JP3702741B2 - 電源回路および液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇圧に必要な蓄電素子の個数を削減した昇圧回路、昇圧方法、および、この昇圧回路による出力を電源として用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、液晶表示装置においては、良好な表示特性を得るために、液晶素子を駆動する際に高電圧の電源を必要とする。このため、液晶表示装置に用いられる電源回路は、入力電圧を昇圧回路によって昇圧して、液晶素子を駆動する駆動回路等に供給する構成となっている。
【0003】
ここで、従来の昇圧回路の構成について、昇圧倍数を4倍とする場合を例にとって説明する。図13は、この場合の昇圧回路138の構成を示す回路図であり、トランジスタQ1〜Q8と、補助コンデンサC1、C2、C2pと、出力コンデンサCoutとから構成される。
【0004】
図14は、この昇圧回路138に供給される制御信号を示すタイミングチャートである。この図に示される制御信号aは、制御信号bのパルス幅を狭めた信号であり、昇圧回路138におけるnチャネル型トランジスタQ2、Q4、Q6、Q8のゲート信号として供給される。また、制御信号bは、昇圧回路138におけるpチャネル型トランジスタQ1、Q3、Q5、Q7のゲート信号として供給される。
【0005】
このような制御信号a、bが昇圧回路138に供給された場合、まず、図14の▲1▼で示される期間では、すなわち、制御信号aのみが「H」レベルである期間では、トランジスタQ2、Q4、Q6、Q8がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。したがって、補助コンデンサC1にあっては、図15の▲1▼で示されるように、端子C1Hが入力電圧Vinの供給ラインに接続されるとともに、端子C1Lが接地ラインに接続されるので、入力電圧Vinで充電されることとなる。また、補助コンデンサC2にあっては、次の▲2▼で示される期間において2Vinで充電された補助コンデンサC2pに並列に接続されて充電される。この後、一旦、トランジスタQ1〜Q8はすべてオフとなる。
【0006】
次に、図14の▲2▼で示される期間では、すなわち、制御信号a、bがともに「L」レベルとなる期間では、トランジスタQ1、Q3、Q5、Q7がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、図15の▲2▼で示されるように、補助コンデンサC1の端子C1Lが入力電圧Vinの供給ラインに切り替えられて接続されるとともに、端子C1Hが入力電圧Vinの供給ラインから切り離されるので、端子C1Hの電位は、入力電圧Vinを、補助コンデンサC1の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットさせた2Vinとなる。一方、補助コンデンサCpにあっては、端子CpHが端子C1Hに接続される結果、2Vinの電位差で充電されるので、上記▲1▼の期間において端子CpHの電位が2Vinとなる。さらに、端子C1Hには、上記▲1▼の期間において2Vinで充電された補助コンデンサC2の端子C2Lが接続されるので、当該補助コンデンサC2における端子C2Hの電位は、端子C1H(CpH、C2L)の電位である2Vinを、補助コンデンサC2の出力電圧2Vinだけ高位側にオフセットさせた4Vinとなって、以降、出力コンデンサCoutで平滑化されることとなる。このように▲1▼、▲2▼の期間を繰り返すことによって、入力電圧Vinが4倍に昇圧されて出力されることとなる。
【0007】
さらに、昇圧倍数を高率とする場合、例えば、昇圧倍数を16倍とする場合には、図16に示されるように、補助コンデンサC1、C2、C2p、C3、C3p、C4、C4pの7個が用いられて、まず、同図の▲1▼で示されるように、補助コンデンサC1が入力電圧Vinで充電されるとともに、補助コンデンサC2が、次の▲2▼において2Vinで充電された補助コンデンサC2pに並列に接続されて充電され、同様に、補助コンデンサC3が、次の▲2▼において4Vinで充電された補助コンデンサC3pに並列に接続されて充電され、同様に、補助コンデンサC4が、次の▲2▼において8Vinで充電された補助コンデンサC4pに並列に接続されて充電される。
【0008】
次に、同図の▲2▼で示されるように、第1に、入力電圧Vinを、補助コンデンサC1の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットさせた2Vinによって、補助コンデンサC2pが充電され、第2に、補助コンデンサC1による2Vinの電位を、補助コンデンサC2の出力電圧2Vinだけ高位側にオフセットさせた4Vinによって、補助コンデンサC3pが充電され、第3に、補助コンデンサC2による4Vinの電位を、補助コンデンサC3の出力電圧4Vinだけ高位側にオフセットさせた8Vinによって、補助コンデンサC4pが充電され、第4に、補助コンデンサC3による8Vinの電位を、補助コンデンサC4の出力電圧8Vinだけ高位側にオフセットさせることで、入力電圧Vinを16倍に昇圧した16Vinが得られることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の昇圧回路では、平滑化コンデンサCoutを除いて考えると、4倍昇圧では3個、16倍では7個必要であり、一般的に言えば、2<SUP>n</SUP>倍の昇圧に必要な補助コンデンサが(2n−1)個必要となる。ここで、昇圧回路を含む電源回路を集積するような場合、コンデンサのような容量回路を半導体基板上に形成するのは困難であり、また、形成可能であるにしても、回路サイズの肥大化を招くので、昇圧に必要なコンデンサの個数は、できるだけ削減したいという事情がある。
【0010】
そして、なによりも従来の昇圧回路において問題となる点は、昇圧倍数の任意の制御が困難である、という点にある。このため、昇圧後の電圧を所望の値で定電圧化するためには、昇圧回路の後段に、別途、スイッチングレギュレータなどの定電圧回路が必要となって、その分、電源回路の規模が複雑化する点にある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、昇圧に必要なコンデンサのような蓄電素子を削減して、構成の簡易化を図るとともに、昇圧倍数を比較的自由に制御することが可能な昇圧回路、昇圧方法、および、この昇圧回路による出力を電源として用いた電子機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかる昇圧回路にあっては、第1の蓄電素子と、第2の蓄電素子と、前記第1の蓄電素子の一方の端子と所定の電位を有する第1のラインとの間に接続される第1の接続手段と、前記第1の蓄電素子の他方の端子と前記第1のラインとは異なる電位を有する第2のラインとの間に接続される第2の接続手段と、前記第1の蓄電素子の一方の端子と前記第2のラインとの間に接続される第3の接続手段と、前記第2の蓄電素子の一方の端子と前記第1の蓄電素子の他方の端子の間に接続される第4の接続手段と、前記第2の蓄電素子の他方の端子と前記第1の蓄電素子の他方の端子との間に接続される第5の接続手段と、前記第2の蓄電素子の一方の端子と前記第1のラインとの間に接続される第6の接続手段と、出力ラインと前記第2の蓄電素子の他方の端子との間に接続される第7の接続手段とを有し、前記第1乃至第7の接続手段は、第1の過程において、第1の蓄電素子における一方の端子を、所定の電位を有する第1のラインに接続するとともに、前記第1の蓄電素子における他方の端子を、前記第1のラインとは異なる電位を有する第2のラインに接続するよう制御され、第2の過程において、第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、前記第1の蓄電素子における一方の端子を前記第2のラインに切り替え、かつ、前記第1の蓄電素子における他方の端子を前記第2の蓄電素子における他方の端子に切り替えて接続するよう制御され、前記第2の過程と排他的に行われる第3の過程において、前記第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、他方の端子を前記第2のラインに接続するよう制御され、第4の過程において、前記第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1の蓄電素子における他方の端子に切り替えるとともに、前記第2の蓄電素子における他方の端子を出力ラインに切り替えて接続するよう制御され、前記第2の過程を含む昇圧動作と、前記第3の過程を含む昇圧動作を時分割で行うよう制御されるとともに、前記第2の過程を含む昇圧動作の期間と前記第3の過程を含む昇圧動作の期間とのそれぞれの期間の割合が制御されることで、昇圧倍数が可変であることを特徴とする。
【0014】
本発明の電源回路によれば、仮に、第2の接続手段による第2の蓄電素子の接続期間を全期間に、第4の接続手段による接続期間をゼロとして制御すると、上述のように、出力ラインの電位は、第2のラインの4倍電位となる。一方、第2の接続手段による第2の蓄電素子の接続期間をゼロに、第4の接続手段による接続期間を全期間として制御すると、第2の蓄電素子の出力電圧は、第1のラインと第2のラインとの電位差の2倍とならずに等倍となるので、出力ラインの電位は、第2のラインの3倍電位となる。このため、接続期間の割合を制御して、出力ラインの電位を平滑化すると、昇圧倍数を4倍〜3倍の間で無段階に可変させることが可能となる。
【0015】
なお、このような構成は、第1のラインが第2のラインよりも高位となる場合にも、第1のラインが第2のラインよりも低位となる場合にも、それぞれ対応可能である。また、基準電位は、第1のラインまたは第2のラインいずれでも良い。
【0016】
この場合において、前記第2のラインの電位または前記出力ラインに基づく電位が所定の値より絶対値でみて小さい場合に、前記第2の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間を、前記第3の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間よりも長くなるように制御されることが望ましい。これにより、出力ラインの電位を一定化させることができる。
【0017】
加えて、本発明にかかる電源回路において、第2及び第3の過程と排他的に行われ、前記第1の蓄電素子における一方の端子が前記第2のラインに接続された状態で、前記第1の蓄電素子における他方の端子を前記出力ラインに接続する第5の過程を有し、前記第2または第3の過程を含む昇圧動作と、前記第5の過程を含む昇圧動作を時分割で行うよう制御されることを特徴とする。
【0018】
この場合において、前記第2のラインの電位または前記出力ラインに基づく電位が所定の値より絶対値でみて小さい場合に、前記第2または第4の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間を、前記第5の過程の接続期間よりも長くなるように制御されることが望ましい。これにより、出力ラインの電位を一定化させることができる。
【0019】
また、本発明の電源回路は、前記第2のラインを前記出力ラインに接続する第6の過程を有し、前記第2、第3、または第5の過程を含む昇圧動作と、前記第6の過程による昇圧動作を時分割で行うことを特徴とする。
【0020】
この場合、前記第2のラインの電位または前記出力ラインに基づく電位が所定の値より絶対値でみて小さい場合に、前記第2または第3の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間あるいは前記第5の接続手段による接続期間を、前記第6の接続手段の接続期間よりも長くなるように制御することが望ましい。これにより、出力ラインの電位を一定化させることができる。
【0021】
また、本発明の電源回路は、第1の蓄電素子と、第2の蓄電素子と、前記第1の蓄電素子の一方の端子と所定の電位を有する第1のラインとの間に接続される第1の接続手段と、前記第1の蓄電素子の他方の端子と第2のラインとの間に接続される第2の接続手段と、前記第1の蓄電素子の一方の端子と前記第1のラインとは異なる電位を有する第2のラインとの間に接続される第3の接続手段と、前記第2の蓄電素子の一方の端子と前記第1の蓄電素子の他方の端子の間に接続される第4の接続手段と、前記第2の蓄電素子の他方の端子と前記第1の蓄電素子の他方の端子との間に接続される第5の接続手段と、前記第2の蓄電素子の一方の端子と前記第1のラインとの間に接続される第6の接続手段と、出力ラインと前記第2の蓄電素子の他方の端子との間に接続される第7の接続手段とを有し、前記第1乃至第7の接続手段は、第1の過程において、第1の蓄電素子における一方の端子を、所定の電位を有する第1のラインに接続するとともに、前記第1の蓄電素子における他方の端子を、前記第1のラインとは異なる電位を有する第2のラインに接続するよう制御され、第2の過程において、第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、前記第1の蓄電素子における一方の端子を前記第2のラインに切り替え、かつ、前記第1の蓄電素子における他方の端子を前記第2の蓄電素子における他方の端子に切り替えて接続するよう制御され、2n倍の昇圧電圧発生手段は、第m(mは、3≦m≦nを満たす整数)の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、前記第(m−1)の蓄電素子における一方の端子を前記第(m−2)の蓄電素子における他方の端子に切り替え、かつ、前記第(m−1)の蓄電素子における他方の端子を前記第mの蓄電素子における他方の端子に切り替えて接続する第3から第nまでの過程と、第nの蓄電素子における一方の端子を第(n−1)の蓄電素子における他方の端子に切り替えるとともに、前記第nの蓄電素子における他方の端子を出力ラインに切り替えて接続する第(n+1)の過程を有し、2n’倍の昇圧電圧発生手段は、第m’(m’は、3≦m’≦n’を満たす整数)の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、前記第(m’−1)の蓄電素子における一方の端子を前記第(m’−2)の蓄電素子における他方の端子に切り替え、かつ、前記第(m’−1)の蓄電素子における他方の端子を前記第m’の蓄電素子における他方の端子に切り替えて接続する第3から第n’までの過程と、第n’の蓄電素子における一方の端子を第(n’−1)の蓄電素子における他方の端子に切り替えるとともに、前記第nの蓄電素子における他方の端子を出力ラインに切り替えて接続する第(n’+1)の過程とを有し、前記2n倍の昇圧電圧発生工程と前記2n’倍の昇圧電圧発生工程とを時分割で行うことにより、2n倍と2n’倍の中間の昇圧電圧を発生させることを特徴とする。
【0022】
このようにすることにより、容易にn倍とn'倍の中間の昇圧電圧を発生させることができる。
【0023】
また、本発明の液晶表示装置は、上記電源回路を有することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
<第1実施形態>
まず、本発明の基本構成となる第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる昇圧回路を適用した電源回路の構成を示すブロック図である。この図に示されるように、電源回路100は、電圧検出回路110、昇圧制御回路120および昇圧回路130から構成されている。このうち、電圧検出回路110は、例えば、昇圧回路130の出力電圧Voutを検出して、その検出結果を昇圧制御回路120に供給するものである。昇圧制御回路120は、電圧検出回路110によって検出された出力電圧Voutにしたがって、昇圧回路130の昇圧倍数を制御するための制御信号a、b、c1、c2、dを生成するものである。
【0031】
ここで、昇圧回路130の詳細構成について図2を参照して説明する。この昇圧回路130は、昇圧制御回路120によって生成された制御信号a、b、c1、c2、dにしたがって、入力電圧Vinを1倍から4倍までの間で昇圧して出力電圧Voutとして出力するものであり、スイッチング素子としてのトランジスタQ2〜Q8と、補助コンデンサC1、C2と、出力コンデンサCoutとから構成される。
【0032】
詳細には、補助コンデンサC1における一方の端子C1Lが、制御信号aをゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ4を介して、基準電位を有する接地ラインに接続されるとともに、制御信号bをゲート信号とするpチャネル型トランジスタQ3を介して、入力電圧Vinの供給ラインに接続されている。
【0033】
一方、補助コンデンサC1における他方の端子C1Hは、次のように接続されている。すなわち、端子C1Hは、第1に、制御信号aをゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ2を介して、入力電圧Vinの供給ラインに接続され、第2に、制御信号dをゲート信号とするpチャネル型トランジスタQ7を介して、補助コンデンサC2における一方の端子C2Lと、さらに、制御信号c2をゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ8を介した接地ラインとに接続され、第3に、制御信号c1をゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ6を介して、補助コンデンサC2の他方の端子C2Hと、さらに、制御信号dをゲート信号とするpチャネル型トランジスタQ5を介した出力電圧Voutの出力ラインとに接続されている。
【0034】
そして、出力コンデンサCoutは、出力電圧Voutを平滑化するために、当該出力ラインおよび接地ライン間に並列に接続されている。
【0035】
<第1実施形態の動作>
次に、上述した構成による電源回路100の動作について説明する。昇圧制御回路120は、本来的には、出力電圧Voutに応じて昇圧回路130の昇圧倍数を無段階に制御するものであるが、便宜上、昇圧倍数をそれぞれ4倍、3倍、2倍、1倍とした場合の各動作について説明し、その後、昇圧倍数の無段階制御について説明することとする。
【0036】
<4倍昇圧>
そこでまず、昇圧回路130の昇圧倍数が4倍である場合の動作について説明する。この場合、昇圧制御回路120は、図3のタイミングチャートで示されるように、制御信号a、b、c1、c2、dをそれぞれ生成する。図で示されるように、制御信号aは、制御信号bのパルス幅を狭めた信号である。また、制御信号c1、c2は、それぞれ制御信号bを反転させて1/2分周した信号である。さらに、制御信号dは、制御信号c1またはc2を反転させて半周期分だけ遅延させた信号である。
【0037】
さて、このような制御信号が昇圧回路130に供給された場合に、まず、図3の▲1▼で示される期間においては、すなわち、制御信号a、b、dが「H」レベルであって、制御信号c1、c2が「L」レベルである期間においては、トランジスタQ2、Q4がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。したがって、補助コンデンサC1にあっては、図4の▲1▼で示されるように、端子C1Hが入力電圧Vinの供給ラインに接続されるとともに、端子C1Lが接地ラインに接続されるので、入力電圧Vinで充電されることとなる。この後、一旦、トランジスタQ2〜Q8はすべてオフとなる。
【0038】
次に、図3の▲2▼で示される期間では、すなわち、制御信号c1、c2、dが「H」レベルであって、制御信号a、bが「L」レベルである期間では、トランジスタQ3、Q6、Q8がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、図4の▲2▼で示されるように、補助コンデンサC1の端子C1Lが入力電圧Vinの供給ラインに接続されるとともに、端子C1Hが入力電圧Vinの供給ラインから切り離されるので、端子C1Hの電位は、入力電圧Vinを、補助コンデンサC1の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットさせた2Vinとなる。一方、補助コンデンサC2にあっては、端子C2Hが端子C1Hに接続されるとともに、端子C2Lが接地ラインに接続されるので、両端子間の電位差である2Vinで充電されることとなる。この後、一旦、トランジスタQ2〜Q8はすべてオフとなる。
【0039】
そして、図3の▲3▼で示される期間では、すなわち、制御信号a、b、c1、c2、dがすべて「L」レベルとなる期間では、トランジスタQ3、Q5、Q7がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、図4の▲3▼で示されるように、補助コンデンサC1の端子C1Lが入力電圧Vinの供給ラインに接続された状態で、端子C1Hと端子C2Lとが接続されるとともに、端子C2Hが出力電圧Voutの出力ラインに接続される。したがって、端子C2Hの電位は、2Vinである端子C1H(C2L)の電位を、補助コンデンサC2の出力電圧2Vinだけ高位側にオフセットさせた4Vinとなって、以降、出力コンデンサCoutで平滑化されることとなる。なお、出力ラインに負荷が接続されていると、出力コンデンサCoutの放電が進行するので、出力電圧Voutは、トランジスタQ5がオフしてからオンするまでの期間において、4Vinから徐々に低下することになる。
【0040】
このようにして▲1▼、▲2▼、▲3▼の期間を繰返し経ることによって、入力電圧Vinが4倍に昇圧されて出力されることとなる。
【0041】
<3倍昇圧>
次に、昇圧回路130の昇圧倍数が3倍である場合の動作について説明する。この場合、昇圧制御回路120は、図5のタイミングチャートで示される制御信号a、b、c1、c2、dをそれぞれ生成する。ここで、制御信号a、bは、図に示されるように、4倍昇圧の場合と同じ信号である。また、制御信号c1、c2は、制御信号aと同じ信号であり、同様に、制御信号dは、制御信号bと同じ信号である。
【0042】
さて、このような制御信号が昇圧回路130に供給された場合に、まず、図5の▲1▼で示される期間においては、すなわち、制御信号a、b、c1、c2、dがすべて「H」レベルである期間においては、トランジスタQ2、Q4、Q6、Q8がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、補助コンデンサC1、C2は、図6の▲1▼で示されるように、端子C1Hおよび端子C2Hが入力電圧Vinの供給ラインに、端子C1Lおよび端子C2Lが接地ラインに、並列接続されるので、補助コンデンサC1、C2は、それぞれ入力電圧Vinで充電されることとなる。この後、一旦、トランジスタQ2〜Q8はすべてオフとなる。
【0043】
次に、図5の▲2▼で示される期間になると、すなわち、制御信号a、b、c、d1、d2がすべて「L」レベルになると、トランジスタQ3、Q5、Q7がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、図6の▲2▼で示されるように、補助コンデンサC1の端子C1Lが入力電圧Vinの供給ラインに接続されるので、端子C1Hの電位は、入力電圧Vinを、補助コンデンサC1の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットさせた2Vinとなる。さらに、この状態において、端子C1Hには、補助コンデンサC2の端子C2Lが接続されるとともに、端子C2Hが出力電圧Voutの出力ラインに接続されるので、端子C2Hの電位は、2Vinである端子C1H(C2L)の電位を、補助コンデンサC2の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットさせた3Vinとなる。なお、出力ラインに負荷が接続されていると、出力コンデンサCoutの放電が進行するので、出力電圧Voutは、トランジスタQ5がオフしてからオンするまでの期間において、3Vinから徐々に低下することになる。
【0044】
このようにして▲1▼、▲2▼の期間を繰返し経ることによって、入力電圧Vinが3倍に昇圧されて出力されることとなる。
【0045】
<2倍昇圧>
次に、昇圧回路130の昇圧倍数が2倍である場合の動作について説明する。この場合、昇圧制御回路120は、例えば、図7のタイミングチャートで示される制御信号a、b、c1、c2、dをそれぞれ生成する。ここで、制御信号a、bは、図に示されるように、4倍および3倍昇圧の場合と同じ信号である。また、制御信号c1は、制御信号bを反転させた信号であり、制御信号c2は、常に「L」レベルの信号である。一方、制御信号dは、制御信号bと同じ信号である。
【0046】
さて、このような制御信号が昇圧回路130に供給された場合に、まず、図7の▲1▼で示される期間においては、すなわち、制御信号c1以外の制御信号a、b、c1、dが「H」レベルである期間においては、4倍昇圧の▲1▼の期間と同様に、トランジスタQ2、Q4がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなるので、図8の▲1▼で示されるように、補助コンデンサC1は、電圧Vinで充電されることとなる。この後、一旦、トランジスタQ2〜Q8はすべてオフとなる。
【0047】
次に、図7の▲2▼で示される期間になると、すなわち、制御信号c1が「H」レベルであって、制御信号a、b、c2、dが「L」レベルである期間になると、トランジスタQ3、Q5、Q6、Q7がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、図8の▲2▼で示されるように、補助コンデンサC1の端子C1Lが入力電圧Vinの供給ラインに接続されるとともに、端子C1Hが出力電圧Voutの出力ラインに接続されるので、出力電圧Voutは、入力電圧Vinを、補助コンデンサC1の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットさせた2Vinとなる。
【0048】
なお、この期間において、端子C2Lおよび端子C2Hが短絡されるので、補助コンデンサC2は充電されない。また、出力ラインに負荷が接続されていると、出力コンデンサCoutの放電が進行するので、出力電圧Voutは、トランジスタQ5がオフしてからオンするまでの期間において、2Vinから徐々に低下することになる。
【0049】
このようにして▲1▼、▲2▼の期間を繰返し経ることによって、入力電圧Vinが2倍に昇圧されて出力されることとなる。
【0050】
<1倍昇圧>
次に、昇圧回路130の昇圧倍数が1倍である場合の動作について説明する。この場合、昇圧制御回路120は、図9のタイミングチャートで示される制御信号a、b、c1、c2、dをそれぞれ生成する。ここで、制御信号aは、図に示されるように、4倍、3倍および2倍昇圧の場合と同様である。また、制御信号bは、常に「H」レベルの信号である。一方、制御信号c1は、制御信号aと同じ信号である。さらに、制御信号c2は、常に「L」レベルの信号である。くわえて、制御信号dは、制御信号aまたはc1を反転させた信号である。
【0051】
さて、このような制御信号が昇圧回路130に供給された場合に、図9の▲1▼で示される期間においては、すなわち、制御信号a、bが「H」レベルとなり、制御信号dが「L」レベルである期間においては、トランジスタQ2、Q4、Q5、Q6、Q7がオンとなる一方、他のトランジスタはすべてオフとなる。このため、入力電圧Vinの供給ラインが出力ラインに接続されるので、入力電圧Vinがそのまま出力電圧Voutとなる。なお、この期間において、端子C2Lおよび端子C2Hが短絡されるので、補助コンデンサC2は充電されない。また、出力ラインに負荷が接続されていると、出力コンデンサCoutの放電が進行するので、出力電圧Voutは、トランジスタQ5がオフしてからオンするまでの期間において、Vinから徐々に低下することになる。
【0052】
このようにして▲1▼の期間によって、入力電圧Vinがそのまま出力電圧Voutとして出力されることとなる。
【0053】
<4倍〜1倍の無段階昇圧>
このように、本実施形態の昇圧回路では、まず、4倍、3倍、2倍、1倍の昇圧が可能であるが、昇圧倍数についてはこれにとどまらず、実際には、4倍から1倍までの間で無段階で昇圧可能である。すなわち、昇圧制御回路120が、異なる昇圧倍数の制御信号を時分割で供給し、その供給期間の割合を制御することで、昇圧倍数を、当該異なる倍数間の値に設定することが可能となる。
【0054】
例えば、4倍昇圧時の制御信号と、3倍昇圧時の制御信号とを、それぞれ同じ期間だけ交互に供給すれば、出力コンデンサCoutによって平滑化される出力電圧Voutを、入力電圧Vinの3.5倍として、実質的に昇圧倍数を3.5倍とすることが可能となる。また、例えば、4倍昇圧時の制御信号を25%の期間で、3倍昇圧時の制御信号を75%の期間で、それぞれ交互に供給すれば、実質的に昇圧倍数を3.25倍とすることが可能となる。いずれの場合も、制御信号a、bは共通であるので、制御信号c1(c2)と制御信号dとを変化させるだけで良い。
【0055】
ここで、本実施形態にあっては、上述のように、補助コンデンサC1、C2の接続を時分割で制御して、4Vin、3Vin、2Vin、Vinという各電圧を得ているので、制御信号の供給期間の割合を制御するということは、各電圧を得るのに必要な接続形態を時分割で排他的に制御することにほかならない。
【0056】
また、昇圧倍数を4倍〜3倍の間に設定する場合、用いる制御信号については、4倍昇圧時の制御信号と3倍昇圧時の制御信号との組み合わせのほか、4倍昇圧時の制御信号と2倍または1倍昇圧時の制御信号とを組み合わせても可能である。上述の3.5倍という昇圧倍数を例にとって説明すれば、4倍昇圧時の制御信号を75%の期間で、2倍昇圧時の制御信号を25%の期間で、それぞれ交互に供給すれば良く、また、4倍昇圧時の制御信号を83.3%の期間で、1倍昇圧時の制御信号を16.7%の期間で、それぞれ交互に供給すれば良い。
【0057】
同様に、昇圧倍数を3倍〜2倍の間に設定する場合、用いる制御信号については、3倍昇圧時の制御信号と2倍昇圧時の制御信号との組み合わせのほか、4倍昇圧時の制御信号と2倍または1倍昇圧時の制御信号とを組み合わせや、さらに、3倍昇圧時の制御信号と1倍昇圧時の制御信号とを組み合わせでも可能である。同様に、昇圧倍数を2倍〜1倍の間に設定する場合、用いる制御信号については、2倍昇圧時の制御信号と1倍昇圧時の制御信号との組み合わせのほか、4倍または3倍昇圧時の制御信号と1倍昇圧時の制御信号とを組み合わせでも可能である。ただし、昇圧倍数差の大きな制御信号同士を組み合わせると、出力コンデンサCoutが、電位差の大きな電圧同士を平滑化することになるので、出力電圧のリプルが大きくなる点に留意すべきである。
【0058】
実際、このような制御は、出力電圧Voutが目標となる電圧Vrefよりも絶対値でみて大きいのであれば、高倍昇圧時の制御信号の供給期間を低倍昇圧時の制御信号の供給期間よりも短くし、反対に、出力電圧Voutが電圧Vrefよりも絶対値でみて小さいのであれば、高倍昇圧時の制御信号の供給期間を低倍昇圧時の制御信号の供給期間よりも長くするようにして行われる。これにより、出力電圧Voutは、電圧Vrefで均衡して、ある一定の範囲に維持されることとなる。
【0059】
したがって、このような制御によれば、昇圧回路自身によって出力電圧を一定化できるので、後段に定電圧回路を設けなくて済む、という利点がある。さらに、入力電圧Vinが、例えば、時間経過とともに低下しても、出力電圧Voutは、昇圧倍数を高めることによってVin〜4Vinの間で一定化されるので、その分、負荷の動作時間を拡大することが可能となる。
【0060】
なお、ここでは、目標となる電圧Vrefと出力電圧Voutと比較に応じて、各昇圧倍数時の制御信号を時分割で供給し、その供給期間の割合を制御する、というフィードバック制御で出力電圧Voutを一定化したが、本発明は、これに限られない。例えば、昇圧制御回路120は、入力電圧Vinとの比較に応じて、各昇圧倍数時の制御信号を時分割で供給し、その供給期間の割合を制御する、というフィードフォワード制御で出力電圧Voutを一定化する構成として良い。
【0061】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態にかかる昇圧回路について説明する。上述した第1実施形態では昇圧倍数を4倍〜1倍としたものであったが、本実施形態では、16倍としたものである。図10は、本実施形態にかかる昇圧回路132の構成を示す回路図である。この図に示される昇圧回路132は、図1における昇圧回路130を置換して、電源回路100として適用されるものであり、図に示されるように、この昇圧回路132は、第1実施形態にかかる昇圧回路130を基本回路として、補助コンデンサC3、C4を付加したものであり、詳細には次の通りである。
【0062】
すなわち、補助コンデンサC2の端子C2Hは、第1に、制御信号fをゲート信号とするpチャネル型トランジスタQ10を介して、補助コンデンサC3の一方の端子C3Lと、さらに、制御信号eをゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ11を介した接地ラインとに接続され、第2に、制御信号eをゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ9を介して、補助コンデンサC3の他方の端子C3Hに接続されている。
【0063】
さらに、補助コンデンサC3の端子C3Hは、第1に、制御信号gをゲート信号とするpチャネル型トランジスタQ14を介して、補助コンデンサC4の一方の端子C4Lと、さらに、制御信号h2をゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ15を介した接地ラインとに接続され、第2に、制御信号h1をゲート信号とするnチャネル型トランジスタQ13を介して、補助コンデンサC4の他方の端子C4Hと、さらに、制御信号gをゲート信号とするpチャネル型トランジスタQ12を介した出力電圧Voutの出力ラインとに接続されている。そして、出力コンデンサCoutは、第1実施形態と同様に、出力電圧Voutを平滑化するために、当該出力ラインおよび接地ラインの間に並列に接続されている。
【0064】
このような構成において16倍の昇圧を行う場合、昇圧制御回路120は、次の▲1▼〜▲5▼の期間に分けて制御信号を供給して、昇圧回路132における各トランジスタQ2〜Q15のスイッチングを制御する。
【0065】
すなわち、第1に、図11の▲1▼で示されるように、昇圧制御回路120は、端子C1Hを入力電圧Vinの供給ラインに接続するとともに、端子C1Lを接地ラインに接続する。これにより、補助コンデンサC1はVinで充電される。
【0066】
第2に、同図の▲2▼で示されるように、昇圧制御回路120は、端子C1Lを入力電圧Vinの供給ラインに接続し、端子C1Hを端子C2Hに接続し、さらに、端子C2Lを接地ラインに接続する。これにより、端子C1Hの電位は、入力電圧Vinを補助コンデンサC1の出力電圧Vinだけ高位側にオフセットした2Vinとなる一方、補助コンデンサC2は2Vinで充電される。
【0067】
第3に、同図の▲3▼で示されるように、昇圧制御回路120は、端子C1Lを入力電圧Vinの供給ラインに接続した状態で、端子C1Hを端子C2Lに接続し、端子C2Hを端子C3Hに接続し、さらに、端子C3Lを接地ラインに接続する。これにより、端子C2Hの電位は、端子C1H(C2L)の電位2Vinを補助コンデンサC2の出力電圧2Vinだけ高位側にオフセットした4Vinとなる一方、補助コンデンサC3は4Vinで充電される。
【0068】
第4に、同図の▲4▼で示されるように、昇圧制御回路120は、端子C1Lを入力電圧Vinの供給ラインに接続し、端子C1Hを端子C2Lに接続した状態で、端子C2Hを端子C3Lに接続し、端子C3Hを端子C4Hに接続し、さらに、端子C4Lを接地ラインに接続する。これにより、端子C3Hの電位は、端子C2H(C3L)の電位4Vinを補助コンデンサC3の出力電圧4Vinだけ高位側にオフセットした8Vinとなる一方、補助コンデンサC4は8Vinで充電される。
【0069】
第5に、同図の▲5▼で示されるように、昇圧制御回路120は、端子C1Lを入力電圧Vinの供給ラインに接続し、端子C1Hを端子C2Lに接続し、さらに、端子C2Hを端子C3Lに接続した状態で、端子C3Hを端子C4Lに接続し、端子C4Hを出力電圧Voutの出力ラインに接続する。これにより、出力ラインの電位は、端子C3H(C4L)の電位8Vinを補助コンデンサC4の出力電圧8Vinだけ高位側にオフセットした16Vinとなる。このようして、4個の補助コンデンサC1〜C4によって16倍の昇圧が可能となる。
【0070】
さて、本実施形態では、第1実施形態の発展として、補助コンデンサC1〜C4をそれぞれ次のような電位で充電させることが可能である。
すなわち、補助コンデンサC1についてはVinで、補助コンデンサC2についてはVinまたは2Vinで、補助コンデンサC3についてはVin、2Vin、3Vinまたは4Vinで、それぞれ充電させることができ、さらに、補助コンデンサC4については、0、Vin、2Vin、……、7Vinまたは8Vinで充電させることができる。したがって、入力電圧Vinが供給される供給ラインを、補助コンデンサC1〜C4を適宜組み合わせた出力電圧でオフセットすることによって、Vin、2Vin、3Vin、……、16Vinの出力電圧Voutを得ることができる。
【0071】
くわえて、昇圧制御回路120が、各昇圧倍数を規定する制御信号を時分割で供給し、その供給期間の割合を制御することによって、昇圧倍数を16倍〜1倍の間で無段階で制御することが可能となるとともに、出力電圧Voutと目標となる電圧Vrefとの比較結果にしたがって供給期間の割合を制御することによって、出力電圧Voutを、16Vin〜Vinの間で一定化させることも可能となる。
【0072】
さらに、本発明にあっては、第1および第2実施形態を拡張することによって、すなわち、同様に補助コンデンサを追加構成することによって、32倍、64倍、……、2<SUP>n</SUP>倍で入力電圧Vinを昇圧することが可能となる。この際、昇圧に必要な補助コンデンサの個数はn個で済むので、構成の簡易化を図ることが可能となる。さらに、昇圧倍数を2<SUP>n</SUP>倍〜1倍で無段階で、さらに、この間の電圧で出力電圧Voutを一定化することも可能となる。
【0073】
また、上述した第1および第2実施形態にあっては、充電を行うとともに、オフセットする構成において、補助コンデンサを用いたが、本発明にあっては、これに限られることがなく、例えば、二次電池を用いても良い。
【0074】
さらに、第1および第2実施形態にあっては、入力電圧Vinが基準電位に対して正側とし、オフセットの方向を同じく正極側とした正電源の場合について説明したが、これに限られず、入力電圧を基準電位に対して負側とし、オフセットの方向を負側とした負電源の場合にも適用可能である。
【0075】
くわえて、第1および第2実施形態にあっては、補助コンデンサの接続や切り替えをトランジスタで行う構成としたが、アナログスイッチやトランスミッションゲートなどの各種スイッチで行う構成としても良い。
【0076】
<電源回路を用いた電子機器>
次に、第1実施形態の昇圧回路130や第2実施形態の昇圧回路132、さらに、これらを拡張した昇圧回路は、例えば、液晶表示装置の各部に電源を供給する電源回路として適用することが可能である。図12は、この液晶表示装置の電気的構成を示したブロック図である。この図に示されるように、液晶表示パネル200では、i本のデータ線X1〜Xiとj本の走査線Y1〜Yjとの各交点において液晶素子202が形成されており、各液晶素子202は、液晶表示要素(液晶層)204と薄膜ダイオード(Thin Film Diode:以下、「TFD」と称する)素子206とが直列に接続された構成となっている。
【0077】
そして、各走査線Y1〜Yjは走査信号駆動回路210によって、また、各データ線X1〜Xiはデータ信号駆動回路220によって、それぞれ駆動される。さらに、走査信号駆動回路210およびデータ信号駆動回路220は、駆動制御回路230によって制御される。なお、この図では、TFD素子206が走査線の側に接続され、液晶層204がデータ線の側に接続されているが、これとは逆に、TFD素子206をデータ線の側に、液晶層204を走査線の側に設ける構成でもよい。
【0078】
さて、電源回路100は、走査信号駆動回路210で用いられる各種選択電圧や、データ信号駆動回路220で用いられるデータ信号の電圧、駆動制御回路230で用いられる電圧などの各種出力電圧を、入力電圧Vinの昇圧倍数を制御して出力するものであり、上述した昇圧回路130を適用したものである。
【0079】
このような電源回路100を用いると、オンさせる画素が増加するなどして、負荷が大きくなる場合であっても、出力電圧が一定の範囲内での変動に抑えられるので、表示品質の低下が防止されることとなる。さらに、入力電圧Vinが時間とともに低下しても、出力電圧は、一定の範囲内での変動に抑えられるので、動作時間の長期化も図られる。
【0080】
なお、液晶表示装置としては、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス方式や、TFDやTFTなどのスイッチング素子を用いないパッシブマトリクス方式など種々のものを採用できる。さらに、液晶表示装置に限られず、EL(electroluminescence)層を被覆した絶縁層に行電極・列電極に形成したEL表示装置の電源回路にも適用可能である。さらに、表示装置に限られず、プロジェクタや、パーソナルコンピュータ、ページャ、液晶テレビや、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが電子機器に適用可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、2<SUP>n</SUP>倍に昇圧するのに必要な蓄電素子がn個で済むので、構成の簡易化が図られるとともに、昇圧倍数を比較的自由に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかる昇圧回路を適用した電源回路の構成を示すブロック図である。
【図2】 同昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図3】 同昇圧回路において、4倍昇圧時における制御信号を示すタイミングチャートである。
【図4】 同昇圧回路における4倍昇圧時の動作説明図である。
【図5】 同昇圧回路において、3倍昇圧時における制御信号を示すタイミングチャートである。
【図6】 同昇圧回路における3倍昇圧時の動作説明図である。
【図7】 同昇圧回路において、2倍昇圧時における制御信号を示すタイミングチャートである。
【図8】 同昇圧回路における2倍昇圧時の動作説明図である。
【図9】 同昇圧回路において、等倍昇圧時における制御信号を示すタイミングチャートである。
【図10】 本発明の第2実施形態にかかる昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図11】 同昇圧回路における16倍昇圧時の動作説明図である。
【図12】 実施形態にかかる昇圧回路を電源回路として適用した液晶表示装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図13】 従来の昇圧回路の構成を示す回路図である。
【図14】 同昇圧回路において、4倍昇圧時における制御信号を示すタイミングチャートである。
【図15】 同昇圧回路において4倍昇圧時の動作説明図である。
【図16】 従来の昇圧回路における16倍昇圧時の動作説明図である。
【符号の説明】
100……電源回路
110……電圧検出回路
120……昇圧制御回路
C1〜C4……補助コンデンサ
Cout……出力コンデンサ
Q2〜Q15……トランジスタ
Claims (7)
- 第1の蓄電素子と、
第2の蓄電素子と、
前記第1の蓄電素子の一方の端子と所定の電位を有する第1のラインとの間に
接続される第1の接続手段と、
前記第1の蓄電素子の他方の端子と前記第1のラインとは異なる電位を有する第2のラインとの間に接続される第2の接続手段と、
前記第1の蓄電素子の一方の端子と前記第2のラインとの間に接続される第3の接続手段と、
前記第2の蓄電素子の一方の端子と前記第1の蓄電素子の他方の端子の間に接続される第4の接続手段と、
前記第2の蓄電素子の他方の端子と前記第1の蓄電素子の他方の端子との間に接続される第5の接続手段と、
前記第2の蓄電素子の一方の端子と前記第1のラインとの間に接続される第6の接続手段と、
出力ラインと前記第2の蓄電素子の他方の端子との間に接続される第7の接続手段とを有し、
前記第1乃至第7の接続手段は、
第1の過程において、第1の蓄電素子における一方の端子を、所定の電位を有する第1のラインに接続するとともに、前記第1の蓄電素子における他方の端子を、前記第1のラインとは異なる電位を有する第2のラインに接続するよう制御され、
第2の過程において、第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、前記第1の蓄電素子における一方の端子を前記第2のラインに切り替え、かつ、前記第1の蓄電素子における他方の端子を前記第2の蓄電素子における他方の端子に切り替えて接続するよう制御され、
前記第2の過程と排他的に行われる第3の過程において、前記第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1のラインに接続するとともに、他方の端子を前奇第2のラインに接続するよう制御され、
第4の過程において、前記第2の蓄電素子における一方の端子を前記第1の蓄電素子における他方の端子に切り替えるとともに、前記第2の蓄電素子における他方の端子を出力ラインに切り替えて接続するよう制御され、
前記第2の過程を含む昇圧動作と、前記第3の過程を含む昇圧動作を時分割で行うよう制御されるとともに、前記第2の過程を含む昇圧動作の期間と前記第3の過程を含む昇圧動作の期間とのそれぞれの期間の割合が制御されることで、昇圧倍数が可変であることを特徴とする電源回路。 - 前記第2のラインの電位または前記出力ラインに基づく電位が所定の値より絶対値でみて小さい場合に、前記第2の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間を、前記第3の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間よりも長くなるように制御されることを特徴とする請求項1記載の電源回路。
- 第2及び第3の過程と排他的に行われ、前記第1の蓄電素子における一方の端子が前記第2のラインに接続された状態で、前記第1の蓄電素子における他方の端子を前記出力ラインに接続する第5の過程を有し、
前記第2または第3の過程を含む昇圧動作と、前記第5の過程を含む昇圧動作を時分割で行うよう制御されることを特徴とする請求項1または2記載の電源回路。 - 前記第2のラインの電位または前記出力ラインに基づく電位が所定の値より絶対値でみて小さい場合に、前記第2または第3の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間を、前記第5の過程の接続期間よりも長くなるように制御されることを特徴とする請求項3記載の電源回路。
- 前記第2のラインを前記出力ラインに接続する第6の過程を有し、
前記第2、第3、または第5の過程を含む昇圧動作と、前記第6の過程による昇圧動作を時分割で行うよう制御されることを特徴とする請求項1または3記載の電源回路。 - 前記第2のラインの電位または前記出力ラインに基づく電位が所定の値より絶対値でみて小さい場合に、前記第2または第3の過程による前記第2の蓄電素子の接続期間あるいは前記第5の過程による接続期間を、前記第6の過程の接続期間よりも長くなるように制御されることを特徴とする請求項5記載の電源回路。
- 請求項1乃至6いずれか記載の電源回路を有することを特徴とする液晶表示装置。
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