JP3704420B2 - 法面緑化工法 - Google Patents
法面緑化工法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3704420B2 JP3704420B2 JP17655697A JP17655697A JP3704420B2 JP 3704420 B2 JP3704420 B2 JP 3704420B2 JP 17655697 A JP17655697 A JP 17655697A JP 17655697 A JP17655697 A JP 17655697A JP 3704420 B2 JP3704420 B2 JP 3704420B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- base material
- slope
- greening
- cut
- packaging bag
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、法面緑化工法に関し、特に、施工後の産業廃棄物対策を考慮した法面緑化工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
法面(斜面含む)緑化工法では、例えば、施工現場において種子、生育基盤材、肥料及び水等の必要な資材を撹拌混合し、あるいはこれに水を加えてスラリー状の緑化基材を調製し、これを吹付装置により法面に対して吹き付けることにより、緑化基材を定着させ法面の緑化を図っている。ところが、この施工の後、生育基盤材等の種々の材料の包装袋が産業廃棄物として残される。通常、これらの包装袋は、輸送の便を考慮して作業者が持ち運べる程度の量を収容する大きさとされている。従って、大面積の法面施工においては多数の材料袋が必要であり、その結果、施工後には大量の包装袋が残留することとなる。従来、これらの包装袋は、ほとんどが汎用的なポリエチレン、ポリプロピレン製等であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、環境問題が大きな社会問題として取り上げられており、特に、難分解性の普通プラスチック製の包装袋の焼却や埋め立てによる処分については、焼却に伴う有害物質の発生や自然界に未分解のまま残留するなどの環境汚染の虞が指摘されている。従って、様々な分野において、産業廃棄物の安全な処理方法、再利用方法、あるいは産業廃棄物の発生そのものを抑制する方法等が検討されている。このような現状を鑑みれば、自然環境の向上に寄与する法面緑化工法の分野においても、その施工によって環境に悪影響を及ぼすことがあっては本来の目的が没却されることとなりかねない。従って、法面緑化工法を行うにあたって、産業廃棄物の発生を抑制し又はこれを安全に再利用する対策を講じることは極めて有意義なものと考える。
【0004】
本発明の目的は、上記の状況に鑑み、法面緑化工法において、環境に悪影響を及ぼすことなく施工材料の包装袋を安全に再利用することである。
さらに本発明の目的は、法面緑化工法に寄与するような方法により施工材料の包装袋を再利用することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく本発明による法面緑化工法は、法面に対して生育基盤材等の各材料を含む緑化基材を吹付造成する法面緑化工法において、前記各材料の包装袋を生分解性プラスチックから形成し、材料取り出し後の空の前記包装袋を裁断して裁断片となし、前記裁断片を前記緑化基材中に混合した後に該緑化基材を吹付造成する。
また、本発明による法面緑化工法においては、前記包装袋を細片状、短繊維状、若しくはリング状に裁断することが好適である。
また、本発明による法面緑化工法においては、前記裁断片を混合した前記緑化基材をモルタルコンクリート吹付機若しくはスラリーポンプを用いて吹付造成することが好適である。
【0006】
【作用】
生分解性プラスチックからなる包装袋の裁断片は、緑化基材と混合され、緑化基材と共に吹き付け造成される。施工後において裁断片は、植物成立までの期間にあってはつなぎ材として緑化基材の物理的強度の確保に寄与し、やがて土中の微生物等により完全に分解される。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の例を示す図である。法面緑化工に用いる個々の施工材料10には、生育基盤材、種子、侵食防止材、肥料等があり、これらはそれぞれ包装袋20に入った状態で施工現場に持ち込まれる。これらを混合したものが緑化基材である。本発明においては、包装袋20を生分解性プラスチック製とする。個々の施工材料10をベルトコンベア14aに投入した後、空の包装袋20をシュレッダー18に入れて裁断する。シュレッダー18はベルトコンベア14aの近傍に設置されている。包装袋20の裁断片は、シュレッダー18からベルトコンベア14aでミキサー16へ運ばれる。あるいは、図2に示す別の実施形態例のように、シュレッダー18から別のベルトコンベア14bでミキサー16へ運ばれる。ミキサー16において、ベルトコンベア14a若しくは14bにより運ばれてきた施工材料10と袋の裁断片20とが撹拌混合される。包装袋の裁断片及び個々の施工材料を混合して緑化基材を調製した後、緑化基材をベルトコンベア14cで吹付装置12へ供給し、法面に対して吹き付け施工する。
【0008】
本発明を実施する最も簡易な方法は、従来の吹付施工プラントにシュレッダーを併設するだけで対応することができる。例えば、袋入りの生育基盤材をベルトコンベアに投入する場所の近傍にシュレッダーを設置し、作業者が生育基盤材の袋を開封してベルトコンベアに載せた後、その空袋をシュレッダーにかけてもよい。
【0009】
裁断され混合された生分解性プラスチックは、緑化基材と共に吹き付けられた後、土中で次第に分解される。従って、植物の生育に何ら障害を与えることもなく、また、土中での水循環や土環境に対しても悪影響を与えることがない。本発明で用いる生分解性プラスチックは、天然高分子系、化学合成系のいずれも使用することができるが、土壌バクテリアによって容易に分解されるものが望ましい。長くとも植物が成立するまでの施工1〜2年の期間で分解されるものであれば、十分使用目的を満足することができる。
【0010】
包装袋の裁断方法としては、正方形や長方形の細片状に裁断する方法がある。このような形状とすることにより、緑化基材と効率よく混合することができる。裁断寸法が細かいほど分解が早い。
【0011】
また、別の裁断方法としては、包装袋を短繊維状に裁断する方法がある。短繊維状すなわち帯状に裁断したものを緑化基材に混合することにより、つなぎ材として緑化基材の強度を高める効果がある。特に、短繊維状の裁断片を混入した場合、施工後における緑化基材中にファイバー構造を形成することにより、基材内で絡み合って結合力を高める。その結果、緑化基材の耐侵食性の向上や、急勾配における緑化基材の滑落抑止等の効果が得られる。
【0012】
裁断寸法は、吹付装置への円滑な移送及び吹付作業に支障ない寸法であれば特に限定されないが、実施例としては帯状に裁断する場合は、幅約1cm未満が実用的であり、幅約5mm未満が好適である。さらに、帯状よりもさらに細く裁断して糸状にしたものも利用できる。
【0013】
また、図3に示すように、空袋20の形状若しくは寸法が適正であれば、袋を横方向に裁断することによりリング状の裁断片22とすることもできる。
【0014】
本発明は、圧搾空気により緑化基材を圧送して吹き付けるモルタルコンクリート吹付機を用いた緑化基盤造成に適用することができる。この場合、当該吹付機へ裁断片を含む緑化基材を投入する前に、ミキサー等によって空練りして他の配合材料と十分に混合させてから吹き付けることが好ましい。
【0015】
また別の実施の形態としては、裁断片を含む緑化基材をスラリーポンプを用いて吹き付けることもできる。スラリーポンプには、スクイーズポンプ及びプランジャーポンプが含まれる。この場合、タンク内で裁断片及び緑化基材を水と混合し泥状に撹拌したものを、スラリーポンプにより圧送して吹き付ける。この場合、圧送力が比較的弱いが、裁断片の寸法を小さくすることにより詰まらずに吹付けが可能である。また泥状すなわちスラリー状の緑化基材においては、短繊維状に加工したものを混入することにより基材の耐侵食性や強度が向上し、造成した基材の流亡を防ぐことが出来る。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、緑化基材の各材料の包装袋を生分解性プラスチック製とし、これを裁断して緑化基材へ混入し施工することにより、混入された裁断片が、植物が成立するまでの緑化基材の物理的強度の向上に寄与する共に、やがては完全分解される。このようにして、不用となった包装袋を安全にかつ有効に再利用することができる。もちろん、焼却で生じる有毒ガスの発生や土中への残留が一切ないばかりでなく、従来必要であった産業廃棄物としての処理作業及び処理コストも解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態の別の例を示す図である。
【図3】本発明における包装袋の裁断方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 緑化基材
12 吹付装置
14a、14b、14c ベルトコンベア
16 ミキサー
18 シュレッダー
20 包装袋
22 裁断片
Claims (6)
- 法面に対して生育基盤材等の各材料を含む緑化基材を吹付造成する法面緑化工法において、前記各材料の包装袋を生分解性プラスチックから形成し、材料取り出し後の空の前記包装袋を裁断して裁断片となし、前記裁断片を前記緑化基材中に混合した後に該緑化基材を吹付造成することを特徴とする法面緑化工法。
- 前記包装袋を細片状に裁断することを特徴とする請求項1に記載の法面緑化工法。
- 前記包装袋を短繊維状に裁断することを特徴とする請求項1に記載の法面緑化工法。
- 前記包装袋をリング状に裁断することを特徴とする請求項1に記載の法面緑化工法。
- 前記裁断片を混合した前記緑化基材をモルタルコンクリート吹付機を用いて吹付造成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の法面緑化工法。
- 前記裁断片を混合した前記緑化基材に水を混合して泥状化し、スラリーポンプを用いて吹付造成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の法面緑化工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17655697A JP3704420B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 法面緑化工法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17655697A JP3704420B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 法面緑化工法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH116155A JPH116155A (ja) | 1999-01-12 |
JP3704420B2 true JP3704420B2 (ja) | 2005-10-12 |
Family
ID=16015653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17655697A Expired - Fee Related JP3704420B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 法面緑化工法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3704420B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5174393B2 (ja) * | 2007-08-10 | 2013-04-03 | 富士見環境緑化株式会社 | 分解性の包装袋を適用した法面施工方法 |
JP6932545B2 (ja) * | 2017-05-16 | 2021-09-08 | デンカ株式会社 | 緑化工法 |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP17655697A patent/JP3704420B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH116155A (ja) | 1999-01-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN105562425A (zh) | 生活垃圾资源化的处理工艺及系统 | |
US20080006181A1 (en) | Method of using household waste in the production of concrete | |
JP3357539B2 (ja) | フライアッシュの処理方法及び人工土 | |
JP3704420B2 (ja) | 法面緑化工法 | |
CN113333424A (zh) | 一种存量建筑垃圾填埋堆置点的处理方法 | |
JP2004089183A (ja) | 法面緑化基盤強化材およびこれを用いた法面緑化方法 | |
CN203678831U (zh) | 一种污染土壤处理设备 | |
JP4373734B2 (ja) | アルカリ性の土壌または汚泥の中和処理方法 | |
JP2007028907A (ja) | 緑化用土壌および緑化用土壌の製造方法 | |
US8524085B2 (en) | Sewage composting method | |
JP2005226063A (ja) | 土壌改良剤 | |
KR20180068264A (ko) | 슬러지고화토를 활용한 산림복원공법 | |
CN103467024B (zh) | 一种垃圾治理与再利用方法 | |
CN202415348U (zh) | 移动式污泥固化处理装置 | |
CN206373146U (zh) | 一种移动式危废渣固化应急车 | |
JP2920141B1 (ja) | 廃材処理方法およびそれを用いた再利用品 | |
JP2002220827A (ja) | 軟弱土のヤシ殻繊維による固化処理方法 | |
CN210150934U (zh) | 一种用于黑臭河流底泥资源化的处理系统 | |
JP3881256B2 (ja) | 脱水ケーキを用いた緑化基盤材の製造方法及び定着方法 | |
JP2003047389A (ja) | 抗発芽資材、抗発芽敷設物および抗発芽方法 | |
JP3700114B2 (ja) | 伐採木チップを用いた地盤改良方法 | |
JP2005144286A (ja) | 刈草の処理方法 | |
JPH067759A (ja) | 廃棄物処分方法 | |
JPH0678630B2 (ja) | リサイクル緑化基盤形成工法 | |
KR20010103300A (ko) | 폐기물 매립용 복토재 및 이를 이용한 폐기물 매립지의복토방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050214 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050322 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050719 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050725 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090729 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100729 Year of fee payment: 5 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110729 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120729 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120729 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130729 Year of fee payment: 8 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |