JP3709816B2 - モバイルipの経路制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モバイルIPの経路制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネット技術において、通信を行う各端末は、IPアドレスによって一意に識別される。また、IPアドレスは、ネットワークのトポロジに従った形で割り当てられているため、端末は、接続するネットワークに割り当てられているIPアドレスを持つ必要がある。
【0003】
最近では、端末の小型化により、人と一緒に移動する携帯端末などの移動端末が登場している。移動端末が移動する場合、携帯電話などを使用して同じネットワークに接続し続けることも可能であるが、携帯電話は狭帯域であり利用料金も発生するために、移動した場所に整備されているネットワークに接続する方が望ましい。そのためには、移動端末のIPアドレスを接続したネットワークのアドレスに変更する必要がある。
【0004】
しかしながら、それまでその移動端末と通信を行っていた他の端末は、移動端末のIPアドレスが変更されても、依然として変更する前のIPアドレスにデータを送信してしまうため、移動端末と通信を継続することが不可能となる。このため、移動端末の接続するネットワークの変更に伴い、端末に割り当てられるIPアドレスが変更されても、通信を継続することを可能にする技術が必要となる。この技術として、IETF (Internet Engineering Task Force)のRFC2002 ("IP Mobility Support" : Mobile IP)がある。
【0005】
モバイルIPにおいて、移動端末(Mobile Node:MN)は、ホームアドレス(Home Address):MN-HAdrと、気付アドレス(Care of Address):MN-CoAとを含む。MN-HAdrは、本来所属するネットワーク(ホームネットワーク)において割り当てられているIPアドレスである。また、MN-CoAは、移動した先の外部ネットワークにおいて割り当てられたIPアドレスである。
【0006】
また、MNに割り当てられるCoAには、FA-CoA(Foreign Agent:FA:外部エージェント)と、共存CoA(Collocated CoA)との2つの種類のアドレスがある。FA-CoAは、FA-MNと呼ばれる装置のインタフェースのアドレスであり、共存CoAは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)又はPPP(Point to Point Protocol)におけるIPCP (Internet Protocol Control Protocol)などのプロトコルによってMNのインタフェースに直接割り当てられるMNが接続したネットワークのアドレス空間に含まれるアドレスである。
【0007】
図1は、本発明が対象とする通信システムの構成図である。図1のシステムは、以下のことを前提としている。
【0008】
図1のシステムは、通信相手側端末(CN)が接続された第1のネットワーク(NW1)と、アドレスMN-HAdrの移動端末(MN)及び第1のホームエージェント(HA-MN)が接続された第2のネットワーク(NW2)と、移動ネットワークに接続されたアドレスMR-HAdrの移動ルータ(MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)が接続された第3のネットワーク(NW3)と、外部エージェント(FA-MR)が接続された第4のネットワーク(NW4)とが、通信ネットワークで接続されている。また、FA-MRが、MRにNW4における気付アドレスMR-CoAを割り当て、MRが、FA-MNとして、MNに移動ネットワークにおける気付アドレスMN-CoAを割り当てる。
【0009】
第1の従来の技術について説明する。
【0010】
図1は、移動端末(MN)が移動した場合の、FA-CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。また、図2は、図1に基づくシーケンス図であり、順方向トンネリングと、逆方向トンネリングとが表されている。また、図2には、CNが、送信先をMN-HAdr及び送信元をCNにしたパケットをMNへ送信し、MNが、逆に、送信先CN及び送信元MN-HAdrのパケットをCNへ送信する、ことが表されている。
【0011】
図1及び図2を用いて、FA-CoAを用いる場合のMNの通信方法を示す。
(1)MNは、外部ネットワークに接続した際、FA-MNの送信するエージェント広告からMN-CoAを取得する。
(2)MNは、対応関係1(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む登録要求を、ホームネットワークに存在するHA-MN(Home Agent:HA:ホームエージェント)に、FA-MNを経由して送信する。HA-MNは、対応関係1(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録する。この登録は順方向トンネリングで用いられる。
(3)このとき、FA-MNは、登録要求のパケットを中継する際に、対応関係2(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録する。この登録は逆方向トンネリングで用いられる。
【0012】
[順方向トンネリング]
(4)MNの通信相手の端末CN(Correspondent Node)は、MN-HAdr宛のパケットを送信する。MNがホームネットワークに存在する場合、このMN-HAdr宛のパケットをMNが受信する。
(5)一方、MNがホームネットワークに存在しない場合、MN-HAdr宛のパケットをHA-MNが受信する。HA-MNは、登録された対応関係1(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、MN-HAdr宛のパケットをMN-CoA宛のパケットにカプセル化して転送する。
(6)カプセル化されたMN-CoA宛のパケットをFA-MNが受信する。FA-MNは、そのパケットからMN-HAdr宛のパケットを取り出し、MNへ送信する。
(7)このようにして、MNはホームネットワーク以外のネットワークに接続していても、CNの送信したMN-HAdr宛のパケットを受信することができる。
【0013】
また、MNが外部ネットワークに接続している場合、MNからCNへのパケットの送信元アドレスはMN-HAdrであるが、これはネットワークトポロジー的に正しくなく、セキュリティ上の問題がある。特に、ネットワーク上のルータが入力フィルタ("Network Ingress Filtering:" RFC2267)を実施している際には、MNからCNへのパケットは破棄されてしまう。そこで、MNからCNへの通信もトンネルを用いて行う方法(逆方向トンネリング)がRFC2344"Reverse Tunneling for Mobile IP"に規定されている。
【0014】
[逆方向トンネリング]
(8)CNの通信相手の端末MNは、送信先CN及び送信元MN-HAdrのパケットを送信する。
(9)CN宛のパケットを受信したFA-MNは、対応関係2(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、送信元がMN-HAdrであるパケットをHA-MN宛のパケットとしてカプセル化して転送する。
(10)HA-MNは、HA-MN宛のパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出し、そのパケットをCNへ送信する。
【0015】
第2の従来の技術について説明する。
【0016】
図3は、移動端末(MN)が移動した場合の、共存CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。また、図4は、図3に基づくシーケンス図であり、順方向トンネリングと、逆方向トンネリングとが表されている。
【0017】
図3及び図4を用いて、共存CoAを用いる場合のMNの通信方法を示す。
(1)MNは、外部ネットワークに接続した際、例えばDHCPサーバにような、動的にアドレスを割り当てるアドレス割り当てサーバによりMN-CoAを取得する。
(2)MNは、対応関係1(dst:MN-HAdr->MN-CoA)をHA-MNへ送信する。HA-MNは、対応関係1(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録する。この登録は順方向トンネリングで用いられる。
(3)MNは、自らが送信する全てのパケットをHA-MNに転送するために対応関係2(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録する。この登録は逆方向トンネリングで用いられる。
(4)MNがホームネットワークに存在する場合、端末CNが送信したMN-HAdr宛のパケットは、MNによって直接受信される。
【0018】
[順方向トンネリング]
(5)MNがホームネットワークに存在しない場合、端末CNが送信したMN-HAdr宛のパケットは、HA-MNが受信する。HA-MNは、対応関係1(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、そのパケットをMN-CoA宛のパケットにカプセル化して送信する。
(6)カプセル化されたパケットを受信したMNは、そのパケットからMN-HAdr宛のパケットを取り出す。
(7)このようにして、MNはホームネットワーク以外のネットワークに接続していても、CNの送信したMN-HAdr宛のパケットを受信することができる。
【0019】
[逆方向トンネリング]
(8)CNの通信相手の端末MNは、送信先CN及び送信元MN-HAdrのパケットを、対応関係2(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、MN-HAdr宛のパケットをHA-MN宛のパケットとしてカプセル化して送信する。
(9)HA-MNは、HA-MN宛のパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出し、そのパケットをCNへ送信する。
【0020】
第3の従来の技術について説明する。
【0021】
モバイルIPでは、一つのIPアドレスを持った端末が他のネットワークとの接続点を変更する場合(端末の移動)だけでなく、ネットワーク単位のIPアドレスが他のネットワークとの接続点を変更する場合(ネットワークの移動)も、移動ルータ(Mobile Router : MR)とよばれる装置によってサポートしている(RFC2002 4.5節、プレンティスホール出版「詳解Mobile IP」ページ266〜275参照)。移動するネットワーク(移動ネットワーク)にはMRが存在し、MRが他のネットワークと接続を行う。
【0022】
図5は、移動ネットワークに端末(Stationary Node:SN)が固定的に設置された場合における、移動ルータ(MR)が移動した場合の、FA-CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。また、図6は、図5に基づくシーケンス図であり、順方向トンネリングと、逆方向トンネリングとが表されている。
【0023】
図5及び図6を用いて、MRがFA-CoAを用いる場合に、移動ネットワークに固定的に設置されたSNの通信方法を示す。
【0024】
(1)移動ネットワークがホームネットワークに接続している場合は、一般的なルーティング手段により、SNの通信相手であるCNからのSN宛のパケットはMRからSNに転送される。
(2)移動ネットワークが他のネットワークと接続した場合、MRはMR用のFA(FA-MN)が送信するエージェント広告からMR-CoAを取得する。
(3)MRは、ホームネットワークにおける本来のIPアドレスであるMR-HAdrとMR-CoAとの対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を、MRのホームエージェントHA-MRに登録要求を送信し、HA-MRは対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する。この登録は順方向トンネリングで用いられる。
(4)さらにHA-MRは、移動ネットワークがMRに接続していることをあらかじめ知っており、対応関係2(dst:MNW-Hdr/MNW-Prefix->MR-HAdr)を登録する。この登録は順方向トンネリングで用いられる。
(5)MRは、送信元が移動ネットワークのアドレスであるパケットを、HA-MRに転送するため、対応関係3(src:MNW-Hdr/MNW-Prefix->HA-MR)を登録する。この登録は逆方向トンネリングで用いられる。
(6)FA-MNは、(3)の登録要求のパケットを中継する際に、対応関係4(src:MN-CoA->HA-MN)を登録する。この登録は逆方向トンネリングで用いられる。
【0025】
[順方向トンネリング]
(7)CNがSN宛のパケットをHA-MRへ送信する。
(8)HA-MRは、MRがホームネットワークに存在しない場合、移動ネットワーク宛(SN宛)のパケットを、SNのアドレスが移動ネットワークのアドレス空間に含まれていることから対応関係2(dst:MNW-Hdr/MNW-Prefix->MR-HAdr)に従い、MR-HAdr宛のパケットでカプセル化する。更に、HA-MRは上記のMR-HAdr宛のパケットを、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)に従い、MR-CoA宛のパケットでカプセル化して転送する。
(9)MR-CoA宛のパケットは、FA-MRに到達する。FA-MRはパケット化を解除して、MR-HAdr宛のパケットをMRに転送する。
(10)MRは、MR-CoA宛のパケットからSN宛のパケットを取り出し、移動ネットワークにルーティングする.
(11)SNは、CNからのパケットを受信する。
【0026】
[逆方向トンネリング]
(12)SNからCN宛てのパケットが送出される。
(13)MRは、対応関係3(src:MNW-Hdr/MNW-Prefix->HA-MR)に従い、CN宛てのパケットをHA-MR宛てのパケットにカプセル化して送出する。
(14)FA-MRは、MR-HAdrがMN-CoAと等しいことから、対応関係4(src:MN-CoA->HA-MN)に従い、HA-MR宛てのパケットをHA-MN宛てのパケットにカプセル化して送出する。
(15)HA-MRは、HA-MR宛てのパケットのカプセル化を解除し、さらに内部のHA-MR宛てのパケットのカプセル化を解除して、CN宛てのパケットを取り出す。HA-MRはCN宛てのパケットをCNに転送する。
【0027】
第4の従来の技術について説明する。
【0028】
図7は、移動ネットワークにSNが固定的に設置された場合における、移動ルータ(MR)が移動した場合の、共存CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。また、図8は、図7に基づくシーケンス図であり、順方向トンネリングと、逆方向トンネリングとが表されている。
【0029】
(1)移動ネットワークがホームネットワークに接続している場合は、一般的なルーティング手段により、SNの通信相手であるCNからのSN宛のパケットはMRからSNに転送される。
(2)移動ネットワークが他のネットワークと接続した場合、MRはDHCPによりMR-CoAを取得する。
(3)MRは、ホームネットワークにおける本来のIPアドレスであるMR-HAdrとMR-CoAの対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)としてHA-MRに登録する。
(4)さらにHA-MRは、移動ネットワークがMRに接続していることをあらかじめ知っており、対応関係2(dst:MNW-Hdr/MNW-Prefix->MR-CoA)を登録する。この登録は順方向トンネリングで用いられる。
(5)MRは、送信元が移動ネットワークのアドレスであるパケットを、HA-MRに転送するため、対応関係3(src:MNW-Hdr/MNW-Prefix->HA-MR)を登録する。この登録は逆方向トンネリングで用いられる。
【0030】
[順方向トンネリング]
(6)HA-MRは移動ネットワーク宛(SN宛)のパケットを、対応関係2(dst:MNW-Hdr/MNW-Prefix->MR-CoA)に従い、MR-CoA宛のパケットでカプセル化して転送する。
(7)MR-CoA宛のパケットは、MRに到達する。MRはパケット化を解除して、SN宛のパケットをSNに転送する。
(8)SNは、CNからのパケットを受信する。
【0031】
[逆方向トンネリング]
(9)SNはCN宛てのパケットを送出する。
(10)MRは、対応関係3(src:MNW-Hdr/MNW-Prefix->HA-MR)に従い、CN宛てのパケットをHA-MR宛てのパケットにカプセル化して送出する。
(11)HA-MRは、HA-MR宛てのパケットのカプセル化を解除し、内部のCN宛てのパケットをCNに転送する。
【0032】
以上説明したように、MRを使用することによって、自動車、列車、船、飛行機などに構築された移動ネットワークが、移動により他のネットワークと接続した場合でも、移動ネットワークに接続された端末が継続して通信を行うことができる。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動車、列車、船、飛行機などに構築された移動ネットワークに、人が携帯端末を持ち込んだ場合に問題が生じる。これは、移動ネットワークにMNが接続した場合に相当する。
【0034】
図9は、本発明が課題とする、移動端末(MN)と移動ルータ(MR)とが共に移動した場合の、FA-CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。また、図10は、図9に基づく本発明が課題とする従来のシーケンス図である。
【0035】
図9によれば、移動端末(MN)が、移動し、移動ルータ(MR)を接続する移動ネットワークに接続され、該移動ルータ(MR)が、移動し、第4のネットワーク(NW4)に接続されている。以下では、図10のシーケンスを説明する。
【0036】
(1)図10のシーケンスの前提として、移動ネットワークが第4のネットワークNW4と接続した場合、MRはMR用のFA(FA-MN)が送信するエージェント広告からMR-CoAを取得する。
【0037】
[S101のシーケンス]
(2)MRは、ホームネットワークにおける本来のIPアドレスであるMR-HAdr及びMR-CoAの対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を含むパケットを、FA-MRへ送信する。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(3)FA-MRは、MNから指定されたカプセル化方式で順方向トンネリング及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、パケットをホームエージェントHA-MRへ転送する。
(4)HA-MRは、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネリング及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、表1のAのような処理エントリを作成する。
【0038】
【表1】
Figure 0003709816
【0039】
(5)HA-MRは、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)の登録が完了したことと、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であることをFA-MR経由で応答する。
(6)FA-MRは、HA-MRからの応答パケットを受信すると、対応関係2(src:MR-HAdr->HA-MR)を登録し、表2のAのような処理エントリを作成する。また、FA-MRは応答パケットをMRに転送する。
【0040】
【表2】
Figure 0003709816
【0041】
(7)同様に、MNも移動ネットワークへ移動する(図9)。
【0042】
[S102のシーケンス]
(8)MRは、移動ネットワークに接続するMNに対するFAの機能を持つ。MNは、MN-CoAとしてMR-HAdrをMRのエージェント広告から取得する。
(9)そして、MNは、対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)をHA-MNに登録すべく、該対応関係を含むパケットをMRへ送信する。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(10)MRは、MNから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、そのパケットを、FA-MRへ転送する。この際、MRはMN-HAdr及びHA-MNのアドレスを知ることができる。MRはMN-HAdr宛のパケットを移動ネットワーク上のMNにルーティングするように設定する。
(11)FA-MRは、そのパケットを、表2のAの対応関係2(src:MR-HAdr->MR-CoA)に基づいてカプセル化して、HA-MRへ送信する。
(12)HA-MRは、パケットのカプセル化を解除し、HA-MN宛のパケットを取り出し、HA-MNへ送信する。
(13)HA-MNは、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、そのパケットに含まれる対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録する。表3は、その処理テーブルである。これにより、MN-HAdr宛のパケットはMN-CoA宛のパケットにカプセル化して転送される。また、MNの登録によって作成された処理エントリの優先度は「低」とする。
【0043】
【表3】
Figure 0003709816
【0044】
(14) HA-MNは、対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)の登録が完了したことと、MNから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であることをMR経由で応答する。
(15)MRは、HA-MNからの応答パケットを受信すると、対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録し、表4のBのような処理エントリを作成する。また、MRは応答パケットをMNに転送する。
【0045】
【表4】
Figure 0003709816
【0046】
[順方向トンネリング:S103のシーケンス]
(16)CNから送信されるMN宛のパケットは、HA-MNで受信される。
(17)HA-MNは、表3(B)の対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、該パケットをMN-CoA宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットはHA-MRへ送信される。
(18)HA-MRは、表1(A)の対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)に基づいて且つMN-CoAはMR-HAdrと同じアドレスであるので、MN-CoA宛パケットを、MR-CoA宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをFA-MRへ送信する。
(19)FA-MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-CoA宛のパケットを取り出す。そのパケットは、MRへ送信される。
(20)MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットをMNへ送信する。
これにより、CNからのパケットは、MNで受信される。
【0047】
[逆方向トンネリング:S104のシーケンス]
(21)MNから送信されるCN宛のパケットは、MRで受信される。
(22)MRは、表4(B)の対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、該パケットをHA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットはFA-MRへ送信される。
(23)FA-MRは、表2(A)の対応関係2(src:MN-CoA->HA-MR)に基づいて且つMN-CoAはMR-HAdrと同じアドレスであるので、HA-MN宛のパケットを、HA-MR宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをHA-MRへ送信する。
(24)HA-MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、HA-MN宛のパケットを取り出す。そのパケットは、HA-MNへ送信される。
(25)HA-MNは、そのパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットをCNへ送信する。
これにより、MNからのパケットは、CNで受信される。
【0048】
前述したように、このように、移動ネットワークにMNが接続した場合、MNとCNとの通信は、2つのHAを経由するという冗長な経路をとる。また、HA-MN及びHA-MRでの転送のたびにカプセル化が発生するため、HA-MRとFA-MRの間ではパケットが二重にカプセル化されるというオーバヘッドが生じてしまう。
【0049】
このため、特開平9-172451では、移動ネットワーク上の端末に対しても、移動ネットワークが接続する外部ネットワークのIPアドレスをCoAとして割り当てることで、HA-MRを迂回する方法が論じられている。しかしながら、これは移動ネットワーク上の全てのアドレスに対して外部ネットワークのアドレスを割り当てる必要があることから、効率的なアドレスの利用が行われないという問題がある。
【0050】
図11は、経路最適化を適用した場合のシーケンス図である。これは、CNがMNへのカプセル化を行うことで、CN−MN間の通信を最適な経路で行う方法である。これは、Router Optimization in Mobile IP"として、
http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-mobileip-optim-10.txt
に述べられている。
【0051】
HA-MNがCNからMN-HAdr宛のパケットを受信した場合、HA-MNはCNがMN-CoAを知らないと推測する。そこで、HA-MNはCNに対してMN-CoAを通知する。CNは通知されたMN-CoAを使用して直接FA-MNにトンネリングを行う。これにより、HA-MNを迂回して、CNとFA-MN間の通信を行うことができる。
【0052】
一方、経路最適化は通常の端末であるCNにモバイルIPの機能を実装する必要があり、現実的ではない。従って、図16に示すように、経路最適化を移動ルータに適用する場合には、HA-MNをCN、HA-MRをHAとして適用する。HA-MNはモバイルIPを実装している装置であるため、経路最適化のための機能を追加するのは問題とならない。
【0053】
しかしながら、経路最適化ではHA-MRがHA-MNにMR-CoAを通知するため、FA-MRとHA-MNの間で逆方向トンネリングを実施するためのネゴシエーションを行うことができない。
【0054】
図12は、経路最適化をHA-MRに適用した場合のシーケンス図である。この場合、逆方向トンネリングを実施することができない、即ち、FA-MRはHA-MNに対して逆方向トンネリングを行ってよいかどうか判断することができない、ということが問題となる。仮にネゴシエーションをせずにHA-MNに対して逆方向トンネリングを行ったとしても、HA-MNとMRにおけるカプセル化方式の違いや、HA-MNがセキュリティのため明示的にネゴシエーションを行っていないホストからのトンネリングのパケットを破棄する場合には、通信を行うことができない。また、経路最適化を使用しても、二重カプセル化を回避することはできない。
【0055】
そこで、本発明は、移動ネットワークにMNが接続した場合のCNとの通信が、2つのHAを経由するという冗長な経路をとることなく、HA-MRとFA-MRの間ではパケットが二重にカプセル化されるという無駄なオーバヘッドが生じないような、モバイルIPの経路制御方法を提供することを目的とする。
【0056】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、通信相手側端末(CN)が接続された第1のネットワーク(NW1)と、アドレスMN-HAdrの移動端末(MN)及び第1のホームエージェント(HA-MN)が接続された第2のネットワーク(NW2)と、移動ネットワークに接続されたアドレスMR-HAdrの移動ルータ(MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)が接続された第3のネットワーク(NW3)と、外部エージェント(FA-MR)が接続された第4のネットワーク(NW4)とが、通信ネットワークで接続された通信システムにおけるモバイルIPの経路制御方法であって、
外部エージェント(FA-MR)が、移動ルータ(MR)に第4のネットワーク(NW4)における気付アドレスMR-CoAとしてFA-MRのアドレスを割り当て、移動ルータ(MR)が、移動端末(MN)に移動ネットワークにおける気付アドレスMN-CoAとしてMR-HAdrを割り当て、
移動端末(MN)が、移動し、移動ルータ(MR)を接続する移動ネットワークに接続され、該移動ルータ(MR)が、移動し、第4のネットワーク(NW4)に接続されたとき、
経路削減のための順方向トンネリングを行うために、
第1の段階として、移動端末(MN)が、移動ルータ(MR)、外部エージェント(FA-MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMN-HAdrと転送先アドレスMN-CoAとの第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む第1の登録要求を第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が該第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、
第2の段階として、移動ルータ(MR)が、外部エージェント(FA-MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMR-HAdrと転送先アドレスMR-CoAとの第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を含む第2の登録要求を第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が、該第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、
順方向トンネリングを行う第3の段階として、端末(CN)が、移動端末(MN)へ送信すべき送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化し、転送先アドレスMN-CoAと送信先アドレスMR-HAdrとが等しければ、第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して、外部エージェント(FA-MR)へ転送し、該外部エージェント(FA-MR)は、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-CoA宛のパケットを取り出し、転送先アドレスMN-CoAと送信先アドレスMR-HAdrとが等しいので移動ルータ(MR)へ送信し、該移動ルータ(MR)は、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、該パケットを移動端末(MN)へ送信する方法である。
【0057】
本発明の他の実施形態によれば、経路削減のための逆方向トンネリングを行うために、
第1の段階について、移動ルータ(MR)は、第1の登録要求を受信した際に、送信元アドレスMN-HAdrと転送先アドレスHA-MNとの第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録し、
第2の段階について、外部エージェント(FA-MR)は、移動ルータ(MR)から第2の登録要求を受信した際に、送信先アドレスHA-MN及び送信元アドレスMN-CoAと転送先アドレスHA-MNとの第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)を登録し、
逆方向トンネリングを行う第4の段階として、移動端末(MN)が、端末(CN)へ送信すべき送信先アドレスCNのパケットを、移動ルータ(MR)へ送信した際に、該移動ルータ(MR)は、第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、該パケットを、転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して外部エージェント(FA-MR)へ送信し、該外部エージェント(FA-MR)は、第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットを、転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスHA-MN宛のパケットを取り出し、更に転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを端末(CN)へ送信することも好ましい。
【0058】
本発明の他の実施形態によれば、ヘッダが削減された順方向トンネリングを行うために、
第2の段階について、移動ルータ(MR)は、第2の対応関係に加えて、第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む該移動ルータ(MR)配下の移動端末(MN)のアドレス(MN-HAdr)のリストを登録要求に付加して外部エージェント(FA-MR)に送信し、該外部エージェント(FA-MR)は、該第1の対応関係を登録し、第1のホームエージェント(HA-MN)が、第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)と第3の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)について、MR-CoAとMN-HAdrとのアドレスが一致していることにより、第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)を新たに登録し、
第3の段階について、端末(CN)が、移動端末(MN)へ送信すべき送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、第1のホームエージェント(HA-MN)に送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して、外部エージェント(FA-MR)へ転送し、該外部エージェント(FA-MR)は、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して、移動ルータ(MR)へ転送し、該移動ルータ(MR)は、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、該パケットを移動端末(MN)へ送信することも好ましい。
【0059】
本発明の他の実施形態によれば、ヘッダ削減のための逆方向トンネリングを行うために、
第4の段階として、移動端末(MN)が、端末(CN)へ送信すべき送信先アドレスCNのパケットを、移動ルータ(MR)へ送信した際に、該移動ルータ(MR)は、第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、該パケットを、転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して外部エージェント(FA-MR)へ送信し、該外部エージェント(FA-MR)は、第4の対応関係(HA-MN,MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットのカプセル化を解除して送信先アドレスCN宛のパケットを取り出し、更に、該パケットを転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを端末(CN)へ送信することも好ましい。
【0060】
本発明の他の実施形態によれば、更に、移動ルータ(MR)及び移動ネットワークの移動とともに移動端末(MN)も移動し、該移動ルータ(MR)が他のネットワークに接続されたとき、
移動ルータ(MR)が、外部エージェント(FA-MR)を介して、送信先アドレスMR-HAdrと転送先アドレスMR-CoAとの第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する登録要求を第2のホームエージェント(HA-MR)へ送信し、該第2のホームエージェント(HA-MR)が、該第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、その登録応答を該移動ルータ(MR)へ送信する第5の段階と、
第2の段階と
を行うことも好ましい。
【0061】
また、本発明によれば、通信相手側端末(CN)が接続された第1のネットワーク(NW1)と、アドレスMN-HAdrの移動端末(MN)及び第1のホームエージェント(HA-MN)が接続された第2のネットワーク(NW2)と、アドレス空間がアドレスMNW-AdrとプレフィックスMNW-Prefixで示される移動ネットワークに接続されたアドレスMR-HAdrの移動ルータ(MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)が接続された第3のネットワーク(NW3)と、動的にアドレスを割り当てるアドレス割り当てサーバが接続された第4のネットワーク(NW4)とが、通信ネットワークで接続された通信システムにおけるモバイルIPの経路制御方法であって、
アドレス割り当てサーバが、移動ルータ(MR)に第4のネットワーク(NW4)における気付アドレスMR-CoAを第4のネットワーク(NW4)のアドレス空間から割り当て、移動端末(MN)に移動ネットワークにおける気付アドレスMN-CoAを移動ネットワークのアドレス空間から割り当て、
移動端末(MN)が、移動し、移動ルータ(MR)を接続する移動ネットワークに接続され、該移動ルータ(MR)が、移動し、第4のネットワーク(NW4)に接続されたとき、
経路削減のための順方向トンネリングを行うために、
第1の段階として、移動端末(MN)が、移動ルータ(MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMN-HAdrと転送先アドレスMN-CoAとの第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む第1の登録要求を第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が該第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、
第2の段階として、移動ルータ(MR)が、第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMNW-Adr/MNW-Prefixと転送先アドレスMR-CoAとの第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を含む第2の登録要求を第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が、該第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を登録し(MRが共存CoAを使用する場合は、MRはHA-MNに移動ネットワーク(MNW-Adr/MNW-Prefix)の転送先(MR-CoA)を通知する)、
順方向トンネリングを行う第3の段階として、端末(CN)が、移動端末(MN)へ送信すべき送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化し、転送先アドレスMN-CoAは移動ネットワークのアドレス空間に含まれるため、第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して、移動ルータ(MR)へ転送し、該移動ルータ(MR)は、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-CoA宛のパケットを取り出し、移動端末(MN)へ送信し、該移動端末(MN)は、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出す方法である。
【0062】
本発明の他の実施形態によれば、経路削減のための逆方向トンネリングを行うために、
第1の段階について、移動端末(MN)は、自らが送信する全てのパケットをHA-MNに転送するために第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録し(MNにとって、MN-HAdr及びHA-MNは自明である)、移動ルータ(MR)は、第1の登録要求を受信した際に、送信先アドレスHA-MN及び送信元アドレスMN-CoAと転送先アドレスHA-MNとの第3の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)を登録し、
逆方向トンネリングを行う第4の段階として、移動端末(MN)が、端末(CN)へ送信すべき送信先アドレスCNのパケットを、第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して移動ルータ(MR)へ送信し、該移動ルータ(MR)は、第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットを、転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスHA-MN宛のパケットを取り出し、更に転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを端末(CN)へ送信することも好ましい。
【0063】
本発明の他の実施形態によれば、ヘッダが削減された順方向トンネリングを行うために、
第2の段階について((MRがFA-CoAを使用する場合は、MRからHA-MNへの登録において、MR-HAdr=MR-CoAをHA-MNに通知する)、)第1のホームエージェント(HA-MN)が、第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)と第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)について、MR-CoAが移動ネットワークのアドレス空間に含まれていることにより、第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)を新たに登録し、第3の段階について、端末(CN)が、移動端末(MN)へ送信すべき送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、第1のホームエージェント(HA-MN)に送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して移動ルータ(MR)へ送信し、移動ルータ(MR)が、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、該移動ルータが、配下の移動端末(MN)のアドレス(MN-HAdr)のリストから得られる対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、更に該パケットをMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して移動端末(MN)へ送信し、該移動端末(MN)が、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットを解除してMN-HAdr宛のパケットを取り出すことも好ましい。
【0064】
本発明の他の実施形態によれば、ヘッダ削減のための逆方向トンネリングを行うために、
第4の段階として、移動端末(MN)が、端末(CN)へ送信すべき送信先アドレスCNのパケットを、第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して移動ルータ(MR)へ送信し、該移動ルータ(MN)は、第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットのカプセル化を解除して送信先アドレスCN宛のパケットを取り出し、更に、該パケットを転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを端末(CN)へ送信することも好ましい。
【0065】
本発明の他の実施形態によれば、更に、移動ルータ(MN)及び移動ネットワークの移動とともに移動端末(MN)も移動し、該移動ルータ(MR)が他のネットワークに接続されたとき、
移動ルータ(MR)が、送信先アドレスMR-HAdrと転送先アドレスMR-CoAとの第1の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する登録要求を第2のホームエージェント(HA-MR)へ送信し、該第2のホームエージェント(HA-MR)が、該第1の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、その登録応答を該移動ルータ(MR)へ送信する第5の段階と、
第2の段階と
を行うことも好ましい。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下では、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0067】
図13は、本発明による経路削減のためのFA-CoAを用いたシーケンス図である。図10のシーケンス図と比較して、図13は、S105のシーケンスを有する点に特徴がある。
【0068】
[S105のシーケンス]
(1)MRは、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)をHA-MNに登録させるためのパケットを、FA-MRへ送信する。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(2)FA-MRは、MNから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、そのパケットをHA-MNへ送信する。
(3)HA-MNは、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、S102で登録された対応関係に加えて、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する。処理テーブルは、以下の表5のようになる。また、MRの登録によって作成された処理エントリの優先度も「低」とする。
【0069】
【表5】
Figure 0003709816
【0070】
(4)HA-MNは、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)の登録が完了したことと、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であることをFA-MR経由で応答する。
(5)FA-MRは、HA-MNからの応答パケットを受信すると、S102で登録された対応関係に加えて、対応関係5(src:MR-HAdr,dst:HA-MN->HA-MR)を登録し、表6のCのような処理エントリを作成する。また、FA-MRは応答パケットをMRに転送する。
【0071】
【表6】
Figure 0003709816
【0072】
[順方向トンネリング:S106のシーケンス]
(6)CNは、送信先MN-HAdr及び送信元CNのパケットを、HA-MNへ送信する。
(7)HA-MNは、送信先MN-HAdrのパケットを、表5のBに基づいて、MN-CoA宛のパケットにカプセル化する。MN-CoAとMR-HAdrとは同じアドレスであるため、表5のCに基づいて、そのパケットをMR-CoA宛のパケットに更にカプセル化する。その2重にカプセル化されたパケットは、MR-CoAのアドレスであるFA-MRへ送信される。
(8)FA-MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-CoA宛のパケットを取り出す。そして、MN-CoAとMR-HAdrとは同じアドレスであるので、そのパケットはMRへ送信される。
(9)MRは、MN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットをMNへ送信する。ここで、MRとMNは同じリンクに属しており、かつMRはS102のシーケンスによりMNのMACアドレスを知ることができるため、MN-HAdr宛のパケットをMNに転送することができる。
これにより、CNから送信されたパケットは、MNで受信される。
【0073】
[逆方向トンネリング:S107のシーケンス]
(10)MNは、送信先CN及び送信元MN-HAdrのパケットを、MRへ送信する。
(11)MRは、送信先MN-HAdrのパケットを、表4のBの対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、HA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットは、FA-MRへ送信する。
(12)FA-MRは、そのパケットを、表6のCの対応関係5(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、HA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、その2重にカプセル化されたパケットは、HA-MNへ送信される。
(13)HA-MNは、そのパケットのカプセル化を解除し、HA-MN宛のパケットを取り出し、更にそのパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットは、CNへ送信される。
これにより、MNから送信されたパケットは、CNで受信される。
【0074】
図14は、本発明によるヘッダ削減のためのFA-CoAを用いたシーケンス図である。図13のシーケンス図と比較して、図14は、S108のシーケンスを有する点に特徴がある。以下では、図13と図14との相違点についてのみ、説明する。
【0075】
[S108のシーケンス]
(1)MRは、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)をHA-MNに登録させるためのパケットを、FA-MRへ送信する際に、MR配下のHAが同じMNのHAdrのリストを添付する。
(2)FA-MRは、MR配下のMNのHAdrのリストから、対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を得る。そして、そのパケットをHA-MNへ送信する。
(3)HA-MNは、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する際に、MN-CoAとMR-HAdrとのアドレスが同一であるので、表5のB及びCを集約し、対応関係6(dst:MN-HAdr->MR-CoA)として、以下の表7の処理テーブル(B+C)を生成する。集約して生成された処理エントリの優先度は「高」とする。
(4)FA-MRは、HA-MNからの応答パケットを受信すると、対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、表8のC2のような処理エントリを作成する。また、MRは応答パケットをMNに転送する。
【0076】
【表7】
Figure 0003709816
【0077】
【表8】
Figure 0003709816
【0078】
[順方向トンネリング:S109シーケンス]
(5)CNは、送信先MN-HAdr及び送信元CNのパケットを、HA-MNへ送信する。
(6)HA-MNは、送信先MN-HAdrのパケットを、表7について優先度の高いB+Cに基づいて、対応関係6(dst:MN-HAdr->MR-CoA)に従い、MR-CoA宛のパケットにカプセル化する。このとき、HA-MNは、表7にMR-CoA宛のパケットに該当するエントリが無いことを確認する。そして、そのパケットを、FA-MRへ送信する。
(7)FA-MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。FA-MRは、表8(C2)の対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、そのパケットを、MN-CoA宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをMRへ送信する。
(8)MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットをMNへ送信する。
これにより、MNは、CNから送信されたパケットを受信する。
【0079】
[逆方向トンネリング:S110シーケンス]
(9)MNは、送信先CN及び送信元MN-HAdrのパケットを、MRへ送信する。
(10)MRは、送信先CNのパケットを、表4(B)の対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、HA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをFA-MRへ送信する。
(11)FA-MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出す。更に、FA-MRは、そのパケットを、表7(C)の対応関係5(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、HA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットを、HA-MNへ送信する。
(12)HA-MNは、そのパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットは、CNへ送信される。
これにより、MNから送信されたパケットは、CNで受信される。
【0080】
図15は、本発明による共存CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。図9と異なり、図15では、HA-MRはMRと直接通信することが可能となる。
【0081】
図15によれば、以下の点を前提として説明する(MR:共存CoA、MN:共存CoAの場合)。
・NW4上のDHCP(アドレス割り当て)サーバが、MRにMR-CoAを割り当てる。IP version 6の場合は、ステートレス自動アドレス設定を用いてもよい。
・MRがDHCPサーバとしてMNにMN-CoAを移動ネットワーク上のアドレス空間から割り当てる。
【0082】
図16は、本発明による経路削減のための共存CoAを用いたシーケンス図である。図16は、図13と比較して、FA-MRが存在しない点のみが異なる。
【0083】
(1)図16のシーケンスの前提として、移動ネットワークが第4のネットワークNW4と接続した場合、MRはDHCPサーバよりMR-CoAを外部ネットワーク(NW4)のアドレス空間から取得する。
【0084】
[S101'のシーケンス]
(2)MRは、ホームネットワークにおける本来のIPアドレスであるMR-HAdr及びMR-CoAの対応関係1(src:MR-HAdr->MR-CoA)を含むパケットを、HA-MRへ送信する。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(3)HA-MRは、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、対応関係1(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、表9のAの処理エントリを作成する。
(4)さらに、HA-MRは、移動ネットワークがMRに接続していることをあらかじめ知っており、対応関係7(dst:MNW-Hdr/MNW-Prefix->MR-CoA)を登録し、表9のA’の処理エントリを作成する。また、HA-MRは応答パケットをMRに転送する。
【0085】
【表9】
Figure 0003709816
【0086】
(5)MRは、HA-MRからの応答パケットを受信すると、対応関係8(src:MNW-Adr/MNW-Prefix->HA-MR)を登録し、表10のAのような処理エントリを作成する。また、MRは応答パケットをMNに転送する。
【0087】
【表10】
Figure 0003709816
【0088】
(6)同様に、MNも移動ネットワークへ移動する(図15)。
【0089】
[S102'のシーケンス]
(7)MRは、移動ネットワークに接続するMNに対するDHCPサーバの機能を持つ。MNは、MRよりMN-CoAを移動ネットワークのアドレス空間から取得する。
(8)そして、MNは、対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)をHA-MNに登録すべく、該対応関係を含むパケットをMRへ送信する。ここで、通常のMobile IPでは、共存CoAを用いるMNはMR経由ではなく、直接HA-MNに該対応関係を含むパケットを送信する。しかし、ここではエージェント広告にMR経由の登録を強制するRビットを使用することで、MNにMR経由で該対応関係を含むパケットを送信させる。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(9)MRは、そのパケットを、HA-MR宛のパケットにカプセル化して、HA-MRへ送信する。
(10)HA-MRは、パケットのカプセル化を解除し、HA-MN宛のパケットを取り出し、HA-MNへ送信する。
(11)HA-MNは、MNから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、そのパケットに含まれる対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、表12のBような処理エントリを作成する。その処理テーブルは、前述の表3と同じである。また、HA-MNは応答パケットをMNに転送する。
(12)MNは、HA-MNからの応答パケットを受信すると、対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録し、表11のCのような処理エントリを作成する。
【0090】
【表11】
Figure 0003709816
【0091】
[S105'のシーケンス]
(13)MRは、対応関係7(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を、S102'のシーケンスで知ったHA-MNに登録させるためのパケットを、HA-MNへ送信する。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(14)HA-MNは、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、S102'で登録された対応関係に加えて、対応関係7(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を登録し表12のCような処理エントリを作成する。また、HA-MNは応答パケットをMRに転送する。
【0092】
【表12】
Figure 0003709816
【0093】
(15)MRは、HA-MNからの応答パケットを受信すると、S101'で登録された対応関係に加えて、対応関係5(src:MN-CoA,dst:HA-MN->HA-MN)を登録し、表13のCのような処理エントリを作成する。また、FA-MRは応答パケットをMRに転送する。
【0094】
【表13】
Figure 0003709816
【0095】
[順方向トンネリング:S106'のシーケンス]
(16)図13と比較して、HA-MNが送信する、2重にカプセル化されたパケットが、直接MRへ送信される点が異なる。
(17)MRは、MR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除し、MN-CoA宛のパケットを取り出す。そして、MRは、そのパケットをMNへ送信する。
(18)MNは、MN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。
これにより、CNから送信されたパケットは、MNで受信される。
【0096】
[逆方向トンネリング:S107'のシーケンス]
(19)図13と比較して、MNは、表11(C)の対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、CNへ送信すべきパケットをHA-MNでカプセル化する点が異なる。そして、そのパケットをMRへ送信する。
(20)MRは、表13(C)の対応関係5(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、そのパケットを、HA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをHA-MNへ送信する。
【0097】
図17は、本発明によるヘッダ削減のための共存CoAを用いたシーケンス図である。図17は、図14と図16とを組み合わせたシーケンスである。
【0098】
[S108'のシーケンス]
(1)MRは、対応関係7(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)をHA-MNに登録させるためのパケットを、HA-MNへ送信する。また、そのパケットにおいて、順方向トンネル及び逆方向トンネルの実施、カプセル化方式の指定を行う。
(2)HA-MNは、MRから指定されたカプセル化方式で順方向トンネル及び逆方向トンネリングを実施することが可能であれば、対応関係7(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を処理エントリCとして登録する際に、MN-CoAはMNW-Adr/MNW-Prefixに含まれるので、BとCを集約し、対応関係6(dst:MN-HAdr->MR-CoA)として、表14のB+Cの処理エントリを作成する。また、HA-MNは応答パケットをMRに転送する。
【0099】
【表14】
Figure 0003709816
【0100】
(3)MRは、HA-MNからの応答パケットを受信すると、対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、表15のC’のような処理エントリを作成する。また、MRは応答パケットをMNに転送する。
【0101】
【表15】
Figure 0003709816
【0102】
[順方向トンネリング:S109'シーケンス]
(4)図14と比較して、HA-MNから送信されたパケットが直接MRで受信される。MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。そして、そのパケットを、表15(C’)の対応関係3(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、MN-CoA宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをMNへ送信する。
(5)MNは、そのパケットのカプセル化を解除し、MN-HAdr宛のパケットを取り出す。
これにより、CNから送信されたパケットは、MNで受信される。
【0103】
[逆方向トンネリング:S110'シーケンス]
(6)図14と比較して、MNは、表11(C)の対応関係4(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、CNへ送信すべきパケットをHA-MNでカプセル化する点が異なる。そして、そのパケットをMRへ送信する。
(7)MRは、そのパケットのカプセル化を解除し、CN宛のパケットを取り出す。MRは、表13(C)の対応関係5(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、更にそのパケットを、HA-MN宛のパケットにカプセル化する。そして、そのパケットをHA-MNへ送信する。
【0104】
前述した本発明のモバイルIPの経路制御方法の種々の実施形態によれば、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略が、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【0105】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、移動に伴って外部ネットワークとの接続点を変更するネットワークへ移動端末を接続した場合において、従来方法よりも通信経路及びカプセル化によるオーバヘッドを削減しつつ、継続的に通信を行うことが可能となる。従って、人が自動車や列車に乗り込む前から携帯端末で通信を行っており、さらに自動車や列車に乗り込んでから、自動車や列車内部に構築されたネットワークに携帯端末を接続して通信を行うような状況においても、端末の再設定を行うことなしに外部と継続的に、かつ効率的に通信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】移動端末(MN)が移動した場合の、FA-CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。
【図2】図1に基づくシーケンス図である。
【図3】移動端末(MN)が移動した場合の、共存CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。
【図4】図3に基づくシーケンス図である。
【図5】移動ルータ(MR)が移動した場合の、FA-CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。
【図6】図5に基づくシーケンス図である。
【図7】移動ルータ(MR)が移動した場合の、共存CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。
【図8】図7に基づくシーケンス図である。
【図9】本発明が課題とする、移動端末(MN)と移動ルータ(MR)とが共に移動した場合の、FA-CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。
【図10】図9に基づく本発明が課題とする従来のシーケンス図である。
【図11】経路最適化を適用した場合のシーケンス図である。
【図12】経路最適化をHA-MRに適用した場合のシーケンス図である。
【図13】本発明による経路削減のためのFA-CoAを用いたシーケンス図である。
【図14】本発明によるヘッダ削減のためのFA-CoAを用いたシーケンス図である。
【図15】本発明による共存CoAを用いた通信経路を表すシステム構成図である。
【図16】本発明による経路削減のための共存CoAを用いたシーケンス図である。
【図17】本発明によるヘッダ削減のための共存CoAを用いたシーケンス図である。
【符号の説明】
1 MN、移動端末
2 CN、MNと通信する端末
3 HA-MN、MN用ホームエージェント
4 FA、外部エージェント
5 HA-MR、MR用ホームエージェント
6 MR、移動ルータ
7 通信ネットワーク
8 移動ネットワーク
9 DHCPサーバ、動的アドレス割り当てサーバ
10 SN、MNと通信する端末
11 FA-MR、MR用外部エージェント

Claims (10)

  1. 通信相手側端末(CN)が接続された第1のネットワーク(NW1)と、アドレスMN-HAdrの移動端末(MN)及び第1のホームエージェント(HA-MN)が接続された第2のネットワーク(NW2)と、移動ネットワークに接続されたアドレスMR-HAdrの移動ルータ(MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)が接続された第3のネットワーク(NW3)と、外部エージェント(FA-MR)が接続された第4のネットワーク(NW4)とが、通信ネットワークで接続された通信システムにおけるモバイルIPの経路制御方法であって、
    前記外部エージェント(FA-MR)が、前記移動ルータ(MR)に前記第4のネットワーク(NW4)における気付アドレスMR-CoAとしてFA-MRのアドレスを割り当て、前記移動ルータ(MR)が、前記移動端末(MN)に前記移動ネットワークにおける気付アドレスMN-CoAとしてMR-HAdrを割り当て、
    前記移動端末(MN)が、移動し、前記移動ルータ(MR)を接続する移動ネットワークに接続され、該移動ルータ(MR)が、移動し、前記第4のネットワーク(NW4)に接続されたとき、
    経路削減のための順方向トンネリングを行うために、
    第1の段階として、前記移動端末(MN)が、前記移動ルータ(MR)、前記外部エージェント(FA-MR)及び前記第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMN-HAdrと転送先アドレスMN-CoAとの第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む第1の登録要求を前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が該第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、
    第2の段階として、前記移動ルータ(MR)が、前記外部エージェント(FA-MR)及び前記第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMR-HAdrと転送先アドレスMR-CoAとの第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を含む第2の登録要求を前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が、該第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、
    順方向トンネリングを行う第3の段階として、前記端末(CN)が、前記移動端末(MN)へ送信すべき前記送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、前記第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化し、転送先アドレスMN-CoAと送信先アドレスMR-HAdrとが等しければ、前記第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して、前記外部エージェント(FA-MR)へ転送し、該外部エージェント(FA-MR)は、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-CoA宛のパケットを取り出し、転送先アドレスMN-CoAと送信先アドレスMR-HAdrとが等しいので前記移動ルータ(MR)へ送信し、該移動ルータ(MR)は、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、該パケットを前記移動端末(MN)へ送信する
    ことを特徴とするモバイルIPの経路制御方法。
  2. 経路削減のための逆方向トンネリングを行うために、
    前記第1の段階について、前記移動ルータ(MR)は、前記第1の登録要求を受信した際に、送信元アドレスMN-HAdrと転送先アドレスHA-MNとの第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録し、
    前記第2の段階について、前記外部エージェント(FA-MR)は、前記移動ルータ(MR)から前記第2の登録要求を受信した際に、送信先アドレスHA-MN及び送信元アドレスMN-CoAと転送先アドレスHA-MNとの第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)を登録し、
    逆方向トンネリングを行う第4の段階として、前記移動端末(MN)が、前記端末(CN)へ送信すべき前記送信先アドレスCNのパケットを、前記移動ルータ(MR)へ送信した際に、該移動ルータ(MR)は、前記第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、該パケットを、前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記外部エージェント(FA-MR)へ送信し、該外部エージェント(FA-MR)は、前記第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットを、前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスHA-MN宛のパケットを取り出し、更に転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを前記端末(CN)へ送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の経路制御方法。
  3. ヘッダが削減された順方向トンネリングを行うために、
    前記第2の段階について、前記移動ルータ(MR)は、前記第2の対応関係に加えて、前記第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む該移動ルータ(MR)配下の移動端末(MN)のアドレス(MN-HAdr)のリストを前記登録要求に付加して前記外部エージェント(FA-MR)に送信し、該外部エージェント(FA-MR)は、該第1の対応関係を登録し、前記第1のホームエージェント(HA-MN)が、前記第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)と前記第3の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)について、MR-CoAとMN-HAdrとのアドレスが一致していることにより、第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)を新たに登録し、
    前記第3の段階について、前記端末(CN)が、前記移動端末(MN)へ送信すべき前記送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、前記第1のホームエージェント(HA-MN)に送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、前記第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して、前記外部エージェント(FA-MR)へ転送し、該外部エージェント(FA-MR)は、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、前記第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して、前記移動ルータ(MR)へ転送し、該移動ルータ(MR)は、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、該パケットを前記移動端末(MN)へ送信することを特徴とする請求項1又は2に記載の経路制御方法。
  4. ヘッダ削減のための逆方向トンネリングを行うために、
    前記第4の段階として、前記移動端末(MN)が、前記端末(CN)へ送信すべき前記送信先アドレスCNのパケットを、前記移動ルータ(MR)へ送信した際に、該移動ルータ(MR)は、前記第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、該パケットを、前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記外部エージェント(FA-MR)へ送信し、該外部エージェント(FA-MR)は、前記第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットのカプセル化を解除して送信先アドレスCN宛のパケットを取り出し、更に、該パケットを前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを前記端末(CN)へ送信することを特徴とする請求項3に記載の経路制御方法。
  5. 更に、前記移動ルータ(MR)及び前記移動ネットワークの移動とともに前記移動端末(MN)も移動し、該移動ルータ(MR)が他のネットワークに接続されたとき、
    前記移動ルータ(MR)が、前記外部エージェント(FA-MR)を介して、送信先アドレスMR-HAdrと転送先アドレスMR-CoAとの第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する登録要求を前記第2のホームエージェント(HA-MR)へ送信し、該第2のホームエージェント(HA-MR)が、該第2の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、その登録応答を該移動ルータ(MR)へ送信する第5の段階と、
    前記第2の段階と
    を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の経路制御方法。
  6. 通信相手側端末(CN)が接続された第1のネットワーク(NW1)と、アドレスMN-HAdrの移動端末(MN)及び第1のホームエージェント(HA-MN)が接続された第2のネットワーク(NW2)と、アドレス空間がアドレスMNW-AdrとプレフィックスMNW-Prefixで示される移動ネットワークに接続されたアドレスMR-HAdrの移動ルータ(MR)及び第2のホームエージェント(HA-MR)が接続された第3のネットワーク(NW3)と、動的にアドレスを割り当てるアドレス割り当てサーバが接続された第4のネットワーク(NW4)とが、通信ネットワークで接続された通信システムにおけるモバイルIPの経路制御方法であって、
    前記アドレス割り当てサーバが、前記移動ルータ(MR)に前記第4のネットワーク(NW4)における気付アドレスMR-CoAを前記第4のネットワーク(NW4)のアドレス空間から割り当て、前記移動端末(MN)に前記移動ネットワークにおける気付アドレスMN-CoAを前記移動ネットワークのアドレス空間から割り当て、
    前記移動端末(MN)が、移動し、前記移動ルータ(MR)を接続する移動ネットワークに接続され、該移動ルータ(MR)が、移動し、前記第4のネットワーク(NW4)に接続されたとき、
    経路削減のための順方向トンネリングを行うために、
    第1の段階として、前記移動端末(MN)が、前記移動ルータ(MR)及び前記第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMN-HAdrと転送先アドレスMN-CoAとの第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を含む第1の登録要求を前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が該第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)を登録し、
    第2の段階として、前記移動ルータ(MR)が、前記第2のホームエージェント(HA-MR)を介して、送信先アドレスMNW-Adr/MNW-Prefixと転送先アドレスMR-CoAとの第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を含む第2の登録要求を前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)が、該第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)を登録し、
    順方向トンネリングを行う第3の段階として、前記端末(CN)が、前記移動端末(MN)へ送信すべき前記送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、前記第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化し、転送先アドレスMN-CoAは移動ネットワークのアドレス空間に含まれるため、前記第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して、前記移動ルータ(MR)へ転送し、該移動ルータ(MR)は、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-CoA宛のパケットを取り出し、前記移動端末(MN)へ送信し、該移動端末(MN)は、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出す
    ことを特徴とするモバイルIPの経路制御方法。
  7. 経路削減のための逆方向トンネリングを行うために、
    前記第1の段階について、前記移動端末(MN)は、自らが送信する全てのパケットをHA-MNに転送するために第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)を登録し、前記移動ルータ(MR)は、前記第1の登録要求を受信した際に、送信先アドレスHA-MN及び送信元アドレスMN-CoAと転送先アドレスHA-MNとの第3の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)を登録し、
    逆方向トンネリングを行う第4の段階として、前記移動端末(MN)が、前記端末(CN)へ送信すべき前記送信先アドレスCNのパケットを、前記第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記移動ルータ(MR)へ送信し、該移動ルータ(MR)は、前記第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットを、前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することにより更にカプセル化して前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスHA-MN宛のパケットを取り出し、更に転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを前記端末(CN)へ送信する
    ことを特徴とする請求項6に記載の経路制御方法。
  8. ヘッダが削減された順方向トンネリングを行うために、
    前記第2の段階について、前記第1のホームエージェント(HA-MN)が、前記第1の対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)と前記第2の対応関係(dst:MNW-Adr/MNW-Prefix->MR-CoA)について、MR-CoAが移動ネットワークのアドレス空間に含まれていることにより、第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)を新たに登録し、
    前記第3の段階について、前記端末(CN)が、前記移動端末(MN)へ送信すべき前記送信先アドレスMN-HAdrのパケットを、前記第1のホームエージェント(HA-MN)に送信した際に、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、前記第5の対応関係(dst:MN-HAdr->MR-CoA)に基づいて該パケットを転送先アドレスMR-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記移動ルータ(MR)へ送信し、前記移動ルータ(MR)が、転送先アドレスMR-CoA宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスMN-HAdr宛のパケットを取り出し、該移動ルータ(MR)が、配下の移動端末(MN)のアドレス(MN-HAdr)のリストから得られる対応関係(dst:MN-HAdr->MN-CoA)に基づいて、更に該パケットをMN-CoA宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記移動端末(MN)へ送信し、該移動端末(MN)が、転送先アドレスMN-CoA宛のパケットを解除してMN-HAdr宛のパケットを取り出す
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の経路制御方法。
  9. ヘッダ削減のための逆方向トンネリングを行うために、
    前記第4の段階として、前記移動端末(MN)が、前記端末(CN)へ送信すべき前記送信先アドレスCNのパケットを、前記第3の対応関係(src:MN-HAdr->HA-MN)に基づいて、前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記移動ルータ(MR)へ送信し、該移動ルータ(MN)は、前記第4の対応関係(dst:HA-MN,src:MN-CoA->HA-MN)に基づいて、該パケットのカプセル化を解除して送信先アドレスCN宛のパケットを取り出し、更に、該パケットを前記転送先アドレスHA-MN宛のパケットと認識することによりカプセル化して前記第1のホームエージェント(HA-MN)へ送信し、該第1のホームエージェント(HA-MN)は、転送先アドレスHA-MN宛のパケットのカプセル化を解除して転送先アドレスCN宛のパケットを取り出し、該パケットを前記端末(CN)へ送信することを特徴とする請求項8に記載の経路制御方法。
  10. 更に、前記移動ルータ(MN)及び前記移動ネットワークの移動とともに前記移動端末(MN)も移動し、該移動ルータ(MR)が他のネットワークに接続されたとき、
    前記移動ルータ(MR)が、送信先アドレスMR-HAdrと転送先アドレスMR-CoAとの第1の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録する登録要求を前記第2のホームエージェント(HA-MR)へ送信し、該第2のホームエージェント(HA-MR)が、該第1の対応関係(dst:MR-HAdr->MR-CoA)を登録し、その登録応答を該移動ルータ(MR)へ送信する第5の段階と、
    前記第2の段階と
    を行うことを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の経路制御方法。
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