信号G
からオフセット値Goff を引いた値について累積積分す
る。累積積分の結果を図10(b)に示す。この累積積
分の結果がしきい値thを超過した時点t2において点
火信号が出力される。
【0034】続いて、図11のフローチャートを参照し
て本実施例の動作を説明する。この処理は例えばタイマ
割込み等による予定のサンプリングタイム毎に実行され
る。
て本実施例の動作を説明する。この処理は例えばタイマ
割込み等による予定のサンプリングタイム毎に実行され
る。
【0035】ステップS1〜S7は高速衝突判定処理で
ある。まずステップS1では、加速度センサ1の出力信
号を読込み、フィルタ処理をして加速度信号Gを作成す
る(波形整形部2の機能)。ステップS2では、前回処
理時からの前記加速度信号Gの変化量(dG/dt)を
算出する(変化量算出部61の機能)。ステップS3で
は、換算テーブルを用いて加速度信号Gの変化量(dG
/dt)に対応する相関値RDGを算出する(第1相関値
変換部62の機能)。ステップS4では、換算テーブル
を用いて加速度信号Gに対応する相関値RG を算出する
(第2相関値変換部63の機能)。ステップS5では、
相関値RDGおよびRG の加算値を単位区間(n〜n+
m)で積分処理をして値Rを算出する(第1区間積分処
理部64の機能)。なお符号n〜n+mは前記単位区間
Bのデータ数である。
ある。まずステップS1では、加速度センサ1の出力信
号を読込み、フィルタ処理をして加速度信号Gを作成す
る(波形整形部2の機能)。ステップS2では、前回処
理時からの前記加速度信号Gの変化量(dG/dt)を
算出する(変化量算出部61の機能)。ステップS3で
は、換算テーブルを用いて加速度信号Gの変化量(dG
/dt)に対応する相関値RDGを算出する(第1相関値
変換部62の機能)。ステップS4では、換算テーブル
を用いて加速度信号Gに対応する相関値RG を算出する
(第2相関値変換部63の機能)。ステップS5では、
相関値RDGおよびRG の加算値を単位区間(n〜n+
m)で積分処理をして値Rを算出する(第1区間積分処
理部64の機能)。なお符号n〜n+mは前記単位区間
Bのデータ数である。
【0036】ステップS6では積分された値Rがしきい
値th1を超えたか否かを判断する(比較部65の機
能)。値Rがしきい値th1を超えたならばステップS
7に進み、エアバッグを展開するための信号を出力す
る。値Rがしきい値th1を超えていない場合はステッ
プS8に進む。
値th1を超えたか否かを判断する(比較部65の機
能)。値Rがしきい値th1を超えたならばステップS
7に進み、エアバッグを展開するための信号を出力す
る。値Rがしきい値th1を超えていない場合はステッ
プS8に進む。
【0037】ステップS8〜S10は中低速衝突判定処
理である。ステップS8では加速度信号Gにさらにフィ
ルタ処理センサを加えて加速度信号G´を作成する。ス
テップS9では、加速度信号G´を単位区間(n〜n+
L)で積分処理をして車速変化量ΔV1を算出する(第
2区間積分処理部72の機能)。なお符号n〜n+Lは
前記単位区間Bのデータ数である。
理である。ステップS8では加速度信号Gにさらにフィ
ルタ処理センサを加えて加速度信号G´を作成する。ス
テップS9では、加速度信号G´を単位区間(n〜n+
L)で積分処理をして車速変化量ΔV1を算出する(第
2区間積分処理部72の機能)。なお符号n〜n+Lは
前記単位区間Bのデータ数である。
【0038】ステップS10では、積分された値ΔV1
がしきい値th2を超えたか否かを判断する(比較部7
3の機能)。値ΔV1がしきい値th2を超えたならば
ステップS7に進み、エアバッグを展開するための信号
を出力する。値ΔV1がしきい値th2を超えていない
場合はステップS12に進む。
がしきい値th2を超えたか否かを判断する(比較部7
3の機能)。値ΔV1がしきい値th2を超えたならば
ステップS7に進み、エアバッグを展開するための信号
を出力する。値ΔV1がしきい値th2を超えていない
場合はステップS12に進む。
【0039】ステップS11〜S12はロングディレー
ション衝突判定処理である。ステップS11では、加速
度信号Gからオフセット値Goff を引いた値を累積積分
して車速変化量ΔV2を算出する(累積積分処理部81
の機能)。ステップS12では、積分された値ΔV2が
しきい値th3を超えたか否かを判断する(比較部82
の機能)。値ΔV2がしきい値th3を超えたならばス
テップS7に進み、エアバッグを展開するための信号を
出力する。値ΔV2がしきい値th3を超えていない場
合はこの処理を抜ける。
ション衝突判定処理である。ステップS11では、加速
度信号Gからオフセット値Goff を引いた値を累積積分
して車速変化量ΔV2を算出する(累積積分処理部81
の機能)。ステップS12では、積分された値ΔV2が
しきい値th3を超えたか否かを判断する(比較部82
の機能)。値ΔV2がしきい値th3を超えたならばス
テップS7に進み、エアバッグを展開するための信号を
出力する。値ΔV2がしきい値th3を超えていない場
合はこの処理を抜ける。
【0040】次に、本発明の第2実施例を説明する。該
第2実施例では、高速衝突判定処理において、さらに早
期に衝突判定を行えるようにした。すなわち、エアバッ
グを展開するか否かの判定において、前記単位区間(単
位区間Bとする)に先行する単位区間Aを設ける。そし
て、この単位区間Aにおける車速変化量に応じ、前記単
位区間Bにおける加速度変化量および車速変化量の加算
値が互いに同一である衝突においても、衝突判定の重み
付けを互いに異ならせるようにしている。
第2実施例では、高速衝突判定処理において、さらに早
期に衝突判定を行えるようにした。すなわち、エアバッ
グを展開するか否かの判定において、前記単位区間(単
位区間Bとする)に先行する単位区間Aを設ける。そし
て、この単位区間Aにおける車速変化量に応じ、前記単
位区間Bにおける加速度変化量および車速変化量の加算
値が互いに同一である衝突においても、衝突判定の重み
付けを互いに異ならせるようにしている。
【0041】換言すれば、先行する単位区間Aにおける
車速変化量に基づいて単位区間Bにおける急激な加速度
変化を早期に検出できるようにし、エアバッグの展開を
要する衝突か否かを、より早期に判定できるようにし
た。
車速変化量に基づいて単位区間Bにおける急激な加速度
変化を早期に検出できるようにし、エアバッグの展開を
要する衝突か否かを、より早期に判定できるようにし
た。
【0042】該第2実施例の作用を図12を参照して説
明する。図12(a)は低速衝突時、図12(b)は高
速衝突時の加速度信号の変化の例を示す。同図において
単位区間Bの加速度変化量と車速変化量との加算値つま
り網線部bの面積が低速衝突時と高速衝突時とで同一の
場合、サンプリングタイムT1ではエアバッグを展開す
る必要がある衝突であることの判定が困難である。した
がって、さらに次のサンプリングタイムT2における判
定処理によって高速衝突の検出がされることになる。
明する。図12(a)は低速衝突時、図12(b)は高
速衝突時の加速度信号の変化の例を示す。同図において
単位区間Bの加速度変化量と車速変化量との加算値つま
り網線部bの面積が低速衝突時と高速衝突時とで同一の
場合、サンプリングタイムT1ではエアバッグを展開す
る必要がある衝突であることの判定が困難である。した
がって、さらに次のサンプリングタイムT2における判
定処理によって高速衝突の検出がされることになる。
【0043】ところが、単位区間Bに先行する単位区間
Aについて観察すると、低速衝突と高速衝突とでは加速
度信号の変化の様子が異なっている。そこで、該第2実
施例ではこの単位区間Aにおける車速の変化量に応じ
て、単位区間Bでの加速度変化(dG/dt)の扱いを
変えることにしている。具体的には単位区間Aにおける
車速の変化量に応じて第1相関値変換部62のテーブル
を選択できるようにする。
Aについて観察すると、低速衝突と高速衝突とでは加速
度信号の変化の様子が異なっている。そこで、該第2実
施例ではこの単位区間Aにおける車速の変化量に応じ
て、単位区間Bでの加速度変化(dG/dt)の扱いを
変えることにしている。具体的には単位区間Aにおける
車速の変化量に応じて第1相関値変換部62のテーブル
を選択できるようにする。
【0044】図13は、該第2実施例における高速衝突
判定部6の要部機能を示すブロック図であり、図1と同
符号は同一または同等部分を示す。第3区間積分処理部
69では前記単位区間Aにおける加速度信号Gの積分処
理が行われ、該単位区間Aでの車速変化量が算出され
る。比較部67では前記車速変化量が上しきい値thU
および下しきい値thLと比較される。この比較結果に
応じ、車速変化量が上しきい値thUより大の場合、下
しきい値thLより小の場合、ならびに上しきい値th
Uと下しきい値thLとの間にある場合のそれぞれに応
じて異なる信号が出力される。
判定部6の要部機能を示すブロック図であり、図1と同
符号は同一または同等部分を示す。第3区間積分処理部
69では前記単位区間Aにおける加速度信号Gの積分処
理が行われ、該単位区間Aでの車速変化量が算出され
る。比較部67では前記車速変化量が上しきい値thU
および下しきい値thLと比較される。この比較結果に
応じ、車速変化量が上しきい値thUより大の場合、下
しきい値thLより小の場合、ならびに上しきい値th
Uと下しきい値thLとの間にある場合のそれぞれに応
じて異なる信号が出力される。
【0045】第1相関値変換部62は選択部68と変換
テーブルX,Y,Zとを有しており、選択部68は前記
比較部67の出力信号に応じて変換テーブルX,Y,Z
を選択するように切換えられる。車速変化量が上しきい
値thUより大の場合は変化量算出部61で算出された
加速度Gの変化量(dG/dt)を相関値RDGに変換す
る際の重み付けが小さくなるような変換テーブルを選択
する。また、車速変化量が下しきい値thLより小の場
合には、前記重み付けが大きくなるような変換テーブル
を選択する。さらに、車速変化量が上しきい値thUと
下しきい値thLとの間にある場合には前記重み付けを
中間的な値にするような変換テーブルを選択する。
テーブルX,Y,Zとを有しており、選択部68は前記
比較部67の出力信号に応じて変換テーブルX,Y,Z
を選択するように切換えられる。車速変化量が上しきい
値thUより大の場合は変化量算出部61で算出された
加速度Gの変化量(dG/dt)を相関値RDGに変換す
る際の重み付けが小さくなるような変換テーブルを選択
する。また、車速変化量が下しきい値thLより小の場
合には、前記重み付けが大きくなるような変換テーブル
を選択する。さらに、車速変化量が上しきい値thUと
下しきい値thLとの間にある場合には前記重み付けを
中間的な値にするような変換テーブルを選択する。
【0046】次に、図14のフローチャートを参照して
第2実施例における高速衝突処理について説明する。ス
テップS20では、単位区間Aでの加速度信号Gの積分
処理を行い、単位区間Aでの車速変化量ΔVA を算出す
る。ステップS21では、車速変化量ΔVA と下しきい
値thLが比較される。車速変化量ΔVA の方が小さい
場合は、ステップS22に進み、重み付けが大きい換算
テーブル(テーブルXとする)が選択される。ステップ
S23では、車速変化量ΔVA が上しきい値と下しきい
値thLとの間にあるか否かが判断される。この判断が
肯定の場合は、ステップS24に進み、中間の重み付け
が設定された換算テーブル(テーブルYとする)が選択
される。ステップS21の判断が否定の場合は、ステッ
プS25に進み、小さい重み付けが設定された換算テー
ブル(テーブルZとする)が選択される。
第2実施例における高速衝突処理について説明する。ス
テップS20では、単位区間Aでの加速度信号Gの積分
処理を行い、単位区間Aでの車速変化量ΔVA を算出す
る。ステップS21では、車速変化量ΔVA と下しきい
値thLが比較される。車速変化量ΔVA の方が小さい
場合は、ステップS22に進み、重み付けが大きい換算
テーブル(テーブルXとする)が選択される。ステップ
S23では、車速変化量ΔVA が上しきい値と下しきい
値thLとの間にあるか否かが判断される。この判断が
肯定の場合は、ステップS24に進み、中間の重み付け
が設定された換算テーブル(テーブルYとする)が選択
される。ステップS21の判断が否定の場合は、ステッ
プS25に進み、小さい重み付けが設定された換算テー
ブル(テーブルZとする)が選択される。
【0047】ステップS26では、加速度信号Gを読込
み、その変化量(dG/dt)が算出される。ステップ
S27では、前記ステップS22,S24,もしくはS
25で選択された換算テーブルを用いて変化量(dG/
dt)に対応する相関値RDGが算出される。ステップS
28では、加速度信号Gを相関値RG に変換する。この
場合には第2相関値変換部63の換算テーブルが使用さ
れる。ステップS29では、相関値RDGおよびRG の加
算値を単位区間Aで積分処理をして値Rを算出する。ス
テップS30では積分された値Rがしきい値th1を超
えたか否かを判断する。値Rがしきい値th1を超えた
ならばステップS31に進み、エアバッグを展開するた
めの信号を出力する。
み、その変化量(dG/dt)が算出される。ステップ
S27では、前記ステップS22,S24,もしくはS
25で選択された換算テーブルを用いて変化量(dG/
dt)に対応する相関値RDGが算出される。ステップS
28では、加速度信号Gを相関値RG に変換する。この
場合には第2相関値変換部63の換算テーブルが使用さ
れる。ステップS29では、相関値RDGおよびRG の加
算値を単位区間Aで積分処理をして値Rを算出する。ス
テップS30では積分された値Rがしきい値th1を超
えたか否かを判断する。値Rがしきい値th1を超えた
ならばステップS31に進み、エアバッグを展開するた
めの信号を出力する。
【0048】以上、本実施例では、アナログ出力が得ら
れる単一の加速度センサによって各種衝突モードを検出
できるようにしたが、この点火制御装置を複数設けた
り、機械作動式センサと併用したりしてフェールセーフ
の向上を図ることは、本発明の趣旨を変更・逸脱するも
のではない。
れる単一の加速度センサによって各種衝突モードを検出
できるようにしたが、この点火制御装置を複数設けた
り、機械作動式センサと併用したりしてフェールセーフ
の向上を図ることは、本発明の趣旨を変更・逸脱するも
のではない。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、単一の加速度センサから得られた加速度信号
に基づいて高速衝突、中低速衝突、ロングディレーショ
ン衝突の各モードを検出できる。その結果、加速度セン
サを複数使用する場合と比較して加速度センサ自体のコ
ストを低減できるほか、センサ毎の出力信号を処理する
ための制御装置も簡単にすることができる。
によれば、単一の加速度センサから得られた加速度信号
に基づいて高速衝突、中低速衝突、ロングディレーショ
ン衝突の各モードを検出できる。その結果、加速度セン
サを複数使用する場合と比較して加速度センサ自体のコ
ストを低減できるほか、センサ毎の出力信号を処理する
ための制御装置も簡単にすることができる。
【0050】さらに、加速度信号を処理するためのウィ
ンドウを2分割し、その前半部分に該当する加速度信号
の変化を考慮して後半部分でのデータに重み付けをする
ようにしたため、高速衝突モードにおいて、いっそう早
く衝突判断をすることができる。
ンドウを2分割し、その前半部分に該当する加速度信号
の変化を考慮して後半部分でのデータに重み付けをする
ようにしたため、高速衝突モードにおいて、いっそう早
く衝突判断をすることができる。
【図1】 点火制御装置の要部機能を示すブロック図
である。
である。
【図2】 点火制御装置のハード構成を示すブロック
図である。
図である。
【図3】 高速衝突における加速度信号の変化および
相関値の変化を示す図である。
相関値の変化を示す図である。
【図4】 中速衝突における加速度信号の変化および
相関値の変化を示す図である。
相関値の変化を示す図である。
【図5】 低速衝突における加速度信号の変化および
相関値の変化を示す図である。
相関値の変化を示す図である。
【図6】 ロングディレーション衝突における加速度
信号の変化および相関値の変化を示す図である。
信号の変化および相関値の変化を示す図である。
【図7】 相関値RDGの算出テーブルの一例を示す図
である。
である。
【図8】 相関値RG の算出テーブルの一例を示す図
である。
である。
【図9】 単位区間における積分処理の説明図であ
る。
る。
【図10】 累積積分処理の説明図である。
【図11】 第1実施例における点火制御装置の動作を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図12】 第2実施例における動作の概略を示す図で
ある。
ある。
【図13】 第2実施例における点火制御装置の要部機
能を示すブロック図である。
能を示すブロック図である。
【図14】 第2実施例における点火制御装置の動作を
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
1…Gセンサ、 2…波形整形部、 6…高速衝突判定
部、 7…中低速衝突判定部、 8…ロングディレーシ
ョン衝突判定部、 9…オアゲート、61…変化量算出
部、 62…第1相関値変換部、 63…第2相関値変
換部、64…第1区間積分処理部、 65,73,82
…比較部、 72…第1区間積分処理部、 81…累積
積分処理部
部、 7…中低速衝突判定部、 8…ロングディレーシ
ョン衝突判定部、 9…オアゲート、61…変化量算出
部、 62…第1相関値変換部、 63…第2相関値変
換部、64…第1区間積分処理部、 65,73,82
…比較部、 72…第1区間積分処理部、 81…累積
積分処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−292241(JP,A) 特開 平4−358945(JP,A) 特開 平5−60777(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60R 21/32
Claims (4)
- 【請求項1】 加速度センサの出力信号に基づく衝突判
定によってスクィブを点火させる車両用安全装置の点火
制御装置において、 単一の加速度センサと、 前記加速度センサの出力信号に基づく単位区間での加速
度変化量の関数および単位区間での車速変化の関数の和
が高速判定しきい値以上となったときに高速衝突信号を
出力する高速判定手段と、 前記加速度センサの出力信号に基づく単位区間での車速
変化量が中低速判定しきい値以上となったときに中低速
衝突信号を出力する中低速判定処理手段と、 前記加速度センサの出力信号からオフセット値を差し引
いた値に基づく車速変化量がロングディレーション判定
しきい値以上となったときにロングディレーション衝突
信号を出力するロングディレーション判定処理手段と、 前記高速衝突信号、中低速衝突信号およびロングディレ
ーション衝突信号の少なくとも1つが出力されたときに
点火信号を出力するゲート手段とを具備したことを特徴
とする車両用安全装置の点火制御装置。 - 【請求項2】 前記高速判定処理手段が、 前記加速度変化量の関数を出力する複数の相関値テーブ
ルと、 前記単位区間に先行する予定区間における前記加速度セ
ンサの出力信号に基づく車速変化量に応じ、前記複数の
関数テーブルの1つを選択するためのテーブル選択手段
とをさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の車
両用安全装置の点火制御装置。 - 【請求項3】 加速度センサの出力信号に基づく衝突判
定によってスクィブを点火させる車両用安全装置の点火
制御装置において、 単一の加速度センサと、 サンプリングタイム毎の前記加速度センサの出力信号お
よび該出力信号の変化量の和を単位区間で積分する第1
区間積分手段を含み、該第1区間積分手段で積分された
値が高速衝突判定のしきい値以上となったときに高速衝
突信号を出力する高速判定手段と、 前記加速度センサの出力信号を単位区間で積分する第2
区間積分手段を含み、該第2区間積分手段で積分された
値が中低速衝突判定のしきい値以上となったときに中低
速衝突信号を出力する中低速判定手段と、 前記加速度センサの出力信号からオフセット値を差し引
いた値を累積積分する積分手段を含み、該積分手段で積
分された値がロングディレーション衝突判定のしきい値
以上となったときにロングディレーション衝突信号を出
力するロングディレーション判定手段と、 前記高速衝突信号、中低速衝突信号およびロングディレ
ーション衝突信号の少なくとも1つが出力されたときに
点火信号を出力するゲート手段とを具備したことを特徴
とする車両用安全装置の点火制御装置。 - 【請求項4】 前記高速判定手段が、前記単位区間に先
行する予定区間における前記加速度センサの出力信号を
積分する第3区間積分手段と、該第3区間積分手段で積
分された値に対応して前記サンプリングタイム毎の出力
信号の変化量に異なる重み付けを付与するための相関値
テーブルを選択する手段をさらに具備したことを特徴と
する請求項3記載の車両用安全装置の点火制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5096457A JP2759736B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 車両用安全装置の点火制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5096457A JP2759736B2 (ja) | 1993-04-01 | 1993-04-01 | 車両用安全装置の点火制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06286575A JPH06286575A (ja) | 1994-10-11 |
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