JP3706014B2 - ラミネート缶胴溶接部の補修方法 - Google Patents

ラミネート缶胴溶接部の補修方法 Download PDF

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  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、胴板を溶接して作製される缶であってその内面に合成樹脂フィルムが貼着されたラミネート缶について、上記溶接された部分に胴部の内側より合成樹脂フィルムを貼着して上記胴溶接部の補修を行うラミネート缶胴溶接部の補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒形状にロールされた胴板をその軸方向に沿って溶接して作製される、JIS(日本工業規格)Z1620に規定されるペール缶が存在する。さらに、予め合成樹脂フィルムを貼付した胴板にて例えば上記ペール缶を作製した、いわゆるラミネート缶と呼ばれる容器が存在する。このようなラミネート缶は、缶内面が上記フィルムにて覆われているので耐内容物性能が優れている。但し、該ラミネート缶では、上記溶接を可能とするために溶接線を中心に約3.5〜6mmの幅には予め上記合成樹脂フィルムは貼付されていない。
【0003】
又、上記胴溶接部には上記合成樹脂フィルムが存在しないことから上記溶接に起因して欠陥が発生する。該欠陥の補修方法としては、溶剤タイプの熱硬化樹脂塗料や、熱硬化性粉体塗料、熱可塑性の粉体塗料等を上記胴溶接部に塗布すること等が一般に広く使用されるが、この方法ではピンホール等の発生があり、容器内面の胴溶接部を完全に補修することは困難である。よって、上記胴溶接部の欠陥補修の方法として、図6に示すように、上記胴溶接部10に沿って延在し例えばポリエチレンフィルムにてなる短冊状の補修用フィルム20を上記ラミネート缶1の内面で上記胴溶接部10に沿って貼着する方法がある。該貼着方法では、上記合成樹脂フィルム11の存在しない上記胴溶接部10を加熱するとともに、ラミネート缶1の内面に貼付されている上記合成樹脂フィルム11の内上記胴溶接部10の近傍部分12を加熱し、該近傍部分12を軟化又は溶融させる。その後、上記胴溶接部10を覆い、かつ上記補修用フィルム20の幅方向における両側縁部21が上記近傍部分12に対応するようにして、補修用フィルム20を貼付する。この方法によれば、上記塗布による方法に比べピンホールの発生はなく、よって耐腐食性は優れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特に、上記合成樹脂フィルム11の上記近傍部分12と、上記補修用フィルム20の上記両側縁部21とを確実に接着させるのは実際には困難な場合が多い。即ち、容器自体の肉厚がペール缶に比べて薄い場合や、容器内面に貼付されている合成樹脂フィルムの厚みが例えば50μm未満のように上記ラミネート缶における上記合成樹脂フィルム11の厚みに比べて薄い場合には、上記容器の外側から胴溶接部を加熱することで、容器内面に貼付されている合成樹脂フィルムは十分に軟化、溶融することができ、よって補修用フィルムを合成樹脂フィルムに比較的容易に貼着することができる。
【0005】
これに対して、ペール缶タイプのラミネート缶1では、缶の鋼板肉厚が一例として0.34mmであり、合成樹脂フィルム11の厚みも50〜150μm程度であり、上記胴溶接部10を缶の外側から加熱した程度では、合成樹脂フィルム11の熱伝導性が悪いことも影響して、上記合成樹脂フィルム11の上記近傍部分12の表面まで溶融状態とするには長時間を要し、上記ラミネート缶1の生産性を向上させることは困難である。一方、ラミネート缶1の内面側から上記胴溶接部10を加熱したとしても、熱はまず缶の鋼板自体に流れ、上記近傍部分12が直ちに接着に適切な状態にならない。このように、いずれの場合においても、上記胴溶接部10及び上記両側縁部21に上記補修用フィルム20を確実に接着させるのは困難である。したがって、従来、製造されるすべてのラミネート缶について耐腐食性を保証することは困難であった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、上記ラミネート缶の胴溶接部に補修用フィルムを貼着して補修を行う場合、上記補修用フィルムの貼着が確実に行え、上記ラミネート缶の耐腐食性における品質向上を図ることができる、ラミネート缶胴溶接部の補修方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するために、本発明では以下のように構成する。
即ち、本発明の第1態様におけるラミネート缶胴溶接部の補修方法は、胴溶接部を除き胴内面に50〜150μm厚の樹脂フィルムが貼付されたラミネート缶における上記胴溶接部の補修方法において、
上記ラミネート缶の外面側より上記胴溶接部及びその近傍部分において、胴板及び上記近傍部分の上記樹脂フィルムにおける上記胴板に接している内面部分を主加熱し、さらに該主加熱では上記樹脂フィルムの厚み方向において上記内面と温度差を生じる上記近傍部分における上記樹脂フィルムの外面を上記ラミネート缶の内面側より補助加熱して上記胴溶接部及びその近傍部分における上記胴板及び上記樹脂フィルムを補修用フィルムの確実な貼着に必要な1次加熱温度以上に加熱し、
上記補助加熱後、上記ラミネート缶の内面における上記胴溶接部及びその近傍部分に対して補修用フィルムを貼付し、
上記補修用フィルムの貼付後、上記1次加熱温度を超えかつ上記補修用フィルムと上記樹脂フィルムとの接着力を増強する2次加熱温度まで、上記ラミネート缶の外面側より上記胴溶接部及びその近傍部分を加熱する、
ことを特徴とする。
【0007】
又、上記補助加熱は、上記胴溶接部近傍部分における上記ラミネート缶の周方向において上記胴溶接部の両側に位置するそれぞれの上記胴溶接部近傍部分に対応して2箇所にて行うこともできる。
【0008】
又、上記主加熱は、上記ラミネート缶の上記胴溶接部の胴板において高周波誘導加熱にて約150℃にてなる上記1次加熱温度までの加熱であり、上記補助加熱は直火による加熱とすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態であるラミネート缶胴溶接部の補修方法について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。又、本実施形態において、上記ラミネート缶胴溶接部の補修が行われる缶として上述のJIS Z1620に規定されるペール缶を例に採るが、該ペール缶に限定されるものではない。即ち、胴溶接部を除いて容器内面に樹脂フィルムが貼付されており上記胴溶接部の補修を行うために上記胴溶接部を覆って補修用フィルムが貼着される容器であって、上記補修用フィルムを貼着するため上記胴溶接部を加熱したとき上記容器内面に貼付されている上記樹脂フィルムの内外面において温度差が生じ、該温度差に起因して上記補修用フィルムの貼着が確実に行われないという問題が生じる容器に適用可能である。具体的には、上記容器内面に貼付されている上記樹脂フィルムの材質がポリエチレンであるとき、その厚みが50μm以上の樹脂フィルムが容器内面に貼付されている容器が該当する。
尚、本実施形態では、後述のように、ラミネート缶1の内面には、一例として70μm又は130μm厚で、ポリエチレンにてなる樹脂フィルム11が貼付されている。
【0010】
又、本明細書において、図3に示すように、上記胴溶接部10は、領域Iとして示す領域であり、溶接ビード部分30及びその近傍部分に相当する領域であり、具体的には、ラミネート缶1の胴板40の溶接のために、上記樹脂フィルム11が予め除去された領域に相当する。一例として約8mm幅である。又、上記溶接ビード部分30は、胴板40が重なり合い該胴板40の端面同士が溶融し溶接された、図3に領域IIとして示す領域であり、一例として約1.5mmである。又、本明細書において、「胴溶接部及びその近傍部分」とは、図3に領域IIIとして示す領域であり、上記領域Iの上記胴溶接部10、及びラミネート缶1の周方向における該胴溶接部10の両側に位置する上記近傍部分12の両方を合わせた領域である。具体的には、ラミネート缶1の周方向に沿った上記補修用フィルム20の幅寸法よりも僅かに大きい幅寸法を有する領域であり、一例として約30mmである。又、補修用フィルム20の幅寸法は、一例として約20mmである。
【0011】
上記実施形態の溶接部補修方法を実行する、本発明の実施形態における、ラミネート缶胴溶接部の補修装置について、図2を参照して説明する。
本実施形態における上記補修装置101は、大きくは、主加熱装置110と、補助加熱装置120と、補修用フィルム貼付装置130と、接着力増強用加熱装置140と、制御装置150とを備えるとともに、さらに溶接装置180及び搬送装置190を備えている。但し、溶接装置180及び搬送装置190は、必須の構成部分ではない。又、上記制御装置150は、補修装置101の各構成装置の動作制御を行い、後述のラミネート缶胴溶接部の補修方法を実行する。
尚、図2では、ラミネート缶1の胴溶接部が重力方向に配置される場合の補修装置101を図示しているが、上記胴溶接部が反重力方向に位置するように構成することもできる。この場合、上記溶接装置180、上記主加熱装置110、上記補助加熱装置120、上記補修用フィルム貼付装置130、及び上記接着力増強用加熱装置140は、上記胴溶接部に対応するように配置される。
【0012】
当該補修装置101では、図6に示すように胴溶接部10を除き胴内面に50〜150μm厚の樹脂フィルム11を貼付したラミネート缶1が上記搬送装置190にて図2の左側から右側へ搬送され、該搬送に従い、主加熱装置110、補助加熱装置120、補修用フィルム貼付装置130、接着力増強用加熱装置140の順に、ラミネート缶1に対して各処理が行なわれ、最終的に、上記胴溶接部10及びその近傍部分に上記補修用フィルム20が貼付、接着される。
尚、当該補修装置101には、樹脂フィルム11を貼付した円環状の胴板における周方向の端面同士が未だ溶接されていない缶が搬入されることから、上記主加熱装置110の前工程側に設置した上記溶接装置180にて、まず、当該缶の軸方向に沿って上記端面同士が溶接され、円筒状のラミネート缶1が形成される。尚、該ラミネート缶1においても、胴溶接部には樹脂フィルム11は存在しない。
【0013】
上記主加熱装置110は、ラミネート缶1の胴溶接部10及びその近傍部分12に対してその外側から高周波誘導加熱を行なう装置である。後述する補助加熱装置120が樹脂フィルム11の主に上記近傍部分12を缶内側から補助的に加熱するのに対し、主加熱装置110は、上記胴溶接部10及びその近傍部分12を主加熱する装置である。
該主加熱装置110は、本実施形態では、図4に示すように、コイルを渦巻き状に成形した加熱体111を、ラミネート缶1の外面1aと非接触な状態でラミネート缶1の胴溶接部10に対向させ、かつラミネート缶1の周方向において上記胴溶接部10が加熱体111の中央部分に対応するように配置し、さらに、上記加熱体111をラミネート缶1の搬送方向に沿って複数個配列した構成である。それぞれの上記加熱体111には、主加熱用高周波電流が流される。又、本実施形態では、当該主加熱装置110の設置領域をラミネート缶1が上記搬送装置190にて主加熱用時間を要して通過する。よって、上記胴溶接部10及びその近傍部分12におけるラミネート缶1の胴板40及び樹脂フィルム11は、各加熱体111により高周波誘導加熱され、1次加熱温度まで上昇する。但し、後述するように、上記近傍部分12の樹脂フィルム11の特に外面11bは、上記1次加熱温度まで上昇させていない。
【0014】
上記主加熱用高周波電流及び主加熱用時間は、上記胴溶接部10及びその近傍部分12に上記補修用フィルム20を確実に接着しラミネート缶1の耐腐食性における品質向上を図るための各値であり、制御装置150による主加熱装置110及び搬送装置190に対する動作制御にて制御される。
即ち、上述したように、ラミネート缶1の胴板40の板厚が例えば0.34mmであること、特に上記樹脂フィルム11の厚みが例えば70μmや130μmであることに起因して、適切な加熱を行なわなければ胴溶接部10及びその近傍部分12への上記補修用フィルム20の接着が不十分となる。つまり、生産性の観点からすると、急速加熱すればよく、上記主加熱装置110はその能力を有している。しかし、急速加熱をすると主に上記胴板40のみの温度が上昇し、胴板40に比して熱伝導率の悪い上記樹脂フィルム11は、上記近傍部分12において十分な加熱に至らない。即ち、図4に示す、上記樹脂フィルム11の内面11aは、胴板40に近いことから温度は上がるが、樹脂フィルム11の外面11bの温度は上がらず、内面11aと外面11bとにおける温度差が大きくなる。つまり、上記外面11bは、補修用フィルム20の接着が行なえる程度の温度にならない。
一方、上記内面11a、外面11bの温度差を無くし補修用フィルム20の接着が確実に行なえるまで外面11bを十分に加熱する場合には、長時間の加熱を要し、生産性が悪くなる。よって、後述する補助加熱動作との絡みにおいて、上記主加熱用高周波電流及び主加熱用時間の制御が必要となる。
【0015】
本実施形態では、主加熱用高周波電流を、一例として、例えば25KHz程度の高周波電流とし、主加熱用時間、つまり主加熱装置110の設置領域のラミネート缶1の通過時間を、一例として約6〜7秒としている。該主加熱動作により、ラミネート缶1の胴板40の温度は、室温若しくは溶接後の温度から上記1次加熱温度に相当する約150℃まで上昇する。このとき、樹脂フィルム11は、その外面11bにて約120℃程度と思われる。
【0016】
上述のように主加熱装置110として、本実施形態では高周波誘導加熱方式を採っているが、これに限定されるものではない。しかしながら、高周波誘導加熱方式は、局部加熱に優れ短時間での加熱に適しており、又、温度制御を容易に行なえる。又、排気ガスの発生がなく作業環境を悪化させることがない。これらの点から他方式に比べて有益である。
【0017】
上記補助加熱装置120は、上述のように、上記近傍部分12を缶内側から補助的に加熱する装置であり、本実施形態では、バーナー121による直火加熱を行なう。補助加熱装置120による補助加熱動作は、上述の主加熱動作の終了間際にて主加熱動作と同時に行なわれる。尚、上記補助加熱を行なう時間は、一例として約0.3秒程度である。
尚、上記バーナー121の火力は、制御装置150にて制御される火力調整装置122にて制御される。又、上記主加熱装置110の上記主加熱動作による熱量に比して、上記補助加熱装置120の上記補助加熱動作による熱量は、小さい。
【0018】
該補助加熱装置120を設ける理由は以下の通りである。即ち、上記主加熱装置110により、上記胴溶接部10及びその近傍部分12における、上記胴板40、及び上記樹脂フィルム11の上記近傍部分12の内面11a付近は、上記補修用フィルム20の確実な貼着に必要な1次加熱温度若しくはそれ以上まで加熱される。このとき、樹脂フィルム11の厚み、及び熱伝導率に起因して上記近傍部分12の外面11bは上記1次加熱温度まで至っていない。しかしながら上述のように生産性等の観点から、主加熱装置110にて、上記近傍部分12の外面11bを上記1次加熱温度以上に加熱するのは得策ではない。そこで、図4に示すように、主に上記近傍部分12の樹脂フィルム11の外面11bが上記1次加熱温度以上となるように、当該補助加熱装置120により上記外面11bを補助的に加熱する。
又、補助加熱装置120による補助加熱をラミネート缶1の内側から行なうことで、缶外側から補助加熱を行なう場合に比べて、加熱対象部分を直接に加熱することができるので有利である。
【0019】
補助加熱装置120による補助加熱により、上記近傍部分12における樹脂フィルム11の外面11bは、上記1次加熱温度以上となり、上記補修用フィルム20の確実な貼着が可能な程度に溶融状態となる。具体的には、本例のようにポリエチレンにてなる樹脂フィルム11の場合、その融点は約125℃であることから、上記1次加熱温度は約125℃となる。よって、補助加熱装置120により、本例では上記外面11bは、125℃以上になるまで加熱される。
【0020】
主加熱装置110による主加熱動作では、図4に示す温度分布曲線125のように、胴溶接部10に比べて近傍部分12は温度が低い。よって、図4に示すように、上記バーナー121は、ラミネート缶1の周方向における胴溶接部10の両側に位置する両方の上記近傍部分12に対応するように、2箇所に設置されるのが好ましい。尚、該構成に限定されるものではなく、例えばバーナー121を胴溶接部10に対応した一箇所に設置することもできる。
【0021】
又、本実施形態では補助加熱装置120として上述のようにバーナー121を使用した直火加熱方式を採った。該直火加熱方式は、短時間での加熱に適しており、又、設備費及びランニングコストが安価であり、又、胴板40の溶接を行なった際に生じたゴミや微小な油分を焼失させることができるという点で有利である。又、ラミネート缶1の内側に塗装されている塗料に含まれるワックス等も焼失させることもできる。しかしながら補助加熱装置120は、直火加熱方式に限定されるものではない。
【0022】
補修用フィルム貼付装置130は、上述のように1次加熱温度以上に加熱された上記胴溶接部10及びその近傍部分12に対して補修用フィルム20を貼付する装置であり、上記補修用フィルム20の供給、切断等を行なうフィルム供給装置131と、供給された補修用フィルム20を胴溶接部10及びその近傍部分12に貼付し押圧して接着させる貼付押圧装置132とを備える。又、貼付押圧装置132は、図5に示すように、上記胴溶接部10及びその近傍部分12をラミネート缶1の内、外面側から挟み、上記貼付、押圧動作を行なう、内側ローラ133と外側ローラ134を備え、内側ローラ133は押圧駆動部135にて外側ローラ134側へ押圧動作可能である。尚、これらフィルム供給装置131及び貼付押圧装置132は、制御装置150にて動作制御される。
【0023】
補修用フィルム20は、本実施形態では、樹脂フィルム11と同じポリエチレンにてなり、樹脂フィルム11よりも厚い130〜150μmの厚みを有し、上述のように短冊状でその幅寸法は20mmである。尚、補修用フィルム20の材質は、樹脂フィルム11と異ならせても良く、又、その厚みは樹脂フィルム11の厚み以上であればよい。又、貼付される補修用フィルム20は、加熱されていない。
【0024】
接着力増強用加熱装置140は、上記ラミネート缶1の外面側で、上記胴溶接部10及びその近傍部分12に対応して設置され、上述した主加熱装置110と同様に、ラミネート缶1の外面1aと非接触な状態でラミネート缶1の胴溶接部10に対向させ、かつラミネート缶1の周方向において上記胴溶接部10が加熱体111の中央部分に対応するように配置し、さらに、上記加熱体111をラミネート缶1の搬送方向に沿って複数個配列した構成であり、各加熱体には主加熱用高周波電流が流される。
このように構成される接着力増強用加熱装置140は、上記補修用フィルム20の貼付後、上記1次加熱温度を超えかつ上記補修用フィルム20と特に上記近傍部分12における上記樹脂フィルム11との接着力を増強する2次加熱温度まで、上記胴溶接部10及びその近傍部分12を高周波誘導加熱する装置である。
【0025】
即ち、上記補修用フィルム貼付装置130による補修用フィルム20の貼付動作により、胴溶接部10及びその近傍部分12における胴板40の温度は、約110℃程度まで下がってしまう。よって、そのまま放置したのでは、補修用フィルム20と、胴溶接部10及びその近傍部分12との接着力を安定化させるのは困難な場合が多い。そこで、上記補修用フィルム20の貼付後、胴溶接部10及びその近傍部分12を上記2次加熱温度まで上昇させ、補修用フィルム20と、特に上記近傍部分12における上記樹脂フィルム11とを溶融させなじませ、接合させて、両者の接着力を安定させかつ増強する。上記2次加熱温度は、補修用フィルム20が貼着された胴溶接部10及びその近傍部分12における樹脂フィルム11及び補修用フィルム20の融点温度以上で分解温度以下の温度であり、通常、補修用フィルム20の表面で上記融点温度を約20℃上回る温度、ラミネート缶1の胴溶接部10での外面1aで上記融点温度を約50℃上回る温度である。本実施形態では、胴溶接部10及びその近傍部分12における上記胴板40の外面1aの温度において約190℃を目標としている。
又、補修用フィルム貼付装置130による補助加熱動作は、約6〜7秒行なわれる。
【0026】
次に、上述のように構成された補修装置101にて実行されるラミネート缶胴溶接部の補修方法について、図1等を参照して説明する。尚、上記胴板40の端面同士が溶接され上記ラミネート缶1が形成された時点から説明を始める。
図1のステップ(図では「S」にて示す)1では、上記搬送装置190にて上記ラミネート缶1が主加熱装置110の設置領域を搬送されていき、このとき、主加熱装置110に対向している上記胴溶接部10及びその近傍部分12は、主加熱装置110による高周波誘導にて上記1次加熱温度まで主加熱される。
【0027】
次のステップ2では、上記主加熱の終了直前に、上記主加熱と並行して、補助加熱装置120にて、ラミネート缶1の内側から上記胴溶接部10及びその近傍部分12、特に上記樹脂フィルム11の上記近傍部分12における外面11b部分が補助加熱される。尚、これらの主加熱及び補助加熱動作は、ラミネート缶1を搬送しながら実行される。
【0028】
次のステップ3では、上記補助加熱後、補修用フィルム貼付装置130にて、上記胴溶接部10及びその近傍部分12に対応させて、ラミネート缶1の内側から補修用フィルム20が貼付され、押圧される。尚、該補修用フィルム20の貼付動作もラミネート缶1を搬送しながら実行される。
【0029】
次のステップ4では、上記補修用フィルム20の貼付後、上記搬送動作によりラミネート缶1は、接着力増強用加熱装置140の設置領域へ搬入され、補修用フィルム20が貼着された胴溶接部10及びその近傍部分12並びに補修用フィルム20に対して、接着力増強用加熱装置140による高周波誘導にて上記2次加熱温度まで加熱される。
該2次加熱後、補修用フィルム20が貼着されたラミネート缶1は、冷却され、次工程へ搬送される。
【0030】
以上説明したように、本実施形態のラミネート缶胴溶接部補修方法では、主加熱動作にて胴溶接部10及びその近傍部分12を上記1次加熱温度まで加熱し、さらに、上記主加熱では加熱不足と考えられる特に上記近傍部分12の外面11b部分を補助加熱動作にて補助的に加熱した。これらの動作により、胴溶接部10の補修に要する時間を不要に長くすることはなく、生産性を悪化させることはない。又、上記補助加熱動作により、上記近傍部分12の外面11b部分においても上記1次加熱温度以上の温度となるので、上記補助加熱後、上記補修用フィルム20を貼付したとき、該補修用フィルム20と、上記胴溶接部10及びその近傍部分12との接着が確実に行なわれる。さらに、該貼付後、接着力増強用加熱装置140にてさらに加熱を行なうことから、補修用フィルム20と、上記胴溶接部10及びその近傍部分12との接着をより確実に、かつ接着力を増強することができる。したがって、本実施形態のラミネート缶胴溶接部補修方法によれば、胴溶接部10及びその近傍部分12に対する補修用フィルム20の貼着が確実に行え、ラミネート缶1の耐腐食性における品質向上を図ることができる。
【0031】
又、上述の実施形態では、上記樹脂フィルム11は、ポリエチレン製であったが、他の材質、例えばポリプロピレン製フィルムを使用することも可能である。ポリプロピレンは、ポリエチレンに比べて融点が高いことから、ポリエチレンの場合に比べて補修用フィルムの貼着が困難な傾向となる。しかしながら、本実施形態のラミネート缶胴溶接部補修方法によれば、上記主加熱、補助加熱、接着力増強用加熱を行なうことから、生産性を満足し、かつ補修用フィルムの貼着が確実に行え、ラミネート缶の耐腐食性における品質向上を図ることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様のラミネート缶胴溶接部補修方法によれば、胴溶接部及びその近傍部分における胴板を1次加熱温度まで主加熱し、上記胴溶接部近傍部分における樹脂フィルムをラミネート缶の内面側より補助加熱した後、上記胴溶接部及びその近傍部分に補修用フィルムを貼付することから、生産性を悪化させることなく、補修用フィルムを確実に上記胴溶接部及びその近傍部分に貼付することができる。さらに、上記補修用フィルムの貼付後、補修用フィルムを貼付した上記胴溶接部及びその近傍部分を2次加熱温度まで加熱するようにしたことから、上記胴溶接部及びその近傍部分への上記補修用フィルムの貼着が確実に行え、よってラミネート缶の耐腐食性における品質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態におけるラミネート缶胴溶接部補修方法の動作を表すフローチャートである。
【図2】 図1に示すラミネート缶胴溶接部補修方法を実行する、本発明の実施形態におけるラミネート缶胴溶接部補修装置の概略構成を示す図である。
【図3】 図1に示すラミネート缶胴溶接部補修方法にて補修されるラミネート缶における胴溶接部及びその近傍部分を説明するための図である。
【図4】 図1に示すラミネート缶胴溶接部補修方法における補助加熱動作を説明するための図である。
【図5】 図1に示すラミネート缶胴溶接部補修方法における補修用フィルムの貼付動作を実行する貼付装置を示す図である。
【図6】 ラミネート缶における胴溶接部及びその近傍部分へ補修用フィルムを貼付する状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ラミネート缶、10…胴溶接部、11…樹脂フィルム、
12…近傍部分、20…補修用フィルム、40…胴板、
101…補修装置、110…主加熱装置、120…補助加熱装置、
130…補修用フィルム貼付装置、140…接着力増強用加熱装置。

Claims (3)

  1. 胴溶接部(10)を除き胴内面に50〜150μm厚の樹脂フィルム(11)が貼付されたラミネート缶(1)における上記胴溶接部の補修方法において、
    上記ラミネート缶の外面側より上記胴溶接部及びその近傍部分(12)において、胴板(40)及び上記近傍部分の上記樹脂フィルムにおける上記胴板に接している内面(11a)部分を主加熱し、さらに該主加熱では上記樹脂フィルムの厚み方向において上記内面と温度差を生じる上記近傍部分における上記樹脂フィルムの外面(11b)を上記ラミネート缶の内面側より補助加熱して上記胴溶接部及びその近傍部分における上記胴板及び上記樹脂フィルムを補修用フィルム(20)の確実な貼着に必要な1次加熱温度以上に加熱し、
    上記補助加熱後、上記ラミネート缶の内面における上記胴溶接部及びその近傍部分に対して補修用フィルム(20)を貼付し、
    上記補修用フィルムの貼付後、上記1次加熱温度を超えかつ上記補修用フィルムと上記樹脂フィルムとの接着力を増強する2次加熱温度まで、上記ラミネート缶の外面側より上記胴溶接部及びその近傍部分を加熱する、
    ことを特徴とするラミネート缶胴溶接部の補修方法。
  2. 上記補助加熱は、上記胴溶接部近傍部分における上記ラミネート缶の周方向において上記胴溶接部の両側に位置するそれぞれの上記胴溶接部近傍部分に対応して2箇所にて行なう、請求項1記載のラミネート缶胴溶接部の補修方法。
  3. 上記主加熱は、上記ラミネート缶の上記胴溶接部の胴板において高周波誘導加熱にて約150℃にてなる上記1次加熱温度までの加熱であり、上記補助加熱は直火による加熱である、請求項1又は2記載のラミネート缶胴溶接部の補修方法。
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