JP3709166B2 - ルアーと釣針との連結リング - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、疑似餌となるルアーと釣針とを連結するルアーと釣針との連結リングに関する。
【0002】
【従来の技術】
ルアーと釣針とを連結する連結リングは、ステンレス製の線材を螺旋状の円形リングに巻いて形成している。この連結リングは、線材を2から3回程度、筒状に巻いた後に機械で切落として作られる。そして、リングの巻き始めの端部をルアー及び釣針の取付孔に差し込んで両者を連結するようにしている。この連結リングの強度は、狙った魚が釣針に掛かったときに釣針をルアーから引き千切ろうとする力に耐えなければならない。その耐力は狙う魚により異なるが数Kgから百Kg程度の強さが求められる。このような高い力に耐えるため、リングはもっぱら径の太い線材が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示すようにこれまでの連結リングaは、リングを円形に巻かれているため、取付孔bに装着すると、力が加わらない状態では図5(A)のように巻始めと巻き終りのリング部分cとリング本体dとの内周が取付孔bの内周に接している。そして、ルアーと釣針とが離れる方向に大きな力が加わると、図5(B)に示すようにリングの巻始めと巻き終りの部分cは、リング本体dとともに引伸ばされる。このとき、リングの巻始めと巻き終りの部分cは、取付孔bの内周に常に接しているので、リング本体dが引伸ばされにしたがい巻始めと巻き終りの部分cも一緒に引伸ばされる。この結果、リング本体dの引伸ばしにストッパが掛からない状態でリング全体の直径がずるずると大きくなり、ついにはリングが取付孔bから脱落してしまう。これを回避するため、これまではリングを太い線材を使って形成し、簡単には直径が広がらないようにしているのである。
【0004】
しかし、上記ように線材を太くするとリングが硬くなるのでルアーと釣針とを連結するに工具が必要となる。しかし魚釣の現場に工具を持参するのは面倒であった。そこで特開2000‐40号公報に示されるように、線材の材料を特殊な超弾性を有するものにすることが考えられる。ところが、この場合は連結リングが高価になってしまう。
本発明は、安価で工具を用いることなくルアーと釣針とを連結できるルアーと釣針との連結リングを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の連結リングは、ルアーと釣針とが引張り合う方向に向けてリング本体を細長く形成する。そして、リングを巻始める最初の屈曲部内周と巻き終るの最後の屈曲部内周とを、リング本体の長手方向の両側においてリング本体内周より外側に位置させる。さらに、ルアーと釣針とが引張り合う力でリング本体の外形が変形するとき、リング巻始め側の線材の端部と巻き終り側の線材の端部とがリング本体の内部を移動するように形成した。
【0006】
リングの最初と最後の屈曲部内周を、リング本体内周より外側に位置させることで、ルアーと釣針とが引張り合うときの力をリング本体だけで受け止める。そして、ルアーと釣針とが引張り合う力でリング本体が変形するとき、リング巻始め側の線材の端部と巻き終り側の線材の端部とがリング本体の内部を移動させることで、各端部がルアーまたは釣針の取付孔の縁に当たってリング本体の変形を阻止する。連結リングは、リング本体の変形が阻止されることで、線材を細くしてもルアーと釣針とが引張り合う高い張力に耐えることができる。
【0007】
前記リング本体を長円形に巻くように形成すると、魚が釣針に掛かったときの力でリング本体が積極的に弾性変形するので、魚が暴れて釣針をルアーから引き千切ろうとする衝撃力を緩和することができる。また、前記リング本体をD形形状に巻くと、ルアーと釣針とが引張り合う力の殆どが直線部分に加わるので、魚が釣針をルアーから千切ろうとする力を線材の抗張力で受け止めることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施形態を図1〜図3に亘る実施例で説明する。図1(A)に示す連結リング1は、ステンレス製の線材を長円形に、かつ図1(B)に示すように螺旋状に巻いて形成されている。この連結リング1は、リングの巻き始めに形成される始端半円弧2(屈曲部)に続いてリング本体3が一巻き以上巻かれて形成され、さらにリングの巻き終わりに形成される終端半円弧4(屈曲部)がリング本体3に続けて形成される。そして、始端半円弧2及び終端半円弧4の内周は、リング本体の長手方向の両側でリング本体の円弧5の外方に突出するように形成されている。一方、線材のリング巻き初めの始端部6とリング巻き終りの終端部7とはリング本体3の直線部分8の上まで延在させている。
【0009】
図2はルアー9と釣針10とを連結リング1で連結した状態を示す。ルアー9は魚体を模した合成樹脂製の疑似餌で、魚の口に当たる部分に釣糸を掛けるフック11が形成され、魚の尻尾にあたる部分に丸孔12(取付孔)が開けられている。釣針10は三から四本の釣針を一つに束ねたもので、束ねた先に針孔13〈取付孔〉が開けられている。そして、連結リング1は、始端部6あるいは終端部7を直線部分8から離反するように指先で弾性変形させ、ここに形成される空間に丸孔12と針孔13を差し込んでいき、リング本体1を丸孔12と針孔13とに嵌合させてルアー9と釣針10とを連結している。
【0010】
図3は、魚が釣針10をルアー9から引き千切ろうとする力で連結リング1が変形する状態を示す。図3(A)はまだ連結リング1を変形させようとする力が加わっていない状態を示し、ルアー9の丸孔12及び釣針10の針孔13は、リング本体3の円弧5の頂点内周に接している。そして、釣針10をルアー9から引き千切ろうとする力が加わると、リング本体1の円弧5は図3(B)に示すように、針孔13が始端部6をリング本体3の内方に向けて移動させるように変形させ、丸孔12が終端部7をリング本体3の内方に向けて移動させるように変形させる。そして、円弧5がさらに変形すると、始端半円弧2の内周が丸孔12の縁に、終端半円弧4の内周が針孔13の縁にそれぞれ当接する。そして、この当接でリング本体1の円弧5の変形は阻止される。
【0011】
この円弧5の変形阻止において、始端及び終端半円弧2、4の内周が丸孔12及び針孔13の縁に当接する力は、円弧5の頂点で発生する力を遥か離れた反対側の始端または終端半円弧2、4の終端で受け止めることから、その力は極めて小さいものとなる。この結果、連結リング1を形成する線材を細くしてもリング本体1の円弧5の変形を簡単に阻止できる。しかも、リング本体3は、始端及び終端半円弧2、4の内周が丸孔12及び針孔13の縁に当接するまでは容易に弾性変形するので、魚が暴れて釣針10をルアー9から引き千切ろうとする衝撃的な力を緩和してルアー9に伝達できる。この結果、釣針10の損傷も回避できる。しかもリング本体3の変形を簡単に阻止できるので線材を細くしても連結リング1が丸孔12または針孔13から外れることを防止できる。
【0012】
なお、図1に示されいるリング本体3は、線材を1回巻いた状態に形成しているが、複数回巻いたものとしても、線材が細いので工具を用いることなくルアーと釣針とを連結できる。この場合、リング本体の巻き数が多い分だけ連結リングは魚が釣針をルアーから引き千切ろうとする力に耐えることができる。
【0013】
図4に本発明の第二の実施形態による実施例を示す。この連結リング20は、リング本体21の両端の円弧22同士の片側を直線部分23で、他側を屈曲した線24で結んだD形に形成している。そして、リングの巻き始めに形成される始端半円弧25と、リングの巻き終わりに形成される終端半円弧26との内周をリング本体21の円弧22の内周よりリング本体21の外方に突出するように形成している。また、線材のリング巻き初めの始端部27とリング巻き終りの終端部28は、片側の直線部分23の上まで延在させている。
【0014】
この第二の実施形態において、魚が釣針をルアーから引き千切ろうとする力はリング本体21の両円弧22と片側の直線部分23とで受け止められる。そして、ルアー9と釣針10とが強く引っ張り合うと、リング本体21の円弧22は、針孔13が始端部17をリング本体21の内方に向けて移動させるように変形させ、丸孔12が終端部28をリング本体21の内方に向けて移動させるように変形させる。そして、始端半円弧25の内周が丸孔12の縁に、終端半円弧26の内周が針孔13の縁に当接してリング本体21の変形を阻止する。この第二の実施形態によれば、リング本体21の直線部分23で、ルアー9と釣針10とが引張り合う力の殆どを受け止めるので、この力を線材の抗張力で支えることになる。線材の抗張力は線材の曲げ応力より遥かに大きいので、線材を細くしても魚が釣針をルアーから引き千切ろうとする力に充分に耐えることができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明の連結リングは、リング本体を細長く形成して、リング本体を形成する繊細の両側に屈曲部を形成し、この屈曲部内周をリング本体の長手方向内周より外側に位置させた。そして、ルアーと釣針とが引っ張り合う力でリング本体が変形するとき、線材の端部がリング本体の内部を移動させるように形成した。屈曲部内周をリング本体内周より外側に位置させることで、ルアーと釣針とが引張り合う力をリング本体のみで受け止める。そして、線材の端部がリング本体の内部を移動するときに各端部がルアーまたは釣針の取付孔の縁に当たってリング本体の変形を阻止する。この結果、連結リングは、リング本体の変形が阻止されることで、線材を細くしてもルアーと釣針とが引張り合う高い張力に耐えることができる。
【0016】
そしてリング本体を長円形に巻くように形成すると、魚が釣針に掛かったとき、リング本体が積極的に弾性変形するので、魚が暴れてルアーと釣針とを衝撃的な力で引張り合う力を緩和することができる。また、リング本体をD形形状に巻いてルアーと釣針とが引張り合う力の殆どを直線部分に加えるようにすると、魚が釣針をルアーから千切ろうとする力を線材の抗張力で受け止めることができる。この結果、線材を細くすることができ、工具を用いることなくルアーと釣針とを連結することができた。また、線材を細くすることで安価な連結リングにすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の連結リングの第一の実施形態を示す図。
【図2】第一の実施形態の連結リングによるルアーと釣針との連結状態を示す図。
【図3】第一の実施形態の連結リングを示す図。
【図4】第ニの実施形態の連結リングを示す図。
【図5】従来の連結リングを示す図。
【符号の説明】
1 連結リング
2・4 屈曲部
3 リング本体
6・7 線材の両端
ルアー
釣針
13・14 取付孔
Claims (2)
- 螺旋状に巻いた線材を一端側からルアー(9)と釣針(10)との各取付孔(12)(13)に差し込んでルアーと釣針とを連結する連結リング(1)であって、ルアーと釣針とが引張り合う方向に細長いリング本体(3)を形成し、このリング本体に連続して線材両端の屈曲部(2)(4)を有し、線材両端の屈曲部内周をリング本体の長手方向の両側においてリング本体内周より外側に位置させ、ルアーと釣針とが引張り力を受けたとき線材の両端(6)(7)が前記リング本体の内側に移動することを特徴とするルアーと釣針との連結リング。
- 前記リング本体は長円形に巻かれたことを特徴とする請求項1に記載のルアーと釣針との連結リング。
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2002
- 2002-01-10 JP JP2002002913A patent/JP3709166B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP2003199462A (ja) | 2003-07-15 |
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