JP3702016B2 - 不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラッシュメモリ(EEPROM)を内蔵するマイクロコンピュータにおいて、前記フラッシュメモリのデータ書き換え回数を知るのに好適な、不揮発性メモリの書き換え回数測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近の1チップマイクロコンピュータの中には、プログラムメモリ又はデータメモリとして、データの電気的消去が可能であり且つデータの書き込み及び読み出しが可能なフラッシュメモリ(EEPROM)を内蔵したものが存在する。前記EEPROMの各メモリセルは各々コントロールゲート及びフローティングゲートを有するMOSトランジスタで構成されている。前記EEPROMの各メモリセルは、ドレイン−ソース間に高電圧を印加してフローティングゲートに負の電荷を帯電させた時、ドレインソース間にチャンネルが形成されなくなり、出力電流が流れ難くなる。このメモリセルの状態が論理「0」である。一方、前記EEPROMの各メモリセルのコントロールゲートに高電圧を印加すれば、フローティングゲートに帯電していた負の電荷はコントロールゲートを介して消失し、ドレインソース間にチャンネルが形成されて最大100μA程度の出力電流が流れる。このメモリセルの状態が論理「1」である。前記EEPROMの各メモリセルは、こうして「1」及び「0」のデータが書き込まれた状態となる。
【0003】
ところで、前記EEPROMのデータ書き換えを行う場合、特に各メモリセルの状態を論理「0」から論理「1」に変更する場合、フローティングゲートに帯電された負の電荷を抜き取る必要がある。ところが、フローティングゲート付MOSトランジスタの構造上、フローティングゲートから帯電済みの電荷を完全に抜き取ることは物理的に不可能である。その為、各メモリセルに対して、論理「0」から論理「1」へのデータ書き換えを繰り返し何度も実行すると、フローティングゲートに徐々に負の電荷が蓄積され、最後には各メモリセルを論理「1」とする処理を行っているにも関わらず、フローティングゲートは負の電荷が蓄積されたままとなってしまい、誤って論理「0」を書き込んだ状態と等価となる。その為、EEPROM内蔵マイクロコンピュータの使用者は、前記EEPROMの正常なデータ書き換えが最大何回まで可能であるのかを事前に確認しておく必要がある。
【0004】
そこで、従来は、前記EEPROM内蔵マイクロコンピュータを製造する半導体製造業者が、前記EEPROM内蔵マイクロコンピュータの為の半導体素子を集積化したICを任意に複数個抽出し、これら複数のICに対して内蔵EEPROMの書き換え試験を行っていた。具体的には、前記ICに設けられたEEPROMの為のアドレスデータ入力端子とデータ入出力端子とにデータ書き換え専用の測定器を結合し、EEPROM全体のデータの書き換えを行った結果、各メモリセルの出力電流がどれだけ流れているのかを測定してEEPROMの書き換え回数の限界を検出していた。詳しくは、各メモリセルの出力電流に共通の閾値を設定しており、出力電流が前記閾値より大きい時は論理「1」と判断し、出力電流が前記閾値より小さい時は論理「0」と判断する。従って、論理「1」をメモりセルに書き込む処理を実行しているにも関わらず、出力電流が前記閾値より小さくなった場合には、フローティングゲートに多くの負の電荷が蓄積されていることを意味し、もうこれ以上の正常なデータ書き換えは不可能となる。この時点の書き換え回数を、半導体製造業者は、EEPROM内蔵マイクロコンピュータの使用者に事前に報告している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、EEPROMのデータの正常な最大書き換え回数を評価する為に、わざわざ専用の前記測定器を購入しなければならない問題があった。
そこで、本発明は、前記測定器を不要とできる不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記問題点を解決する為に成されたものであり、その特徴とするところは、データの書き込み及び読み出しが可能であり且つデータの電気的消去が可能な第1の不揮発性メモリをプログラムメモリ又はデータメモリとして内蔵した不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータにおいて、前記マイクロコンピュータが初期化された際に、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されているか否かを検出するものであって、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されていることを検出した時、前記第1の不揮発性メモリの内容の書き換えを実行し、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されていないことを検出した時、前記第1の不揮発性メモリの内容の書き換えを実行せずに、前記第1の不揮発性メモリのルーチンを実行するための手段と、前記第1の不揮発性メモリが正常にデータの書き換え動作を行える回数を確認するためのプログラムが予め書き込まれた第2の不揮発性メモリと、前記第1及び第2の不揮発性メモリをアクセス可能なプログラムカウンタと、前記マイクロコンピュータの初期化時に、前記手段の検出出力に応じて、前記プログラムカウンタが前記第2の不揮発性メモリの所定アドレスをアクセスするように、前記プログラムカウンタの所定ビットの値を設定する手段と、を備え、前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を実行することにより、前記第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に、該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が正常の時は、さらに該第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断する動作を繰り返し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が異常の時は、所定回数までの書き換えは正常であった旨のデータを出力ポートから出力させ、前記第1の不揮発性メモリが正常に書き換え動作を行える回数を確認可能とした点である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図面に従って具体的に説明する。
図1は本発明の不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を示す回路ブロック図であり、全て1チップマイクロコンピュータ内部に内蔵されている。
図1において、(1)はEEPROM(第1の不揮発性メモリ)であり、電気的にデータ消去が可能であり、データの書き込み及び読み出しが可能なものである。該EEPROM(1)の記憶領域は、特定アドレス(破線)を境にプログラム領域とデータ領域とに分割されている。
【0008】
(2)はマスクROM(第2の不揮発性メモリ)であり、該マスクROM(2)には、EEPROM(1)に対する正常なデータ書き換えの最大回数を評価する為のプログラムデータが記憶されている。該マスクROM(2)は、前記1チップマイクロコンピュータが初期化された時に、後述するプログラムカウンタによりアドレス指定される。ここで、本発明の実施の形態においては、EEPROM(1)及びマスクROM(2)は同一アドレス空間に割り振られており、例えばEEPROM(1)のアドレス領域を「0000」H〜「7FFF」H、マスクROM(2)のアドレス領域を「8000」H〜「FFFF」Hとする。即ち、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時、後述のプログラムカウンタの最上位ビットは「1」にハード的に変更される。
【0009】
(3)は上記した16ビット構成のプログラムカウンタPCであり、EEPROM(1)及びマスクROM(2)のアドレスをアクセスするものである。ここで、図2にプログラムカウンタ(3)内部のラッチ回路部分を示している。図2において、bit0が最下位ビット、bit15が最上位ビットに対応し、bit0〜bit14は各々同一構成であり、bit15のみ構成が一部異なる。まず、bit0〜bit14において、bit0を代表して説明すると、NANDゲート(20)の一方の入力はトランスミッションゲート(21)と接続され、NANDゲート(20)の出力と一方の入力の間にはbit0データ保持の為のインバータ(22)及びトランスミッションゲート(23)が直列接続されている。トランスミッションゲート(21)は最下位ビットのアドレスデータADD0をラッチ回路内部に取り込むものであり、トランスミッションゲート(23)はラッチ回路内部に取り込まれたアドレスデータADD0を保持する為のものである。従って、トランスミッションゲート(21)(23)は相補的に動作する必要があり、トランスミッションゲート(21)の制御入力にはクロックCKがそのまま印加され、トランスミッションゲート(23)の制御入力には、前記クロックCKがインバータ(24)を介して反転印加される。動作は、アドレスデータの変更時、クロックCKが発生してハイレベルとなると、アドレスデータADD0がNANDゲート(20)に印加され、インバータ(25)を介して出力される。その後、アドレスデータADD0の保持時は、前記クロックCKが無くなってローレベルとなる為、トランスミッションゲート(23)がゲートを開いてアドレスデータADD0はNANDゲート(20)、インバータ(22)及びトランスミッションゲート(23)から成るループで保持され、インバータ(25)から出力され続ける。一方、NANDゲート(20)の他方の入力には、インバータ(26)を介して前記1チップマイクロコンピュータを初期化する際に発生するハイレベルのイニシャル信号INTが印加される。前記1チップマイクロコンピュータの初期化時は、bit0〜bit14から出力されるアドレスデータADD0〜ADD14は全て「0」となる。
【0010】
bit15においては、bit0〜bit14に設けたNANDゲート(20)をNORゲート(27)に代え、インバータ(26)を削除した構成で、それ以外の構成には変更はなく、同一構成には同一番号を記すものとする。前記1チップマイクロコンピュータの初期化時、ハイレベルのイニシャル信号INTがbit15内部のNORゲート(27)の一方の入力に印加されると、bit15から出力されるアドレスデータADD15は「1」となる。即ち、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時のプログラムカウンタ(3)の値は、ハード的にマスクROM(2)の先頭番地である「8000」Hとなる。
【0011】
(4)はインストラクションレジスタIRであり、EEPROM(1)及びマスクROM(2)から読み出されたデータを内部バス(5)を介して保持するものである。(6)はインストラクションデコーダIDECであり、インストラクションレジスタ(4)の内容を解読し、前記1チップマイクロコンピュータを制御する為の各種制御信号を出力するものである。
【0012】
(7)は16ビット構成のアドレスレジスタであり、マスクROM(2)から読み出されたプログラム命令に基づき、EEPROM(1)のデータ書き換えを行う際の該EEPROM(1)のアドレスデータがセットされるものである。
(8)は8ビットの入力ポートであり、EEPROM(1)のデータ書き換えモードを実行する時に「00」Hが前記1チップマイクロコンピュータ外部で設定される。
【0013】
(9)は8ビット構成のスタティックRAMであり、各種データの書き込み及び読み出しが行われるものである。(10)はアキュムレータACCであり、データの一時格納を行うものである。(11)(12)は各々テンポラリレジスタTMP1、TMP2であり、アキュムレータ(10)と同様にデータの一時保持を行うものである。(13)は演算論理ユニットALUであり、テンポラリレジスタ(11)(12)に一時保持されたデータに対して、EEPROM(1)又はマスクROM(2)の読み出しプログラムに基づく論理演算を行い、この結果に基づき、プログラムカウンタ(3)の値を制御するものである。
【0014】
(14)は出力ポートであり、EEPROM(1)に対する正常なデータ書き換えの最大回数を表すデータを出力するものである。
(15)(16)はANDゲート且つ(17)はORゲートであり、マルチプレクサを構成する。尚、該マルチプレクサは、プログラムカウンタ(3)のビット数16に対応して16個パラレルに設けられている。ANDゲート(15)の一方の入力にはプログラムカウンタ(3)の値が印加され、ANDゲート(16)の一方の入力にはアドレスレジスタ(7)の値ADDが印加される。更に、ANDゲート(15)(16)の他方の入力には、各々、インストラクションデコーダ(6)から出力される切換制御信号が反転及びそのまま共通印加される。
【0015】
以下、図3のフローチャートを用いて図1の動作を説明する。
まず、EEPROM(1)の書き換え回数の評価を行う為に、入力ポート(8)を「00」Hの状態としておく。即ち、8ビットの入力ポート(8)全てを外部端子を介して接地した状態としておく。そして、前記1チップマイクロコンピュータに電源を投入し、該1チップマイクロコンピュータを初期化する。この時、前記切換制御信号は「0」であり、上記したプログラムカウンタ(3)のラッチ回路構成の説明により、プログラムカウンタ(3)の値はハード的に「8000」Hとなる。従って、マスクROM(2)の「8000」H以降のプログラムデータが順次読み出され、以下の動作が実行される。
【0016】
初めに、マスクROM(2)のプログラムデータをインストラクションデコーダ(6)で解読した結果に基づき、入力ポート(8)の「00」Hが内部バス(5)を介してアキュムレータ(10)に一時保持される(ステップ1)。その後、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hであるか否かの判断が行われる(ステップ2)。具体的には、アキュムレータ(10)の内容が内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(11)に一時保持され、且つ、マスクROM(2)から読み出されてインストラクションレジスタ(4)に保持された比較データが内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(12)にセットされる。そして、テンポラリレジスタ(11)(12)の保持データが演算論理ユニット(13)に印加されて所定の論理演算が実行される。この結果、演算論理ユニット(13)からアキュムレータ(10)の内容が「00」Hである旨の演算結果が得られると(ステップ2:YES)、これ以降、マスクROM(2)から読み出されるプログラム命令に基づき、以下に説明するEEPROM(1)のデータ書き換え動作が実行される。一方、アキュムレータ(10)の内容が「00」Hでない旨の演算結果が演算論理ユニット(13)から得られると(ステップ2:NO)、プログラムカウンタ(3)の値は「0000」Hに変更され(ステップ3)、データ書き換え回数のチェックを目的とした、EEPROM(1)のデータ書き換えを行わず、EEPROM(1)に既に書き込まれている通常動作ルーチンが実行される。
【0017】
前記ステップ2:YESの後、マスクROM(2)がプログラムカウンタ(3)により特定アドレスを順次アクセスされる訳であるが、初めに、マスクROM(2)の読み出しプログラムがインストラクションデコーダ(6)で解読されることにより、マスクROM(2)からデータ「0000」Hが読み出され、上位8ビット「00」H及び下位8ビット「00」Hが各々RAM(9)の所定の2アドレス(A領域)に書き込まれ、その後、アキュムレータ(10)に一時格納された後にアドレスレジスタ(7)に順次セットされる。こうして、アドレスレジスタ(7)の値は「0000」Hとなる(ステップ4)。そして、マスクROM(2)の次のプログラム命令の解読結果に基づき、前記切換制御信号が「1」となってEEPROM(1)のアクセスがアドレスレジスタ(7)側に切り換えられ、EEPROM(1)の「0000」H番地にマスクROM(2)から読み出された「FF」Hが書き込まれる。即ち、EEPROM(1)の「0000」H番地を構成する全メモリセルのフローティングゲートの蓄積電荷の抜き取りが行われる(ステップ5)。その後、EEPROM(1)の「0000」H番地にマスクROM(2)から読み出された「00」Hが書き込まれる。即ち、EEPROM(1)の「0000」H番地の全メモリセルのフローティングゲートに対して電荷の帯電が行われる(ステップ6)。これより、EEPROM(1)の「0000」H番地に対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが終了したことになる。
【0018】
次に、EEPROM(1)の「0000」H〜「FFFF」H番地に対する「FF」H及び「00」Hの書き換えが100回終了したか否かを判断する(ステップ7)。現段階では、EEPROM(1)の「0000」H番地への1回のデータ書き換えが終了しただけの為(ステップ7:NO)、マスクROM(2)の次の読み出しプログラムを解読した結果、アドレスレジスタ(7)のインクリメント命令が実行される。具体的には、マスクROM(2)から読み出された「01」Hが内部バス(5)を介してテンポラリレジスタ(11)にセットされ、且つ、アドレスレジスタ(7)の下位8ビット「00」Hがテンポラリレジスタ(12)にセットされ、演算論理ユニット(13)で両テンポラリレジスタ(11)(12)の論理和演算が実行され、この値が再び内部バス(5)を介してアドレスレジスタ(7)の下位8ビットにセットされる。これより、アドレスレジスタ(7)の値は「0001」Hとなり、+1インクリメントされたことになる(ステップ8)。尚、演算論理ユニット(13)の論理和演算の結果がキャリーを発生する場合、そのキャリーとアドレスレジスタ(7)の上位8ビットが再び演算論理ユニット(13)で論理和演算され、再びアドレスレジスタ(7)の上位8ビットにセットされる。
【0019】
次に、アドレスレジスタ(7)の値が「8000」Hになったか否かが判断される(ステップ9)。現段階では、アドレスレジスタ(7)の値が「0001」Hになったばかりの為(ステップ9:NO)、上記動作と同様にして、EEPROM(1)の「0001」H番地に対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが実行される(ステップ5,6)。こうして、ステップ5,6,7:NO,8,9:NOを繰り返し、EEPROM(1)の「7FFF」H番地に対する「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えまでが終了すると、アドレスレジスタ(7)の値は「8000」Hとなる(ステップ9:YES)。この状態は、EEPROM(1)の「0000」H〜「7FFF」Hの全アドレスに対して「FF」H及び「00」Hの1回の書き換えが完了したことを意味する。すると、RAM(9)の所定の1アドレス(B領域)に、EEPROM(1)の全アドレスのデータ書き換えが1回終了したことを表す「01」Hが書き込まれる(ステップ10)。尚、「8000」Hとなったアドレスレジスタ(7)には再び「0000」Hがセットされる。以後、ステップ5,6,7:NO,8,9,10を繰り返し、RAM(9)のB領域のデータがインクリメント命令に伴い100に対応するバイナリデータとなった時、EEPROM(1)の全アドレスに対するデータ書き換えが100回終了したことになる(ステップ7:YES)。すると、RAM(9)の所定の1アドレス(C領域)に対して、EEPROM(1)の全アドレスのデータ書き換えが100回終了したことを表す「01」Hが書き込まれる(ステップ11)。
【0020】
その後、EEPROM(1)の全アドレスに100回目に書き換えられた本来「00」Hであろうデータが読み出され、各アドレスの読み出しデータが「00」Hになっているか否かの判断が行われる(ステップ12,13)。具体的には、マスクROM(2)のプログラム命令の解読結果に基づき、前記切換制御信号を「1」とすると共にアドレスレジスタ(7)に「0000」Hをセットし、まずEEPROM(1)の「0000」H番地のデータを読み出す。そして、このデータをテンポラリレジスタ(11)にセットすると共にマスクROM(2)からの比較データをテンポラリレジスタ(12)にセットし、演算論理ユニット(13)で所定の論理演算を行う。この結果、演算論理ユニット(13)からEEPROM(1)の「0000」H番地のデータが「00」Hでない旨の演算結果が得られた時(ステップ13:NO)、RAM(9)のC領域に書き込まれたデータを出力ポート(14)から出力する(ステップ14)。これより、EEPROM(1)は100回以下で正常にデータの書き換えが可能であることを使用者に知らせることが可能となる。一方、EEPROM(1)の「0000」H番地から読み出されたデータが、演算論理ユニット(13)の演算結果により、「00」Hであった場合は、上記動作と同様にしてインクリメント命令が実行され、アドレスレジスタ(7)の値が「0001」Hとなる。そして、EEPROM(1)の「0001」H番地から読み出されたデータが「00」Hであるか否か判断され、「00」Hである時は上記アドレスレジスタ(7)のインクリメント動作が行われる。EEPROM(1)の何れか1つのアドレスの読み出しデータが「00」Hでないと、ステップ14に進み、プログラムは終了してしまう。ところで、アドレスレジスタ(7)の値が「8000」Hになるということは、EEPROM(1)の「0000」H〜「7FFF」Hから読み出されたデータは全て「00」Hで正常であったことを意味する(ステップ13:YES)。
【0021】
次は、EEPROM(1)の「00」Hデータのチェックが完了した為、ステップ5と同様にしてEEPROM(1)の全アドレスに「FF」Hを書き込む(ステップ15)。その後、ステップ12,13と同様にして、EEPROM(1)の全アドレスからデータを読み出し、そのデータが「FF」Hであるか否かを判断する(ステップ16,17)。EEPROM(1)からの読み出しデータが「FF」Hでない場合は(ステップ17:NO)、ステップ14へ進み、EEPROM(1)が100回以下で正常なデータ書き換えをできる旨のRAM(9)のC領域のデータを出力ポート(14)から出力する。一方、EEPROM(1)の読み出しデータが全て「FF」Hであった場合(ステップ17:YES)、再びステップ4に戻り、上記動作を繰り返す。
【0022】
以上より、EEPROM(1)に前記1チップマイクロコンピュータの初期化時の状態判断を行う為のプログラムを事前に外部から書き込むことなく、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時にマスクROM(2)の先頭番地をハード的にアクセスできる構成とした。これより、EEPROM(1)への書き換え回数測定の為のプログラムをわざわざ書き込む必要が無くなる。そして、マスクROM(2)のプログラムを実行することにより、EEPROM(1)の正常なデータ書き換え回数を100回単位で確認することができ、従来必要とされていたEEPROM(1)の書き換え回数評価の為の専用の測定器を不要とできる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、第1の不揮発性メモリに1チップマイクロコンピュータの初期化時の状態判断を行う為のプログラムを事前に外部から書き込むことなく、前記1チップマイクロコンピュータの初期化時に第2の不揮発性メモリの所定番地をハード的にアクセスできる構成とした。これより、第1の不揮発性メモリへの書き換え回数測定の為のプログラムをわざわざ書き込む必要が無くなる。そして、第2の不揮発性メモリのプログラムを実行することにより、第1の不揮発性メモリの正常なデータ書き換え回数を所定回数単位で確認することができ、従来必要とされていた第1の不揮発性メモリの書き換え回数評価の為の専用の測定器を不要とできる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不揮発性メモリの書き換え回数測定装置を示す回路ブロック図である。
【図2】図1のプログラムメモリの一部の構成を示す回路図である。
【図3】図1の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
(1) EEPROM
(2) マスクROM
(3) プログラムカウンタ
(7) アドレスレジスタ
(8) 入力ポート
(14) 出力ポート
Claims (4)
- データの書き込み及び読み出しが可能であり且つデータの電気的消去が可能な第1の不揮発性メモリをプログラムメモリ又はデータメモリとして内蔵した不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータにおいて、
前記マイクロコンピュータが初期化された際に、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されているか否かを検出するものであって、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されていることを検出した時、前記第1の不揮発性メモリの内容の書き換えを実行し、前記マイクロコンピュータが所定状態に設定されていないことを検出した時、前記第1の不揮発性メモリの内容の書き換えを実行せずに、前記第1の不揮発性メモリのルーチンを実行するための手段と、
前記第1の不揮発性メモリが正常にデータの書き換え動作を行える回数を確認するためのプログラムが予め書き込まれた第2の不揮発性メモリと、
前記第1及び第2の不揮発性メモリをアクセス可能なプログラムカウンタと、
前記マイクロコンピュータの初期化時に、前記手段の検出出力に応じて、前記プログラムカウンタが前記第2の不揮発性メモリの所定アドレスをアクセスするように、前記プログラムカウンタの所定ビットの値を設定する手段と、を備え、
前記第2の不揮発性メモリから読み出されたプログラム命令を実行することにより、前記第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に、該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断し、該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が正常の時は、さらに該第1の不揮発性メモリの内容を所定回数書き換える毎に該第1の不揮発性メモリの内容を読み出して正常か否かを判断する動作を繰り返し、
該第1の不揮発性メモリから読み出した内容が異常の時は、所定回数までの書き換えは正常であった旨のデータを出力ポートから出力させ、前記第1の不揮発性メモリが正常に書き換え動作を行える回数を確認可能としたことを特徴とする不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。 - 前記第2の不揮発性メモリから読み出されるプログラム命令に基づき、前記第1の不揮発性メモリのデータ書き換えを行う際のアドレスデータがセットされるアドレスレジスタを備えたことを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。
- 前記マイクロコンピュータの所定の状態とは、ポートの状態であることを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュー タ。
- 前記第1及び第2の不揮発性メモリは同一アドレス空間に割り振られ、前記マイクロコンピュータの初期化時に該マイクロコンピュータが所定状態に設定されていない時、前記第1又は前記第2の不揮発性メモリをアクセスするプログラムカウンタの所定ビットを変更して前記第1の不揮発性メモリのアクセスを可能とすることを特徴とする請求項1記載の不揮発性メモリ内蔵マイクロコンピュータ。
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