JP3707749B2 - 柱状構造物への線状鋼材巻き付け工法 - Google Patents
柱状構造物への線状鋼材巻き付け工法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は橋脚柱等の柱状構造物を補強する方法に係り、特に、柱状構造物に対して線状鋼材を巻き付ける工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
橋脚等の柱状構造物の耐震補強方法としていろいろな工法が提案されている。例えば、コンクリート用鉄筋を1巻ずつ巻いてそれぞれ両端を溶接し、モルタル充填する工法がある。コンクリート用鉄筋は比較的曲げ易いものの溶接作業が伴い、十分な強度を得るためには巻き付けピッチも小さくする必要があるため作業能率が良くない。これに対して、長いコイル状の硬い鋼線を巻き付けて補強する方法が考えられており、これを既設の柱等に巻き付けるには、足場等を組み立ててコイルの端部を柱周囲に周回するように人手により巻き付ける方法、周回型のコイル巻付け装置を用いて柱周囲を周回させることにより巻き付ける方法等が考えられている。
【0003】
図1は人力により鋼線材を巻き付ける方法を説明する概念図である。
この方法は、既設柱1の周囲に作業用足場2を組み立て、作業員が鋼線材ドラム3より硬い鋼線材4を繰り出して人手で巻き付けていき、最後にジャッキ等で締めてモルタル充填して固める方法である。
【0004】
図2は巻き付け装置を柱周囲に対して周回させて巻き付ける方法を説明する概念図である。
この方法は、既設柱1の周囲に巻き付け装置用昇降設備5、装置回転設備6を設置し、鋼線材ドラム3と鋼線材4の一端を保持した巻き付け装置7を装置回転設備6上に設置して鋼線材ドラム3と巻き付け装置7を一体にして周回、昇降させて巻き付けていき、最後にジャッキ等で締めてモルタル充填して固める方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図1の人力による方法は、鋼線材のバネ効果等により外側へ働く力が作用し、人力で抑えるのは厳しい状況で、作業員へ鋼線材が跳ねてくる可能性があるほか、作業員をはじき飛ばす恐れもあり危険を伴う作業となる。特に、鋼線に相当の引っ張り力を導入して使用するPC鋼材では、高強度ゆえに硬いため曲げると相当の反発力が生じ、このような硬い鋼線材を使用して補強するためには、安全性を確保するためにもかなり大がかりな足場等の設備を要することになる。
図2の周回型の巻き付け装置を用いる方法は、装置自体を特殊なものとして開発する必要が生じるほか、開発費用により工事費のコストが増加する。周回型装置による巻き付けは、巻き付けるコイルを保持せずに巻き付けようとすると、コイルが巻き付け装置に追従しないため巻き付けると同時に送られるコイルが絡まってしまうため、コイルを保持し、持参しながら巻き付ける必要があり、これにより装置が大きく非常に過大なものとなってしまう。また、装置を支える支保工も装置の重量の増加とともに大きくする必要が生じる。このため、装置および支保工の設置・組立てに多大な時間と費用を要することになる。
【0006】
しかしながら、耐震に対する補強は現状では必須事項であり、また熟練工が減少する昨今の現状の中で未熟な作業員の現場への入場が増加する傾向にあり、作業の安全管理に不慣れな作業員の増加も懸念される。さらに、これに施工精度を求めるのは非常に厳しくなる傾向にある。このため、作業安全性の向上、施工精度の向上、工期の短縮などによるコスト削減等が見込める施工方法が求められている。
【0007】
本発明はかかる課題を解決するためのもので、硬い鋼線材を使用して安全確実に、かつ能率良く巻き付けることが可能で、堅固な作業用足場が不要であり、作業の安全性が確保され、工事費を大幅に削減することができる柱状構造物への線状鋼材巻き付け工法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の柱状構造物への線状鋼材巻き付け工法は、柱状構造物側が開口し、鋼線材挿入口を有する螺旋状の巻付けガイドを有する2つ以上のブロックに分割可能な巻付け装置を柱状構造物を囲むように設置した後、鋼線挿入用押し込み装置により巻付けガイドに鋼線材を押し込み挿入する。鋼線材を巻付けガイドのピッチに配置した後、ジャッキ等により鋼線材の両端間に張力を付与して鋼線材を巻付けガイドの開口から内側へ離脱させて柱状構造物に巻き付けた後、巻付け装置を分割して撤去することにより、巻付けに人手を要さず、安全にかつ能率的に鋼線材の巻付けを行うことが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図3は本発明の鋼線挿入巻き付け工法を説明する図、図4は鋼線挿入巻き付け装置の詳細及び挿入状況を説明する図、図5は挿入巻き付け装置の断面詳細図、図6は鋼線巻き付け及び装置分割状況を説明する図である。
本発明においては、橋脚柱等の柱状構造物の補強としてこれに巻き付ける鋼線材を、鋼線に引っ張り力を導入したPC鋼材等の硬い鋼線材を使用するものである。
図3において、既設柱1を間に挟みこむようにして鋼線挿入巻き付け装置20を設置し、鋼線挿入用プッシングマシン10を用いて鋼線ドラム3から高硬度の鋼線材4を送り出して、鋼線挿入口21より押し込むことにより挿入していく。鋼線挿入口21は、例えば、断面半円形状の2つのパイプを兆番で開閉可能にして嵌合させたような構造であり、ここを通して挿入することにより鋼線材4が所定位置からずれないようにする。押し込まれた鋼線材は硬いため、外方へ張り出そうとしながら鋼線挿入巻き付け装置20内を螺旋状に進んでいく。鋼線挿入用とてし使用されるプッシングマシン10は公知のものであり、対向するローラで鋼線を挟んで送りだす構造のものである。
【0010】
鋼線挿入巻き付け装置20は、図4、図5に示すように、例えば、4本の装置支保工22により螺旋状の鋼線挿入巻き付けガイド24が支持された構造で、鋼線挿入巻き付け装置分割結合部23で左右のガイドに分割され、また結合できる構造になっている。なお、図では支保工を4本の柱としているが、この本数は適宜変更可能であり、また、支保工相互間を連結して補強するようにしてもよい。また、柱でなく板状部材を用いることも可能である。鋼線挿入巻き付けガイド24は、挿入巻き付け時にガイドとなる溝を有するものを柱のサイズに併せて螺旋状に加工して構成したもので、溝は鋼管等により加工し、完全半円とせずに、巻き付け対象である既設柱側を円周の1/4程度切り欠いて開口部24aとし、締めつけ時に鋼線材が開口部24aよりガイドから離脱できるようにするとともに、押し込み挿入時に逸脱しないようにしている。なお、ガイド内面はテフロン加工等により平滑面とするか、ローラ等を設けて鋼線材が滑走しやすいようにすることが望ましい。なお、鋼線挿入巻き付けガイド24は組立ブロック状とし、ブロックを何段か結合することにより、長さの違う柱に対応できるようにする。
【0011】
鋼線材をガイドに沿って挿入し終わり、鋼線材が所定間隔で配置された後、先端または後端を固定してジャッキ等で緊張力を付与すると、鋼線材は開口部24aより内側へ向けてガイドから離脱し、図6に示すように、既設柱1に巻き付けられる。この状態で挿入巻き付け装置分割接合部23の結合をはずして両者を左右に分割して撤去する。なお、鋼線材を巻き付けた既設柱にモルタル及び樹脂材料等の充填又は塗布等を行い、鋼線材を被覆して腐食防止を図る。
【0012】
なお、本発明は上記した例に限定されるものではなくいろいろな変形が可能である。例えば、複数のガイドを螺旋状に配置し、線材を複数巻き付けることが可能な巻付装置とすると、ガイド1本当たりのピッチは大きくても全体としての巻付けピッチは小さいものが得られ、大きな補強効果を得ることが可能となるほか、鋼線材の挿入が容易になる。また、鋼線材の線径を変化させることにより巻付装置のガイドのピッチを変えることなく補強効果を確保するなどの対応が可能である。ガイドは地上から上方へ向けて鋼線材を挿入するだけでなく、下方へ向けて挿入するようにしてもよく、工事車両の高さ位置から上方と下方へ向けてガイドを設けるようにすれば、鋼線ドラム3、鋼線挿入用プッシングマシンを工事車両に搭載したままの工事が可能である。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、巻付け鋼材をガイド治具を有する巻付けを使用し、鋼線材の挿入と同時に所定精度内に配置することができ、例えばPC鋼材のように相当硬い鋼材でも安全に設置することができる。特に、PC鋼材は太い鋼材を使用することにより、配置間隔を広くすることが可能であり、補強の強度を落とさず作業能率を上げることができる。また、巻付け装置の組み立て、撤去以外の作業はほとんど地上での作業となり、挿入巻付け中の作業で人手がほとんど不要となり、従来のような堅固な作業用足場が不要となるほか、作業員の転落、墜落といった労働災害の発生を無くして安全性の向上が図れ、また、巻付け作業にかかる時間が短縮されることから、工期短縮が可能となり、さらに足場の規模を大幅に縮小することができるため、工事費を大幅に削減することができ、経済的な施工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 人力により鋼線材を巻き付ける方法を説明する概念図である。
【図2】 巻き付け装置を柱周囲に対して周回させて巻き付ける方法を説明する概念図である。
【図3】 本発明の鋼線挿入巻き付け工法を説明する図である。
【図4】 本発明の鋼線挿入巻き付け装置の詳細及び挿入状況を説明する図である。
【図5】 本発明の挿入巻き付け装置の断面詳細図である。
【図6】 本発明の鋼線巻き付け及び装置分割状況を説明する図である。
【符号の説明】
1…既設柱、3…鋼線ドラム、4…鋼線材、10…鋼線挿入用プッシングマシン、20…鋼線挿入巻き付け装置、21…鋼線挿入口、22…装置支保工、23…分割接合部、24…鋼線挿入巻き付けガイド、24a…開口部。
Claims (1)
- 鋼線材挿入口を有し、巻付け対象である柱状構造物側が開口した螺旋状の巻付けガイドを備えた2つ以上のブロックに分割可能な巻付け装置を柱状構造物を囲むように設置する段階、
鋼線挿入用押し込み装置を使用して、前記鋼線材挿入口を通して巻付けガイドに鋼線材を押し込み挿入する段階、
鋼線材を挿入して巻付けガイドのピッチに鋼線材を配置した後、鋼線材に張力を付与し、鋼線材を巻付けガイドの開口から離脱させて柱状構造物に巻き付ける段階、及び
巻付け装置を分割して撤去する段階
からなる柱状構造物への線状鋼材巻き付け工法。
Priority Applications (1)
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- 1996-05-21 JP JP12588896A patent/JP3707749B2/ja not_active Expired - Fee Related
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