JP3708973B2 - エアゾール容器の製造方法 - Google Patents

エアゾール容器の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塗料、殺虫剤、消臭剤、防水剤その他のエアゾール内容物を内部に充填し、このエアゾール内容物を噴射剤の加圧力により外部に噴射するエアゾール容器に係るものである。そして、エアゾール内容物による、エアゾール容器内面の腐食を確実に防止するとともにエアゾール容器に、充分な耐圧性と耐衝撃性を得ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアゾール容器の耐食性を向上させるため、エアゾール容器を合成樹脂により形成することが行われている。この合成樹脂製の容器は、耐食性があり、エアゾール内容物による腐食等を生じることがないため、腐食等を生じやすいエアゾール内容物の場合に有効なものである。
【0003】
しかし、合成樹脂製容器は、素材の物性上から耐圧性に問題があり、特に高温下に於てはその耐圧性が著しく低下し、破裂事故等を生じる可能性があった。
【0004】
また、エアゾール容器をガラスで形成する技術も知られているが、このガラスによる場合は、装飾的効果に優れるものの、樹脂容器と同様に耐圧性に問題があり、また、外部から衝撃を受けた場合に破損しやすい欠点を有している。
【0005】
また、金属材製エアゾール容器の有する優れた耐圧性、耐衝撃性と、樹脂容器の優れた耐腐食性を兼ね備えるものとして、例えば、特公昭43−2319号公報に記載の発明の如く、金属材製の外容器の内面に樹脂フイルムを挿入して形成するエアゾール容器が知られている。
【0006】
また、同じく特公昭42−23119号公報に記載の発明の如く、金属材製の外容器内に、合成樹脂管を挿入し、この合成樹脂管を加圧エアー等により膨張させ、外容器の内面に密着させて金属製の外容器内面の耐食性を向上させる方法が知られている。
【0007】
また、さらに特開昭62−184833号公報に記載の発明の如く、予備成形した合成樹脂製の内容器をエアゾール容器内に挿入し、この樹脂性の内容器内に熱風等の加圧空気を吹き込んで、金属材製外容器の内面に樹脂容器を密着させる方法が知られている。
【0008】
同じく、特開昭62−184833号公報に記載の発明の如く、静電粉体塗装法を用い、エアゾール容器内に樹脂コーテングする方法とか、あらかじめブロウ成形によって作られた内袋を容器本体内に挿入して固定する方法等が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来方法は、いづれも金属材製の外容器内に内容器を挿入もしくは成形により装着し、内容器を外容器内に密接した後に、バルブ体を内容器の上端の開口部に嵌合固定し、これを外容器に、内容器とともにカシメて固定したり、巻締めを行うことによって固定している。
【0010】
そのため、このカシメ、巻締め等によって、外容器とともに内容器にも変形を生じるものとなる。この変形は、内容器の冷却固化後に行われるものであるため、この巻締め、カシメ等の作業により、内容器に著しいストレスを加えるものとなり、合成樹脂製容器又はガラス製容器の破損を極めて生じやすいものとしている。
【0011】
また、バルブ体の嵌合カシメにより、内容器に変形を生じるため、この変形が、内容器又は外容器の上端のシール部とガスケットとの接触部に、変形、ズレ等を生じさせ、気密性の取り合いに問題を生じ、エアゾール内容物の外部への自然放出等、ミスユースを生じやすいものとなる欠点を有している。
【0012】
本発明は、上述の如き課題を解決しようとするものであって、耐圧性に優れた金属容器内に、耐腐食性に優れた合成樹脂製内容器又はガラス製内容器を装着することによって、耐食性と耐圧性を兼ね備えたエアゾール容器を提供しながら、気密性を損なうことなく気密性に優れたエアゾール容器を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の如き課題を解決するため、金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に挿入した後、この外容器をカシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、内容器に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、外容器、内容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするものである。
【0014】
また、第2の発明は、金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に挿入した後、この外容器をカシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部を、カシメ凹部の部分でカシメて内容器を変形する事なく、外容器、内容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするものである。
【0015】
また、第3の発明は、金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器の下端開口部から挿入した後、この下端開口部を底蓋により密閉し、この底蓋により下端開口部を密閉した外容器を、カシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部をカシメ凹部の部分でカシメて、内容器を変形する事なく内容器、外容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするものである。
【0016】
また、第4の発明は、金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に上端開口部から挿入した後、外容器を、カシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部を、カシメ凹部の部分でカシメて、内容器を変形する事なく、内容器、外容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするものである。
【0017】
また、第5の発明は、金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器の上端外周に、金属材製の外容器の目金を被覆し、この目金を、カシメ凹部の部分でカシメて内容器と固定し、この内容器を、下端に底蓋を固定した胴部内に挿入するとともに目金の下端と胴部の上端を、巻締め部を介して固定した後、内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部をカシメ凹部の部分でカシメて、内容器を変形する事なく内容器、外容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするものである。
【0018】
また、バルブ体は、上端外周にフランジを突出したハウジング内にステムを摺動自在に挿入し、このステムを押圧発条で外方向に付勢し、この付勢方向のフランジ外面に位置する開閉ガスケットにより、ステムのオリフィスを密閉および開放可能とするとともにフランジの内面に、内容器のシール部と接触するガスケットを位置し、このガスケット、フランジおよび開閉ガスケットを、金属材製の被覆体で一体に固定するとともに下端に、被覆体を筒状に突出してスカート部としたものであっても良い。
【0019】
また、他の発明は、金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に挿入した後、この外容器をカシメ凹部の部分でカシメて内容器を変形する事なく外容器と固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、内容器のシール部にバルブ体のガスケットを密接した後、このバルブ体の上面に外容器の折返し部を折り返し折曲して、外容器、内容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするものである。
【0020】
【作用】
本発明は上述の如く構成したものであるから、エアゾール容器を成形しようとする場合には、まず、エアゾール容器を構成する金属材製の外容器と、合成樹脂製またはガラス製の内容器とを別個に形成する。
【0021】
そして、この内容器は、外容器の内面形状に単に適合させるものではなく、エアゾール容器として組み立て完了後の外容器の内面形状に対応した形状に形成するものである。即ち、後に説明する如く、外容器と内容器とのカシメ固定後の外容器の変形に対応するカシメ凹部を、合成樹脂製又は可ガラス製の内容器の外面に形成する。
【0022】
そして、金属材製の外容器の内部にこの内容器を挿入する。この挿入状態に於て外容器と内容器とは、その内面全てに於て密接するものとはなっておらず、カシメ予定部に於ては、内容器には予めカシメ変形に対応するカシメ凹部を形成した状態となっている。
【0023】
また、この外容器への内容器の挿入は、外容器が底蓋を別体で形成するツーピース容器の場合には、下端から外容器内に内容器を挿入し、外容器のカシメ凹部に対応する部分をカシメ固定した後、底蓋を外容器の下端に巻締め固定するものである。
【0024】
また、金属材製の外容器の下端に底板を一体に成形する方式の、ワンピース型の外容器にあっては、外容器の上端開口部から内容器を挿入し、外容器のカシメ凹部に対応する部分をカシメ固定する。
【0025】
また、外容器の胴部の上端に目金を巻締め固定し、下端に底蓋を固定する方式のスリーピース容器の場合は、内容器の上端に目金を被覆し、この目金を、カシメ凹部の部分でカシメて内容器と固定し、この内容器を、下端に底蓋を固定した胴部内に挿入し、目金の下端と胴部の上端を、巻締め部を介して固定するものである。
【0026】
このように、内容器は外容器とのカシメ固定後の外容器の内面形状に対応する外面形状としてカシメ凹部を形成しているから、外容器のカシメ変形によってもその変形はカシメ凹部に吸収され、内容器には殆ど変形力が加えられず、内容器はストレスによる破損等から確実に保護されるものとなる。
【0027】
次に、この外容器と内容器との固定後に、内容器の上端開口部からバルブ体を挿入する。同時にバルブ体のスカート部を外容器の外周に嵌合する。このバルブ体を、外容器の外周に装着した状態に於て、内容器の上端縁のシール部は、バルブ体のガスケットに接触状態を保っている。そして、次にスカート部の一部をカシメ凹部に対応して、金属材製の外容器にカシメることにより、バルブ体と外容器とをカシメ固定する。
【0028】
このように、カシメ変形を行ってもこのカシメ変形はカシメ凹部に吸収され、内容器に変形等が加えられることがないから、内容器上端縁のシール部とガスケットの密接状態も、気密性の阻害を生じることがなく確実な気密性を保持することができるものとなる。
【0029】
また、上述の如く構成したエアゾール容器に於いてエアゾール内容物の噴射を行うには、ステムの上端にノズルを有する押釦を接続し、この押釦によりステムを押圧発条の付勢力に抗してハウジング方向に押圧する。この押圧により、ステムのオリフィスを密閉している開閉ガスケットが下方向に変形し、内周端面によるオリフィスの密閉を解除する。そのため、エアゾール内容物の噴射が可能となる。また、押釦への押圧力を解除すれば押圧発条の復元力でステムは元位置に復元し、オリフィスは開閉ガスケットの内周端面で密閉されるから、エアゾール内容物の噴射は停止される。
【0030】
【実施例】
以下本発明の第1実施例を、第1図乃至第4図に於て説明すれば、(1)はエアゾール容器で、金属材製の外容器(3)内にこの合成樹脂製もしくはガラス製の内容器(2)を挿入し、この内容器(2)と外容器(3)を図4に示す如く、カシメ部(5)に於いてカシメ固定している。また、この金属材製の外容器(3)の上端に、バルブ体(4)を固定し、このバルブ体(4)と金属材製の外容器(3)もカシメ固定によって一体に形成している。
【0031】
そして、内容器(2)は合成樹脂製又はガラス製により形成し、内部に充填するエアゾール内容物に対する耐腐食性を高いものとしている。この内容器(2)の合成樹脂製又はガラス製の選択は、充填するエアゾール内容物に対応して任意に決定することができ、例えばエアゾール内容物が酸化染毛剤等の強酸性の場合にはPET等の合成樹脂が好ましい。また、エアゾール内容物が脱毛剤等の強アルカリ性の場合にはガラス製が好ましいものとなる。
【0032】
また、内容器(2)は、バルブ体(4)と外容器(3)のカシメ固定後の、外容器(3)の内面形状に対応するよう、上端方向の外周に、前記カシメ部(5)に対応するカシメ凹部(6)を、図2に示すごとく環状に形成している。また、内容器(2)の上端縁には、密閉用の環状リブを上面に突出することによりシール部(7)を形成している。
【0033】
また、内容器(2)を内部に装着する金属材製の外容器(3)は、下底に下端開口部(8)を設け、この下端開口部(8)に底蓋(10)を巻締固定可能に形成している。この底蓋(10)は、外容器(3)の本体とは別体に形成している。このように底蓋(10)を外容器(3)の本体と別個に形成する場合は、内容器(2)、外容器(3)ともに下底方向を径大に膨出し、内部容量を大きく形成することが可能となる。そして、内容器(2)を外容器(3)内に挿入装着した後に、底蓋(10)を外容器(3)本体の下端開口部(8)に巻締め固定するものである。
【0034】
また、内容器(2)の上端には、バルブ体(4)を固定する。このバルブ体(4)は、ハウジング(11)の上端縁外周にフランジ(12)を突出するとともに内部に、ステム(13)を押圧発条(14)で上部方向に押圧付勢することにより挿入している。このステム(13)は、上端面(15)から軸方向にエアゾール内容物の導出路(16)を形成し、この導出路(16)に直角に交差する方向に、側面からオリフィス(17)を開口している。
【0035】
また、ステム(13)の押圧付勢方向のフランジ(12)の外面には、開閉ガスケット(18)を位置し、この開閉ガスケット(18)にステム(13)の外方への突出部を貫通するとともにオリフィス(17)を、常時は開閉ガスケット(18)の内周端面(21)によって密閉可能としている。
【0036】
また、フランジ(12)の内面には、内容器(2)のシール部と接触するガスケット(22)を配置し、組み立て終了後のエアゾール容器(1)の気密性を保持し得るように構成している。
【0037】
また、このガスケット(22)、フランジ(12)および開閉ガスケット(18)を、金属材製の被覆体(23)内に位置し、この被覆体(23)によって一体に固定している。この金属材製の被覆体(23)は、図1に示すごとく、下端を筒状に突出してスカート部(24)としている。また、被覆体(23)は、上端の中央部から外方に、ステム(13)を摺動可能に突出形成している。
【0038】
上述の如く構成したものに於いて、内容器(2)、外容器(3)、バルブ体(4)を一体に固定するには、図2に示す内容器(2)を図3に示す如く、外容器(3)内に下端開口部(8)から挿入し、底蓋(10)を下端開口部(8)に巻締め固定する。
【0039】
この状態に於いては、図3に示すごとく、外容器(3)の内面と内容器(2)の外面とは接触しているが、内容器(2)の一部に、外容器(3)と非接触状態のカシメ予定部が、環状のカシメ凹部(6)として形成されている。
【0040】
そして、内容器(2)の環状のカシメ凹部(6)に対応する部分を、外容器(3)の外周からカシメることにより、外容器(3)を内容器(2)方向にカシメて、図4に示すごとく、カシメ部(5)をカシメ凹部(6)内に湾曲形成し、このカシメ部(5)により、外容器(3)と、内容器(2)とを一体に固定するものである。
【0041】
次に、バルブ体(4)のスカート部(24)を、外容器(3)の上端部の外周に被覆して嵌合し、内容器(2)の上端のシール部(7)をガスケット(22)に押圧する。次に、内容器(2)のカシメ凹部(6)に対応する部分を、スカート部(24)の外周からカシメることにより、スカート部(24)を外容器(3)方向にカシメて、図1に示すごとくカシメ部(5)をカシメ凹部(6)内に湾曲形成し、このカシメ部(5)により、内容器(2)を固定した外容器(3)とバルブ体(4)とを一体に固定するものである。
【0042】
そして、このカシメにより、スカート部(24)は外容器(3)及び内容器(2)方向への変形を生じるが、外容器(3)はカシメ凹部(6)に対応する凹部を形成しているから、カシメ変形は、外容器(3)の凹部に吸収され、内容器(2)には殆どカシメ変形による力が作用せずに、内容器(2)は特別のストレス等を受けることがない。
【0043】
また、ガスケット(22)とシール部(7)とも、内容器(2)の変形がないから位置をずらせたりすることがなく、ガスケット(22)とシール部(7)の密接状態は、カシメ作業によっても何ら影響を受けることがなく、良好な状態を保つことができる。
【0044】
従って、このように形成されたエアゾール容器(1)は、腐食性の強いエアゾール内容物を充填した場合に於ても、合成樹脂製、もしくはガラス等の耐食性の高い内容器(2)によって十分保護される。また、金属材製の外容器(3)に外周を被覆された内容器(2)は、高い耐衝撃性と耐圧性を保持するものとなる。
【0045】
また、図面に於いて(25)は、ディップチューブで、エアゾール内容物をハウジング(11)内に導入するためのものである。
【0046】
また、図1乃至図4に示す第1実施例に於ては、内容器(2)および外容器(3)を、下端方向を径大な膨出形状とし、外容器(3)の下底に底蓋(10)を別体に設けて巻締め固定するものとした。
【0047】
しかしながら、この底蓋(10)は必ずしも形成する必要のないものである。即ち、図5に示す如く、外容器(3)および内容器(2)を、携帯性のよい小型とするため、上端から下端まで同一直径に形成するか、上端方向を幾分直径の大きなものに形成するならば、外容器(3)の底蓋(10)を外容器(3)の本体と一体に形成することが可能となる。
【0048】
このようなワンピース缶に於ては、内容器(2)は外容器(3)の上端開口から挿入した後にカシメ固定する。このエアゾール容器(1)は、小型で携帯等を簡易に行うことを目的とする場合に好適なものとなる。この実施例に於ても、バルブ体(4)の構成は特に変更する必要がなく、前記実施例と同様のバルブ体(4)を用いることができるものである。
【0049】
また、更に異なる他の実施例に於いて、図6に示す如く、外容器(3)の胴部(26)の上端に目金(27)を巻締め固定し、下端に底蓋(10)を固定する方式のスリーピース容器の場合は、内容器(2)の上端に目金(27)を被覆し、この目金(27)を、カシメ凹部(6)の部分でカシメて内容器(2)と固定する。そして、この内容器(2)を、下端に底蓋(10)を固定した胴部(26)内に挿入し、目金(27)の下端と胴部(26)の上端を、巻締め部(28)を介して固定するものである。
【0050】
そして、内容器(2)は前記実施例と同様に、カシメ凹部(6)を形成しているから、外容器(3)のカシメ変形によってもその変形はカシメ凹部(6)に吸収され、内容器(2)には殆ど変形力が加えられず、内容器(2)は変形ストレスによる破損等から確実に保護されるものとなる。そして、この外容器(3)と内容器(2)との固定後に、内容器(2)の上端開口部(19)からバルブ体(4)を挿入し、前記実施例と同様にカシメ固定するものである。
【0051】
この様に目金を設けて形成した場合は、従来製品が目金を形成する方式を多く採用しているため、既存の生産ラインでの生産対応性が容易となる利点を有するものとなる。
【0052】
また、上記実施例ではバルブ体(4)と外容器(3)との固定を、バルブ体(4)のスカート部(24)をカシメ凹部(6)にカシメ固定しているが、他の異なる実施例では、図7、図8に示す如く、バルブ体(4)のスカート部(24)を形成しない。この実施例に於いては、金属材製の外容器(3)の上端開口部(19)を、内方に折返し可能な折返し部(30)とする。また、この外容器(3)の折返し部(30)よりも内容器(2)の上端縁(31)を短く形成する。そして、この内容器(2)の上端開口部(19)に、バルブ機構を備えたバルブ体(4)を挿入し、内容器(2)のシール部(7)に、バルブ体(4)の下面外周に設けたガスケット(22)を密接する。次に、バルブ体(4)の上面に外容器(3)の折返し部(30)を折り返し折曲して、内容器(2)、バルブ体(4)及び外容器(3)を一体に固定するものである。
【0053】
この様に構成することにより、バルブ体(4)と外容器(3)とのカシメ作業を不要とし、バルブ体(4)の構成を簡略化し、廉価なエアゾール容器を得ることが出来るものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成したものであるから、金属材製の外容器内に合成樹脂製又はガラス製の内容器を収納するエアゾール容器に於いて、バルブ体及び外容器のカシメ固定によっても合成樹脂製、もしくはガラス製の内容器が、カシメ変形によるストレスを受けることがなく、内容器の亀裂発生、破損等の欠点を生じることがない。
【0055】
また、カシメ作業によって内容器が変形ストレスを受け、ズレたりすることがないため、バルブ体のガスケットと内容器のシール部との密接性を阻害されることがなく、エアゾール容器として、高度の気密性を常時保つことが可能となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す断面図。
【図2】 内容器の断面図。
【図3】 外容器内に内容器を挿入し底蓋を固定した状態の断面図。
【図4】 外容器と内容器とをカシメ固定した状態の断面図。
【図5】 外容器をワンピースとした実施例を示す断面図。
【図6】 外容器をスリーピースとした実施例を示す断面図。
【図7】 外容器の上端縁をバルブ体の上端に折曲可能とした実施例の断面図。
【図8】 外容器の上端縁をバルブ体の上端に折曲した状態の断面図。
【符号の説明】
1 エアゾール容器
2 内容器
3 外容器
4 バルブ体
6 カシメ凹部
7 シール部
8 下端開口部
10 底蓋
11 ハウジング
12 フランジ
13 ステム
14 押圧発条
17 オリフィス
18 開閉ガスケット
19 上端開口部
22 ガスケット
23 被覆体
24 スカート部
26 胴部
27 目金
28 巻締め部
30 折返し部
31 上端縁

Claims (7)

  1. 金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に挿入した後、この外容器をカシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、内容器に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、外容器、内容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするエアゾール容器の製造方法。
  2. 金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に挿入した後、この外容器をカシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部を、カシメ凹部の部分でカシメて内容器を変形する事なく、外容器、内容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするエアゾール容器の製造方法。
  3. 金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器の下端開口部から挿入した後、この下端開口部を底蓋により密閉し、この底蓋により下端開口部を密閉した外容器を、カシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部をカシメ凹部の部分でカシメて、内容器を変形する事なく内容器、外容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするエアゾール容器の製造方法。
  4. 金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に上端開口部から挿入した後、外容器を、カシメ凹部の部分でカシメて外容器と内容器とを固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部を、カシメ凹部の部分でカシメて、内容器を変形する事なく、内容器、外容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするエアゾール容器の製造方法。
  5. 金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器の上端外周に、金属材製の外容器の目金を被覆し、この目金を、カシメ凹部の部分でカシメて内容器と固定し、この内容器を、下端に底蓋を固定した胴部内に挿入するとともに目金の下端と胴部の上端を、巻締め部を介して固定した後、内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、このバルブ体のスカート部を外容器の上端開口部の外周に被覆し、内容器の上端に設けたシール部をバルブ体のガスケットに密接した後、スカート部をカシメ凹部の部分でカシメて、内容器を変形する事なく内容器、外容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするエアゾール容器の製造方法。
  6. バルブ体は、上端外周にフランジを突出したハウジング内にステムを摺動自在に挿入し、このステムを押圧発条で外方向に付勢し、この付勢方向のフランジ外面に位置する開閉ガスケットにより、ステムのオリフィスを密閉および開放可能とするとともにフランジの内面に、内容器のシール部と接触するガスケットを位置し、このガスケット、フランジおよび開閉ガスケットを、金属材製の被覆体で一体に固定するとともに下端に、被覆体を筒状に突出してスカート部としたものである事を特徴とする請求項1、2、3、4、または5のエアゾール容器の製造方法。
  7. 金属材製の外容器とのカシメ固定後の変形に対応するカシメ凹部を外面に形成した合成樹脂製またはガラス製の内容器を、金属材製の外容器内に挿入した後、この外容器をカシメ凹部の部分でカシメて内容器を変形する事なく外容器と固定し、この内容器の上端開口部に、バルブ機構を備えたバルブ体を挿入し、内容器のシール部にバルブ体のガスケットを密接した後、このバルブ体の上面に外容器の折返し部を折り返し折曲して、外容器、内容器及びバルブ体を一体に固定する事を特徴とするエアゾール容器の製造方法。
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