JP3702756B2 - 空調装置の樹脂成形ケース構造および空調装置 - Google Patents

空調装置の樹脂成形ケース構造および空調装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケース内空間を仕切る壁部が成形歪みにより倒れ込むことを防止する空調装置の樹脂成形ケース構造および空調装置に関するもので、車両用空調装置のケースに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用空調装置のケースにおいては、その内部空間を複数の空気通路に仕切る壁部を設定しているが、この壁部が成形歪みにより倒れ込み、空調性能に悪影響を及ぼすことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、冷温風の風量割合をエアミックスドアにより調整して吹出温度を調整するエアミックス方式の空調装置では、成形歪みにより壁部が倒れ込み、通路断面積が変化すると、エアミックスドアの同一開度における冷温風の風量割合が変化し、その結果、車室内への吹出空気温度の制御特性が初期の仕様から変化してしまうという不具合が生じる。
【0004】
ところで、成形歪みによる壁部の倒れ込みの原因は主に次の理由による。すなわち、ケースの射出成形時に壁部の2つ面の冷却効果に差異が生じて、壁部の一方の面の温度が他方の面の温度より高い状態で壁部の成形が行われると、成形中、および成形終了後における熱収縮速度が壁部の2つ面の間で不均一となる。つまり、壁部のうち、温度の高い方の面の熱収縮速度が大となり、温度の低い方の面の熱収縮速度が小となるので、壁部に成形歪を生じて壁部が温度の高い方の面側へ倒れ込むという現象が生じる。
【0005】
そこで、ケースを射出成形する金型のうち、壁部の温度の高い方の面に接する型入れ子を熱伝導性に優れた金属(銅等)で製作して壁部の2つ面の冷却効果を均一化し、これにより、壁部の2つ面の温度差、ひいては熱収縮速度差を低減して、成形歪を低減するという対策が考えられる。
【0006】
しかし、この対策は金型の材質(通常鉄系)を部分的に熱伝導性に優れた銅等の金属に変更するので、金型のコストアップを生じるとともに、熱伝導性に優れた銅等の金属は鉄系金属に比して耐摩耗性が低いので、金型の耐久寿命を低下させる原因となる。
【0007】
また、別の対策として、壁部全体の肉厚を増加して剛性を高め、これにより、成形歪みによる倒れ込みを防止することが考えられるが、壁部全体の肉厚を増加することはケースの射出成形に際して射出樹脂量の増加を招き、成形サイクル時間を延長させる。また、樹脂材料費も増加するので、コストアップの原因となる。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、成形歪みによる壁部の倒れ込みを防止するとともに、成形コストの上昇を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、空調空気が流れる空気通路を構成するケース内空間を仕切る第1壁部(11b)と、第1壁部(11b)に並んで隣接する第2壁部(11c)とを有し、
第1壁部(11b)の一方の面と第2壁部(11c)との間に形成される第1空間部(16)の間隔(L1)が、第1壁部(11b)の他方の面側に形成される第2空間部(24)の間隔(L2)に比して小さくなっており、
第1壁部(11b)のうち、第2壁部(11c)側の面の温度が他方の面の温度より高い状態で第1壁部(11b)の部分が成形され、これにより、第1壁部(11b)に第2壁部(11c)側へ倒れ込む方向の成形歪みが生じるようになっており、
第1壁部(11b)が成形歪みにより第2壁部(11c)側へ倒れ込むことを防止する連結部材(11g)を第1壁部(11b)と第2壁部(11c)との間に橋渡し状に一体成形することを特徴とする。
【0010】
ところで、本発明の樹脂成形ケース構造においては、間隔(L1)が小さいことに起因して第1壁部(11b)の両面の温度差が発生し、第1壁部が倒れ込もうとするが、連結部材(11g)の機械的連結構造により第1壁部(11b)の倒れ込みを防止できる。
しかも、この連結部材(11g)は両壁部を連結する橋渡し状の小さな部材でよいので、ケースの樹脂成形時に容易に一体成形することができる。
【0011】
従って、壁部全体の肉厚増加の対策のように成形サイクル時間を延長させることがない。また、熱収縮速度差を低減するための特別構造に成形金型を改造する必要もなく、ケースの成形コストを低く抑えることができ、実用上極めて有利である。
【0016】
なお、第1空間部(16)の最小部の間隔(L1)は具体的には請求項に記載のように35mm以下である。このような寸法条件下では第1壁部の倒れ込みが生じやすくなるが、連結部材(11g)の採用により第1壁部の倒れ込みを効果的に防止できる。
【0017】
請求項に記載の発明では、少なくとも2つに分割された分割ケース体(11)を一体に組み付けることにより構成される空調装置の樹脂成形ケース構造であって、
第1壁部(11b)および第2壁部(11c)は2つの分割ケース体(11)のケース本体壁面から内側へ突き出すように成形され、
2つの分割ケース体(11)のうち、一方の分割ケース体における第1壁部(11b)および第2壁部(11c)の頂部(A)が他方の分割ケース体における第1壁部(11b)および第2壁部(11c)の頂部(A)と結合されるようになっており、
連結部材(11g)は、2つの分割ケース体(11)においてそれぞれ第1壁部(11b)および第2壁部(11c)の頂部(A)近傍に橋渡し状に一体成形することを特徴とする。
【0018】
これにより、複数の分割ケース体(11)を組み付けて構成される樹脂成形ケース構造において、互いに結合される第1、第2壁部の頂部の位置ずれを連結部材(11g)により防止して分割ケース体(11)の組付作業性を向上できる。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の樹脂成形ケース構造を備える空調装置であって、
第1壁部(11b)と第2壁部(11c)との間に空調空気の温度制御のための空気通路(16)を構成することを特徴とする。
【0020】
これにより、空調装置における温度制御のための空気通路(16)の間隔、すなわち、通路断面積の変化を連結部材(11g)により抑制して、空調装置の温度制御特性のバラツキを低減できる。
【0021】
請求項5に記載の発明では、空調空気が流れる空気通路を構成する樹脂成形ケース構造が、少なくとも2つに分割された分割ケース体(11)を一体に組み付けることにより構成される空調装置であって、
前記2つの分割ケース体(11)の全体形状は概略凹形状であり、この概略凹形状の底部(B)から立ち上がる複数の壁部(11a、11b、11c)を有し、
前記複数の壁部(11a、11b、11c)の頂部(A)には凹凸面が形成され、前記頂部(A)を前記凹凸面により嵌合した後に、前記2つの分割ケース体(11)の嵌合部を一体に締結するようになっており、
前記複数の壁部は、ケース外形状を構成するケース外形状壁部(11a)と、ケース内空間に突き出すように形成され、ケース内空間を仕切る第1壁部(11b)および第2壁部(11c)とにより構成され、
前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間隔(L1)が、前記第1壁部(11b)と前記ケース外形状壁部(11a)との間隔(L2)および前記第2壁部(11c)と前記ケース外形状壁部(11a)との間隔(L3)に比して小さくなっており、
前記2つの分割ケース体(11)の内部には、空気入口部(11a)からの流入空気を冷却する冷房用熱交換器(12)が配置され、
前記2つの分割ケース体(11)の内部で前記冷房用熱交換器(12)の下流側には、前記冷房用熱交換器(12)の通過空気を加熱する暖房用熱交換器(13)が配置され、
前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして空気が流れるバイパス通路(14)が前記2つの分割ケース体(11)の内部に形成され、
前記2つの分割ケース体(11)の内部で前記暖房用熱交換器(13)の前面部には、前記暖房用熱交換器(13)を通過する温風と前記バイパス通路(14)を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(15)が配置され、
前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風が流れる温風通路(16)が前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間に形成され、
前記温風通路(16)の通風抵抗が前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間隔(L1)により決定され、
前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間に、前記第1、第2壁部(11b)の頂部(A)近傍同士を橋渡し状に連結する連結部材(11g)が一体成形されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明のように、請求項4または5に記載の空調装置において、連結部材(11g)を空調空気の流れと平行な板面を有する薄板状とすれば、連結部材(11g)が空調空気の流れの支障となることがない。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図に示す一実施形態について説明する。
【0024】
本実施形態は車両用空調装置に本発明を適用した場合を例示しており、図1〜図3において、車両用空調装置の空調ユニット10の空気通路を構成するケースは2つに分割された分割ケース体11を一体に組み付けることにより構成される。
【0025】
すなわち、図1はこの2つの分割ケース体11のうち、一方の分割ケース体11を内側方向からみた単体の正面図であり、この分割ケース体11の全体形状は図1の紙面裏側へ凹んだ概略凹形状(後述の図3参照)であり、図中、斜線部Aはこの凹形状の底部Bから立ち上がる壁部11a、11b、11cの頂部を示す。この壁部11a〜11cの頂部Aには凹凸面(図4参照)が形成され、2つの分割ケース体11の壁部11a〜11cの頂部Aを互いの凹凸面により嵌合した後に、2つの分割ケース体11の嵌合部を図示しない金属ばねクリップ、ねじ等の締結手段により一体に締結するようになっている。
【0026】
図1において、壁部11aはケース外形状を形成するものであり、これに対し、壁部11b、11cはケース内空間に突き出すように形成され、ケース内空間を仕切るもので、壁部11bは本発明の第1壁部を構成し、壁部11cは本発明の第2壁部を構成する。
【0027】
図2は一方の分割ケース体11に熱交換器、ドア等の空調機器を組み込んだ状態を示すもので、車両の上下、前後に対する空調ユニット10の搭載方向を図示の矢印で示す。本実施形態では空調ユニット10のケースが車両左右方向に2分割され、分割ケース体11の分割面(結合面)が車両上下方向に延びる。
【0028】
本実施形態の空調ユニット10は車両の車室内前方部に配置される計器盤(図示せず)の車両左右方向の略中央位置に配置されるセンタ置きタイプのものである。この空調ユニット10において、車両前後方向の最前部の側面に空気入口部11aが開口している。この空気入口部11aには図示しない送風機ユニットからの送風空気が流入する。なお、送風機ユニットは計器盤のうち助手席側に配置されるので、2つの分割ケース体11のうち、助手席側に位置する分割ケース体11側面(ケース凹形状の底部B)に空気入口部11aが開口している。
【0029】
この空気入口部11aの直後の部位に、冷凍サイクルの蒸発器からなる冷房用熱交換器12が配置され、空気入口部11aからの流入空気を冷却する。そして、冷房用熱交換器12の下流側において下方側の部位に温水(エンジン冷却水)を熱源とする暖房用熱交換器13が配置され、冷房用熱交換器12を通過した空気を再加熱するようになっている。
【0030】
暖房用熱交換器13の上方部には暖房用熱交換器13をバイパスして空気が流れるバイパス通路14が形成され、暖房用熱交換器13の前面部には板状のエアミックスドア15が回転軸15aにより回動可能に配置されている。このエアミックスドア15の回動位置の選択により、暖房用熱交換器13を通過する温風と、バイパス通路14を通過する冷風との風量割合を調整することができ、これにより、車室内への吹出空気の温度調整を行うことができる。
【0031】
暖房用熱交換器13の下流側には暖房用熱交換器13の直後の部位から上方側へ温風を案内する温風通路16が形成してある。そして、この温風通路16からの温風とバイパス通路14からの冷風とを混合する空気混合部17が暖房用熱交換器13の上方側の部位に形成される。この空気混合部17での温風と冷風との混合により空気温度が所望温度に調整される。
【0032】
そして、この温度調整された空気は、乗員顔部への空気吹出のためのフェイス吹出開口部18と、車両窓ガラス内面への空気吹出のためのデフロスタ吹出開口部19と、乗員足元部への空気吹出のためのフット吹出開口部20のいずれか1つまたは複数に流入する。
【0033】
これらの各吹出開口部18〜20にはそれぞれ板状の吹出モードドア21〜23が回転軸21a〜23aにより回動可能に配置され、この吹出モードドア21〜23により各吹出開口部18〜20への空気流れを切り替えるようになっている。
【0034】
ところで、壁部11b、11cはケース内空間に突き出すように形成され、ケース内空間を仕切ることにより上記温風通路16を区画形成するものであって、温風通路16から空気混合部17に流入する温風量により車室内への吹出空気温度が変化する。従って、この両壁部11b、11c間の間隔L1が変化すると、温風通路16の通風抵抗が変化して吹出空気温度を変化させる原因となる。
【0035】
故に、エアミックスドア15の回動位置(開度)による吹出空気温度の制御性を向上するためには、両壁部11b、11c間の間隔L1の寸法精度を向上する必要がある。
【0036】
しかし、分割ケース体11を樹脂成形するに際して、壁部11bが成形歪みにより壁部11c側に倒れ込み、両壁部11b、11c間の間隔L1を減少させるという問題が生じる。この壁部11bの倒れ込み現象の原因を図3により説明すると、図3は図1のC−C線に沿う概略の断面形状を模式的に示す図で、両壁部11b、11c間の間隔L1は、壁部11a、11b間の間隔L2および壁部11a、11c間の間隔L3に比較して十分小さい。ここで、間隔L1は図2の温風通路16の間隔であり、間隔L2はフット吹出開口部20の入口側空間部24(図1、2)の間隔であり、間隔L3は暖房用熱交換器13の設置空間部25(図1)の間隔である。
【0037】
上記のように間隔L1が間隔L2、L3より大幅に小さいので、間隔L1の空間部を成形する型入れ子30の体積が小となり、間隔L2、L3の空間部を成形する型入れ子31、32の体積が大となる。その結果、型入れ子30では水等の冷却媒体が循環する冷却通路の通路容積が型入れ子31、32に比較して大幅に小さくなり、型入れ子30の冷却効果が型入れ子31、32に比較して低下する。しかも、型入れ子30の熱容量が型入れ子31、32より小さい。
【0038】
従って、分割ケース体11の成形時に高温(220℃程度)の溶融樹脂材料(例えば、ポリプロピレン)から各型入れ子30〜32が吸熱すると、型入れ子30の温度が型入れ子31、32より高くなってしまう。具体的一例として、各型入れ子30〜32の冷却通路に15℃の冷却水を流入させた場合に、型入れ子30の温度が60℃まで上昇し、型入れ子31、32側では35℃までしか温度が上昇しない。
【0039】
この結果、壁部11b、11cでは型入れ子30と接する面▲1▼の温度が高く、型入れ子31、32と接する面▲2▼の温度が低いという温度差が発生してしまう。この温度差により、壁部11b、11cの2つの面▲1▼、▲2▼における熱収縮速度が壁部の2つ面の間で不均一となる。すなわち、成形金型への溶融樹脂材料の充填完了すると、成形金型各部への冷却水の循環により溶融樹脂材料の冷却、固化が開始される。
【0040】
この冷却、固化過程において充填樹脂材料の熱収縮が生じるのであるが、壁部11b、11cの2つの面のうち、温度の高い方の面▲1▼の熱収縮速度が大となり、温度の低い方の面▲2▼の熱収縮速度が小となるので、壁部11b、11cに成形歪を生じて壁部11b、11cが互いに接近する方向(図3のD方向)に倒れ込もうとする。
【0041】
ここで、壁部11cには暖房用熱交換器13の上部タンク部13aの前面側に位置する補助壁部11e(図1、2参照)が一体に連結して形成されているので、この補助壁部11eが補強リブ効果を発揮して壁部11cの倒れ込みを抑制する。そのため、壁部11cの倒れ込み量は僅少となる。これに対し、壁部11bに一体に連結される補助壁部11fは壁部11bからの突き出し量が少量であるので、補強リブ効果が小さく、そのため、壁部11bの倒れ込み量は壁部11cより大となる。
【0042】
以上の理由により、主に壁部11bのD方向への倒れ込みにより両壁部11b、11c間の間隔L1が所期の設計寸法より減少してしまう。
【0043】
上記点に鑑みて、本実施形態では、壁部11bと壁部11cとの間に連結部材11gを一体成形している。この連結部材11gは図4に拡大図示するように壁部11bと壁部11cの頂部A同士を橋渡し状に連結する薄板状の部材である。
【0044】
ここで、連結部材11gは壁部11bと壁部11cの頂部A同士を橋渡し状に連結する部材であるから、図3の型入れ子30の型抜きを阻害するアンダーカット形状となる。従って、型入れ子30にアンダーカット処理のための機構を組み合わせる必要がある。このアンダーカット処理機構としては、例えば、公知の手法の1つである「傾斜ピンによるルーズコア機構」を使用できる。
【0045】
このルーズコア機構は具体的には、型開き後に成形品(分割ケース体11)を取り出す際に、成形品の取り出しピンの動きと連動するスライドユニットを設け、このスライドユニットにより傾斜ピンを介して型入れ子(ルーズコア)30が連結部材11gを避ける位置にスライドするようにすればよい。
【0046】
本実施形態では、上記した連結部材11gを壁部11bと壁部11cとの間に一体成形して、壁部11bと壁部11cの頂部A同士を一体に連結しているから、この機械的連結構造により壁部11bが壁部11c側へ倒れ込むことを防止できる。しかも、壁部11b、11cのうち、その高さ方向(図4の上下方向)の頂部Aに連結部材11gを設けているから、壁部11bのうち、倒れ込み量が最大となる頂部Aの倒れ込みを連結部材11gにより確実に防止できる。
【0047】
また、連結部材11gにより各分割ケース体11の壁部11b、11cの頂部Aの成形位置の精度が高くなるので、2つの分割ケース体11の締結時に壁部11b、11cの頂部Aの位置ずれを僅少にすることができ、この頂部A同士を凹凸形状により嵌合結合する作業が容易となり、分割ケース体11の締結作業の能率を向上できる。
【0048】
ここで、壁部11b、11cおよび連結部材11gの具体的設計例について述べると、各分割ケース体11において、壁部11b、11cの底部Bからの突き出し高さh(図3)は135mm程度で、頂部A付近の板厚は2.5mmである。そして、連結部材11gの板厚は例えば、1.8mm程度で、幅Eは4mm程度である。このような設計例にて壁部11bの倒れ込みを十分防止できることを確認している。
【0049】
(他の実施形態)
なお、上記の一実施形態の形状例では、連結部材11gの中央部に凸部11hを形成しているが、凸部11hは型入れ子30側の設計上の理由で設けているものであるから、凸部11hは必ずしも必要なものでなく、連結部材11gを凸部11hのない単純な直線形状としてもよい。
【0050】
また、上記の一実施形態では、連結部材11gを壁部11b、11cの高さ方向(図4の上下方向)において頂部Aのみに設けているが、連結部材11gを必要に応じて壁部11b、11cの高さ方向(図4の上下方向)において複数箇所に設けてもよい。
【0051】
また、上記の一実施形態では車両用空調装置のケース構造に例をとって本発明を説明したが、本発明はこれに限らず、種々な用途のケース構造に広く適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における分割ケース体の内側方向から見た正面図である。
【図2】図1の分割ケース体内に空調機器を組み込んだ状態を示す正面図である。
【図3】分割ケース体における仕切用壁部の倒れ込みの原因の説明図である。
【図4】図1の要部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
11…分割ケース体、11b…第1壁部、11c…第2壁部、
11g…連結部材。

Claims (6)

  1. 空調空気が流れる空気通路を構成するケース内空間を仕切る第1壁部(11b)と、前記第1壁部(11b)に並んで隣接する第2壁部(11c)とを有し、
    前記第1壁部(11b)の一方の面と前記第2壁部(11c)との間に形成される第1空間部(16)の間隔(L1)が、前記第1壁部(11b)の他方の面側に形成される第2空間部(24)の間隔(L2)に比して小さくなっており、
    前記第1壁部(11b)のうち、前記第2壁部(11c)側の面の温度が他方の面の温度より高い状態で前記第1壁部(11b)の部分が成形され、これにより、前記第1壁部(11b)に前記第2壁部(11c)側へ倒れ込む方向の成形歪みが生じるようになっており、
    前記第1壁部(11b)が成形歪みにより前記第2壁部(11c)側へ倒れ込むことを防止する連結部材(11g)を前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間に橋渡し状に一体成形することを特徴とする空調装置の樹脂成形ケース構造。
  2. 前記第1空間部(16)の最小部の間隔(L1)が35mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形ケース構造。
  3. 少なくとも2つに分割された分割ケース体(11)を一体に組み付けることにより構成される空調装置の樹脂成形ケース構造であって、
    前記第1壁部(11b)および前記第2壁部(11c)は前記2つの分割ケース体(11)のケース本体壁面から内側へ突き出すように成形され、
    前記2つの分割ケース体(11)のうち、一方の分割ケース体における前記第1壁部(11b)および前記第2壁部(11c)の頂部(A)が他方の分割ケース体における前記第1壁部(11b)および前記第2壁部(11c)の頂部(A)と結合されるようになっており、
    前記連結部材(11g)は、前記2つの分割ケース体(11)においてそれぞれ前記第1壁部(11b)および前記第2壁部(11c)の頂部(A)近傍に橋渡し状に一体成形することを特徴とする請求項1または2に記載の空調装置の樹脂成形ケース構造。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の樹脂成形ケース構造を備える空調装置であって、
    前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間に前記空調空気の温度制御のための空気通路(16)を構成することを特徴とする空調装置。
  5. 空調空気が流れる空気通路を構成する樹脂成形ケース構造が、少なくとも2つに分割された分割ケース体(11)を一体に組み付けることにより構成される空調装置であって、
    前記2つの分割ケース体(11)の全体形状は概略凹形状であり、この概略凹形状の底部(B)から立ち上がる複数の壁部(11a、11b、11c)を有し、
    前記複数の壁部(11a、11b、11c)の頂部(A)には凹凸面が形成され、前記頂部(A)を前記凹凸面により嵌合した後に、前記2つの分割ケース体(11)の嵌合部を一体に締結するようになっており、
    前記複数の壁部は、ケース外形状を構成するケース外形状壁部(11a)と、ケース内空間に突き出すように形成され、ケース内空間を仕切る第1壁部(11b)および第2壁部(11c)とにより構成され、
    前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間隔(L1)が、前記第1壁部(11b)と前記ケース外形状壁部(11a)との間隔(L2)および前記第2壁部(11c)と前記ケース外形状壁部(11a)との間隔(L3)に比して小さくなっており、
    前記2つの分割ケース体(11)の内部には、空気入口部(11a)からの流入空気を冷却する冷房用熱交換器(12)が配置され、
    前記2つの分割ケース体(11)の内部で前記冷房用熱交換器(12)の下流側には、前記冷房用熱交換器(12)の通過空気を加熱する暖房用熱交換器(13)が配置され、
    前記暖房用熱交換器(13)をバイパスして空気が流れるバイパス通路(14)が前記2つの分割ケース体(11)の内部に形成され、
    前記2つの分割ケース体(11)の内部で前記暖房用熱交換器(13)の前面部には、前記暖房用熱交換器(13)を通過する温風と前記バイパス通路(14)を通過する冷風との風量割合を調整するエアミックスドア(15)が配置され、
    前記暖房用熱交換器(13)を通過した温風が流れる温風通路(16)が前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間に形成され、
    前記温風通路(16)の通風抵抗が前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間隔(L1)により決定され、
    前記第1壁部(11b)と前記第2壁部(11c)との間に、前記第1、第2壁部(11b)の頂部(A)近傍同士を橋渡し状に連結する連結部材(11g)が一体成形されていることを特徴とする空調装置。
  6. 前記連結部材(11g)は前記空調空気の流れと平行な板面を有する薄板状であることを特徴とする請求項4または5に記載の空調装置。
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