JP3708854B2 - メディア作品制作支援装置及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディジタルビデオカメラ、ディジタルスチルカメラ、ボイスレコーダ等の情報記録装置を用いてメディア作品を制作する際に使用され、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、携帯電話装置等の情報端末装置を用いたメディア作品制作支援装置及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ビデオカメラで撮影した映像をパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」)で扱うことのできるデータに変換するビデオキャプチャカードと、パソコン上でビデオ画像を編集するソフトウェアを利用し、自作のビデオ作品をパソコン上で上映したり、ビデオテープに書き戻したりする方法で、放送事業従事者以外でも家庭でビデオ作品を制作することはすでに一般的に行われている。こうした画像編集は、ビデオカメラに限定せず、ディジタルスチルカメラで撮影した映像についても同様に行われている。音声の編集に関しては更に歴史が古く、マイクロフォンを接続したレコーダーで家庭内外の音声を記録し、後にテープ再生装置とレコーダーを接続することで、音楽や音声の編集が行われてきた。こうした音声編集も映像と同様にパソコン上で行うことのできる装置やソフトウェアが利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ビデオ撮影を例に挙げると、近年、ビデオカメラの性能向上により撮影画質が大幅に向上し、ついには市販のディジタルビデオカメラで撮影した映像をそのままテレビ放送に用いることができるまでになった。また、パソコンの性能向上は編集の容易さ、精緻さに貢献し、多様な画像効果(ワイプ、ディゾルブ、フェイドイン、フェイドアウトといったトランジションや、モザイク、ぼかしといった加工)を施した作品を家庭においても制作できるようになった。その一方で、撮影・編集技法については従来通り経験の積み重ねによるところが大きく、高価で高性能のカメラや編集ソフトウェアを用いることと、プロのディレクターが作成したビデオ作品がすぐにできることとは等価ではない。子供の運動会や友人の結婚式、家族のピクニックといった、イベントに即した撮影、編集技法を指導する書籍は多数出版されているが、それらのノウハウを全て記憶して撮影や編集を行うことは容易ではなく、また、本を片手に撮影を行うのは難しいことはいうまでもない。そのため家庭で撮影されるビデオの多くは編集されずに放置される傾向にある。家族親類でさえも長時間の無編集ビデオを見るのは苦痛であるため、「作品」は多くの人の目に触れずに死蔵されることになる。
【0004】
また、編集ソフトウェアを使っても、編集に必要な場面を頭出しするのは人間の作業であり、撮影時にあらかじめテープの何分何秒から何分何秒までどういった場面を記録したという撮影ノートを残しておかない限り、手間は増えるばかりである。また、ソフトウェアに搭載されている画像効果などの数が増えても、それを適切なタイミングで適切な強さで使わなければセンスある作品にはつながらず、効果を施すについても操作の手間とレンダリングの時間とを要する。洗練されない編集が施されたビデオ作品に関してもやはり無編集と同様に自己満足の域を出ず、これがゆえに個人的に撮影されたビデオ作品の流通の障壁になっている。
【0005】
ビデオ以外のメディアについても同様である。例えばパソコン上でメディア作品を作成し、スライドショーを実行するソフトウェアはすでに存在するが、無計画に収集された素材を利用してメディア作品を制作すると、挿入された画像の画質が不必要に高かったり、逆に作成ツール上で拡大すると画質が不足して粗い画像になってしまったりすることがある。こうした問題は、(1)まず完成した作品のスタイルを想定して必要な素材リストを作成し(2)それに即して素材収集を行う、という「作品制作の鉄則」ともいえる手順を踏まないためであり、プロとアマの違いを決定的にするものである。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたもので、メディア作品の制作に精通していなくても、プロの技法に即した洗練されたメディア作品を制作するために必要な情報素材を的確に収集することができ、且つそのようなメディア作品の編集作業の負担を大幅に軽減することができるメディア作品制作支援装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のメディア作品制作支援装置は、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納手段と、前記格納されたアドバイスリストを表示するアドバイスリスト表示手段と、前記表示されたアドバイスリストから任意の前記収集すべき情報素材を選択するための入力手段と、前記選択された収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示手段と、前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る第1のメディア作品制作支援プログラムは、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援プログラムであって、前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納ステップと、前記格納されたアドバイスリストを表示するアドバイスリスト表示ステップと、前記表示されたアドバイスリストから任意の前記収集すべき情報素材を選択するためのステップと、前記選択された収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示ステップと、前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録ステップとをコンピュータに実行させるものであることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1のメディア作品制作支援装置及びプログラムによれば、メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストがアドバイスリスト格納手段に格納され、このアドバイスリストが収集すべき情報素材に関するアドバイスとして呈示されるので、メディア作品の制作者は、メディア作品の制作に当たって、このアドバイスに従って情報記録装置を操作することにより、予め決められたシナリオに沿った作品を制作するために必要な情報素材を的確に漏れなく収集することができる。更に、情報素材の収集に伴い、記録動作状況の情報が呈示されたアドバイスと対応付けて記録されるので、記録された情報素材がどのアドバイスに従って収集されたものかが記録され、その後の編集作業を大幅に簡素化することができる。
【0010】
この第1のメディア作品制作支援装置を携帯端末装置として実現すれば、ディジタルビデオカメラ、スチルカメラ、可搬型のボイスレコーダ等の情報記録装置と共に情報素材の収集現場に携帯することができ、任意の場所で情報素材を収集することが可能になる。この場合、本装置と情報記録装置とは、例えば通信ケーブル、無線通信等で相互に接続され、情報記録装置の記録動作状況の情報から本装置に外部から入力されるようにすれば良い。また、本装置を情報記録装置に内蔵されたものとすれば、更に使い勝手が向上する。なお、ここで記録動作状況の情報とは、例えば情報記録装置で情報素材が記録された記録媒体における各情報素材の記録開始位置及び記録終了位置を特定する情報等である。
【0011】
本発明に係る第2のメディア作品制作支援装置は、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを複数種類格納したアドバイスリストデータベースと、前記複数種類のアドバイスリストから任意の1又は複数のアドバイスリストの選択を促すためのアドバイスリスト選択画面を生成するアドバイスリスト選択画面作成手段と、前記作成されたアドバイスリスト選択画面を表示する表示手段と、前記アドバイスリスト選択画面に対する選択入力操作に基づいて前記アドバイスリストデータベースから前記選択されたアドバイスリストをアドバイスを表示する複数の機器に分配するため分割して出力するアドバイスリスト出力手段とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る第2のメディア作品制作支援プログラムは、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援プログラムであって、前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを複数種類格納したアドバイスリストデータベースから任意の1又は複数のアドバイスリストの選択を促すためのアドバイスリスト選択画面を生成し表示するアドバイスリスト選択画面生成表示ステップと、前記アドバイスリスト選択画面に対する選択入力操作に基づいて前記アドバイスリストデータベースから前記選択されたアドバイスリストをアドバイスを表示する複数の機器に分配するため分割して出力するアドバイスリスト出力ステップとをコンピュータに実行させるものであることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る第2のメディア作品制作支援装置及びプログラムによれば、メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを複数種類格納したアドバイスリストデータベースから任意の1又は複数のアドバイスリストの選択を促すためのアドバイスリスト選択画面が生成、表示され、アドバイスリスト選択画面に対する選択入力操作に基づいてアドバイスリストデータベースから選択されたアドバイスリストが出力されるので、メディア作品の制作者は、その制作に際して、予め設定された複数のシナリオの中から任意のシナリオに基づくメディア作品の制作に必要な情報素材を列挙したアドバイスリストを選択して入手することができ、洗練されたオリジナルのメディア作品を制作することができる。なお、アドバイスリストの出力に当たり、選択されたアドバイスリストをアドバイスを表示する複数の機器に分配するため分割して出力するようにすれば、一連のメディア作品を複数の制作者で例えばショット毎に分担して情報収集することもでき、制作効率が向上すると共に、情報素材の収集範囲も拡大することができる。
【0014】
本発明に係る第3のメディア作品制作支援装置は、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、前記メディア作品の制作のためのシナリオを、このシナリオに必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストと共に入力するシナリオ入力手段と、前記アドバイスリストに基づいて呈示されたアドバイスに従って収集された情報素材を入力する情報素材入力手段と、情報記録装置で前記情報素材を収集した際に記録された各情報素材に対する前記情報記録装置の記録動作状況の情報を入力する記録動作状況入力手段と、前記入力されたシナリオに基づいて必要な前記情報素材を前記記録動作状況の情報と共に前記アドバイスリストとして表示するアドバイスリスト表示手段と、前記表示されたアドバイスリストに基づいて前記収集すべき情報素材を順次選択するための情報素材選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る第3のメディア作品制作支援プログラムは、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援プログラムであって、前記メディア作品の制作のためのシナリオをこのシナリオに必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストと共に入力するシナリオ入力ステップと、前記アドバイスリストに基づいて呈示されたアドバイスに従って収集された情報素材を入力する情報素材入力ステップと、情報記録装置で前記情報素材を収集した際に記録された各情報素材に対する前記情報記録装置の記録動作状況の情報を入力する記録動作状況入力ステップと、前記入力されたシナリオに基づいて必要な前記情報素材を前記記録動作状況の情報と共に前記アドバイスリストとして表示するアドバイスリスト表示ステップと、前記表示されたアドバイスリストに基づいて前記収集すべき情報素材を順次選択するための情報素材選択ステップとをコンピュータに実行させるものであることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る第3のメディア作品制作支援装置及びプログラムによれば、メディア作品の制作のためのシナリオ及びこのシナリオに必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストと、このアドバイスリストに基づいて呈示されたアドバイスに従って収集された情報素材と、この情報素材の収集時に記録された各情報素材についての記録動作状況の情報とを入力し、入力されたシナリオに基づいて必要な情報素材を記録動作状況の情報に基づいて順次選択するようにしているので、収集された情報素材を使用した編集作業の負担を大幅に軽減することができる。
また、本発明に係る第4のメディア作品制作支援装置は、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納手段と、前記格納されたアドバイスリストに基づいて収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示手段と、前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録手段と、前記呈示されたアドバイスに従った記録がなされているかどうかを判定し、その判定結果を前記アドバイスに反映させるか、又は前記判定結果に応じて前記情報素材の収集処理を前記アドバイスが反映されるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
更に、本発明に係る第5のメディア作品制作支援装置は、文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納手段と、前記格納されたアドバイスリストに基づいて収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示手段と、前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録手段と、前記アドバイスリストと前記記録動作状況とを比較し、不足する情報素材がある場合には当該不足素材を補うか又は当該不足素材の入力を使用者に促す制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメディア作品制作支援装置の実施形態を図面に即して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るメディア作品制作支援システムと、その使用状態を示す図である。この実施形態に係るメディア作品制作支援システムでは、情報記録装置としてディジタルビデオカメラ10を使用し、ビデオ作品の制作のために3種類のメディア作品制作支援装置、即ち収集準備システム11、収集システム12及び編集システム13を使用している。収集準備システム11は、ビデオカメラ10による撮影に先立ってシナリオを選択するためのシステム、収集システム12は、ビデオカメラ10による撮影時にアドバイスを提示するシステム、編集システム13は、撮影の後に自動または半自動で編集を行うシステムである。
【0018】
収集準備システム11では、撮影や録音といった素材収集に先駆けて、予め設定された複数種類のシナリオデータを格納したシナリオデータベースからユーザ14に作品の形態に合致したシナリオデータを選択させ、選択されたシナリオデータに含まれるアドバイスリストを収集システム12に出力する。収集システム12は例えば携帯情報端末から構成され、収集準備システム11から出力されたアドバイスリストを内部に記憶し、このアドバイスリストを構成するアドバイスを順次ユーザ(制作者)14に呈示する。各アドバイスは、完成作品のスタイルに必要な収集素材および収集方法等からなる。つまり、収集システム12は、次に何を撮影、録音すべきか、またそれをどのように撮影、録音すれば効果的かを示すアドバイスを素材収集の都度、ユーザ14に通知する。一方、このようにしてアドバイスに即して撮影を行うと、ビデオカメラ10に記録されたそれぞれのショット(ビデオ映像の場合、複数の連続するフレームによって構成される、ある時間区間の映像。「カット」という場合もあるが、本明細書中ではトランジション、すなわち画面切り替えの種類の名前として「カット」を用いるので、それと区別するために「ショット」とよぶ)が、どのアドバイスに対して行われたものかを把握することができるので、収集システム11は、この対応関係を記録動作状況として自動的に記録する。この記録動作状況は一種の撮影ノートであるので、これを電子的に編集システム13に読み込ませれば、作品のシナリオの各部分で必要としている素材がビデオテープのどの部分に記録されているかをソフトウェアが自動的に読みとることができる。このようにして、ユーザ14は、収集システム12が与えるアドバイスに「管理される」形で撮影操作を行うことにより、収集素材のバリエーションや構図に注意力を割かれることなく、完成作品のシナリオに必要な素材収集を揃えることができ、更に編集システム13は自動的に体裁の整った作品を編集することができる。
【0019】
図2は、本実施形態に係る収集システム12を用いてビデオ撮影を行っている様子及びアドバイスの具体例を示す図である。ユーザ14は、携帯情報端末からなる収集システム12とビデオカメラ10とを用いて撮影を行っている。収集システム12とビデオカメラ10とはケーブル15で結ばれ、相互に情報のやりとりを行っている。ケーブル15による情報伝送路の例としては、パソコンと周辺機器、あるいはパソコン同士の通信ですでに普及しているUSB(Universal Serial Bus)やIEEE1394規格による有線通信が挙げられる。ケーブル15を用いず、赤外線通信、ギガヘルツ帯電波通信(Bluetoothなど)など、同様にすでにパソコンと周辺機器、パソコン同士などで用いられている無線通信を利用してもよい。
【0020】
収集システム12には撮影アドバイス画面20が表示されている。撮影アドバイス画面20には、作品のテーマとなるシナリオ名21、これから撮影しようとする(あるいは、現在撮影中の)収集素材名22と、その素材を撮影すべき大体の時間23、撮影構図についてのテキストアドバイス24およびイラストアドバイス25が含まれている。アドバイス提示の形態はテキスト、イラストの一方だけでもかまわないし、視覚的表示を用いず、音声によってユーザに伝達する方法でもかまわない。上記のシナリオ名22は、撮影開始に先駆けてユーザが一覧の中から選択したものが表示されており、後述する本発明の手法によってイベントシナリオに対応するアドバイスリストが収集システム12に転送されている。収集システム12では、後述する本発明の手法によって撮影の状況を解析し、収集素材名22や収集時間23、テキストアドバイス24、イラストアドバイス25の表示内容を選択して表示している。
【0021】
撮影アドバイス画面20の下部にはビデオカメラ10の状態が示されている。図2ではビデオテープでの録画位置を示すタイムコード26が表示されており、その左横には録画ボタン27と一時停止ボタン28が表示されている。一時停止中は一時停止ボタン28が、録画中は録画ボタン27が反転表示されるなどの方法でビデオカメラ10の状態を表示する。これら二つのボタン27,28やタイムコード26の表示は、そのいずれか一つ、あるいはいずれか二つ、あるいは全てが表示されていなくてもよい。一方、収集システム12上でこれら二つのボタン27,28のいずれかをクリック(スタイラスと呼ばれる小型ペンで画面上に触れるか、あるいはマウスポインタをボタンの位置にあわせてクリックボタンを押下)することで、ケーブル15などの情報伝送路を通じてビデオカメラ10を直接コントロールしてもよい。すなわち、録画ボタン27をクリックするとビデオカメラ10での録画が開始されるといったものである。
【0022】
このようにして収集システム12上でのアドバイス表示に従って撮影を行うと、その撮影開始、終了のタイムコードが収集システム12内に格納される。例えば、図2のように収集素材名22として「12.徒競走(2)」というアドバイス表示がなされているときに、ユーザによって録画の開始、停止が行われたとする。録画開始のタイムコードが「00:02:54.11」、録画停止のタイムコードが「00:03:20.08」であったとすると、収集システム12内部では「アドバイス番号12、開始00:02:54.11、停止00:03:20.08」といった情報を格納する。このとき、停止時のタイムコードの代わりに撮影継続時間「00:00:25.27」を格納してもよい。この撮影継続時間は停止時と開始時のタイムコードの減算によって単純に求められる。一つのアドバイスに対して複数の撮影が行われた場合には、それぞれの開始・停止時のタイムコードを記録してもよい。ここまでの例では開始・停止時のタイムコードという最も単純な撮影情報を示したが、それ以外にも撮影時のカメラの露出、絞り、ズーム設定やそれらの時間変化を含めてもよいし、ビデオカメラ10が傾きセンサーや加速度センサーを搭載したものである場合には、パン、ティルトといったカメラワークの情報を含めてもよい。さらに、収集システム12あるいはビデオカメラ10のいずれか一方がその機能を有していれば、撮影が行われた時刻や、撮影が行われた緯度経度を各々の内蔵時計やGPS(Global Positioning System)から得て、アドバイスに対応した撮影情報としてその情報も格納してもよい。こうして格納された撮影情報は後述する後段の編集システム13によって利用され、自動、または半自動でビデオ作品の編集が行われる。
【0023】
図3は収集準備システム11の構成を示すブロック図、図4は収集準備システム11の動作を示すフローチャート、図5は収集準備システム11がユーザに対して表示する選択画面の例を示すイメージ図である。
図3に示すように、収集準備システム11は、ユーザが選択することができる複数のシナリオを格納したシナリオデータベース101と、このシナリオデータベース101から任意の1又は複数のシナリオを選択するためシナリオ選択画面を生成するシナリオ選択画面作成部102と、生成されたシナリオ選択画面を表示する表示部103と、ユーザがシナリオ選択のための選択指示を入力する入力部104と、選択されたシナリオデータを外部に出力するシナリオデータ出力部105とを備えて構成されている。なお、本収集準備システム11は、最も典型的にはビデオ作品制作支援のためのコンピュータプログラムをパソコン上で実行させることにより実現されるものである。
【0024】
ここで「シナリオ」とは、「アドバイスリスト」と「編集スクリプト」からなる電子的データである。このうち「アドバイスリスト」はひとつの作品に対して収集すべき素材を列挙し、それぞれの素材を収集すべき時間や(ビデオ撮影であれば)アングル、ズームやパンといった撮影技法を指示するもので、ユーザの理解を助けるために図2の25のようなイメージ図を含んでもよい。「編集スクリプト」は、「アドバイスリスト」に即して素材収集が行われたことを前提に、収集された素材をどの順で、どのような効果(ビデオならばディゾルブ、ワイプなど)で接続し、一連の作品を完成させるかという手順を示したものである。例えば「わが子の小学校の運動会を記録した30分のビデオ作品」というシナリオの場合、「アドバイスリスト」としては「玄関を元気よく出る子供を15秒、アングル固定、あらかじめ子供のバストショット(胸から上がフレームに入る構図)の位置にカメラを据えておき、ドアが閉じた状態で撮影開始。ドアが開き、子供の『いってきまーす』の声を拾ってフレームアウトした3秒後に撮影停止」といったものである。一方、「編集スクリプト」は「アドバイス番号32で撮影された子供の横顔のアップをモノクロ画像に変換し、それをバックにタイトル字幕をスーパーインポーズして5秒、アドバイス番号3で撮影された玄関を元気よく出る子供の画像に1秒のディゾルブで接続。この際、ドアが開く2秒前から、子供がフレームアウトした1秒後までを使用…」といったものである。
【0025】
次に、図4のフローチャートに基づいて、この収集準備システム11の動作を説明する。
まず、シナリオデータベース101に接続する(S11)。シナリオデータベース101は本システムが動作しているパソコン内、あるいは外部接続されているハードディスクやCD−ROM、その他の記憶媒体に格納されているものでもよいし、インターネットを経由して遠隔のコンピュータ内にあるものをアクセスしてもよい。次に収集準備システム11は、図5(a)のようなシナリオ一覧の画面を表示して(S12)、ユーザにシナリオの選択を促す(S13)。この際、シナリオを階層的に絞り込んでゆく方法を使ってもよい。例えば「小学校の運動会、作品15分、□野□介監督風」といった詳細なシナリオを一覧表から選択する代わりに、図5(a),(b),(c)のように、段階的にイベント種別、完成作品の時間、編集技法などを指定させる方法でもよい。
【0026】
また、図5(c)のように、この段階では一つのイベントに対して複数のシナリオを選択させてもよい。この場合、それぞれのシナリオが持つアドバイスリストを足しあわせ、いずれか一つが必要とする素材は全て収集するように後段の収集システム12で促すことになる。さらに後段の編集システムで編集を行うに先立って、最終的に一つのシナリオに決することができるようになっていれば、本システム11の動作に関して問題は生じない。シナリオ選択画面作成部102が、表示部103を通して図5(a)〜(c)のような画面を表示すると、システム11はユーザのシナリオ選択指示を入力部104から受け付ける(S14)。シナリオが選択されると、シナリオ選択画面作成部102は表示部103から図5(d)のような画面を出力し、指示されたシナリオのデータ出力を行うかどうかを確認する(S15、S16)。確認画面においてユーザがデータ出力を拒絶した場合には再びシナリオ一覧を表示して再選択を促すか(S12)、データ出力を行うことなくプログラムを終了する(図示せず)。また、プログラムがこのような確認プロセスを必ず持つ必要もなく、シナリオ選択が行われ次第、以下で説明するデータ出力動作を行ってもよい。この場合、図5(d)の画面は表示されることがなく、図4のS15,S16は存在しない。
【0027】
パソコンからのデータ出力には様々な方法があり、本発明の手法ではいずれにも限定されない。例えばUSBやIEEE1394といった有線シリアル通信を用いてもよいし、赤外線やギガヘルツ帯の無線通信、あるいは一旦インターネットを経由し、電子メールプロトコルやHTTPプロトコルを利用して出力してもよい。さらに、データ出力はフロッピーディスクやメモリーカードに対して行い、後段の収集システムにおいてはこのディスクやカードを挿入し、そこに記録されたデータを参照してもよい。この出力動作はシナリオデータ出力部105からデータ出力端子106を介して行われ、選択された一つまたは複数のシナリオに必要なデータ全ての書き出しが終わるまで行われる(S17〜S19)。ここで出力されるデータはアドバイスリストと編集スクリプトの両方でもよいし、アドバイスリストのみでもよい。アドバイスリストのみを出力する場合には、編集スクリプトは図3〜5のいずれにも図示されていない方法で後段の編集システム13に伝送されるものとする。この伝送については、この収集準備システム11が機能するパソコンと後段の編集システム13が動作するパソコンとが共通であれば、共有のファイルに記録することで実現可能であり、さらに、データパッケージとしてインターネット上に一時保管しておく方法でも実現可能である。すなわち、本システムを使用するどのユーザが、どのシナリオをダウンロードしたかをインターネット上で管理しておけば、後段の編集システム13では選択されたシナリオを特定することができ、編集スクリプトを参照することもできる。
【0028】
次に、収集システム12について図面を参照しながら説明する。
図6は収集システム12の構成を示すブロック図、図7は収集システム12の動作を示すフローチャート、図8は収集システム12がユーザに対して表示するアドバイス画面の例を示すイメージ図である。
収集システム12は、図6に示すように構成されている。即ち、アドバイスリスト格納部201には、上述した収集準備システム11から転送されたアドバイスリストが格納される。入力受付部205は、入力部206からの選択指示入力を受け付ける。アドバイス作成部203は、受け付けられた選択指示入力に基づいてアドバイス表示画面を作成し、これを表示部204を介してユーザに呈示する。記録動作状況分析部209は、記録動作状況入力端子210からビデオカメラ10の記録動作状況の情報を入力し、これを分析する。記録動作状況格納部202は、入力された記録動作状況を格納する。記録制御信号出力部207は、入力部206からの選択指示入力及び記録動作状況分析部209の分析結果に基づいてビデオカメラ10の記録動作を制御するコントロール信号をコントロール出力端子208を介して出力する。記録予定情報解析部211は、記録予定情報入力端子212を介してビデオカメラ10からの映像信号を入力し、これを解析する。この解析結果は、アドバイス作成部203で作成されるアドバイス画面に反映されたり、記録制御信号出力部207のコントロール信号の生成に反映される。
【0029】
次に、このように構成された収集システム12の動作を図7のフローチャートに基づき説明する。なお、ここでは、一例としてビデオ作品制作支援用のプログラムが携帯情報端末上で実行されることにより本収集システム12が実現される場合について説明する。
アドバイスリスト格納部201には、上で説明した方法などにより、あらかじめユーザによって選択され、収集システム12に転送されたアドバイスリストが格納されている。上で説明したように、本システムに転送されたデータがシナリオ全体、すなわちアドバイスリストと編集スクリプトの両方であった場合には、編集スクリプトもこのアドバイスリスト格納部201、または記録動作状況格納部202のいずれか一方または両方に格納されるが、ここで説明する収集システムではこの編集スクリプトは直接に使われることはない。
【0030】
撮影終了でなければ(S21)、システムはまず、アドバイス作成部203および表示部204を通じて、ユーザに対してアドバイスリスト全体の表示か個別のアドバイス表示かの選択を促す(S22)。アドバイスリスト全体表示とは例えば図8(a)のような収集素材名と収集時間のリストであり、個別アドバイス表示とは例えば図8(b),(c),(d)のような、個々の収集素材についてのアドバイス表示である。画面表示の詳細については後述する。入力受付部205は、入力部206からユーザの選択指示を受け付け、それがアドバイスリスト全体表示ならばアドバイス作成部203に対して表示部204を通して図8(a)のようなアドバイスリスト全体表示を行うよう指示する(S23,S37)。ユーザが個別アドバイスを選択した場合、入力受付部205はその旨アドバイス作成部203に通知し、アドバイス作成部203は下記に述べる方法で作成したアドバイス表示画面を生成して表示部204を通して表示する(S23,S24)。このとき、表示されるアドバイスとは図8(b),(c),(d)のようなものである。このアドバイス表示に際しては、文字によるテキストアドバイスだけでなく、イラストによるアドバイスを表示してもよい。
【0031】
図9にはイラストアドバイス部分だけを書き出した別の例を示している。図9(a)のアドバイスは、運動会で主人公の徒競走が終わり、着順の旗のもとで余韻を感じている場面を撮影するためのイラストアドバイスの例である。後で詳細に説明するように、このアドバイスが表示された後に発生したビデオカメラの録画・停止動作を記録するため、イラストに示した状態に類似した構図にカメラが据えられたときに、録画開始を行うように促す文面もイラストに含まれている。図9(b)のアドバイスは昼食の休憩時に弁当を食べる子供を撮影するためのものである。楽しさを演出するために被写体のセリフを録音する必要があるので、カメラマンが被写体に質問をするように文字によって促している。
【0032】
画面内に図2の27、28のような操作ボタンアイコンを表示し、そのボタンアイコンがクリックされたときに、本発明の収集システムに接続されたビデオカメラ10に対して、ケーブル15などの情報伝送路を通して録画開始、停止などの制御信号を送信するようになっていてもよい。ユーザが何も指示しなければ次々と個別アドバイスを表示するような設定があらかじめ本システムになされていれば、S22、S23を省略して手順が流れてもよい。このとき、メニューボタンを押すとか、画面内に用意された「一覧」のボタンをクリックするなどの特別な操作を行うことでアドバイスリスト表示が行われるようになっていてもよい。
【0033】
個別アドバイス作成の最も簡単な方法は、一場面の撮影が終わる都度、アドバイスリストに格納されている次の個別アドバイスを表示するというものである。例えばアドバイスリストに「玄関を出る子供」、「校門から入る観客たち」、「入場門で出番を待つ子供」という順で撮影アドバイスが格納されている場合、本システムの最初のアドバイスとして「玄関」を表示し、そのあと最初にビデオカメラが撮影状態から停止状態になったときに「校門」を、次に停止状態になった時に「入場門」を表示していく方法がある。もう少し高等な方法としては、各アドバイスに対する録画時間が各アドバイスに与えられている収集時間(例えば15秒撮影するとよい、といった時間の面での録画アドバイス)に達した後の最初の停止状態で次のアドバイスに切り替えるという方法がある。また、アドバイス表示画面内に「次」、「前」といったボタンアイコンを備え、ユーザが意識的に次の順番にあるアドバイスを表示させるように指示するのを入力部206及び入力受付部205を通じて受け付けたり、同様に前の順番のアドバイスを選択させてもよい。さらに、一つ一つのアドバイスに対する撮影が終わる都度アドバイスリスト全体表示を行い、アドバイスリストの中から次に表示させたいアドバイスを一つ一つ選ばせるようにしてもよい。個別アドバイス表示画面内に図8に示すようにスキップボタン31や撮影省略ボタン31を設け、この個別アドバイスに対する撮影を保留したり、省略することを許してもよい。この場合、保留された個別アドバイスは、保留されない次の個別アドバイス表示の後に再表示し、省略された個別アドバイスは全ての個別アドバイス表示が終わっても表示されないようにしてもよい。
【0034】
アドバイスリスト全体表示は、たとえば図8(a)のようなものである。この画面ではこのシナリオに関する収集すべき素材が列挙されている。各素材項目の左端にはチェックボックスが用意されており、既に撮影が完了した素材についてチェックマークが入っている。項目名の上をクリックすることにより、ポップアップ表示33により、その項目に関するアドバイスの詳細が見られるようになっている。図8(a)の画面は説明のための一例であり、たとえばチェックボックスの代わりに「未撮影」、「撮影済み」、「保留」、「省略」などのステータスを表示してもよいし、ポップアップ表示33のなかにイラストアドバイスを含めてもよい。画面右側の時間表示についても、アドバイスが要求する撮影時間の代わりに、実際に撮影された長さ(分、秒)や、時刻などを表示してもよい。
【0035】
説明の都合上、図7のステップS25〜S29、およびステップS33〜S36の説明は後で詳しく述べる。
このように、個別アドバイスが表示された状態で素材収集動作(ビデオカメラの場合には録画開始、停止など)を行ったとき、記録動作状況分析部209はその録画開始から停止までの間の記録装置(ビデオカメラ)の状態を記録動作状況入力端子210から入力し、記録動作状況格納部202に格納する。ここで入力、格納される記録動作状況とは、この「発明の実施の形態」の冒頭に例示したように、最も単純なものとしてはビデオテープ上の記録位置、すなわちタイムコードであり、ビデオ撮影の場合にはパン、ティルト、ズームといったカメラワーク動作の区別、あるいはカメラワークの動作量そのものでもよい。パン、ティルト、ズームといったカメラワークを検出するのは、本システムに接続されたビデオカメラではあるが、その検出方法としては、たとえばカメラにジャイロセンサを内蔵し、3次元空間内に互いに直交する3軸の回りでの回転動作をセンシングすることにより、カメラが鉛直軸を中心に水平面内を動いた角度をパンの量とし、水平面内で撮影の光軸と直交する軸を中心に動いた角度をティルトの量とする方法がある。ズームに関してはカメラのズームボタン、または接続されている本システムから指示したズーム量をそのまま記録すればよい。さらに、ビデオカメラまたは本システムに画像処理手段を内蔵し、画像処理によってこうしたカメラワークを検出する方法もある。例えば画面をメッシュ上にブロック化し、各ブロックが前後のフレームでどう移動したかを追跡する。こうして各ブロックの移動量が動きベクトルとして検出されると、その動きベクトルの分布からカメラワークを推定できる。単純には、各ブロックの動きベクトルが画面の同方向に同じぐらいの長さを持って分布していればパンまたはティルト(横方向ならパン、縦方向ならティルト)、画面中心に向かっていればズームインまたはドリーといった推定方法である。このような画像処理的な推定方法については、すでに知られている(例えば本願出願人によって出願されている特開平9−212648号)。こうした画像処理機能を搭載した例については後でも述べる。他の記録動作状況としては、内蔵時計から得られる時刻や、GPSから得られる緯度経度、携帯電話の基地局固有番号などを利用したエリアIDをはじめとする位置情報、気温、気圧、湿度、撮影者の体温や血圧、フレーム内の被写体数や、被写体のID(名前)などといったものも、それらが検出可能であるのならば含んでよい。提示されたアドバイスに対応づけて記録動作状況を格納するというのが本発明の趣旨であるから、記録動作状況の内容そのものを限定するものではない。
【0036】
この後に説明する方法によって個別アドバイス表示に対応した記録動作状況の格納が完了するまで、記録動作状況分析部209による記録動作状況の入力、分析は続けられる(S31)。個別アドバイス表示に対応した記録動作状況の格納が完了すると、記録動作状況分析部209は表示していた個別アドバイスの識別番号に対して、そのアドバイスに対する素材収集が完了したことを記録動作状況格納部202に格納する(S32)。この手順は、一つの個別アドバイスに対して複数の素材収集を禁止するものではない。アドバイス作成部203によって、アドバイスリストの中の全ての個別アドバイスに対する素材収集が完了したと判定されると、本システムを利用した素材収集作業は終了状態になる(S21)。
【0037】
記録動作状況がビデオ信号のタイムコードである場合、コントロール出力端子208、記録動作状況入力端子210は、たとえばIEEE1394インターフェースであり、IEEE1394通信手順によってケーブルを介してビデオカメラにコントロール指示を出力したり記録動作状況を入力したりする。上述のS24までの手順によって個別アドバイスが表示されているとき、記録動作状況分析部209は表示された個別アドバイスの識別番号を内部状態として保持する。この個別アドバイス識別番号は例えばアドバイスリストの中での該当アドバイスの順序でよい。この状態で、記録動作状況入力端子210を通して外部の情報記録装置、すなわちビデオカメラ10から録画開始信号を受け付けたとする。このとき、記録動作状況分析部209はIEEE1394インターフェースを通じて入力されてきたタイムコード情報を解読し、録画開始位置として記録動作状況格納部202に格納する。同様に、録画停止信号を受け付けたときにも、そのときのタイムコード情報を記録動作状況格納部202に格納し、同時にこの個別アドバイス表示に関連した記録動作状況格納が完了する。
【0038】
記録動作状況格納部202に格納する記録動作状況としては、タイムコード以外にも例えば録画開始、停止時前後の1つまたは複数のフレーム画像そのものでもよい。後述する後段の編集システム13で録画開始点、停止点を検索する際には、ビデオテープ中を走査し、ここで格納された開始、停止時の画像とのマッチングを取ることで開始点、停止点を求めることもできる。このマッチング手法としては、単純に各画素の輝度差を合計する方法のほか、画面全体の色相ヒストグラムを用いる方法など様々な方法があり、特に一つに限定するものではない。なお、画像の類似を判定する方法については、複数フレームの比較方法も含めて本願出願人による特開平9−270006号にも複数の手法が例示されている。
【0039】
このような画像マッチングによる開始、停止点の格納、検索は以下のような場合に有効である。タイムコードだけを用いた方法だと、タイムコードが連続しない場合に計時がリセットされる場合がある。現在一般に用いられているデジタルビデオカメラ(DVカメラ)の場合、テープの最初から2分間録画すると「00:00:00.00」から「00:00:01:29」のタイムコードが付与されるが、録画停止状態にし、テープヘッダがその先のブランク部分を1秒程度進んでしまったあとに録画を続けるとタイムコードは再び「00:00:00.00」から付与される。このため、1つのテープの中で重複したタイムコードが記録されることはあり得る。画像マッチングを用いたり、それをタイムコードと併用することでこの問題を回避できる。
【0040】
本システムに接続される情報記録装置がデジタルスチルカメラである場合には、上述のビデオカメラの場合のタイムコードに相当する情報として写真の識別番号を用いることができる。スチルカメラの場合、単数のフレームしか記録を行わないために録画開始から終了までの時間幅は意味を持たず、単にスチルカメラ内での写真の識別番号が意味を持つ。識別番号とは例えば「PCT0005.JPG」といった画像ファイル名である。記録動作状況分析部209は、こうした識別番号を記録動作状況として記録動作状況入力部210から受け付け、記録動作状況格納部202に格納する。
【0041】
デジタルスチルカメラの場合にも後段の画像マッチングを想定し、フレーム画像そのものを記録動作状況の一部または全部として格納してもよい。デジタルスチルカメラの中には、その記録メディア(メモリカード)の中にフォルダによる階層構造を持つことができるものもあり、このようなカメラの場合には異なるフォルダには同じ名前の画像ファイルを保持できる。これら、異なるフォルダに存在しながらも同じ名前を持ったファイルは、後段でパソコンなどに転送された際にファイル名だけからでは識別が困難になることがある。画像そのものを状況記録に用いることで、この問題を回避できる。デジタルスチルカメラ使用時のその他の記録動作状況として、撮影が行われた年月日時間をもとりうる。これを記録動作状況の一部または全部として格納することにより、上述の同名ファイル問題を回避できる。
【0042】
さらに、本システムに接続される情報記録装置がオーディオレコーダー(テープレコーダーやミニディスクレコーダー、パソコンを利用したディジタル音声記録方法など)である場合には、上のビデオカメラとディジタルスチルカメラの例で説明したのと同様に、タイムコード(アナログテープであれば、テープ先端からの録音時間位置や、カウンターなど)やオーディオファイル番号、あるいは録音が開始、終了された時刻などを記録動作状況として記録動作状況格納部202に格納してもよいし、音声波形そのものやそのパワースペクトラム、あるいはパワースペクトラムの時間変化などを記録動作状況として記録動作状況格納部202に格納してもよい。
【0043】
本発明の収集システム12は、外部に接続された情報記録装置が記録しようとする記録予定情報を入力する端子212を持っていてもよい。例えば本システムがIEEE1394プロトコルによる情報伝送路によってビデオカメラ10に接続されている場合、カメラが撮影しようとしている画像そのもの(記録予定情報)を本システムに入力することができる。以下ではこの場合の動作について説明する。
【0044】
記録予定情報解析部211は、記録予定情報入力端子212を通じ、外部の情報記録装置が記録しようとしている情報、すなわち、ビデオカメラ10の場合にはカメラのファインダーに映っている映像そのものを入力する。本発明の収集システム12が最も簡単な構成を取る場合、記録予定情報解析部211はこの映像をそのままアドバイス作成部203に送り、アドバイス作成部203はすでに説明した方法によって選択されたアドバイスと、このファインダー画像の片方あるいは両方を表示部204に出力する。例えば図8(b),(c),(d)には個別アドバイスがイラストともに表示されているが、そのイラストの上下左右に現在のファインダー映像を並べて表示してもよい。あるいは、イラストとファインダー画像を幅、高さともに同じ大きさになるようにシステム内部で変形し、両者を対応する画素ごとに平均することによって、イラストとファインダー画像とが重なり合った画像を作成、表示してもよい(オーバーラップ表示)。図9(c)はアドバイスとファインダー画像とを重ね合わせた一例である。ファインダー画像には着順旗の下で座っている子供が捕らえられている。一方、表示部204は、アドバイスとして図示のような十字カーソルと矩形が組み合わさったターゲット位置/サイズ指定マーク41を表示している。このターゲット位置/サイズ指定マーク41は、十字カーソルの中央に顔の中心が、矩形の中に顔全体が収まるように構図を取ることを示唆するアドバイスであり、カメラマンはアドバイスに従った構図どりを行っている。このように、イラストとファインダー画像の両方が本収集システム12上で一覧できるようにすることにより、ユーザはアドバイスが求めている撮影構図と実際にカメラがとらえている構図がどれだけ異なり、どのようにカメラを操作すれば両者を近づけることができるかを、端的に認知することができる。
【0045】
次に記録予定情報解析部211が記録予定情報、すなわち画像の解析を行って本システム12の動作に反映させる場合について説明する。この処理は、図7のステップS25〜S29及びS33〜S36に相当する。記録予定情報解析部211は記録予定情報入力端子212から記録予定情報が入力されると、それがこれから撮影しようという素材収集に関するアドバイスと照らして、どれだけ類似しているかを判定する(S25,S26)。例えばアドバイスに示されている撮影開始時の構図が「画面左半分に主人公の顔のアップ」であった場合、ファインダー画像の解析を行い、顔領域の重心が画像中の中央より左にあり、顔領域の面積が画面の30%以上、といった条件を満たすときに「アドバイスと合致」と判定する。顔領域を求める方法は、最も単純には肌色領域を顔とする方法もあるが、その他にも様々な方法が提案されている(例えば小松ら「部分空間法を用いた向きによらない顔の切り出しと認識」;電子情報通信学会技法PRU95−191、1995年、安居院ら「静止濃淡情景画像からの顔領域の抽出」;電子情報通信学会論文誌Vol.J74-D-II,No.11,pp.1625-1627、1991年、横山ら「色彩画像からの顔の発見と顔部品の同定」;情報処理学会研究報告、コンピュータビジョンとイメージメディア 100--11、1996年など)。
【0046】
さらに、シナリオが子供の運動会をテーマにしたものであるならば、主人公とは自分の子供のことであるので、ファインダー画像にとらえられている顔そのものが自分の子供の顔であるかどうかを判別することにより「アドバイスと合致」しているか否かを判定してもよい。こうした人物認証手法の例としては本願出願人によって出願されている特開平9−251534号が挙げられる。しかし、本発明は顔領域の推定や人物認証の手法に特段の限定を加えるものではない。
【0047】
また、記録動作状況分析部209が記録動作状況入力端子210から入力された記録動作状況を分析し、アドバイスと合致しているか否かを判定してもよい。この例としては、例えばアドバイスが「カメラから約5mに主人公がいるようにとらえる」といったものであり、オートフォーカス(自動焦点合わせ)機能付きのスチルカメラまたはビデオカメラである場合には、被写体に焦点が合うようにカメラがレンズを光軸上で移動させているということを利用して、レンズの光軸上での位置関係、ひいては焦点距離を記録動作状況として入力し、アドバイスに合致しているかどうかを判定できる。他の情報としては、カメラが加速度センサあるいはジャイロセンサを持っている場合には、アドバイスが「被写体を下から見上げるアングルで」であるとき、カメラの仰角が上向きであるかどうかをセンサデータから知ることができる。
【0048】
このように記録予定情報解析部211、記録動作状況分析部209の少なくとも一方により、アドバイスと記録予定情報とが合致すると判定される場合(S26)、それがカメラをコントロールすべきタイミングであった場合(S27)には、記録制御信号出力部207がビデオカメラ10をコントロールする信号をコントロール出力端子208を通じて出力する(S29)。「カメラをコントロールすべきタイミング」とは、たとえば録画の開始や停止であり、上に示した例のように「画面左半分に主人公の顔のアップから録画を開始し、主人公の全身を写すフルショットまで10秒かけてズームアウト」といった撮影アドバイスのとき、本システム12は「左半分に顔のアップ」と合致したときに録画開始信号を、「顔領域が画面面積の2%以下」になったときに録画停止信号を送るなどの動作を行う。また、この例で挙げたように10秒でズームアウトといったアドバイスの場合には、ズームコントロール信号を出力し、ズームそのものも本システム12からコントロールしてもよい。
【0049】
もし録画中にアドバイスから逸脱する撮影が行われそうになったとき、本システム12はそれを自発的に修正するように動作してもよい。例えば前の例のように「画面左半分に主人公の顔」というアドバイスにも拘わらず、人物の顔が右半分に検出されたとき(S26)、もし本システム12に接続されているビデオカメラ10がモータードライブによって方向が変えられるマウントの上に載っていたならば、本システム12はコントロール出力端子208を通してそのマウントに対する動作信号を出力し、アドバイス通りの構図になるように自動調整を試みる(S28、S29)。自動調整が不可能な場合、たとえば「固定アングルで15秒流して撮影」というアドバイスにも拘わらず、ユーザがカメラを持ち運ぼうとしている場合(S28)には、記録予定情報解析部211または記録動作状況分析部209はアドバイス作成部203にその旨通知し、アドバイス作成部203は、「カメラを動かさないでください!」といった状況依存アドバイスを生成し、このアドバイスを表示部204に表示する(S33)。また、本システム12がコントロール出力端子208を持たない場合にも、本システム12から直接カメラ10などを制御することができないため、警告表示を行う(S33)。
【0050】
図9(d)には、こうした警告表示の一例を示している。この表示ではファインダー画像に重ね合わせてアドバイスが表示されている。アドバイスは点線42によって被写体をこの位置に、この大きさで撮影することを促しているが、実際には人物43は右側にとらえられている。そこで記録予定情報解析部211はその差を計算し、さらにアドバイス作成部203は状況依存アドバイスとしてカメラを右下に動かすことによってアドバイスに従った構図に近づけようとする。画面内の矢印44は、ユーザ(カメラマン)に対してカメラを右下に動かすことを促すものである。このような警告を行ったにも拘わらず、ユーザが自発的にアドバイスに添うようなアクションを起こさない場合には(S34)、本システム12は(それが可能であれば)カメラ10に対して録画の停止を指示し(S35)、それに伴う記録動作状況信号=「録画停止」を記録動作状況格納部202に格納する(S36)。
【0051】
以上の説明では、アドバイスは本発明の収集システム12が内部に備えた表示部204に表示することを前提にしていたが、本システム12の外部に接続した情報記録装置を表示部として利用する方法もある。この場合、表示部204は本システム内部になくてもよい。例えば、外部に接続されたビデオカメラがIEEE1394によって表示アドバイスを受け付ける機能を有していた場合、本システムのアドバイス作成部203は、ビデオカメラが必要とするデータ形式にアドバイスを変換し、表示部204の代わりにビデオカメラ10に対して出力する。ビデオカメラ10側ではファインダー内あるいはその他の表示装置にこのアドバイスを表示できるので、ユーザはビデオカメラのファインダーと本システムの装置の両方に相互に目を転じることなく、撮影操作を行うことができる。また、アドバイス表示のために、本システムと外部の情報記録装置(例えばビデオカメラ)のいずれでもない第3の表示装置が外部に接続されることを許容し、その第3の表示装置に対してアドバイスを出力してもよい。さらに、本システム自身が情報記録装置を内蔵していてもよい。例えば、本システム12がビデオカメラの一部機能となり、上記で説明した動作がすべてビデオカメラ内で完結していてもよい。
【0052】
上記では、収集システム12は独立の端末であり、アドバイスリスト、またはシナリオを提供する方法または装置については特に限定しなかったが、アドバイスリストまたはシナリオを提供する方法または装置が、上記で説明した収集準備システム11であってもよい。この場合、両者はデータ形式や送受信方法について共通のプロトコルを持つ。さらに、上記で説明した収集準備システム11と収集システム12が一体となった装置またはプログラムであってもよい。これは例えば、携帯情報端末が携帯電話との接続やモデムカードの装着、内蔵などによってネットワークアクセス機能を持っており、シナリオをインターネット上から選択、ダウンロードできる場合などに実現できる方法である。
【0053】
次に編集システム13について図面を参照しながら説明する。
図10は編集システム13の構成を示すブロック図、図11は編集システム13の動作を示すフローチャート、図12は編集システム13がユーザに対して表示するアドバイス画面の例を示すイメージ図である。
編集システム13は、図10に示すように構成されている。入力部1は、ユーザからの指示を入力する。記録動作状況入力部302は、記録動作状況入力端子303から記録動作状況の情報を入力する。メディア選択部304は、編集するメディア作品のシナリオをシナリオ入力端子305から入力し、入力されたシナリオを参照してそれが必要とする素材のリストを内部に作成すると共に、作成された素材のリストと入力された記録動作状況とを比較して不足する素材のリストを作成する。編集インターフェイス作成部307は不足素材について必要なものを補うようにユーザに促すメッセージやその他の編集に必要なメッセージを作成し、これを表示部308に表示する。バッファ306は、シナリオや仮編集した素材などを一時的に保存する。入力メディアコントロール部311は、コントロール出力端子312を介して情報記録装置を再生制御する。メディア入力部309は、これによってメディア入力端子310から情報素材を順次入力する。メディア解析部313は、入力された情報素材を解析して編集に必要とする素材をバッファ306に格納する。メディア効果作成部314は、コンピュータグラフィックスの挿入等、種々のメディア効果を作品に付与する。メディア出力部315は、全ての編集が終了すると、メディア出力端子316を介して完成されたメディア作品を出力する。
【0054】
次に、この編集システム13の動作について説明する。なお、以下では図10〜12を参照しながら、例として本発明の編集システム13が、アドバイスに従って撮影されたビデオと、各々のビデオ素材がどのアドバイスに対応して撮影されたものかという情報をもとに、ビデオ編集を行うプログラムとしてパソコン上で機能する場合を説明する。この例でいうアドバイスとは、上記で説明した収集準備システム11を使ってユーザが選択したシナリオに含まれているアドバイスリストのことであり、撮影は上記で説明した収集システム12の補助を受けて行ったものであるとする。
【0055】
本編集システム13は、例えば上で説明した収集システム12と、その収集システム12を伴って撮影を行ったビデオカメラ10を、本編集システムのプログラムが作用するパソコンにUSBやIEEE1394などの通信方法を用いて接続して使用する。このとき、ビデオカメラ10には撮影素材を記録したビデオテープが挿入されているものとする。本システム13は入力部301からユーザの指示を受けて、編集作業を開始する。まず記録動作状況入力部302は、各素材収集(=撮影)アドバイスに対してどのように撮影が行われたかという情報を記録動作状況入力端子303から入力する。ここで入力される情報は、第一には各アドバイスに対する撮影が記録されているテープ上の場所(タイムコード)であり、その他、ズームやパン、ティルトといったカメラワーク情報も含まれる。これらカメラワークの種類や、記録動作状況の例、さらにそれらの検知手法についてはすでにこれまでの例で述べたので省略する。もし、本システム13が記録動作状況を入力する相手となる収集システム12が、前々段の収集準備システム11でユーザが選択したシナリオを保持している場合には、メディア選択部304はシナリオ入力端子305からこれを入力する。収集システム12ではなく、収集準備システム11が直接本システム13に対して、例えばデータファイルなどの形で、シナリオを送信している場合には、同様にこれをシナリオ入力端子305から入力する。あるいは、選択されたシナリオを参照できる識別番号だけが収集システム12から、または収集準備システム11から送信され、その識別番号に対応するシナリオをネットワーク上から入手可能な場合には、シナリオ入力端子305はインターネットなどに接続し、シナリオを入力する。
【0056】
次に、シナリオに沿って素材の補足、修正、追加、選択を行う(S41)。即ち、メディア選択部304はシナリオを参照し、それが必要とする素材のリストを内部に作成する。リストやシナリオそのもの、仮編集した素材などを保管する目的でバッファ306は用いられる。メディア選択部305は、このリストと上記のようにして入力された記録動作状況情報を比較し、作品製作に必要な素材が全て揃っているか、不足するものは何かを列挙する(S42)。不足するもののうち、本システム13が自発的に補うことができるものについては、それを補う予備編集を行い、ユーザによる操作が必要なものについては編集インターフェース出力端子308を通して不足素材を補うようにユーザに促す(S43)。
【0057】
不足素材の例について次に説明する。例えば素材として子供の顔のアップが必要だったにもかかわらず、それを一度も撮影していなかったとする。このビッグクローズアップは画面一杯に顔を大写しするものであり、背景は関係ない。すると、システムはメディア入力部309と入力メディアコントロール部311に作用し、コントロール出力端子312からの出力信号によってビデオテープを再生させ、ビデオテープ全体に入っている画像を逐次、メディア入力端子310から入力するようにする。メディア解析部313は、この画像の中から、子供の顔がなるべく大きく撮影されている部分を探し出し、その映像から顔の部分だけを拡大し、不足素材と同様の素材をバッファ306内に生成する。顔領域認識や人物識別の技術についても、これまでの例の中で説明したのでここでは省略する。不足素材を補う代替素材が、このシナリオのために撮影された素材の中にも見つからない場合には、別途撮影された素材の中から代替素材を見出してもよい。例えば、運動会を撮影した素材の中には子供の顔のアップがなくても、夏休みに撮影した素材の中にはそれがあり、その素材がパソコンの記憶装置の中やインターネット上、あるいは運動会を撮影したビデオテープと同じテープ内に保存されている場合には、それを流用してもよい。この流用を行うかどうかの選択や、複数の代替素材が存在する場合の選択については、あらかじめユーザに指定させておいてもよいし、都度、ユーザに選択を促す画面を編集インターフェース作成部307が編集インターフェース出力端子308から出力してもよい。
一方、玄関前のプランターの植物を撮影し忘れていたとすると、これを既存の素材から合成するのは困難であるため、ユーザに対して(今からでもかまわないので)プランターの映像だけを追加して撮影してくるように、編集インターフェース作成部307が編集インターフェース出力端子308から促す。
【0058】
不足素材を補う代替素材として、別の素材を合成、加工して仮の素材を製作する方法について上では例示したが、このほか、まったく構図の異なる素材を、当初予定されていた素材の代わりに用いてもよい。例えば、シナリオ中では子供の顔のアップを用いるべきところではあるが、その代わりに机上の帽子をつかみあげる子供の手のアップを撮影し、置き換えてもよい。これを実現するためには、こうしたインサート用の予備ショットを複数用意するようにシナリオが規定されていて、シナリオ中にも代替素材としての第2候補、第3候補を規定しておけばよいので、本発明の枠組みの中で実現できる。
【0059】
また、上の収集準備システムの例で図5(c)を用いて説明したように、複数のシナリオが選択されたままになっている場合には、図12(a)のような画面を編集インターフェース作成部307が編集インターフェース出力端子308から出力して、いずれのシナリオを用いて作品を製作するかの選択を促す。あるいは、この段階で一つのシナリオに絞り込むかわりに、以降で説明する手順を各シナリオごとに実行し、複数のシナリオに対応した複数の作品を製作してもよい。
【0060】
編集に必要なデータが揃ったら、シナリオに書かれている編集手順を順次読み出し、編集が終了するまで以下の手順を実行する(S44)。まず、次のシナリオ項目を読み出して(S45)、次のショットとして挿入されるべき素材がコンピュータグラフィックス(CG)であるかどうかを判定する(S46)。ここでいうCG素材とは、このショットにおいてビデオカメラによって撮影された素材を一切用いず、パソコン内で人工的に作成された映像のことである。実際のビデオ編集においては、たとえばタイトルバック、旅行記における地図、スポーツ映像における位置関係の説明(マラソンコースの鳥瞰図やチーム競技での各選手の配置)、技術プレゼンテーションにおけるグラフや表などがこれに相当する。もし、CG素材を追加すべきである場合には、メディア効果作成部314はシナリオ中の指示にしたがってCGを作成し、完成作品の一部としてバッファ306に仮格納する(S47)。
【0061】
一方、次のショットとして挿入されるべき素材が自然画像(ビデオカメラによって撮影された素材)を一部または全部に利用するものである場合、それに用いるべき素材が撮影されていて存在しているかをメディア選択部304が確認する(S48)。存在していない場合には、不足素材として既に説明した方法を用いて仮に製作された代替素材を挿入するか、ユーザにその旨を通知し、対処の指示を促す(S49)。存在している場合には、それが一意に定まる場合(S50)、すでに記録動作状況入力端子303から記録動作状況入力部302が入力してバッファ306に仮保管してある記録動作状況情報から、テープ中で目的の素材が記録されている場所(タイムコード)を読み出し、入力メディアコントロール部311に対し、コントロール出力端子312から外部の装置(ビデオカメラ、またはビデオテープレコーダー)をコントロールして必要部分を再生するように指示する。指示にしたがって外部の装置が本システム13に送ってきたメディア情報はメディア入力部309がメディア入力端子310から入力し、後段のメディア編集に供する(S54)。
【0062】
上では編集の進行に従って外部の装置をコントロールし、逐次必要な映像素材を読み込む方法について説明したが、これ以外にも、あらかじめ一括してビデオテープ中の映像音声データをパソコン内に取り込み、そこから編集に必要な素材を読み出してくる方法もある。また、撮影された素材の映像音声データがインターネット上に存在している場合には、インターネットを経由してそれらの情報をダウンロードしてきてもよい。
【0063】
次のショットとして挿入されるべき素材が一つに限定できない場合もありうる(S50)。これはまず第一の例として、インサート素材(撮影の主体との直接の関連性は薄いが、ストーリーの全体像を明確にするために撮影しておくクローズアップや俯瞰、小物など)を十分多くの量だけ撮影しておいたために、複数の素材がそのショットの候補になりうる場合である。この際、インサート素材の候補にはシナリオ中で同列の優先順位が与えられている。優先順位が異なるものであれば、メディア選択部304によって自動的に順位の高い素材が選択される。また、同じ場面を撮影した素材であるが、一方はカメラワークが早すぎて被写体がぼけていたり(モーションブラー)、被写体がフレームアウト(画面内からはみだすか、いなくなる)してしまっているのに対し、他方は正しく撮影されている場合もある。これもメディア解析部313による画像解析によって、顔領域がフレームの端に接していないか判定したり、画面全体にわたって画像の周波数成分(空間的なフーリエ変換を行った際の係数)を計算して、十分に高い周波数成分まで含まれているか(すなわち、画像がぼけていないか)を判定したりすることで、素材の優先順位を規定できる。こうした自動的な優先順位付けに基づき、本システムが自動編集モードで動作している場合には(S51)、メディア選択部304によって自動的に素材が選択される(S52)。また、自動編集モードでないときには、編集インターフェイス作成部307は、表示部308を介してユーザに選択指示を促す(S53)。
【0064】
本システムが自動編集モードで動作するかどうかについては、入力部301を介してあらかじめユーザの選択を受け付けておく。この際、編集インターフェース作成部307は表示部308を介して例えば図12(b)のような画面を提示し、選択を促す。図12(b)中には3つの選択肢が用意されている。「ぜんぶおまかせ」は、あるショットを製作するにあたって複数の素材が存在する場合には上記のような優先順位をシステムが自動的に計算し、最高順位のものを自動的に選択するモードである。この場合、優先順位を計算できない複数素材や、優先順位が1位の素材が依然として複数になる場合にはあらかじめ規定した方法(例えばランダムに選ぶ、あるいは素材時間がもっとも長いものを選ぶ、など)によって自動選択される。「ぜんぶ手動」は、複数候補が存在する場合にも優先順位を計算せず、あるいは計算してもそれにしたがって自動選択することなく、ユーザに選択を促す画面を表示する。この場合であって優先順位を計算した場合には、その計算結果を表示に付記することによってユーザに選択に役立つ付加情報を知らせてもよい。
【0065】
「かんじんなところは手動」では、優先順位を計算するにあたっての各素材の優先度が規定以内の僅差である場合や、シナリオ中において特に手動選択が指示されている場合にはユーザに選択を促し、それ以外の部分では上記の方法でシステムが自動的に選択を行うものである。素材選択の優先度とは、例えば規定周波数以上の周波数成分のパワーの合計をもって画像のシャープさの指標としたり、あるいはあらかじめ「帽子のアップ=0.8」、「物干台の体育着=0.7」のように素材ごとにシナリオ中に数値で規定しておいてもよい。複数のシナリオが選択されている場合、あるいは編集モードが「かんじんなところは手動」「ぜんぶ手動」である場合には、図12(c)のような画面を編集インターフェース作成部307が表示部308に出力して、選択を促す(S53)。図の例では、複数のタイトルショット候補51と52があり、その中から一つのショットを選択するようにユーザに促している。タイトルショット候補51、52は、システム13内に記録されているタイトルショットイメージを(実際の合成結果のかわりにイメージ図として)提示してもよいし、実際に撮影された素材に対して後述するような編集エフェクトをメディア効果作成部314が先に施して仮に作成したプレビューを提示してもよい。
【0066】
また、53のようなユーザ操作による画像加工を許容する選択肢も提示し、ショットの編集テンプレートの一部(例えばタイトル文字)をユーザが改変できるようにしてもよいし、他の画像編集アプリケーションなどを用いて、ユーザが自分自身で加工編集した仮素材でこの部分を置き換えることを許容してもよい。
一方、本システムのメディア解析部313が顔領域判別の機能はもっているものの、人物識別の能力は備えていない場合には、以下のような動作をする。図12(d)の画面には、徒競走をトラックの外側から撮った素材映像が示されている。フレーム内に2人の顔が写っていることまでは本システムのメディア解析部313は認識したが、どちらが主人公である自分の子供かまでは判別できない。このため、後述するような編集エフェクトを主人公に対してだけ(あるいは主人公だけを除いて)施すという手順が決定できない。そこで図12(d)中のA,Bといった候補名を含む画面を編集インターフェース作成部307が表示部308に表示させて、重要人物として編集に配慮すべき被写体の選択を促す(S53)。
【0067】
以上のようにしてシナリオに沿った編集のための素材が列挙されると、メディア選択部304は素材中から編集に必要な部分を抜き出す(S54)。この抜きだしの手順は例えば以下のようなものである。
図13は「小学校の運動会」というシナリオ中で、朝、子供のための弁当を準備する母親を描く1シーンについての抜き出し手順を説明したイメージ図である。図13(a)はシナリオ中に記述されている編集手順を図示したものであり、実際のシナリオ中ではテキストあるいはバイナリ・データとして記録されている。この16秒のシーンは4つのショットで構成されている。最初のショットは弁当箱におかずをつめこむ母親の姿を上半身から手元まで撮影した素材(3)が利用される。この素材撮影についてのアドバイスとしては、こうしたカメラアングルのほか、16秒使用するにあたって前後の余裕を見て全部で20秒〜30秒撮影することや、鼻歌まじりに作業することを促すこと、最後に「できた」「完成!」「できあがり」などの言葉を言ってもらうように促すこと、その最後のセリフから5秒あとぐらいまで撮影することなどが指示されている。
【0068】
2番目のショットは母親の顔のアップを撮影した素材(4)、3番目のショットは弁当箱のアップを撮影した素材(5)であり、4番目のショットでは再び素材(3)のアングルに戻る。編集手順としては、作品先頭から1分15秒の位置でカットインによってこのシーンを開始し、音声については切り替えによる奇異感をさけるために最初の15フレーム(0.5秒)という短時間のフェードインにする。1分20秒で顔のショットに、1分23秒で弁当箱のショットに、1分26秒で再び全体像に移る際もカットインを用い、音声については素材(3)のものを流し続けるようにする。このシーンの最後も、音声には同様に0.5秒の短いフェードアウトを施す。
【0069】
図13(b)には、素材(3)に関するアドバイスにしたがって撮影された実際の素材(3)がある。18秒程度の長さがあり、下段には模式的に音声波形を示している。このとき、システムは例えば以下のいずれかの方法で編集に使用すべき16秒の区間を選択する。第1の方法(A)では、この素材の録画停止位置の17秒前から1秒前までを選択する。停止位置から1秒の余裕を見ているのは、録画停止直前には手ぶれが発生したり、演出外のセリフが入っている可能性があるからであり、余裕の量はより大きいものや少ないもの、全くないものをあらかじめ規定しておいてもよい。第2の方法(B)では、この素材の録画開始位置の1秒後から17秒後までを採用する。開始後に1秒の余裕を見るのは、開始直後にも手ぶれなどが生じたり、光量、フォーカス、ビデオテープのトラッキングの不安定が生じたりする恐れがあるからである。第3の方法(C)では、音声波形を解析し、最後に「さあ、できた」といったセリフと推定できる瞬間から前に13秒、後に3秒の区間を採択する。もし本システムのメディア解析部913が音声認識や音声による人物識別機能をもっていれば、確かに母親が「さあ、できた」あるいは「できた」「完成」「できあがり」などと発話を開始した瞬間を基準にしてもよい。顔のアップを撮影した素材(4)、弁当箱のアップを撮影した素材(5)については、インサートショットであり、とくにタイミングが重要なものではないため、撮影された素材の時間的中間点から前後に3秒などの任意の選択方式で採用される(S54)。
【0070】
以上のように準備された素材は、必要に応じてメディア効果作成部314による効果が施され、つなぎ合わせる編集が施される(S57)。ここで施される効果は映像であればブラー(ぼかし)、モザイク、コントラストの強調、トリミング、グレイスケール化などであり、音声であればゲインの調整やフェード、ステレオ化などである。接続するショットのトランジション(切り替わり)効果もここで施され、例えばディゾルブ(クロスフェード)、ワイプ、スライドインなどがある。もし映像や音声に対してこのような効果(エフェクト)を施すようにシナリオに指示されている場合(S55)、メディア効果作成部314によってエフェクトが施される(S57)。一方、エフェクトを施す必要がない場合、すなわち、単純にカットで接続すればいい場合には、映像や音声はそのまま接続される(S56)。
【0071】
もし予めユーザによって自動編集モードが選択されている場合には、個々のショットの編集結果についてユーザに確認することなく次のショットの自動編集に移る(S58)。もしユーザがあらかじめ、一つのショットの編集が終わるたびに自分で結果を確認し、必要があれば修正を施すというモードを選択した場合には、ここで仮に行われた編集結果を編集インターフェース作成部307は表示部308から出力し、ユーザによる確認、または修正が入力端子301から入力されるのを待つ(S59)。
【0072】
全ての編集が終了すると、メディア出力部315はメディア出力端子316から完成作品を出力する(S60)。出力されるメディアの形態は、パソコンに内蔵されたビデオボードを介してNTSCまたはPALなどの放送方式のコンポジットビデオ信号であってもよいし、あるいはIEEE3941を介したDV形式であってもよい。さらに、MPEGをはじめとするパソコン上で取り扱える映像メディアファイルの形式でもよい。
【0073】
ここまでの編集システムでは、システムがメディア解析を行う例を説明したが、必ずしもメディアの内容に立ち入った解析を行わない構成でもかまわない。この場合、図12(d)を用いた説明のAまたはBの方法などにより、メディアの内容には関知せず、単純に記録動作状況情報だけから編集を行うポイントを見付け出すことでも実現できる。
【0074】
上記では、編集システムは独立の端末であり、アドバイスリスト、またはシナリオに従って行われた素材収集に当たって記録動作状況を格納する方法または装置については特に限定しなかったが、記録動作状況を格納する方法または装置(すなわち収集システム)が、上記で説明した編集システムに内蔵されていてもよい。これは、例えば本発明の収集システムおよび編集システムが同一パソコン内のプログラムである場合に実現できる構成である。さらに、アドバイスリストまたはシナリオを提供する方法または装置(すなわち収集準備システム)が、上記で説明した編集システムに内蔵されていてもよい。これは例えば、本発明の収集準備システムおよび編集システムが同一パソコン内のプログラムである場合に実現できる構成である。
【0075】
以上では、主に映像と音声を含むビデオ素材の収集準備、収集、編集システムについて説明したが、音声のみをメディアとして扱う収集準備、収集、編集システムであってもよいし、静止画像のみを扱う収集準備、収集、編集システムであってもよい。音声のみを扱う場合、アドバイスリストとしては、例えばカラオケのトップテンのCD、MD等を作成するため、インターネット経由で音楽配信を受ける場合を想定すると、次に録音すべき音楽の配信元の情報をアドバイスとして含むものなどが考えられる。また、静止画像のみを扱うシステムの場合、本発明の収集システムを伴って素材収集を行う外部機器はディジタルスチルカメラであり、編集システムが完成作品として出力するのはスライドショー、あるいは、写真をレイアウトしたパネルなどである。
【0076】
また、複数の記録装置を用いて素材収集を行ってもいい。これは例えば、シナリオ中に3台のビデオカメラを想定したアドバイスリストおよび編集スクリプトが用意されていれば、上記で説明した本発明の構成のままで実現が可能になる。3台のビデオカメラを同時に別々のカメラアングルから撮影させることにより、より完成度の高い作品を製作することができる。例えば子供の運動会を撮影する際、3人の子供に対してそれぞれの親に分担して撮影すべき素材を振り分けることによって、全体像と、それぞれの子供を中心とした映像の双方を撮影することができる。この場合、本システムはそれぞれの子供を主人公にした3通りの完成品を出力してもよい。
【0077】
さらに、複数の記録装置としては異なるメディアの記録装置を用いてもよい。これは例えば、ビデオカメラとスチルカメラ、スチルカメラとオーディオレコーダーなどである。前者の組み合わせの場合、スチルカメラは一般的にビデオカメラよりも高い解像度を持っているため、完成作品にインサートする場合に少ない画質の劣化で拡大画像を作ることができる。後者の組み合わせの場合、ビデオカメラのように常時撮影を気にかけていなくても、効果的なスライドショーを製作することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればメディア作品制作のためのノウハウを持たない一般のユーザでも、プロフェッショナルのノウハウをテンプレートにした素材収集アドバイスを得ることができる。また、本発明によれば素材収集と同時に収集した素材に対して、それが何を意図して撮影された素材であるかというラベル付けが自動的になされるため、自動、または半自動によってプロフェッショナルと同様の構造立てを持ったメディア作品を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るメディア作品制作支援システムの構成を示す概念図である。
【図2】 同支援システムにおける収集システムの使用状態を示す図である。
【図3】 同支援システムにおける収集準備システムの構成を示すブロック図である。
【図4】 同収集準備システムの動作手順を示すフローチャートである。
【図5】 同収集準備システムの画面表示を例示するイメージ図である。
【図6】 同支援システムにおける収集システムの構成を示すブロック図である。
【図7】 同収集システムの動作手順を示すフローチャート。
【図8】 同収集システムの画面表示を例示するイメージ図である。
【図9】 同収集システムの画面表示の詳細を例示するイメージ図である。
【図10】 同支援システムにおける編集システムの構成を示すブロック図である。
【図11】 同編集システムの動作手順を示すフローチャートである。
【図12】 同編集システムの画面表示を例示するイメージ図である。
【図13】 同編集システムの内部処理を説明するイメージ図である。
【符号の説明】
10…ビデオカメラ、11…収集準備システム、12…収集システム、13…編集システム、14…ユーザ、15…ケーブル、101…シナリオデータベース、102…シナリオ選択画面作成部、103…表示部、104…入力部、105…シナリオデータ出力部、106…データ出力端子、201…アドバイスリスト格納部、202…記録動作状況格納部、203…アドバイス作成部、204…表示部、205…入力受付部、206…入力部、207…記録制御信号出力部、208…コントロール出力端子、209…記録動作状況分析部、210…記録動作状況入力端子、211…記録予定情報解析部、212…記録予定情報入力端子、301…入力部、302…記録動作状況入力部、303…記録動作状況入力端子、304…メディア選択部、305…シナリオ入力端子、306…バッファ、307…編集インターフェイス作成部、308…表示部、309…メディア入力部、310…メディア入力端子、311…入力メディアコントロール部、312…コントロール出力端子、313…メディア解析部、314…メディア効果作成部、315…メディア出力部、316…メディア出力端子。
Claims (12)
- 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、
前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納手段と、
前記格納されたアドバイスリストを表示するアドバイスリスト表示手段と、
前記表示されたアドバイスリストから任意の前記収集すべき情報素材を選択するための入力手段と、
前記選択された収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示手段と、
前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録手段と
を備えたことを特徴とするメディア作品制作支援装置。 - 前記アドバイスリスト格納手段、アドバイス呈示手段及び記録動作状況記録手段は、携帯端末装置に格納されたものであることを特徴とする請求項1記載のメディア作品制作支援装置。
- 前記アドバイスリスト格納手段、アドバイス呈示手段及び記録動作状況記録手段は、前記情報素材を記録するための情報記録装置に内蔵されていることを特徴とする請求項1記載のメディア作品制作支援装置。
- 外部に前記情報素材を記録するための情報記録装置が接続され、前記情報記録装置の記録動作状況の情報が外部から入力されて前記記録動作状況記録手段に記録されることを特徴とする請求項1又は2記載のメディア作品制作支援装置。
- 前記記録動作状況の情報は、前記情報記録装置で記録された記録媒体における各情報素材の記録開始位置及び記録終了位置を特定する情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のメディア作品制作支援装置。
- 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、
前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを複数種類格納したアドバイスリストデータベースと、
前記複数種類のアドバイスリストから任意の1又は複数のアドバイスリストの選択を促すためのアドバイスリスト選択画面を生成するアドバイスリスト選択画面作成手段と、
前記作成されたアドバイスリスト選択画面を表示する表示手段と、
前記アドバイスリスト選択画面に対する選択入力操作に基づいて前記アドバイスリストデータベースから前記選択されたアドバイスリストをアドバイスを表示する複数の機器に分配するため分割して出力するアドバイスリスト出力手段と
を備えてなることを特徴とするメディア作品制作支援装置。 - 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、
前記メディア作品の制作のためのシナリオを、このシナリオに必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストと共に入力するシナリオ入力手段と、
前記アドバイスリストに基づいて呈示されたアドバイスに従って収集された情報素材を入力する情報素材入力手段と、
情報記録装置で前記情報素材を収集した際に記録された各情報素材に対する前記情報記録装置の記録動作状況の情報を入力する記録動作状況入力手段と、
前記入力されたシナリオに基づいて必要な前記情報素材を前記記録動作状況の情報と共に前記アドバイスリストとして表示するアドバイスリスト表示手段と、
前記表示されたアドバイスリストに基づいて前記収集すべき情報素材を順次選択するための情報素材選択手段と
を備えたことを特徴とするメディア作品制作支援装置。 - 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援プログラムであって、
前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納ステップと、
前記格納されたアドバイスリストを表示するアドバイスリスト表示ステップと、
前記表示されたアドバイスリストから任意の前記収集すべき情報素材を選択するためのステップと、
前記選択された収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示ステップと、
前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録ステップと
をコンピュータに実行させるメディア作品制作支援プログラム。 - 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援プログラムであって、
前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを複数種類格納したアドバイスリストデータベースから任意の1又は複数のアドバイスリストの選択を促すためのアドバイスリスト選択画面を生成し表示するアドバイスリスト選択画面生成表示ステップと、
前記アドバイスリスト選択画面に対する選択入力操作に基づいて前記アドバイスリストデータベースから前記選択されたアドバイスリストをアドバイスを表示する複数の機器に分配するため分割して出力するアドバイスリスト出力ステップと
をコンピュータに実行させるメディア作品制作支援プログラム。 - 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援プログラムであって、
前記メディア作品の制作のためのシナリオをこのシナリオに必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストと共に入力するシナリオ入力ステップと、
前記アドバイスリストに基づいて呈示されたアドバイスに従って収集された情報素材を入力する情報素材入力ステップと、
情報記録装置で前記情報素材を収集した際に記録された各情報素材に対する前記情報記録装置の記録動作状況の情報を入力する記録動作状況入力ステップと、
前記入力されたシナリオに基づいて必要な前記情報素材を前記記録動作状況の情報と共に前記アドバイスリストとして表示するアドバイスリスト表示ステップと、
前記表示されたアドバイスリストに基づいて前記収集すべき情報素材を順次選択するための情報素材選択ステップと
をコンピュータに実行させるメディア作品制作支援プログラム。 - 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、
前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納手段と、
前記格納されたアドバイスリストに基づいて収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示手段と、
前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録手段と、
前記呈示されたアドバイスに従った記録がなされているかどうかを判定し、その判定結果を前記アドバイスに反映させるか、又は前記判定結果に応じて前記情報素材の収集処理を前記アドバイスが反映されるように制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするメディア作品制作支援装置。 - 文字、図形、画像及び音声の少なくとも一つを含むメディア作品を 制作する際に使用されるメディア作品制作支援装置であって、
前記メディア作品の制作に必要な収集すべき情報素材を列挙したアドバイスリストを格納するアドバイスリスト格納手段と、
前記格納されたアドバイスリストに基づいて収集すべき情報素材に関する情報をアドバイスとして呈示するアドバイス呈示手段と、
前記呈示されたアドバイスに基づいて情報記録装置で前記情報素材を収集した際に得られた前記情報記録装置の記録動作状況の情報を前記呈示されたアドバイスと対応付けて記録する記録動作状況記録手段と、
前記アドバイスリストと前記記録動作状況とを比較し、不足する情報素材がある場合には当該不足素材を補うか又は当該不足素材の入力を使用者に促す制御手段と
を備えたことを特徴とするメディア作品制作支援装置。
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