JP3705114B2 - ハイブリッド車用駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のエンジン(以下、単に「エンジン」という。)と電気モータ(以下、単に「モータ」という。)とを搭載したハイブリッド自動車に関し、詳しくは、ハイブリッド車用駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド車は、内燃機関としてのエンジンとジェネレータとしても機能するモータとを備え、これらを必要に応じて同時或いはいずれか一方のみを駆動源として使用する。また、ハイブリッド車の制動時に、車体の運動エネルギーを利用して、ジェネレータとしても機能するモータを回転させて発電を行い、モータ用のバッテリーの充電を行っている。
【0003】
昨今のハイブリッド車用駆動装置のトランスミッション構造として、特開2000−179644号公報,特開平5−310048号公報,特開平5−305820号公報及び特開平11−189073号公報に掲載されているように、トランスミッションケース内にモータの各構成を直接配設するものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにトランスミッションケース内に直接モータのステータ,ロータ,コイル等を組み込むと、トランスミッションの組立工程が複雑化して生産性が低下すると共に、各部の調整や修理等のメンテナンスが煩雑となりメンテナンス性も低下するという不都合があった。
【0005】
この不都合を解決するためには、図3,4に示すような、モータを構成する各部品をモータケース111内に全て格納してユニット化し、これをトランスミッションケース101に形成した被嵌合部102に嵌合せしめる構造のハイブリッド車用駆動装置100の構成が考えられる。以下、これを比較例とする。
【0006】
図3は、ユニット化したモータを内蔵した比較例のトランスミッションケース101の断面図を示し、図4はモータケース111の周囲の拡大断面図である。図示の如く、モータケース111はモータの出力軸112を中心とする略円柱状に形成されており、その外周面を摺接面としてトランスミッションケース101の被嵌合部に嵌合させることに装着されている。そして、モータユニット110は加熱防止のため冷却手段として水冷ジャケット113を備えている。この水冷ジャケット113は、モータケース111の摺接面を構成する壁面を肉厚に設定すると共に当該肉厚の壁面内部をモータの出力軸112を中心として一周するようにくり抜かれてなる密閉空間により構成されている。即ち、この密閉空間たる水冷ジャケット内に冷却水を供給し、これによりモータの加熱を防いでいる。
【0007】
しかしながら、上記構造のハイブリッド車用駆動装置100では、モータケース111の摺接面を肉厚にしなければならないため、当該モータケース111が大型化を生じ易く、かかるモータケースの配設スペースを確保するにはハイブリッド車用駆動装置全体の大型化を生じるという問題があった。このため、装置の大型化を回避しつつも、出力の大きな大型のモータを使用することが困難になるという不都合があった。
【0008】
また、エンジンはトルク変動を生じるため、一般にこれを緩衝するために、エンジンからトルク伝達される過程において、その途中に緩衝用のトルク吸収ダンパ120を設ける手法が採られているが、かかるダンパ120の配設スペースの確保が新たな問題となっていた。例えば、上述の比較例にあっては、トルク吸収ダンパ120が、図4に示すように、モータケース111に隣接して装備されているが、かかる配置とすれば、トランスミッションケース102全体が出力軸112方向に大型化する。このように、ダンパ120による大型化を回避することも新たな課題となっていた。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、装置の小型化を図り或いは装置の大型化を回避しつつ大型のモータを使用を可能とすることを、その目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、エンジンとモータとをそれぞれ使用して走行するハイブリッド車の駆動装置であって、モータを収納したモータケースを嵌合自在にはめ込む被嵌合部をトランスミッションケースに設けると共に、嵌合時にモータケースと被嵌合部の互いに対向する壁面間に密閉された隙間空間を設けると共にこの隙間空間を前記モータ冷却用の水冷ジャケットとするという構成を採っている。
【0011】
上記構成では、モータをトランスミッションケースの被嵌合部に嵌合させることによりモータケースと被嵌合部の互いに対向する壁面間に密閉された隙間空間が形成され、これを水冷ジャケットとして使用する。従って、壁面内に水冷ジャケットを形成する場合のようにモータケース又は被嵌合部の壁面を厚く設定する必要がない。
【0012】
そして、更に、モータのモータ出力軸の中央部に設けた貫通孔にエンジンからの出力トルクを伝達されるエンジン従動軸を挿通し、これらモータ出力軸とエンジン従動軸とをそれぞれ別個独立に回転自在に構成すると共に、エンジン従動軸が受けるエンジン出力トルクの変動を緩和するダンパを嵌合時のモータケースの外側に隣接する配置とし、モータケース内部にモータ出力軸の回転数検出を行うレゾルバを装備すると共に、モータ出力軸を中心とする円周に沿ってモータケースのダンパ側の端面から内部へ向かって窪んだ凹部を設け、この凹部をレゾルバの固定子の取付部とする共に、ダンパのエンジン従動軸を中心とする円周に沿って配設されるコイルバネの一部が凹部に入り込んだ配置とするという構成を採っている。
【0013】
モータケースに隣接してダンパが配設され、しかも、ダンパのコイルバネをレゾルバの固定子の固定用の凹部により形成される内部空間に侵入させた配置とされているので、コイルバネの侵入した分だけダンパの省スペース化を図ることが可能となる。
【0017】
本発明は、上述した各構成によって前述した目的を達成しようとするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。この実施形態は、ハイブリッド車に装備する駆動装置を示している。図1はハイブリッド車用駆動装置10のほぼ全体を示す全体説明図であり、図2は後述するモータ3及びその周囲の構造を示す説明図である。
【0019】
一般に、内燃機関のみで駆動する自動車のエネルギー効率は、出力が大きな領域で最高効率が得られるが、アイドリングや低速走行時には、極端に低下することが知られている。ハイブリッド車は、この効率の低い領域をモータでアシストすると共に、ハイブリッド車の減速時の運動エネルギーをモータによる回生ブレーキによって回収し、トータルの燃費向上を図っている。なお、ここに示すハイブリッド車は、モータによる回生ブレーキだけではなく、通常の機械的ブレーキも図示しないが装備されている。
【0020】
このハイブリッド車用駆動装置10は、エンジン(図示略)と、エンジンの出力トルクが伝達されるエンジン従動軸21と、モータ3と、モータ3のモータ出力軸31と共に回転駆動するモータ従動軸32と、このモータ従動軸32と共に回転駆動する第一軸51と、エンジン従動軸21のトルクを断続(トルクが伝達する状態と伝達しない状態の切り替え)自在に第一軸51に伝達する第一のクラッチ11と、第一軸51と平行に並んで配設された第二軸52と、第一軸51と第二軸52との間の変速比を自在に調節する無段変速機5と、第二軸52と平行に並んで配設されたカウンタ軸65と、第二軸52のトルクを断続(トルクが伝達する状態と伝達しない状態の切り替え)自在にカウンタ軸65に伝達する第二のクラッチ12と、このカウンター軸からトルクを伝達されて駆動輪を駆動する差動機構64と、エンジンを除く上記各構成を格納するトランスミッションケース7と、を備えている。以下、各部を説明する。
【0021】
(エンジン)
エンジンは、エンジン従動軸21に対して一定回転方向のトルクを印加するガソリンエンジン,ディーゼルエンジン等の内燃機関である。なお、このエンジンは、内燃機関に限定されず、スターリング機関等の外燃機関でも良い。
【0022】
エンジンとエンジン従動軸軸21との間にはトルク吸収ダンパ22が装備されている。このトルク吸収ダンパ22はエンジンにより直接トルク伝達されてエンジン従動軸21を中心として回転する略円板状の回転体23とエンジン従動軸21の一端部(図1における右端部)に固定装備されたフランジ部24との間に装備されており、フランジ部24にエンジン従動軸23を中心とする円周方向に沿って形成された窓孔部24aと、この窓孔部24a内に前記円周方向にその伸縮方向を一致させた状態で配備されたフランジ部24の厚さよりもコイル半径を大きく設定されたコイルバネ25と、フランジ部24に近接対向した状態で回転23に装備されたエンジン従動軸21を中心とするリング状の円板プレート26と、この円板プレート26の窓孔部24aに対応する位置に設けられると共にコイルバネ25両端部におけるフランジ部24からはみ出した部位に当接するバネ受け部26aと、窓孔部24aからのコイルバネ25の脱落を防止する蓋体27とから構成されている。
【0023】
エンジン従動軸21と回転体23とは軸受け21aを介して連結されているので、エンジンの出力トルクは上述のトルク吸収ダンパ22を介して伝達されるようになっている。即ち、エンジンの駆動により回転体23が回転駆動すると、円板プレート26のバネ受け部がコイルバネ25の一端と当接し、コイルバネの25の他端部が窓孔部24a内においてフランジ部24と当接することで、エンジン従動軸21にトルク伝達される。また、エンジンにトルク変動が生じると、コイルバネ25が伸縮し、これにより変動トルクのエンジン従動軸21側への伝達が緩和される。
【0024】
(モータ)
モータ3は、図2に示すように、その全ての構成を格納するモータケース36と、モータ出力軸31と、このモータ出力軸31に固定装備されたロータ33と、このロータ33の外周に近接した状態でモータケース36の内壁に装備されたステータ34と、ステータ34に装備されたコイル35とを備える構成となっている。そして、このモータ3は全ての構成をモータケース36に格納することでユニット化し、このユニットごとトランスミッションケース7に設けられた被嵌合部71に嵌合させて取り付けることを可能としている。
【0025】
モータ出力軸31はモータケース36に回転自在に保持されると共にその軸心部に貫通孔が形成されている。そして、この貫通孔には前述したモータ従動軸32の一端部がスプラインを介して嵌挿されており、このモータ従動軸32とモータ出力軸31とは同時に連動回転するようになっている。さらに、モータ従動軸32にもその軸心部に貫通孔が形成されており、この貫通孔には前述したエンジン従動軸21が挿通されている。このエンジン従動軸21とモータ従動軸32との間には軸受けが介挿され、エンジン従動軸21とモータ従動軸32及びモータ出力軸31とは別個独立に回転することが可能となっている。
【0026】
モータケース36は、モータ出力軸31を中心とする略円柱形状に形成されている。また、モータケース36の外周面上のモータ出力軸方向の一端部近傍にはフランジ状を呈するトランスミッションケース7への取付部36bが形成されている。そして、モータケース36の外周面をモータ側摺接面36aとして、当該モータ側摺接面36aをトランスミッションケース7に形成された被嵌合部71のトランスミッション側摺接面72に摺接させながら当該トランスミッション側摺接面72を備える内壁の終端部が取付部36bに当接するまでモータケース36を被嵌合部71に挿入せしめ、モータ3の装備を行う。
【0027】
一方、トランスミッションケース7の被嵌合部71はその全体形状がモータケース36が嵌合自在となる凹状を呈し、そのトランスミッション側摺接面72の一部にはモータケース36を一周するように凹状の落ち込み部73が形成されている。従って、上記モータケースの36の挿入により各摺接面36a,72間に落ち込み部73による隙間空間が形成されることになる。この隙間空間を構成する落ち込み部73には当該空間に対する図示しない冷却水の供給口と排出口とが設けられており、隙間空間を水冷ジャケット74として構成することを可能としている。なお、この隙間空間を挟んで一方の側にはモータ側摺接面36上を一周するOリング36cが装備され、他方の側には前述したトランスミッション側摺接面72を備える内壁の終端部と取付部36bとの当接面に一様に介挿された液状ガスケット(図示略)が装備され、隙間空間内の密閉性を確保している。
【0028】
ここで、前述した比較例たるハイブリッド車用駆動装置100の水冷ジャケット113と発明の実施形態たるハイブリッド車用駆動装置10の水冷ジャケット74とを図2と図4とにより比較検討してみる。これらの図によれば、上述の構造により水冷ジャケット74を構成することにより、モータケース36の外周壁を比較例の如く二重構造とする必要がなくなり当該壁面を飛躍的に薄く設定することが可能となることが分かる。従って、これにより、モータ3を含みトランスミッションケース7全体の小型軽量化を図ることが可能となるかまた或いはトランスミッションケース7を従来と同じ大きさに維持しつつも出力の大きなより大型モータを装備することが可能となる。
【0029】
なお、この実施形態では、トランスミッション側摺接面72上に落ち込み部73を設けることで水冷ジャケット74を形成しているが、モータケース36のモータ側摺接面36a側に窪み部を設けることでその密閉空間を水冷ジャケットとしても良い。この場合、モータケース36の外周壁は若干肉厚となるが、比較例と比較すれば外周壁を二重構造とする必要はなく、また、トランスミッション側摺接面72を備えるトランスミッションケースの壁部を薄く設定するが可能となるので、やはりモータ3を含みトランスミッションケース7全体の小型軽量化を図ることが可能となるかまた或いはトランスミッションケース7を従来と同じ大きさに維持しつつも出力の大きなより大型モータを装備することが可能となる。
【0030】
また、モータケース36内部においてモータ出力軸31のトルク吸収ダンパ22側の端部近傍には当該モータ出力軸31の回転数を検出するためのレゾルバ4が設けられている。このレゾルバ4は、モータ出力軸31に固定装備された回転子41と、その外周側に近接対向して配置された固定子42と、この固定子42に装備されたコイル43とから構成されている。レゾルバ4は、その全体構成がモータ3のコイル35の内周側(モータ出力軸31に近い側)のスペースに全て納められると共にモータ3のロータ33に近接した配置とされている。一方、モータケース36のモータ出力軸31に沿った方向の長さはコイル35の幅により縮小化を制限されるため、レゾルバ4はモータケース36のトルク吸収ダンパ22側の対向壁部36dから離間することとなる。従って、レゾルバ4の固定子42を対向壁部36dの内面に固定するために、モータ出力軸31を中心とする円周に沿って対向壁部36dにモータケース36の内部へ向かって窪んだ凹部36eを設けている。かかる凹部36eはモータケース36の内部から見ればロータ33側に突出した形状を構成することになるので、当該凹部36eに固定子42装備することで、レゾルバ4をロータ33側に近接配備することが可能となる。
【0031】
さらに、前述したトルク吸収ダンパ22のコイルバネ25を格納する窓孔部26aのエンジン従動軸21の中心からの距離と上述した凹部36eのエンジン従動軸21の中心からの距離とをほぼ等しく設定することにより、凹部36eにより形成される内部空間内にコイルバネ25の窓孔部26aからはみ出てしまう部位を入り込ませて配置することが可能となる。従って、モータ3のコイル35の内周側の空間をより有効に活用し、モータケース36とトルク吸収ダンパ22をより近接配備することが可能となり、トランスミッションケース7のモータ出力軸31(エンジン従動軸21)方向の幅を縮小化し、より小型化を図ることが可能となる。
【0032】
前述した比較例を示す図4と本実施形態の図2とを比較すれば、上述の効果がより顕著に現れていることが分かる。即ち、比較例ではそのモータケース111のトルク吸収ダンパ120側の端面が平滑に形成され、トルク吸収ダンパ120の図4における横方法の幅のスペースを確保する必要があるが、上記実施形態ではトルク吸収ダンパ22のコイルバネ25の一部が凹部36e内に侵入する配置なのでその分トルク吸収ダンパ22の配設スペースを縮小することが可能となっている。
【0033】
(第一のクラッチ)
モータ従動軸32とエンジン従動軸21とは同心(中心軸が一致する)となる位置関係にあるがこれらが別個独立して回転することは前述したとおりである。そして、これら従動軸21,32の延長線上にはやはり同心となる配置で第一軸51が配設されている。この第一軸51は、モータ従動軸32と事実上直結された状態にありモータ3の出力トルクが常時伝達される。一方、エンジン従動軸21は前述した第一のクラッチ11を介して第一軸51と接続されており、エンジンの出力トルクの第一軸51に対する伝達と不伝達とはこの第一のクラッチ11により切り換えられる。
【0034】
(無断変速機構)
無段変速機構5は、いわゆるCVTであり、第一軸51と第二軸52とにプーリ53,54をそれぞれ装備しており、これらのプーリ53,54は、ベルト55によって連結され、相互間のトルクの伝達が成される。
【0035】
プーリ53(54)は、ベルト55を挟んで二分割されており、それらの一方が、第一軸51(第二軸52)に沿って移動自在となっている。かかる回転軸方向の移動動作は、プーリ53(54)に併設された油圧シリンダ57(58)により付勢される。プーリ53(54)は、分割された二つの部材の間にベルト55が懸けられるV字溝が形成されるため、一方の部材の移動によりV字溝の間隔が変化する。これに伴い、ベルト55は、中心軸からの距離が変化し、回転半径が変化する。従って、無段変速機構5では、各プーリ53,54ごとにベルト52の回転半径を適宜に設定することにより第一軸51−第二軸52間の変速比(回転数比)を自在に調節することが可能となっている。
【0036】
上述した各油圧シリンダ57,58は、図示しないオイルポンプから供給されるオイルにより、各プーリ53,54の部材間距離調整を行う。また、このオイルポンプには図示しないポンプ駆動用モータが併設されており、かかるポンプ駆動用モータを駆動源として作動する。なお、オイルポンプ及びポンプ駆動用モータは、油圧シリンダ57,58ごとに個別に設けても良い。
【0037】
(第二のクラッチ及びカウンタ軸)
第二軸52のトルクは、カウンタ軸65を中心として当該カウンタ軸65とは別個独立に回転自在の従動歯車62に伝達される。そして、この従動歯車62とカウンタ軸65との間には第二のクラッチ12が介在されている。この第二のクラッチ12は従動歯車62とカウンタ軸65との接続状態と非接続状態とを切り換え可能であり、第二軸52からカウンタ軸65のトルクの伝達と不伝達とはこの第二のクラッチ11により切り換えられる。
【0038】
また、この第二のクラッチ12は無断変速機構5よりも下流側(駆動輪側)に配設することが望ましい。なぜならば、仮に無断変速機構5が駆動輪のロックとの原因により万が一ベルト55が戻り不良を生じた場合(エンジン、モータ側の負荷が大きい状態で)でも、この第二のクラッチ12の接続を切ることで容易に戻り不良状態から脱出することが可能となるからである。そして、第二のクラッチ12は第二軸52の軸線上に配設することも可能であるが、本実施形態のように、モータ3からより遠い配置となるカウンタ軸65上に設ける配置とする方がより望ましいといえる。なぜならば、このように第二のクラッチ12をモータ3から離間せしめることにより、クラッチ12の存在が邪魔となりモータの被嵌合部71の配設スペース確保の制限となる事態を回避することが可能となるからである。従って、第二のクラッチ12をこのように配置することにより、よりモータ3の配置レイアウトの自由度が広がると共にトランスミッションケース7の大型化を回避しつつもより大型のモータを組み込むことが可能となる。
【0039】
(差動機構)
カウンタ軸65に伝達されたトルクは差動装置63に伝えられる。この差動装置63は、一般に知られたいわゆるディファレンシャルギア構造を呈するものであって、伝達されたトルクを各駆動輪11L,11Rに伝達しつつも、カーブの走行で生じる各駆動輪11L,11Rの回転数差を許容することが可能となっている。
【0040】
(動作説明)
以下、上記動作制御部8に基づくハイブリッド車用駆動装置10の動作を説明する。
【0041】
ハイブリッド車の発進の際には、第一のクラッチ11を切断し、第二のクラッチ12を接続した状態で、モータ3の駆動が開始される。モータ3の回転は、無段変速機構5,第二のクラッチ12,カウンタ軸65及び差動機構63を介して各駆動輪に前進方向の回転として伝達される。このとき、無段変速機構5では、予め、第一軸51側のプーリ53の回転半径は小さく、第二軸52側のプーリ54の回転半径は大きく設定するように動作制御が行われる。
【0042】
そして、ハイブリッド車の速度が,予め設定された一定値に達するまでモータ3の出力を高め、無段変速機構5の変速比を所定値に設定してから、第一のクラッチ11を半クラッチ状態で接続して、モータ3の出力トルクによりエンジンを始動させる。
【0043】
エンジンの出力をある程度まで高めた後に、第一のクラッチ11を完全に接続状態とする。一方、エンジンの出力が十分に高くなった後には、モータ3への励磁電流の通電を切り、駆動を停止する。このとき、モータ3は通電が完全に断たれているので、エンジンの負荷とはならず、また、モータ3が慣性マスの効果(例えば、フライホィールの様に作用する)を生ずる。また、トルク吸収ダンパ22によりエンジンのトルク変動は緩和された状態でエンジン従動軸21以降に伝達される。
【0044】
ハイブリッド車の減速の際には、第一のクラッチ11を切断し、エンジンをアイドリング又は停止状態とする。そして、モータ3に対して駆動の際とは逆の励磁電流を流し、これにより発電を行う。また、かかる状態によりモータ3に負荷トルクが生じ、エンジンブレーキに替えて回生ブレーキによりハイブリッド車は減速される。このとき、無段変速機構5は、各駆動輪に対して適度の制動力が生じるように、各軸間の変速比を調節する。
【0045】
また、後進の際には、エンジンをアイドリング状態又は停止状態とすると共に第一のクラッチ11を切断状態に切り替える。そして、モータ3を逆回転で駆動させ、モータ動力によりハイブリッド車を後進させる。
【0046】
また、突発的な急制動,駆動輪のロック等の発生により、無段変速機5の変速比が固定された場合でも、第一のクラッチ11及び第二のクラッチ12を切断し、モータ3を駆動することにより大きなトルクを要することなく無段変速機5の駆動輪による固定状態が解除され、当該無段変速機構5を発進時の変速比に戻すことができる。
【0047】
また、第一のクラッチ11を連結し、第二のクラッチ12を切断することにより、ハイブリッド車を停車させた状態でエンジンによりモータ3を駆動し、充電を行うことができる。
【0048】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、モータケースと被嵌合部の相互の対向する壁面間に密閉された隙間空間を形成し、これを水冷ジャケットとする構成なので、モータケースの外周壁又は被嵌合部の壁面内部をくり抜いて水冷ジャケットとする場合と比較して、壁面が二重構造とする必要がなくなるので当該壁面を飛躍的に薄く設定することが可能となる。
【0049】
従って、これにより、モータを含みトランスミッションケース全体の小型軽量化を図ることが可能となるかまた或いはトランスミッションケースを従来と同じ大きさに維持しつつも出力の大きなより大型モータを装備することが可能となる。かかるモータの大型化によりロータ及びコイルの大型化を図りモータ出力の増大を図ることが可能となる。
【0050】
また、モータケースに隣接するダンパのコイルバネを、モータケース内のレゾルバの固定子を固定する凹部により形成される領域内に入り込ませて配置するため、モータケースにダンパをより近接させて配置することが可能なり、かかる省スペース化によりトランスミッションケースの小型化を図ること又は大型化を回避しつつもモータの大型化を図ることが可能となる。
【0052】
本発明は以上のように構成され機能するので、これによると、従来にない優れたハイブリッド車用駆動装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態たるハイブリッド車用駆動装置の断面を示す説明図である。
【図2】図1におけるモータケース周辺の拡大図である。
【図3】本発明の比較例たるハイブリッド車用駆動装置の断面を示す説明図である。
【図4】図3におけるモータケース周辺の拡大図である。
【符号の説明】
21 エンジン従動軸
22 トルク吸収ダンパ(ダンパ)
25 コイルバネ
3 モータ
31 モータ出力軸
32 モータ従動軸
36 モータケース
36e 凹部
4 レゾルバ
42 固定子
5 無段変速機構
51 第一軸
52 第二軸
63 差動機構
65 カウンタ軸
7 トランスミッションケース
71 被嵌合部
74 水冷ジャケット
10 ハイブリッド車用駆動装置
11 第一のクラッチ
12 第二のクラッチ
Claims (1)
- エンジンとモータとをそれぞれ使用して走行するハイブリッド車の駆動装置であって、
前記モータを収納したモータケースを嵌合自在にはめ込む被嵌合部をトランスミッションケースに設けると共に、
前記嵌合時に前記モータケースと前記被嵌合部の互いに対向する壁面間に密閉された隙間空間を設けると共にこの隙間空間を前記モータ冷却用の水冷ジャケットとし、
前記モータのモータ出力軸の中央部に設けた貫通孔に前記エンジンからの出力トルクを伝達されるエンジン従動軸を挿通し、これらモータ出力軸とエンジン従動軸とをそれぞれ別個独立に回転自在に構成すると共に、前記エンジン従動軸が受けるエンジン出力トルクの変動を緩和するダンパを嵌合時の前記モータケースの外側に隣接する配置とし、
前記モータケース内部に前記モータ出力軸の回転数検出を行うレゾルバを装備すると共に、前記モータ出力軸を中心とする円周に沿って前記モータケースの前記ダンパ側の端面から内部へ向かって窪んだ凹部を設け、
この凹部を前記レゾルバの固定子の取付部とする共に、前記ダンパの前記エンジン従動軸を中心とする円周に沿って配設されるコイルバネの一部が前記凹部に入り込んだ配置としたことを特徴とするハイブリッド車用駆動装置。
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