JP3706193B2 - 抗変性低密度リポ蛋白抗体の測定方法及びそのための試薬 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動脈硬化症の臨床診断に有用な、変性低密度リポ蛋白(以下、「 変性LDL」ということがある)に対する抗体の検出法に関する。
【0002】
【従来の技術】
動脈硬化症は血中のLDLが変性を受け、マクロファージに取り込まれて血管壁に沈着することが要因といわれている。血中には同時に変性LDLに対する抗体が出現しこの抗変性LDL抗体を検出することは各種動脈硬化症の進行の程度を検査する上で臨床上有用な指標の1つとして注目されている(CLIN., CHEM., 40, 882, 1994)。
【0003】
しかし、抗変性LDL抗体の検出は欧米にて僅かに報告されているに過ぎない(CLIN., CHEM., 40, 882, 1994 及びArterioscular Thromb., 14, 1892, 1995)。それらの抗変性LDL抗体の検出は、ヒト血中から超遠心分離機により分離したLDLを酸化変性させた変性LDLを使用する酵素免疫測定法による検出法であったが、この方法で得られた変性LDLは不安定で、臨床試料を検体とした抗変性LDL抗体の検出に利用した場合、一定した検出結果を得ることができず実用的ではなかった。従来これより他に抗変性LDL抗体の検出法に関する報告もなく、抗変性LDL抗体の検出の有用性を確認し、臨床検査の分野に普及することができなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、検体中の抗変性LDL抗体を精度良く検出することができる方法及びそのための試薬を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、抗原として変性LDLを用いるのではなく、変性LDLを構成する蛋白成分である変性アポB蛋白の特定のフラグメントを用いて検体中の抗変性LDL抗体と抗原抗体反応を行わせることにより、検体中の抗変性LDL抗体を精度良く測定することができることを見出し本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、抗原としての分子量約60kdと65kdの変性アポB蛋白フラグメントと、検体中の抗変性低密度リポ蛋白抗体との抗原抗体反応を利用した免疫測定法により前記検体中の抗変性低密度リポ蛋白抗体を測定する方法を提供する。また、本発明は、分子量約60kdと65kdの変性アポB蛋白フラグメントを含む、抗変性低密度リポ蛋白抗体測定試薬を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の方法により測定される抗変性LDL抗体は、マクロファージに取り込まれて血管壁に沈着する、動脈硬化症の原因となる変性LDLに対する抗体である。従って、本発明の方法に供される検体は、必ずしも限定されるわけではないが、通常、血液又は血清若しくは血漿のような血液成分である。
【0008】
本発明の方法には、抗原として変性アポB蛋白フラグメントが用いられる。アポB蛋白及びアポB蛋白フラグメント自体はこの分野において周知であり、これらはLDLを構成する成分である。アポB蛋白は周知の脱脂操作(新生化学実験講座、4, 257, 1993)によりLDLから抽出することができる。また、アポB蛋白フラグメントは、LDLをゲル濾過クロマトグラフィー(蛋白質・酵素の基礎実験法、改訂2版、232, 1994)やSDS電気泳動操作(新生化学実験講座、4, 229, 1993)にかけることにより分離することができる。アポB蛋白フラグメントとしては複数のものが存在するが、SDS電気泳動により分離される分子量約60kd65kdのフラグメント、及びこれらに加えてさらにゲル濾過クロマトグラフィーにより分子量5kd〜20kdの画分を回収することにより回収されるフラグメントを好ましく用いることができる。
【0009】
本発明の方法において抗原として用いられるアポB蛋白フラグメントは、変性されたものである。変性処理は、アポB蛋白又はアポB蛋白フラグメントをLDLから分離した後に行うこともできるし、まず、LDLを変性処理した後、該変性LDLから変性したアポB蛋白又はアポB蛋白フラグメントを分離することもできる。変性処理は、LDL又はアポB蛋白もしくはアポB蛋白フラグメントを、公知の方法(Arterioscular Thromb., 14, 1892, 1995)により、金属イオン、活性酸素、過酸化水素、紫外線又は酸化酵素で処理することにより行うことができる。
【0010】
ここで、変性処理に用いられる金属イオンとしては、銅イオン、鉄イオン、マンガンイオン、鉛イオンなどを挙げることができ、これらのうち銅イオンが特に好ましい。銅イオンで処理する場合、処理されるLDL又はアポB蛋白若しくはアポB蛋白フラグメントの濃度は特に限定されないが、30〜300μg/ml程度が好ましく、また、銅イオン濃度は、特に限定されないが10〜100μM程度が好ましい。また、処理温度は、特に限定されないが20〜40℃程度が好ましく、反応時間は1〜18時間程度が好ましい。
【0011】
紫外線により蛋白の変性を行う場合、処理されるLDL又はアポB蛋白若しくはアポB蛋白フラグメントの濃度は特に限定されないが、30〜300μg/ml程度が望ましく、紫外線はUVランプ下で1〜18時間程度が好ましい。
【0012】
酸化酵素により変性を行う場合には、酸化酵素としてはペルオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、NAD(P)Hオキシダーゼ等を挙げることができる。特にペルオキシダーゼが好ましく、処理されるLDL又はアポB蛋白若しくはアポB蛋白フラグメントの濃度は特に限定されないが、30〜300μg/ml程度が好ましく、ペルオキシダーゼ活性は特に限定されないが100〜1000U/l程度で20〜40℃にて1〜18時間程度の処理時間が好ましい。
【0013】
上記の変性アポB蛋白フラグメントを抗原として用い、検体中の抗変性LDL抗体を測定する。変性アポB蛋白フラグメントと抗変性LDL抗体との反応は抗原抗体反応であるから、周知の免疫測定法のいずれによっても検体中の抗変性LDL抗体を測定することができ、免疫測定法の態様は全く限定されるものではない。すなわち、反応形式で分類すれば、サンドイッチ法、競合法、凝集法、ウェスタンブロット法等のいずれであってもよく、また、標識で分類すれば酵素免疫法、放射免疫法、蛍光法等のいずれであってもよい。これらの免疫測定方法自体はこの分野において周知である。周知のように、免疫測定法により、標的物質の検出および定量の両方が可能であるから、本発明で言う「測定」には存在の検出と定量の両者が包含される。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
ヒト血清6mlを分画超遠心法(新生化学実験講座、4, 181, 1993) に従って2mlのLDL分画を分離し、100μMの硫酸銅存在下で3時間、酸化的に変性させて変性LDLを得た。得られた変性LDLをエタノール/エーテルにより公知の方法(新生化学実験講座、4, 257, 1993) に従って脱脂し、1mgの変性アポB蛋白を得た。得られた変性LDL及び変性アポB蛋白の各々10μlをSDSポリアクリルアミド電気泳動法(新生化学実験講座、4, 229, 1993) に従って30mAの一定電流で泳動し、泳動後、泳動ゲル中の蛋白質を1mA/cm2 の一定電流でポリビニルジフェニル膜に転写した。転写膜に試料を満たし18時間反応させ、洗浄後にペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリン抗体を2時間反応させ、洗浄後にジアミノベンチジン及び過酸化水素水を満たして抗変性LDL抗体を検出した。
【0016】
その結果を図1に示す。図1に示されるように、従来の変性LDL同様、本発明の変性アポB蛋白を使用する方法においても、抗変性LDL抗体は同一な約60kd及び65kdの2つのフラグメントと結合するものとして検出された。このことは、本発明により従来と同一な抗変性LDL抗体が検出できることを示すとともに、分子量約60kd及び65kdの変性アポB蛋白フラグメントが抗変性LDL抗体検出の指標として有用であることを示している。
【0017】
実施例2
実施例1と同様な方法で得た変性LDLをスーパーロース6HRカラム(ファルマシア社製)にて常法(蛋白質・酵素の基礎実験法、改訂2版、232, 1994)に従ってゲル濾過を行い、分子量20〜5kdの分画0.5mlを変性アポB蛋白フラグメントとして得た。得られた変性アポB蛋白フラグメント及び実施例1で得られた変性LDL及び変性アポB蛋白の各々を96穴マイクロプレートに2μg/穴となるように加え、4℃で24時間放置後、0.05%Tween20 (商品名)添加リン酸緩衝液で洗浄後、試料(健常人又は動脈硬化症患者の血清)を100μl加えて室温30分間反応させた。反応後、洗浄を繰り返し、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトイムノグロブリ抗体を100μl加えて室温で30分間反応させた。洗浄後、トリメチルベンチジン過酸化水素水を加えて450nmの吸光度を測定した。
【0018】
結果を図2に示す。図2は変性LDLを使用する従来法に比して変性アポB蛋白蛋白又は変性アポB蛋白フラグメントを使用した本発明による方法が試料中の抗変性LDL抗体を動脈硬化症患者と関連付けて検出できることを示しており、本発明が臨床試料を検体とした変性LDL抗体検出に有効であることを示している。
【0022】
【発明の効果】
本発明により、抗変性LDL抗体を精度良く検出できる方法及びそのための試薬が提供された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるウェスタンブロット法の結果を示す図である。
【図2】健常人及び動脈硬化症患者の血清を検体とし、本発明に基づくサンドイッチELISA法により検体中の抗変性LDL抗体を測定した結果を示す図である。

Claims (10)

  1. 抗原としての分子量約60kdと65kdの変性アポB蛋白フラグメントと、検体中の抗変性低密度リポ蛋白抗体との抗原抗体反応を利用した免疫測定法により前記検体中の抗変性低密度リポ蛋白抗体を測定する方法。
  2. 前記変性アポB蛋白フラグメントは、金属イオンにより変性されたものである請求項1記載の方法。
  3. 前記金属イオンは銅イオンである請求項2記載の方法。
  4. 分子量が20kdないし5kdの変性アポB蛋白フラグメントを抗原としてさらに用いる請求項1ないし3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記免疫測定法がウェスタンブロット法である請求項1ないし4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記免疫測定法が酵素免疫測定法である請求項1ないしのいずれか1項記載の方法。
  7. 分子量約60kdと65kdの変性アポB蛋白フラグメントを含む、抗変性低密度リポ蛋白抗体測定試薬。
  8. 前記変性アポB蛋白フラグメントは、金属イオンにより変性されたものである請求項記載の試薬。
  9. 前記金属イオンは銅イオンである請求項記載の試薬。
  10. 分子量が20kdないし5kdの変性アポB蛋白フラグメントをさらに含む請求項ないし10のいずれか1項記載の試薬。
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