JP3707632B2 - 反射防止膜用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種放射線を用いるリソグラフィープロセスにおいて、下地基板からの反射による悪影響の低減に有効な反射防止膜を与え得る組成物ならびにそれを用いたレジストパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォトレジストは、半導体ウエファー、ガラス、セラミックもしくは金属等の基板上にスピン塗布法もしくはローラー塗布法で0.5〜2μmの厚みに塗布される。その後、加熱、乾燥し、露光マスクを介して回路パターン等を紫外線等の放射線による焼き付け、必要により露光後ベークを施してから現像して画像が形成される。
さらにこの画像をマスクとしてエッチングすることにより、基板上にパターン状の加工を施す事ができる。代表的な応用分野にはIC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、その他のフォトファブリケーション工程等がある。
【0003】
フォトレジストを用いた半導体の微細加工において、寸法の微細化に伴い基板面からの光反射の防止が重要課題になってきている。従来この目的には吸光剤入りフォトレジストが用いられてきたが、解像力を損なうという問題点があった。そこでフォトレジストと基板の間に反射防止膜(Bottom Anti-Reflective Coating、BARC)を設ける方法が広く検討されるようになってきた。反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が知られている。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とするのに対し、後者は特別の設備を必要としない点で有利とされ、数多くの検討が行われている。例えば特公平7−69611号公報記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶樹脂、吸光剤からなるもや、米国特許第5294680号明細書記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物からなるもの、特開平6−118631号公報記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号公報記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂からなるもの、特開平8−87115号公報記載のメチロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号公報記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
【0004】
有機系反射防止膜用材料として望まれる物性として、放射線に対して大きな吸光度を有すること、レジスト溶剤に不溶であること(レジスト層とのインターミキシングが起こらないこと)、塗布時または加熱乾燥時に反射防止膜用組成物から上塗りレジスト中への低分子拡散物が無いこと、レジストに比べて大きなドライエッチング速度を有すること等があり、それらは例えばProc.SPIE,Vol.2195,225-229(1994)にも記載されている。
【0005】
しかしながら上記の特許公報等に記載の化合物はこれらの要求全てを満たすものではなく、その改良が望まれていた。中でもドライエッチング速度に関しレジストに比較して十分速くエッチングできること、即ちエッチング選択比がとりやすい反射防止膜用材料が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、反射光防止効果が高く、レジスト層とのインターミキシングが起こらず、加熱乾燥時にレジスト中への拡散物がなく、レジストに比べて大きなドライエッチング速度を有する反射防止膜を与え得る反射防止膜用組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は,上記反射防止膜用組成物を用いたレジストパターンの形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的および利点は,下記一般式(1)、(2)および(3)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a)を構成成分とする高分子を吸光剤成分として含むことを特徴とするリソグラフィープロセスにおける反射防止膜用組成物および該反射防止膜用組成物を用いたレジストパタ−ンの形成方法により達成される。
【0008】
【化4】
【0009】
(上記式中,R1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し;R2およびR3は,同一または異って、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OHまたは−SHを表し;Xは2価の基を表し;P1およびP2は,同一または異って、炭素数5〜14の芳香族基を表し;Y1およびY2は,同一または異って,電子供与性基,ハロゲン原子原子を表し;mおよびnは,同一または異って,0〜3の整数を表し,mおよびnが各々2または3の場合、複数個のY1およびY2は,各々同一または異っていてもよく;Qは酸素原子、−CO−、イオウ原子、−NR’−(ここで,R’は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す)、単結合またはアルキレン基を表す。)
【0010】
本発明の反射防止膜用組成物の好ましい態様においては,それの吸光剤成分である上記高分子が上記繰り返し単位(a)を10重量%以上含有し,より好ましくはさらに下記一般式(4)で表される繰り返し単位を2重量%〜50重量%含有する。
【0011】
【化5】
【0012】
(上記式中、R7は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、ハロゲン原子またはシアノ基を表し、Aは末端に−CH2OH,−CH2OR4または−CH2OCOCH3で示される基を有する有機官能基を表す。ここで,R4は炭素数1〜20の炭化水素基である。)
【0013】
さらに,本発明の反射防止膜用組成物の別の好ましい態様においては,それの吸光剤成分である上記高分子が,繰り返し単位(a)を10重量%以上および下記一般式(5)で表される繰り返し単位を2重量%〜30重量%含有する。
【0014】
【化6】
【0015】
(上記一般式(5)中、R7は上記一般式(4)のR7と同義であり、Dは末端にエポキシ基を有する有機官能基を表す。)
【0016】
本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤成分である,繰り返し単位(a)を構成成分とする高分子は、吸光部が高分子側鎖に連結しているので加熱乾燥時にレジスト中への拡散物がなく、またその吸光部は十分大きな吸光係数を有しているので反射光防止効果が高く、また吸光部に含まれる芳香環等の環状炭素の含有率(重量分率)が小さいので、さらに吸光度を高める目的で吸光部の添加量を多くしてもドライエッチング速度の低下が少ない。
以下,本発明を詳述するが,それにより本発明の他の目的および利点が明らかとなるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤成分である高分子の繰り返し単位(a)を表す上記一般式(1),(2)および(3)のR1は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基またはハロゲン原子を表し、好ましくは水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子またはシアノ基を表し,さらに好ましくは水素原子またはメチル基である。
R2およびR3は,同一または異って、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基(炭化水素基はハロゲン原子または−OH基により置換されていてもよい)、炭素数1〜6のアルコキシ基、−OHまたは−SHを表し,好ましくは炭素数1〜6の炭化水素基、炭素数1〜4のアルコキシ基、−OH基である。
上記R2およびR3の好ましい具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基、n−ステアリル基を挙げることができ、ドライエッチング速度を低下させない観点から,メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基,n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の非環状の炭素数1〜6の炭化水素基、2−ヒドロキシエチル基、アリル基、2、3−ジクロロプロピル基、2、3−ジブロモプロピル基を特に好ましく挙げることができる。
【0018】
Xは2価の連結基を表し,好ましくは単結合、炭素数1〜6のアルキレン基,炭素数6〜14のアリーレン基または炭素数7〜15のアラルキレン基である。さらにこれらのいずれかの基に,−O−、−CO−、−NH−、−CO2−、−CONH−および−SO2−から選択される少なくとも1個の基が連結して形成される2価の基も好ましい。
好ましい具体例として下記のもを挙げることができる。
−C6H4−CH2−O−
−C6H4−SO3−
−C6H4−CH2−NH−
−C6H4−SO2NH−
−CONH−C6H4−CH2−O−
−CONH−C6H4−SO3−
−CONH−C6H4−CH2−NH−
−CONH−C6H4−SON2NH−
−COO−C6H4−CH2−O−
−COO−C6H4−SO3−
−COO−C6H4−CH2−NH−
−COO−C6H4−SO2NH−
−CO2CH2CH2CH(OH)CH2O−
【0019】
P1、P2は,同一または異って,炭素数5〜14の芳香族基である。該芳香族基はヘテロ原子をその芳香環内に含むことができる。そして該芳香族基は,好ましくは5〜14員環の,ヘテロ芳香環を包含する芳香環を基本骨格とする。該芳香環の具体例としては,ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスレン環等の炭化水素系芳香環;チオフェン環、フラン環、ピロール環、イミダゾイル環、イソチアゾイル環、ピラゾイル環、イソキサゾイル環、インドール環、インダゾール環等の酸素、窒素、イオウ原子を環内に有するヘテロ芳香環が挙げられる。ヘテロ芳香環の場合,膜屈折率を上げることができる観点からチオフェン環等イオウ原子を含むものが好ましい。特に好ましい芳香族基はフェニレン基、ナフチレン基およびアンスリレン基である。
【0020】
Y1およびY2は,同一または異って,電子供与性基,ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、沃素原子)を表す。電子供与性基とはハメットの置換基定数σpが負の値を示す基であり,好ましくは−OH、−OR4、−SR4、−NR5R6である。ここで,R4は炭素数1〜20の炭化水素基であり,ハロゲン原子または−OHにより置換されていてもよい。R5およびR6は,同一または異って,水素原子または炭素数が1〜20の炭化水素基である。またR5とR6は,−O−を介して互いに結合し,窒素原子を含んで環状構造を形成してもよい。
上記R4の好ましい具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基、n−ステアリル基を挙げることができ、ドライエッチング速度を低下させない観点から,メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基,n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の非環状の炭素数1〜6の炭化水素基、2−ヒドロキシエチル基、アリル基、2、3−ジクロロプロピル基、2、3−ジブロモプロピル基を特に好ましく挙げることができる。
【0021】
上記R5およびR6の好ましい具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基、n−ステアリル基、アリル基等を挙げることができ,なかでもメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基がより好ましい。また−NR6R7がモルホリノ基であるものも好適である。
mおよびnは,同一または異って,0〜3の整数であり,mおよびnが各々2または3の場合、複数個のY1 およびY2 は,各々同一または異っていてもよい。
Qは酸素原子、−CO−、イオウ原子、−NR’−、単結合、アルキレン基を表す。ここで,上記R’は,水素原子または炭素数1〜20のアルキル基である。
【0022】
本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤成分である上記高分子は,繰り返し単位(a)以外に上記式(4)および/または(5)で表される繰り返し単位を含有することが好ましい。
これらの式において、R7は水素原子、メチル基、塩素原子、臭素原子、シアノ基を表し、Aは末端に−CH2OH、−CH2OR4または−CH2OCOCH3で示される基を有する有機官能基を表す。ここで,R4は炭素数1〜20の炭化水素基であり,その具体例は,前記一般式(1)〜(3)のY1およびY2におけるR4の炭化水素基についての具体例がそのまま適用され得る。
好ましいAの具体例は,−CONHCH2OH、−CONHCH2OCH3、−C6H4CH2OH、−C6H4CH2OCH3、または−CONHC(CH3)2CH2COCH3で示される基にホルマリンを反応させて生成する有機官能基である。Bは末端に−CO2H基を有する有機官能基を表し,好ましくは−CO2Hまたは−C6H4CO2Hである。Dは末端にエポキシ基を有する有機官能基を表し,好ましい具体例として下記のものを挙げることができる。
【0023】
【化7】
【0024】
本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤成分である,一般式(1)〜(3)で表される繰り返し単位を含有する上記高分子は、反射防止膜に含まれる吸光性基について高い吸光度を有しているため大きなドライエッチング速度を実現でき、また特にイオウ原子を導入した化合物は高屈折率を有し、膜の光消衰係数を高めるので特に有利である。
【0025】
また、本発明の高分子は下記一般式で表される繰り返し単位を2〜30重量%を共重合してもよい。
【0026】
【化8】
【0027】
(式中、R7 は上記一般式(4)のR7 と同義であり、Bは末端に−CO2H基を有する有機官能基を表わす。)
【0028】
本発明の上記高分子は、一般式(1)〜(5)で表される繰り返し単位以外に非架橋性のモノマーに由来する繰り返し単位を共重合することにより含有することが可能であり、これによりドライエッチング速度、反射率等の微調整ができる。
このような共重合モノマーとしては以下のものが挙げられる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類などから選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物である。具体的には、例えばアクリル酸エステル類、例えばアルキル(アルキル基の炭素数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、など)アリールアクリレート(例えばフェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレートなど);
【0029】
メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(アルキル基の炭素数は1〜10のものが好ましい)メタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレートなど);アクリルアミド類、例えば、アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、(アルキル基としては、炭素数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、ヒドロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては、炭素数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル基などがある。)、N,N−アリールアクリルアミド(アリール基としては、例えばフェニル基などがある。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミドなど;メタクリルアミド類、例えば、メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、炭素数1〜10のもの、例えば、メチル基、エチル基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルアミド(アリール基としては、フェニル基などがある。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど;アリル化合物、例えば、アリルエステル類(例えば、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど;
【0030】
ビニルエーテル類、例えば、アルキルビニルエーテル(例えば、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルなど);ビニルエステル類、例えば、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、安息香酸ビニル、サルチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニルなど;
【0031】
スチレン類、例えば、スチレン、アルキルスチレン(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えば、クロルスチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テトラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオルスチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリフルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオルメチルスチレンなど)、ヒドロキシスチレン(例えば、4−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ−3−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルスチレン、4−ヒドロキシ−3−メトキシスチレン、4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシベンジル)スチレンなど)、カルボキシスチレン;クロトン酸エステル類、例えば、クロトン酸アルキル(例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートなど);イタコン酸ジアルキル類(例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど);マレイン酸あるいはフマール酸のジアルキルエステル類(例えば、ジメチルマレレート、ジブチルフマレートなど)又はモノアルキルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル等がある。その他、一般的には前記一般式(1)〜(5)表される繰り返し単位を与え得る付加重合性モノマ−と共重合可能である付加重合性不飽和化合物であればよい。
【0032】
本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤成分である上記高分子を構成する繰り返し単位(a)が該高分子中に占める割合は,好ましくは10重量%以上,より好ましくは10〜99重量%、さらに好ましくは30〜97重量%、最も好ましくは50〜95重量%である。
以下に本発明の組成物に用いられる上記高分子の具体例を示すが、本発明の内容がこれらに限定されるものではない。
【0033】
【化4】
【0034】
【化10】
【0035】
【化11】
【0036】
本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤である高分子(共重合体)は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等の方法により合成することができる。その形態は溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等種々の方法が可能である。
【0037】
上記高分子の分子量は、使用する塗布溶剤、要求される溶液粘度、要求される膜形状等により変るが、重量平均として,通常1000〜1000000、好ましくは2000〜300000、さらに好ましくは3000〜200000である。
【0038】
本発明の反射防止膜用組成物は、必要に応じて上記高分子以外の吸光剤、接着助剤、界面活性剤を併用して該反射防止膜用組成物が調製される。
【0039】
上記高分子以外の吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や、染料便覧(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Disperse Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124、C.I.Desperse Orange 1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73、C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210、C.I.Disperse Violet 43、C.I.Disperse Blue 96、C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163、C.I.SolventOrenge2及び45、C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49、C.I.Pigment Green 10、C.I.Pigment Brown 2等を好適に用いることができる。吸光剤は通常、反射防止膜用組成物の吸光剤成分である上記高分子100重量部に対し、30重量部以下、好ましくは20重量部以下の割合で配合される。
【0040】
接着助剤は、主に、基板あるいはレジストと反射防止膜との密着性を向上させ、特にエッチング工程においてレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’ービス(トリメチルシリン)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2ーメルカプトベンズイミダゾール、2ーメルカプトベンズチアゾール、2ーメルカプトベンズオキサゾール、ウラゾールチオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環状化合物や、1,1ージメチルウレア、1,3ージメチルウレア等の尿素、又はチオ尿素化合物を挙げることができる。
【0041】
これらの接着助剤は、本発明の反射防止膜用組成物の吸光剤成分である上記高分子100重量部に対し、通常10重量部未満、好ましくは5重量部未満の割合で配合される。
【0042】
本発明では,反射防止膜用組成物にストリエーシヨン等の塗布性を更に向上させる目的で、界面活性剤を配合する事ができる。
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガフアツクF171,F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710,サーフロンSー382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフツ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の内、特にフッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤が好ましい。これらの界面活性剤の配合量は、反射防止膜用組成物中の固形分100重量部当たり、通常、2重量部以下、好ましくは1重量部以下である。
【0043】
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
【0044】
本発明の反射防止膜用組成物を溶解させる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2ーヒドロキシプロピオン酸エチル、2ーヒドロキシー2ーメチルプロピオン酸エチル、エトシキ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2ーヒドロキシー3ーメチルブタン酸メチル、3ーメトキシプロピオン酸メチル、3ーメトキシプロピオン酸エチル、3ーエトキシプロピオン酸エチル、3ーエトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、又は2種以上の組み合わせで使用される。
更に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。
【0045】
これらの溶剤の中でシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルがレジストとのインターミキシングを一層防止できる点で好ましい。
【0046】
本発明において、反射防止膜の上に塗布されるレジストとしては,ネガ,ポジ型いずれも使用出来るが,ノボラック樹脂と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルからなるポジ型レジスト、光酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーからなる化学増幅型レジスト,もしくはアルカリ可溶性バインダーと光酸発生剤と酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物からなる化学増幅型レジスト,もしくは光酸発生剤と酸により分解してアルカリ溶解速度を上昇させる基を有するバインダーと酸により分解してレジストのアルカリ溶解速度を上昇させる低分子化合物からなる化学増幅型レジストがあり例えば富士ハントマイクロエレクトロニクス社製FHi−620BC,ARCH−2が挙げられる。
【0047】
本発明では,反射防止膜用組成物を使用したポジ型フオトレジスト組成物の現像液として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジーn−プチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン類、等のアルカリ類の水溶液を使用することができる。更に、上記アルカリ類の水溶液にイソプロピルアルコール等のアルコール類、ゾニオン系等の界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
【0048】
これらの現像液の中で好ましくは第四アンモニウム塩、更に好ましくは、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド、コリンである。
【0049】
上記反射防止膜用組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン皮覆、ガラス基板、ITO基板等の透明基板等)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法による塗布後ベークして反射防止膜用組成物を硬化させ反射防止膜を作成する。ここで、反射防止膜の膜厚としては0.01〜3.0μmが好ましい。また塗布後ベークする条件としては80〜250℃で1〜120分間である。その後、フォトレジストを塗布、その後所定のマスクを通して、露光し、現像、リンス、乾燥することにより良好なレジストを得ることができる。必要に応じて露光後加熱(PEB:PostExposure Bake)を行うこともできる。
【0050】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
4、4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン32.4gをメタノール160mlに溶解させた後、ヒドロキシルアミン塩酸塩20gを添加した。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム18gを蒸留水50mlに溶解)を滴下した後、3時間加熱還流下反応させた。反応液に蒸留水400mlを添加し析出した結晶を濾過により回収した。収率91%
上記結晶6.8gをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた後、クロルメチルスチレン3.1gを添加した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.9gを滴下した。50℃で4時間反応させた後、蒸留水50mlを添加し、析出した粗結晶を濾過により集めた。粗結晶はエタノール−水にて再結晶した。収率63%。λmax341nm(メタノール)
【0051】
合成例2
4、4’−ジヒドロキシベンゾフェノン21.4gをメタノール160mlに溶解させた後、ヒドロキシルアミン塩酸塩20gを添加した。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム18gを蒸留水50mlに溶解)を滴下した後、3時間加熱還流下反応させた。反応液に蒸留水400mlを添加し析出した結晶を濾過により回収した。収率72%
上記結晶6.8gをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた後、クロルメチルスチレン3.1gを添加した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.9gを滴下した。50℃で4時間反応させた後、蒸留水50mlを添加し、析出した粗結晶を濾過により集めた。粗結晶はエタノール−水にて再結晶した。収率63%。λmax321nm(メタノール)
【0052】
合成例3
2,4−ジエチル−9H−チオキサンテン−9−オン27.0gをメタノール240mlに溶解させた後、ヒドロキシルアミン塩酸塩6.9gを添加した。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム4gを蒸留水30mlに溶解)を滴下した後、3時間加熱還流下反応させた。反応液に蒸留水400mlを添加し析出した結晶を濾過により回収した。収率59%
上記結晶6.8gをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた後、クロルメチルスチレン3.1gを添加した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.9gを滴下した。50℃で4時間反応させた後、蒸留水50mlを添加し、析出した粗結晶を濾過により集めた。粗結晶はエタノール−水にて再結晶した。収率71%。
【0053】
合成例4
N−メチル−9−アクリドン21.0gをメタノール240mlに溶解させた後、ヒドロキシルアミン塩酸塩6.9gを添加した。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム4gを蒸留水30mlに溶解)を滴下した後、3時間加熱還流下反応させた。反応液に蒸留水400mlを添加し析出した結晶を濾過により回収した。収率47%
上記結晶6.8gをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた後、クロルメチルスチレン3.1gを添加した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.9gを滴下した。50℃で4時間反応させた後、蒸留水50mlを添加し、析出した粗結晶を濾過により集めた。粗結晶はエタノール−水にて再結晶した。収率71%。
【0054】
合成例5
ベンゾインメチルエーテル20.0gをメタノール160mlに溶解させた後、ヒドロキシルアミン塩酸塩20gを添加した。水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム18gを蒸留水50mlに溶解)を滴下した後、3時間加熱還流下反応させた。反応液に蒸留水400mlを添加し析出した結晶を濾過により回収した。収率43%。
上記結晶6.8gをN,N−ジメチルホルムアミド30mlに溶解させた後、クロルスルホニルスチレン3.6gを添加した後、ナトリウムメトキシド28%溶液2.9gを滴下した。5℃で6時間反応させた後、蒸留水50mlを添加し、析出した粗結晶を濾過により集めた。粗結晶はエタノール−水にて再結晶した。収率28%。
【0055】
合成例6
上記合成例1で得られたモノマー18gとN−メチロールアクリルアミド2gをDMF60gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品) 50mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は7400であった。
【0056】
合成例7
上記合成例2で得られたモノマー12g、メチルメタクリレート5gとN−メチロールアクリルアミド3gをDMF60gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)50mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は20500であった。
【0057】
合成例8
上記合成例3で得られたモノマー12g、メチルメタクリレート5gとN−メチロールアクリルアミド3gをDMF60gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)50mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は20500であった。
【0058】
合成例9
上記合成例4で得られたモノマー12g、t−ブチルメタクリレート5gとN−メチロールアクリルアミド3gをメタノール120gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)50mgを2時間ごとに3回添加した。硫酸0.1gを添加した後、室温で2時間撹拌した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6000であった。
【0059】
合成例10
合成例5で得られたモノマー12g、アクリロニトリル5gとジアセトンアクリルアミド3gをメタノール120gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)50mgを2時間ごとに3回添加した。そこにホルマリン水溶液4gとテトラメチルアンモニウムヒドロキシド4gを添加した後、4時間撹拌した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は4000であった。
【0060】
比較例1の合成1
4’-(3-メチル-4-メトキシシンナモイル)フェニルアクリレート18gとメタクリル酸4.5gとメタクリル酸グリシジル9gをDMF60gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品)50mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は9000であった。
【0061】
比較例2の合成
9−ヒドロキシメチルアントラセン208g、トリエチルアミン101gとハイドロキノン1gをDMF1lに溶解させた。そこに塩化アクリロイル90gを反応液液温が30℃を超えないようにして2時間かけて滴下した。蒸留水2lを添加し、析出した粗結晶を濾過により集めた。粗結晶はエタノール−水にて再結晶した。収率75%。
得られたアクリルモノマー7gとメチルアクリレート12gをDMF60gに溶解させた後、反応液を65℃に加温し、同時に反応液中に窒素を30分ながした。重合開始剤としてV−65(和光純薬(株)製品) 50mgを2時間ごとに3回添加した。反応物は蒸留水1l中に再沈することにより粉体として回収した。得られたポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は4000であった。
【0062】
実施例1
合成例5〜8で得た高分子化合物10gをプロピオン酸エトキシエチルに溶解させ10%溶液とした後、孔径0.10μmのテフロン製ミクロフィルターを用いて濾過し、反射防止膜溶液を調製した。これをスピナーを用い、シリコンウエファー上に塗布した。真空密着式ホットプレート上で170℃3分間加熱し、反射防止膜を形成した。
上記反射防止膜の膜厚は全て0.17μmにそろえた。ついでこれらの反射防止膜をレジストに使用する塗布溶剤例えばγ−ブチロラクトン、プロピオン酸エトキシエチルに浸漬し、その溶剤に不溶である事を確認した。
【0063】
得られた反射防止膜上にポジ型フォトレジストとしてFHi−620BC(フジハントエレクトロニクステクノロジー(株)製品)を塗布した後(レジスト膜厚0.85μm)、縮小投影露光装置(ニコン(株)製NSR−2005i9C)を用い露光した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像し、30秒間乾燥した。このようにして得られたシリコンウエファー上のレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察して、限界解像力および膜厚依存性を調べた。また365nmの膜吸光度とドライエッチ速度も評価した。ここで、365nmの吸光度は石英板上に反射防止膜用組成物を塗布、加熱乾燥して膜を形成し、それを(株)島津製作所性分光光度計UV−240により測定した。
限界解像力は膜厚0.85μmにおいて、0.50μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像力を意味する。膜厚依存性はレジスト膜厚0.85μmにおける解像力と膜厚0.87μmにおける解像力の比により評価した。この値が1.0に近い程好ましい。
ドライエッチ速度は日本真空技術(株)製CSE−1110によりCF4/O2条件下で測定した。
【0064】
評価の結果を表1に示した。これにより本発明の反射防止膜用組成物から形成される反射防止膜は膜吸光度が高く、フォトレジストの限界解像力を向上させ、さらに基板からの反射光低減による定在波起因の感度の膜厚依存性を減少させることがわかる。
【0065】
【表1】
【0066】
実施例2
合成例10、11で得たポリマー10gをプロピオン酸エトキシエチルに溶解させ10%溶液とした後、孔径0.10μmのテフロン製ミクロフィルターを用いて濾過し、反射防止膜溶液を調製した。これをスピナーを用い、シリコンウエファー上に塗布した。真空密着式ホットプレート上で170℃3分間加熱し、反射防止膜を形成した。同様にして比較例の化合物からも反射防止膜を形成した。これら反射防止膜の膜厚は0.17μmである。
なお比較例2の反射防止膜用組成物には、架橋剤として、ヘキサメトキシメチルメラミン3gを添加した。
【0067】
次いでこの反射防止膜をレジストに使用する溶剤であるγ−ブチロラクトンおよびプロピオン酸エトキシエチルに浸漬し、これらの溶剤に不溶である事を確認した。
【0068】
得られた反射防止膜上にKrFエキシマーレーザー用ポジ型フォトレジストとしてARCH−2(フジハントエレクトロニクステクノロジー(株)製品)を塗布した後(膜厚0.85μm)、縮小投影露光装置(ニコン(株)製NSR−2005i9C)を用い露光した後、露光後加熱として、110℃で60秒処理した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像し、30秒間乾燥した。このようにして得られたシリコンウエファー上のレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察して、限界解像力および膜厚依存性を調べた。また248nmの膜吸光度とドライエッチ速度も評価した。
ここで、248nmの吸光度は石英板上に反射防止膜用組成物を塗布、加熱乾燥して膜を形成し、それを(株)島津製作所性分光光度計UV−240により測定した。
限界解像力は膜厚0.85μmにおいて、0.50μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像力を意味する。膜厚依存性はレジスト膜厚0.85μmにおける解像力と膜厚0.87μmにおける解像力の比により評価した。この値が1.0に近い程好ましい。
ドライエッチ速度は日本真空技術(株)製CSE−1110によりCF4/O2条件下で測定した。
【0069】
評価の結果を表2に示した。これにより本発明の反射防止膜用組成物から形成される反射防止膜は膜吸光度が高く、フォトレジストの限界解像力を向上させ、さらに基板からの反射光低減による定在波起因の感度の膜厚依存性を減少させることがわかる。また環状構造の架橋剤を後添加した比較例2に比べると、それを用いない本発明の合成例10および11の方がドライエッチ速度に優れることがわかる。
【0070】
【表2】
【0071】
【発明の効果】
本発明の反射防止膜用組成物およびそれを用いたレジストパタ−ン形成法は、特定の構造の吸光性基を側鎖に有する高分子を該組成物の成分として含有するので、解像力およびレジスト膜厚依存性に優れ、特にドライエッチング速度に優れる。
Claims (6)
- 下記一般式(1)、(2)および(3)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位(a)を構成成分とする高分子を吸光剤成分として含むことを特徴とするリソグラフィープロセスにおける反射防止膜用組成物。
- 上記一般式(1),(2)および(3)において、Yが−OH、−OR4、−NR5R6、または−SR4である(ここで,R4は,炭素数1〜20の炭化水素基を表し;R5およびR6は,同一または異って,水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基を表す),請求項1記載のリソグラフィープロセスにおける反射防止膜用組成物。
- 上記一般式(4)のAが,−CONHCH2OH、−CONHCH2OCH3、−C6H4CH2OH、−C6H4CH2OCH3または−CONHC(CH3)2CH2COCH3で示される基にホルマリンを反応させて生成する有機官能基である,請求項3記載のリソグラフィープロセスにおける反射防止膜用組成物。
- 上記請求項1〜5のいずれかに記載のリソグラフィープロセスにおける反射防止膜用組成物を用いることを特徴とするレジストパタ−ンの形成方法。
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