JP3706804B2 - 空燃比センサ用ヒータの制御装置 - Google Patents

空燃比センサ用ヒータの制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空燃比センサ用ヒータの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の空燃比センサ用ヒータの制御装置は、特開平11−264811号公報に記載されている。この装置においては、内燃機関始動時の機関水温に基づいて、ヒータへの初期最大デューティ通電時間を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内燃機関始動時に検出される水温等の機関温度は、必ずしもヒータの温度を正確に反映しておらず、かかる機関温度に基づいてヒータの加熱制御を行うと、ヒータの加熱に過不足が生じる。ヒータを過加熱した場合には、ヒータ或いはセンサが破損し、加熱不足の場合にはセンサ動作が不安定となったり、安定動作到達までの時間が長くなる。
【0004】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ヒータ加熱の過不足が抑制可能な空燃比センサ用のヒータ制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
本発明に係る空燃比センサ用ヒータの制御装置は、内燃機関からの排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出する空燃比センサに付設される空燃比センサ用ヒータの制御装置において、内燃機関始動後の所定期間内の吸気温センサ及び/又は冷却水の水温センサの出力に基づいて、ヒータの温度が所定値に達するようにヒータを加熱することを特徴とする。
【0006】
内燃機関始動時における機関温度は、過去の走行状態等に起因して、必ずしも外気温度、すなわち不通電時のヒータの温度に一致しているとは限らないが、内燃機関始動後の所定期間においては、その機関温度は、これを示す温度が吸気温であれば新気の導入によって、機関水温であれば冷却水の循環によって外気温度に接近する。外気温度は、不通電時のヒータの温度に近いので、上記従来技術のものよりは、正確なヒータ温度を得ることができる。
【0007】
ヒータの加熱には、過加熱による破損、加熱不足の場合のセンサ動作不安定化、或いは安定動作到達時間の長期化を抑制するような加熱制御が行われるが、本発明においては、ヒータ温度がより正確に得られているので、これに基づいて制御を行うことにより、より緻密な不具合抑制を行うことができる。
【0008】
また、前記求められた温度が、前記所定期間内の内燃機関の温度の最低値である場合には、この最低値はヒータの温度に近いものと推定できるので、間接的に当該ヒータの温度を測定することとなり、本制御装置は、このヒータ温度に基づいて、ヒータの温度が所定値に達するようにヒータを加熱することができる。
【0009】
前記所定期間は、内燃機関の始動からヒータの温度を所望の値に保持するフィードバック温度制御を開始する迄の間に1つだけ設定されることとしてもよい。
【0010】
前記所定期間は、連続して複数期間設定され、前記最低値は、前記期間毎に更新されることとしてもよい。この場合、内燃機関の温度の最低値は逐次更新されることなり、これに応じてその状態で最適なヒータ加熱制御が行われる。また、更新前の段階においては、前回の最低値を基準として確実なヒータ加熱を行うことができる。
【0011】
もちろん、上記最低値を与える温度は実際には検出しないで、推定してもよく、すなわち、前記求められた温度は、前記所定期間内の前記内燃機関の温度の推移から推定された当該温度の最低値であることとしてもよい。この場合、推定による不正確性は若干あるが、より早期に加熱制御パラメータを設定することができるので、過加熱を抑制することができる。
【0012】
上述のヒータ加熱制御のパラメータとしては様々なものが考えられるが、ヒータの温度が前記所定値に達するようにヒータを加熱する場合には、ヒータには最大電力が供給され、前記求められた温度に基づいて最大電力の供給時間を設定することが好ましく、この場合には時間設定のみの制御でよいので、当該制御に必要な構成が簡単となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に係る空燃比センサ用ヒータの制御装置について、当該装置が搭載された車両を例に説明する。
【0014】
図1は、車両のシステム構成を示すブロック図である。当該車両は車体BDY内に搭載されたエンジン(内燃機関)E、エンジンEのウォータジャケット内に冷却水を供給するためのラジエータRを備えている。
【0015】
エンジンEが回転すると、エンジンEにリンクするように車体BDYに設けられた後輪及び/又は前輪Wが回転する。エンジンEには、エンジンEのシリンダ内に新気を導入するための吸気系ABと、エンジンEのシリンダから排出された排気ガスを外部に導くための排気系EXとが接続されている。
【0016】
電子制御ユニットECUは、エンジンEのシリンダへの燃料供給量や当該燃料の爆発を制御する点火タイミングを制御する。なお、特段の断りの無い限り、車両内の全ての制御は電子制御ユニットECUで行われているものとする。
【0017】
排気系EXには、空燃比センサ(酸素濃度センサ:O2センサ)Sが取り付けられており、空燃比センサSは排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出し、O2センサ出力SO2として電子制御ユニットECUに入力する。空燃比センサSが安定化(活性化)した場合、電子制御ユニットECUは、O2センサ出力SO2に基づいて、エンジンEのシリンダへの燃料供給量や点火タイミングを最適化する制御、所謂、空燃比フィードバック制御を行う。
【0018】
空燃比センサSは、これに付設されたヒータHによって700℃程度まで加熱されることによって安定化する。ヒータHは電子制御ユニットECUによって制御される。すなわち、電子制御ユニットECUは、バッテリBからヒータHに供給される電力を制御するヒータ通電信号SHをヒータHに入力しており、その加熱を制御している。
【0019】
如何なるヒータ通電信号SHに設定するかは、エンジンEの冷却水温度を検出する水温センサWSの出力(水温)TW、及び/又は吸気系ABを通過する新気の温度を計測する吸気温センサASの出力(吸気温)TAIRに基づく。すなわち、水温TW及び/又は吸気温TAIRがエンジンEの機関温度として用いられ、これが電子制御ユニットECUに入力され、当該入力に基づいてヒータ通電信号SHが出力される。
【0020】
イグニッションスイッチIGをオン状態とすると、図示しないスタータモータが回転してエンジンEが始動し、吸気系ABを介して新気がエンジンEのシリンダ内に取り込まれる。
【0021】
ここで、エンジンEの停止直後にイグニッションスイッチIGをオン状態とすると、エンジン始動時の吸気温TAIRは外気の温度よりも高い場合がある。この場合、この吸気温AIRを外気温度に近似し、当該近似された外気温度を不通電時のヒータHの温度として近似すると、近似によって求められたヒータHの温度THは実際の温度よりも高くなる。
【0022】
すなわち、エンジン始動時における機関温度は、過去の走行状態等に起因して、必ずしも外気温度、すなわち不通電時のヒータHの温度に一致しているとは限らない。この求められたヒータ温度THに基づいて、電子制御ユニットECUがヒータ通電信号SHを出力すると、緻密なヒータHの加熱ができない。
【0023】
この場合、ヒータHの過加熱による破損、加熱不足の場合のセンサ動作不安定化、或いは安定動作到達時間の長期化が見込まれる。これらは最終的な空燃比フィードバック制御の特性向上を阻害する。
【0024】
本例においては、イグニッションスイッチIGをオン状態とすると、吸気系ABを介して新気がエンジンE内に取り込まれ、また、図示しないウォータポンプが回転して冷却水が循環することにより、吸気温TAIR及び/又は水温TWが外気温度に接近する。
【0025】
すなわち、エンジン始動後の所定期間Tにおいては、その機関温度TAIR,TWは、これを示す温度が吸気温TAIRであれば新気の導入によって、機関水温TWであれば冷却水の循環によって外気温度に接近する。外気温度は、不通電時のヒータの温度に近いので、本例においては、従来よりも正確なヒータ温度(センサ温度)THを間接的に得ることができる。
【0026】
図2は、ヒータ温度THの時間依存性を示すグラフである。イグニッションスイッチIGをオン状態とする等して、ヒータHを加熱する旨のトリガー入力があると(時刻:t1)、ヒータ温度THへの通電が開始されるため、ヒータ温度THの真値Aは上昇し、時刻t2−t1によって規定される所定期間t(A)後に目的温度TTに到達する。
【0027】
もちろん、過剰な電力をヒータHに単位時間当たりに供給すると、周囲との温度差によってヒータHが破損するので、ヒータHへの供給電力は、その加熱レートが最大許容加熱レート(D)よりも小さくなるように、マージンMをとって設定される。真値(A)が得られた場合には、電子制御ユニットECUは、このような加熱制御を行う。
【0028】
ところが、イグニッションスイッチIGをオン状態とする前の車両状態が、上述の停車直後の状態のような場合においては、ヒータ温度THの推定値(B)が真値(A)よりも高くなる場合がある。仮にこれが真値であれば、真値(A)と同様な加熱レートで期間T(B)の間、目的温度TTまで加熱するか(B1)、周囲との温度差が小さいので更に大きな加熱レートで目的温度TTまで加熱する(B2)こととなる。
【0029】
しかしながら、実際の真値は(A)なので、このような加熱を行うと、加熱不足(結果:B1)又は最大許容加熱レートを超えることによる破損(結果:B2)を招く結果となる。もちろん、加熱不足(結果:B1)の場合において、この加熱期間後のフィードバック温度制御期間において、ヒータHのインピダンスが予め設定された値となるまで、徐々にヒータHの加熱を続ければ、いずれは目的温度TTに到達するが(結果:B″)、空燃比センサSが活性化するまでの時間が余分にかかることとなり、空燃比センサSの出力SO2に基づく空燃比フィードバック制御が正確に行われるまでの時間が長くなり、エミッションやドライバビリティの悪化を招くおそれがある。
【0030】
また、ヒータ温度THの推定値(C)が真値(A)よりも特に低い場合、期間t(C)の間、所定電力をヒータHに供給して目的温度TTに到達させようとするが、実際には真値は(A)なので、ヒータH又は空燃比センサSの絶対破壊温度TBを超えてしまう(結果:C)。
【0031】
本実施形態においては、ヒータ温度THがより正確に得られているので、これに基づいて制御を行うことにより、より緻密な不具合抑制を行うことができる。ここで、求められた温度TAIR,TWが、上記所定期間t(A)内の内燃機関の温度の最低値TMINである場合には、この最低値TMINはヒータHの温度THに近いものと推定できるので、間接的に当該ヒータHの温度THを測定することとなり、本制御装置ECUは、このヒータ温度THに基づいて、ヒータHの温度が所定値に達するようにヒータHを加熱することができる。
【0032】
なお、図中の直線の傾きは、電気ヒータHに供給される電力がパルス信号で与えられる場合には、そのパルスの高さ及びデューティ比が高いほど大きくなる。
【0033】
ヒータ温度THが所定値に到達した場合、もちろん、この所定値を空燃比センサSの活性化温度とすることはできるが、この場合、空燃比センサSの温度を一定に保持するため、電子制御ユニットECUは、この時のヒータHのインピダンスが一定になるように、ヒータHに供給される電力量、すなわち、パルスの高さ及びデューティ比を可変するようなフィードバック温度制御を行う。
【0034】
また、この所定値が空燃比センサSの活性化温度よりも低い場合には、空燃比センサSの温度を所望の値に増加させるため、電子制御ユニットECUは、この時のヒータHのインピダンスが増加するように、ヒータHに供給される電力量、すなわち、パルスの高さ及びデューティ比を可変するようなフィードバック温度制御を行う。
【0035】
すなわち、本制御においては、最大電力供給期間とフィードバック温度制御期間とが設定されており、上述の例においては所定期間t(A)が最大電力供給期間に設定されている。換言すれば、所定期間t(A)は、エンジンEの始動から、ヒータHの温度を一定に保持するフィードバック温度制御を開始する迄の間に1つだけ設定されている。すなわち、機関温度が最低値TMINとなった場合に、この最低値TMINに基づいてヒータHへの最大電力での通電時間が決定される。
【0036】
なお、上記最小値TMINは逐次更新することとしてもよい。換言すれば、所定期間Δtが、フィードバック制御期間の迄の間に、連続して複数期間設定され、最低値TMINは、期間Δt毎に更新されることとしてもよい。つまり、機関温度の推移を継続的に検出し、機関温度の検出値に基づき最低温度を随時更新する。この場合、エンジンEの温度の最低値TMINは逐次更新されることなり、これに応じてその状態で最適なヒータ加熱制御が行われる。なお、この逐次制御の初期値においては現在の温度TAIR,Wを最低値TMINとして扱う。
【0037】
図3は、この制御を行うためのフローチャートである。
【0038】
本例においては、機関温度として吸気温TAIRを用いるものについて示す。イグニッションスイッチIGをオン状態とする等して、ヒータHを加熱する旨のトリガー入力があると、センサ暖気通電時間算出ルーチンが数十乃至数100msのオーダで実行され、まず、現在の吸気温TAIRが、吸気温最低値TMINよりも低いかどうかについて判定され(S1)、低い場合には、現在の吸気温TAIRを最低値TMINとし(S2)、この時の最低値TMINから求められる所定期間t(A)を設定し(S3)、所定期間t(A)の間、最大電力(デューティ比が最大)をヒータHに供給する。
【0039】
ステップS1において、現在の吸気温TAIRが、吸気温最低値TMINと同じか或いはそれよりも高くなった場合には、ステップS3を実行し、吸気温最低値TMINから導かれる所定期間t(A)を設定する。なお、ここで最大電力供給の前に徐々に加熱する期間を設けても良い。
【0040】
本例によれば、更新前の段階においては、前回の最低値を基準として確実なヒータ加熱を行うことができる。
【0041】
上述のヒータ加熱制御のパラメータとしては様々なものが考えられるが、ヒータHの温度が所定値に達するようにヒータHを加熱する場合には、ヒータHには最大電力が供給され、前記求められた温度に基づいて最大電力の供給時間が設定されている。この場合には時間設定のみの制御でよいので、当該制御に必要な構成が簡単となる。
【0042】
図4は、上記ステップS3において吸気温最低値TMINから設定される(所定期間t(A):暖気通電時間)を示すためのグラフである。このグラフのデータは、電子制御ユニットECU内のメモリ内に格納されており、最低値TMINが求められると、ルックアップテーブル方式でメモリ内から暖気通電時間t(A)が読み出され、これが決定される。
【0043】
上述のように、最低値TMINは間接的にヒータH(空燃比センサS)の温度THを示している。ヒータHの温度が低い場合には、ヒートショック低減の観点から、最大電力を供給する期間は短い方が好ましいので、暖気通電時間t(A)は短く、大きい場合には、暖気通電時間t(A)を長くする。
【0044】
ここで、ヒータHの温度が低く、暖気通電時間t(A)が短い場合には、この時間の終了時において、ヒータHの温度は所定値には到達するが、空燃比センサSが十分に活性化する程度の温度に到達しないこととなる。したがって、所定値と空燃比センサSの活性化する温度との間に温度差がある場合には、この後のフィードバック温度制御期間においてヒータHに小さな電力を供給することによって、時間を掛けて温度差を補填する。
【0045】
図5(a)は上記加熱制御を行う場合の吸気温TAIRの時間依存性を、図5(b)は、吸気温TAIRに基づいて決定される暖気通電時間t(A)の時間依存性を、図5(c)はヒータHに入力されるヒータ通電信号SHの大きさの時間依存性を示すグラフである。上記イグニッションスイッチIGがオン状態となり、機関始動により新気が導入されることによって、吸気温TAIRは急激に低下し、最低値となった後に徐々に上昇している。
【0046】
ヒータHの温度が低いほど暖気通電時間t(A)は短くなるので、吸気温TAIRの低下に伴って、暖気通電時間t(A)は短くなり、これが最低値になった時点で暖気通電時間t(A)は確定している。暖気通電時間t(A)においては、デューティ比100%のパルス電流(電圧)がヒータHに供給され、その後のフィードバック温度制御期間においては、デューティ比及び/又は振幅が100%よりも小さいパルス電流(電圧)がヒータHに供給される。
【0047】
図6は、別の加熱制御について説明するためのフローチャートである。すなわち、上述の制御においては、吸気温TAIRを実際に測定し、これから一意的に決定される暖気通電時間t(A)を決定したが、これの最低値TMINを与える温度TAIRは実際には検出しないで、推定してもよく、すなわち、求められた温度は、所定期間t(A)内の温度TAIRの推移から推定された当該温度の最低値TMINである。この場合、推定による不正確性は若干あるが、より早期に加熱制御パラメータ、通電時間t(A)を設定することができるので、過加熱を抑制することができる。
【0048】
イグニッションスイッチIGをオン状態とする等して、ヒータHを加熱する旨のトリガー入力があると、センサ温度推定ルーチンが実行され、まず、始動後所定時間Δtが経過したかどうかが判定され(S4)、経過するまではステップS4の判定を継続し、経過した場合には現在の吸気温TAIRとトリガー入力時の初期吸気温TAIR0との差分(TAIR−TAIR0)に基づいて吸気温(空燃比センサ温度)TAIRの最低値TMINが推定され、この時の最低値TMINから求められる所定期間t(A)を設定し(S5)、所定期間t(A)の間、最大電力(デューティ比が最大)をヒータHに供給する。
【0049】
なお、ここでも最大電力供給の前に徐々に加熱する期間を設けても良い。ここで、最低値TMINと所定期間t(A)との関係は、予め電子制御ユニットECU内のメモリ内に格納されており、最低値TMINが求められると、ルックアップテーブル方式でメモリ内から暖気通電時間t(A)が読み出され、これが決定される。
【0050】
図7は、図6に示した加熱制御のルックアップテーブルとして用いられるマップの一例を示す表である。表内の数値は全て温度(℃)を示し、TAIR0の行とTAIR−TAIR0の列との交点に記載の数値が、推定される最低値TMINを示す。例えば、TAIR0が40℃であって、始動後所定時間Δtが経過した場合の温度降下量TAIR−TAIR0が−10℃である場合には、最低値TMINは20℃であると推定できる。
【0051】
なお、上記においては、機関温度として吸気温TAIRを用いたが、これは水温TWに読み替えることもできる。水温TWを用いる場合、ブロックヒータ等により水温センサWS近傍の水温が局所的に高くなっている場合があるが、エンジン始動後には冷却水が導入又は循環するので、上述のようにエンジン始動後を含めた最低値に基づきヒータ制御パラメータ、最大電力供給期間t(A)を設定することで、適切なセンサ暖気通電を行うことができる。
【0052】
また、特別な部品を必要としないので、部品点数を抑えることもできる。
【0053】
なお、ヒータ制御パラメータとしては、通電時間(最大電力供給期間)t(A)の他に、通電時にヒータHに供給される電流(電圧)のデューティ比、始動当初にヒータHに供給する初期通電量、初期通電量から最大通電量に徐々に供給電力を増加させる場合には、これに要する時間等が挙げられる。
【0054】
また、以下に説明するように、吸気温TAIR及び水温TW双方を用いて加熱制御を行うこともできる。
【0055】
図8は、更に別の加熱制御について説明するためのフローチャートである。本例においては、機関温度として吸気温TAIR及び水温TWを用いるものについて示す。
【0056】
イグニッションスイッチIGをオン状態とする等して、ヒータHを加熱する旨のトリガー入力があると、センサ暖気通電時間算出ルーチンが実行され、まず、現在の吸気温TAIRが、吸気温最低値TMINよりも低いかどうかについて判定され(S6)、低い場合には、現在の吸気温TAIRを吸気温最低値TMINとして記録し(S7)、高い場合には次のステップ(S8)に進む。
【0057】
次のステップS8では、現在の水温Twが、水温最低値TMIN’よりも低いかどうかについて判定され(S8)、低い場合には、現在の水温TWを水温最低値TMIN’として記録し(S9)、高い場合には次のステップ(S10)に進む。
【0058】
上記で求められた吸気温最低値TMINと水温最低値TMIN’とを比較し(S10)、値の小さい方を最低値Xとして記録し(S11,S12)、この時の最低値Xから求められる所定期間t(A)を設定し(S13)、所定期間t(A)の間、最大電力(デューティ比が最大)をヒータHに供給する。なお、ここでも最大電力供給の前に徐々に加熱する期間を設けても良い。
【0059】
もちろん、最低値Xと所定期間t(A)との関係は、予め電子制御ユニットECU内のメモリ内に格納されており、最低値Xが求められると、ルックアップテーブル方式でメモリ内から暖気通電時間t(A)が読み出され、これが決定される。
【0060】
以上、説明したように、上述の実施形態に係る空燃比センサ用ヒータの制御装置においては、エンジン始動後の機関温度に基づいて、ヒータHの加熱を制御するので、ヒータ加熱の過不足を抑制することができ、より緻密な空燃比フィードバック制御を行うことができる。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の空燃比センサ用ヒータの制御装置においては、ヒータ加熱の過不足を抑制できるので、より緻密な空燃比フィードバック制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】ヒータ温度THの時間依存性を示すグラフである。
【図3】加熱制御を行うためのフローチャートである。
【図4】吸気温最低値TMINと暖気通電時間の関係を示すグラフである。
【図5】加熱制御を行う場合の吸気温TAIRの時間依存性(図5(a))、吸気温TAIRに基づいて決定される暖気通電時間t(A)の時間依存性(図5(b))、ヒータHに入力されるヒータ通電信号SHの大きさの時間依存性(図5(c))を示すグラフである。
【図6】別の加熱制御について説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示した加熱制御のルックアップテーブルとして用いられるマップの一例を示す表である。
【図8】更に別の加熱制御について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
AB…吸気系、AS…吸気温センサ、B…バッテリ、BDY…車体、E…エンジン、ECU…電子制御ユニット、EX…排気系、H…ヒータ、IG…イグニッションスイッチ、R…ラジエータ、S…空燃比センサ、SH…ヒータ通電信号、SO2…センサ出力、T…ヒータ、W…前後輪、WS…水温センサ。

Claims (6)

  1. 内燃機関からの排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出する空燃比センサに付設される空燃比センサ用ヒータの制御装置において、
    前記内燃機関始動後の所定期間内の吸気温センサ及び/又は冷却水の水温センサの出力に基づいて、前記ヒータの温度が所定値に達するように前記ヒータを加熱することを特徴とする空燃比センサ用ヒータの制御装置。
  2. 内燃機関からの排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出する空燃比センサに付設される空燃比センサ用ヒータの制御装置において、
    前記内燃機関始動後の所定期間内の前記内燃機関の温度を求め、求められた前記温度に基づいて、前記ヒータの温度が所定値に達するように前記ヒータを加熱する空燃比センサ用ヒータの制御装置であって、
    前記求められた温度は、前記所定期間内の前記内燃機関の温度の最低値であることを特徴とする空燃比センサ用ヒータの制御装置。
  3. 前記所定期間は、前記内燃機関の始動から前記ヒータの温度を所望の値にするフィードバック温度制御を開始する迄の間に1つだけ設定されることを特徴とする請求項2に記載の空燃比センサ用ヒータの制御装置。
  4. 前記所定期間は、連続して複数期間設定され、前記最低値は、前記期間毎に更新されることを特徴とする請求項2に記載の空燃比センサ用ヒータの制御装置。
  5. 内燃機関からの排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出する空燃比センサに付設される空燃比センサ用ヒータの制御装置において、
    前記内燃機関始動後の所定期間内の前記内燃機関の温度を求め、求められた前記温度に基づいて、前記ヒータの温度が所定値に達するように前記ヒータを加熱する空燃比センサ用ヒータの制御装置であって、
    前記求められた温度は、前記所定期間内の前記内燃機関の温度の推移から推定された当該温度の最低値であることを特徴とする空燃比センサ用ヒータの制御装置。
  6. 内燃機関からの排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出する空燃比センサに付設される空燃比センサ用ヒータの制御装置において、
    前記内燃機関始動後の所定期間内の前記内燃機関の温度を求め、求められた前記温度に基づいて、前記ヒータの温度が所定値に達するように前記ヒータを加熱する空燃比センサ用ヒータの制御装置であって、
    前記ヒータの温度が前記所定値に達するように前記ヒータを加熱する場合、前記ヒータには最大電力が供給され、前記求められた温度に基づいて前記最大電力の供給時間を設定することを特徴とする空燃比センサ用ヒータの制御装置。
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