JP3704630B2 - 超電導磁石のねじり振動検出コイルを備えた磁気浮上列車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地上コイルを敷設した軌道を、磁気浮上して走行する超電導磁石を搭載した磁気浮上列車に係り、特に、超電導磁石のねじり振動を検出できるコイルを備えた磁気浮上列車に関する。
【0002】
【従来の技術】
物体の振動を検出する方法としては、加速度計を用いるのが従来の最も一般的な方法である。しかし、構造上の制約で加速度計の取り付けが困難な場合、加速度計による振動を直接測定することはできない。このような場合の振動検出方法として、磁束検出素子を用い、磁束変動の測定から振動を検出したり推定する方法が、特開平7−92016公報で提案されている。
これは、磁気浮上システムのように、磁場中での導体の振動や、あるいは、磁場を発生している超電導コイルそのものの振動を計測しようとするような、特殊な環境では、振動に磁場の変動が伴う。この磁場変動を計測して、非接触で間接的に振動を検出しようとする方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案されている磁束検出素子による振動の検出方法では、計測系に外部から磁場が加わるような場合、検出対象の磁場と外部磁場を識別するには、周波数分析をして振動成分に相当する周波数の信号のみを取り出したり、あるいは、振動が生じていない状態で磁束検出素子から出力される信号を予め測定しておいて、振動計測時の信号を補正するなどの、補償手段を必要とした。このような補償を伴う作業は、振動の信号成分が小さい場合は、計測対象以外の信号(ノイズ)との分離が困難となり、補償によって精度が悪くなるという問題や、あるいは磁束による電圧信号の検出から、振動量を得るまでに、多段階の手順が必要なため、オンラインでのデータ計測や、リアルタイムでのデータ処理の障害になるなどの問題点がある。
【0004】
磁気浮上車両の健全性の指針として、超電導磁石の磁気信号をモニターすることが検討されている。信号の変化から振動状態等の変化を知り、超電導磁石の異常診断に用いようとするものである。磁気浮上列車の安全走行には、このような信号を常にリアルタイムでモニターリングし、異常を早期に発見できる手段を備えておくことが不可欠である。
【0005】
本発明の目的は、上記課題の解決であり、計測対象を列車に搭載した超電導磁石のねじり振動に限定し、計測信号の補償手段等を用いずにノイズを低減して、より精度の高い振動信号を検出し、オンラインやリアルタイムの信号処理に適した超電導磁石のねじり振動検出手段を備え、異常検出の手段を備えた信頼性の高い磁気浮上列車を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、超電導線を巻回した超電導コイルと、前記超電導コイルを収納する収納容器と、前記収納容器の外側にあって、輻射熱を遮蔽する輻射熱シールドと、これらを収容する真空断熱容器とからなる超電導磁石が、地上軌道側の推進および浮上コイルと対面して搭載された磁気浮上列車において、前記超電導磁石のねじり振動によって生じる磁場変動成分のみを検出するねじり振動検出コイルが、外部から加わる変動磁界の進行方向のピッチの整数倍に等しい間隔で、前記超電導コイルに対面して設置され、前記ねじり振動検出コイルは、前記超電導コイルの中心から上下左右に、4分割して配置された同一形状の4個の磁束変動検出コイルからなり、前記磁束変動検出コイルは、電圧信号の極性が逆向きになるように、隣り合う上下左右が互いに直列に接続されていることを特徴とするものである。
また、前記ねじり振動検出コイルは、左右に分割配置された前記磁束変動検出コイルの設置間隔が、前記浮上コイル電流の作り出す高調波変動磁場のうち、最大の振幅を持つ空間高調波のピッチの整数倍に等しいことを特徴とし、また、前記浮上コイル電流の作り出す空間5次高調波のピッチの整数倍に等しいことを特徴とする。また、前記4分割して配置された4個の磁束変動検出コイルは、前記超電導コイルの上下および左右の中心線に対して線対称に配置されていることを特徴とし、また、前記4個の磁束変動検出コイルは、それぞれがそれぞれの上下および左右の中心線に対して、線対称となる形状を有することを特徴とする。また、前記磁束変動検出コイルは、基盤にプリントして構成されていることを特徴とし、また、前記磁束変動検出コイルがプリントされる基盤は、絶縁シートであることを特徴とするものである。
【0007】
以下、本発明の作用原理を説明する。
磁気浮上列車の浮上推進システムでは、先ず、地上軌道側に設置された推進コイルに通電することで、推進コイルに流れた電流の作る磁場が車載の超電導磁石と作用し、車両に推進力が生じて走行する。次いで、走行速度が閾値を越えると、浮上コイルに生じた誘導電流の作る磁場と、超電導磁石との作用で車両の浮上走行が始まる。したがって、超電導コイルには推進コイル磁場と浮上コイル磁場が同時に印加され、さらにそれぞれの高調波磁場も加わることになる。それぞれの磁場は、超電導磁石を構成する真空断熱容器、輻射熱シールド、超電導コイル収納容器等の導電性の構造物に渦電流を誘起し、渦電流と超電導コイルの作る磁場とが作用して構造物を振動させる。
【0008】
この振動による信号を検出しモニターしておけば、構造物の劣化等により振動モードが変わった場合、警告を出すなどの対応ができる。磁場中の導体の振動は、渦電流をともない磁場を発生させる。したがって、推進コイルや浮上コイルから加わる磁場と、振動によって生じる渦電流の磁場とを分離できれば、磁場の変化の測定は有効な振動モニターの手段となる。
【0009】
現状の磁気浮上システムの場合、外部磁場の振幅が最大のものは、浮上コイルによる空間5次高調波で、約180gaussの振幅を持つ。次いで、空間7次および空間3次高調波が、それぞれ約40gaussの振幅を持つ。推進コイルの高調波は、最大でも空間5次の18gaussにすぎない。それぞれの高調波は次数によって波長が異なるので、全てを同時に除くことは困難であるが、最大の空間5次高調波を除けば、信号のノイズである振動起因以外の磁場を1/3以下に低減できる。この高調波を除くには、4個直列の振動磁場検出用のコイルを用いて、各コイルに受かる高調波がキャンセルされる仕組みにすればよい。
【0010】
以下に、高調波をキャンセルする仕組みを具体的に述べる。
説明を簡明にするために、浮上コイルの空間5次高調波のみを生じる模擬地上コイル(以下、加振コイルと記す)と、導体およびねじり振動検出コイルとのみからなる体系を考慮し、それらが静磁場中に置かれた場合と、静磁場を受けない場合とについて考察する。
図2に、加振コイル9と、平板の導体10にねじり振動検出コイル6を設置する体系を示す。ねじり振動検出コイル6は、図示するように、上下左右に4分割された4個の磁束変動検出コイルから構成されている。以下、便宜的に図中左上のコイルまたはその発生電圧をLU、同様に左下をLD、右上をRU、右下をRDと称することにする。
【0011】
まず、図2の体系が静磁場中に置かれた場合を考える。加振コイル9(u),9(v),9(w)には、それぞれ、U,V,Wの3相の交流電流を通電する。その結果、導体10には、加振コイル9の磁場変動による渦電流が誘導され、静磁場と作用して、導体10に電磁力が生じて振動が誘引される。このとき、ねじり振動検出コイル6は、加振コイル9の作る磁場変動と、振動によって自らが静磁場を横切ることによる磁場変動、および振動によって導体10に流れる渦電流の作る磁場変動の3種類の磁場変動を同時に検出する。ここで、振動起因でない磁場変動は加振コイル9の作る磁場であり、これが空間5次の高調波であり、ノイズとして除去したい信号である。
【0012】
図3に、空間5次高調波が導体10の上に生じる渦電流分布を示す。渦電流分布の下には、ある時刻における進行方向(x方向)の磁場分布である。ノイズを除去するには、この渦電流のピッチ、言い換えると、加振コイル9が導体10の上に作る空間5次の磁場分布のピッチ分、分割したねじり振動検出コイル6の中心間距離を離して設置する。
【0013】
ここで、図2の体系が静磁場を受けない場合を考える。静磁場を除くと、加振コイル9に通電しても電磁力が働かず、したがって、導体10は振動しない。この場合、ねじり振動検出コイル6が検出する信号は、加振コイル9の作る空間5次の磁場変動のみであり、言い換えるとノイズだけである。そこで、この場合に、ねじり振動検出コイルを適当な間隔に設置した場合と、空間5次のピッチで設置した場合とを、図4〜図6を用いて比較する。
【0014】
図4は、左右方向の設置間隔が適当な場合の出力信号で、ここでは、図中のLU,LD,RU,RDは、それぞれ4分割した4個の磁束変動検出コイルで生じる電圧を示す。TOTALは、4コイルを上下左右で、それぞれ極性が逆転するように、直列に接続した結果の電圧であり、ねじり振動検出コイルとしての出力になる。currentは通電コイル(加振コイル)に通電する電流の位相で、この電流との位相差で4分割コイルの位相差を比較できる。4個の磁束変動検出コイルのうち、左右が同じ側の上下のコイルLU・LD、およびRU・RDのそれぞれの位相は、丁度180度逆転しているが、極性を逆転して接続するため、キャンセルはされない。4個のコイルを直列に足しあわせた結果、LU・LDと、RU・RDとの左右の位相差によって、加振コイル9の磁場変動による電圧信号が残るのがわかる。
【0015】
図5は、ねじり振動検出コイル6を構成する4分割した磁束変動検出コイルのうち、コイルLU・LDと、コイルRU・RDとの設置間隔を、加振コイル9が作る磁場の空間分布のピッチと一致させた場合の電圧である。左右に並んだ分割コイルLUとRU、LDとRDの、それぞれの位相が揃うため、電圧がキャンセルされ、出力信号のTOTALはほぼ零となる。
【0016】
図6は、静磁場を受けない図2の体系で、ねじり振動検出コイル6の左右方向(進行方向)の設置間隔を変化させていった場合の出力信号の変化である。横軸に空間5次のピッチをとり、縦軸に検出信号を示す。ねじり振動検出コイルの左右の設置間隔を磁場分布のピッチの整数倍とすれば、計測対象外の電圧信号をキャンセルすることができ、磁場分布のピッチの1/2の間隔を開けて設置すると、計測対象外の電圧が最大となることがわかる。
【0017】
ねじり振動による磁束の変化は、隣合う磁束変動検出コイル、上下の磁束変動検出コイルで、それぞれ逆相で検出されるため、隣合うコイル、上下のコイルで逆相に結線されるねじり振動検出コイル6では加算されて出力される。したがって、加振コイル9の作る空間5次の磁場のピッチの整数倍の間隔を持たせて、4分割のねじり振動検出コイル6を設置することにより、純粋なねじり振動分のみの電圧信号を検出することができる。
【0018】
一般に、磁気浮上列車用超電導磁石の性能試験は、図2に示したような空間5次の浮上磁場を模擬する体系の中で行われる。したがって、本発明によるねじり振動検出コイルを用いれば、試験体系においては、空間5次の高調波ノイズをほぼ零にして信号をモニターできるし、実走行体系でも、ノイズを従来の1/3以下にした信号のモニターが可能である。このような振動検出手段を備えることにより、超電導磁石および磁気浮上列車としての安全性、信頼性を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1に示すように、超電導コイル1はコイル収納容器2に収納されている。コイル収納容器2は、超電導コイル1を保持し、内部に液体ヘリウムの流路を設け、超電導コイル1を冷却している。さらに、コイル収納容器2は輻射熱シールド3で覆われ、輻射熱を低減するため、液体窒素温度に冷却されている。真空断熱容器は、これら輻射熱シールド3、コイル収納容器2、超電導コイル1等を収納して超電導磁石を構成している。
【0020】
磁気浮上列車の車体7は台車8で連結され、台車8の両側には上記超電導磁石が搭載されている。超電導磁石と対面して地上コイル5が配置され、地上軌道側のガイドウェイに設置されている。列車が走行すると導電性の真空断熱容器4には、地上コイル5の磁場変動による渦電流が誘導し、超電導コイル1の有する静磁場と作用して、真空断熱容器4に電磁力が生じて振動が誘引される。
【0021】
この振動のうち、ねじり成分を検出するために、真空断熱容器4にねじり振動検出コイル6を設置する。ねじり振動検出コイル6は、上下左右に4分割した4個の磁束変動検出コイルLU、LD、RU、RDから構成され、地上コイル5の作る磁場変動、ねじり振動によって各構造物に流れる渦電流の作る磁場変動、真空断熱容器が磁場中で振動することによって感じる磁場変動の3種類の磁場変動を同時に検出する。
【0022】
ここで、ねじり振動起因でない磁場変動は、地上コイル5の作る磁場であり、ねじり振動検出コイル6のノイズとなる。上下づつ左右に分割したねじりプローブを、この磁場変動のピッチ分だけ中心間距離を離して設置することにより、地上コイル5の作る磁場変動が、分割したねじり振動検出コイル6の各部に生じる電圧の位相は、隣り合う左右のコイル間、あるいは上下のコイル間で、それぞれ位相差0となる。
【0023】
一方、ねじり振動による磁束の変化は、隣合う上下および左右のコイルで、それぞれ逆相となり、ねじり振動検出コイルはこの信号を拾うため、隣合う上下左右のコイルで逆相に結線される。したがって、このねじり振動検出コイルで拾う地上コイル5の作る磁場は、左右間、上下間でそれぞれ位相差180度となり、キャンセルされる。このように地上コイル5の作る磁場の空間分布のピッチ分の間隔を持たせて、4分割した4個の磁束変動検出コイルLU、LD、RU、RDから構成された、ねじり振動検出コイル6を設置することにより、純粋なねじり振動分のみの電圧信号を検出することができる。したがって、より高精度に超電導磁石の振動成分をモニターでき、信頼性の高い超電導磁石および磁気浮上列車を提供できる。
【0024】
次に、図7により、本発明の他の実施形態を説明する。
超電導コイル1はコイル収納容器2に収納されている。コイル収納容器2は超電導コイル1を保持し、内部に液体ヘリウムの流路を設け、超電導コイル1を冷却している。輻射熱シールド3はコイル収納容器2を覆い、輻射熱を低減するため、液体窒素温度に冷却されている。真空断熱容器4は、輻射熱シールド3、コイル収納容器2、超電導コイル1等を収納し、超電導磁石を構成している。
【0025】
この超電導磁石のねじり振動成分を検出するために、真空断熱容器4にねじり振動検出コイル6を設置する。このねじり振動検出コイル6は、上下左右に4分割した4個の磁束変動検出コイルLU、LD、RU、RDから構成され、磁気浮上システムにおける、地上軌道側の浮上コイルから発生する空間5次の高調波成分を検出しないように、図示するように、左右のコイル中心線間の設置間隔が、空間5次高調波の1ピッチである0.54mとなるように設置する。空間5次高調波の1ピッチ分、分割したコイルの中心間距離を離して設置することにより、空間5次高調波が分割したねじり振動検出コイル6の各部に生じる電圧の位相は、隣り合うコイル間、上下のコイル間でそれぞれ位相差0となる。
【0026】
一方、ねじり振動による磁束の変化は、隣合うコイル、上下のコイルでそれぞれ逆相となり、ねじり振動検出コイルはこの信号を拾うため、隣合うコイル、上下のコイルで逆相に結線される。したがって、このねじり振動検出コイルで拾う地上コイル5の作る磁場は、左右間、上下間でそれぞれ位相差180度となり、キャンセルされる。このように空間5次高調波の1ピッチ分の間隔を持たせて、4分割のねじり振動検出コイル6を設置することにより、純粋なねじり振動分のみの電圧信号を検出することができる。したがって、より高精度に超電導磁石の振動成分をモニターでき、信頼性の高い超電導磁石および磁気浮上列車を提供できる。
【0027】
図8に、本発明の他の実施形態を示す。ねじり振動検出コイル6aは、絶縁シート11にプリントされている。導線を巻回してコイルを制作する場合、感度をあげる為に、ターン数を増やそうとすると厚みを持ち、また細かい形状の加工が困難で、このためねじり振動検出コイルの設置箇所が制限されるという問題がある。しかし、絶縁シートに導体をプリントしてねじり振動検出コイルを構成することにより、設置箇所を選ばず、どこにでも高感度のねじり振動検出コイルを設置することができる。もちろん、ねじり振動検出コイルのプリント基盤は、構造的に適用できるものであれば、シートである必要はない。
【0028】
図9に、本発明の他の実施形態を示す。ねじり振動検出コイル6bの形状が異なり、本実施形態では、個々の磁束変動検出コイルが菱形に形成されているだけで、図8に示した実施形態と同じ効果を持つ。
図10に、本発明の他の実施形態を示す。ねじり振動検出コイル6cの形状が異なり、本実施形態では、個々の磁束変動検出コイルがT字形に形成されているだけで、図8に示した実施形態と同じ効果を持つ。
図11に、本発明の他の実施形態を示す。ねじり振動検出コイル6dの形状が異なり、本実施形態では、個々の磁束変動検出コイルが、角に凹Rをもつ十字形に形成されているだけで、図8に示した実施形態と同じ効果を持つ。
図12に、本発明の他の実施形態を示す。ねじり振動検出コイル6eの形状が異なり、本実施形態では、個々の磁束変動検出コイルが、対辺に凹Rをもつ長方形に形成されているだけで、図8に示した実施形態と同じ効果を持つ。
【0029】
上述のとおり、本発明の実施形態によれば、ねじり振動検出コイルを用いて、磁場を測定して振動状態をモニターする場合に、検出対象以外の磁場、ノイズを除去するため、周波数分析をして振動成分に相当する周波数の信号のみを取り出したり、あるいは振動が生じていない状態で、磁束検出素子から出力される信号を予め測定しておいて、振動計測時の信号を補正するなどの、補償手段を取る必要がなく、精度の高い信号を得ることができる。したがって、信号の補償によってさらに精度が悪くなるという問題や、あるいは磁束による電圧信号の検出から、振動量を得るまでに、多段階の手順が必要なため、オンラインでのデータ計測や、リアルタイムでのデータ処理の障害となるなどの問題点を解決し、信号の変化から振動状態等の変化を知り、超電導磁石の異常診断に用いるのに役立つ。その結果、オンラインやリアルタイムの信号処理に適した超電導磁石のねじり振動検出手段を備え、異常検出の手段を備えた信頼性の高い磁気浮上列車を提供することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、計測対象を列車に搭載した超電導磁石のねじり振動に限定し、計測信号の補償手段等を用いずにノイズを低減して、より精度の高い振動信号を検出し、オンラインやリアルタイムの信号処理に適した超電導磁石のねじり振動検出手段を備え、異常検出の手段を備えた信頼性の高い磁気浮上列車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を示す説明図である。
【図2】図2は、本発明の作用の説明図である。
【図3】図3は、真空断熱容器上に生じる渦電流分布を示す図である。
【図4】図4は、従来のねじり振動検出コイルと本発明によるねじり振動検出コイルの検出信号の比較を示す図である。
【図5】図5は、従来のねじり振動検出コイルと本発明によるねじり振動検出コイルの検出信号の比較を示す図である。
【図6】図6は、従来のねじり振動検出コイルと本発明によるねじり振動検出コイルの検出信号の比較を示す図である。
【図7】図7は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図8】図8は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図9】図9は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図11】図11は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【図12】図12は、本発明の他の実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 超電導コイル
2 コイル収納容器
3 輻射熱シールド
4 真空断熱容器
5 地上コイル
6、6a、6b、6c、6d、6e ねじり振動検出コイル
LU、LD、RU、RD 磁束変動検出コイル
7 磁気浮上列車の車体
8 磁気浮上列車の台車
9 加振コイル
9(u) 加振コイルU相
9(v) 加振コイルV相
9(w) 加振コイルW相
10 平板導体
11 絶縁シート
Claims (2)
- 超電導線を巻回した超電導コイルと、前記超電導コイルを収納する収納容器と、前記収納容器の外側にあって、輻射熱を遮蔽する輻射熱シールドと、これらを収容する真空断熱容器とからなる超電導磁石が、地上軌道側の推進及び浮上コイルと対面して搭載された磁気浮上列車において、前記超電導磁石のねじり振動によって生じる磁場変動成分のみを検出するねじり振動検出コイルが、外部から加わる変動磁界の進行方向のピッチの整数倍に等しい間隔で、前記超電導コイルに対面して設置され、前記ねじり振動検出コイルは、前記超電導コイルの中心から上下左右に、4分割して配置された同一形状の4個の磁束変動検出コイルからなり、前記磁束変動検出コイルは、電圧信号の極性が逆向きになるように、隣り合う上下左右が互いに直列に接続され、かつ左右に分割配置された前記磁束変動検出コイルの設置間隔が、前記浮上コイル電流の作り出す高調波変動磁場のうち、最大の振幅を持つ空間高調波のピッチの整数倍に等しいことを特徴とする超電導磁石のねじり振動検出コイルを備えた磁気浮上列車。
- 請求項1に記載の磁気浮上列車において、左右に分割配置された前記磁束変動検出コイルの設置間隔が、前記浮上コイル電流の作り出す空間5次高調波のピッチの整数倍に等しいことを特徴とする超電導磁石のねじり振動検出コイルを備えた磁気浮上列車。
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