JP4370386B2 - 補修用フィルム貼付装置及びペール缶内面樹脂フィルム補修装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、JIS(日本工業規格)Z1620に規定されるペール缶の内面に貼付された樹脂フィルムを補修するための補修用フィルムを上記ペール缶内面の上記樹脂フィルムに貼付する補修用フィルム貼付装置及び該補修用フィルム貼付装置にて実行される補修用フィルムの貼付方法、上記補修用フィルムにて補修されたペール缶、並びに上記補修用フィルム貼付装置を備えたペール缶内面樹脂フィルム補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記JIS、Z1620に規定されるペール缶において、収納する内容物による上記ペール缶内面の腐食等を防止するため、上記内面に樹脂フィルムを貼付することが考えられる。このようなフィルム貼付ペール缶の製造方法としては、上記樹脂フィルムが予め貼付された平板状の鋼板を円筒状に成形し、該円筒の軸方向に延在するいわゆるシーム部となる接合部分を溶接することで缶胴部を形成し、さらに樹脂フィルムを貼付した少なくとも地板を上記缶胴部と巻締めして、製缶する方法が考えられる。
【0003】
又、上記ペール缶には、図8に示すように吊り手2を設けたタイプや、図9に示すように取っ手7を設けたタイプがある。上記吊り手2を設けたペール缶1の場合、吊り手2を支持するため、イヤーと呼ばれる取り付け用金具3が当該ペール缶胴部4の外面に点溶接により取り付けられる。又、上記取っ手7を設けたペール缶6の場合、取っ手7を支持するための取り付け用金具8が当該ペール缶の天板9の外面に点溶接により取り付けられる。
【0004】
よって上述のような製造方法により製缶した上記フィルム貼付ペール缶に対して、取り付け用金具3、8をペール缶胴部4や天板9に溶接する場合も生じる。この場合、取り付け用金具3、8をペール缶胴部4や天板9に溶接するときには、上述のように溶接方法が点溶接であり缶内面まで溶融しないことから、上記取り付け箇所に対応した、当該ペール缶胴部4及び天板9の内面部分の上記樹脂フィルムは除去しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、取り付け用金具3、8は点溶接にて取り付けられるとは言え、取り付け用金具3、8の取り付け箇所に対応した上記内面部分の上記樹脂フィルムは、溶接の熱により溶融し穴があいてしまい、取り付け用金具3、8の取り付け箇所において耐腐食性等に問題が生じる。このように溶融した部分に対する補修方法としては、例えば液体塗料や粉体塗料を上記溶融部分に塗布する方法が考えられるが、作業能率が悪く製品のコストアップにつながるという問題がある。したがって、上記フィルム貼付ペール缶に対して上記取り付け用金具を溶接したときの、当該取り付け用金具に対応するペール缶内面の樹脂フィルムの補修方法は、現在のところ確立していない。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、コンパクトな設備構成にて、かつペール缶内面の樹脂フィルムの損傷部分について、腐食、剥離等の問題が生じず高品質にてペール缶内面の樹脂フィルムの補修を行い得る、補修用フィルム貼付装置及び該貼付装置にて実行される補修用フィルム貼付方法、上記補修用フィルムが貼付されたペール缶、並びに上記補修用フィルム貼付装置を備えたペール缶内面樹脂フィルム補修装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様の補修用フィルム貼付装置は、缶内面に樹脂フィルムを貼付したペール缶における上記缶内面樹脂フィルムの損傷領域の補修を行なう補修用フィルムの貼付装置において、
上記ペール缶内面の上記損傷領域に対して、上記補修用フィルムの元となる元フィルムを介在させて配置され、かつ上記補修用フィルムの輪郭に対応した穿孔境界部を上記元フィルムに形成する補修用フィルム作製装置と、
上記補修用フィルム作製装置と一体的に設けられ、上記穿孔境界部にて上記元フィルムから上記補修用フィルムを抜き取り上記損傷領域に貼付して上記損傷領域の補修を行なう抜取貼付装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
又、上記補修用フィルム作製装置は、上記元フィルムに上記穿孔境界部を形成する穿孔境界形成部を一端に有し上記元フィルムの厚み方向に可動な筒状部材を備え、
上記抜取貼付装置は、上記筒状部材内を当該筒状部材の軸方向に沿って移動して上記元フィルムから上記補修用フィルムを抜き取り上記損傷領域に貼付する抜取貼付部材を有することもできる。
【0008】
又、上記ペール缶内面の上記損傷領域と上記元フィルムとの間に配置され、上記穿孔境界部の形成のため上記筒状部材が上記厚み方向に移動したとき、上記元フィルムを支持するとともに、上記損傷領域に対応して位置し上記抜取貼付部材及び上記補修用フィルムが貫通可能な貫通穴を有するフィルム支持板をさらに備えることもできる。
【0009】
又、上記筒状部材は、上記元フィルムを溶融するフィルム溶融温度に上記穿孔境界形成部を加熱する加熱部を有し、上記穿孔境界部は、上記フィルム支持板にて支持された上記元フィルムに上記フィルム溶融温度に加熱された上記穿孔境界形成部が接触して形成することもできる。
【0010】
本発明の第2態様のペール缶内面樹脂フィルム補修装置は、缶内面に樹脂フィルムを貼付したペール缶における上記缶内面樹脂フィルムの損傷領域の上記缶内面樹脂フィルムを仮接着温度に加熱して軟化させる仮接着加熱用装置と、
上記仮接着温度にて軟化した上記損傷領域における上記缶内面樹脂フィルムに対して上記損傷領域を覆って補修用フィルムを貼付する、請求項1から4のいずれかに記載の補修用フィルム貼付装置と、
貼付された上記補修用樹脂フィルムを上記仮接着温度よりも高い本接着温度に加熱して融かし上記缶内面樹脂フィルムに本融着する本接着加熱用装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第3態様のペール缶は、上記第2態様のペール缶内面樹脂フィルム補修装置にて補修されたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第4態様の補修用フィルム貼付方法は、缶内面に樹脂フィルムを貼付したペール缶における上記缶内面樹脂フィルムの損傷領域の補修を行なう補修用フィルムの貼付方法において、
上記補修用フィルムの元となる元フィルムを上記ペール缶内面の上記損傷領域に対向して配置し、
上記補修用フィルムの輪郭に対応した穿孔境界部を上記元フィルムを溶融して形成し、
溶融して形成された上記穿孔境界部が溶融状態にある間に、上記穿孔境界部にて上記元フィルムから上記補修用フィルムを抜き取り、
抜き取った上記補修用フィルムを上記損傷領域に貼付して上記損傷領域の補修を行なう、
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態である、補修用フィルム貼付装置、該補修用フィルム貼付装置にて実行される補修用フィルム貼付方法、上記補修用フィルム貼付装置を備えたペール缶内面樹脂フィルム補修装置、及び上記補修用フィルムが貼付されたペール缶について、図を参照しながら以下に説明する。尚、各図において同じ構成部分については同じ符号を付している。又、上記補修用フィルム貼付装置にて補修用フィルムが貼付され、又、上記ペール缶内面樹脂フィルム補修装置にて補修されるペール缶は、図7に示すように、缶内面に樹脂フィルム21が予め貼付されたペール缶であり、ここでは図8に示す吊り手2を取り付けるための取り付け用金具3が缶外面に点溶接された上記ペール缶1に相当するペール缶10である。
【0014】
図7に示すように、当該ペール缶10の内面に貼付されている缶内面樹脂フィルム21において、上記取り付け用金具3の取り付け部分に対応した部分には上述したように、取り付け用金具3を固定したときの点溶接の熱により溶融した溶融部分22が本実施形態では5点、取り付け用金具3の外形に対応した円周上に存在する。尚、本実施形態では、上記5点の溶融部分22が存在する円の直径は約30mmである。
このような溶融部分22を有するペール缶10に対して、本実施形態では、上記5点の溶融部分22をすべて含んだ損傷領域23に対応した大きさにてなり補修用フィルムに相当する補修用樹脂フィルム25を、詳細後述する補修用フィルム貼付装置にて作製し、かつその貼付を行い、その後、加熱して融着させることで缶内面樹脂フィルム21の補修を行う。以下に、補修用樹脂フィルム25の作製から貼付、そして缶内面樹脂フィルム21の補修について説明する。
【0015】
上述の補修は、図2に示すようなペール缶内樹脂フィルム補修装置60にて実行される。ペール缶内樹脂フィルム補修装置60は、補修用フィルム貼付装置50と、加熱装置62と、搬送用駆動装置63と、制御装置68とを備える。
上記加熱装置62は、本実施形態では、仮接着加熱用装置622と、本接着加熱用装置623とを有する。各加熱装置622、623は、最終的に上記缶内面樹脂フィルム21と上記補修用樹脂フィルム25とを融着させるため、ペール缶10の外面側より、上記損傷領域23に対応するペール缶外面部分、つまり上記取り付け用金具3及びその近傍部分の加熱を行う。上記仮接着加熱用装置622は、上記補修用樹脂フィルム25を上記損傷領域23に貼付する前に、少なくとも上記損傷領域23の加熱を行う装置であり、上記本接着加熱用装置623は、損傷領域23に補修用樹脂フィルム25を貼付した後に、該貼付部分の加熱を行なう装置である。
尚、当該補修装置60では、いずれの加熱装置も温風による加熱を行うが、これに限定されず、例えば直火や、ヒータや、高周波加熱等による加熱を行っても良い。又、当該補修装置60では、いずれの加熱装置もペール缶10の外面側より加熱を行うが、これに限定されずに、ペール缶内面部分の少なくとも上記損傷領域23の加熱を行ったたり、又はペール缶の内、外面の両方から加熱したりしてもよい。
【0016】
上記仮接着加熱用装置622は、損傷領域23が実質約150℃程度の仮接着温度になるように約140〜180℃程度の範囲で加熱を行い、本接着加熱用装置623は、損傷領域23における少なくとも補修用樹脂フィルム25、好ましくは損傷領域23における補修用樹脂フィルム25及び缶内面樹脂フィルム21が実質約200℃程度の本加熱温度になるように約180〜210℃程度の範囲で加熱する。尚、加熱温度が220℃を超えると、ペール缶外面に施した印刷に変色等が生じやすくなるため、220℃未満の加熱に止める。
上記仮接着温度、及び上記本接着温度の測定は、ペール缶10の外面に熱電対を用いた温度センサを設けて測定したが、該方法に限定されず、例えば輻射温度計を用いて上記損傷領域23の温度を測定するようにしてもよい。
【0017】
上記搬送用駆動装置63は、上記ペール缶10を載置したコンベヤを例えばモータにて駆動して、上記補修用フィルム貼付装置50へペール缶10を搬入し、かつ補修用フィルム貼付装置50からペール缶10を搬出する。
上記制御装置65は、上述の各構成部分の動作制御を行い、ペール缶内面樹脂フィルム補修方法を実行する。
【0018】
上記補修用フィルム貼付装置50について、図1〜図5を参照して詳しく説明する。
上述のように、本実施形態では補修対象部分がペール缶10の外面に2箇所に設けられた取り付け用金具3に対応した部分であることから、本実施形態において補修用フィルム貼付装置50は、図1に示すように、一つのペール缶10に対して、2組の補修用フィルム作製装置51と、2組の抜取貼付装置52とを備えるとともに、さらに、それぞれの補修用フィルム作製装置51に対応して設けられた各フィルム支持板54と、それぞれの抜取貼付装置52に対応して設けられた各ペール缶支持装置55と、一つのペール缶位置決め装置53とを有する。本実施形態では、それぞれの上記補修用フィルム作製装置51、抜取貼付装置52、及びペール缶支持装置55は、同時に同じ動作を行なう。尚、図3〜図5では、一方の補修用フィルム作製装置51、抜取貼付装置52、フィルム支持板54、及びペール缶支持装置55についてのみ図示している。
又、このように本実施形態では2組の補修用フィルム作製装置51、2組の抜取貼付装置52、2つのフィルム支持板54、及び2つのペール缶支持装置55を有するが、該構成に限定されるものではなく、一つのペール缶10につき、それぞれ1組の補修用フィルム作製装置51、抜取貼付装置52、一つのフィルム支持板54、及び一つのペール缶支持装置55を設けるようにしても良い。
【0019】
上記ペール缶位置決め装置53は、上記搬送用駆動装置63にて補修用フィルム貼付装置50に対して、搬入位置531に配置されて搬入されたペール缶10を、上記搬入位置531と補修用フィルム貼付位置532との間で昇降させる装置であり、制御装置68にて動作制御される昇降装置533を有する。該ペール缶位置決め装置53にてペール缶10が補修用フィルム貼付位置532に上昇することで、2組の補修用フィルム作製装置51、2組の抜取貼付装置52、及び2つのフィルム支持板54は、それぞれペール缶10の内部であって、かつそれぞれの上記損傷領域23に対応するように配置される。
又、各フィルム支持板54には、後述の抜取貼付部材521及び上記補修用フィルム25が貫通可能な、本実施形態では真円にてなる貫通穴541が設けられており、該貫通穴514と、後述する補修用フィルム作製装置51の筒状部材512とが同軸上に位置するように、フィルム支持板54と補修用フィルム作製装置51とは配置されている。又、ペール缶10が補修用フィルム貼付位置532に配置されたときには、上記損傷領域23と上記貫通穴541とが対応して配置される。尚、貫通穴514の形状と上記筒状部材512の形状とが対応しておればよく、貫通穴514は、本実施形態の真円形状には限定されない。
【0020】
上記ペール缶支持装置55は、支持部材551と、制御装置68の動作制御により上記支持部材551をペール缶10の直径方向に進退させる駆動部552とを有し、上記補修用フィルム貼付位置532にペール缶10が配置されたとき、それぞれの上記支持部材551は、それぞれの上記取り付け用金具3に対応して位置する。そして、駆動部552が支持部材551を取り付け用金具3に当接させることで、支持部材551は取り付け用金具3及びその周囲をペール缶10の外面から支持する。
【0021】
上記補修用フィルム作製装置51は、図7に示すように、補修用フィルム25の輪郭に対応した穿孔用溶融部253を元フィルム251に形成する装置であり、樹脂フィルム搬送装置511と、筒状部材512と、筒状部材駆動装置513とを備える。尚、上記穿孔用溶融部253は、穿孔境界部の機能を果たす一例に相当する。
上記樹脂フィルム搬送装置511は、上記元フィルム251を巻回し元フィルム251を供給する供給リール5111と、図3に示すように供給リール5111から繰り出された元フィルム251を筒状部材512と上記フィルム支持板54との間を搬送させるように配置された複数の搬送用ローラ5112と、動力源としてのモータ5114にて駆動され、元フィルム251から上記補修用フィルム25が抜き取られた使用済フィルム252を巻き取る巻取リール5113とを有する。このように構成される樹脂フィルム搬送装置511によって、供給リール5111から繰り出された元フィルム251は、図3に示す矢印5115の方向へ搬送される。
【0022】
上記筒状部材512は、本実施形態では金属製で内径が約45mmの円筒形状にてなり、その一端には、元フィルム251に上記穿孔用溶融部253を形成する穿孔境界形成部5121を有し、その外面には、元フィルム251を溶融するフィルム溶融温度に上記穿孔境界形成部5121を加熱する加熱部5122を設けている。本実施形態では、加熱部5122は、ヒータにて構成され、図示するように筒状部材512のほぼ全長にわたり設けられている。上記フィルム溶融温度は、元フィルム251から上記補修用フィルム25を作製するために元フィルム251に上記穿孔用溶融部253を迅速かつ容易に形成し、かつ穿孔用溶融部253にて元フィルム251から抜き取られた補修用フィルム25の輪郭部分の外観が良好となる温度でなければならない。出願人の実験によれば上記フィルム溶融温度は、元フィルム251の融点よりも約100〜約200℃高い温度が好ましく、本実施形態では、元フィルム251を構成するポリエチレンの融点が約120〜130℃であることから、加熱部5122は、制御装置68にて約250℃に温度制御される。
【0023】
又、元フィルム251の上記穿孔用溶融部253での溶融状態は、補修用フィルム25の輪郭部分の外観に影響することから、上記穿孔境界形成部5121によって加熱され溶融される穿孔用溶融部253の面積は可能な限り狭い、つまり上記穿孔用溶融部253は幅の狭い線状であるのが好ましい。よって図示するように、上記穿孔境界形成部5121は、筒状部材512の外径寸法よりも小さい外径寸法φAにて成形されている。
又、筒状部材512とフィルム支持板54の貫通穴541とが同軸上に配置されていることを上述したが、本実施形態では、上記貫通穴541の内径寸法は、穿孔境界形成部5121の上記外径寸法φAより僅かに大きい、本実施形態では約0.2mm大きい寸法である。よって本実施形態では、穿孔境界形成部5121は、貫通穴541に進入可能である。
尚、貫通穴541と穿孔境界形成部5121との大小関係は、上述した本実施形態の関係に限られず、後述の抜取貼付部材521及び補修用フィルム25が貫通穴541を通過可能であればよい。
【0024】
上記筒状部材駆動装置513は、上記筒状部材512をその軸方向に沿って待機位置5134と溶断位置5135との間で移動させる装置であり、駆動源となる、本実施形態ではエアーシリンダ5131と、該エアーシリンダ5131の駆動軸に一端が接続され他端が上記筒状部材512の他端部に取り付けられた駆動用アーム5132と、上記エアーシリンダ5131のエアー供給装置5133と、を有する。エアー供給装置5133は、制御装置68に接続されており、エアー供給装置5133を介してエアーシリンダ5131の動作が制御される。
【0025】
以上のように構成される補修用フィルム作製装置51は以下のように動作する。即ち、元フィルム251は、樹脂フィルム搬送装置511により図3に示すように筒状部材512とフィルム支持板54との間に配置される。次に、上記加熱部5122にて上記穿孔境界形成部5121が上記フィルム溶融温度に加熱された後、上記エアーシリンダ5131にて筒状部材512が待機位置5134からフィルム支持板54側へ移動する。よって、図4に示すように穿孔境界形成部5121が元フィルム251に接触、押圧し、押圧された元フィルム251は、フィルム支持板54にて筒状部材512の移動方向への移動が制限される。よって図4に示すように、筒状部材512が溶断位置5135に位置することで、元フィルム251は、穿孔境界形成部5121とフィルム支持板54との間に挟まれ、上記フィルム溶融温度に加熱されている穿孔境界形成部5121にて溶融される。これにより元フィルム251には、穿孔境界形成部5121にて上記穿孔用溶融部253が形成される。このように形成された穿孔用溶融部253の直径は、上記筒状部材512の内径にほぼ等しく、本実施形態では約45mmである。又、穿孔境界形成部5121による穿孔用溶融部253の溶融状態は、元フィルム251から補修用フィルム25を完全に分離した状態にまで溶融した状態や、ほぼ溶融した状態等であり、後述するように抜取貼付装置52にて元フィルム251から補修用フィルム25を抜き取れる程度に溶融した状態である。
尚、穿孔境界形成部5121によって穿孔用溶融部253を形成し補修用フィルム25を作製した時点で、筒状部材512は、エアーシリンダ5131の駆動により待機位置5134に戻る。
【0026】
次に、抜取貼付装置52について説明する。
抜取貼付装置52は、上述のように補修用フィルム作製装置51にて元フィルム251に形成された穿孔用溶融部253の内周側領域に相当する上記補修用フィルム25を、穿孔用溶融部253の形成後、元フィルム251より抜き取り、かつ、上記補修用フィルム貼付位置532にペール缶10が配置されているとき、抜き取った補修用フィルム25を上記損傷領域23に貼付する装置であり、抜取貼付部材521と、該抜取貼付部材を移動させる抜取貼付部材駆動装置522と、を有する。上述のように、穿孔用溶融部253の直径が本実施形態では約45mmであることから、抜き取って作製される補修用フィルム25の直径も本実施形態では約45mmとなる。
【0027】
上記抜取貼付部材駆動装置522は、駆動源となる、本実施形態ではエアーシリンダ5221と、該エアーシリンダ5221の駆動軸に一端が接続され他端が上記抜取貼付部材521の後端部に取り付けられた駆動用アーム5222と、上記エアーシリンダ5221のエアー供給装置5223と、を有する。エアー供給装置5223は、制御装置68に接続されており、エアー供給装置5223を介してエアーシリンダ5221の動作が制御される。
【0028】
上記抜取貼付部材521は、エアーシリンダ5221の駆動により、待機位置5224と貼付位置5225との間で、上記筒状部材512内を当該筒状部材512の軸方向に沿って移動し、元フィルム251から補修用フィルム25を抜き取るとともに、図5に示すようにフィルム支持板54の貫通穴514を通過して抜き取った補修用フィルム25を損傷領域23に貼付する部材である。抜取貼付部材521の先端部分、つまり補修用フィルム25に接触する部分には、元フィルム251から抜き取った補修用フィルム25を保持可能な、例えばゴム材等にてなる弾性部材5211を設けている。弾性部材5211を設けることで以下のような効果が得られる。即ち、弾性部材5211は、補修用フィルム25の材質との関係で補修用フィルム25を保持可能であるとともに、損傷領域23に補修用フィルム25を押圧したときには押し潰され直径方向に広がる。よって弾性部材5211は、直径方向において補修用フィルム25よりも大きくなり、損傷領域23、及び補修用フィルム25の全体を覆うことができる。
【0029】
又、本実施形態では、弾性部材5211は、図示するようにその中央部分を膨らませた太鼓状としている。これにより、弾性部材5211にて保持された補修用フィルム25も弾性部材5211に倣って、その中央部分が膨らむ。よってこのような太鼓状の補修用フィルム25が損傷領域23に貼付されるときには、補修用フィルム25の中央部分から周囲部分に向かって缶内面樹脂フィルム21に接触していくことから、貼付される補修用フィルム25と缶内面樹脂フィルム21との間に空気を封入してしまうことを防止できる。
損傷領域23に補修用フィルム25が貼付された後、エアーシリンダ5221の駆動により、抜取貼付部材521は待機位置5224に戻る。
【0030】
以上説明したように、上記補修用フィルム貼付位置532にペール缶10が配置されたとき、上記補修用フィルム作製装置51は、ペール缶10内面の上記損傷領域23に対して、上記フィルム支持板54、及び上記補修用フィルム25の元となる元フィルム251を介在させて配置される。よって上記抜取貼付部材521も損傷領域23に対向して配置されている。
又、上述のように、補修用フィルム25は元フィルム251から抜き取られ上記損傷領域23に貼付されることから、上記元フィルム251は、上記缶内面樹脂フィルム21と同種の樹脂フィルムを使用すべきであり、片面側つまり缶内面樹脂フィルム21に接する面が粘着性を有するように低密度ポリエチレンにてなるベースフィルムと、該ベースフィルムに直鎖状ポリエチレンにてなるフィルムとをラミネートした、厚みが約80μm程度のもの、より好ましくは100〜150μm程度のものが望ましい。本実施形態では、元フィルム251は、幅50mm、厚さ120μmにてなるポリエチレン製の樹脂フィルムであり、その融点は約120〜130℃である。
【0031】
又、上記補修用フィルム作製装置51及び抜取貼付装置52によって元フィルム251から補修用フィルム25の抜き取り及び貼付を行なうために、元フィルム251の搬送は間欠動作とする必要がある。よって、上記樹脂フィルム搬送装置511に備わる上記モータ5114は、ステッピングモータ、あるいはサーボモータ等、動作制御可能なものが望ましい。
【0032】
以上のように構成されるペール缶内樹脂フィルム補修装置60の動作である、ペール缶内樹脂フィルムの補修方法について以下に説明する。
図6に示すステップ(図内では「S」にて示す)1では、ペール缶内樹脂フィルム補修装置60のコンベヤに載置されたペール缶10は、搬送用駆動装置63にて仮接着加熱用装置622に搬入される。搬入後、当該ペール缶10に対して仮接着加熱用装置622にて、少なくとも損傷領域23が約150℃程度の仮接着温度まで加熱される。該加熱により、少なくとも損傷領域23の缶内面樹脂フィルム21が軟化する。
【0033】
このように損傷領域23を、まず上記仮接着温度に加熱するのは以下の理由による。即ち、上記缶内面樹脂フィルム21と上記補修用樹脂フィルム25とを融着させて上記損傷領域23の補修を行うことから、一気に本接着温度まで損傷領域23を加熱し、補修用樹脂フィルム25を貼付させる方法も考えられるが、該方法を採った場合、缶内面樹脂フィルム21の損傷領域23が溶融してしまい、溶融状態にある缶内面樹脂フィルム21に補修用樹脂フィルム25を貼付しても所望の接着強度を得ることが困難だからである。尚、缶内面樹脂フィルム21及び補修用樹脂フィルム25の融点は、上述のように約120〜130℃である。よって上記150℃程度の仮接着温度であれば、缶内面樹脂フィルム21の損傷領域23が溶融することはなく軟化する程度である。
【0034】
上記仮接着温度への加熱終了後、ステップ2において、仮接着温度まで加熱された当該ペール缶は搬送用駆動装置63にて補修用フィルム貼付装置50に搬入される。ステップ3において、ペール缶位置決め装置53にて、ペール缶10は、搬入位置531から補修用フィルム貼付位置532に上昇され位置決めされる。ペール缶10が補修用フィルム貼付位置532に位置決めされることで、上述したように、補修用フィルム作製装置51の筒状部材512、該筒状部材512に設けられている抜取貼付部材521、及びフィルム支持板54の貫通穴541は、損傷領域23に対応して配置される。
さらに、円筒部材512の加熱部5122にて上述のように約250℃のフィルム溶融温度に加熱された円筒部材512の穿孔境界形成部5121が、筒状部材駆動装置513にて待機位置5134から溶断位置5135へ移動し、穿孔境界形成部5121が元フィルム251に接触、押圧される。押圧された元フィルム251は、フィルム支持板54にて筒状部材512の移動方向への移動が制限され、撓みが抑えられる。よって、元フィルム251は、穿孔境界形成部5121にて溶融され、上記穿孔用溶融部253が形成され、補修用フィルム25が作製される。尚、本実施形態では、供給される元フィルム251は加熱しない。
【0035】
次のステップ4では、抜取貼付部材駆動装置522にて、抜取貼付部材521が待機位置5224から貼付位置5225まで移動する。該移動により、上述のように作製された補修用フィルム25が元フィルム251から抜き取られ、抜取貼付部材521の先端に取り付けた弾性部材5211に保持される。補修用フィルム25は、弾性部材5211とともにフィルム支持板54の貫通穴541を通過して、上記仮接着温度に加熱された損傷領域23の缶内面樹脂フィルム21に押圧される。尚、該押圧時には、上記ペール缶支持装置55の支持部材551が取り付け用金具3及びその周辺部分に当接、押圧しており、抜取貼付部材521による押圧力とつりあう。
本実施形態では、上述のように上記溶融部分22が存在する円の直径が約30mmであることから、直径約45mmの円形に切断された補修用樹脂フィルム25は損傷領域23の全域を覆うことが可能である。又、上記押圧のとき、上述のように弾性部材5211の潰れにより、補修用フィルム25の周囲部分も缶内面樹脂フィルム21に押圧される。
【0036】
補修後の缶内面樹脂フィルム21の仕上がり具合、及び補修用フィルム25の抜き取り後の使用済フィルム252の巻き取りに支障が生じることから、使用済フィルム252及び補修用フィルム25の円筒部材512の熱による溶融を避ける必要がある。つまり、穿孔用溶融部253が形成され補修用フィルム25が作製された後、該補修用フィルム25が貼付されるまでの時間が長いと、該補修用フィルム25の周囲部分が過剰に溶融してしまい、溶融樹脂のかたまり等が生じる。よって、このような補修用フィルム25が缶内面樹脂フィルム21に貼付されると、上記周囲部分にて段状となってしまう。よって、補修用フィルム25が作製されると直ちに、円筒部材512は上記待機位置5134に戻るとともに抜取貼付部材521は貼付位置5225へ移動するのが好ましい。
したがって、ステップ3において上記穿孔境界形成部5121にて穿孔用溶融部253が形成され、補修用フィルム25が作製された後、ステップ4にて、作製された補修用フィルム25が損傷領域23に貼付されるまでの時間は、0.1秒〜2秒程度が好ましく、本実施形態では、約0.5秒に設定している。該時間は、使用する元フィルム251の材質、及び穿孔境界形成部5121の上記フィルム溶融温度に関係して変化する。つまり、上記フィルム溶融温度と元フィルム251の融点との差が大きいほど、元フィルム251の溶断後、短時間にて上記貼付動作を行なう必要がある。
【0037】
又、上記関係を制御装置68に格納しておくことで、使用する元フィルム251の材質及び上記フィルム溶融温度に基づき、制御装置68は適切時間を求め、上記筒状部材駆動装置513及び上記抜取貼付部材駆動装置522の動作制御を行うように構成することもできる。
【0038】
上記抜取貼付部材駆動装置522による補修用フィルム25の缶内面樹脂フィルム21への押圧力は、本実施形態では、約140kPa〜約220kPaとするのが望ましい。これは、補修用フィルム25を押し付ける力が約140kPaを下回る場合、押圧時における上記弾性部材5211の潰れが不十分となるため、補修用フィルム25の周囲部分の貼り付けが不十分となり、一方、補修用フィルム25を押し付ける力が約220kPaを超えるときには、缶内面樹脂フィルム21に、押し付けによる痕跡が生じてしまうからである。
【0039】
又、円筒部材512の穿孔境界形成部5121における上記フィルム溶融温度は、上記元フィルムの材質によっても変化するが、本実施形態のように元フィルム251がポリエチレンにてなるときには、例えば280℃程度を超えた場合には以下の不具合が生じることから、好ましくない。即ち、補修用フィルム25を貼付した補修部分において、ピンホールは無くさらに貼付された補修用フィルム25の外観も良好であるが、補修用フィルム25が抜き取られた後の使用済フィルム252に、上記穿孔境界形成部5121の熱影響にて穿孔部分が溶融して凹凸が生じる点や、使用済フィルム252のねじれが大きくなり上記樹脂フィルム搬送装置511の巻き取りリール5113による巻き取りが困難となり、連続的な貼付作業を行うことが出来ない点から好ましくない。
【0040】
円筒部材512が待機位置5134に戻り、さらに補修用フィルム25が損傷領域23に貼付された後、抜取貼付部材521が待機位置5224に戻り、ペール缶支持装置55の支持部材551も取り付け用金具3から離れ元の位置へ戻る。その後、ペール缶位置決め装置53にて、ペール缶10は、補修用フィルム貼付位置532から搬入位置531へ下降し位置決めされる。
【0041】
次のステップ5では、搬送用駆動装置63にて上記コンベヤが移動しペール缶10は補修用フィルム貼付装置50から搬出され、本接着加熱用装置623の配置箇所へ移動する。そしてステップ4にて補修用フィルム25が貼付された貼付部分を少なくとも含む領域に対して、本接着加熱用装置623にて上記本接着温度に加熱し、損傷領域23における補修用フィルム25と缶内面樹脂フィルム21とを共に溶融し融合させる。よって、缶内面樹脂フィルム21に対して補修用樹脂フィルム25は所望の接着強度にて接着され、又、ピンホール等の欠陥が存在する場合であってもこれらは全て補修される。尚、上記本接着温度による加熱を行う時間は、補修用樹脂フィルム25及び缶内面樹脂フィルム21が共に溶融し融合するのに必要な時間であり、上記溶融、融合後、直ちに加熱を停止すればよい。
次のステップ6では、補修後のペール缶10が、自然冷却又は強制冷却により冷却される。
【0042】
このように本実施形態の補修用フィルム貼付装置50を用いたペール缶内面の樹脂フィルムの補修方法によれば、取り付け用金具に対応するペール缶内面の樹脂フィルムの補修技術を確立し、損傷領域23に対して、短時間で補修用樹脂フィルム25の切断及び貼付けを行うことから、高品質で、かつ補修性能が安定した、樹脂フィルム貼付ペール缶を量産的に提供可能となる。又、ポリエチレンフィルムは比較的安価であるので、上記補修方法はコスト的にも優れた補修方法といえる。
【0043】
又、損傷領域23に対応するように補修用フィルム作製装置51の円筒部材512及び抜取貼付装置52の抜取貼付部材521を配置し、かつ円筒部材512にて元フィルム251に穿孔用溶融部253を形成して補修用フィルム25を作製した後、抜取貼付部材521にて元フィルム251から補修用フィルム25を抜き取って損傷領域23に貼付するように構成した。したがって、損傷領域23に近接した状態にて補修用フィルム25の作製及び貼付が行なえ、設備構成をコンパクト化することができ、かつ連続的に補修用フィルム25の作製及び貼付作業を行なうことができる。
【0044】
尚、上述の補修用フィルム貼付装置50では、取り付け用金具3の溶接によって生じる損傷領域23に対して補修用樹脂フィルム25を1枚貼付したが、これに限定されるものではない。即ち、損傷の程度により複数枚貼付するように構成することもできる。
又、上述の補修用フィルム作製装置51及び抜取貼付装置52を使用して損傷領域23に補修用フィルム25を貼付するという技術的思想は、補修用フィルム25の貼付場所として、上述の取り付け用金具3の溶接によって生じる損傷領域23に限定するものではない。例えば、取っ手7を支持するための取り付け用金具8が当該ペール缶の天板9の外面に点溶接により取り付けられるような場合、取り付け用金具8の取り付けのために天板9の内面の樹脂フィルムの損傷領域に補修用フィルム25を貼付する場合にも適用可能であり、さらに、溶接に起因する損傷に限定されず、缶内面樹脂フィルム21における損傷領域への補修用フィルム25の貼付に適用可能である。
【0045】
又、上記実施形態では、安価で入手容易なことから、元フィルム251はポリエチレンにてなるものを使用したが、これに限定されるものではない。例えばポリプロピレンが考えられる。
【0046】
尚、上述の実施形態における補修用フィルム作製装置51は、円筒部材512を加熱して元フィルム251を溶融して穿孔用溶融部253を形成したが、加熱することなく、又は元フィルム251を軟化させるが溶断できない程度の温度に加熱した状態にて、穿孔境界形成部5121をフィルム支持板54の貫通穴541に進入させたときのせん断力にて元フィルム251から補修用フィルム25を作製するように構成することもできる。この場合、元フィルム251において、上記せん断力にてせん断される部分が穿孔境界部に相当する。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の第1態様の補修用フィルム貼付装置によれば、補修用フィルム作製装置にて元フィルムに穿孔境界部を形成し、該穿孔境界部にて元フィルムから補修用フィルムを抜き取って損傷領域に貼付するように構成した。したがって、損傷領域に近接した状態にて補修用フィルムの作製及び貼付が行なえ、設備構成をコンパクト化することができる。
【0048】
筒状部材にて上記穿孔境界部を形成し、該筒状部材の内部に上記補修用フィルムの貼付を行なう抜取貼付部材を設けることで、設備構成のコンパクト化を図ることができる。
【0049】
さらに、フィルム支持板を設けることで、補修用フィルムを作製するとき、元フィルムのたるみを防止でき、効率よく補修用フィルムを作製することができる。
【0050】
さらに、上記筒状部材に加熱部を設け、元フィルムを溶融して上記穿孔境界部を形成することで、容易に補修用フィルムを作製することができる。
【0051】
本発明の第2態様のペール缶内面樹脂フィルム補修装置によれば、第1態様の補修用フィルム貼付装置と、仮接着加熱用装置と、本接着加熱用装置とを備えたことより、損傷領域を仮接着温度に加熱して補修用樹脂フィルムを上記損傷領域に貼付した後、上記損傷領域における補修用樹脂フィルムを本接着温度に加熱するようにした。よって、損傷した缶内面樹脂フィルムに対して上記補修用樹脂フィルムが溶融して接着し、高品質で安定した補修を行うことができ、取り付け用金具に対応する缶内面において腐食、剥離等の問題が生じず高品質にてペール缶内面の樹脂フィルムの補修を行い得る。さらに、上述のように装置構成をコンパクト化することができる。又、上述の高品質で安定した補修が行なわれたペール缶を提供することができる。
【0052】
又、本発明の第4態様の補修用フィルム貼付方法によれば、元フィルムを溶融して上記穿孔境界部を形成することで、容易に補修用フィルムを作製することができ、かつ作製された補修用フィルムを上記穿孔境界部にて元フィルムから抜き取って損傷領域に貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における補修用フィルム貼付装置の正面図である。
【図2】 図1に示す補修用フィルム貼付装置を備えた、本発明の実施形態におけるペール缶内面樹脂フィルム補修装置の正面図である。
【図3】 図1に示す補修用フィルム貼付装置の補修用フィルム作製装置及び抜取貼付装置部分を示す図である。
【図4】 図3に示す筒状部材が溶融位置に移動した状態を示す図である。
【図5】 図3に示す抜取貼付部材が貼付位置に移動した状態を示す図である。
【図6】 図2に示すペール缶内面樹脂フィルム補修装置にて実行される補修動作のフローチャートである。
【図7】 補修用フィルムの貼付動作の概念を示す斜視図である。
【図8】 吊り手タイプのペール缶を示す斜視図である。
【図9】 取っ手タイプのペール缶を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ペール缶、3、8…取り付け用金具、
21…缶内面樹脂フィルム、23…損傷領域、25…補修用樹脂フィルム、
51…補修用フィルム作製装置、52…抜取貼付装置、
54…フィルム支持板、
251…元フィルム、253…穿孔用溶融部、
512…筒状部材、521…抜取貼付部材、541…貫通穴、
5121…穿孔境界形成部、5122…加熱部。
Claims (5)
- 缶内面に樹脂フィルム(21)を貼付したペール缶における上記缶内面樹脂フィルムの損傷領域(23)の補修を行なう補修用フィルム(25)の貼付装置において、
上記ペール缶内面の上記損傷領域に対して、上記補修用フィルムの元となる元フィルム(251)を介在させて配置され、かつ上記補修用フィルムの輪郭に対応した穿孔境界部(253)を上記元フィルムに形成する補修用フィルム作製装置(51)と、
上記補修用フィルム作製装置と一体的に設けられ、上記穿孔境界部にて上記元フィルムから上記補修用フィルムを抜き取り上記損傷領域に貼付して上記損傷領域の補修を行なう抜取貼付装置(52)と、
を備えたことを特徴とする補修用フィルム貼付装置。 - 上記補修用フィルム作製装置は、上記元フィルムに上記穿孔境界部を形成する穿孔境界形成部(5121)を一端に有し上記元フィルムの厚み方向に可動な筒状部材(512)を備え、
上記抜取貼付装置は、上記筒状部材内を当該筒状部材の軸方向に沿って移動して上記元フィルムから上記補修用フィルムを抜き取り上記損傷領域に貼付する抜取貼付部材(521)を有する、請求項1記載の補修用フィルム貼付装置。 - 上記ペール缶内面の上記損傷領域と上記元フィルムとの間に配置され、上記穿孔境界部の形成のため上記筒状部材が上記厚み方向に移動したとき、上記元フィルムを支持するとともに、上記損傷領域に対応して位置し上記抜取貼付部材及び上記補修用フィルムが貫通可能な貫通穴(541)を有するフィルム支持板(54)をさらに備えた、請求項2記載の補修用フィルム貼付装置。
- 上記筒状部材は、上記元フィルムを溶融するフィルム溶融温度に上記穿孔境界形成部を加熱する加熱部(5122)を有し、上記穿孔境界部は、上記フィルム支持板にて支持された上記元フィルムに上記フィルム溶融温度に加熱された上記穿孔境界形成部が接触して形成される、請求項3記載の補修用フィルム貼付装置。
- 缶内面に樹脂フィルム(21)を貼付したペール缶における上記缶内面樹脂フィルムの損傷領域(23)の上記缶内面樹脂フィルムを仮接着温度に加熱して軟化させる仮接着加熱用装置(622)と、
上記仮接着温度にて軟化した上記損傷領域における上記缶内面樹脂フィルムに対して上記損傷領域を覆って補修用フィルム(25)を貼付する、請求項1から4のいずれかに記載の補修用フィルム貼付装置(50)と、
貼付された上記補修用樹脂フィルムを上記仮接着温度よりも高い本接着温度に加熱して融かし上記缶内面樹脂フィルムに本融着する本接着加熱用装置(623)と、
を備えたことを特徴とするペール缶内面樹脂フィルム補修装置。
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