JP3704513B2 - 光透過性線状物光触媒フィルタ素材、同素材を使用したフィルタ及び同素材の製造方法 - Google Patents

光透過性線状物光触媒フィルタ素材、同素材を使用したフィルタ及び同素材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長い光透過性線状物の外側面に多数の粒状物を設け、かつ、前記光透過性線状物の外側面と前記多数の粒状物との上方に光触媒層を形成した光透過性線状物光触媒フィルタ素材、同素材を使用したフィルタ及び同素材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光触媒は、光を照射すると、殺菌、抗菌、分解・脱臭、防汚、防曇などの機能を有する物質であり、その代表例である二酸化チタンに光を照射すると、二酸化チタンの表面で強い酸化・還元反応を起こし、その表面に接している物質を分解する。例えば、上記の物質が有機物であった場合、その有機物は炭酸ガスと水に分解される。即ち、光触媒は光を照射するだけで、菌やウイルス、悪臭物質、ダイオキシン、トリクロロエチレン等の環境汚染物質やシックハウス症候群を引き起こす環境ホルモン等を分解する
【0003】
このような光触媒作用をフィルタに利用して、各種の液体処理、空気処理及び環境浄化等に応用しようとする試みがなされている。
高性能なフィルタを安価に提供するために、フィルタ基材として細長い光透過性線状物の表面に粒状物を接着させて、突起を形成したフィルタ基材に光触媒層を形成させてなる光触媒フィルタ素材が提案されている(特開平10−71312号公報)。
【0004】
このような光触媒フィルタ素材は、その長手方向の両端を揃えて多数束ねて光触媒フィルタを構成した場合、互いに側面で隣接するフィルタ素材間に上記した突起の存在により隙間を形成することから、この隙間に被処理流体を流すことができ、しかも、この隙間を形成する通路空間が経時変化を起こし難く安定していることから、フィルタとしての性能を長期にわたって良好に維持することができる。
【0005】
このような光触媒フィルタは、多数束ねられた光触媒フィルタ素材の一方又は両方の端面に入射部を備え、この入射部に入射された紫外光等の光が光触媒フィルタ素材の内部に伝搬する。そして、この伝搬する光は、屈折率が光透過性線状物(例:ガラスファイバ)よりも光触媒層(例:二酸化チタン)の方が高いことから、光透過性線状物と光触媒層との界面で全反射する成分がなく、光触媒層に漏れ出る光が発生する。
【0006】
また、突起として粒状物を光透過性線状物の外側面に接着する接着剤として、シリカを主成分とする無機接着剤を使用した場合、この接着剤の屈折率は一般的に光透過性線状物の屈折率と比較して同程度か又はやや低いことから全反射条件を満たすので、光触媒層に漏れ出る光が発生しないが、接着剤の焼成後に、光透過性線状物と接着剤との界面において微視的なポアが発生することから、そのポアを基点にして光触媒層に漏れ出る光が発生する。そのため、入射された光が遠くまで伝搬することなく、徐々に光触媒層に漏れ出て、この漏れ出た光が光触媒層を照射する。
【0007】
一方、光触媒フィルタは、処理すべき被処理流体を多数束ねた光触媒フィルタ素材の隙間を通路として、“均一に”流通させることにより、この被処理流体に含まれる汚染物を光触媒層の表面で捕捉する。そこで、前述した漏れ出た光を光触媒層に照射することにより、捕捉した汚染物を光触媒作用によって分解する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そして、光触媒フィルタ素材を束ねる本数は、それが多い程、光触媒作用の効率を上げることが期待されるが、現実には、その束ねる本数が、例えば、数千、数万、又はそれ以上多量になった場合、新たな課題が発生する。
【0009】
例えば、図11に示すように、細長い光透過性線状物として、ガラス製ファイバ1の外側表面上に、粒状物として石英ガラス球2(平均粒径;50μm)を多数、接着剤を介して接着させ、更に、この多数の石英ガラス球2と石英ガラス製ファイバ1の外側面の上に、光触媒層として二酸化チタン層4(膜厚;2μm)を公知技術のディップ法を使用して塗布させたガラスファイバ光触媒フィルタ素材90を約70,000本束ねてなる光触媒フィルタを事例に挙げて説明すると、次のとおり光触媒フィルタとして異常な現象が発生する。
【0010】
即ち、個々の光触媒フィルタ素材90の両端部を揃えて、一束にしてアルミニウム製円筒状ケース5(内径;70mmφ、長さ;200mm)に収納して光触媒フィルタ91を構成した場合、この光触媒フィルタ91は、図12に示すように、その中央部の外側面に位置する光触媒フィルタ素材90が外側に向かって凸状に膨らんだ和太鼓状(「樽状」と表現することができる)の形状をして、円筒状ケース5の内側面と近接し、その両端部の開口付近に空間部7を発生してしまう。
【0011】
一方、処理すべき流体を、光触媒フィルタ91の長手方向に沿って、多数束ねられたフィルタ素材90相互間に粒状物2の突起物が接して形成された隙間を通して“均一に”流れて、はじめて流体中に含まれる汚染物を捕捉する作用を奏するところ、上記した空間部7において流体の流れが異常に集中して乱れるために、充分なフィルタの作用を果たすことができない。
【0012】
この空間部7による流体の流れの異常現象は、図13に示すように、この和太鼓状に束ねられた多数のフィルタ素材90を上下方向に立てて、下方より上方に向けて水流8(流量:2リットル/分)を流す水流テストをして、その水流8のオーバーフローの状態を観察した結果、前記空間部7の上方付近の水流8が急速に流れて、盛り上がり部6を発生していることから確認された。
【0013】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、多数のフィルタ素材を束ねたフィルタの形態が和太鼓状とならず、長手方向に平行に配列する光透過性線状物光触媒フィルタ素材、同素材を使用したフィルタ及び同素材の製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための手段として、
第1の発明は、
多数の粒状物が細長い光透過性線状物の外側面に接着され、光触媒層が前記外側面と前記多数の粒状物との上方に形成され、前記光透過性線状物の一方又は両方の端面に入射された光が前記光透過性線状物の内部に伝搬して、前記光触媒層に漏れ出ることにより、前記光触媒層を照射する光透過性線状物光触媒フィルタ素材において、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域にある前記外側面から前記光触媒層までの高さの最高値がその両方の端部領域にあるそれぞれの前記外側面から前記光触媒層までの高さの最高値よりも小さいことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ素材である。
【0015】
第2の発明は、
上記した第1の発明の光透過性線状物光触媒フィルタ素材において、
前記光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域の長さが前記長手方向の前記外側面の全長の20%から60%までの範囲内にあり、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の両方の端部領域のそれぞれの長さが前記全長の20%から40%までの範囲内にあり、かつ、前記中央部領域にある前記粒状物の分布密度が前記両方の端部領域にあるそれぞれの前記粒状物の分布密度よりも低いことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ素材である。
【0016】
第3の発明は、
上記した第1の発明又は第2の発明の光透過性線状物光触媒フィルタ素材を多数束ねたことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタである。
【0017】
第4の発明は、
多数の粒状物を細長い光透過性線状物の外側面に所定の分布密度をもって接着し、前記外側面と前記粒状物との上方に光触媒層を形成した光透過性線状物光触媒フィルタ素材の製造方法において、
それぞれ予め決められた多数の光透過性線状物と、多数の粒状物と、所定量の接着液とを混合して、前記した光透過性線状物と粒状物とを仮接着させる工程と、
前記仮接着された光透過性線状物と粒状物を、対向する一対の網状面を有する容器内に収納し、所定の面積の底部と所定の荷重を有するおもしを前記それぞれの網状面の中心部に置いて荷重を加えて、押圧した状態で、前記容器を所定の時間だけ揺動又は振動させる工程とを有して、
前記仮接着された光透過性線状物の長手方向の中央部領域にある粒状物を擦り落とすことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ素材の製造方法である。
【0018】
上記した第1の発明において、粒状物とは、球状、楕円体状又は不定形等の粒状の物体であり、好ましくは、球状の物が使用される。
【0019】
次に、光透過性線状物とは、光を透過する繊維状又はロッド状等の線状物であり、紫外光又は可視光等の光の内部透過率が、使用する光触媒の励起波長に対して長さ10cm当たり90%以上、好ましくは96%以上のものであれば使用可能であり、具体例として、石英ガラスファイバ、又は低アルカリのケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス及び無アルカリケイ酸塩ガラス等の、二酸化けい素を主成分とする多成分系ガラスファイバが好適である。
【0020】
次に、細長い光透過性線状物は、上記した光透過性線状物の太さがその機械的強度が低下しない程度で、可能な限り細いものであればよく、例えば、直径が1μm〜500μm程度のもの、より好ましくは、10μm〜200μmが好適に使用される。その理由は、直径が1μmより小さくなると、線状物自体の機械的強度が低下するとともに、端面を光入射部とする場合、その効率が低下するからである。他方、直径500μmより大きくなると、束ねてフィルタを構成した場合、フィルタとして必要な表面積を確保することが困難となり、実用に供し難くなるからである。
光透過性線状物の長さ、束ねる本数については特に限定されることはなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0021】
そして、上記した粒状物が球状(平均粒径d)であって、細長い光透過性線状物が円柱状(直径D)である場合、粒状物の粒径dは、光透過性線状物の直径Dに対し、4%〜70%の範囲内に選定するのが好ましく、更に25%〜60%の範囲内にすれば、より好ましい。そして、可能な限りバラツキが少なく、例えば、平均粒径dを中心値にして±30%の範囲内にあることが好適である。
【0022】
その理由は、フィルタ素材を束ねてフィルタを構成した場合、粒状物の粒径dが光透過性線状物の直径Dの4%よりも小さくしたときは、フィルタ素材間に大きな空間の隙間を形成することができず、フィルタの基本性能である圧力損失が増加してしまうことになり、粒状物の粒径dが光透過性線状物の直径Dの70%よりも大きくしたときは、粒状物の光透過性線呪物への接着強度が極端に低下し、安定したフィルタを得ることができなくなり、また、粒径のバラツキが平均粒径の中心値に対して±30%を超えたときは、光透過性線状物の外側面から多数の粒状物の上方にある光触媒層までの高さの最高値が大きくばらつくこととなり、均一な隙間の形成ができず、そのために、均一な流体の流れを作り出すことができなくなり、それぞれ実用に供し難くなるからである。
【0023】
次に、光触媒層とは、代表例である二酸化チタンの他に、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ナトリウム、二酸化ジルコニウム、硫化カドミウム、α−Fe等の光触媒作用を有する物質を成膜した層であり、その膜厚は0.1μm〜10μm程度のものが好適である。その理由は、0.1μmより薄くした場合、光吸収量が少なく、触媒活性化点を多く作り出すことができなくなり、10μmよりも厚くした場合、光触媒への光照射方法が裏面照射という形となっているために、光触媒層の最外面(反応面)まで光が到達できず、触媒活性点を作り出すことができなくなり、何れのの場合も実用に供し難くなるからである。
【0024】
なお、上記した光透過性線状物の屈折率が1.45〜1.65程度であるのに対して、上記した光触媒層の材料の各励起波長での屈折率は、光吸収が起こるために正確に測定することができないが、2.0以上であると予測できる。この場合、光透過性線状物に入射した光は全反射条件を満たさないため、光触媒層に漏れ出て、この漏れ光が光触媒層を照射することができる。
【0025】
このような第1の発明は、先ず、多数の粒状物をその外側面に接着した光透過性線状物光触媒フィルタ素材を多数束ねてフィルタを構成した場合、隣接する光透過性線状物光触媒フィルタ素材相互間に、上記した多数の粒状物が存在していない空間部分を隙間として形成し、この隙間が処理すべき流体の通路となる。そこで、処理すべき流体を光触媒フィルタ素材の光透過性線状物の隙間(通路)に流したとき、その流体が実質的に均一となって流れ、フィルタとしての機能を果たす。
【0026】
そして、第1の発明の手段によれば、光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域にある前記外側面から前記光触媒層までの高さの最高値が、その両方の端部領域にあるそれぞれの前記外側面から前記光触媒層までの高さの最高値よりも小さくしていることから、光透過性線状物光触媒フィルタ素材は、これを多数束ねてフィルタを構成した場合、上記した和太鼓状(樽状)とは逆に中央部領域を凹状とする鼓状(「砂時計の中央部分の形状」、又は「断面が双曲面(hyperboloidal)を有する回転体形状」と表現することができる。)となることから、その長手方向に実質的に平行に配列する。
【0027】
更に、第2の発明の手段によれば、第1の発明の光透過性線状物フィルタ素材において、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域の長さが前記長手方向の前記外側面の全長の20%から60%までの範囲内にあり、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の両方の端部領域のそれぞれの長さが前記全長の20%から40%までの範囲内にあり、かつ、前記中央部領域にある前記粒状物の分布密度が、前記両方の端部領域にあるそれぞれの前記粒状物の分布密度よりも低くしていることから、この光透過性線状物光触媒フィルタ素材を多数束ねてフィルタを構成した場合、個々のフィルタ素材はその長手方向に平行度を一層高めて配列して、処理すべき流体が一層均一となって流れ、フィルタの機能を遺憾なく発揮する。
【0028】
なお、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域の長さが、前記長手方向の前記外側面の全長の20%から60%までの範囲内にした理由は、フィルタ素材を多数束ねてフィルタを構成した場合において、全長の20%より短くしたときは、上記した和太鼓状になる可能性が生じ、また、全長の60%より長くしたときは、個々のフィルタ素材の長手方向の平行度を良好に維持できるが、フィルタ素材の機械的強度が低下する可能性が生じるからである。
また、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の両方の端部領域のそれぞれの長さが前記全長の20%から40%までの範囲内にした理由は、この両方の端部領域のそれぞれの長さが上述した中央部領域の長さの残余の長さに相当し、全長の20%よりも短くしたときは、機械的強度が低下する可能性が生じ、全長の40%よりも長くしたときは、和太鼓状になる可能性が生じるからである。
【0029】
特に、フィルタ素材を多数束ねる作業中に、線状物又は粒状物の欠片や異物が小さいため(粒状物の大きいと同等又はそれ以下)、見落として、フィルタ素材の中央部領域に混入してしまう場合がある。この場合において、従来の光触媒フィルタ素材を多数束ねてフィルタを構成したときは、図12に示した和太鼓状の凸状部よりも更に突き出た凸状部を形成し、その両端部開口付近に出現する空間部は、図12に示した空間部7よりも更に大きな空間部となってしまうのに対して、本発明の光透過性線状物光触媒フィルタ素材では、かかる場合であっても、このフィルタ素材を束ねてフィルタを構成したとき、個々のフィルタ素材がその長手方向に平行度を良好に維持する点で意義がある。
【0030】
第3の発明による光透過性線状物光触媒フィルタは、第1の発明又は第2の発明の光透過性線状物光触媒フィルタ素材を多数束ねて構成されるものであり、その束ねる際に使用するフィルタケースとしては、円筒状、4角,6角など多角形などの筒状体が好適であり、束ねる本数に応じてその内径を定めることになる。また、その材料についてはアルミニウム、黄銅などの金属、プラスチックなどが好適である。しかし、フィルタケースの形状、材料については、これらに限定されず、個々の設計において適宜選定すればよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、それぞれ本発明の実施の形態である光透過性線状物光触媒フィルタ素材100、101の長手方向の断面を示す図である。
ここで、ガラスファイバ1は、それ自体、図11に示したものと同一であり、直径125μm、長さ200mmの大きさを有する。なお、このガラスファイバ1の波長365nmでの内部透過率は、10cm換算で97%、屈折率(波長365nm)は1.58程度である。
【0032】
次に、図1及び図2に示す石英ガラス球2は、それ自体、図11に示したものと対比して、平均粒径50μmの大きさを有している点と、そのガラスファイバの外側面上に多数の石英ガラスが1段又は2段以上積み重ねられた石英ガラス球2が、2個以上を単位にして横並びに隣接した集合物として分布している点では同一であるが、その分布については、図11に示したものと対比して次のとおり異なる。なお、ガラスファイバ1の外側面とその外側面に接着剤3(図3、図4参照)により接着固定された石英ガラス球2との上に、光触媒層として形成された二酸化チタン層4(膜厚;2μm)は、図11に示したものと同一であるので、その説明を省略する。
【0033】
即ち、図1に示したフィルタ素材100では、ガラスファイバ1の長手方向の中央部領域に石英ガラス球2を存在させず、両方のそれぞれの端部領域に分布する石英ガラス球1が1段及び2段に積み重ねられていることから、中央部領域にあるガラスファイバ1の外側面から二酸化チタン層4までの高さの最高値は二酸化チタン層4の膜厚分の2μmであり、その両方の端部領域にあるそれぞれのガラスファイバ1の外側面から二酸化チタン層4までの高さの最高値は石英ガラス球2の2段の高さ(約100μm)と二酸化チタン層4の膜厚分の2μmの合計(約102μm)であることから、中央部領域が砂時計の中央部分のように凹状となって、両方の端部領域を含めて、光触媒フィルタ素材100は、全体として鼓状となって形成されている。
【0034】
そして、このフィルタ素材100では、中央部領域の長さをガラスファイバ1の長手方向の全長(200mm)の30%に相当する60±5mmに設定し、ガラスファイバ1の長手方向のそれぞれの端部領域の長さを35%に相当する70±5mmに設定し、前述したように中央領域に石英ガラス球2を存在させず、それぞれ端部領域にある石英ガラス球2を1段及び2段以上積み重ねた集合物が点在していることから、中央領域にある石英ガラス球2の分布密度をそれぞれ端部領域にある石英ガラス球2の分布密度よりも低く設定している。
【0035】
そして、上記した図1と、フィルタ素材100の長手方向端部領域の垂直断面図である図3と、その長手方向端部領域の一部の石英ガラス球の分布状態断面を示す図4を参照すると、石英ガラス球2がそれぞれの端部領域において2個又は3個以上横並びで接合した集合物を単位にしてガラスファイバ1の外側面に接着固定されて分布していることから、1個ずつ点在したものと対比して、同一の接着剤の下で、ガラスファイバ1の外側面と石英ガラス球2との間の接着強度を増強させ、また、その上に塗布形成される二酸化チタン層4の付着力も増強させる。
【0036】
その結果、ガラスファイバ光触媒フィルタ素材100を多数束ねてフィルタを構成した場合に、この石英ガラス球2の分布により形成される隙間の空間も強固となって、かつ、経時変化に対して安定することから、このフィルタの流体の流れに関する均一性の要件を満たすことになる。
【0037】
次に、図2に示した光触媒フィルタ素材101では、ガラスファイバ1の長手方向の中央部領域にある石英ガラス球2が、全て1段であって、2個又は3個以上横並びで接合した集合物を単位にしてガラスファイバ1の外側面に接着固定されて分布し、両方のそれぞれの端部領域にある石英ガラス球2が、上記したと同様な集合物を単位にして分布するとともに、1段及び2段に積み重ねられた集合物として分布している。
【0038】
したがって、この光触媒フィルタ素材101は、フィルタの流体の流れに関する均一性の要件を満たすとともに、中央部領域にあるガラスファイバ1の外側面から二酸化チタン層4までの高さの最高値が石英ガラス球2の1段分(50μm)と二酸化チタン層4の膜厚分の2μmとの合計(52μm)であり、その両方の端部領域にあるそれぞれのガラスファイバ1の外側面から二酸化チタン層4までの高さの最高値が石英ガラス球2の2段の高さ(約100μm)と二酸化チタン層4の膜厚分の2μmの合計(約102μm)であることから、中央部領域が砂時計の中央部分のように凹状となって、両方の端部領域を含めて、光触媒フィルタ素材101は全体として鼓状となって形成される。
【0039】
そして、この光触媒フィルタ素材101では、中央部領域の長さをガラスファイバ1の長手方向の全長(200mm)の50%に相当する100±5mmに設定し、ガラスファイバ1の長手方向のそれぞれの端部領域の長さを25%に相当する50±5mmに設定して、中央領域にある石英ガラス球2の分布密度がそれぞれの端部領域にある石英ガラス球2の分布密度よりも低く設定している。
【0040】
このようにして得られた光触媒フィルタ素材100及び101をそれぞれ約70,000本用意して、それぞれ束ねて、図5に示すように、アルミニュウム製円筒状ケース5(内径70mmφ、長さ200mm)の中に挿入固定して、それぞれの端面を揃えて、両端部の端面を研磨加工して、この端面を入射部にして、光触媒フィルタ102及び103を完成する。
【0041】
このような光触媒フィルタ102(103)について、前述したと同様な水流テストを行い、図6に示すように、水流8(流量:2リットル/分)の上面のオーバフローを観察した結果、図13に示したような盛り上がり部6を発生することなく、均一な流速でスムーズに流れていることが確認された。
【0042】
次に、上記した光触媒フィルタ素材100の製造方法を説明する。
(仮接着工程)
先ず、ガラスファイバ1(直径;125μmφ、長さ;200mm、HOYA−SCHOTT(株)製の商品名「PFG1ガラスファイバ」)を約70,000本、石英ガラス球2(平均粒径;50μm、(株)龍森製の商品名「SSV−43」)を40g、それぞれ用意して、これらを適当な蓋付き容器(幅;80mm、長さ;220mm、深さ;60mm、(株)ニシヤマ化学製の商品名「ナチュラルパック」)に収納する。
【0043】
次に、接着液(常磐電機(株)製の商品名「FJ−803」)を上記したガラスファイバ1と石英ガラス球を収納した容器に40ml(ミリ・リットル)投入し、蓋を閉めて、往復運動(例:ストローク;80mm、5往復/秒)させることにより攪拌して、ガラスファイバ1と石英ガラス球2と接着液とがそれぞれ適度に接着して混合した混合物を作る。この混合物の接着状態は、接着液が未だ硬化していないことから、ガラスファイバ1と石英ガラス球2に適度な流動性をもって接着し、ガラスファイバ1と石英ガラス球2とが接着液を介して仮接着されている状態である。
【0044】
(粒状物分布調整工程)
次に、仮接着工程で得られた多数の混合物を、図7に示すように、その底部(幅;100mm、長さ;260mm)に網11を張った、網状の蓋10付き容器9(幅;100mm、長さ260mm、深さ;80mm)に収納し、網状の蓋10を被せる。なお、容器9の網状の蓋10と底部の網11とは、対向する一対の網状面を形成している。
【0045】
容器9の網状の蓋10と底部の網11は網状面として作用し、それぞれの網の中心部に、おもしとして、角を丸め加工したアクリル製角材12,13(幅;30mm、長さ;60mm、高さ;40mm、重量:約80g)を置いて荷重を加え、それぞれの網10,11の中心部が容器9の内側に約5mm程度押し込んだ状態をつくる。
【0046】
このような押圧状態のもとで、この容器9を揺動(又は振動でもよい。以下同様。)させる。この揺動は、容器9内に収納された混合物がその容器の幅方向に加速運動されるように、往復運動をさせる(例:ストローク;100mm、4往復/秒)。
【0047】
この往復運動をさせている間、混合物のうち、特にガラスファイバ1は、角材12,13の幅(30mm)と長さ(60mm)の平面に対向する多数のガラスファイバ1が角材12,13による荷重を受ける。そして、角材12,13の長さ(60mm)がガラスファイバ1の長手方向の中央部領域に対応することから、接着液によりガラスファイバ1の外側面に仮接着された石英ガラス球2のうち、ガラスファイバ1の長手方向の中央部領域にある石英ガラス球2のみが擦り落とされる。
【0048】
そして、接着液を乾燥させるために、容器9の網10又は11を通して熱風(80℃)を吹き付けることにより、ガラスファイバ1同士は接着されることなく、石英ガラス球2のみがガラスファイバ1の外側面に接着される。接着液が硬化するまでの間(例:10分)、上記した揺動と、角材による荷重と、熱風吹き付けを行う。
【0049】
その結果、ガラスファイバ1の外側面に接着された多数の石英ガラス球2の分布密度は、ガラスファイバ1の外側面の全長(200mm)のうち、その長手方向の中央部領域(60mm)に低く、両方の端部領域(70mm)に高く設けることになる。なお、ガラスファイバ1の中央部領域は、荷重を与える角材12,13の長さ寸法により調整することができ、石英ガラス球2の擦り落とし量は、角材12,13の荷重、往復運動の速度、作動時間などにより調整することができる。これにより、ガラスファイバ1の外側面に多数の石英ガラス球2を所望の分布密度で点在させ、所望な領域に石英ガラス球2を積み重ねる段数、即ち、ガラスファイバ1の外表面からの高さを調整することができる。
【0050】
以上説明した粒状物分布調整工程は、ガラスファイバ表面に接着する石英ガラス球の分布密度を低くしたい領域に荷重を加えながら、ガラスファイバと石英ガラス球と接着液を混合した混合物を揺動させるという単純化された工程であることから、量産性に優れ、特に、束ねるフィルタ素材の本数を多くして構成されるフィルタの生産に適し、また、ガラスファイバに過度の外力がかからないことから、ガラスファイバを破損する恐れが少なく、歩留まりよく生産することができる。
【0051】
(加熱処理工程)
次に、上記した粒状物分布調整工程で得られた多数の石英ガラス球付きガラスファイバを容器9から取り出し、更に、ガラスファイバ1の外側面と石英ガラス球2との接着力を高めるために、この石英ガラス球付きガラスファイバを加熱炉に入れて、加熱処理(例:300℃,2時間)を行う。
【0052】
(光触媒層形成工程)
上記した加熱処理工程により得られた多数の石英ガラス球付きガラスファイバは、その外側面上に、光触媒層として二酸化チタン層4を公知技術のディップ法又はブローアウェイ法(特開平2000−5691号公報参照)を使用して形成する。本例では、ディップ法を使用して、膜厚;2μmの二酸化チタン層4を塗布形成した。
【0053】
この二酸化チタン層4は、図1に示すように、ガラスファイバ1の外側面上と、その外側面に接着された石英ガラス球2の表面上に、形成される。これにより、光触媒層4が形成された石英ガラス球付きガラスファイバの光触媒フィルタ素材100を多数(約70,000本)同時に製造することができる。
【0054】
(光触媒フィルタ形成工程)
次に、上記光触媒形成工程により得た多数の光触媒フィルタ素材100をそれぞれの両端部を揃えて、一緒に束ねて、適当なアルミニウム製円筒状ケース5(内径;70mmφ、長さ;200mm)に収納挿入して、光触媒フィルタ102を得る。
【0055】
なお、本発明を簡潔に説明するために、ガラスファイバ1の長さ寸法とこれに関係する製造用の各種容器、用具の長さ寸法に、入射部等を設けるためのガラスファイバ1の両端部の研削・研磨加工分の長さ分を含めていなかったが、実際の光触媒フィルタ装置を製造する際には、その研削・研磨加工分の長さを考慮して、ガラスファイバ1の長さ寸法を予め長めに設定し、この長さ寸法に関係する製造用の各種容器、用具の長さ寸法も予め設定することになる。
【0056】
以上の製造方法により得た光触媒フィルタ102を使用した光触媒フィルタ装置200の一例を図8に示す。
この光触媒フィルタ装置200は、光触媒フィルタ102と、紫外線光源21,22(波長;365nm、HOYA−SCHOTT(株)製の商品名「EX250」)とから構成される。
【0057】
この光触媒フィルタ102の周辺には、上記した光触媒フィルタ素材100を収納したフィルタケース14と、このフィルタケース14の両端部にそれぞれ形成されたフランジ部15,16と、このフランジ部15,16の側部にそれぞれ設けられた流体導入口17,流体排出口18と、両端部の端面を開口し、かつそれぞれ開口に入射光を透過するガラス窓19、20(HOYA−SCHOTT(株)製の「光学ガラスF2」、波長300nm以下の波長をカットする。)とを備えている。
【0058】
紫外線光源21,22は、それぞれガラス窓19,20に対向して設置されており、これより放射された紫外光L、Lがガラス窓19,20を通して光触媒フィルタ102の両端面に設けられた入射部に照射し、光触媒フィルタ102を構成する多数のフィルタ素材100の内部に伝搬して、その外側面に形成された二酸化チタン層に漏れ出て、この二酸化チタン層を照射することにより、光触媒作用を奏する。
【0059】
一方、処理すべき流体は、流体導入口17から導入され、光触媒フィルタ102を構成する多数の光触媒フィルタ素材100の外側面に接着された多数の石英ガラス球2により、隣接するフィルタ素材相互間で形成された隙間が流体の通路となって流通して、上記した二酸化チタン層の光触媒作用により、流体中の汚染物を分解除去して、流体排出口18より排出する。
【0060】
このような光触媒フィルタ装置200の性能試験をするために、図9に示す光触媒フィルタガス除去性能評価装置300を作製した。
この性能評価装置300は、汚染物を含む被処理ガス23を内蔵した被処理ガスボンベ24と、純粋空気25を内蔵した純粋空気ボンベ26と、被処理ガス23の流量を制御するマスフローコントローラ27と、純粋空気25の湿度を制御する湿度コントローラ28と、純粋空気の流量を制御するマスフローコントローラ29と、上記したそれぞれのマスフローコントローラ27,29を通じて制御された被処理ガス23と純粋空気25とを混合して希釈されるとともに所定の濃度の被処理ガスをつくる混合機30と、混合機30により得た被処理ガスを一旦溜めて、常圧状態にするバッファータンク31と、このバッファータンク31により得た混合ガスを流入して光触媒作用を奏する、上記した光触媒フィルタ装置200と、上記した混合ガスを所定の流量で前記光触媒フィルタ装置200に導くためのポンプ32と、混合ガスの流量を計測するフローメータ33とから構成される。
【0061】
上記した各構成物の連結には、ステンレス製パイプとチューブとを併用した。光触媒フィルタ装置200のガス流入側とガス排出側においてそれぞれの混合ガスのガス濃度は、検知機(ガスクロマトグラフィ、(株)島津製作所製「FC−14B」)で検出した。湿度は25℃換算で50%RHに調整した。紫外線強度はファイバ束端面で8mW/cmに調整し、紫外線光源21,22に接続された石英ガラス製ライトガイドの出射端と光触媒ファイバフィルタ本体102の入射端との間の距離を調整して固定した。流量はポンプ32に附属されたバルブの開閉状態で11リットル/分に調整して固定した。
【0062】
次に、上記した光触媒フィルタ装置200の構成のうち、光触媒フィルタとして、図11に示した比較例1のガラスファイバ光触媒フィルタ素材90を束ねた光触媒フィルタ91と、本発明の第1の実施の形態のガラスファイバ光触媒フィルタ素材100を束ねた光触媒フィルタ102をそれぞれ使用したものを作製した。なお、束ねる本数はどちらも70,000本である。
【0063】
そして、被処理流体としてベンゼンを含有した空気を使用し、光触媒フィルタの空気導入側と空気排出側の2箇所で、ベンゼンの濃度を検出し、式;除去率=〔(空気導入側のベンゼン濃度)―(空気排出側のベンゼン濃度)〕 /(空気導入側のベンゼン濃度)に基づいて、ベンゼンの除去率を求めた。
そして、空気導入側のベンゼン濃度を変化させて、ベンゼンの除去率の変化を観察することにより、それぞれの光触媒フィルタ装置200の性能を評価した。
【0064】
その評価結果のベンゼンの除去率は、図10において、第1の実施の形態による曲線aと、比較例1による曲線bとで示される。すなわち、導入側のベンゼン濃度を高めていくに従い、第1の実施の形態及び比較例1の光触媒フィルタは何れもベンゼン除去率が低下するが、その除去率の低下割合は、第1の実施の形態が僅少であるのに対して、比較例1が急激に低下している。
【0065】
その理由は、第1の実施の形態による光触媒フィルタでは、図6の水流テストで示した水流と同様に、空気を均一に流すことができることから、フィルタとしての機能を良好に維持して、ベンゼンの捕捉量の低下を抑えることができるが、比較例1の光触媒フィルタでは、図13の水量テストで示した水流と同様に、空気を均一に流すことができないことから、ベンゼンの捕捉率(吸着率)を減少させ、除去率の低下をもたらすからである。
【0066】
なお、空気導入側のベンゼン濃度が低い場合には、第1の実施の形態と比較例1との差が、ベンゼン濃度の高い場合と対比して顕著に出現しないが、これは、空気排出側の濃度が非常に低くなり、使用したガスクロマトグラフィの検出限界近くの値となったために、測定誤差を生じているものと考えられ、見かけ上差が少ないように見えるだけであり、実際には両者にはもっと差があるものと予想される。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の光透過性線状物光触媒フィルタ素材によれば、フィルタ素材の外側面の光触媒層までの高さ寸法について、それぞれの端部領域よりも中央部領域の方が低く設定されていることから、このようなフィルタ素材を多数束ねてフィルタを構成した場合、その断面が和太鼓状(樽状)ではなく、鼓状となり、個々のフィルタ素材をその長手方向に実質的に平行に配列することができ、かつ被処理流体をフィルタ素材間に流通させたとき、その流れを実質的に均一に流すことができるので、被処理流体中の除去すべき汚染物の除去率を向上させることができる。
【0068】
また、本発明の光透過性線状物光触媒フィルタ素材の製造方法によれば、上記したフィルタ素材を多数同時に、しかも単純化された工程で歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる光触媒フィルタ素材の長手方向の断面を示す図である。
【図2】第2の実施の形態にかかる光触媒フィルタ素材の長手方向の断面を示す図である。
【図3】図1及び図2に示した光触媒フィルタ素材のある端部領域の垂直断面を示す図である。
【図4】図1及び図2に示した光触媒フィルタ素材のある端部領域の長手方向の断面を示す図である。
【図5】図1及び図2に示した光触媒フィルタ素材を多数束ねて円筒状ケースに約70,000本収納した光触媒フィルタの断面を示す図である。
【図6】図5に示した光触媒フィルタに水を流して、その水流を示す図である。
【図7】多数の光触媒フィルタ素材と多数の粒状物と接着液と仮接着して混合した混合物を収容した、その上下方向に対向する一対の網状面を有する容器と、この1対の網状面にそれぞれ、おもしを置いて、荷重を与えた状態を示す図である。
【図8】本発明の光触媒フィルタを使用した光触媒フィルタ装置の一例の構成を示す図である。
【図9】図8に示した光触媒フィルタ装置の性能評価をするための装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の光触媒フィルタ素材と、比較例1の光触媒フィルタ素材とをそれぞれ使用した光触媒フィルタ装置による空気中に含有するベンゼンの除去率特性の相違を示す図である。
【図11】従来の光触媒フィルタ素材の長手方向の断面を示す図である。
【図12】従来の光触媒フィルタ素材を約70,000本束ねて、円筒状ケースに収納した光触媒フィルタの断面を示す図である。
【図13】図12に示した光触媒フィルタに水を流して、その水流を示す図である。
【符号の説明】
1‥‥‥石英ガラスファイバ(光透過性線状物)、
2‥‥‥石英ガラ球(粒状物)、
3‥‥‥接着、
4‥‥‥二酸化チタン層(光触媒層)、
5‥‥‥円筒状ケース、
9‥‥‥容器、
10,11‥‥‥網(網状面)、
12,13‥‥‥角材(おもし)、
90,100,101‥‥‥ガラスファイバフィルタ素材(光透過性線状物フィルタ素材)、
91,102,103‥‥‥光触媒フィルタ

Claims (4)

  1. 多数の粒状物が細長い光透過性線状物の外側面に接着され、光触媒層が前記外側面と前記多数の粒状物との上方に形成され、前記光透過性線状物の一方又は両方の端面に入射された光が前記光透過性線状物の内部に伝搬して、前記光触媒層に漏れ出ることにより、前記光触媒層を照射する光透過性線状物光触媒フィルタ素材において、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域にある前記外側面から前記光触媒層までの高さの最高値がその両方の端部領域にあるそれぞれの前記外側面から前記光触媒層までの高さの最高値よりも小さいことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ素材。
  2. 請求項1に記載の光透過性線状物光触媒フィルタ素材において、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の中央部領域の長さが前記長手方向の前記外側面の全長の20%から60%までの範囲内にあり、前記光透過性線状物の外側面の長手方向の両方の端部領域のそれぞれの長さが前記全長の20%から40%までの範囲内にあり、かつ、前記中央部領域にある前記粒状物の分布密度が前記両方の端部領域にあるそれぞれの前記粒状物の分布密度よりも低いことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ素材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光透過性線状物光触媒フィルタ素材を多数束ねたことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ。
  4. 多数の粒状物を細長い光透過性線状物の外側面に所定の分布密度をもって接着し、前記外側面と前記粒状物との上方に光触媒層を形成した光透過性線状物光触媒フィルタ素材の製造方法において、
    それぞれ予め決められた多数の光透過性線状物と、多数の粒状物と、所定量の接着液とを混合して、前記した光透過性線状物と粒状物とを仮接着させる工程と、
    前記仮接着された光透過性線状物と粒状物を、対向する一対の網状面を有する容器内に収納し、所定の面積の底部と所定の荷重を有するおもしを前記それぞれの網状面の中心部に置いて荷重を加えて、押圧した状態で、前記容器を所定の時間だけ揺動又は振動させる工程とを有して、
    前記仮接着された光透過性線状物の長手方向の中央部領域にある粒状物を擦り落とすことを特徴とする光透過性線状物光触媒フィルタ素材の製造方法。
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