JP3707459B2 - 発信元情報表示機能付き電話装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話機親機と、それに接続可能な複数の電話機子機とを備える発信元情報表示機能付き電話装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、公衆電話回線に接続された、いわゆるコードレス電話機には、携帯可能な複数の子機が付属されている。このような電話機においては、ナンバーディスプレイ機能として、親機の表示部に相手先の電話番号を表示するものがある。
【0003】
最近では、子機の表示部にも、相手先の電話番号を表示する電話機がある(たとえば特開2001−245041号公報参照)。この電話機では、外線を通じて着信信号が親機に到達すると、親機から子機に対して、相手先の電話番号や着信日付等がデータとして送られる。
【0004】
図8は、親機と子機とのコマンドのやり取りの一例を示す概略フローシーケンス図である。たとえば、親機において、外線着信があると、親機は、子機からのキャリアがないことを確認した上で、子機と接続するために、通話チャネルを設定するための通話チャネル指定コマンドを子機に送る。子機は、親機から送られた通話チャネル指定コマンドを受信すると、当該通話チャネルを了解する場合、その応答として通話チャネル了解コマンドを親機に送り返す。
【0005】
親機は、上記子機から通話チャネル了解コマンドを受け取ると、通話チャネルを決定するための通話チャネル決定コマンドを子機に送る。この場合、通話チャネル決定コマンドには、相手先の電話番号等のデータが含まれる。これによって、子機では相手先の電話番号を表示部等に表示させることができる。その後、親機は、ベル鳴動指令コマンドを子機に送り、これに応じて、子機ではベル(呼出音)が鳴動される。
【0006】
図9および図10は、上記の場合における親機および子機の動作タイミングチャートを示す図であり、子機が4台ある場合を示している。
【0007】
まず、親機は、公衆電話回線を通じて着信がある場合、子機からのキャリアがあるか否かを検出する受信制御処理(M31)を行う。次いで、親機は、子機からのキャリアがない場合、通話チャネルを設定するための送信制御処理として、子機に対して通話チャネル指定コマンドを送出する(M32〜M37)。この場合、親機は、それに備えられた送信アンプをオンにし、キャリアを送出するとともに、複数の通話チャネル指定コマンドを適当なタイミングで各子機に送出する。これらの通話チャネル指定コマンドは、各子機の全てから通話チャネル了解コマンドが送り返されるまで繰り返し送出される。
【0008】
図9および図10に示すタイミングチャートでは、一番目の通話チャネル指定コマンド(M32)に対しては子機からの通話チャネル了解コマンドによる返答がなく、二番目の通話チャネル指定コマンド(M33)に対して第2の子機からの返答がある場合を示している。
【0009】
各子機は、通話チャネル指定コマンドに対する応答として通話チャネル了解コマンドを送り返す。具体的には、たとえば、第2の子機が通話チャネル指定コマンド(M33)を受信したとすると、それに含まれる通話チャネルを抽出する受信制御処理を行う(C31)。そして、第2の子機は、その通話チャネルを了解する場合には、それに備えられた送信アンプをオンしてキャリアを送出するとともに(C32)、通話チャネル了解コマンドを送出する(C33)。通話チャネル了解コマンドを送出した後は、送信アンプをオフにしてキャリアの送出を終える(C34)。なお、図中、太枠線で囲んだ範囲は、子機によってキャリアが送出されたことを示す。
【0010】
一方、第3の子機では、第2の子機が了解コマンドを送出している間に、次の通話チャネル指定コマンド(M34)を受信したとすると、受信制御処理を行う(C35)。そして、その後、第3の子機は、第2の子機における制御と同様に、送信アンプをオンしてキャリアを送出するとともに(C36)、通話チャネル了解コマンドを送出する(C37)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、第2の子機が通話チャネル了解コマンドを送出し終え、その後、第3の子機が通話チャネル了解コマンドを送出するとき、いずれの子機からもキャリアが送出されない時間帯(図9のT参照)が生じる。このとき、たとえば、これらの子機を管理する親機以外の他の親機から通話チャネル指定コマンドが送出されることがある。すなわち、この電話機の使用されている場所がマンション等の集合住宅の場合、隣の家にある他の親機が外線着信し、その他の親機が管理する子機に対して、通話チャネル指定コマンドが送出される。
【0012】
ところが、そのコマンドをたとえば第3の子機が、上記キャリアが送出されない時間帯に誤って受信してしまうことがあり、本来通信すべき親機と子機とのコマンドのやり取りが適切にできないといった問題点があった。なお、いずれの子機からもキャリアが送出されない時間帯は、第3の子機が通話チャネル了解コマンドを送出し終え、第4の子機が通話チャネル了解コマンドを送出しようとするとき、あるいは第4の子機が通話チャネル了解コマンドを送出し終え、第1の子機が通話チャネル了解コマンドを送出しようとするとき(図10のT参照)にも生じる。
【0013】
また、親機は、全ての子機から通話チャネル了解コマンドを送り返されると、図10に示すように、通話チャネル決定コマンドを送出する(M38〜M40)。一方、子機は、この通話チャネル決定コマンドを受信して、通話チャネルに切り換える等の通話制御処理を行う(C38)。しかしながら、親機が通話チャネル決定コマンドを送出している間は、子機はキャリアを送出していない。そのため、この場合にも、他の親機から通話チャネル決定コマンドが送出され、いずれかの子機が他の親機からの通話チャネル決定コマンドを誤って受信してしまうことがある。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑みて提案されたものであって、親機から子機に対して特定のコマンドが送出されるとき、他の親機からの他のコマンドを誤って受信することを防止し、正確に発信元情報表示機能を実現することのできる発信元情報表示機能付き電話装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明の発信元情報表示機能付き電話装置は、回線を通じて相手先と通信可能な親機と、この親機との間でキャリアを送出しつつ互いにコマンド信号をやり取りすることにより上記親機との通話チャネルを確立する複数の子機とを備える発信元情報表示機能付き電話装置であって、上記コマンド信号は、上記親機が通話チャネルを確立するための送信シーケンスを開始する際、当該親機から上記子機に送出される通話チャネルを設定するための通話チャネル指定コマンドと、上記通話チャネル指定コマンドに基づき上記子機から上記親機に返信される通話チャネル了解コマンドと、上記通話チャネル了解コマンドに基づき上記親機から上記子機に送出される相手先の発信元情報のデータを含む通話チャネルを決定するための通話チャネル決定コマンドからなり、上記親機は、上記子機に対して上記通話チャネル指定コマンドおよび上記通話チャネル決定コマンドを送出する第1の送出手段を有し、上記各子機は、上記親機に対して上記通話チャネル了解コマンドを送出する応答信号返信手段と、上記応答信号返信手段により上記通話チャネル了解コマンドを返信したときと上記通話チャネル決定コマンドを受信したときにキャリアを所定時間送出する第2の送出手段と、上記通話チャネル決定コマンドを受信し、上記第2の送出手段からの所定時間のキャリア送出がなされたとき、当該通話チャネル決定コマンドに基づく通話チャネルに切り替えて通話チャネルを確立するチャネル切替手段をそれぞれ有し、各子機の第2の送出手段が上記通話チャネル了解コマンドを返信したときと上記通話チャネル決定コマンドを受信したときにキャリアを所定時間送出することで、上記親機に最初の子機が上記通話チャネル了解コマンドを送信してから最後の子機が上記通話チャネル了解コマンドを送信するまでの期間と上記親機が上記チャネル決定コマンドを送信している期間でそれぞれ上記キャリアが時間的に途切れることがないようにしたことを特徴としている。
【0016】
このような発信元情報表示機能付き電話装置によれば、各子機は、親機との通話チャネルを確立するための送信シーケンスが開始された状態になった後、親機からの通話チャネル指定コマンドに対して通話チャネル了解コマンドを返信したときと通話チャネル決定コ マンドを受信したときにキャリアを所定時間継続的に送出するので、親機に最初の子機が通話チャネル了解コマンドを送信してから最後の子機が通話チャネル了解コマンドを送信するまでの期間と親機がチャネル決定コマンドを送信している期間の両期間でキャリアが送出されない時間帯をなくすことができる。そのため、親機から通話チャネル指定コマンドとチャネル決定コマンドとが送られるとき、他の親機は、子機からキャリアが送出されているため、送信シーケンスを開始することができず、他のコマンド信号を送出することができなくなる。したがって、子機は、通話チャネルを確立時に親機から送出される相手先の発信元情報のデータを含む他の親機からの他のコマンド信号を誤って受信することを防止することができ、信頼性の高い発信元情報表示機能付き電話装置を提供することができる。
【0017】
なお、通話チャネル指定コマンドに対して通話チャネル了解コマンドを返信したときのキャリアを送出する所定時間は、次の子機がキャリアを送出するときまでの時間に設定するとよい。また、通話チャネル決定コマンドを受信したときのキャリアを送出する所定時間は、親機が通話チャネル決定コマンドを送出し終えるまでの時間に設定するとよい。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
また、請求項に記載した発明の発信元情報表示機能付き電話装置は、請求項に記載の発信元情報表示機能付き電話装置であって、上記相手先からの発信元情報には、上記相手先の電話番号が含まれる。
【0024】
このような発信元情報表示機能付き電話装置によれば、請求項に記載の発信元情報表示機能付き電話装置による効果に加え、相手先からの発信元情報には、相手先の電話番号が含まれるので、いわゆるナンバーディスプレイ機能を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る電話装置の一例を示す概略ブロック構成図である。この電話装置は、ファクシミリ装置からなる親機1と、この親機1に無線によって通信可能な複数の子機2(本実施形態では4台)とを備えて構成されている。
【0027】
親機1は、図示されていないが、たとえばインクジェット方式の印刷機能、画像読取機能(スキャナ機能)、および画像の通信機能等の各機能を複合的に備えたものである。親機1は、たとえばファクシミリデータを送信するときには、画像読取機能を用いて原稿を読み取り、読み取った原稿データを通信機能によって送り先に送信する。また、通信機能によってファクシミリデータを受信したときには、印刷機能を用いてファクシミリデータの内容を所定の記録用紙に印字する。なお、この親機1は、たとえばパーソナルコンピュータに接続された状態で独立した形で印刷装置やスキャナとして利用することもできる。また、印刷機能と画像読取機能とを連動させることで、コピー機として利用することもできる。
【0028】
親機1は、CPU10、NCU11、RAM12、モデム13、ROM14、NVRAM(不揮発性RAM:Non-Volatile RAM)15、ゲートアレイ16、コーデック17およびDMAC18を備え、それらは、バス19により相互に接続されている。バス19には、アドレスバス、データバスおよび制御信号線が含まれる。また、この親機1では、ゲートアレイ16に、読取部21、印刷部22、操作部23、表示部24および無線通信部25が接続されて具備されている。NCU11には、公衆電話回線28(以下、「外線28」という)が接続されている。また、親機1には、図示しないマイクロフォンやスピーカを内蔵したハンドセットが接続されている。
【0029】
CPU10は、親機1全体の動作を制御するものである。NCU11は、外線28に接続されることにより網制御を行うものである。RAM12は、CPU10の作業領域等を提供するものである。モデム13は、音声データやファクシミリデータの変調や復調等を行うものである。ROM14は、CPU10が実行すべきプログラム等を記憶するものである。NVRAM15は、データや各種の情報を記憶するものである。
【0030】
ゲートアレイ16は、CPU10と各部21〜25とのインターフェイスとして機能するものである。コーデック17は、音声信号やファクシミリデータ等の符号化や復号化を行うものである。DMAC18は、主にRAM12へのデータの書き込みや読み出しを行うものである。
【0031】
読取部21は、たとえばイメージセンサ、LED光源、および原稿送りモータ(いずれも図示せず)等を備え、CPU10の制御に応じてファクシミリ原稿等からイメージ画像を読み取るものである。
【0032】
印刷部22は、感熱方式等により文字や図形等の画像をモノクロまたはカラーで印刷するものである。
【0033】
操作部23は、図2に示すように、ダイヤルキー23A、ジョグダイヤルキー23B、その他の操作キー等を備え、ユーザのキー操作による入力信号をCPU10に伝えるものである。
【0034】
表示部24は、同じく図2に示すように、たとえば液晶ディスプレイパネル24Aを備え、この液晶ディスプレイパネル24Aに動作状態や操作ガイダンス等を表示するものである。
【0035】
無線通信部25は、図示しないアンテナを備え、制御チャネルや通話チャネルを用いて各子機2との間で音声信号や各種のデータのやり取りを行う。また、無線通信部25は、キャリアを送出するための図示しない送信アンプを備えている。
【0036】
子機2は、たとえば住宅内において親機1が設置された部屋とは異なる部屋等に仮設置される。子機2は、図1に示すように、CPU30、RAM31、ROM32、NVRAM34、およびゲートアレイ35等が備えられ、これらは互いにバス36によって接続されている。このゲートアレイ35には、操作部41、表示部42、および無線通信部43が接続されている。
【0037】
CPU30は、子機2の全体動作を制御するものである。RAM31は、CPU30の作業領域等を提供するものである。ROM32は、CPU30が実行すべきプログラム等を記憶するものである。NVRAM34は、データや各種の情報を記憶するものである。ゲートアレイ35は、CPU30と各部41〜43とのインターフェースとして機能するものである。
【0038】
操作部41は、図3に示すように、ダイヤルキー41A、セレクトキー41Bおよびその他の操作キー等を備え、ユーザの操作に応じた入力信号をCPU30に伝えるものである。
【0039】
表示部42は、同じく図3に示すように、たとえば液晶ディスプレイパネル42Aを備え、この液晶ディスプレイパネル42Aに動作状態や操作ガイダンス等を表示するものである。
【0040】
無線通信部43は、図示しないアンテナを備え、制御チャネルや通話チャネルを用いて親機1や他の子機2との間で音声信号や各種のデータのやり取りを行う。無線通信部43は、キャリアを送出するための図示しない送信アンプを備えている。また、無線通信部43には、図3に示すように、スピーカ43Aおよびマイクロフォン43Bが接続されている。これらにより、親機1や他の子機2との間で通話が可能なようにされている。なお、その他の子機2も同様の構成とされる。
【0041】
ここで、本実施形態の特徴は、各子機2が、親機1から通話チャネル指定コマンドといったコマンドが送られるとき、子機2から親機1に対して送出されるキャリアが時間的に途切れることのないようにそれを継続的に送出するようにそれぞれ制御される点にある。このようにすれば、各子機2同士でキャリアが送出されない時間帯をなくすことができ、親機1から子機2に対して特定のコマンドが送出されるとき、たとえば他の親機から他のコマンドを送出することはできなくなるため、各子機2はそれを誤って受信することもない。
【0042】
図4ないし図6は、親機1および子機2の動作タイミングチャートの一例を示す図である。
【0043】
まず、親機1は、外線28を介して着信があると、その着信信号を受信するとともに、受信制御処理を行う(M1)。具体的には、親機1は、子機2からのキャリアがあるか否かを検出する。次いで、親機1は、子機2からのキャリアがないと判別した場合、各子機2と共有して用いられる通話チャネルを設定する送信制御処理を行う(M2)。そして、無線通信部25に設けられた図示しない送信アンプをオンにする(M3)。この送信アンプのオンにより、キャリアが送出される状態となる。次に、親機1は、適当なタイミングで複数の通話チャネル指定コマンドを上記キャリアに重畳させて各子機2に対して一斉に送出する(M4〜M9)。これらの通話チャネル指定コマンドは、各子機2の全てからの通話チャネル了解コマンドが送り返されるまで繰り返し送出される。
【0044】
同図に示すタイミングチャートでは、図9に示したタイミングチャートと同様に、一番目の通話チャネル指定コマンド(M4)に対しては子機2からの通話チャネル了解コマンドによる返答がなく、二番目の通話チャネル指定コマンド(M5)に対して第2の子機2からの返答がある場合を示している。
【0045】
各子機2は、通話チャネル指定コマンドに対する応答として通話チャネル了解コマンドを送り返す。具体的には、たとえば第2の子機2では、親機1からの通話チャネル指定コマンド(M5)を受信したとすると、それに含まれる通話チャネルを抽出する受信制御処理を行う(C1)。そして、その通話チャネルを了解する場合には、無線通信部43に設けられた図示しない送信アンプをオンしてキャリアを送出するとともに(C2)、通話チャネル了解コマンドを親機1に対して送出する(C3)。通話チャネル了解コマンドを送出した後は、キャリアを出し続けるために、所定時間(たとえば90msec)待機し(C4)、その後、送信アンプをオフにしてキャリアの送出を終える(C5)。なお、図中、太枠線で囲んだ範囲は、子機2によってキャリアが送出されたことを示す。
【0046】
一方、第3の子機2では、第2の子機2が通話チャネル了解コマンドを送出している間に、次の通話チャネル指定コマンド(M6)を受信したとすると、受信制御処理を行う(C6)。そして、その後、第2の子機2における制御と同様に、通話チャネル了解コマンドを送出するための送信アンプをオンにして(C7)、キャリアを送出するとともに、通話チャネル了解コマンドを送出する(C8)。通話チャネル了解コマンドを送出した後は、所定時間待機し(C9)、その後、送信アンプをオフにしてキャリアの送出を終える(C10)。
【0047】
この場合、第2の子機2において、通話チャネル了解コマンド送出後に待機するときの所定時間は、次に通話チャネル了解コマンドを送出する第3の子機2が送信アンプをオンするまで、あるいはそれ以上の時間に予め設定されている。このように、所定時間を設定することにより、各子機2においてキャリアが送出されない時間帯をなくすことができる。
【0048】
また、第4の子機2では、第2の子機2および第3の子機2の動作と同様に、通話チャネル指定コマンド(M7)を受信したとすると、受信制御処理を行い(C11)、送信アンプをオンにして(C12)、キャリアを送出するとともに、通話チャネル了解コマンドを送出する(図5のC13参照)。通話チャネル了解コマンドを送出した後は、所定時間待機し(C14)、送信アンプをオフにしてキャリアの送出を終える(C15)。
【0049】
この場合でも、第3の子機2がキャリアを送出している間に、第4の子機2では、送信アンプがオンされるので、各子機2においてキャリアが途切れることはない。
【0050】
また、第1の子機2では、通話チャネル指定コマンド(M8)を受信したとすると、受信制御処理を行い(C16)、送信アンプをオンにして(C17)、キャリアを送出するとともに、通話チャネル了解コマンドを送出する(C18)。通話チャネル了解コマンドを送出した後は、所定時間待機する(C19)。
【0051】
この場合でも、第4の子機2がキャリアを送出している間に、第1の子機2では、送信アンプがオンされるので、各子機2においてキャリアが途切れることはない。
【0052】
このように、各子機2においては、親機1から通話チャネル指定コマンドが送られるとき、親機1に対して出力するキャリアが時間的に途切れることのないようにそれを継続的に送出することができる。そのため、たとえば他の親機は、子機2からキャリアが送出されているため、送信シーケンスを開始することができず、他の通話チャネル指定コマンド等を送出することができなくなる。したがって、各子機2は、他の親機からの他の通話チャネル指定コマンド等を誤って受信することを防止することができ、信頼性の高い電話装置を提供することができる。
【0053】
一方、親機1は、各子機2に対して通話チャネル指定コマンドを送出し、全ての子機2から通話チャネル了解コマンドが返信された場合、通話チャネルを決定するための通話チャネル決定コマンドを各子機2に対して送出する(M10〜M12)。ここでは、この通話チャネル決定コマンドに、外線28を介して着信された相手先の電話番号のデータや着信日時のデータが含まれている。
【0054】
親機1は、通話チャネル決定コマンドを連続してたとえば3回、各子機2に対して送出する。その後、送信アンプをオフにして(図6のM13参照)、キャリアの送出を終える。
【0055】
第1の子機2は、通話チャネル了解コマンドを送出した後は、所定時間待機するが(図5のC19参照)、そのとき、親機1から通話チャネル決定コマンドが送出されている場合、キャリアの送出を継続するために、再び、待機状態となる(C20)。そして、親機1が3回目の通話チャネル決定コマンドを送出し終えると、それとともに、送信アンプをオフにし(図6のC21参照)、キャリアの送出を終える。
【0056】
一方、送信アンプをオフしていた、第2の子機2、第3の子機2、および第4の子機2は、たとえば親機1からの1回目の通話チャネル決定コマンドを受信したとき、送信アンプをそれぞれオンにする(C22)。そして、親機1からの3回目の通話チャネル決定コマンドが送出し終えるまで、待機し(C23)、キャリアを送出し続け、親機1が通話チャネル決定コマンドを送出し終えると、それとともに、送信アンプをオフにし(C24)、キャリアの送出を終える。
【0057】
このように、各子機2は、親機1が通話チャネル決定コマンドを送出している間、送信アンプをオンにするので、各子機2においてキャリアが途切れることはない。そのため、各子機2においては、親機1に対して出力するキャリアが時間的に途切れることのないようにそれを継続的に送出することができる。したがって、たとえば他の親機から他の通話チャネル指定コマンド等を送出することはできず、各子機2は、それを誤って受信することはない。
【0058】
その後、親機1は、図6に示すように、送信アンプをオフすると(M13)、通話制御処理として(M14)、制御チャネルを決定した通話チャネルに切換える。そして、送信アンプをオンにして(M15)、ベル鳴動指令コマンドを各子機2に対して送出する(M16)。
【0059】
各子機2は、図6に示すように、送信アンプをオフすると(C21,C24)、通話制御処理として(C25)、制御チャネルを決定した通話チャネルに切換える。そして、親機1からのベル鳴動指令コマンドを受信すると、スピーカ43Aからベル音(呼出音)を出力する(C26)。
【0060】
このように、子機2は、通話チャネル決定コマンドを受信して、それが送出し終えるまでキャリアを送出した後に、決定された通話チャネルに切り換えるので、たとえば、通話チャネルに切り換える処理の最中に、他の親機から他の通話チャネル決定コマンド等が送出され、上記処理に悪影響が及ぼされるといったことがなく、通話チャネルに切り換える処理を確実に行うことができる。
【0061】
次に、各子機2の制御動作を、図7に示すフローチャートを参照して説明する。たとえば、子機2のCPU30では、親機1からの通話チャネル指定コマンドを受信すると(S1:YES)、受信制御処理を行う(S2)。次いで、送信アンプをオンしてキャリアを送出するとともに(S3)、通話チャネル了解コマンドを約60msec送出する(S4)。その後、CPU30は、一定時間(たとえば90msec)待機する(S5)。
【0062】
次いで、CPU30は、一定時間経過後、通話チャネル決定コマンドが受信するか否かを判別し(S6)、通話チャネル決定コマンドを受信しない場合(S6:NO)、送信アンプをオフする(S7)。その後、再び、通話チャネル決定コマンドが受信するか否かを判別し(S8)、通話チャネル決定コマンドを受信した場合(S8:YES)、送信アンプをオンにする(S9)。
【0063】
送信アンプをオンにした後(S9)、またはステップS6において通話チャネル決定コマンドを受信したと判別した場合(S6:YES)、親機1から送出されるキャリア(通話チャネル決定コマンド)があるか否かの判別を行う(S10)。
【0064】
キャリアが送出されていないと判別した場合(S10:NO)、送信アンプをオフにする(S11)。その後、通話制御処理を行い(S12)、制御チャネルから通話チャネルに切り換える。そして、親機1からのベル鳴動指令コマンドを受信した場合(S13:YES)、ベルを鳴動させる(S14)。
【0065】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、親機1および子機2の内部構成は、図1に示した構成に限るものではない。また、上記実施形態では、電話装置は、外線28に接続されて適用されたが、これに代えて、IP電話等が適用されてもよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載した発明の発信元情報表示機能付き電話装置によれば、各子機は、親機との通話チャネルを確立するための送信シーケンスが開始された状態になった後、親機からの通話チャネル指定コマンドに対して通話チャネル了解コマンドを返信したときと通話チャネル決定コマンドを受信したときにキャリアを所定時間継続的に送出するので、親機に最初の子機が通話チャネル了解コマンドを送信してから最後の子機が通話チャネル了解コマンドを送信するまでの期間と親機がチャネル決定コマンドを送信している期間の両期間でキャリアが送出されない時間帯をなくすことができる。そのため、親機から通話チャネル指定コマンドとチャネル決定コマンドとが送られるとき、他の親機は、子機からキャリアが送出されているため、送信シーケンスを開始することができず、他のコマンド信号を送出することができなくなる。したがって、子機は、通話チャネルを確立時に親機から送出される相手先の発信元情報のデータを含む他の親機からの他のコマンド信号を誤って受信することを防止することができ、信頼性の高い発信元情報表示機能付き電話装置を提供することができる。
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
さらに、請求項に記載した発明の発信元情報表示機能付き電話装置によれば、請求項に記載の発信元情報表示機能付き電話装置による効果に加え、相手先からの発信元情報には、相手先の電話番号が含まれるので、いわゆるナンバーディスプレイ機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電話装置の概略ブロック構成図である。
【図2】 親機のパネル面を示す図である。
【図3】 子機の外観図である。
【図4】 親機および子機の動作タイミングチャートを示す図である。
【図5】 親機および子機の動作タイミングチャートを示す図である。
【図6】 親機および子機の動作タイミングチャートを示す図である。
【図7】 子機の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】 従来の、親機と子機とのコマンドのやり取りを示す概略フローシーケンス図である。
【図9】 従来の、親機および子機の動作タイミングチャートを示す図である。
【図10】 従来の、親機および子機の動作タイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置(親機)
2 子機
10 CPU(親機の)
24 表示部(親機の)
28 公衆電話回線(外線)
30 CPU(子機の)
42 表示部(子機の)
43 無線通信部(子機の)

Claims (2)

  1. 回線を通じて相手先と通信可能な親機と、この親機との間でキャリアを送出しつつ互いにコマンド信号をやり取りすることにより上記親機との通話チャネルを確立する複数の子機とを備える発信元情報表示機能付き電話装置であって、
    上記コマンド信号は、
    上記親機が通話チャネルを確立するための送信シーケンスを開始する際、当該親機から上記子機に送出される通話チャネルを設定するための通話チャネル指定コマンドと、
    上記通話チャネル指定コマンドに基づき上記子機から上記親機に返信される通話チャネル了解コマンドと、
    上記通話チャネル了解コマンドに基づき上記親機から上記子機に送出される相手先の発信元情報のデータを含む通話チャネルを決定するための通話チャネル決定コマンドからなり、
    上記親機は、
    上記子機に対して上記通話チャネル指定コマンドおよび上記通話チャネル決定コマンドを送出する第1の送出手段を有し、
    上記各子機は、
    上記親機に対して上記通話チャネル了解コマンドを送出する応答信号返信手段と、
    上記応答信号返信手段により上記通話チャネル了解コマンドを返信したときと上記通話チャネル決定コマンドを受信したときに、キャリアを所定時間送出する第2の送出手段と、
    上記通話チャネル決定コマンドを受信し、上記第2の送出手段からの所定時間のキャリア送出がなされたとき、当該通話チャネル決定コマンドに基づく通話チャネルに切り替えて通話チャネルを確立するチャネル切替手段をそれぞれ有し、
    各子機の第2の送出手段が上記通話チャネル了解コマンドを返信したときと上記通話チャネル決定コマンドを受信したときにキャリアを所定時間送出することで、上記親機に最初の子機が上記通話チャネル了解コマンドを送信してから最後の子機が上記通話チャネル了解コマンドを送信するまでの期間と上記親機が上記チャネル決定コマンドを送信している期間の両期間で上記キャリアが時間的に途切れることがないようにした、ことを特徴とする発信元情報表示機能付き電話装置。
  2. 上記相手先からの発信元情報には、上記相手先の電話番号が含まれる、請求項1に記載の発信元情報表示機能付き電話装置。
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