JP3707855B2 - 廃棄物供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみや産業廃棄物や農業廃棄物などの可燃性廃棄物の、燃焼したり燃料化したりする廃棄物処理装置への供給装置の改善に関する。廃棄物処理装置は、例えば流動床焼却装置や流動層ボイラ等の燃焼装置、廃棄物減容化装置、固形燃料化装置、廃棄物油化装置、廃棄物ガス化装置などであるが、それらに限定されるものではない。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の投入装置は、空気輸送やコンベヤ類やバケットクレーン等で破砕廃棄物を運んで、廃棄物処理装置脇のホッパ類に一旦貯留し、そこからスクリュウコンベヤやプッシャー等により可変でかつほぼ定量的に切り出して投入していた。そして、装置の内外を遮断している場合、そのスクリュウコンベヤやプッシャー内にて破砕廃棄物を圧密化することでシールしたり、圧密化しづらかったり圧密化してもシール性がでない場合は別途スイングダンパやロータリーバルブなどの装置を組み込んで廃棄物処理装置内外を遮断するのが普通であった。
本発明者らは、既に、この種の装置として、特願平4−283421号「流動床燃焼装置への焼却物の供給装置」を出願済みである。これを図2に示す。
【0003】
しかしながら、この種の装置は次の様な問題点があった。
ホッパ類に一旦貯留し、そこからスクリュウコンベヤやプッシャー等により切り出す場合、破砕廃棄物がフィルム状のものであったりすると嵩密度は0.1t/m3 よりはるかに軽く、それが故に下の払出部まで重力のみでは落ちにくく、また都市ごみの厨芥類や濡れた紙類のように容易に団塊化するものでは払出運動の力を受けて団塊となってしまう。従って、ホッパから払い出す際に圧密状態で送られたり途切れたりすることで定量性が損なわれてしまう。また、ブリッジ防止は困難で、ブリッジが発生すると、そのたびに運転が中断したり解消に入手を要していた。
また、廃棄物処理装置が燃焼炉の場合、燃焼炉内高温ガスがホッパへ逆流してホッパ内の可燃物が溶着したり発火したりする危険性があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した問題点を解決し、定量性を確保して、ブリッジ等の発生がなく、燃焼炉内の高温ガスがホッパに逆流することのない廃棄物供給装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、ほぼ等間隔等サイズのせき板付ベルトを有し、破砕廃棄物を底部で受け入れて貯留する貯留部と、傾斜角60度以上75度以下の昇り角度で搬送する搬送部と、傾斜角度を緩くしたヘッド部とを有するコンベヤと、該コンベヤのコンベヤヘッド部より該搬送物を落下させて廃棄物処理装置に投下する投入口とを有し、該コンベヤベルトには速度を変える可変速機構を設け、該コンベヤベルトの上方には搬送物の落下空間を設け、前記コンベヤヘッド部より搬送物を落下させる投入口には、直接燃焼部に投入されるようにダブルダンパを設けると共に、該ダブルダンパを覆うに足る砂をダブルダンパ上に投入する砂シール装置を設けたことを特徴とする廃棄物供給装置としたものである。
前記において、廃棄物処理装置は、発生する燃焼排ガスを誘引する送風機により負圧に保持した燃焼装置であり、前記ダブルダンパは同時に両方が開状態とならぬように交互に開閉を繰り返す機構を有することができ、また、前記砂シール装置は、前記ダブルダンパの開閉動作停止状態において、該ダブルダンパ部近傍の検出器からの排ガス漏洩信号によりダブルダンパ上に砂を投入する構成とすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
コンベヤの傾斜角の緩やかなないしは水平の低い部分へまとめて投入され、コンベヤベルトに積載貯留された破砕廃棄物は、コンベヤベルトの移動によって、やがて傾斜角60度以上75度以下の昇り角度の急傾斜部に至る。急傾斜部では、せき板に乗り切れない破砕廃棄物は、コンベヤベルトの上方が破砕廃棄物の落下空間を確保されていることで転げ落ち、ほぼ一様なせき板の積載状態に均される。廃棄物はやがて最上部のコンベヤヘッド部に至り、コンベヤから落下して、廃棄物処理装置内に投入される。コンベヤ急傾斜部でせき板に乗り切れずに転げ落ちた破砕廃棄物は、コンベヤの低い部分からの傾斜の立ち上がり部分に山積み状態となり、昇ってゆくコンベヤベルトによって底側は掻き上げられ上面では崩れることを繰り返し全体として回転しながら貯留されつつ、定量的にかき板にて搬送されてゆく。
【0007】
このため、通常の静置する上部の積載物の重量を受けて、次第に底のものが圧密化してしまうことが起きやすい貯留方式と異なり、貯留物は常にかき回され、攪拌され続けるために圧密化することはなく、かつ、コンベヤ貯留物は混合均一化され、嵩密度の変動が小さくなる。これにより、コンベヤ輸送量は更に変動が小さくなる。このため、コンベヤの貯留領域である、コンベヤ角度の立ち上がり部の容量を大きく取り、たくさん貯留してやるほど、投入物の量と質の均一化が図れる。破砕廃棄物の投入速度は、コンベヤベルトの速度を増減することにより調節する。
【0008】
ここに、「定量的に」というのは、廃棄物処理装置にとって問題とならない程度の変動以下ということであって、廃棄物処理装置の種類により異なる時間スケールにおいての概念である。都市ごみ流動床焼却装置や流動層ボイラ等の流動床燃焼装置では、数十秒前後の時間スケールにてその変動量をみる必要があり、20秒の時間スケールでその変動量をみるというのは、瞬時ごとにその時点から20秒さかのぼった時点までの20秒間の投入量の積算値にて定量性があるということを意味する。また、コンベヤベルトの「可変速」というのは、ここに言う「定量的に」が成立するかどうかを評価する時間スケールにおいてということである。従って、コンベヤベルトの「可変速」とは、その時間スケールよりも小さいサイクルでコンベヤを断続運転し、その休止と運転の時間比率を変化させる場合も含む。
【0009】
コンベヤの貯留領域である、コンベヤ角度の立ち上がり部の容量は、その部分の側壁高さを高くすることで大きくできるが、搬送物の安息角程度にコンベヤ立ち上がり側に高くしてやると、無駄な空間を小さく出来る。また、上述のように、常に強制的に掻き上げるために、コンベヤベルト幅を500〜1000mm以上とってやると、コンベヤ側壁を垂直に対して20〜30度程度まで、上方に向かって広げて貯留容量を増やしても、まずブリッジは発生しない。
また、コンベヤ立ち上がり部側壁の上方に向かって広げた形状に合わせて、コンベヤのテール部受入部までコンベヤ側壁を広げてやると、ピットアンドクレーンによりコンベヤに廃棄物を投入する場合等の受入部開口を広げられる。
【0010】
課題を解決するための手段にて述べた、「ほぼ等間隔等サイズのせき板付ベルト」というのは、必ずしも全く同一形状のせき板ということではない。このようにして均された後の数秒〜数十秒間のコンベヤ輸送量がほぼ等しくなるのであればよい。例えば、せき板を全幅に設けると積載し過ぎてコンベヤ搬送量が過大となり数秒〜数十秒間の時間スケールでのコンベヤ輸送量がかえって変動してしまうような場合に、ベルト進行方向一ヵ所でのせき板の幅は、コンベヤベルト幅に対して半分とか1/3程度に短くし、コンベヤベルト幅方向に対して、ベルト進行方向一ヵ所毎にこんどは中央、こんどは右、こんどは左とずらして取付てゆき、数秒〜数十秒間の時間スケールでは、全幅にわたりほぼ均一な輸送量となるようにするのもよい。
また、均一性を出すためにはせき板に対して破砕廃棄物が小さい方がよく、少なくとも床に置いたときの破砕廃棄物の高さは、せき板の高さの2倍以下でないとうまく運べない。
【0011】
本発明は、図2に示す従来技術の実施例では、次の点で異なる。コンベヤの上昇角度を限定することにより、廃棄物処理装置に対して十分な定量性を得て、図2のフィーダ13を省略したものである。図2において、コンベヤ急傾斜部の傾斜角は60〜90度となっている。しかしながら、傾斜角がきつくなるほど搬送量は搬送廃棄物の性状に左右される様になりかつ搬送量がごくわずかとなってしまうため、70〜75度以下としなければならない。また、傾斜角が緩いと過剰積載物が転がり落ちにくくなり、やはり搬送量は搬送廃棄物の性状に左右される様になってしまうため、60〜65度以上としなければならない。従って、60〜70度前後のごく狭い範囲に限定してやる必要があり、その最適角度は、破砕粒度や廃棄物性状により若干異なる。破砕粒度が粗い場合、ころがり落ちやすくなるため、角度は60〜65度がよく、破砕粒度が細かい場合は逆にころがり落ちにくくなり傾斜角が緩いと過剰積載物の山が崩れないものも出てくるため、搬送量を平均化するように70〜75度まで傾斜角を高めることが好ましい。
【0012】
なお、図2では、コンベヤヘッド部までも急傾斜としたが、コンベヤの傾斜角度が急になるに従い、かき板傾斜角は逆に緩くなるため、その状態ではコンベヤヘッド部でダブルダンパに落下するはずの破砕廃棄物がひとつ先のかき板の裏側に乗ってしまい、そのままコンベヤチール部に戻ってしまうものがでてくる。そこで、コンベヤヘッド部付近のコンベヤ傾斜角度は緩くする必要がある。
本発明の供給装置を燃焼装置に適用した場合は、破砕廃棄物は、ダブルダンパから直接高温の燃焼部に投入されることになるため、可燃性粉体を含む場合、粉塵爆発を起こす可能性が生じる。これに対し、ダブルダンパの上下ダンパの間又は上ダンパの直ぐ上の位置に水蒸気を吹き込んでやると、投入破砕廃棄物を湿らせたり投入破砕廃棄物に同伴する空気の酸素濃度を希釈したりすることができ、粉塵爆発対策として効果的である。
【0013】
また、図1のようなスイング式ダブルダンパでは、密閉性がないために運転停止後や緊急停止時に、燃焼装置内が正圧となると燃焼装置内の高温ガスが漏れ出して、コンベヤやコンベヤ上の廃棄物が着火してしまう可能性がある。そのため、ダブルダンパの上ダンパ近くに温度センサや排ガス濃度センサを設けておき、ダブルダンパが閉状態で停止中にもかかわらず、排ガスの漏れを検出した信号を受けた場合に、砂をダブルダンパ上に投入して、ダブルダンパを砂で覆ってしまう砂シールを行うようにする。そうすることにより、ダンパに多少の廃棄物が残っていても、あるいはダブルダンパやその付近の壁面を変形していても関係なく、隙間を埋めるように砂が入り込んで、燃焼装置投入口を砂の充填層で覆ってしまうことができる。
【0014】
この覆った砂の層の厚みは、200〜300mm以上あれば十分で、このような状態であれば、燃焼装置内が正圧になったとしても漏洩する排ガスはわずかで、わずかな量の排ガスであれば砂の充填量を漏れていく際に温度は低下してしまい、着火源となる心配はなくなる。ダブルダンパ上方に排出ゲート付の砂ホッパを設けて所定量の砂を入れておき、排ガス漏洩信号により排出ゲートを開放して砂ホッパ内の砂をダブルダンパの上にあけるようにすると、砂シール装置を簡素化できる。
この、ダブルダンパ部に水蒸気を吹き込むことは、廃棄物に可燃性粉塵がほとんどなく粉塵爆発の可能性がない場合は不要である。また、ダブルダンパの密閉性が高く、開閉動作停止状態にて漏れる程度の量の排ガスではコンベヤやコンベヤ上の廃棄物が着火することがない場合は、砂シール装置は不要である。
【0015】
次に図1を用いて、本発明を流動床燃焼装置について、詳細に説明する。
図1において、破砕廃棄物ピット内の破砕廃棄物2は、クレーン3に設けたクレーンバケット4により数立方mづつコンベヤ5に投入される。次いで、破砕廃棄物は、コンベヤ5の動きにより、少量づつせき板に乗って運ばれてゆき、コンベヤヘッド部17より投入されて、投入口8に設けられたダブルダンパ10、11を通り燃焼炉14内に入り、流動床部15に供給され、流動空気や二次空気によって燃焼する。燃焼炉14で発生した排ガスは、ボイラで熱回収されるか水噴射を受けるかして冷却25してから、除塵や有害ガス除去の排ガス処理26後、誘引送風機28を経て煙突29より排出される。誘引送風機28は、炉内圧が常に数十mmAqの負圧となるように、排ガスダンパにより誘引風量を制御する。コンベヤ5は可変速とし、燃焼負荷が一定となるように速度を調節する。
【0016】
上記において、コンベヤ5は、斜上方に60〜75度の急角度で上昇するせき板(ピッチ300〜800mm程度で、高さ100〜300mm程度)付ベルトのコンベヤで、コンベヤテール部18はクレーン3等から破砕廃棄物を数立方m以上受け入れるホッパ状となっている。また、燃焼炉内外圧力差を保持させる機構はエアシリンダ12で駆動するダブルダンパで、下ダンパ11と上ダンパ10の運動範囲との間の空間は、少なくともコンベヤの1つのせき板で搬送できる最大搬送容量以上としている。ダンパは先端側が常に下がる形に配備している。
コンベヤ5は、急傾斜で上昇するため、コンベヤ上の破砕廃棄物は、山がくずれる形で均らされ、かき板毎にほぼ一定の量となって搬送される。なお、このくずれる形で均することをより一定とするには、コンベヤ速度が少なくとも1つのかき板の投入が行われてから次のかき板の投入が行われるまで15〜30秒以下となるようにし、かつ、破砕廃棄物を混合等により均質化、細粒化することが好ましい。
【0017】
ダブルダンパ10、11の開閉は、コンベヤ5のかき板からの廃棄物投入間隔以上の頻度とし、かつ同時に上下ダンパが開くことのない様にしながら上ダンパ10開閉、下ダンパ11開閉と交互に繰り返すように動作させる。ダンパは開閉のどの動作時にも先端側が下がっているため、かつ、コンベヤ5の1つのかき板にて運ばれる量以上の容積があるため、ひっかかったり、かみこんだりすることはほとんどないが、万一のため全開、全閉が確認できる様にリミットスイッチ又は近接スイッチを設けておくことが好ましい。
ダブルダンパの上下ダンパ10、11の間で、ドレンを除去しかつ量が適当となるように減圧した水蒸気22を添加し、投入物を湿らせると同時にそこの部分での酸素濃度を下げ、可燃性粉塵がきても爆発しないようにしている。
コンベヤヘッド部17にはエアシリンダ12駆動の砂排出弁20付砂ホッパ19を設けて常時砂を貯めておき、かつ上ダンパ10のすぐ上の位置に温度センサ21を取り付けてある。異常高温を検知するとエアシリンダを伸ばして砂排出弁20を開き、砂ホッパ19の中の砂がダブルダンパ10上に流れ込み砂シールする。
【0018】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、コンベヤへの投入が断続的であっても、それらを均一化しながら貯留し、ほぼ連続的に可変速で確実に供給することが可能である。従って、連続的に供給するための貯留払出装置を省略でき、大きな改善効果を有する。
また、コンベヤ受入部開口を広いものとすることができ、特にピットアンドクレーンによりコンベヤに廃棄物を投入する場合のコンベヤ投入作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の破砕廃棄物投入装置を示す概念図。
【図2】従来の破砕廃棄物投入装置を示す概念図。
【符号の説明】
1:破砕廃棄物ピット、2:破砕廃棄物、3:クレーン、4:クレーンバケット、5:コンベヤ、7:モーター、8:投入口、9:ホッパ、10:上ダンパ、11:下ダンパ、12:エアシリンダ、13:フィーダ、14:燃焼炉、15:流動床部、16:フリーボード、17:コンベヤヘッド部、18:コンベヤテール部、19:砂ホッパ、20:砂排出弁、21:濃度センサ、22:蒸気、23:ドレンカッタ、24:減圧弁、25:排ガス冷却装置、26:排ガス処理装置、27:ガスダンパ、28:誘引送風機、29:煙突
Claims (3)
- ほぼ等間隔等サイズのせき板付ベルトを有し、破砕廃棄物を底部で受け入れて貯留する貯留部と、傾斜角60度以上75度以下の昇り角度で搬送する搬送部と、傾斜角度を緩くしたヘッド部とを有するコンベヤと、該コンベヤのコンベヤヘッド部より該搬送物を落下させて廃棄物処理装置に投下する投入口とを有し、該コンベヤベルトには速度を変える可変速機構を設け、該コンベヤベルトの上方には搬送物の落下空間を設け、前記コンベヤヘッド部より搬送物を落下させる投入口には、直接燃焼部に投入されるようにダブルダンパを設けると共に、該ダブルダンパを覆うに足る砂をダブルダンパ上に投入する砂シール装置を設けたことを特徴とする廃棄物供給装置。
- 前記廃棄物処理装置は、発生する燃焼排ガスを誘引する送風機により負圧に保持した燃焼装置であり、前記ダブルダンパは同時に両方が開状態とならぬように交互に開閉を繰り返す機構を有することを特徴とする請求項1記載の廃棄物供給装置。
- 前記砂シール装置は、前記ダブルダンパの開閉動作停止状態において、該ダブルダンパ部近傍の検出器からの排ガス漏洩信号により、該ダブルダンパ上に砂を投入する構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物供給装置。
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