JP3704634B2 - 掘削土砂の搬出方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば地盤掘進方法等における掘削土砂の搬出方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の掘削土砂等の搬出方法としては、例えば特公平7−15174号公報、特公平6−100076号公報、特開平6−193383号公報、特開昭58−101998号公報等において提案されているものがある。
【0003】
(1)特公平7−15174号公報の浚渫方法においては、吸引機の吸引により空気を吸引ホースの先端から土砂タンクを経て吸引機へ流すと共に、吸引ホースの途中からホース内へ補助的に空気を導入しながら吸引ホースの先端開口を浚渫すべきものとその上に位置する空気との境界に位置させ、浚渫すべきものを空気と共に吸引ホースの先端から吸い込み、吸引ホースを通った浚渫物を土砂タンク内に沈降させて集めている。
【0004】
(2)特公平6−100076号公報の掘削土砂の排出方法においては、推進管内に吸引ホースを設置して、吸引ホースの先端を推進管の先端側で開口させると共に、吸引ホースの後端側を土砂タンクを経て吸引機に接続し、吸引機の吸引により吸引ホース内に先端開口から推進管内に空気を吸引して吸引機へ流す空気流を生じさせて、先導管で掘削した土砂に吸引ホースの先端開口を向けて、土砂を前記空気流に載せて発進立坑側に移動させると共に、吸引ホースの途中に設けた空気導入口から補助的に吸引ホース内に空気を導入して土砂の移動を助け、移動した土砂を吸引機の前に設けた土砂タンクに沈降させて集めている。
【0005】
(3)特開平6−193383号公報の汚泥移送方法においては、圧搾空気発生装置と真空発生装置と、汚泥を回収するタンクとが地上に配され、前記タンクには送泥パイプが連通連結されており、この送泥パイプの先端部近傍には第一のバルブを介して加圧空気供給パイプが連通連結され、この加圧空気供給パイプの連通連結部分と先端部との間に第二のバルブが設けられている汚泥移送装置を用い、まず前記送泥パイプの先端部は堆積した汚泥に臨むように配し、次に前記第一のバルブを閉鎖して第二のバルブを開放し、その後真空発生装置を作動させて堆積した汚泥を送泥パイプ内に空気と共に吸引し、所要時間経過後、即ち送泥パイプ内に汚泥を充填させた後、真空発生装置による吸引移送が低下すると前記第二のバルブを閉鎖すると共に前記第一のバルブを開放して送泥バルブ内に溜まった汚泥を圧搾空気により圧送して前記タンク内に移送している。
【0006】
(4)特開昭58−101998号公報の長距離推進工法においては、地中埋設管の先端に推進管を嵌合し、その推進管に密閉壁を設けて、その密閉壁に切羽掘削装置を設け、切羽面と密閉壁との中間に掘削室を形成し、その掘削室に泥水を注入する推進装置において、高濃度泥水を掘削室に注入し、その泥水を掘削室の内部で掘削された土砂を混合させて泥水を土砂含有高濃度状態として、さらに、掘削室の外管に穿設した透孔から前記の液状態を地中埋設管と地山面との間隔に充填している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
(1)特公平7−15174号公報の浚渫方法においては、吸引ホースの先端を排泥(浚渫物)と空気との境界に位置させる必要があり、このため、吸引ホース(排泥管)の先端又は排泥の液面を制御する必要がある。また、空気の導入は調整できるが、排泥の吸入は調整できないため、輸送状態が不安定になり、閉塞に近い状態が頻繁に生じる虞がある。従って、排泥の輸送効率を十分に高めることができない。
【0008】
(2)特公平6−100076号公報の掘削土砂の排出方法においては、土砂(排泥)に吸引ホースの先端開口を向け、また、吸引ホース先端は土砂(排泥)を吸引できるところに位置させることが必要であり、このため、そのような位置に排泥管の先端又は排泥を制御する必要がある。特公平7−15174号公報の場合と同様に、空気の導入は調整できるが、排泥の吸入は調整できないため、閉塞に近い状態が頻繁に生じる虞があり、排泥の輸送効率を十分に高めることができない。
【0009】
(3)特開平6−193383号公報の汚泥移送方法においては、送泥パイプの先端を汚泥に臨むように配置する必要がある。このため、そのような位置に排泥管の先端又は排泥を制御する必要があり、排泥の輸送効率を十分に高めることができない虞がある。
【0010】
(4)特開昭58−101998号公報の長距離推進工法においては、排泥弁ととして逆止弁を用いているが、吸入する空気が推進管内の空気(ほぼ大気圧)の場合には、排泥タンクと空気導入位置を十分に離さない限り、空気弁を開いても排泥の流入は停止せず、プラグを十分に形成できない。
【0011】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、プラグを形成して排泥の輸送効率を十分に高めると共に、過剰な空気吸入による動力の浪費を防止し、かつ、過剰な排泥量の吸入による排泥管の閉塞を防止する掘削土砂の搬出方法及び装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る掘削土砂の搬出方法は、排泥管の先端部を排泥タンク内の排泥の中に常に埋没させ、排泥管の排泥タンク側に設けられた排泥用バルブとこの排泥用バルブの下流側の排泥管上に設けられた空気導入用バルブとを交互に開閉して、排泥タンク内の排泥と空気導入用バルブからの空気とを交互に繰り返し排泥管内に真空吸入し、この真空吸入により排泥管内に取り込まれる空気の平均流量が所定値になるよう、又は所定の範囲内に可能な限り入るよう、前記空気導入用バルブ及び/又は前記排泥用バルブの開時間を制御して、前記空気及び/又は前記排泥の吸入時間を制御する。
【0013】
本発明に係る掘削土砂の搬出装置は、一方の端部が排泥タンクに接続され、他方の端部がレシーバタンクに接続された排泥管と、前記レシーバタンクに吸気管を介して接続された真空ポンプと、前記排泥管の一方の端部側に設けられた排泥用バルブと、該排泥用バルブの下流側の排泥管上に空気導入管を介して設けられた空気導入用バルブと、排泥管内の空気流量を測定する空気流量計と、前記空気導入用バルブと前記排泥用バルブとを交互に開閉して排泥タンクの排泥をプラグ状にして搬出させる制御装置とを備え、該制御装置は、前記空気導入用バルブと前記排泥用バルブとを交互に開閉した際、前記空気流量計によって測定された空気流量の平均値を算出し、かつ、その平均空気流量が所定値になるよう、又は所定の範囲内に可能な限り入るよう前記空気導入用バルブ及び/又は前記排泥用バルブの開時間を制御するものである。
【0014】
また、本発明に係る掘削土砂の搬出装置は、前記空気流量計を空気導入用バルブの上流側に設けたものである。
【0015】
さらに、本発明に係る掘削土砂の搬出装置は、前記制御装置は、平均空気流量が第一の所定値以下になったときは、その平均空気流量が第二の所定値以上になるまで前記排泥用バルブを閉状態にするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
次に、本発明の一実施形態に係る掘削土砂の搬出方法及びその方法に用いられる装置を図1、図2及び図3に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る掘削土砂の搬出装置及びその関連の設備の構成を示す図、図2は排泥タンクと排泥管の接続部の変形例を示す図である。
図1において、10は掘削機、11は掘削機10により掘削された排泥を貯留する排泥タンク、12は排泥管で、先端部が排泥タンク11内の排泥の中に常に埋没した状態で接続され、後端部がレシーバタンク17と接続されている。13は排泥管12の先端部側に挿入された排泥用バルブ、14は排泥用バルブ13の下流側の排泥管12上に設けられた空気導入管である。
【0017】
なお、排泥管12の先端部側が排泥タンク11内に物理的に接触して接続されていることを説明したが、図2に示すように排泥管12の先端部側を排泥タンク11の上方から挿入して排泥を吸引できるよう実質的に接続するようにしてもよい。
【0018】
15は空気導入管14の上流側に設けられた空気導入用バルブ、16は空気導入用バルブ15の上流側に設置された空気流量計で、空気導入用バルブ15が開けられたときに排泥管12内に導入される空気流量を測定し、その値に応じた信号を後述のパーソナルコンピュータに出力する。18は吸気管19を介してレシーバタンク17と接続された排泥ユニット(真空ポンプ)、20はレシーバタンク17の下方に配置された土砂タンクである。
【0019】
30はパーソナルコンピュータで、例えば1回の空気導入工程(空気導入用バルブ15を開、排泥用バルブ13を閉)と1回の排泥吸入工程(空気導入用バルブ15を閉、排泥用バルブ13を開)とからなる1周期毎に排泥管12内に導入する空気流量の平均値を算出する。この平均空気流量は前記1周期に要する時間とその間に空気流量計16が測定した値とから算出したものであり、平均空気流量が例えば下限値を100 Nm3 / h、上限値を200 Nm3 / hとする範囲内で目標値の空気流量150 Nm3 / hとなるよう駆動回路31,32を介して空気導入用バルブ15と排泥用バルブ13の開閉を交互に制御する。
【0020】
なお、この例で用いたパーソナルコンピュータ30は制御装置の一例であり、本発明の実施に必要な信号の入力、演算処理、制御信号の出力等が可能な他の装置を制御装置として用いることができる。
【0021】
例えば、平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以上のときは、空気導入用バルブ15の開ける時間(空気吸入時間)を短く、排泥用バルブ13の開ける時間(排泥吸入時間)を長くし、また、平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以下のときは、空気導入用バルブ15の開ける時間を長く、排泥用バルブ13の開ける時間を短くする。前者の場合は平均空気流量が減少して平均排泥流量(排泥用バルブ13を開いてから次に開くまでの時間による平均値)が増加し、後者の場合は平均空気流量が増加して平均排泥流量が減少する。
【0022】
この制御における目標平均空気流量は排泥管12の閉塞防止の観点から推定される必要最小限のものであり、これは、排泥管12内の平均空気流量と平均排泥流量の輸送に使用できる最大のエネルギーは、理論的には使用する排泥ユニット18の真空ポンプの仕様で決まるから、平均空気流量を最小とすれば平均排泥流量を最大にすることができるという考えに基づいたものである。
【0023】
前述した空気吸入時間は、例えば最小値を25秒、最大値を60秒とする時間であり、また、排泥吸入時間は、例えば最小値を0秒、最大値を8秒とする時間である。制御開始時は、例えば空気吸入時間を25秒とし、排泥吸入時間を0秒とする。
【0024】
なお、前述した空気流量計16の設置位置は空気導入用バルブ15の上流側に限定する必要はなく、排泥ユニット18の吸気管19又は吐出管(図示せず)の何れか一方に設置してもよい。排泥管12内に導入する空気はその場の大気圧でも加圧空気でもよいが、ここでは大気圧を用いるものとする。空気流量の値は厳密に測定する必要がないので、空気流量計16を空気導入バルブ15の上流側に設け、かつ、大気圧の空気を導入する場合には、空気流量の温度補正と圧力補正のための温度計と圧力計は用いなくてもよい。しかし、その他の場合には空気流量の温度補正と圧力補正のための温度計と圧力計の両方、又は何れか一方が一般に必要である。
【0025】
また、レシーバタンク17として、真空吸引を継続しながらタンク内部の土砂を排出する連続式レシーバタンク、或いは真空吸引を停止してタンク内部を大気圧にし土砂を排出するバッチ式レシーバタンクの何れを用いてもよい。但し、バッチ式レシーバタンクを使用し、かつ、空気流量計16を排泥ユニット18の吸気管19又は前記吐出管に設置した場合には、そのレシーバタンク内の土砂排出時の真空ブレークに伴い大きな空気流量測定誤差が生じる虞があるので注意を要する。その点、図1に示すように空気流量計16を空気導入用バルブ15の上流側に設置したときは、バッチ式レシーバタンクを用いる場合でも真空ブレークに対する特段の考慮は不要である。
【0026】
次に、図1に示す掘削土砂の搬出装置の動作を図3に基づいて説明する。図3は本実施形態の搬出装置の制御実験による空気吸入時間、排泥吸入時間及び平均空気流量の推移を示す図である。なお、この図には、制御開始時の空気吸入時間25秒と排泥吸入時間0秒による平均空気流量をプロットしていないので、動作説明についてはそれ以降とする。
【0027】
パーソナルコンピュータ30は、駆動回路31,32にそれぞれ制御指令を出して、空気導入用バルブ15を開いて排泥用バルブ13を閉じ、排泥管12内に空気を導入する。空気導入用バルブ15を開いてから初期値の25秒が経過すると、空気導入用バルブ15を閉じて排泥用バルブ13を開き、排泥タンク11内の排泥を排泥管12内に吸引する。一方、空気導入用バルブ15を開いたときから空気流量計16の出力信号を入力しており、開けた排泥用バルブ13を閉じたとき、その間に入力した空気流量と経過時間とから排泥管12内の空気流量の平均値(平均空気流量)を算出する。この時点では、排泥用バルブ13を開けた時間(排泥吸入時間)が1秒以内で非常に短いために、排泥管12内の排泥21が少なく平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以上となる。
【0028】
このため、空気導入用バルブ15の開時間(空気吸入時間)を初期値の25秒のままとし、排泥用バルブ13の開による排泥吸入時間を段階的に増加して最大値の8秒まで長くする。そして、空気吸入を25秒間、排泥吸入を8秒間行うよう空気導入用バルブ15と排泥用バルブ13の制御を交互に繰り返し行う。この制御の繰り返しにより、排泥管12内の排泥21のプラグ数の増加、及び空気が流れる排泥管12内の流路面積の減少による流動抵抗の増加により、平均空気流量が次第に減少する。平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以下になると(約450 秒経過した時点)、空気吸入時間を段階的に長く、一方、排泥吸入時間を段階的に短くなるよう空気導入用バルブ15と排泥用バルブ13を制御して、平均空気流量を目標値に近づくように増加させる。
【0029】
また、約650 秒経過した付近に示すように、平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以上になると、前記と逆に空気吸入時間を短く、一方、排泥吸入時間を長くなるよう空気導入用バルブ15と排泥用バルブ13を制御して、平均空気流量を下げる。以下、同様にして平均空気流量を目標値の付近に維持するよう空気吸入時間と排泥吸入時間の制御を繰り返しながらプラグ状の排泥21を下流側に輸送する。
【0030】
以上のように本実施形態においては、平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以上のときは、空気導入用バルブ15の開による空気吸入時間を短く、排泥用バルブ13の開による排泥吸入時間を長くして、平均空気流量を減少させると共に、平均排泥流量を増加させ、また、平均空気流量が目標値の150 Nm3 / h以下のときは、前記空気吸入時間を長く、前記排泥吸入時間を短くして、平均空気流量を増加させると共に、平均排泥流量を減少させるようにしたので、過剰な空気吸入による動力の浪費や排泥の輸送量の低下を防止でき、また、平均空気量に対して相対的に過剰な量の排泥を吸入することによる排泥管12の閉塞を防止できるという効果が得られている。
【0031】
実施形態2.
図4は本発明の他の実施形態に係る掘削土砂の搬出装置の制御実験による空気吸入時間、排泥吸入時間及び平均空気流量の推移を示す図である。
本実施形態においては、前述したように1回の空気導入工程と1回の排泥吸入工程を1周期とし、その間において排泥管12内に導入する空気流量の平均値が、例えば下限値を150 Nm3 / h、上限値を250 Nm3 / hとする範囲内で目標値の空気流量200 Nm3 / hとなるよう空気導入用バルブ15と排泥用バルブ13を制御する。
【0032】
この場合も実施形態1と同様に、平均空気流量が目標値の200 Nm3 / h以上のときは、空気導入用バルブ15の開による空気吸入時間を短く、排泥用バルブ13の開による排泥吸入時間を長くし、また、平均空気流量が目標値の200 Nm3 / h以下のときは、前記空気吸入時間を長く、前記排泥吸入時間を短くするが、平均空気流量が下限値の150 Nm3 / hを下回っている場合(約300 秒を経過した時点)には、排泥吸入時間の段階的減少だけでは排泥吸入がしばらく継続して、平均空気流量の減少がさらに進んで排泥管12の閉塞に近づく虞があるため、排泥吸入時間を一気に0秒、即ち排泥用バルブ13を閉じて平均空気流量が目標値の200 Nm3 / hを上回る約390 秒付近まで排泥の吸入を停止する。
【0033】
ここで、排泥吸入時間を一気に0秒とするときの平均空気流量を目標流量の下限値とせず、それとは異なる値としてもよい。また、排泥の吸入を再開するときの平均空気流量もその目標値ではなく、それとは異なる別の値としてもよい。
【0034】
以上のように、平均空気流量が下限値の150 Nm3 / hを下回ったとき、その平均空気流量が目標値の200 Nm3 / hを上回るまで排泥吸入時間を0秒、即ち排泥用バルブ13を閉じて排泥管12内に排泥を吸入させないようにしているので、排泥による排泥管12の閉塞を防止できるという効果がある。
【0035】
なお、前述した目標空気流量、その上限値と下限値、空気吸入時間の最小値と最大値及び排泥吸入時間の最小値と最大値のそれぞれの値はあくまでも一例であって、排泥の特性や排泥輸送距離に応じてそれらの最適値を設定すればよい。また、空気吸入時間と排泥吸入時間の段階的な増減幅は同一又は一定とする必要はなく、それぞれを個別に目標空気流量との偏差に応じて変化させるようにしてもよい。
【0036】
また、空気及び排泥吸入時間の何れかが上限値或いは下限値でない限り、両者の吸入時間を同時に増減しているが、目標空気流量からの偏差の大きさ等に応じて一方の吸入時間のみを変更させたり、一方を常に固定するようにしてもよい。さらに、平均空気流量を求める周期は制御の迅速の面から1回の空気導入工程と1回の排泥吸入工程とからなる1周期としたが、2周期以上とすることも可能である。
【0037】
また、前述した平均空気流量を必ずしも厳密に制御する必要がないため、空気吸入時間と排泥吸入時間の制御として、目標空気流量との偏差及びその符号に応じてそれぞれを単純に段階的に増減させるという極めて簡略な方法を用いたが、例えば、目標空気流量との偏差に基づく評価関数を用いて数学的に空気吸入時間と排泥吸入時間の補正量を決定する制御等様々な方法を用いることも可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、排泥タンク内の排泥の中に常に先端部が埋没した排泥管内に空気とその排泥とを交互に繰り返し真空吸入し、排泥管内の空気の平均流量が所定値になるよう、又は所定の範囲内に可能な限り入るよう空気及び/又は排泥の吸入時間を制御するようにしたので、過剰な空気吸入による動力の浪費や排泥の輸送量の低下を防止でき、また、平均空気量に対して相対的に過剰な量の排泥を吸入することによる排泥管の閉塞を防止できるという効果が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る掘削土砂の搬出装置及びその関連の設備の構成を示す図である。
【図2】排泥タンクと排泥管の接続部の変形例を示す図である。
【図3】本実施形態の搬出装置の制御実験による空気吸入時間、排泥吸入時間及び平均空気流量の推移を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る掘削土砂の搬出装置の制御実験による空気吸入時間、排泥吸入時間及び平均空気流量の推移を示す図である。
【符号の説明】
12 排泥管
13 排泥用バルブ
15 空気導入用バルブ
16 空気流量計
30 パーソナルコンピュータ
31,32 駆動回路
Claims (4)
- 排泥管の先端部を排泥タンク内の排泥の中に常に埋没させ、前記排泥管の排泥タンク側に設けられた排泥用バルブとこの排泥用バルブの下流側の排泥管上に設けられた空気導入用バルブとを交互に開閉して、排泥タンク内の排泥と前記空気導入用バルブからの空気とを交互に繰り返し排泥管内に真空吸入し、この真空吸入により排泥管内に取り込まれる空気の平均流量が所定値になるよう、又は所定の範囲内に可能な限り入るよう、前記空気導入用バルブ及び/又は前記排泥用バルブの開時間を制御して、前記空気及び/又は前記排泥の吸入時間を制御することを特徴とする掘削土砂の搬出方法。
- 一方の端部が排泥タンクに接続され、他方の端部がレシーバタンクに接続された排泥管と、
前記レシーバタンクに吸気管を介して接続された真空ポンプと、
前記排泥管の一方の端部側に設けられた排泥用バルブと、
該排泥用バルブの下流側の排泥管上に空気導入管を介して設けられた空気導入用バルブと、
排泥管内の空気流量を測定する空気流量計と、
前記空気導入用バルブと前記排泥用バルブとを交互に開閉して排泥タンクの排泥をプラグ状にして搬出させる制御装置とを備え、
該制御装置は、前記空気導入用バルブと前記排泥用バルブとを交互に開閉した際、前記空気流量計によって測定された空気流量の平均値を算出し、かつ、その平均空気流量が所定値になるよう、又は所定の範囲内に可能な限り入るよう前記空気導入用バルブ及び/又は前記排泥用バルブの開時間を制御することを特徴とする掘削土砂の搬送装置。 - 前記空気流量計を空気導入用バルブの上流側に設けたことを特徴とする請求項2記載の掘削土砂の搬送装置。
- 前記制御装置は、平均空気流量が第一の所定値以下になったときは、その平均空気流量が第二の所定値以上になるまで前記排泥用バルブを閉状態にすることを特徴とする請求項2又は3の何れかに記載の掘削土砂の搬送装置。
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