JP3704466B2 - 携帯電話端末装置およびデータ受信準備方法 - Google Patents

携帯電話端末装置およびデータ受信準備方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばノート型のパーソナルコンピュータなどの情報処理装置によってデータ通信が行なわれる際に、情報処理装置に接続されて用いられる例えばPHS(Personal Handyphone System)端末装置などの携帯電話端末装置に関し、特に、受信環境が整っていない状態で着信があった場合であってもデータ受信を行い得る携帯電話端末装置、およびこの携帯電話端末装置を利用したデータ受信準備方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、PHSなどの携帯電話システムの端末装置を利用して、例えばノート型のパーソナルコンピュータを用いた無線によるデータ通信が広く行われるようになってきている。携帯電話端末装置を利用したデータ通信は、携帯電話端末装置の他、パーソナルコンピュータやPCカード(PCMCIA/JEIDAによって標準化された仕様に準拠するクレジットカードサイズの周辺機器)と呼ばれる機器を用いて行われる。PCカードには、例えば、パーソナルコンピュータとの間でデータ交換を行うインタフェース、携帯電話端末装置との間でデータ交換を行うインタフェース、データの変調/復調を行うモデムなどの機能が搭載されている。
【0003】
パーソナルコンピュータで携帯電話端末装置を用いてデータ通信を行う場合には、データ通信が実行できる状態(例えばノート型のパーソナルコンピュータのPCカードスロットに装着されたPCカードに通信ケーブルの一端を接続し、その通信ケーブルの他端に携帯電話端末装置を接続した状態。あるいは、PCカードの機能を有する携帯電話端末を、パーソナルコンピュータのPCカードスロットに装着した状態。)として、文書や画像などの各種のデータを送受する。なお、携帯電話端末による音声通信は、携帯電話端末を例えばパーソナルコンピュータ側から取り外した状態で行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
携帯電話端末装置がパーソナルコンピュータに接続されていない通常の状態では、音声通信を実行するための待ち受け状態となっている。従って、何らかのデータが送信されてきた場合であっても、データ受信の環境が整っていないことから、内部的に着信が拒否されてしまう。このため、データの受信依頼があったときに、受信環境が整っていない場合には、相手側が送信しようとしているデータを受信することができないという問題があった。
【0005】
また、データ受信の環境が整っていない場合には、内部的に着信が拒否されてしまうことから、ユーザはデータの受信依頼があったことすら把握することができない。従って、受信依頼に応じてデータを取得することができないだけでなく、再度の受信依頼に備えて受信環境を整備するなどの対応をとることもできないという問題があった。
【0006】
本発明は上述した問題を解消し、受信環境が整っていない状態であっても、受信依頼のあったデータを受信することができるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、本発明の携帯電話端末装置は、情報処理装置(例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ)によってデータ通信が行なわれる際に、情報処理装置とともに使用される携帯電話端末装置であって、データ通信に関する着信があったことに応じて受信環境が整っているか否かを確認する受信環境確認手段(例えば、操作系制御部14a)と、受信環境確認手段によって受信環境が整っていないことが確認された場合に、受信環境整備依頼を行う環境整備依頼手段(例えば、ハード系制御部14c)と、環境整備依頼手段による受信環境整備依頼に応じて受信環境が整備されたか否かを、情報処理装置が正常に接続されたか否かを確認することで確認する環境整備完了確認手段(例えば、操作系制御部14a)と、受信環境確認手段によって受信環境が整っていないことが確認された場合であってもデータ通信に関する着信を受け付け、環境整備完了確認手段によって受信環境が整備されたことが確認された場合に、当該データ通信に関する着信に応じることを促す報知のための制御を行う受信依頼制御手段(例えば、操作系制御部14aにおけるステップS401を実行する部分と、無線系制御部14bにおけるS402を実行する部分と、操作系制御部14a(報知を情報処理装置で行う場合)、またはハード系制御部14c(報知を携帯電話端末で行う場合)とを含む手段)とを含むものである。
【0008】
上記のように構成したことで、データの受信依頼があったときに受信側の受信環境が整っていない場合であっても、環境整備依頼手段の報知によってデータの受信依頼があることを知ったユーザが受信環境を整備することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。さらに、受信依頼制御手段の制御にもとづく報知に従って、ユーザが情報処理装置を操作することによって、受信依頼されたデータを受信することができるようになる。従って、データ受信の機会を逃してしまうことを回避することができる。また、上記のように構成したことで、受信することができない状態であるときにデータの受信依頼があった場合であっても、ユーザが、例えばPCカードの装着などを行って情報処理装置と携帯電話端末とを正常に接続することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。
【0011】
環境整備依頼手段は、例えば、報知音を出力することや報知表示を表示することによって受信環境整備依頼を行うように構成される。
【0012】
上記のように構成したことで、データの受信依頼があったときに受信側の受信環境が整っていない場合であっても、音や表示によってデータの受信依頼があることをユーザに報知することができる。
【0015】
また、本発明のデータ受信準備方法は、携帯電話端末装置を利用して情報処理装置によってデータを受信しようとする場合に、携帯電話端末装置によって実行されるデータ受信準備方法であって、データ通信に関する着信があったことに応じて受信環境が整っているか否かを確認するステップと、受信環境が整っていない場合に、受信環境整備依頼を行うステップと、情報処理装置と携帯電話端末装置とが接続されたか否かを確認することで受信環境が整備されたか否かを確認するステップと、データ通信に関する着信があったときに受信環境が整っていないことが確認された場合であっても当該データ通信に関する着信を受け付けるステップと、情報処理装置と携帯電話端末装置が正常に接続されたことが確認された場合に、データ通信に関する着信のあったデータの受信を促す報知のための制御を行うステップとを含むものである。
【0016】
上記のように構成したことで、受信環境が整っていない場合であっても、データの受信依頼があることをユーザに報知することができ、報知されたユーザが受信環境を整備することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。さらに、データの受信を促す報知に従って、ユーザが情報処理装置を操作することによって、受信依頼されたデータを受信することができるようになる。従って、データ受信の機会を逃してしまうことを回避することができる。また、上記の構成としたことで、受信することができない状態であるときにデータの受信依頼があった場合であっても、ユーザが、例えばPCカードの装着などを行って情報処理装置と携帯電話端末とを正常に接続することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1は、本例のPHS端末装置10の構成を示すものである。PHS端末装置10は、例えば、基地局などを介して例えば他の携帯電話端末などの通信装置と接続され、PHSシステムを利用して通話やデータ(例えば、文字や画像などのデータ)通信などが行われる無線通信端末装置である。
【0020】
PHS端末装置10は、例えば図1に示すように、アンテナ部11と、送受信部12と、ベースバンド処理部13と、CPU14と、レシーバ15と、マイクロフォン16と、表示部17と、入力部18と、データ通信インタフェース19と、バイブレータ20と、サウンダ21と、ドライバ部22と、情報記憶部23とを含む。
【0021】
アンテナ部11は、無線信号の送受信を行う。送受信部12では、信号増幅や周波数変換などが行われる。ベースバンド処理部13では、信号の変復調が行われる。CPU14は、本例では、操作系制御部14aと、無線系制御部14bと、ハード系制御部14cとを含み、装置10全体の各種制御を行う制御装置である。操作系制御部14aは、ユーザとのインタフェース部分であり、入力部18からの信号を処理したり、データ通信インタフェース19を介してやりとりされる信号の制御を実行する。無線系制御部14bは、アンテナ11を介して実行される無線通信に関する制御を実行する。ハード系制御部14cは、端末装置10に設けられている表示部17などの各種ハードウェアの制御を実行する。なお、各制御部14a〜14cでは、各部14a〜14cの機能にもとづく制御がそれぞれ実行され得るように、互いに各種信号の送受が行われる。
【0022】
表示部17は、例えばLCD(液晶表示装置)などにより構成され、電話番号や時刻などの各種情報が表示される。入力部18は、例えば番号ボタンやオフフックボタンなどにより構成され、各種情報の入力が行われる。データ通信インタフェース19は、情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ)などの外部装置との間でデータの送受を行うために、その外部装置との接続に用いられるインタフェースである。
【0023】
バイブレータ20は、使用者に対する着呼報知を振動により行う振動モータである。サウンダ21は、例えばスピーカなどで構成され、着信音などを出力する。バイブレータ20およびサウンダ21は、ドライバ部22からの制御信号に応じて振動や音声出力などの処理を実行する。情報記憶部23には、例えばRAMやROMなどによって構成され、例えば端末IDやアドレス帳などの各種のデータが記憶される。
【0024】
図2は、本例のPHS端末装置10を含むPHS通信システム30の構成の例を示すブロック図である。PHS通信システム30は、PHS端末装置10と、情報処理装置の一例である例えばノート型のパーソナルコンピュータ31と、相手側のPHS端末装置32と、相手側の情報処理装置の一例である例えばノート型のパーソナルコンピュータ33と、基地局34,35と、交換機36とを含む。なお、PHS端末装置32は、例えば上述したPHS端末装置10と同様に構成される。
【0025】
図2に示すように、PHS端末装置10は、例えば通信ケーブルおよびPCカード(パーソナルコンピュータ31に装着されている)を介してパーソナルコンピュータ31に接続されている。すなわち、通信ケーブルを介してPHS端末装置10に接続されているPCカードが、パーソナルコンピュータ31のPCカードスロットに挿入されて装着されている。なお、PHS端末装置にPCカードを直接接続(通信ケーブルを用いることなく接続)するものであってもよく、また、PCカードの機能を有するPHS端末装置を直接接続(単体のPCカードおよび通信ケーブルを用いることなく接続)するものであっても、PCカードの機能を内蔵するパーソナルコンピュータにPHS端末装置を接続するものであってもよい。なお、PHS端末装置32は、同様に、パーソナルコンピュータ33に接続されている。
【0026】
基地局34,35は、例えばPHS端末装置10,32などの加入者端末との間で無線信号を用いた情報の送受を行う機能を有する。また、基地局34,35は、発呼したPHS端末装置10,32と交換機36とを通信チャネルを指定して接続する機能や、他の基地局からの着信通知に応じて着信先の携帯電話端末装置を呼び出し、通信チャネルを指定して交換機36と着信先の携帯電話端末とを無線接続する機能などの各種機能を有する。基地局34,35とPHS端末装置10,32との間における無線信号を用いた情報の送受は、例えばTDMA(時分割多元接続)方式により実現される。
【0027】
交換機36には、基地局34,35などの複数の基地局が接続される。また、交換機36には、例えば図示しないISDN回線やPSTN回線などの回線網が接続されている。交換機36は、基地局34を介して発呼したPHS端末装置40との間で呼設定の手順を実行して、通信相手の例えばPHS端末装置10と発信側のPHS端末装置40との接続を行う機能などの各種機能を有している。また、交換機36は、発呼した端末40が加入者端末であるかどうかを端末IDにより確認する機能を有する。
【0028】
次に、上述したPHS通信システム30において、PHS端末装置32が接続されているパーソナルコンピュータ33の操作によって基地局35などを介して送信されたデータを、パーソナルコンピュータ31に接続されているPHS端末装置10によって受信する場合の処理について説明する。図3は、本例のPHS端末装置10におけるデータ受信処理および処理タイミングを示すタイミング図である。
【0029】
データ受信処理において、先ず、相手側のパーソナルコンピュータ33の所定の操作によって、送信するデータが選択され、送信先であるPHS端末装置10の番号を指定して発呼すると、PHS端末装置32を介して、PHS端末装置10の番号や自己の端末IDなどの発呼に関わるデータが基地局35に向けて送信される。すると、発呼に関わるデータが交換機36に転送され、PHS端末装置32が加入者端末であるか否かの確認などが行われる。そして、発呼に関わるデータは、PHS端末装置10付近に設置されている基地局34に送信される。
【0030】
発呼に関わるデータを受信すると、基地局34は、PHS端末装置10に対して、データ通信を行うための着信要求があることを通知するために、無線通信回線を通じて着信要求信号を送信する(ステップS301)。また、基地局34は、PHS端末装置10に対して、空きチャネルの中からデータ通信を行うために選択した通信チャネルの設定要求を行うためのチャネル設定要求信号を送信する(ステップS302)。
【0031】
着信要求信号を受信すると、PHS端末装置10の無線系制御部14bは、データ通信を行うための着信要求があることを示す着信要求受信信号を操作系制御部14aに向けて出力する(ステップS303)。着信要求受信信号が入力すると、データ通信インタフェース19の接続状態(受信環境)を確認する。そして、操作系制御部14aによって、データ通信インタフェース19に、通信ケーブルおよびPCカードを介してパーソナルコンピュータ31が正常に接続されていれば(受信環境が整っていれば)、操作系制御部14aは、着信を受け付けるとともに、着信を受け付けたことを通知するための着信受付信号を無線系制御部14bに向けて出力する(ステップS304)。なお、操作系制御部14aは、データ通信インタフェース19やPCカードを介して、パーソナルコンピュータ31に対しても着信受付信号を送信する。
【0032】
着信受付信号を受信した無線系制御部14bは、受信した着信受付信号を、送受信部12やアンテナ11などを介して無線通信回線を通じて基地局34(網側)に向けて送信する(ステップS305)。また、着信受付信号を受けると、パーソナルコンピュータ31では、例えば、自己が備えるスピーカから着信音を出力するなどの制御が開始され、ユーザに対する着信報知が開始されたことを示す着信報知開始信号を、PHS端末装置10側に出力する。
【0033】
例えばデータ通信インタフェース19を介してパーソナルコンピュータ31側から送信された着信報知開始信号を受信すると、操作系制御部14aは、呼出中であることを通知するための呼出中信号を無線系制御部14bに向けて出力する(ステップS306)。呼出中信号を受信した無線系制御部14bは、受信した呼出中信号を、送受信部12やアンテナ11などを介して無線通信回線を通じて基地局34に向けて送信する(ステップS307)。次いで、無線系制御部14bは、呼出の表示を要求するための呼出表示要求信号を操作系制御部14aに向けて出力する(ステップS308)。
【0034】
呼出表示要求信号を受信すると、操作系制御部14aは、データ通信インタフェース19やPCカードを介して、パーソナルコンピュータ31に対して呼出表示要求信号を出力する。PCカードを介して呼出表示要求信号を受けると、パーソナルコンピュータ31では、例えば、自己が備えるディスプレイ装置の表示画面上に、呼出中であることユーザに報知するための画面表示(例えば、「着信中!!」などの表示)がなされ、ユーザに対する視覚的な着信報知が行われる。
【0035】
なお、着信受付信号や、呼出表示要求信号は、ハード系制御部14cに向けて送信される構成としてもよい。この場合、ハード系制御部14cは、着信受付信号が入力すると、ドライバ部22に指令信号を与えて、バイブレータ20を振動させ、あるいはサウンダ21から着信音を出力させるなどの制御を実行して、ユーザに対して着信報知を行う。また、ハード系制御部14cは、呼出表示要求信号が入力すると、表示部17の表示画面上に、呼出中であることユーザに報知するための画面表示がなされ、ユーザに対する視覚的な着信報知が行われる。
【0036】
着信音や着信表示によって着信中であることを認識したユーザによって、パーソナルコンピュータ31が操作され、着信に応答するための操作がされると、着信報知に関する制御を終了するとともに、着信に応答したことを示す着信応答信号が、パーソナルコンピュータ31側からデータ通信インタフェース19を介して操作系制御部14aに送信される。すると、操作系制御部14aは、受信した着信応答信号を、無線系制御部14bに向けて出力する(ステップS309)。また、無線系制御部14bは、受信した着信応答信号を、送受信部12やアンテナ11などを介して無線通信回線を通じて基地局34(網側)に向けて送信する(ステップS310)。
【0037】
着信応答信号を受信すると、基地局34(網側)は、応答を確認した旨を通知するための応答確認信号をPHS端末装置10に向けて送信する(ステップS311)。応答確認信号を受信すると、PHS端末装置10の無線系制御部14bは、着信の確認(送信されてきたデータの受信)が実行可能となったことを通知するための着信確認信号を、操作系制御部14aに出力する(ステップS312)。そして、ステップS302での要求に応じてPHS端末装置10で設定された通信チャネルを用いて、PHS端末装置10と基地局34とでデータ通信が開始され、パーソナルコンピュータ31とパーソナルコンピュータ33とのデータ通信が開始される。
【0038】
また、着信確認信号を受信すると、操作系制御部14aは、データ通信インタフェース19やPCカードを介して、パーソナルコンピュータ31に対して着信確認信号を送信する。着信確認信号を受信すると、パーソナルコンピュータ31では、例えば、自己が備えるディスプレイ装置の表示画面上に、通信中であることをユーザに報知するための画面表示(例えば、「データ取得中!!」などの表示)がなされ、ユーザに対する視覚的な通信状態の報知が行われる。なお、PHS端末装置10の表示部17に通信中であることをユーザに報知するための画面表示を行うようにしてもよい。
【0039】
そして、パーソナルコンピュータ33の操作によって選択されたデータが、PHS端末装置32やPHS端末装置10などを介して、パーソナルコンピュータ10に入力される。図示はしないが、データの送受信を終えると、PHS端末装置32から開放要求が送出され、この開放要求を受けた交換機36は、PHS端末装置32とPHS端末装置10との通信を切断する。通信が切断されると、本例のPHS端末装置10におけるデータ受信処理を終了する。
【0040】
次に、上述したPHS通信システム30において、PHS端末装置32が接続されているパーソナルコンピュータ33の操作によって基地局35などを介して送信されたデータを、パーソナルコンピュータ31に接続されていないPHS端末装置10によって受信した場合におけるデータ受信処理について説明する。図4は、本例のPHS端末装置10におけるデータ受信処理および処理タイミングを示すタイミング図である。なお、図4に示す処理において、上述した図3に示した処理と同様の処理をなす部分については、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0041】
図4に示すデータ受信処理において、上述したステップS301〜ステップS303の処理が実行される。着信要求受信信号が入力すると、操作系制御部14aは、データ通信インタフェース19からの信号入力状態を確認して、データ通信インタフェース19の接続状態(受信環境)を確認する。この例では、例えば図5(A)に示すように、受信環境が整っていない状態(PHS端末装置10とパーソナルコンピュータ31が接続されていない状態)とされているため、操作系制御部14aによって、データ通信インタフェース19に通信ケーブルやPCカードを用いてパーソナルコンピュータ31が正常に接続されていない(受信環境が整っていない)ことが確認される。
【0042】
受信環境が整っていないことが確認された場合であっても、本例では、操作系制御部14aは、着信を受け付けるとともに、着信を受け付けたことを通知するための着信受付信号を無線系制御部14bに向けて出力する(ステップS401)。着信受付信号を受信した無線系制御部14bは、受信した着信受付信号を、送受信部12やアンテナ11などを介して無線通信回線を通じて基地局34(網側)に向けて送信する(ステップS402)。
【0043】
また、操作系制御部14aは、着信を受け付けると、着信受付信号をハード系制御部14cに向けて送信する。着信受付信号を受信したハード系制御部14cは、ドライバ部22に指令信号を与えて、バイブレータ20を振動させ、あるいはサウンダ21から着信音を出力させるなどの制御を実行して、ユーザに対して着信報知を行う。着信報知が開始されると、操作系制御部14aは、呼出中であることを通知するための呼出中信号を無線系制御部14bに向けて出力する(ステップS403)。
【0044】
呼出中信号を受信した無線系制御部14bは、受信した呼出中信号を、送受信部12やアンテナ11などを介して無線通信回線を通じて基地局34に向けて送信する(ステップS404)。次いで、無線系制御部14bは、呼出の表示を要求するための呼出表示要求信号を操作系制御部14aに向けて出力する(ステップS405)。
【0045】
呼出表示要求信号を受信すると、操作系制御部14aは、ハード系制御部14cに向けて呼出表示要求信号を送信する。呼出表示要求信号を受けると、ハード系制御部14cは、呼出表示要求信号が入力すると、表示部17の表示画面上に、呼出中であることユーザに報知するための画面表示(例えば、「着信中!!」などの表示)がなされ、ユーザに対する視覚的な着信報知が行われる。
【0046】
着信音や着信表示によってデータの着信依頼があることを認識したユーザは、本例では、通信ケーブルおよびPCカードを用いて、PHS端末装置10がパーソナルコンピュータ31に接続する。すなわち、ユーザによって受信環境が整備される。すなわち、この実施の形態では、図5(A)に示すPHS端末装置10がパーソナルコンピュータ31に接続されていない状態から、ユーザによって、例えば通信ケーブルが接続されるとともにPCカードがパーソナルコンピュータ31に装着される。すると、図5(B)に示すように、PHS端末装置10がパーソナルコンピュータ31に接続された状態とされる。
【0047】
受信環境が整備されると、操作系制御部14aは、受信環境が整備されたことを認識して、パーソナルコンピュータ31のディスプレイ装置に着信の応答を促すための表示を行うように制御を行う。なお、受信環境が整備されたことに応じて、ハード系制御部14cが表示部17に着信の応答を促すための表示を行うように制御を行うようにしてもよい。また、パーソナルコンピュータ31の有するスピーカや、PHS端末装置10のサウンダ21から、着信の応答を促すための音を出力するようにしてもよい。
【0048】
着信の応答を促す表示によって着信の準備が完了したことがユーザに認識され、ユーザによってパーソナルコンピュータ31が操作されて、着信に応答するための指示がされると、着信報知に関する制御を終了するとともに、着信に応答したことを示す着信応答信号が、パーソナルコンピュータ31側からデータ通信インタフェース19を介して操作系制御部14aに送信される。すると、操作系制御部14aは、受信した着信応答信号を、無線系制御部14bに向けて出力する(ステップS406)。そして、上述したステップS310以降の処理が実行され、パーソナルコンピュータ31とパーソナルコンピュータ33とのデータ通信が開始される。
【0049】
そして、パーソナルコンピュータ33の操作によって選択されたデータが、PHS端末装置32やPHS端末装置10などを介して、パーソナルコンピュータ10に入力される。図示はしないが、データの送受信を終えると、PHS端末装置32から開放要求が送出され、この開放要求を受けた交換機36は、PHS端末装置32とPHS端末装置10との通信を切断する。通信が切断されると、本例のPHS端末装置10におけるデータ受信処理を終了する。
【0050】
以上説明したように受信環境が整っていない場合には音や表示によってユーザにデータ通信に関する着信があることを報知する構成としたことで、ユーザが受信環境が整っていない場合であってもデータの着信があったことを認識することができる。従って、データの受信依頼に対する対応をとることができるようになる。例えば、送信側がデータの送信を一旦断念した場合であっても、データの受信依頼があったことを知ったユーザが受信環境を整備しておくことで、送信側からの再度の受信依頼に応じてデータを受信することができるようになる。
【0051】
また、上述したように受信環境が整っていない場合であっても着信を受け付けておいて、ユーザが受信環境を整備して着信に応答するまで待機する構成としたことで、データの受信依頼があることを知ったユーザが例えばPCカードの装着などを行って受信環境を整えるようにすれば、そのデータの受信依頼に応じてデータを受信することができるようになる。従って、受信環境が整っていない場合であっても、ユーザが迅速(に対応送信側が断念するまでの間に対応)することで、データ受信の機会を逃してしまうことを回避することができる。
【0052】
なお、上述した一実施の形態ではPHS端末装置10とパーソナルコンピュータ31とがPCカードなどを介して接続されている場合に受信環境が整っているものとして説明したが、受信環境には、例えばパーソナルコンピュータ31に電源が投入されているか否かなどのデータ受信を実行するための様々な環境が含まれる。
【0053】
また、上述した一実施の形態では特に説明しなかったが、受信環境が整っていない場合にデータの受信依頼があったことを例えばPHS端末装置10の情報記憶部23に記憶しておくようにしてもよい。この場合、情報記憶部23には、例えば送信元の電話番号や、データ受信の依頼があった時間などの情報が記憶される。このように構成すれば、ユーザがPHS端末装置10の近くにいないときにデータの受信依頼があった場合であっても、その後に対応をとることができるようになる。例えば、データの受信依頼があったことをあとになって知ったユーザが、受信環境を整備しておくことで、送信側からの再度の受信依頼に応じてデータを受信することができるようになる。
【0054】
また、上述した一実施の形態では、情報処理装置の一例としてノート型のパーソナルコンピュータを用いていたが、情報処理装置として、例えばPDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器などの他の装置であってもよい。
【0055】
さらに、上述した一実施の形態では、携帯通信端末としてPHS端末装置20を例にしたが、PHS端末装置以外の携帯電話端末装置や携帯通信端末装置などに本発明を適用することができることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明の携帯電話端末装置によれば、データ通信に関する着信があったことに応じて受信環境が整っているか否かを確認する受信環境確認手段と、受信環境確認手段によって受信環境が整っていないことが確認された場合に、受信環境整備依頼を行う環境整備依頼手段と、環境整備依頼手段による受信環境整備依頼に応じて受信環境が整備されたか否かを、情報処理装置が正常に接続されたか否かを確認することで確認する環境整備完了確認手段と、受信環境確認手段によって受信環境が整っていないことが確認された場合であってもデータ通信に関する着信を受け付け、環境整備完了確認手段によって受信環境が整備されたことが確認された場合に、当該データ通信に関する着信に応じることを促す報知のための制御を行う受信依頼制御手段とを含むものであるので、データ通信に関する着信があったときに受信側の受信環境が整っていない場合であっても、ユーザにデータの受信依頼があることを報知することができ、環境整備依頼手段の報知によってデータの受信依頼があることを知ったユーザが受信環境を整備することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。さらに、受信依頼制御手段の制御にもとづく報知に従って、ユーザが情報処理装置を操作することによって、受信依頼されたデータを受信することができるようになる。従って、データ受信の機会を逃してしまうことを回避することができる。また、受信することができない状態であるときにデータの受信依頼があった場合であっても、ユーザが情報処理装置と携帯電話端末とを正常に接続することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。
【0058】
また、環境整備依頼手段は、報知音を出力することや報知表示を表示することによって受信環境整備依頼を行うとした場合には、データの受信依頼があったときに受信側の受信環境が整っていない場合であっても、音や表示によってデータの受信依頼があることをユーザに報知することができる。
【0060】
また、本発明のデータ受信準備方法によれば、データ通信に関する着信があったことに応じて受信環境が整っているか否かを確認するステップと、受信環境が整っていない場合に、受信環境整備依頼を行うステップと、情報処理装置と携帯電話端末装置とが接続されたか否かを確認することで受信環境が整備されたか否かを確認するステップと、データ通信に関する着信があったときに受信環境が整っていないことが確認された場合であっても当該データ通信に関する着信を受け付けるステップと、情報処理装置と携帯電話端末装置が正常に接続されたことが確認された場合に、データ通信に関する着信のあったデータの受信を促す報知のための制御を行うステップとを含むものであるので、受信環境が整っていない場合であっても、データの受信依頼があることをユーザに報知することができ、報知されたユーザが受信環境を整備することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。さらに、データの受信を促す報知に従って、ユーザが情報処理装置を操作することによって、受信依頼されたデータを受信することができるようになる。従って、データ受信の機会を逃してしまうことを回避することができる。また、受信することができない状態であるときにデータの受信依頼があった場合であっても、ユーザが情報処理装置と携帯電話端末とを正常に接続することによって、情報処理装置でデータを受信することができる状態とすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態におけるPHS端末装置の構成の例を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施の形態におけるPHS端末装置を含むPHS通信システムの構成の例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の一実施の形態における受信環境が整っている場合のPHS端末装置のデータ受信処理および処理タイミングの例を示すタイミング図である。
【図4】 本発明の一実施の形態における受信環境が整っていない場合のPHS端末装置のデータ受信処理および処理タイミングの例を示すタイミング図である。
【図5】 (A)は受信環境が整っていない場合の例を示す説明図である。(B)は受信環境が整備された場合の例を示す説明図である。
【符号の説明】
10,32 PHS端末装置
11 アンテナ部
12 送受信部
13 ベースバンド処理部
14 CPU
14a 操作系制御部
14b 無線系制御部
14c ハード系制御部
15 レシーバ
16 マイクロフォン
17 表示部
18 入力部
19 データ通信インタフェース部
20 バイブレータ
21 サウンダ
22 ドライバ部
23 情報記憶部
30 PHS通信システム
31,33 パーソナルコンピュータ
34,35 基地局
36 交換機

Claims (4)

  1. 情報処理装置によってデータ通信が行なわれる際に、前記情報処理装置とともに使用される携帯電話端末装置であって、
    データ通信に関する着信があったことに応じて受信環境が整っているか否かを確認する受信環境確認手段と、
    前記受信環境確認手段によって受信環境が整っていないことが確認された場合に、受信環境整備依頼を行う環境整備依頼手段と、
    前記環境整備依頼手段による受信環境整備依頼に応じて受信環境が整備されたか否かを、情報処理装置が正常に接続されたか否かを確認することで確認する環境整備完了確認手段と、
    前記受信環境確認手段によって受信環境が整っていないことが確認された場合であっても前記データ通信に関する着信を受け付け、前記環境整備完了確認手段によって受信環境が整備されたことが確認された場合に、当該データ通信に関する着信に応じることを促す報知のための制御を行う受信依頼制御手段とを含む
    携帯電話端末装置。
  2. 環境整備依頼手段は、報知音を出力することによって受信環境整備依頼を行う
    請求項1記載の携帯電話端末装置。
  3. 環境整備依頼手段は、報知表示を表示することによって受信環境整備依頼を行う
    請求項1または請求項2記載の携帯電話端末装置。
  4. 携帯電話端末装置を利用して情報処理装置によってデータを受信しようとする場合に、前記携帯電話端末装置によって実行されるデータ受信準備方法であって、
    データ通信に関する着信があったことに応じて受信環境が整っているか否かを確認するステップと、
    受信環境が整っていない場合に、受信環境整備依頼を行うステップと、
    情報処理装置と携帯電話端末装置とが接続されたか否かを確認することで受信環境が整備されたか否かを確認するステップと、
    データ通信に関する着信があったときに受信環境が整っていないことが確認された場合であっても当該データ通信に関する着信を受け付けるステップと、
    前記情報処理装置と前記携帯電話端末装置が正常に接続されたことが確認された場合に、データ通信に関する着信のあったデータの受信を促す報知のための制御を行うステップとを含む
    データ受信準備方法。
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