JP3707412B2 - 車載受信装置及び車両用ワイヤレスシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信機から送信される暗号化されたデータを受信・復号化して暗号化前の元のデータを得る車載受信装置、及び、送信機から無線送信される、その車載受信装置を搭載した車両が備える各種車載機器の制御をキーによらずに無線にて行う車両用ワイヤレスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば車両のドアロック機構を構成するアクチュエータをワイヤレス・リモコン作動させることで、車両から離れた場所にてドアのロック/アンロックを行うことのできるいわゆるキーレスエントリシステムなど、送信機からの無線送信(遠隔操作)により各種車載機器を作動させることができるワイヤレスシステムが知られている。
【0003】
このようなワイヤレスシステムでは、送信機に設けられた操作スイッチを操作すると、その操作スイッチに対応した制御データ(スイッチ情報やIDコード等)が生成され、電波にて送信されるのだが、制御データがそのまま変調等されて送信されると、悪意のある第三者にその送信電波が傍受・解析されて、IDコード等の車両固有のデータを取得されてしまうおそれがある。そのため、通常のワイヤレスシステムでは、防犯上、送信すべき制御データを所定の暗号アルゴリズムにて暗号化して、その暗号化データを無線送信するようにしている。
【0004】
ところで、例えばドアをロックするためのドアロックスイッチやトランクをオープンするためのトランクオープンスイッチ等が送信機に設けられた一般的なキーレスエントリシステムでは、送信機の操作スイッチをユーザが押すと、まず、その押した操作スイッチに対応した制御データが生成され、続いてその制御データが所定の暗号アルゴリズムに従って暗号化される。そして、その暗号化データが無線にて送信される。車両側では、この暗号化データを受信すると、その暗号化データを例えばCPU等の演算装置により復号化して元の制御データを生成し、その制御データに基づいて、所定の制御(例えばドアロック)を行う。
【0005】
このように、例えばドアロックスイッチを1回押したらドアがロックされる、といったごく標準的な機能のみを備えている場合(換言すれば、各操作スイッチに対する機能がただ一つに固定され、その機能は操作スイッチを単に1回押せば実現される場合)、仮に操作スイッチを押し続けてしまって同じ制御データが連続して複数(複数フレーム)送信されてしまっても、最初に受信したフレーム(制御データ)を復号化して制御データが得られれば、その制御データに基づいて車載機器を制御することが可能であるため、その後に連続して送られてくる同じフレームについては、必ずしも復号化する必要はなく無視してもいい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、例えばドアロックスイッチに対応した機能として、上記のように単に操作スイッチを1回押せばドアがロックされるといった機能に加え、ドアロックスイッチを所定時間(例えば3秒間)押し続けるとパワーウィンドウもクローズされるといった機能をも備えるなど、一つの操作スイッチに対して、操作方法を使い分けることにより複数の機能を持たせることも行われている。
【0007】
このような場合、操作スイッチを押し続けている間は、その操作スイッチに対応した制御データを暗号化した暗号化データが、送信機から連続して送信されることになる。そのため、車両側では、その連続送信されてくる暗号化データを1フレーム受信する毎にフレーム単位で順次復号化している。
【0008】
そして、最初に受信した制御データに対しては、既述の通りその制御データに対応した車載機器制御を実行するが、引き続き連続して同じ制御データを受信している間(つまり復号化結果が連続して同じである間)は、上記最初に受信したときの車載機器制御はもう行わないものの、ユーザが所定時間長押しすることにより別の機能を要求している可能性があるとして、長押しか否かの判断を行う。そして、同じ制御データを連続して所定回数以上(所定時間以上)受信したと判断されたときに、それに応じた車載機器制御を実行するのである。
【0009】
また、上記長押しのほかに、受信中の電波が途中で途切れたりノイズの影響等によって誤動作してしまうのを防ぐために、例えば同じ制御データを連続して2回受信したときに初めてそのデータを有効にする、といった仕様(以下「2度一致有効化仕様」ともいう)のキーレスエントリシステムもある。この場合も、受信した暗号化データをフレーム毎に順次復号化し、復号化後の各制御データを比較して、同じ制御データが連続して2回受信されたか否かを判断している。
【0010】
このように、所定時間以上の長押しに基づく制御を行う場合、或いは2度一致有効化仕様を有する場合など、暗号化データが連続して複数送信されてくる場合は、その暗号化データを1フレーム受信する毎に逐一復号化しているため、復号化する回数が多いほど(つまり連続送信されてくる暗号化データが多いほど)、復号化を行うCPU等の処理負荷が増大し、例えば送信機のドアアンロックスイッチを押してから実際にアンロックされるまでの時間が長くなったりするなど、CPUが実行する復号化以外の処理に影響を及ぼしてしまうおそれがある。
【0011】
特に近年になって、セキュリティ性をより向上させるために暗号化アルゴリズムがより複雑化される傾向にあり、そうなればなるほど、復号化に要する時間も長くなってしまい、CPUの処理負荷がいっそう増大して他の処理への影響も大きくなってしまう。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、受信した暗号化データを復号化して車載機器制御用データとして有効化する車載受信装置において、暗号化データの復号化に伴う処理負荷を低減することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の車載受信装置は、車載機器を制御するための制御データを暗号化した暗号化データを受信手段が受信して、第1復号化手段が、その受信した暗号化データを元の制御データに復号化し、該復号化により得られる制御データを、車載機器を制御するための制御データとして有効化するよう構成されたものである。
【0014】
そして、本発明(請求項1)では、第1復号化手段によって暗号化データの復号化及び復号化により得られる制御データの有効化が行われたときに、第1データ書込手段が、その暗号化データ及び有効化された制御データを共に記憶手段に記憶する。そして、第1有効化手段が、受信手段にて暗号化データが受信されたときに、該受信した暗号化データが記憶手段に記憶されている暗号化データと一致するか否かを判定し、一致する場合は、第1復号化手段の動作を禁止して、記憶手段に記憶されている、該受信した暗号化データに対応した制御データを、車載機器を制御するための制御データとして有効化し、一致しない場合は第1復号化手段を動作させる。
【0015】
つまり、暗号化データを復号化して元の制御データを得たときに、その制御データを暗号化データと共に記憶手段に記憶しておく。そして、新たにまた暗号化データを受信した場合、それを復号化する前に記憶手段の記憶内容を参照し、その新たに受信した暗号化データが記憶手段に記憶されているならば、その暗号化データは復号化せず、その暗号化データと共に記憶されている制御データ(つまり新たに受信した暗号化データを復号化したならば得られたであろう制御データ)を、その新たに受信した暗号化データに対する、車載機器を制御するための制御データとして有効化するのである。
【0016】
従って、本発明(請求項1)の車載受信装置によれば、ある暗号化データを最初に受信して復号化した後に同じ暗号化データが受信され続けている間は何ら復号化処理をする必要がなく、記憶手段に記憶されている暗号化データと異なる暗号化データが新たに受信されたときのみ復号化を行えばよいため、暗号化データの復号化に伴う処理負荷を低減することができる。
【0017】
尚、記憶手段に記憶する暗号化データ及びそれに対応する制御データの数は、例えば、既に記憶されている暗号化データと異なる新たな暗号化データを受信する毎に、既に記憶中の暗号化データをその新たな暗号化データに書き換える(つまり、常に最新のデータのみを記憶しておく)ようにしてもいいし、異なるデータ(暗号化データ及びそれに対応する制御データ)を複数記憶させてもよく、記憶手段の記憶容量等を考慮して適宜決めればよい。
【0018】
次に、請求項2記載の車載受信装置は、車載機器を制御するための制御データを暗号化した暗号化データを、受信手段が所定回数連続して受信し、その連続受信した暗号化データが全て一致しているか否かを判定手段が判定する。そして、第2復号化手段が、判定手段にて一致していると判定されたときに、該判定対象となった暗号化データを元の制御データに復号化して、該復号化により得られる制御データを、車載機器を制御するための制御データとして有効化する。
【0019】
つまり、従来の2度一致有効化仕様のように、受信した暗号化データを受信毎に毎回復号化して、その復号化結果を相互比較して有効化するか否かを判定するのではなく、復号化する前の暗号化データ自体を相互比較するのである。そして、所定回数受信した暗号化データが全て一致したときに初めて、その暗号化データを復号化し、復号化により得られる制御データを有効化するのである。
【0020】
このようにすれば、同じ暗号化データを所定回数連続して受信しても、その暗号化データに対してなされる復号化は1回だけで済むことになり、例えば本発明(請求項2)を上記の2度一致有効化仕様に適用した場合、2回連続して送信されてくる暗号化データに対し、受信した2つの暗号化データを共に復号化する必要はなく、2つの暗号化データが一致した場合にのみ復号化すればいいことになる。そのため、請求項1の車載受信装置と同様、暗号化データの復号化に伴う処理負荷を低減することができる。
【0021】
尚、判定手段が判定を行う際の判定対象となる上記所定回数(従来の2度一致有効化仕様では2回)は、本車載受信装置の使用状況や仕様等に応じて適宜決めれることができる。
そして、請求項2記載の車載受信装置は、更に、例えば請求項3に記載したように構成するとよい。即ち、受信手段にて受信した暗号化データが第2復号化手段によって元の制御データに復号化されると共に該制御データが有効化されたら、第2データ書込手段が、該受信した暗号化データ及び該有効化された制御データを共に記憶手段に記憶する。そして、第2有効化手段が、上記判定手段にて一致していると判定されたときに更に、該判定対象となった暗号化データが記憶手段に記憶されている暗号化データと一致するか否かを判定し、一致する場合は、第2復号化手段の動作を禁止して、記憶手段に記憶されている、該判定手段の判定対象となった暗号化データに対応した制御データを、車載機器を制御するための制御データとして有効化し、一致しない場合に第2復号化手段を動作させる。
【0022】
つまり、第2復号化手段にて有効化された制御データが得られたときに、その制御データを暗号化データと共に記憶手段に記憶しておく。そして、新たにまた同じ暗号化データが所定回数連続して受信され、その暗号化データが全て一致していると判定されたときは、それを復号化する前に記憶手段の記憶内容を参照して、その新たに連続受信した暗号化データが記憶手段に記憶されているならば、その暗号化データは復号化せず、その暗号化データと共に記憶されている制御データを、その新たに連続受信した暗号化データに対する、車載機器を制御するための制御データとして有効化するのである。そのため、請求項2記載の車載受信装置における暗号化データの復号化に伴う処理負荷をさらに低減することが可能となる。
【0023】
ここで、本発明の車載受信装置は、暗号化された制御データ(暗号化データ)を受信して復号化し、その復号化されたデータ(制御データ)を各種車載機器の制御に用いるよう構成された種々のシステムにおいて適用することができるのはもちろん、暗号化データが受信手段にて受信されるまでの過程(伝送媒体)が無線送信又は有線伝送のいずれであっても適用可能であるが、例えば請求項4に記載したように、車両用ワイヤレスシステムで用いるとより効果的である。
【0024】
即ち、請求項4記載の車両用ワイヤレスシステムは、請求項1〜3いずれかに記載の車載受信装置と、機能を指示するための操作スイッチを備え、該操作スイッチが操作されると、その旨を表す制御データを暗号化した暗号化データを無線にて送信する送信機と、送信機からの暗号化データを車載受信装置が受信することによって該車載受信装置にて有効化される制御データに基づいて、車載機器を制御する制御手段と、から構成されたものである。
【0025】
車両用ワイヤレスシステムとしては、例えば従来技術の項で例示したキーレスエントリシステムや、車両から離れた場所にてエンジンを始動させることができるいわゆるリモートエンジン始動システムなど、車載機器の動作を無線にて制御するよう構成されたあらゆるシステムが考えられる。
【0026】
車両用ワイヤレスシステムでは、既述の通り、防犯上、送信機から送信する制御データを暗号化する場合がほとんどであり、また、無線送信であるが故に、ノイズ等の影響を考慮して、2度一致有効化仕様などのような、同じデータを連続して送信するといった方法を採用することが多い。そのため、車両用ワイヤレスシステムに本発明の車載受信装置を適用すれば、受信した暗号化データの復号化に伴う処理負荷が低減されるため、システム全体の動作をより円滑化することができる。特に、暗号化データの復号化と車載機器の制御とを同じ処理装置(例えばCPU等)で実行するよう構成されているシステムの場合に有効である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態のキーレスエントリシステムの概略構成を示すブロック図である。図1に示す如く、本実施形態のキーレスエントリシステムは、運転者等のユーザが携帯するワイヤレス送信機1と、車両に搭載され、ワイヤレス送信機1からの電波を受信する車室内チューナ2と、不審者の不正侵入を検知する侵入センサ5と、不審者の車室内侵入など車両に対する不正行為が検知されたときにそのことを周囲のユーザ等に報知する盗難警報部6と、ワイヤレス送信機1からの電波に基づいて各種制御を実行すると共に、侵入センサ5からの検知信号等に基づいて盗難等の不正行為を周囲へ報知するいわゆる盗難防止制御をも実行するセキュリティECU3と、車内通信ラインLを介してセキュリティECU3と相互に接続され、ドア等の各種車載機器を駆動制御するボデーECU4と、から構成されている。
【0028】
まず、ワイヤレス送信機1について説明する。ワイヤレス送信機1は、本実施形態ではユーザが車両のエンジン始動やドア開閉などに用いるいわゆるマスターキーに内蔵されたものであり、図1に示す如く、操作スイッチ11、制御部12、暗号化モジュール13、変調部14及び送信アンテナ15を備えている。
【0029】
操作スイッチ11は、本実施形態では車両の各ドア(図示略)をロックする際に操作するドアロックスイッチ11a、各ドアをアンロックする際に操作するドアアンロックスイッチ11b及びトランク(図示略)を開ける際に操作するトランクオープンスイッチ11cの、3つのスイッチを備えている。そして、制御部12は、各スイッチ11a〜11cのいずれかが操作された(押された)とき、押されたスイッチに対応するスイッチ情報に、ワイヤレス送信機1固有のIDコード及びスイッチ押し時間情報を加えた制御データを、変調部14に出力する。スイッチ押し時間情報とは、ある操作スイッチが連続してどのくらいの時間押され続けているのかを表す情報である。
【0030】
そして、本実施形態では、防犯上、制御部12からの制御データをそのまま変調部14へ出力するのではなく、暗号化モジュール13において所定の暗号アルゴリズムに従って制御データを暗号化し、その暗号化されたデータ(暗号化データ)を変調部14へ出力するようにしている。暗号化モジュール13にて用いる暗号アルゴリズムとしては、例えば共通鍵暗号方式の一つとしてよく知られているDES(Data Encryption Standard)アルゴリズムや、或いは公開鍵暗号方式の一つとしてよく知られているRSA(Rivest Shamir Adleman )アルゴリズムなど、種々のアルゴリズムを採用できる。
【0031】
変調部14は、この暗号化データに基づいて、図示しない局部発振器からの搬送波(高周波信号)を変調(例えばFM変調)する。そして、変調後の信号(暗号化データ)は、送信アンテナ15から電波にて無線送信される。送信アンテナ15からの電波としては、本実施形態では314MHzの周波数帯の電波を用いている。
【0032】
尚、制御データに含まれるスイッチ情報は、車載機器に対する各種機能を指示するためのものであり、例えばドアロックスイッチ11aが押された場合は、各ドアを全てロックする旨を表すスイッチ情報を含む制御データが、制御部12から暗号化データとなって出力されることになる。また、スイッチ情報のみを制御データとして出力することももちろん可能であり、スイッチ情報のみで車載機器を所望の機能に応じて十分に動作させることができるが、本実施形態では、正規ユーザを確実に認識するためにIDコードを、また、ユーザが操作スイッチ11をどの位の時間連続して押し続けているかをより正確に車両側に伝えるためにスイッチ押し時間情報を、それぞれスイッチ情報に付加するようにしている。
【0033】
送信アンテナから送信された電波(暗号化データ)は、車両側で車室内チューナ2て受信される。この車室内チューナ2は、図示しないものの受信アンテナ,周波数変換器,周波数検波器等を備えた周知の受信機として構成されたものであり、セキュリティECU3からの電源供給を受けて動作し、ワイヤレス送信機1からの送信電波を受信・復調等して、暗号化データをインタフェース(以下「I/F」と略す)35を介してマイクロコンピュータ(以下「マイコン」と略す)31へ出力する。
【0034】
侵入センサ5は、例えば車室内のルームミラーに取り付けられ、超音波等を利用して何者かが車室内に不正侵入したことを検知するものであり、セキュリティECU3からの電源供給を受けて動作する。この侵入センサ5によって不審者の侵入が検知されると、その旨を表す検知信号がI/F36を介してマイコン31内に入力される。そして、この検知信号を受けたマイコン31は、不正行為(侵入)があったことを周囲に報知するために、出力回路37を介して、盗難警報部6が備えるブザー6aを鳴らしたり、セキュリティホーン6bの吹鳴を行ったり、或いはヘッドライト等のランプ6cを点灯又は点滅させたりする。尚、侵入センサ5による検知時のみに限らず、例えば不審者がドアのロック機構を破壊してドアを開けたりするなど正規の方法以外の方法でドアを開けた場合にも、セキュリティECU3は、図示しないドアカーテシスイッチの信号等からそのことを検知して、盗難警報部6を動作させる。
【0035】
ボデーECU4は、例えば車両の各ドアに設置されたドアロックモータ(図示略)に対してロック或いはアンロックの駆動信号を出力したり、トランクに設置されたトランクオープンモータ(図示略)に対してオープン駆動信号を出力するなど、各種車載機器を駆動制御する。このボデーECU4は、セキュリティECU3と車内通信ラインLを介して相互に接続されている。
【0036】
そのため、ワイヤレス送信機1の操作スイッチ11を操作してその送信電波が車室内チューナ2にて受信されると、操作されたいずれかのスイッチ11a〜11cに応じた信号がセキュリティECU3から車内通信ラインLを介してボデーECU4へ伝送され、この信号を受けたボデーECU4が、信号に応じた(延いては操作スイッチ11の操作に応じた)駆動信号を出力する。尚、車内通信ラインLには、セキュリティECU3やボデーECU4以外にも各種ECUが接続されており、必要に応じて相互にデータ送受信が行われる。
【0037】
セキュリティECU3は、既述の通り、ワイヤレス送信機1からの送信電波(暗号化された制御データ)に応じた各種制御の実行や、侵入センサ5からの検知信号等に基づいて盗難警報部6を動作させる盗難防止制御を実行するものであり、マイコン31、EEPROM32、ドライバ33、電源回路34、各I/F35,36、及び出力回路37を備えている。
【0038】
マイコン31は、電源回路34からの電源供給を受けて動作するものであり、CPU41、RAM42、ROM43、I/O44等を備えた周知の1チップマイコンとして構成されている。CPU41は、ROM43に格納されたプログラムに従って、後述する車載機器制御処理を含む各種制御処理を実行する。EEPROM32は、電気的に書き換え可能な周知の不揮発性メモリであり、CPU41が各種制御処理を実行する際に必要となる制御パラメータや車両固有のIDコードなどの各種情報が記憶されている。そしてCPU41は、各種制御処理を実行する際に、EEPROM32から必要な情報を読み出す(実際には、読み出した情報をRAM42に一旦記憶させてそこから読み出す)ようにしている。
【0039】
電源回路34は、バッテリから供給される電源(電圧VB)を、マイコン31をはじめセキュリティECU3内の各部を動作させるのに必要な電圧に変換して出力する。また、ドライバ33は、車内通信ラインL上を伝送される信号をマイコン31内で処理可能な信号に変換(その逆も含む)するインタフェースとして機能するものである。
【0040】
以上説明した本実施形態のキーレスエントリシステムでは、ワイヤレス送信機1の操作スイッチ11を操作することにより実現できる機能として、以下の機能を備えている。まず、上記の通り、ワイヤレス送信機1が備える各スイッチ11a〜11cを1回押すことによって、その押したスイッチに対応した制御が行われる。即ち、ドアロックスイッチ11aを1回押せば車両のドアがロックされ、ドアアンロックスイッチ11bを1回押せば車両のドアがアンロックされ、トランクオープンスイッチ11cを1回押せば車両のトランクがオープンされる。
【0041】
更に、ドアロックスイッチ11aを押してドアをロックした後、そのまま所定時間(例えば3秒)押し続ける(以下このことを「長押し」ともいう)とパワーウィンドウもクローズする機能や、ドアアンロックスイッチ11bを押してドアをアンロックした後にそのまま長押しするとパワーウィンドウもオープンする機能も備えている。
【0042】
上記機能はいずれも、車室内チューナ2からI/F35を介してマイコン31内に入力された暗号化データを復号化し、復号化により得られた元の制御データに基づくものである。そのため、操作スイッチ11を1回押すことで動作する機能のみを考慮すれば、最初に受信した暗号化データ(フレーム)から元の制御データが得られれば、その制御データに基づいて制御を行うことができるため、仮にユーザが操作スイッチ11を押してから離すまでの時間が長くなって暗号化データが複数フレーム受信されても、2回目以降のフレームについては無視してもいいことになる。
【0043】
しかし、本実施形態では、上記のように長押しによる制御も行っているため、ユーザが長押しによる機能を要求しているのか否かを判断するために、暗号化データが連続して複数受信された場合にも、各フレーム受信する毎に逐一その内容(制御データ)を確認するようにしている。但し、本実施形態では、受信した暗号化データを、1フレーム受信する毎に毎回必ず復号化するのではなく、後述する車載機器制御処理により、受信した暗号化データをその復号化後の制御データと共にRAM42に記憶しておき、新たに受信した暗号化データがRAM42に記憶された暗号化データと同じである場合には、同じくRAM42に記憶された、その暗号化データに対応した制御データを有効化する。つまり、実際には復号化していないのだが、復号化してその制御データ(RAM42に記憶された制御データ)が得られたものとして取り扱い、その制御データを各種制御(長押しの判断など)に用いるのである。
【0044】
図2に、暗号化データ及び復号化後の元の制御データを記憶するためにRAM42内に確保された領域(以下「バッファ」という)を示す。図2に示すように、本実施形態のバッファは、受信した暗号化データを復号化したときに、その暗号化データを記憶するための復号時暗号化データ記憶領域42a、及び、その復号化されたデータ(元の制御データであり、以下「復号化データ」ともいう)を記憶するための復号化データ記憶領域42bにより構成される。
【0045】
そして、受信した暗号化データを復号化したとき、後述する車載機器制御処理によってこのバッファへの記憶要求がなされたら、その暗号化データを復号時暗号化データ記憶領域42aへ、復号化データを復号化データ記憶領域42bへ、それぞれセットで記憶する。尚、バッファとしては、上記のようにRAM42内にその領域を確保するのに限らず、例えばCPU41が備えるレジスタ等を利用してもよい。
【0046】
制御データ(フレーム)中には、図2に示すようにスイッチ情報、IDコード、スイッチ押し時間情報が含まれる他、図示しないものの復号化に必要となるデータや、操作スイッチ11を押す毎にインクリメントされるローリングコードなどの各種情報も含まれている。このローリングコードにより、ワイヤレス送信機1の各スイッチ11a〜11cがそれぞれ1回押される毎に生成される制御データは、たとえ同じスイッチであっても毎回異なるものになる。そのため、同じ制御データが連続して生成されるのは、各スイッチ11a〜11cを押し続けている間のみということになる。但し、本実施形態では、同じスイッチを押し続けている場合であっても、ある一定時間押し続けると、後述するようにスイッチ押し時間情報が変化し、結果として制御データが変化する。
【0047】
このスイッチ押し時間情報は、本実施形態では2ビットデータであり、図4に示すように(詳細は後述)、操作スイッチ11を押してから0.8秒間はスイッチ押し時間情報が不変のため、同じ制御データAが生成されるが、0.8秒経過後には、スイッチ押し時間情報が変化して、以降、制御データBが生成される。つまり、制御データAと制御データBは、スイッチ押し時間情報が異なっているだけである。
【0048】
また、連続して押されているのかどうかを判断する方法としては、例えば各スイッチ毎にそれぞれ、常に同じ制御データが生成されるようにして、ある制御データ(フレーム)を受信してから次のフレームを受信するまでの時間が所定時間以内であれば連続して押されているものとし、所定時間を超えた場合は連続して押されたのではない、というふうに判断することもできるが、本実施形態では、制御データにローリングコードを付加することにより、ローリングコードが変化しているか否かを判断して、連続して押されているのか否かを判断するようにしている。このローリングコードを用いることによってスイッチを押す毎に制御データが常に変化するため、防犯上の効果もある。
【0049】
次に、受信した暗号化データを復号化して車載機器を制御すると共にその復号化データを暗号化データと共にバッファに記憶するために、CPU41が実行する、車載機器制御処理について説明する。図3は、CPU41がROM43に格納されたプログラムに基づいて実行する車載機器制御処理を表すフローチャートである。この車載機器制御処理は、バッテリからの電源供給がある間、所定周期で継続して行われるものである。
【0050】
この処理が開始されると、まずステップ(以下「S」と略す)110にて、ワイヤレス送信機1からの暗号化データが車室内チューナ2にて受信されたか否かを判断し、受信されないときはそのままこの処理を終了するが、暗号化データが受信されたときは、S120に移行して、その受信した暗号化データが復号化データと共にバッファに記憶されているか否かを判断する。具体的には、バッファ内の復号時暗号化データ記憶領域42aを参照し、そこに記憶中の暗号化データと受信した暗号化データとが一致するか否かを判断する。
【0051】
ここで、バッファにまだ何も記憶されていない場合、或いは、記憶されているものの受信した暗号化データとは異なる暗号化データが記憶されている場合は、否定判定されてS130に移行し、受信した暗号化データを元の制御データに復号化すると共に、その復号化データ(制御データ)を、車載機器制御用に有効化する。この有効化により、以後、CPU41では、その復号化データに含まれる各種情報に基づいた制御を行うことが可能となる。
【0052】
続くS140では、復号化データに含まれるIDコードが、予めEEPROM32内に記憶されたIDコードと一致するか否かの判断(ID照合)を行い、ここで一致しない場合は、自車用の制御データとは異なる他のデータ(例えば他車の制御データ)が受信されたものとしてそのままこの処理を終了するが、一致した場合は、S150に移行して、復号化データを暗号化データと共にセットでバッファへ記憶する。
【0053】
そして、S170に移行して、復号化データに含まれるスイッチ情報を抽出し、続くS180にて、そのスイッチ情報に応じた制御処理を実行する。即ち、スイッチ情報が例えばドアをロックすべき旨の情報である場合(つまりワイヤレス送信機1側でドアロックスイッチ11aが押された場合)は、ドアをロックする旨の制御指令を車内通信ラインLを介してボデーECU4へ送出する。
【0054】
一方、受信した暗号化データが、復号化データと共にバッファに記憶されている場合は、S120にて肯定判定され、S160に移行する。そして、S160では、バッファに記憶されている復号化データを、車載機器制御用に有効化する。そのため、続くS170以降の処理では、この有効化された復号化データに基づいて処理が行われることになる。この場合、当然ながらS170の処理で抽出されるスイッチ情報は、前回のS170の処理で抽出したスイッチ情報と同じものとなる。そのため、S180では、前回のようにドアをロックする旨の制御指令を再びボデーECU4へ送出せず、ユーザが操作スイッチ11を長押ししてその長押しによる機能を要求している可能性があるとみて、スイッチ押し時間情報をも参照しつつ、長押し時間を計測(つまり制御データが連続して何回(何フレーム)受信したか計数)する。
【0055】
以降も、同じ暗号化データが連続して受信される限り、S120では常に肯定判定され、その暗号化データは復号化されずに、バッファ内の復号化データが有効化される。そして、所定時間連続して同じ暗号化データが受信されたならば、S180において、それに応じた制御処理を実行するのである。即ち、例えばドアロックスイッチ11aを長押しすることにより、そのドアロックスイッチ11aに対応する暗号化データが所定時間連続して受信された場合は、パワーウィンドウをクローズする旨の制御指令をボデーECU4へ送出する。
【0056】
以上説明した図3の車載機器制御処理により、本実施形態では、受信した暗号化データが各フレーム毎に毎回復号化されることなく、前回受信した暗号化データ(つまりバッファに記憶中の暗号化データ)と異なる暗号化データが受信されたときにのみ、その暗号化データが復号化される。
【0057】
図4に、ワイヤレス送信機1の各スイッチ11a〜11cのいずれかを連続して押し続けた場合に生成される制御データ及びそれが暗号化された暗号化データ、さらにそれがCPU41にて復号化される例を示す。図4(a)に示すように、操作スイッチ11のいずれかのスイッチを押すと、そのスイッチに応じた制御データAが生成される。そして、そのスイッチを押し続けている間は、同じ制御データAが連続して生成される。尚、図中、カッコ内の数字は、同じ制御データが連続して何回(何フレーム)生成されているかを示すものである(後述する図7においても同様)。
【0058】
また、既述の通り、本実施形態では、制御データの中にスイッチ押し時間情報も含まれており、スイッチが連続して所定時間(本実施形態では0.8秒)押されるとこのスイッチ押し時間情報が変化する。そのため、0.8秒経過後は、制御データAに対してスイッチ押し時間情報が異なるだけの制御データBが生成される。
【0059】
そして、各制御データA,Bは、図4(b)に示すように、暗号化モジュール13によってそれぞれ暗号化データA’,B’として暗号化される。この暗号化データを受信した車両側では、CPU41が暗号化データを復号化するわけだが、本実施形態では、図3の車載機器制御処理により、最初に受信した暗号化データA’(1)については、その1フレーム受信完了後に復号化を行い、復号化データ(つまり制御データA(1))を暗号化データA’(1)と共にバッファへ記憶するが、以降同じ暗号化データA’を受信している間は、その暗号化データA’を復号化せず、各暗号化データA’(2)〜A’(4)を受信する毎に、バッファ内の復号化データを有効化する。
【0060】
そして、0.8秒経過後に暗号化データA’が暗号化データB’に変化したときは、その暗号化データB’(1)を復号化し、復号化データ(つまり制御データB(1))を暗号化データB’(1)と共にバッファへ記憶(つまりバッファの記憶内容を更新)する。以降、同じ暗号化データB’を受信している間は、その暗号化データB’を復号化せず、各暗号化データB’(2〜)を受信する毎にバッファ内の復号化データを有効化する。
【0061】
以上詳述したように、本実施形態のキーレスエントリシステムでは、ワイヤレス送信機1から送信されてくる暗号化データをマイコン31にて復号化するのだが、暗号化データを1フレーム受信する毎に必ず復号化するのではなく、一度復号化した復号化データを暗号化データと共にバッファに記憶しておき、新たに受信した暗号化データがバッファに記憶中の暗号化データと一致する場合は、その暗号化データを復号化することなく、バッファに記憶中の復号化データを車載機器制御用の制御データとして有効化するのである。そのため、同じ暗号化データを受信している間は復号化を行う必要がなく、CPU41の処理負荷が低減される。
【0062】
尚、本実施形態において、車室内チューナ2は本発明の受信手段に相当し、RAM42内のバッファは本発明の記憶手段に相当し、CPU41は本発明の第1復号化手段、第1データ書込手段、第1有効化手段及び制御手段に相当する。また、図3の車載機器制御処理において、S120及びS160の処理は本発明の第1有効化手段が実行する処理に相当し、S130の処理は本発明の第1復号化手段が実行する処理に相当し、S150の処理は本発明の第1データ書込手段が実行する処理に相当し、S180の処理は本発明の制御手段が実行する処理に相当する。
【0063】
[第2実施形態]
本実施形態のキーレスエントリシステムは、そのハード構成自体は図1で説明した第1実施形態のキーレスエントリシステムと全く同様である。そのため、本実施形態についても、図1を参照しつつ説明する。そして、本実施形態のキーレスエントリシステムが上記第1実施形態のキーレスエントリシステムと異なる点は以下の2点である。
【0064】
まず、第1実施形態では、受信した暗号化データを、復号化するか否かは別として各フレーム毎に全て有効化していたのに対し、本実施形態では、従来技術の項で述べた2度一致有効化仕様を採用している。
但し、従来の2度一致有効化仕様のように、連続して受信した2つの暗号化データを全て復号化してその復号化データを相互比較(一致するか否か判断)するのではなく、本実施形態では、ワイヤレス送信機1から連続送信される2つの暗号化データのうち、最初に受信した暗号化データを一旦バッファ(受信時暗号化データ記憶領域42c;図5参照)に記憶しておき、続いて暗号化データを受信したときにその暗号化データと受信時暗号化データ記憶領域42c内の暗号化データとを比較する。そして、両者が一致したときにはじめてその暗号化データを復号化し、復号化データを有効化する。尚、暗号化データを復号化したときに、復号化データと暗号化データをセットでバッファ(復号時暗号化データ記憶領域42a及び復号化データ記憶領域42b)に記憶するのは第1実施形態と全く同じである。
【0065】
そのため、本実施形態が第1実施形態と異なるもう一つの点として、バッファの構成が挙げられ、本実施形態のRAM42内に確保されるバッファは、図5に示す構成となっており、図2に示した第1実施形態のバッファに対し、更に受信時暗号化データ記憶領域42cが追加されたものとなる。このバッファに暗号化データ或いは復号化データがどのように記憶されるかについては後述する。
【0066】
従って、例えば単にドアロックスイッチ11aを1回押してドアをロックしたい場合であっても、ドアロックスイッチ11aを押したときに送信される暗号化データを1フレーム受信しただけでは、有効化はもちろん復号化もされず、連続して同じ暗号化データが受信されたときにはじめて復号化され且つ有効化されるのである。
【0067】
また、パワーウィンドウ開閉のための長押しを判断する場合についても同様であり、第1実施形態の図4に示した例では、受信した暗号化データ一つ一つにつき復号化データの有効化を行い、その有効化されたデータのフレームを計数(つまり計時)して連続押し時間をみていたが、本実施形態では、受信開始後、同じ暗号化データが2つ連続して受信されたときに初めてそれを復号化し、その復号化データを有効化する。
【0068】
そしてその最初の有効化後は、引き続き同じ暗号化データを受信する毎に必ず復号化するのではなく、第1実施形態と同じように、一旦復号化したらそれを暗号化データと共にバッファ(復号時暗号化データ記憶領域42a及び復号化データ記憶領域42b)に記憶しておき、次にまた暗号化データを受信したときに、その暗号化データとバッファの復号時暗号化データ記憶領域42aに記憶されている暗号化データとを比較して、一致した場合は復号化せずに、復号化データ記憶領域42bに記憶された復号化データを有効化する。
【0069】
次に、本実施形態においてCPU41が実行する車載機器制御処理について説明する。図3は、本実施形態の、CPU41がROM43に格納されたプログラムに基づいて実行する車載機器制御処理を表すフローチャートである。CPU41は、第1実施形態では図3に示す車載機器制御処理を実行したのに対し、本実施形態では、これに代わって図6の車載機器制御処理を実行する。
【0070】
この処理が開始されると、まずS310にて、ワイヤレス送信機1からの暗号化データが車室内チューナ2にて受信されたか否かを判断し、受信されないときはそのままこの処理を終了するが、暗号化データが受信されたときは、S320に移行して、その受信した暗号化データが「前回の暗号化データ」と一致するか否か、即ち、その受信した暗号化データがバッファの受信時暗号化データ記憶領域42cに記憶されているか否かを判断する。そして、何も記憶されていない場合、或いは異なる暗号化データが記憶されている場合は、否定判定されてS410に進み、その受信した暗号化データを新たに「前回の暗号化データ」として更新、即ち、その受信した暗号化データを新たに受信時暗号化データ記憶領域42cに記憶して、一旦この車載機器制御処理を終了する。
【0071】
一方、S320で肯定判定された場合、つまり受信時暗号化データ記憶領域42cに記憶された「前回の暗号化データ」と一致したと判断された場合は、S330に移行する。以後、S330〜S390の各処理は、それぞれ第1実施形態の図3で説明したS120〜S180の各処理と全く同様である。そのため、S330〜S390の処理については概略的に説明する。
【0072】
まず、S330にて、暗号化データが復号化データと共にバッファに記憶されているか否かを判断し、否定判定された場合にはS340に移行し、受信した暗号化データを元の制御データに復号化すると共に、その復号化データを、車載機器制御用に有効化する。続くS350ではID照合を行い、IDコードが一致しない場合はそのままこの処理を終了するが、一致した場合は、S360に移行して、復号化データを暗号化データと共にセットでバッファへ記憶する。
【0073】
そして、S380にて復号化データからスイッチ情報を抽出し、続くS390にて、そのスイッチ情報に応じた制御処理を実行して、一旦この処理を終了する。そのため、次にまた暗号化データを受信したとき、受信時暗号化データ記憶領域42cに記憶されている「前回の暗号化データ」と同じであれば、その度にS330以降の処理が実行されることになる。
【0074】
一方、受信した暗号化データが復号化データと共にバッファに記憶されている場合は、S330にて肯定判定されてS370に移行し、バッファに記憶されている復号化データを、車載機器制御用に有効化する。そのため、続くS380以降の処理では、この有効化された復号化データに基づいて処理が行われることになる。
【0075】
図7に、ワイヤレス送信機1の各スイッチ11a〜11cのいずれかを1回押した場合に生成される制御データ及びそれが暗号化された暗号化データ、さらにそれがCPU41にて復号化される例を示す。尚、図7の例では、ユーザが操作スイッチ11を押してから離すまでの間に連続して2つの制御データが生成(3つ目の制御データは不完全)されたものとして説明する。
【0076】
図7(a)に示すように、操作スイッチ11のいずれかのスイッチを1回押したことにより、そのスイッチに応じた制御データAが連続して2つ生成される。そして、2つの制御データA(A(1),A(2))は、図7(b)に示すように、暗号化モジュール13によってそれぞれ2つの暗号化データA’(A’(1),A’(2))として暗号化される。この暗号化データを受信した車両側では、CPU41が暗号化データを復号化するわけだが、本実施形態では、図6の車載機器制御処理により、最初の暗号化データA’(1)を受信した時点では復号化処理は行わず、その暗号化データA’(1)を一旦バッファへ記憶しておく。そして、二つ目の暗号化データA’(2)を受信したとき、その暗号化データと最初に受信した暗号化データA’(1)とを比較して、一致した場合にのみその暗号化データAを復号化し、復号化データAを有効化するのである。
【0077】
尚、例えばユーザが操作スイッチ11を押してから離すまでの間に連続して3つの制御データ(全て同一)が生成された場合、車両側では、暗号化データA’(2)を受信後、同じ暗号化データA’(3)(図示略)を受信することになる。そしてこの場合も、前回の暗号化データA’(2)との比較結果が一致するため、復号化データA(詳細には、バッファに記憶された復号化データA)を有効化する。
【0078】
つまり、同じ暗号化データA’(1),A’(2)を連続受信することでその復号化データAが有効化された後に、再びまた同じ暗号化データを2つ連続して受信(例えばA’(3)とA’(4))しないと有効化されないというのではなく、A’(2)受信後に引き続きA’(3)を受信すれば、そのA’(3)が、前回受信したA’(2)と同じ暗号化データであることにより、その復号化データAが有効化(2度一致有効化)されるということである。以降も、同じ暗号化データA’を受信するたびに、復号化データAが有効化される。
【0079】
従って、2度一致有効化仕様を採用した本実施形態のキーレスエントリシステムでは、暗号化データが2回連続して受信されたときに各暗号化データ(フレーム)をそれぞれ復号化することなく、2つの暗号化データが同じである場合に、その暗号化データを復号化する。しかもその場合、2つの暗号化データが同じなら必ず復号化するのではなく、前回の復号化結果を暗号化データと共に記憶しておき、その記憶内容と同じである場合には、復号化せず、その記憶されている復号化データを有効化するのである。そのため、受信した暗号化データを毎回復号化する必要がなく、CPU41の処理負荷が低減される。
【0080】
尚、本実施形態におけるCPU41は、本発明の判定手段、第2復号化手段、第2データ書込手段、及び第2有効化手段に相当する。また、図6の車載機器制御処理において、S320の処理は本発明の判定手段が実行する処理に相当し、S330及びS370の処理は本発明の第2有効化手段が実行する処理に相当し、S340の処理は本発明の第2復号化手段が実行する処理に相当し、S360の処理は本発明の第2データ書込手段が実行する処理に相当し、S390の処理は本発明の制御手段が実行する処理に相当する。
【0081】
尚、本発明の実施の形態は、上記第1又は第2実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、上記各実施形態では、バッファにセットで記憶する暗号化データ及びその復号化データの数を、1種類(1セット)のみとして説明したが、例えば数セット記憶、即ち、過去数回受信して復号化した異なる暗号化データを復号化データと共にそれぞれ記憶しておくようにしてもいい。このようにすれば、復号化に伴う処理負担をより低減することが可能である。但し、バッファとして使用する領域を大きくしすぎる(つまりRAM42におけるバッファの占有領域が大きくなる)と、逆にCPU41が実行する他の制御処理に影響が出てくるおそれもあるため、バッファに記憶するデータのセット数は、RAM42の容量等を考慮して適宜決める必要がある。
【0082】
また、上記第2実施形態では、2度一致有効化仕様を採用したキーレスエントリシステムを例に挙げて説明したが、2度一致有効化仕様に限ることなく、例えば同じ暗号化データを連続して3回(或いはそれ以上)受信したときにそれを復号化するといった仕様を採用したシステムにおいても、本発明を適用することができる。
【0083】
更に、上記各実施形態では、本発明を車両のキーレスエントリシステムに適用した場合について説明したが、キーレスエントリシステム以外にも、例えば遠隔操作によりエンジン始動するワイヤレスエンジンスタータシステムや、また例えば、車両側の発信機からの電波を受けた携帯送信機が車両に対して応答信号を返信することにより、ユーザがドアハンドルに触れる等の簡単な操作をするだけでドアロック/アンロック等の各種操作を行える、いわゆるスマートエントリシステムなど、車両に搭載され、暗号化されたデータを送受信するよう構成されたあらゆるワイヤレスシステムに適用可能である。また、ワイヤレスシステムに限定されることもなく、例えば有線により伝送されてくる暗号化データを受信する車載受信装置に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態のキーレスエントリシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】 第1実施形態のバッファを示す説明図である。
【図3】 第1実施形態のCPUが実行する車載機器制御処理を表すフローチャートである。
【図4】 第1実施形態の、ワイヤレス送信機の操作スイッチを押し続けた場合における制御データ生成から暗号化、更にそれが復号化される様子を示す説明図であり、(a)は、操作スイッチを押し続けることにより制御データが生成される様子を示し、(b)は、その制御データを暗号化した暗号化データがCPUにて復号化される様子を示す。
【図5】 第2実施形態のバッファを示す説明図である。
【図6】 第2実施形態のCPUが実行する車載機器制御処理を表すフローチャートである。
【図7】 第2実施形態の、ワイヤレス送信機の操作スイッチを1回押した場合における制御データ生成から暗号化、更にそれが復号化される様子を示す説明図であり、(a)は、操作スイッチを1回押すことにより制御データが生成される様子を示し、(b)は、その制御データを暗号化した暗号化データがCPUにて復号化される様子を示す。
【符号の説明】
1…ワイヤレス送信機、2…車室内チューナ、3…セキュリティECU、4…ボデーECU、5…侵入センサ、6…盗難警報部、6a…ブザー、6b…セキュリティホーン、6c…ランプ、11…操作スイッチ、11a…ドアロックスイッチ、11b…ドアアンロックスイッチ、11c…トランクオープンスイッチ、12…制御部、13…暗号化モジュール、14…変調部、15…送信アンテナ、31…マイコン、32…EEPROM、33…ドライバ、34…電源回路、35,36…I/F、37…出力回路、42a…復号時暗号化データ記憶領域、42b…復号化データ記憶領域、42c…受信時暗号化データ記憶領域、L…車内通信ライン

Claims (4)

  1. 車載機器を制御するための制御データを暗号化した暗号化データを受信する受信手段と、
    該受信手段にて受信した前記暗号化データを元の制御データに復号化し、該復号化により得られる制御データを、前記車載機器を制御するための制御データとして有効化する第1復号化手段と、
    を備えた車載受信装置において、
    前記受信手段にて受信した暗号化データが、前記第1復号化手段によって元の制御データに復号化されると共に該制御データが有効化されたとき、該受信した暗号化データ及び該有効化された制御データを共に記憶手段に記憶する第1データ書込手段と、
    前記受信手段にて前記暗号化データを受信したときに、該受信した暗号化データが前記記憶手段に記憶されている暗号化データと一致するか否かを判定し、一致する場合は、前記第1復号化手段の動作を禁止して、前記記憶手段に記憶されている、該受信した暗号化データに対応した制御データを、前記車載機器を制御するための制御データとして有効化し、一致しない場合は前記第1復号化手段を動作させる第1有効化手段と、
    を備えたことを特徴とする車載受信装置。
  2. 車載機器を制御するための制御データを暗号化した暗号化データを受信する受信手段と、
    前記受信手段にて所定回数連続して受信された暗号化データが全て一致しているか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段にて一致していると判定されたときに、該判定対象となった暗号化データを元の制御データに復号化し、該復号化により得られる制御データを、前記車載機器を制御するための制御データとして有効化する第2復号化手段と、
    を備えたことを特徴とする車載受信装置。
  3. 前記受信手段にて受信した暗号化データが、前記第2復号化手段によって元の制御データに復号化されると共に該制御データが有効化されたとき、該受信した暗号化データ及び該有効化された制御データを共に記憶手段に記憶する第2データ書込手段と、
    前記判定手段にて一致していると判定されたとき、更に、該判定対象となった暗号化データが前記記憶手段に記憶されている暗号化データと一致するか否かを判定し、一致する場合は、前記第2復号化手段の動作を禁止して、前記記憶手段に記憶されている、該判定手段の判定対象となった暗号化データに対応した制御データを、前記車載機器を制御するための制御データとして有効化し、一致しない場合に前記第2復号化手段を動作させる第2有効化手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2記載の車載受信装置。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の車載受信装置と、
    機能を指示するための操作スイッチを備え、該操作スイッチが操作されると、その旨を表す前記制御データを暗号化した前記暗号化データを無線にて送信する送信機と、
    前記送信機からの暗号化データを前記車載受信装置が受信することによって該車載受信装置にて有効化される前記制御データに基づいて、前記車載機器を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とする車両用ワイヤレスシステム。
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